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特開2024-88574管路工事管理装置、管路工事管理システム、管路工事管理方法及び管路工事管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088574
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】管路工事管理装置、管路工事管理システム、管路工事管理方法及び管路工事管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023122852
(22)【出願日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】P 2022203154
(32)【優先日】2022-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(74)【代理人】
【識別番号】100196623
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 計介
(72)【発明者】
【氏名】山下 彰
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一也
(72)【発明者】
【氏名】原田 和眞
(72)【発明者】
【氏名】辻 研吾
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易にできる構成を実現する。
【解決手段】管路工事を管理する管路工事管理装置2は、前記管路工事の対象となる管路の工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定部251と、前記管路工事の対象となる管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部252と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路工事を管理する管路工事管理装置であって、
前記管路工事の対象となる設計管路の工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定部と、
前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部と、
を有する、
管路工事管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管路工事管理装置において、
前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定部によって決定された前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定部をさらに有する、
管路工事管理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の管路工事管理装置において、
前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置において取得した前記実績情報を記憶する実績情報記憶部をさらに有し、
前記情報管理部は、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する、
管路工事管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の管路工事管理装置において、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、
前記実績情報記憶部は、前記設計値に対応する実測値を、前記実績情報として記憶しており、
前記情報管理部は、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する、
管路工事管理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の管路工事管理装置において、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、
前記実績情報記憶部は、前記撮影項目に対応する前記写真データを前記実績情報として記憶しており、
前記情報管理部は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置に紐づけて管理する、
管路工事管理装置。
【請求項6】
管理サーバと、前記管理サーバと通信可能な第1通信端末とを有し、管路工事を管理する管路工事管理システムであって、
前記第1通信端末は、
前記管理サーバから、設計管路の設計情報を取得する設計情報取得部と、
ユーザによる入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する工事区間情報取得部と、
取得した前記工事区間に関する情報を前記管理サーバに出力する工事区間情報出力部と、
を有し、
前記管理サーバは、
前記第1通信端末によって出力された前記工事区間に関する情報に基づいて、前記工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定部と、
前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部と、
を有する、
管路工事管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定部によって決定された前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定部をさらに有する、
管路工事管理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記第1通信端末は、
前記ユーザの操作入力に応じて、前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置である特異点の位置に関する情報を取得する特異点情報取得部と、
前記特異点の位置に関する情報を特異点情報として前記管理サーバに出力する特異点情報出力部と、をさらに有し、
前記管理サーバは、前記第1通信端末によって出力される前記特異点情報に基づいて、
前記管理位置に含まれる特異点を設定する特異点設定部をさらに有する、
管路工事管理システム。
【請求項9】
請求項6に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記第1通信端末は、前記設計情報に基づいて管路図を表示する管路表示部をさらに有し、
前記第1通信端末の前記工事区間情報取得部は、前記管路表示部によって表示された前記管路図上でユーザによって入力操作された区間に関する情報を前記工事区間に関する情報として取得する、
管路工事管理システム。
【請求項10】
請求項6から請求項9のいずれか1つに記載の管路工事管理システムにおいて、
前記管理サーバと通信可能な第2通信端末をさらに有し、
前記第2通信端末は、
前記管理サーバから、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を取得する管理位置取得部と、
前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画に関する情報に対応する実績情報を生成する実績情報取得部と、
取得した前記実績情報を前記管理位置と紐づけて前記管理サーバに出力する実績情報出力部と、
を有し、
前記管理サーバの前記情報管理部は、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する、
管路工事管理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、
前記第2通信端末の前記実績情報取得部は、ユーザの入力操作に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得し、
前記管理サーバの前記情報管理部は、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する、
管路工事管理システム。
【請求項12】
請求項10に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、
前記第2通信端末の前記実績情報取得部は、前記撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成し、
前記管理サーバの前記情報管理部は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する、
管路工事管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記管理サーバの情報管理部は、前記撮影項目を前記管理位置以外の前記管路工事における撮影対象に紐づけ、
前記第2通信端末の前記実績情報取得部は、前記撮影対象を、該撮影対象に紐づけられた前記撮影項目に応じて撮影して前記写真データを生成する、
管路工事管理システム。
【請求項14】
請求項6から請求項9のいずれか1つに記載の管路工事管理システムにおいて、
前記施工計画に関する情報、前記管理位置及び前記実績情報は、それぞれ、前記管路工事における作業範囲に紐づけられている、
管路工事管理システム。
【請求項15】
請求項10に記載の管路工事管理システムにおいて、
前記施工計画に関する情報、前記管理位置及び前記実績情報は、それぞれ、前記管路工事における作業範囲に紐づけられており、
前記施工計画に関する情報は、前記作業範囲における作業の工事日程を示す工程情報を含み、
前記管理位置は、前記工程情報に紐づけられており、
前記第2通信端末は、前記作業範囲に紐づけられた前記施工計画に関する情報及び前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を、前記管理サーバから取得する一方、前記施工計画に関する情報に対応し且つ前記作業範囲と前記作業範囲における作業日を示す作業日情報とに紐づけられた実績情報を取得した後、前記実績情報を、前記管理サーバに出力し、
前記管理サーバは、前記第2通信端末から出力された前記実績情報に基づいて、前記施工計画に関する情報に含まれる工程情報を修正する、
管路工事管理システム。
【請求項16】
管理サーバと、前記管理サーバと通信可能な第1通信端末とを有し、管路工事を管理する管路工事管理システムを制御する管路工事管理方法であって、
前記第1通信端末が、前記管理サーバから、設計管路の設計情報を取得する設計情報取得ステップと、
前記第1通信端末が、ユーザによる入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する工事区間情報取得ステップと、
前記第1通信端末が、取得した前記工事区間に関する情報を前記管理サーバに出力する工事区間情報出力ステップと、
前記管理サーバが、前記第1通信端末によって出力された前記工事区間に関する情報に基づいて、前記工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する管理位置決定ステップと、
前記管理サーバが、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理ステップと、
を有する、
管路工事管理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の管路工事管理方法において、
前記管理サーバが、前記施工計画に関する情報に基づいて、管理位置決定ステップにおいて決定された前記管理位置以外の位置であり、且つ、前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定ステップをさらに有する、
管路工事管理方法。
【請求項18】
請求項16又は請求項17に記載の管路工事管理方法において、
前記管路工事管理システムが、前記管理サーバと通信可能な第2通信端末をさらに有し、
前記管路工事管理方法は、
前記第2通信端末が、前記管理サーバから、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を取得する管理位置取得ステップと、
前記第2通信端末が、前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画に関する情報に対応する実績情報を生成する実績情報取得ステップと、
前記第2通信端末が、取得した前記実績情報を前記管理位置と紐づけて前記管理サーバに出力する実績情報出力ステップと、
をさらに有し、
前記情報管理ステップでは、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する、
管路工事管理方法。
【請求項19】
請求項18に記載の管路工事管理方法において、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、
前記実績情報取得ステップでは、ユーザの操作入力に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得し、
前記情報管理ステップでは、前記管理サーバが、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する、
管路工事管理方法。
【請求項20】
請求項18に記載の管路工事管理方法において、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、
前記実績情報取得ステップでは、前記第2通信端末が、前記管理位置において、前記撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成し、
前記情報管理ステップでは、前記管理サーバが、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する、
管路工事管理方法。
【請求項21】
管路工事を管理する管理サーバを制御するための管路工事管理プログラムであって、
前記管理サーバに、
前記管路工事の対象となる設計管路の工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定ステップと、
前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理ステップと、
を実行させる、
管路工事管理プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の管路工事管理プログラムにおいて、
前記管理サーバに、前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定ステップにおいて決定された前記管理位置以外の位置であり、且つ、前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定ステップをさらに実行させる、
管路工事管理プログラム。
【請求項23】
請求項21又は請求項22に記載の管路工事管理プログラムにおいて、
前記管理サーバに、
前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置における前記実績情報を取得する実績取得端末に対して、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を出力する管理位置出力ステップと、
前記実績取得端末から、前記管理位置における前記実績情報を取得する実績情報取得ステップと、
をさらに実行させ、
前記情報管理ステップでは、前記管理サーバに、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理させる、
管路工事管理プログラム。
【請求項24】
請求項23に記載の管路工事管理プログラムにおいて、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、
前記実績情報取得ステップでは、前記管理サーバに、前記実績取得端末から、前記設計値に対応する実測値を、前記実績情報として取得させ、
前記情報管理ステップでは、前記管理サーバに、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して
紐づけて管理させる、
管路工事管理プログラム。
【請求項25】
請求項23に記載の管路工事管理プログラムにおいて、
前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、
前記実績情報取得ステップでは、前記管理サーバに、前記実績取得端末から、前記撮影項目に対応する前記写真データを実績情報として取得させ、
前記情報管理ステップでは、前記管理サーバに、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置に紐づけて管理させる、
管路工事管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路工事を管理する管路工事管理装置、管路工事管理システム、管路工事管理方法及び管路工事管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、管路工事事業では、工事の進捗に応じて工事の実績の記録が要求される。実績として記録が必要な工事の内容は、工事を発注する事業体ごとに異なる。
【0003】
管路工事事業では、例えば、施工が計画されている箇所のうち施工が完了した部分(以下「出来形」と称する)の形状、寸法等は、所定の基準に準拠して測定され、書類等に記録される。また、管路工事事業では、記録された測定値と、工事の設計値との差も、書類等に記録されて管理される(以下「出来形管理」と称する)。
【0004】
また、工事の各工程では、工事現場の状況等を撮影してその写真を管理することも要求される。このような写真管理では、前記事業体に指定された事項を記載した黒板とともに所定の撮影項目を撮影する。
【0005】
前記出来形管理又は前記写真管理等は、手作業で行われている作業内容も多い。このため、前記出来形管理又は前記写真管理等の効率化が求められている。そこで、例えば、特許文献1では、施工管理で求められる工事現場での検査の情報を携帯端末によって入力し、入力した情報をサーバにて収集することにより、出来形管理表の作成を支援することが提案されている。
【0006】
また、特許文献2及び3では、黒板を電子的に作成して、電子黒板付きの写真画像を生成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-102935号公報
【特許文献2】特開2008-225862号公報
【特許文献3】特開2016-189199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記管路工事における実績の管理は、基本的に、管路における管理位置を基準に行われる。前記出来形管理又は前記写真管理等では、前記管理位置において様々な項目の管理が求められる。
【0009】
また、写真管理において管理が必要な写真の枚数は、非常に多い。そのため、写真管理の作業には多くの時間がかかる。例えば、担当者が、工事箇所の管理位置と、その管理位置で撮影された写真とを紐づける作業には、多くの時間がかかっていた。
【0010】
以上のような状況のため、前記管理位置における施工計画に関するデータと工事の実績データとを効率良くデータ処理して、より効率良く工事の実績を管理することが望まれている。
【0011】
本発明の目的は、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係る管路工事管理装置は、管路工事を管理する装置である。前記管路工事管理装置は、前記管路工事の対象となる設計管路の工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定部と、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部と、を有する(第1の構成)。
【0013】
上述の構成では、工事区間の始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、施工計画に関する情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0014】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理装置が実現できる。
【0015】
第1の構成において、前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定部によって決定された前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定部をさらに有する(第2の構成)。
【0016】
上述の構成により、前記基本管理位置決定部によって決定された基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0017】
第1又は第2の構成において、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置において取得した前記実績情報を記憶する実績情報記憶部をさらに有し、前記情報管理部は、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する(第3の構成)。
【0018】
上述の構成では、施工計画に関する情報と実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、前記施工計画に関する情報と前記実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0019】
第3の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、前記実績情報記憶部は、前記設計値に対応する実測値を、前記実績情報として記憶しており、前記情報管理部は、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する(第4の構成)。
【0020】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0021】
第3の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、前記実績情報記憶部は、前記撮影項目に対応する前記写真データを前記実績情報として記憶しており、前記情報管理部は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置に紐づけて管理する(第5の構成)。
【0022】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0023】
本発明の一実施形態に係る管路工事管理システムは、管理サーバと、前記管理サーバと通信可能な第1通信端末とを有し、管路工事を管理する。前記第1通信端末は、前記管理サーバから、設計管路の設計情報を取得する設計情報取得部と、ユーザによる入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する工事区間情報取得部と、取得した前記工事区間に関する情報を前記管理サーバに出力する工事区間情報出力部と、を有する。前記管理サーバは、前記第1通信端末によって出力された前記工事区間に関する情報に基づいて、前記工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定部と、前記管路工事の対象となる管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部と、を有する(第6の構成)。
【0024】
上述の構成では、工事区間の始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、施工計画に関する情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0025】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理システムが実現できる。
【0026】
しかも、管理サーバが、第1通信端末によって出力される工事区間に関する情報に基づいて、管理位置を決定できる。このため、処理負荷の大きい管理位置の決定処理を管理サーバによって行うことができる。
【0027】
第6の構成において、前記管理サーバは、前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定部によって決定された前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定部をさらに有する(第7の構成)。
【0028】
上述の構成により、工事区間の始点からの距離に応じて決定される基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を管理位置として設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0029】
第6の構成において、前記第1通信端末は、前記ユーザの操作入力に応じて、前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置である特異点の位置に関する情報を取得する特異点情報取得部と、前記特異点の位置に関する情報を特異点情報として前記管理サーバに出力する特異点情報出力部と、をさらに有し、前記管理サーバは、前記第1通信端末によって出力される前記特異点情報に基づいて、前記管理位置に含まれる特異点を設定する特異点設定部をさらに有する(第8の構成)。
【0030】
上述の構成では、ユーザが管路工事における実績の管理を行う位置を特異点として任意に設定できるため、管理位置をより詳細に且つ自由度高く設定できる。
【0031】
第6の構成において、前記第1通信端末は、前記設計情報に基づいて管路図を表示する管路表示部をさらに有し、前記第1通信端末の前記工事区間情報取得部は、前記管路表示部によって表示された前記管路図上でユーザによって入力操作された区間に関する情報を前記工事区間に関する情報として取得する(第9の構成)。
【0032】
上述の構成により、ユーザは、第1通信端末の管路表示部によって表示された管路図上で、工事区間を指定することができる。これにより、ユーザが直感的に且つ容易に工事範囲を指定することができる。
【0033】
第6から第9のいずれか1つの構成において、前記管理サーバと通信可能な第2通信端末をさらに有し、前記第2通信端末は、前記管理サーバから、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を取得する管理位置取得部と、前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画に関する情報に対応する実績情報を生成する実績情報取得部と、取得した前記実績情報を前記管理位置と紐づけて前記管理サーバに出力する実績情報出力部と、を有する。前記管理サーバの前記情報管理部は、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する(第10の構成)。
【0034】
上述の構成では、施工計画に関する情報と、第2通信端末が出力する実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、管理サーバにおいて、前記実績情報を収集して、前記施工計画に関する情報と前記実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0035】
第10の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、前記第2通信端末の前記実績情報取得部は、ユーザの入力操作に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得し、前記管理サーバの前記情報管理部は、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する(第11の構成)。
【0036】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0037】
第10の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、前記第2通信端末の前記実績情報取得部は、前記撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成し、前記管理サーバの前記情報管理部は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する(第12の構成)。
【0038】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0039】
第12の構成において、前記管理サーバの情報管理部は、前記撮影項目を前記管理位置以外の前記管路工事における撮影対象に紐づけ、前記第2通信端末の前記実績情報取得部は、前記撮影対象を、該撮影対象に紐づけられた前記撮影項目に応じて撮影して前記写真データを生成する(第13の構成)。
【0040】
上述の構成では、管理位置における撮影項目だけでなく、前記管理位置以外の撮影対象を撮影項目として管理することができる。これにより、管理できる撮影項目の自由度を向上させることができる。
【0041】
第6から第9のいずれか1つの構成において、前記施工計画に関する情報、前記管理位置及び前記実績情報は、それぞれ、前記管路工事における作業範囲に紐づけられている(第14の構成)。
【0042】
上述の構成では、管路工事を作業範囲毎に計画及び管理できる。よって、計画変更が生じた場合でも、前記作業範囲に応じて計画変更及び演算処理等を容易に行うことができる。
【0043】
第10の構成において、前記施工計画に関する情報、前記管理位置及び前記実績情報は、それぞれ、前記管路工事における作業範囲に紐づけられており、前記施工計画に関する情報は、前記作業範囲における作業の工事日程を示す工程情報を含み、前記管理位置は、前記工程情報に紐づけられており、前記第2通信端末は、前記作業範囲に紐づけられた前記施工計画に関する情報及び前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を、前記管理サーバから取得する一方、前記施工計画に関する情報に対応し且つ前記作業範囲と前記作業範囲における作業日を示す作業日情報とに紐づけられた実績情報を取得した後、前記実績情報を、前記管理サーバに出力し、前記管理サーバは、前記第2通信端末から出力された前記実績情報に基づいて、前記施工計画に関する情報に含まれる工程情報を修正する。
【0044】
上述のように、管路工事において、作業範囲に紐づけられた実績情報を用いて施工計画に関する情報に含まれる工程情報を修正することにより、工事日程の修正を容易に行うことができる。すなわち、管路工事の計画を、前記作業範囲に応じて容易に変更することができる。
【0045】
本発明の一実施形態に係る管路工事管理方法は、管理サーバと、前記管理サーバと通信可能な第1通信端末とを有し、管路工事を管理する管路工事管理システムを制御する方法である。前記管路工事管理方法は、前記第1通信端末が、前記管理サーバから、設計管路の設計情報を取得する設計情報取得ステップと、前記第1通信端末が、ユーザによる入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する工事区間情報取得ステップと、前記第1通信端末が、取得した前記工事区間に関する情報を前記管理サーバに出力する工事区間情報出力ステップと、前記管理サーバが、前記第1通信端末によって出力された前記工事区間に関する情報に基づいて、前記工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する管理位置決定ステップと、前記管理サーバが、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理ステップと、を有する(第16の構成)。
【0046】
上述の構成では、管理サーバが工事区間の始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、前記管理サーバが施工計画に関する情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0047】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理方法が実現できる。
【0048】
また、処理負荷の大きい管理位置の決定処理を管理サーバによって行うことができる。
【0049】
第16の構成において、前記管理サーバが、前記施工計画に関する情報に基づいて、管理位置決定ステップにおいて決定された前記管理位置以外の位置であり、且つ、前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定ステップをさらに有する(第17の構成)。
【0050】
上述の構成により、工事区間の始点からの距離に応じて決定される基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を管理位置として設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0051】
第16又は第17の構成において、前記管路工事管理システムが、前記管理サーバと通信可能な第2通信端末をさらに有する。前記管路工事管理方法は、前記第2通信端末が、前記管理サーバから、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を取得する管理位置取得ステップと、前記第2通信端末が、前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画に関する情報に対応する実績情報を生成する実績情報取得ステップと、前記第2通信端末が、取得した前記実績情報を前記管理位置と紐づけて前記管理サーバに出力する実績情報出力ステップと、をさらに有する。また、前記情報管理ステップでは、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する(第18の構成)。
【0052】
上述の構成では、施工計画に関する情報と、第2通信端末が出力する実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、管理サーバにおいて、前記実績情報を収集して、前記施工計画に関する情報と前記実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0053】
第18の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、前記実績情報取得ステップでは、ユーザの操作入力に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得し、前記情報管理ステップでは、前記管理サーバが、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する(第19の構成)。
【0054】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0055】
第18の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、前記実績情報取得ステップでは、前記第2通信端末が、前記管理位置において、前記撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成し、前記情報管理ステップでは、前記管理サーバが、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する(第20の構成)。
【0056】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0057】
本発明の一実施形態に係る管路工事管理プログラムは、管路工事を管理する管理サーバを制御するためのプログラムである。前記管路工事管理プログラムは、前記管理サーバに、前記管路工事の対象となる設計管路の工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定ステップと、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理ステップと、を実行させる(第21の構成)。
【0058】
上述の構成では、管理サーバが工事区間の始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、施工計画に関する情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0059】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理プログラムが実現できる。
【0060】
第21の構成において、前記管理サーバに、前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定ステップにおいて決定された前記管理位置以外の位置であり、且つ、前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定ステップをさらに実行させる(第22の構成)。
【0061】
上述の構成では、前記基本管理位置決定ステップの実行によって決定された基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0062】
第21又は第22の構成において、前記管理サーバに、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置における前記実績情報を取得する実績取得端末に対して、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置を出力する管理位置出力ステップと、前記実績取得端末から、前記管理位置における前記実績情報を取得する実績情報取得ステップと、をさらに実行させ、前記情報管理ステップでは、前記管理サーバに、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理させる(第23の構成)。
【0063】
上述の構成では、施工計画に関する情報と、実績取得端末から取得した実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、管理サーバにおいて、前記実績情報を収集して、前記施工計画に関する情報と前記実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0064】
第23の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含み、前記実績情報取得ステップでは、前記管理サーバに、前記実績取得端末から、前記設計値に対応する実測値を、前記実績情報として取得させ、前記情報管理ステップでは、前記管理サーバに、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理させる(第24の構成)。
【0065】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0066】
第23の構成において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含み、前記実績情報取得ステップでは、前記管理サーバに、前記実績取得端末から、前記撮影項目に対応する前記写真データを実績情報として取得させ、前記情報管理ステップでは、前記管理サーバに、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置に紐づけて管理させる(第25の構成)。
【0067】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0068】
本発明の一実施形態に係る管路工事管理装置は、管路工事を管理する。前記管路工事管理装置は、前記管路工事の対象となる設計管路の工事区間において、前記工事区間の始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する基本管理位置決定部と、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部と、を有する。
【0069】
これにより、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る管路工事管理装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、管路工事の対象となる設計管路の始点及び終点を設定する方法について説明する図である。
図3図3は、管路工事における設計管路の管理位置を決定する方法について説明する図である。
図4図4は、本発明の実施形態2に係る管路工事管理システムの概略構成を示すシステム構成図である。
図5図5は、管路工事管理システムに含まれる管理サーバの概略構成を示す機能ブロック図である。
図6図6は、管路工事管理システムに含まれる施工計画端末及び実績取得端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
図7図7は、管材を埋設する場所の掘削溝幅及び土被りについて説明する図である。
図8図8は、道路の舗装又は路盤の種別、及び、その厚みを説明する図である。
図9図9は、管路工事における設計管路の特異点を設定する方法について説明する図である。
図10図10は、管路工事を管理する管路工事管理システムを制御する管路工事管理方法の一部である管理位置決定フローの処理の流れを示すフロー図である。
図11図11は、管路工事を管理する管路工事管理システムを制御する管路工事管理方法の別の一部である実績管理フローの処理の流れを示すフロー図である。
図12図12は、本発明の実施形態3に係る管路工事管理システムに含まれる管理サーバの概略構成を示す機能ブロック図である。
図13図13は、本発明の実施形態3に係る管路工事管理システムに含まれる施工計画端末及び実績取得端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
図14図14は、出来形管理表のひな型の一例を示す図である。
図15図15は、一部の実績情報が入力された出来形管理表を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態4に係る管路工事管理システムに含まれる管理サーバの概略構成を示す機能ブロック図である。
図17図17は、本発明の実施形態4に係る管路工事管理システムに含まれる施工計画端末及び実績取得端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
図18図18は、写真管理における設計管路の管理位置を設定する方法について説明する図である。
図19図19は、電子黒板の一例を示す図である。
図20図20は、写真撮影時に電子黒板を追加したモニター画像を示す図である。
図21図21は、本発明の実施形態5に係る管路工事管理システムに含まれる管理サーバの概略構成を示す機能ブロック図である。
図22図22は、区間図面データを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0072】
[実施形態1]
(管路工事管理装置)
図1は、本発明の実施形態1に係る管路工事管理装置2の概略構成を示す機能ブロック図である。管路工事管理装置2は、水道管等の管路工事を管理するための装置である。前記管路工事は、管材等を地中に埋設する工事を意味する。前記管路工事は、管材等を地中に新規に埋設する工事だけでなく、地中に埋設されている管材等を更新する工事も含む。前記管材等は、管材だけでなく、バルブなどのように管路を構成するために必要な部品も含む。
【0073】
管路工事管理装置2は、例えば、コンピュータなどの演算処理装置によって実現されてもよいし、演算処理可能な携帯端末によって実現されてもよい。管路工事管理装置2は、記憶部22と、制御部25とを有する。
【0074】
記憶部22は、制御部25において実行されるプログラム及び前記プログラムで使用されるデータ等を含む各種データを記憶している。具体的には、記憶部22は、施工計画関連情報(施工計画に関する情報)と、実績情報と、管理位置に関する管理位置情報とを記憶している。
【0075】
施工計画関連情報は、管路工事の対象となる設計管路の設計情報又は工程情報等の施工計画に関する情報を含む。設計管路とは、CADソフト等によって設計された管路のことを意味する。なお、以下において、設計管路の全体の工事の対象となる区間を管路工事区間(工事区間)と称する。また、設計情報は、設計管路の設計に関する情報を含む。実績情報は、前記管路工事における実績を示す。すなわち、実績情報は、施工計画関連情報に対応する実績を示す。管理位置は、前記管路工事における実績の管理を行う位置を示す。
【0076】
制御部25は、プログラムを実行することにより、管路工事管理装置2における各種機能を実行する。制御部25は、基本管理位置決定部251と、情報管理部252とを有する。
【0077】
基本管理位置決定部251は、前記管路工事における実績の管理を行う管理位置に含まれる基本管理位置を決定する。基本管理位置決定部251は、基本管理位置を、前記管路工事の対象となる設計管路の管路工事区間において、前記管路工事区間の始点からの距離に応じて決定する。
【0078】
図2及び図3を用いて、基本管理位置決定部251による管理位置の決定方法についてより具体的に説明する。図2は、管路工事の対象となる設計管路の始点及び終点を設定する方法について説明する図である。図3は、管路工事における設計管路の管理位置を決定する方法について説明する図である。
【0079】
管路工事管理装置2は、図示しない表示部を有していてもよい。また、基本管理位置決定部251は、前記表示部に管路図を表示させて、表示させた前記管路図に対する入力操作に応じて前記管路工事区間を取得してもよい。
【0080】
図2に示すように、基本管理位置決定部251は、管路工事管理装置2におけるユーザの操作に応じて管路工事の対象となる設計管路PLの管路工事区間TPの始点P1及び終点P2を設定する。
【0081】
そして、図3に示すように、基本管理位置決定部251は、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて、基本管理位置A0、…、A9を設定する。すなわち、基本管理位置決定部251は、管路工事区間TPの始点P1(=A0)から所定間隔Mで基本管理位置A0、…、A9を設定する。このように、基本管理位置には、例えば、「A」+数字が識別番号として割り当てられる。また、所定間隔Mは例えば50mである。従って、基本管理位置は、管材と管材とのつなぎ目とは必ずしも一致しない。基本管理位置決定部251は、決定した基本管理位置を記憶部22に記憶する。なお、管理位置には、基本管理位置以外にも、前記管路工事における実績の管理を行う位置が含まれていてもよい。
【0082】
情報管理部252は、施工計画関連情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する。
【0083】
以上に説明したように、実施形態1に係る管路工事管理装置2は、管路工事を管理する装置である。管路工事管理装置2は、前記管路工事の対象となる設計管路の管路工事区間TPにおいて、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置A0、…、A9を決定する基本管理位置決定部251と、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画関連情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置A0、…、A9を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部252と、を有する。
【0084】
上述の構成では、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、施工計画関連情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0085】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理装置2が実現できる。
【0086】
[実施形態2]
(管路工事管理システム)
図4は、本発明の実施形態2に係る管路工事管理システム1の概略構成を示すシステム構成図である。実施形態2に係る管路工事管理システム1は、端末及びサーバを含むコンピュータシステムとして実現されている点で、実施形態1の管路工事管理装置2とは異なる。以下で、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略し、実施形態1の構成と異なる部分についてのみ説明する。
【0087】
図4に示す管路工事管理システム1は、水道管等の管路工事の実績を管理するシステムである。
【0088】
図4に示すように、管路工事管理システム1は、管理サーバ3と、施工計画端末(第1通信端末)6と、実績取得端末(第2通信端末)7とを有する。管理サーバ3と、施工計画端末6とは、インターネット等の通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。また、管理サーバ3と、実績取得端末7とは、通信ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。なお、前記通信ネットワークは、例えば、インターネットである。これに限られず、管路工事管理システム1は、任意の通信ネットワークに対して適用可能である。例えば、前記通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)又は専用回線網等であってもよい。
【0089】
管理サーバ3は、管路工事を管理するための各種データが格納されたデータベースを有するとともに、前記データを処理するアプリケーション機能を提供するサーバ装置である。
【0090】
施工計画端末6は、管路工事の対象となる設計管路の施工計画関連情報(施工計画に関する情報)を作成する作業を行うためのフロントエンド端末である。施工計画端末6のユーザは、施工計画の作成を担当する計画担当者U1である。施工計画端末6は、ユーザである計画担当者U1が施工計画を作成するために用いられる。施工計画端末6は、例えば、パーソナルコンピュータ又はタブレット端末等により実現することができる。施工計画端末6は、有線又は無線による通信により管理サーバ3にアクセスして、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画関連情報を、前記管路工事において実績の管理を行う管理位置に紐づける操作を行う。
【0091】
実績取得端末7は、前記管理位置に対応する工事実績に関するデータを、実績情報として取得する。実績取得端末7のユーザは、管路工事の現場担当者U2である。実績取得端末7は、ユーザである現場担当者U2が実績情報を入力するために用いられる。実績取得端末7は、例えば、ノートPC、タブレット端末又はスマートフォンなどのモバイル端末により実現することができる。実績取得端末7は、現場における使用の便宜上、無線による通信が可能であることが好ましいが、有線による通信を行ってもよい。
【0092】
(管理サーバ)
図5は、管路工事管理システム1に含まれる管理サーバ3の概略構成を示す機能ブロック図である。図6は、管路工事管理システム1に含まれる施工計画端末6及び実績取得端末7の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0093】
図5に示すように、管理サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部35とを有する。
【0094】
通信部31は、有線又は無線ネットワークに接続して通信を行うためのネットワークインターフェイスである。
【0095】
記憶部32は、制御部35において実行されるプログラム及び前記プログラムで使用されるデータ等を格納している。なお、記憶部32に記憶されるデータの詳細は後述する。
【0096】
制御部35は、プログラムを実行することにより、管理サーバ3における各種機能を実行する。なお、制御部35の詳細については後述する。
【0097】
(施工計画端末)
図6に示すように、施工計画端末6は、通信部61と、記憶部62と、表示部63と、入力部64と、制御部65とを有する。
【0098】
通信部61は、有線又は無線ネットワークに接続して通信を行うためのネットワークインターフェイスである。通信部61は、管理サーバ3との通信機能を実現する。
【0099】
記憶部62は、制御部65において実行されるプログラム及び前記プログラムで使用されるデータ等を格納している。
【0100】
表示部63は、施工計画端末6が有する表示装置又は施工計画端末6に接続される外部の表示装置である。表示部63は、制御部65の命令に従って画面の表示を行う。
【0101】
入力部64は、ユーザである計画担当者U1が入力操作を行うための装置である。入力部64は、施工計画端末6に搭載又は接続されるキーボード又はマウス等のポインティングデバイス等の装置によって実現される。なお、表示部63及び入力部64は、表示領域に対して直接入力が可能なタッチパネルディスプレイとして実現されていてもよい。すなわち、表示部63が入力部64としての機能を有していてもよい。
【0102】
制御部65は、前記プログラムを実行することにより、施工計画端末6における各種機能を実行する。制御部65は、より具体的には、設計情報取得部651と、管路表示部652と、工事区間情報取得部653と、工事区間情報出力部654と、特異点情報取得部655と、特異点情報出力部656とを有する。
【0103】
設計情報取得部651は、通信部61を介して管理サーバ3から設計管路の設計情報を含む施工計画関連情報を取得する。設計情報取得部651は、管理サーバ3から、設計情報だけを取得してもよい。設計情報取得部651は、計画担当者U1による入力部64に対する入力操作に応じて、管理サーバ3から設計管路の設計情報を取得してもよい。
【0104】
管路表示部652は、設計情報取得部651によって取得された設計情報に基づいて表示部63に管路図を表示させる。管路表示部652は、前記設計情報に基づいて、図2を用いて説明したような設計管路PLを画面に表示させる。
【0105】
工事区間情報取得部653は、ユーザである計画担当者U1による入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する。工事区間情報取得部653は、例えば、計画担当者U1によって、入力部64において、図2に示した設計管路PLにおける管路工事区間TPの始点P1及び終点P2が入力されると、入力内容に応じた工事区間に関する情報を作成する。すなわち、工事区間に関する情報は、管路工事区間TPの始点P1及び終点P2を含むデータであってもよい。
【0106】
工事区間情報出力部654は、工事区間情報取得部653によって取得され前記工事区間に関する情報を管理サーバ3に出力する。
【0107】
特異点情報取得部655は、ユーザである計画担当者U1による操作入力に応じて、前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置である特異点の位置に関する情報を取得する。
【0108】
特異点情報出力部656は、前記特異点の位置に関する情報を特異点情報として管理サーバ3に出力する。
【0109】
施工計画端末6は、通信部61を介して、管理サーバ3から、施工計画関連情報を取得して、記憶部62に記憶できる。施工計画端末6には、設計管路の設計及び施工計画の作成支援をするためのCADソフト等がインストールされていてもよい。施工計画端末6は、CADソフト等が有する編集機能によって施工計画関連情報を編集することができる。また、施工計画端末6は、管理サーバ3とネットワーク通信を行うことにより、編集した前記施工計画関連情報を管理サーバ3の記憶部32に記憶されているデータと同期させることができる。なお、設計情報取得部651と、管路表示部652と、工事区間情報取得部653と、工事区間情報出力部654と、特異点情報取得部655と、特異点情報出力部656とは、例えば、前記CADソフト等の編集機能の一部として実現されていてもよい。
【0110】
(実績取得端末)
図6に示すように、実績取得端末7は、通信部71と、記憶部72と、タッチパネル部74と、制御部75と、を有する。
【0111】
通信部71は、携帯電話通信網又は無線通信規格等による無線ネットワーク若しくは有線ネットワークに接続して通信を行うためのネットワークインターフェイスである。
【0112】
記憶部72は、制御部75において実行されるプログラム及び前記プログラムで使用されるデータ等を含む各種データを格納している。なお、記憶部72に記憶されるデータの詳細は後述する。
【0113】
タッチパネル部74は、実績取得端末7のユーザである現場担当者U2によるタッチ入力を受け付ける一方で、現場担当者U2に対して各種の画面表示を行う。実績取得端末7は、タッチパネル部74において受け付けた操作内容に基づいて、各種処理を実行する。また、実績取得端末7は、タッチパネル部74において受け付けた操作内容を、管理サーバ3に送信する。なお、タッチパネル部74は、入力部及び表示部を別々に行う構成に置き換えてもよい。
【0114】
制御部75は、プログラムを実行することにより、実績取得端末7における各種機能を実行する。制御部75は、より具体的には、管理位置取得部751と、実績情報取得部752と、実績情報出力部753とを有する。
【0115】
管理位置取得部751は、通信部71を介して、管理サーバ3から、前記施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置を取得する。管理位置取得部751は、前記施工計画関連情報及び前記管理位置を示す管理位置情報を記憶部72に記憶する。
【0116】
実績情報取得部752は、前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画関連情報に対応する実績情報を生成する。実績情報取得部752は、生成した実績情報を記憶部72に記憶する。
【0117】
実績情報出力部753は、実績情報取得部752によって取得された前記実績情報を前記管理位置と紐づけて、通信部71を介して、管理サーバ3に出力する。
【0118】
(管理サーバの制御部及び記憶部の詳細)
図5に示すように、管理サーバ3の制御部35は、基本管理位置決定部351と、特異点設定部352と、情報管理部353とを有する。
【0119】
(基本管理位置設定部)
基本管理位置決定部351は、施工計画端末6によって出力された工事区間に関する情報に基づいて、前記管路工事における実績の管理を行う管理位置に含まれる基本管理位置を決定する。基本管理位置決定部351は、施工計画端末6によって出力された工事区間に関する情報に基づいて基本管理位置を決定する点で、前述の基本管理位置決定部251と相違する。それ以外の点については、基本管理位置決定部351は、前述の基本管理位置決定部251と同様であるので、詳しい説明を省略する。基本管理位置決定部351は、決定した基本管理位置を記憶部32に記憶する。
【0120】
(特異点設定部)
特異点設定部352は、基本管理位置決定部351によって決定された基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する。特異点設定部352は、以下に説明するように、自動又は手動により特異点を設定することができる。
【0121】
(特異点の自動設定)
第1に、特異点設定部352は、記憶部32に記憶されている施工計画関連情報に基づいて、自動的に前記特異点を設定する。
【0122】
施工計画関連情報は、具体的には、設計情報と、土工情報と、支障物情報と、工事案件情報と、現場情報と、地上情報と、工程情報とを含む。
【0123】
設計情報は、上述の通り、設計管路の設計に関する情報である。設計情報は、より詳細には、水道管工事に用いる水道管の径、長さ、種類(直管、異形管、切管など)、数及び配置等の水道管に関連する情報を含む。設計情報は、例えば、水道管の管路図等から得られる情報である。設計情報は、例えば、施工計画端末6における操作内容に基づいて作成される。設計情報は、例えば、CADソフト等によって作成された図面データを含む。
【0124】
土工情報は、水道管工事の土工に関する情報である。土工情報は、管路工事の土工に関する設計値を含む。図7及び図8を参照してより具体的に説明すると次の通りである。図7は、管材91を埋設する場所の掘削溝幅及び土被りについて説明する図である。図8は、道路の舗装又は路盤の種別、及び、その厚みを説明する図である。土工情報は、図7に示すように、管材91を埋設する場所の掘削溝幅Wと、掘削深さHと、管材91に対する土被りHとを含む。また、土工情報は、図8に示すように、埋設前後の舗装又は路盤の種別L1、L2及びL3と、各種別における厚みT1、T2及びT3とを含む。前記種別は、道路Rの構造のうち、路床よりも上層の構造を示してもよい。例えば、種別L1は表層であり、種別L2は上層路盤であり、種別L3は下層路盤である。また、土工情報は、これらの土工の設計寸法に関する情報の規格値を含む。規格値とは、設計寸法に対する誤差の許容範囲を示す値である。また、土工情報は、他にも道路構造の特性及び土留め箇所に関する情報をさらに含んでいてもよい。
【0125】
支障物情報は、前記管材を埋設する場所の地中障害物(横断管などの地中構造物、その他の地中埋設物など)に関する情報を含む。なお、支障物情報は、道路構造、土質及び地下水のうち少なくとも一つに関連する情報をさらに含んでいてもよい。
【0126】
工事案件情報は、前記管路工事の案件に関する情報を含む。工事案件情報は、例えば、前記管路工事の案件を特定するための識別情報、工事の場所、前記管路工事の工事名、工種、略図又は指令番号等を含んでいてもよい。
【0127】
現場情報は、現場条件に関連する情報を含む。前記現場条件に関連する情報は、作業可能時間、作業可能人員、使用する作業機械の種類及び数、並行作業の可否、作業機械の並行使用の可否、土砂または水道管等の運搬時間、試掘の有無などに関する情報のうち少なくとも一つの情報を含む。
【0128】
地上情報は、水道管を埋設する場所の地上に関連する情報を含む。具体的には、地上情報は、地上周辺関連情報と、道路状況関連情報とを含む。
【0129】
前記地上周辺関連情報は、水道管工事を行う場所の付近の環境に関する情報を含む。例えば前記水道管工事を行う場所の付近の環境に関する情報は、工事場所が面している場所又はその周辺の場所に周囲住民が常時使用するような施設があるかどうかに関する情報を含む。前記施設には、住宅、店舗、駐車場などが含まれる。また、前記水道管工事を行う場所の付近の環境に関する情報には、工事場所が街中であるか、それとも郊外であるかに関する情報を含む。
【0130】
前記道路状況関連情報は、水道管工事を行う場所における交通情報、及び、水道管工事を行う場所が道路の場合にはその道路の幅及び車線数の情報を含む。
【0131】
工程情報は、対象となる設計管路の工事日程に関する情報である。
【0132】
特異点設定部352は、例えば、以下に説明するように施工計画関連情報を用いて特異点を設定する。
【0133】
図9は、管路工事における設計管路の特異点を設定する方法について説明する図である。
【0134】
以下の説明では、まず、基本管理位置決定部251が、図3を用いて説明したとおり、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて、基本管理位置A0、…、A9を設定していることを前提とする。
【0135】
特異点設定部352は、始点P1(=A0)から所定間隔Mで設定される基本管理位置A0、…、A9以外の管理位置を特異点として設定する。
【0136】
なお、上述のように、基本管理位置には、例えば、「A」+数字を識別番号として割り当てている。また、所定間隔Mは例えば50mである。
【0137】
特異点設定部352は、例えば、施工計画関連情報に含まれる支障物情報等に基づいて、伏せ越し部などの迂回配管部を特定する。前記伏せ越し部は、図9に示す横断管92などの地中障害物が地中に存在する位置において、前記地中障害物の下を迂回して配管する部分である。前記迂回配管部には、他にも、前記地中障害物の上を迂回して配管する上越し部及び水平方向に管路を曲げることで迂回して配管するねじれ部等が含まれる。特異点設定部352は、特定した迂回配管部の位置を、特異点として設定する。
【0138】
前記特異点で設定される管理位置には、土工断面が変化する箇所が含まれる。また、終点が、前記基本管理位置以外に位置する場合であっても、前記終点での実測値の測定が求められる。その場合、終点が、前記特異点として設定される。
【0139】
前記特異点は、前記基本管理位置からの平面距離によって識別される。このため、前記特異点である管理位置には、例えば、「A」、「基準となる基本管理位置の数字」及び「前記基本管理位置からの平面距離(m)」が識別番号として割り当てられる。図9において、特異点A5+20.0は、伏せ越し部である。図9において、特異点A9+10.0は、管路工事区間の終点である。
【0140】
なお、上述した管理位置の識別番号は、一例であり、これに限られない。例えば、アルファベットと数字とからなる識別番号が、基本管理位置の識別番号として付与されてもよい。例えば、基本管理位置としての始点P1に、「A0+0.0」のように、「A」、「始点の順序番号(=0)」及び「始点からの平面距離(=+0.0)(m)」が識別番号として割り当てられてもよい。
【0141】
(特異点の手動設定)
特異点設定部352は、施工計画端末6によって出力される前記特異点情報に基づいて、前記特異点を設定する。例えば、施工計画端末6では、次のようにして特異点情報を出力する。まず、施工計画端末6が、設計情報と、既に決定又は設定されている管理位置に基づいて図9に示すような管路図を表示部63に表示させる。図9に示すような管路図には、基本管理位置A0、…、A9が設定されている。ここで、施工計画端末6の入力部64における計画担当者U1による入力操作によって、基本管理位置A0とA1との間に位置する指定位置CPが特異点として指定されると、これに応じて、施工計画端末6の特異点情報取得部655は、特異点情報を生成する。特異点情報は、例えば、起点となる基本管理位置A0と、基本管理位置A0からの平面距離とを含むデータであってもよい。そして、施工計画端末6の特異点情報出力部656が、前記特異点情報を管理サーバ3に出力する。特異点設定部352は、施工計画端末6から取得した前記特異点情報に基づいて特異点を設定する。特異点設定部352は、例えば、図示していないが、新たな特異点にA0+15.0の識別番号を割り当てる。
【0142】
特異点設定部352は、以上のように自動又は手動により設定した特異点を記憶部32に記憶する。
【0143】
(情報管理部)
情報管理部353は、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画関連情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置及び前記特異点を含む管理位置に紐づけて管理する。より具体的には、情報管理部353は、記憶部32に記憶されている前記施工計画関連情報を前記管理位置に紐づけてよい。情報管理部353は、実績取得端末7によって出力される前記実績情報を前記管理位置に紐づけてよい。
【0144】
例えば、情報管理部353は、管理位置を、土工区間B1~B4に紐づける。ここで、土工区間は、同じ土工情報を持つ区間を意味する。すなわち、同一の土工区間内には、同一の土工情報が適用される。
【0145】
以上に説明したように、実施形態2に係る管路工事管理システム1は、管理サーバ3と、管理サーバ3と通信可能な施工計画端末6とを有し、管路工事を管理する。施工計画端末6は、管理サーバ3から、設計管路の設計情報を取得する設計情報取得部651と、ユーザによる入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する工事区間情報取得部653と、取得した前記工事区間に関する情報を管理サーバ3に出力する工事区間情報出力部654と、を有する。管理サーバ3は、施工計画端末6によって出力された前記工事区間に関する情報に基づいて、管路工事区間TPにおいて、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置A0、…、A9を決定する基本管理位置決定部351と、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する情報管理部353と、を有する。
【0146】
上述の構成では、管路工事区間TPの始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、施工計画に関する情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0147】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理システム1が実現できる。
【0148】
しかも、管理サーバ3が、施工計画端末6によって出力される工事区間に関する情報に基づいて、管理位置を決定できる。このため、処理負荷の大きい管理位置の決定処理を管理サーバ3によって行うことができる。
【0149】
また、管理サーバ3は、前記施工計画に関する情報に基づいて、基本管理位置決定部351によって決定された基本管理位置A0、…、A9以外の位置であり且つ設計管路PLの前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点A5+20.0及びA0+15.0等として設定する特異点設定部352をさらに有する。
【0150】
上述の構成では、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて決定される基本管理位置A0、…、A9以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点A5+20.0及びA0+15.0等を管理位置として設定する。これにより、実績の管理を行う管理位置を設計管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0151】
また、施工計画端末6は、ユーザである計画担当者U1の操作入力に応じて、前記基本管理位置A0、…、A9以外の位置であり且つ設計管路PLの前記管路工事における実績の管理を行う位置である特異点A0+15.0の位置に関する情報を取得する特異点情報取得部655と、特異点A0+15.0の位置に関する情報を特異点情報として管理サーバ3に出力する特異点情報出力部656と、をさらに有する。管理サーバ3の特異点設定部352は、施工計画端末6によって出力される前記特異点情報に基づいて、前記管理位置に含まれる特異点A0+15.0を設定する。
【0152】
上述の構成では、ユーザである計画担当者U1が管路工事における実績の管理を行う位置を特異点A0+15.0等として任意に設定できるため、管理位置をより詳細に且つ自由度高く設定できる。
【0153】
また、施工計画端末6は、前記設計情報に基づいて管路図を表示する管路表示部652をさらに有する。施工計画端末6の工事区間情報取得部653は、管路表示部652によって表示された前記管路図上でユーザによって入力操作された区間に関する情報を前記工事区間に関する情報として取得する。
【0154】
上述の構成により、ユーザは、施工計画端末6の管路表示部652によって表示された管路図上で、管路工事区間TPを指定することができる。これにより、ユーザが直感的に且つ容易に工事範囲を指定することができる。
【0155】
また、管路工事管理システム1は、管理サーバ3と通信可能な実績取得端末7をさらに有する。実績取得端末7は、管理サーバ3から、前記施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置を取得する管理位置取得部751と、前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画関連情報に対応する実績情報を生成する実績情報取得部752と、取得した前記実績情報を前記管理位置と紐づけて前記管理サーバに出力する実績情報出力部753と、を有する。管理サーバ3の情報管理部353は、施工計画関連情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する。
【0156】
上述の構成では、施工計画関連情報と実績取得端末7が出力する実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、管理サーバ3において、前記実績情報を収集して、施工計画関連情報と実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0157】
特に、管路工事事業では、前記複数の工程を、複数の管路工事事業者が担当している。例えば、工事の施工計画関連情報を取り扱う計画担当者U1と、工事の現場作業において実績情報を取り扱う現場担当者U2とが異なる事業者であることも多い。上述の構成では、計画担当者U1が取り扱う施工計画関連情報と、現場担当者U2が取り扱う実績情報とを管理位置を介して紐づけることができる。これにより、事業者間の情報連携を促進することができる。
【0158】
(管路工事管理方法の処理の流れ)
図10は、管路工事を管理する管路工事管理システム1を制御する管路工事管理方法の一部である管理位置決定フローS1の処理の流れを示すフロー図である。図11は、管路工事を管理する管路工事管理システム1を制御する管路工事管理方法の別の一部である実績管理フローS2の処理の流れを示すフロー図である。
【0159】
まず、管理位置決定フローS1について説明すると以下の通りである。図10に示すように、まず、管理位置決定フローS1がスタートすると(START)、管路工事管理システム1の施工計画端末6は、管理サーバ3から、設計管路の設計情報を取得する(設計情報取得ステップ)(ステップS11)。続いて、施工計画端末6は、ユーザである計画担当者U1による入力操作に応じて、前記設計情報に含まれる設計管路における工事区間に関する情報を取得する(工事区間情報取得ステップ)(ステップS12)。前記工事区間に関する情報には、管路工事の対象となる設計管路の管路工事区間TPに関する情報が含まれる。続いて、施工計画端末6は、取得した前記工事区間に関する情報を前記管理サーバに出力する(工事区間情報出力ステップ)(ステップS13)。
【0160】
その後、管路工事管理システム1の管理サーバ3は、施工計画端末6によって出力された前記工事区間に関する情報に基づいて、管路工事区間TPにおいて、前記管路工事区間TPの始点からの距離に応じて、前記管路工事における実績の管理を行う基本管理位置を決定する(管理位置決定ステップ)(ステップS14)。続いて、管理サーバ3は、前記施工計画関連情報に基づいて、ステップS14において決定された前記基本管理位置以外の位置であり、且つ、前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する(特異点設定ステップ)(ステップS15)。
【0161】
さらに、管理サーバ3は、前記管路工事の対象となる設計管路の施工計画に関する情報及び前記管路工事における実績を示す実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置を含む管理位置に紐づけて管理する(情報管理ステップ)(ステップS16)。その後、管理位置決定フローS1は終了する(END)。
【0162】
上述の構成では、管理サーバ3が管路工事区間TPの始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、管理サーバ3が施工計画関連情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0163】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理方法が実現できる。
【0164】
また、処理負荷の大きい管理位置の決定処理を管理サーバ3によって行うことができる。
【0165】
また、上述の構成では、管路工事区間TPの始点からの距離に応じて決定される基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を管理位置として設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を設計管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0166】
次に、実績管理フローS2について説明すると以下の通りである。図11に示すように、まず、実績管理フローS2がスタートすると(START)、管路工事管理システム1の実績取得端末7は、管理サーバ3から、前記施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置を取得する(管理位置取得ステップ)(ステップS21)。続いて、実績取得端末7は、前記管理位置において、前記管理位置に紐づけられた前記施工計画関連情報に対応する実績情報を取得する(実績情報取得ステップ)(ステップS22)。続いて、実績取得端末7は、取得した前記実績情報を前記管理位置と紐づけて管理サーバ3に出力する(実績情報出力ステップ)(ステップS23)。
【0167】
その後、管路工事管理システム1の管理サーバ3は、前記施工計画関連情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理する(情報管理ステップ)(ステップS24)。以上により、実績管理フローS2は終了する(END)。
【0168】
上述の構成では、施工計画関連情報と、第2通信端末が出力する実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、管理サーバ3において、前記実績情報を収集して、施工計画関連情報と実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0169】
(管路工事管理プログラム)
管路工事管理プログラムは、管路工事管理システム1の一部を構成する管理サーバ3に、図10に示す管理位置決定フローS1のステップS14~S15を実行させるプログラムであればよい。なお、管路工事管理プログラムは、管路工事管理システム1の一部を構成する施工計画端末6に、図10に示す管理位置決定フローS1のステップS11~S13を実行させるプログラムであってもよい。また、管路工事管理プログラムは、管理サーバ3に、図11に示す実績管理フローS2のステップS24を実行させるプログラムであってもよい。また、管路工事管理プログラムは、管路工事管理システム1の一部を構成する実績取得端末7に、図11に示す実績管理フローS2のステップS21~S23を実行させるプログラムであってもよい。前記プログラムを管理サーバ3、施工計画端末6又は実績取得端末7によって実行することにより、本実施形態における管路工事管理システム1と管路管理方法とを実現することができる。この場合、管理サーバ3、施工計画端末6又は実績取得端末7は、上述した制御部及び記憶部を有する汎用のコンピュータ又は専用のコンピュータであってもよい。
【0170】
上述の構成では、管理サーバ3が管路工事区間TPの始点からの距離に応じて基本管理位置を決定するので、管路工事において実績管理を行う管理位置の決定作業を効率化できる。さらに、施工計画に関する情報及び実績情報の少なくとも一方の情報を、前記基本管理位置に紐づけるため、施工計画又は実績の管理が容易となる。
【0171】
したがって、管理位置の決定作業を効率化するとともに、施工計画又は実績の管理を容易に行えるような管路工事管理プログラムが実現できる。
【0172】
また、前記基本管理位置決定ステップの実行によって決定された基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を設計管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0173】
また、施工計画関連情報と、実績取得端末7から取得した実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、管理サーバ3において、前記実績情報を収集して、前記施工計画に関する情報と前記実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0174】
[実施形態3]
図12は、本発明の実施形態3に係る管路工事管理システム11に含まれる管理サーバ3の概略構成を示す機能ブロック図である。図13は、本発明の実施形態3に係る管路工事管理システム11に含まれる施工計画端末6及び実績取得端末7の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0175】
実施形態3に係る管路工事管理システム11は、出来形管理を行うシステムである。管路工事管理システム11は、出来形管理において要求される設計値及び実測値を管理する点で、実施形態2に係る管路工事管理システム1とは異なる。管路工事管理システム11では、前記施工計画関連情報の前記土工情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含む。また、管路工事管理システム11では、前記実績情報は、設計管路の設計値に対する実測値を含む。すなわち、実績取得端末7は、実績情報として実測値を取得する。
【0176】
なお、実施形態2の説明では、実施形態2に係る管路工事管理システム1と共通する部分については、詳細な説明を繰り返さない。
【0177】
(実績取得端末)
図13に示すように、実績取得端末7の記憶部72は、実績情報としての実測値を記憶する。実測値は、例えば、現場で測定された実測値に関する情報である。実績取得端末7は、出来形管理表を管理サーバ3から取得して、記憶部72に記憶する。
【0178】
制御部75は、管理位置取得部7511と、実績情報取得部7521と、実績情報出力部7531とを有する。
【0179】
管理位置取得部7511は、管理サーバ3から、前記管路工事の土工に関する設計値を含む施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置を取得する。前記設計値は、前記施工計画関連情報の前記土工情報に含まれる。
【0180】
実績情報取得部7521は、タッチパネル部74におけるユーザの入力操作に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得する。
【0181】
実績情報出力部7531は、実績情報取得部7521によって取得された実績情報としての実測値を前記管理位置と紐づけて管理サーバ3に出力する。
【0182】
(管理サーバ)
図12に示すように、管理サーバ3の記憶部32は、実績情報としての実測値を記憶する。また、前記施工計画関連情報の前記土工情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含む。また、記憶部32は、後述の出来形管理表を記憶する。
【0183】
また、制御部35は、情報管理部3531を有する。
【0184】
情報管理部3531は、基本管理位置決定部351及び特異点設定部352が設定する管理位置を、前記管路工事の土工に関する設計値を含む施工計画関連情報に紐づけて、記憶部32に記憶する。
【0185】
また、情報管理部3531は、以下の通り出来形管理を行う。水道工事の出来形管理の場合、管理の対象となる設計値が、工種ごとに設定されていてもよい。管路工事における工種としては、例えば、配管土工、管布設工、路盤工及び舗装工等が挙げられる。管理位置ごとに工種が手動又は自動で設定される。図7及び図8にも示したように、配管土工では、前記管理項目は、例えば、前記水道管を埋設する場所の掘削溝幅及び掘削深さを含む。また、路盤工及び舗装工等の埋め戻し工では、舗装又は路盤の種別及びその厚みを含む。なお、出来形管理の管理位置は、実施形態2で説明した通りである。すなわち、出来形管理の管理位置は、管路工事区間TPの始点から所定間隔で設定される基本管理位置と、伏せ越し部等の迂回配管部、土工断面が変化する箇所及び終点P2等の特異点とを含む。
【0186】
図14を用いて、出来形管理表について説明する。図14は、出来形管理表のひな型の一例を示す図である。
【0187】
図14に示す出来形管理表は、工種が配管土工の様式である。出来形管理表に含まれる一覧TBL1には、管理位置No.A0、A1、A2…に紐づけられた掘削溝幅W及び掘削深さHの設計値が記載されている。また、一覧TBL1の先頭には、掘削溝幅Wの下限の規格値-30mm及び掘削深さHの上限の規格値+100mm及び下限の規格値-50mmが記載されている。管理位置No.A0、A1、A2…に対応する月日、実測値及び差は、実測値が測定されていない状態では空欄である。このように、出来形管理表では、設計値、実測値及び管理位置が紐づいている。
【0188】
実績取得端末7は、前記出来形管理表を管理サーバ3から取得して、記憶部72に記憶する。
【0189】
以下、図15を用いて、実績情報の一例について説明する。図15は、一部の実績情報が入力された出来形管理表を示す図である。
【0190】
現場担当者U2は、各管理位置において管路工事の進捗に応じて、掘削溝幅W及び掘削深さHを実測した結果を、タッチパネル部74を介して実績取得端末7に対して入力する。実績情報取得部752は、ユーザである現場担当者U2の入力操作に応じて実績情報としての実測値を生成する。これにより、図15に示す出来形管理表の一覧TBL2において、設計値に対応する実績値が入力される。
【0191】
実績情報出力部753は、実績情報取得部752によって取得された前記実績情報を前記管理位置と紐づけて、管理サーバ3に出力する。実績情報出力部753は、図15に示す入力済みの出来形管理表を管理サーバ3に出力してもよい。
【0192】
情報管理部353は、施工計画関連情報に含まれる設計値と、実績取得端末7によって出力された実測値との差を算出する。また、情報管理部353は、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて記憶部32に記憶する。また、情報管理部353は、前記管理位置ごとに設計値及び実測値が紐づけられている出来形管理表を所定の様式に従って作成する。
【0193】
以上に説明したように、実施形態3に係る管路工事管理システム11では、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含む。実績取得端末7の実績情報取得部7521は、ユーザの入力操作に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得する。管理サーバ3の情報管理部3531は、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する。
【0194】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0195】
(出来形管理の処理の流れ)
実施形態3に係る管路工事管理システム11を制御する管路工事管理方法である出来形管理方法を図10及び図11に示した管路工事管理方法に基づいて説明すると以下の通りである。図10及び図11に示した管路工事管理方法において、前記施工計画関連情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含む。すなわち、図10及び図11に示した管路工事管理方法において、前記実績情報取得ステップでは、実績取得端末7が、ユーザの操作入力に応じて、前記設計値に対応する実測値を前記実績情報として取得し、前記情報管理ステップでは、前記管理サーバ3が、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理する。
【0196】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0197】
(出来形管理プログラム)
管路工事管理プログラムは、管路工事管理システム11の一部を構成する管理サーバ3に、前記出来形管理方法を実行させるプログラムであればよい。
【0198】
上述の構成では、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0199】
[実施形態4]
図16は、本発明の実施形態4に係る管路工事管理システム12に含まれる管理サーバ3の概略構成を示す機能ブロック図である。図17は、本発明の実施形態4に係る管路工事管理システム12に含まれる施工計画端末6及び実績取得端末7の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0200】
実施形態4に係る管路工事管理システム12は、写真管理を行うシステムである。管路工事管理システム12は、写真を管理項目として管理する点で、実施形態2に係る管路工事管理システム1とは異なる。前記実績情報は、例えば、前記管材を埋設する場所又は現場付近で撮影される写真データを含む。実績取得端末7は、実績情報として写真を取得する。
【0201】
なお、実施形態4の説明では、実施形態2に係る管路工事管理システム1と共通する部分については、詳細な説明を繰り返さない。
【0202】
(実績取得端末)
図17に示すように、実績取得端末7の記憶部72は、実績情報としての写真データを記憶する。実績取得端末7は、電子黒板情報を管理サーバから取得して記憶部72に記憶する。
【0203】
実績取得端末7は、写真を撮影するための撮影部76をさらに有する。撮影部76は、例えば、デジタル式のカメラモジュールによって実現できる。撮影部76による撮像画像は、タッチパネル部74に出力される。
【0204】
制御部75は、管理位置取得部7512と、実績情報取得部7522と、実績情報出力部7532とを有する。
【0205】
管理位置取得部7512は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含む施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置を取得する。
【0206】
実績情報取得部7522は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成する。実績情報取得部7522は、例えば、タッチパネル部74によって受け付けたユーザの操作に応じて、撮影部76における撮影を実行する。実績情報取得部7522は、電子黒板情報を追加した写真データを生成する。実績情報取得部7522は、生成した写真データを記憶部72に記憶する。電子黒板を写真データに追加する方法について、詳しくは後述する。
【0207】
実績情報出力部7532は、実績情報取得部7522によって取得された実績情報としての写真データを前記管理位置と紐づけて管理サーバ3に出力する。
【0208】
(管理サーバ)
図16に示すように、管理サーバ3の記憶部32は、実績情報としての写真データを記憶する。また、前記施工計画関連情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含む。また、記憶部32は、後述の電子黒板情報を記憶する。
【0209】
また、制御部35は、特異点設定部3522と、情報管理部3532と、電子黒板情報作成部354とを有する。
【0210】
(特異点設定部)
特異点設定部3522は、写真管理が要求される特異点を手動又は自動により設定する。水道工事の写真管理では、前記管路工事を発注する事業体によって撮影項目及び前記撮影項目の撮影箇所及び撮影内容等が定められている。また、前記撮影項目によっては、所定の添付資料が要求される。例えば、以下のような撮影箇所、撮影内容及び撮影項目が定められている。
【0211】
実施形態3において説明した出来形管理の管理位置(以下「測点」と称する)及び変化点では、着手前及び完成後の現場の写真と出来形写真とが要求される。測点以外の異形管などの埋設位置では、出来形写真が要求される。150m間隔で状況写真及び品質管理写真が要求される。すなわち、前記撮影項目は、前記撮影項目に紐づけられている前記管理位置における作業内容が含まれていてもよい。なお、一つの管理位置について複数の作業内容が存在する場合がある。弁栓類の配置位置では、仕切弁などの写真が要求される。仮設工の配置位置では、土留箇所などの写真が要求される。道路復旧位置などでは、給水管切替工の写真が要求される。すなわち、前記撮影項目は、前記撮影項目に紐づけられている前記管理位置における設備が含まれていてもよい。また、設計管路の前記管理位置だけでなく、現場の事務所又は駐車場などの仮設備の配置位置では、仮設備の写真が要求される。また、水道管などの管材の検査の写真が要求される。また、安全管理を確認するために、現場パトロール状況などの写真が要求される。すなわち、前記撮影項目は前記管理位置以外の前記管路工事における撮影対象に紐づけられていてもよい。
【0212】
図18は、写真管理における設計管路の管理位置を設定する方法について説明する図である。なお、以下では説明の便宜上、基本管理位置及び特異点を総称的に管理位置と称する場合がある。図18に示すように、基本管理位置決定部351は、始点P1及び終点P2が設定された設計管路PLに対して、基本管理位置である管理位置A0、…、A9を撮影箇所として設定する。基本管理位置決定部351が決定する基本管理位置は前述の通りである。また、特異点設定部3522は、始点P1及び終点P2が設定された設計管路PLに対して、特異点である管理位置A5+20.0、A9+10.0、C1~C9を撮影箇所として設定する。
【0213】
白丸印及び黒丸印にて示す管理位置A0、…、A9、は、始点P1から所定間隔Mで設定される。このうち、黒丸印にて示す管理位置A3、A6及びA9は、始点P1から150m毎の位置を表す。また、白丸印にて示す管理位置A5+20.0は、上述のとおり、伏せ越し部である。白丸印にて示す管理位置A9+10.0は、管路工事区間TPの終点P2である。白丸印にて示す管理位置A0、A1、A2、A4、A5、A5+20.0、A7、A8、A9+10.0は、始点P1から150m毎の位置以外の位置を表す。黒丸印にて示す管理位置A3、A6及びA9では、着手前、完成後、状況写真、出来形写真及び品質管理写真の撮影が撮影項目として要求される。また、白丸印にて示す管理位置A0、A1、A2、…では、着手前、完成後、出来形写真の撮影が撮影項目として要求される。
【0214】
三角印にて示す管理位置C3及びC7は、異形管の配置箇所を表す。このため、三角印にて示す管理位置C3及びC7では、出来形写真の撮影が撮影項目として要求される。
【0215】
白四角印にて示す管理位置C1、C4及びC8は、仕切弁の配置箇所を表す。このため、白四角印にて示す管理位置C1、C4及びC8では、弁栓類の写真の撮影が撮影項目として要求される。
【0216】
星印にて示す管理位置C2及びC5は、土留箇所を表す。このため、星印にて示す管理位置C2及びC5では、仮設工の写真の撮影が撮影項目として要求される。
【0217】
黒四角印にて示す管理位置C6及びC9は、給水管切替工を行う位置を表す。このため、黒四角印にて示す管理位置C6及びC9では、給水管切替工の写真の撮影が撮影項目として要求される。
【0218】
(情報管理部)
情報管理部3532は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する。
【0219】
情報管理部3532は、前記撮影項目を前記管理位置以外の前記管路工事における撮影対象に紐づけて管理する。
【0220】
上述のとおり、前記撮影項目は、前記管理位置における作業内容又は設備と、前記管理位置以外の前記管路工事における撮影対象とを含む。
【0221】
(電子黒板情報作成部)
電子黒板情報作成部354は、施工計画関連情報に基づいて、実績取得端末7において写真データに追加される電子黒板を示す電子黒板情報を作成する。各管理位置において要求される写真ごとに前記電子黒板の追加の要否も設定されている。電子黒板情報作成部354は、電子黒板の追加の要否に応じて電子黒板情報を作成する。また、電子黒板情報作成部354は、前記管理位置以外の撮影対象の電子黒板情報を作成する。
【0222】
図19は、電子黒板の一例を示す図である。図19に示すように電子黒板E1は、工事名E11、工種E12、撮影月日E13、管理位置E14、設計寸法E15、実測寸法E16、指令番号E17及び略図E18を含む。
【0223】
電子黒板情報作成部354は、施工計画関連情報に含まれる工程情報に基づいて撮影月日E13を設定する。また、電子黒板情報作成部354は、寸法を設定する必要がある場合、施工計画関連情報に含まれる設計情報に基づいて設計寸法E15を設定する。実測寸法E16は、実測値が実績取得端末7によって取得された後に設定することができる。また、電子黒板情報作成部354は、施工計画関連情報に含まれる工事案件情報に基づいて工事名E11、工種E12及び指令番号E17を設定する。
【0224】
電子黒板情報作成部354は、以上のように作成した電子黒板情報を記憶部32に記憶する。
【0225】
(写真データへの電子黒板の追加)
図20を用いて、電子黒板を写真データに追加する方法について説明する。図20は、写真撮影時に電子黒板E1を追加したモニター画像を示す図である。
【0226】
実績取得端末7は、管理サーバ3から電子黒板情報を取得し、記憶部72に記憶する。
【0227】
実績取得端末7は、撮影部76によって、管理位置に紐づけられた撮影項目又は管理位置以外の撮影対象に紐づけられた前記撮影項目を撮影して前記写真データを生成する。より具体的には、まず、実績取得端末7の実績情報取得部752は、図20に示すように、撮影部76から出力されるモニター画像F1に電子黒板E1の電子黒板画像E231を重畳して、タッチパネル部74に表示する。モニター画像F1において電子黒板画像E231を重畳させる位置は、例えば、初期設定ではモニター画像F1の左上に設定されていてもよいし、ユーザの操作に応じて前記位置を変更可能であってもよい。ユーザがタッチパネル部74を介してシャッター操作を行うと撮影が完了する。
【0228】
撮影が完了すると、実績取得端末7の実績情報取得部7522は、電子黒板画像が撮影画像に重畳された写真データを記憶部72に記憶する。写真データが管理位置に紐づけられた撮影項目である場合、実績情報出力部7532は、取得した写真データを前記管理位置と紐づけて前記管理サーバに出力する。また、写真データが管理位置以外の撮影対象に紐づけられた撮影項目である場合、実績情報出力部7532は、取得した写真データを撮影項目に紐づけて前記管理サーバに出力する。
【0229】
以上に説明したように、管路工事管理システム12において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含む。また、管路工事管理システム12において、実績取得端末7の実績情報取得部7522は、前記撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成する。管理サーバ3の情報管理部3532は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する。
【0230】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0231】
(写真管理の処理の流れ)
実施形態4に係る管路工事管理システム12を制御する管路工事管理方法である写真管理方法を図10及び図11に示した管路工事管理方法に基づいて説明すると以下の通りである。図10及び図11に示した管路工事管理方法において、前記施工計画関連情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含む。前記実績情報取得ステップでは、実績取得端末7が、前記管理位置において、前記撮影項目に対応する写真を撮影して前記写真データを生成し、前記情報管理ステップでは、管理サーバ3が、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置と紐づけて管理する。
【0232】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0233】
(写真管理プログラム)
管路工事管理プログラムは、管路工事管理システム12の一部を構成する管理サーバ3に、前記写真管理方法を実行させるプログラムであればよい。
【0234】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0235】
[実施形態5]
図21は、本発明の実施形態5に係る管路工事管理システム14に含まれる管理サーバ3の概略構成を示す機能ブロック図である。実施形態5に係る管路工事管理システム14は、管理位置が作業範囲に紐づけられている点で実施形態2に係る管路工事管理システム11とは異なる。なお、実施形態5の説明では、実施形態2に係る管路工事管理システム11と共通する部分については、詳細な説明を繰り返さない。
【0236】
(管理サーバ)
(管理サーバの記憶部)
管理サーバ3の記憶部32は、作業範囲情報を記憶している。また、記憶部32に記憶されている施工計画関連情報は、さらに事業体情報を含む。
【0237】
事業体情報は、工事を発注する水道事業体等の事業体の識別用IDに関する情報を含む。事業体の識別用IDに関する情報には、例えば、前記事業体ごとに一意に割り当てられるコード及び前記事業体の名称等が含まれる。事業体情報は、工事案件情報に紐づけられている。例えば、工事案件情報における前記管路工事の案件は、前記管路工事の案件を発注した事業体の識別用IDに紐づけられている。
【0238】
作業範囲情報は、管路工事を管理する単位の一つである作業範囲に関する情報である。作業範囲情報は、前記施工計画関連情報及び前記管理位置情報に紐づけられている。なお、前記作業範囲の詳細については後述する。
【0239】
(管理サーバの制御部)
管理サーバ3の制御部35は、区間紐付部355をさらに有する。区間紐付部355は、管路工事の対象となる設計管路の施工計画関連情報を、設計情報に含まれる設計管路の所定区間ごとに、前記管理位置に紐づける。
【0240】
前記所定区間は、例えば、前記設計管路において1つの図面データに含まれる区間である。以下では、前記設計管路における前記所定区間に関する図面データを、区間図面データと呼ぶ。前記設計管路は、少なくとも一つの区間図面データを含む。なお、前記所定区間は、前記設計管路において予め決められた所定の区間であれば、前記1つの図面データに含まれる区間以外であってもよい。以下では、例示的に、所定区間が上述した管路工事区間である場合について説明する。
【0241】
前記区間図面データは、工事案件情報に示される前記管路工事に紐づけられている。すなわち、前記区間図面データは、工事案件情報に紐づけられている事業体情報に紐づけられている。
【0242】
前記区間図面データは、より細分化された単位で管理可能であり、少なくとも一つの詳細工事区間に関する詳細工事区間データを含む。前記詳細工事区間データは、前記区間図面データにおける詳細工事区間ごとのデータである。前記詳細工事区間は、管路工事を管理する単位である。複数の詳細工事区間では、例えば、管路工事を実施する管路工事業者が異なっていてもよいし、工事日程が重なっていてもよいし、後述するように実績情報を取得する異なる実績取得端末が割り当てられていてもよい。
【0243】
前記詳細工事区間データは、少なくとも一つの作業範囲に関する作業範囲情報に紐づけられている。言い換えれば、前記作業範囲情報は、前記詳細工事区間データにおける作業範囲ごとに生成される。前記作業範囲は、管路工事を管理する最小単位である。前記作業範囲は、工事日程に基づいて決められてもよいし、作業内容に応じて決められてもよい。例えば、前記作業範囲は、前記施工計画関連情報の工程情報等によって規定されている一日の作業範囲であってもよいし、前記設計情報または前記施工計画関連情報を作成する際に決められる作業範囲であってもよい。
【0244】
区間図面データ及び詳細工事区間データは、例えば、設計情報に含まれる。従って、前記施工計画関連情報に含まれる設計情報と前記作業範囲情報とは互いに紐づけられている。なお、前記施工計画関連情報は、前記設計情報を用いて、作業範囲ごとに生成される。
【0245】
図22は、区間図面データを模式的に示す図である。図22には、設計情報に、前記区間図面データとして、3つの区間図面データDD11,DD12,DD13が含まれている場合の例を示す。図22には、区間図面データDD11の一例を示す。区間図面データDD11は、2つの詳細工事区間K1,K2に関する詳細工事区間データを含む。詳細工事区間K1は、3つの作業範囲K11,K12,K13を含む。詳細工事区間K2は、2つの作業範囲K21,K22を含む。なお、図22において、AA0からAA5は、管理位置を示していて、P1は設計管路PLの管路工事区間TPの始点を示し、P2は設計管路PLの管路工事区間TPの終点を示している。
【0246】
区間紐付部355は、作業範囲情報が示す作業範囲をそれぞれ管理位置情報が示す管理位置に紐づける。例えば、区間紐付部355は、作業範囲K11を、管理位置AA0及びAA1に紐づけるとともに、作業範囲K12を、管理位置AA1及び管理位置AA2に紐づける。区間紐付部355は、前記管理位置を、前記作業範囲を含む詳細工事区間にも紐づける。区間紐付部355は、前記管理位置を、前記作業範囲及び前記詳細工事区間に関するデータを含む区間図面データにも紐づける。また、前記管理位置は、前記作業範囲における作業の工事日程を示す工程情報にも紐づけられる。すなわち、区間紐付部355は、前記作業範囲情報を前記施工計画関連情報に紐づける。
【0247】
上述の構成では、管路工事を作業範囲毎に計画及び管理できる。よって、計画変更が生じた場合でも、前記作業範囲に応じて計画変更及び演算処理等を容易に行うことができる。
【0248】
(実績取得端末)
実績取得端末7は、上述のように管理サーバ3から取得した前記施工計画関連情報及び前記管理位置情報に基づいて、管路工事の実績情報を取得する。具体的には、実績取得端末7は、作業範囲に紐づけられた管理位置に対応する実績情報を、現場担当者の入力またはセンサなどの検出装置からの出力に応じて取得する。実績情報には、前記作業範囲の作業日に関する情報が紐づけられてよい。なお、実績取得端末7は、施工計画端末5によって構成されていてもよい。
【0249】
実績取得端末7は、作業範囲に紐づけられた施工計画関連情報及び管理位置情報を、管理サーバ3から取得する一方、施工計画関連情報に対応し且つ作業範囲と前記作業範囲における作業日を示す作業日情報とに紐づけられた実績情報を取得した後、実績情報を、管理サーバ3に出力する。
【0250】
(作業範囲に紐づけられている工事日程の修正処理)
管理サーバ3は、実績取得端末7から送信された実績情報に基づいて前記施工計画関連情報に含まれる工程情報を修正してもよい。管理サーバ3は、実績取得端末7から送信された実績情報に基づいて作業が完了していない作業範囲の工事日程を修正してもよい。例えば、管理サーバ3は、前記実績情報が、前記工程情報における予定よりも早く進んでいることを示す場合に、工事日程を、前倒しにしてもよい。また、管理サーバ3は、前記実績情報が、前記工程情報における予定よりも遅れていることを示す場合には、工事日程を、先送りにしてもよい。
【0251】
上述のように、管路工事において、作業範囲に紐づけられた実績情報を用いることによって、工程情報における工事日程の修正を容易に行うことができる。すなわち、管路工事の計画を、前記作業範囲に応じて容易に変更することができる。
【0252】
なお、上述のとおり前記施工計画関連情報が修正された後、実績取得端末7は、管理サーバ3から、修正された前記施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置を取得する。実績取得端末7は、修正された前記施工計画関連情報に紐づけられた前記管理位置に基づき実績情報を生成する。また、施工計画端末6が、管理サーバ3から、修正された前記施工計画関連情報を取得してもよい。施工計画端末6は、修正された前記施工計画関連情報をさらに編集してもよい。
【0253】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0254】
前記各実施形態では、管路工事管理装置2及び管路工事管理システム1,11,12は、水道管等の管路工事の施工情報を管理する。しかしながら、管路工事管理装置及び管路工事管理システムは、下水道管、ガス管、地下埋設管、農業用水等を含む配管における工事の施工情報を管理してもよい。管路工事管理装置及び管路工事管理システムは、鉄管だけでなく、ポリエチレン管の工事の施工情報を管理してもよい。
【0255】
前記各実施形態では、特に説明しなかったが、管理サーバ、施工計画端末又は実績取得端末の記憶部は、例えば、揮発性又は不揮発性のRAM(Read Only Memory)又はROM(Random Access Memory)等の記憶装置により実現できる。前記記憶部は、例えば、内蔵又は外付けの記憶装置若しくはリムーバブルメディアにより実現できる。前記記憶部は、具体的に例示すると、キャッシュメモリ及び主記憶装置である。また、前記記憶部は、具体的に例示すると、SSD(Solid State Drive)又はHDD(ハードディスク)等の補助記憶装置である。
【0256】
前記各実施形態では、特に説明しなかったが、管理サーバ、施工計画端末又は実績取得端末の制御部は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等の演算装置がプログラムを実行することにより各種機能を実現する。しかしながら、前記制御部が実現する各種機能の一部又は全部は、専用プロセッサ又は演算回路等によってハードウェア的に実現されていてもよい。
【0257】
前記各実施形態では、特に説明しなかったが、管理サーバは、1つ又は複数台のコンピュータ装置によって実現されていてもよい。
【0258】
前記各実施形態では、管路工事管理システム1、11、12は、計画担当者U1が使用する施工計画端末6及び現場担当者U2が使用する実績取得端末7を有する。しかしながら、管路工事管理システムは、さらに事業体が使用する事業体端末を有していてもよい。前記事業体端末は、管理サーバにアクセスし、施工計画関連情報又は実績情報等の各種データを参照可能であってもよい。
【0259】
前記実施形態1では、管路工事管理装置2は、基本管理位置決定部251と、情報管理部252とを有する。しかしながら、管路工事管理装置2は、前記施工計画に関する情報に基づいて、前記基本管理位置決定部によって決定された前記基本管理位置以外の位置であり且つ前記設計管路の前記管路工事における実績の管理を行う位置を、前記管理位置に含まれる特異点として設定する特異点設定部をさらに有していてもよい。
【0260】
上述の構成により、前記基本管理位置決定部によって決定された基本管理位置以外にも、施工計画に関する情報に基づく特異点を設定することができる。これにより、実績の管理を行う管理位置を設計管路の状況に応じて設定できる。よって、管路工事の実績を精度良く且つ効率良く管理できる。
【0261】
また、前記管路工事管理装置は、前記施工計画に関する情報に紐づけられた前記管理位置において取得した前記実績情報を記憶する実績情報記憶部をさらに有し、前記情報管理部は、前記施工計画に関する情報及び前記管路工事の実績情報の両方の情報を、前記管理位置に紐づけて管理してもよい。
【0262】
上述の構成では、施工計画に関する情報と実績情報とを、管理位置に紐づけて管理することができる。よって、前記施工計画に関する情報と前記実績情報とを、前記管理位置に応じて効率良くデータ処理することが可能になる。したがって、より効率良く管路工事の実績を管理できる。
【0263】
また、前記管路工事管理装置において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事の土工に関する設計値を含んでいてもよい。また、前記管路工事管理装置において、前記実績情報記憶部は、前記設計値に対応する実測値を、前記実績情報として記憶しており、前記情報管理部は、前記実績情報としての前記実測値と前記設計値との差を算出し、前記設計値、前記実測値及び前記差を、前記管理位置に対して紐づけて管理してもよい。
【0264】
これにより、設計値に対応する実測値と、前記設計値及び前記実測値の差と、管理位置とを紐づけて管理できる。よって、前記設計値及び前記実測値を、前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる出来形管理の効率を向上させることができる。
【0265】
また、前記管路工事管理装置において、前記施工計画に関する情報は、前記管路工事に関して写真データを管理する撮影項目を含んでいてもよい。また、前記管路工事管理装置において、前記実績情報記憶部は、前記撮影項目に対応する前記写真データを前記実績情報として記憶しており、前記情報管理部は、前記実績情報としての前記写真データを、前記撮影項目とともに前記管理位置に紐づけて管理してもよい。
【0266】
上述の構成により、撮影項目に対応する写真データを管理位置と紐づけて管理できる。これにより、前記写真データを前記管理位置と紐づける作業が必要ないため、いわゆる写真管理の効率を向上させることができる。
【0267】
前記実施形態2では、管理サーバ3の特異点設定部352が特異点を自動又は手動により設定する。しかしながら、特異点設定部は、すべての特異点を自動によって設定してもよいし、手動によって設定してもよい。
【0268】
前記実施形態2~4では、管路工事管理システム1、11、12は、実績取得端末7を有する。しかしながら、管路工事管理において、実績取得端末は省略してもよい。
【0269】
前記実施形態2~4では、管理サーバ3は、管理位置の決定及び管理位置と設計関連情報との紐づけを行う。しかしながら、管理サーバではなく、施工計画端末が管理位置の決定及び管理位置と設計関連情報との紐づけを行ってもよい。また、施工計画端末の記憶部が管理位置情報を記憶してもよい。
【0270】
前記実施形態3では、出来形管理表には、略図は含まれていない。しかしながら、出来形管理表に、略図が含まれていてもよい。
【0271】
前記実施形態4では、電子黒板情報作成部354が、施工計画関連情報に基づいて、写真データに追加する電子黒板の電子黒板情報を作成する。しかしながら、電子黒板情報作成部は、省略してもよい。
【0272】
前記各実施の形態では、基本管理位置決定部251は、管路工事区間TPの始点P1からの距離に応じて、基本管理位置A0、…、A9を設定する。しかしながら、基本管理位置決定部は、前記実施形態5において説明したような詳細工事区間または作業範囲を工事区間として、基本管理位置を設定してもよい。また、基本管理位置決定部は、複数の区間図面データにまたがって基本管理位置を設定してもよい。すなわち、基本管理位置決定部は、前記管路設計における前記所定区間に対して基本管理位置を設定してもよい。
【0273】
前記実施形態5では、例えば、2つの詳細工事区間K1,K2の境界に位置する管理位置AA3は、2つの詳細工事区間K1,K2の両方に紐づけられる。しかしながら、2つの詳細工事区間の境界に位置する管理位置は、2つの詳細工事区間のいずれか一方にだけに紐づけられてもよい。
【0274】
前記実施形態5では、例えば、2つの作業範囲K11,K12の境界に位置する管理位置AA1は、2つの作業範囲K11,K12の両方に紐づけられる。しかしながら、2つの作業範囲の境界に位置する管理位置は、2つの作業範囲のいずれか一方にだけ紐づけられてもよい。
【0275】
前記実施形態5では、詳細工事区間K1の両端には、管理位置AA0及び管理位置AA3が位置する。また、各作業範囲の両端に管理位置が位置する。しかしながら、詳細工事区間の両端の少なくとも一方に管理位置が位置していなくてもよい。また、作業範囲の途中に管理位置が位置していてもよい。作業範囲には、複数の管理位置が含まれていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0276】
本発明は、管路工事を管理する管路工事管理装置等に利用可能である。
【符号の説明】
【0277】
1、11、12 管路工事管理システム
2 管路工事管理装置
21 基本管理位置決定部
22 記憶部
25 制御部
251 基本管理位置決定部
252 情報管理部
3 管理サーバ
31 通信部
32 記憶部
35 制御部
351 基本管理位置決定部
352 特異点設定部
3522 特異点設定部
353、3531、3532 情報管理部
354 電子黒板情報作成部
6 施工計画端末
61 通信部
62 記憶部
63 表示部
64 入力部
65 制御部
651 設計情報取得部
652 管路表示部
653 工事区間情報取得部
654 工事区間情報出力部
655 特異点情報取得部
656 特異点情報出力部
7 実績取得端末
71 通信部
72 記憶部
74 タッチパネル部
75 制御部
751 管理位置取得部
7511 管理位置取得部
7512 管理位置取得部
752 実績情報取得部
7521 実績情報取得部
7522 実績情報取得部
753 実績情報出力部
7531 実績情報出力部
7532 実績情報出力部
76 撮影部
91 管材
92 横断管
AA0、AA1、AA2、AA3、AA4、AA5 管理位置
DD11、DD12、DD13 区間図面データ
K1、K2 詳細工事区間
K11、K12、K13、K21、K22 作業範囲
P1 始点
P2 終点
PL 設計管路
TP 管路工事区間
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