(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088582
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】金融商品取引管理装置、金融商品取引管理方法、及び、金融商品取引管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023152510
(22)【出願日】2023-09-20
(62)【分割の表示】P 2022203760の分割
【原出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】399101430
【氏名又は名称】松井証券株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】柴田 誠史
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 亮
(72)【発明者】
【氏名】松永 亜弓
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓登
(72)【発明者】
【氏名】村野 知暁
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 裕之
(72)【発明者】
【氏名】河井 裕也
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 武志
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊介
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宥理
(72)【発明者】
【氏名】濱川 かおり
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 行弘
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB51
5L055BB51
(57)【要約】
【課題】金融商品の相場変動に応じた一又は複数の注文の生成が可能な金融商品取引管理技術を提供すること。
【解決手段】金融商品取引管理装置であって、金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報を取得する取得部と、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅である複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成する第1生成部と、一の第1注文が約定した場合の約定価格と、利幅とに基づいて、一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出する算出部と、買いの注文である一の第1注文については売りの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された一の第1注文については買いの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、一の第1注文が約定した場合に生成する第2生成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融商品の取引を管理する金融商品取引管理装置であって、
前記金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報であって、前記金融商品の売買注文における注文値幅に関する注文値幅情報と、前記金融商品の注文ごとの注文金額に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格に関する指定価格情報と、前記金融商品を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、前記金融商品を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅に関する利幅情報と、を含む注文生成情報を取得する取得部と、
前記注文生成情報に基づいて、前記所定の価格帯において設定される、前記注文金額に対応する前記金融商品の複数の第1注文であって、前記複数の第1注文のそれぞれの値幅が前記注文値幅である前記複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成する第1生成部と、
前記注文生成情報に基づいて、前記複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、前記利幅とに基づいて、前記一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出する算出部と、
買いの注文である前記一の第1注文については売りの決済注文である前記一の第2注文が前記第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された前記一の第1注文については買いの決済注文である前記一の第2注文が前記第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、前記一の第1注文が約定した場合に生成する第2生成部と、を備える、
金融商品取引管理装置。
【請求項2】
前記第1生成部は、前記複数の第1注文のうち、有効な注文状態である前記一の第1注文、及び、当該一の第1注文についての決済注文である一の前記第2注文が約定した場合、約定した当該一の第1注文と同じ第1注文価格の第1注文を生成するための第1生成処理を実行し、
前記第2生成部は、当該第1注文が約定する場合、当該第1注文の約定価格と、前記利幅とに基づいて、当該第1注文についての決済注文である第2注文を生成するための第2生成処理を実行し、
前記第1生成処理及び前記第2生成処理は、繰り返し実行される、
請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項3】
前記第1生成部は、前記複数の第1注文のうち、有効な注文状態である前記一の第1注文、及び、当該一の第1注文についての決済注文である一の前記第2注文が約定した場合、予め指定した時間に、又は、一の前記第2注文の約定からの指定期間経過後に、約定した当該一の第1注文と同じ第1注文価格の第1注文を生成するための第1生成処理を実行し、
前記第2生成部は、当該第1注文が約定する場合、当該第1注文の約定価格と、前記利幅とに基づいて、当該第1注文についての決済注文である第2注文を生成するための第2生成処理を実行し、
前記第1生成処理及び前記第2生成処理は、繰り返し実行される、
請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項4】
前記注文生成情報が、前記一の第1注文についての決済注文である前記一の第2注文に関連付けられた損切価格に関する損切価格情報をさらに含み、
買いの注文である前記一の第1注文については売りの損切注文が前記損切価格で実行されるための第3注文情報、又は、売りの注文である前記一の第1注文については買いの損切注文が前記損切価格で実行されるための第3注文情報を、前記一の第1注文が約定した場合に生成する第3生成部をさらに備える、
請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項5】
前記一又は複数の指定価格は、前記所定の価格帯の上限に対応する上限価格、及び、前記所定の価格帯の下限に対応する下限価格を含み、
前記第1生成部は、前記上限価格、前記下限価格、前記利幅、及び、前記注文値幅に基づいて、前記複数の第1注文の注文数を算出する、
請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項6】
前記一又は複数の指定価格は、前記所定の価格帯の上限に対応する上限価格、及び、前記所定の価格帯の下限に対応する下限価格を含み、
前記第1生成部は、前記上限価格及び前記下限価格に基づいて、前記所定の価格帯の中央値を算出し、算出した前記中央値を基準に高値側及び安値側に前記複数の売買注文を設定するための前記第1注文情報を生成する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の金融商品取引管理装置。
【請求項7】
金融商品の取引を管理するコンピュータが、
前記金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報であって、前記金融商品の売買注文における注文値幅に関する注文値幅情報と、前記金融商品の注文ごとの注文金額に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格に関する指定価格情報と、前記金融商品を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、前記金融商品を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅に関する利幅情報と、を含む注文生成情報を取得するステップと、
前記注文生成情報に基づいて、前記所定の価格帯において設定される、前記注文金額に対応する前記金融商品の複数の第1注文であって、前記複数の第1注文のそれぞれの値幅が前記注文値幅である前記複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成するステップと、
前記注文生成情報に基づいて、前記複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、前記利幅とに基づいて、前記一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出するステップと、
買いの注文である前記一の第1注文については売りの決済注文である前記一の第2注文が前記第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された前記一の第1注文については買いの決済注文である前記一の第2注文が前記第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、前記一の第1注文が約定した場合に生成するステップと、を実行する、金融商品取引管理方法。
【請求項8】
金融商品の取引を管理するコンピュータを、
前記金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報であって、前記金融商品の売買注文における注文値幅に関する注文値幅情報と、前記金融商品の注文ごとの注文金額に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格に関する指定価格情報と、前記金融商品を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、前記金融商品を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅に関する利幅情報と、を含む注文生成情報を取得する取得部と、
前記注文生成情報に基づいて、前記所定の価格帯において設定される、前記注文金額に対応する前記金融商品の複数の第1注文であって、前記複数の第1注文のそれぞれの値幅が前記注文値幅である前記複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成する第1生成部と、
前記注文生成情報に基づいて、前記複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、前記利幅とに基づいて、前記一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出する算出部と、
買いの注文である前記一の第1注文については売りの決済注文である前記一の第2注文が前記第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された前記一の第1注文については買いの決済注文である前記一の第2注文が前記第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、前記一の第1注文が約定した場合に生成する第2生成部と、
として機能させる金融商品取引管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品取引管理装置、金融商品取引管理方法、及び、金融商品取引管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、株式や債券等の有価証券や先物取引商品等を含む金融商品の売買注文を市場に自動的に発注する手法が知られている。例えば、特許文献1には、インターネットや電話回線網を利用して金融商品の売買注文を市場に自動的に発注する自動発注装置等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような従来の自動発注システムでは、外国為替等の金融商品の注文手法として、新規注文と決済注文とを一定の利幅となるように同時に取引指示する手法であるIFD(イフダン)注文が採用されている。しかしながら、外国為替取引に関する相場価格は、常時、不規則に変動する。特に、要人の発言や注目度の高い経済指標の発表があると、相場価格が激しく変動する。相場価格が激しく変動すると、IFD注文で新規注文に対して指定した価格とは異なる価格で約定してしまう場合がある。このような場合、仮に、IFD注文で指定した価格で決済注文が約定したとしても、IFD注文で指定した利幅とは異なる利幅となってしまうおそれがある。したがって、金融商品の相場変動に応じた注文の生成が求められている。
【0005】
そこで、本発明のいくつかの態様はかかる事情に鑑みてなされたものであり、金融商品の相場変動に応じた一又は複数の注文の生成が可能な金融商品取引管理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る金融商品取引管理装置は、金融商品の取引を管理する金融商品取引管理装置であって、金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報であって、金融商品の売買注文における注文値幅に関する注文値幅情報と、金融商品の注文ごとの注文金額に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格に関する指定価格情報と、金融商品を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、金融商品を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅に関する利幅情報と、を含む注文生成情報を取得する取得部と、注文生成情報に基づいて、所定の価格帯において設定される、注文金額に対応する金融商品の複数の第1注文であって、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅である複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成する第1生成部と、注文生成情報に基づいて、複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、利幅とに基づいて、一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出する算出部と、買いの注文である一の第1注文については売りの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された一の第1注文については買いの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、一の第1注文が約定した場合に生成する第2生成部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る金融商品取引管理方法は、金融商品の取引を管理するコンピュータが、金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報であって、金融商品の売買注文における注文値幅に関する注文値幅情報と、金融商品の注文ごとの注文金額に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格に関する指定価格情報と、金融商品を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、金融商品を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅に関する利幅情報と、を含む注文生成情報を取得するステップと、注文生成情報に基づいて、所定の価格帯において設定される、注文金額に対応する金融商品の複数の第1注文であって、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅である複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成するステップと、注文生成情報に基づいて、複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、利幅とに基づいて、一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出するステップと、買いの注文である一の第1注文については売りの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された一の第1注文については買いの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、一の第1注文が約定した場合に生成するステップと、を実行する。
【0008】
本発明の一態様に係る金融商品取引管理プログラムは、金融商品の取引を管理するコンピュータを、金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報であって、金融商品の売買注文における注文値幅に関する注文値幅情報と、金融商品の注文ごとの注文金額に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格に関する指定価格情報と、金融商品を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、金融商品を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅に関する利幅情報と、を含む注文生成情報を取得する取得部と、注文生成情報に基づいて、所定の価格帯において設定される、注文金額に対応する金融商品の複数の第1注文であって、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅である複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成する第1生成部と、注文生成情報に基づいて、複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、利幅とに基づいて、一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出する算出部と、買いの注文である一の第1注文については売りの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された一の第1注文については買いの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、一の第1注文が約定した場合に生成する第2生成部と、として機能させる。
【0009】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金融商品の相場変動に応じた一又は複数の注文の生成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る金融商品取引管理システムの概略構成図(システム構成図)である。
【
図2】本発明の実施形態に係る金融商品の取引管理処理の概要を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る金融商品取引管理装置と、ユーザ端末との概略構成図(ブロック図)である。
【
図4】本発明の実施形態に係る注文生成情報の一例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る金融商品の取引管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施形態に係るユーザ端末の出力部で出力される注文画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る決済予約情報の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係るユーザ端末の出力部で出力される注文画面の他の一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る金融商品取引管理装置、及び、ユーザ端末の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る金融商品取引管理システムの概略構成図(システム構成図)である。
図1に示すように、金融商品取引管理システム100は、例示的に、金融商品の取引を管理する金融商品取引管理装置1と、金融商品の取引を希望する投資家(ユーザ)が操作するn台(nは、1以上の任意の整数値)のユーザ端末3と、ネットワークNとを含んで構成される。
【0014】
「金融商品」とは、金融取引における商品であり、例えば、株式や債券等の有価証券や先物取引商品等を含む。本実施形態では、「金融商品」として外国為替を取り上げて説明するがこれに限られない。
【0015】
金融商品取引管理システム100は、いわゆるクライアント・サーバシステムである。金融商品取引管理システム100は、クライアントであるn台のユーザ端末3と、金融商品取引管理装置1とがネットワークNを介して相互に通信を行うことにより実現される。
【0016】
金融商品取引管理装置1は、例えば、サーバ装置により実現される。また、ユーザ端末3は、例えば、スマートフォンや、パーソナルコンピュータにより実現される。更に、ネットワークNは、例えば、インターネット、携帯電話網といったネットワーク、LAN(Local Area Network)、あるいはこれらを組み合わせたネットワークにより実現される。
【0017】
なお、図中には、n台のユーザ端末3として、ユーザ端末3a及びユーザ端末3nを図示している。ただし、以下の説明において、これらn台のユーザ端末3を区別することなく説明する場合には、符号を一部省略して、単に「ユーザ端末3」と呼ぶ。
【0018】
ここで、金融商品取引管理システム100の概要について説明する。例えば、金融商品取引管理システム100では、ユーザが、外国為替に関する、通貨ペア、新規注文の売買種別、新規注文と決済注文とを実行する所定の価格帯、新規注文が複数である場合はその注文間の新規注文価格の注文値幅、注文数量(注文金額)、及び、新規注文の約定価格に対する決済注文の益出し幅(利幅)等を設定すれば、後はそれに従って自動的に売買が繰り返される注文(自動繰返注文)が実行される。自動繰返注文では、一定の値動きが出るたび、それに応じて売買が繰り返され、ユーザが保有するポジションが階段のように積み重なる。そしてそれらのポジションの解消も、値動きに応じて一定の値幅で連続的に実行される。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係る金融商品の取引管理処理の概要を示す図である。金融商品取引管理システム100は、ユーザが注文入力画面で入力した内容に基づいて、複数の新規注文(複数の第1注文)(例えば、新規注文O1-1、O1-2、O1-3)をまとめて注文グループとして管理する。「新規注文」とは、新たな売買取引を開始する(ポジションを作る)ための注文である。売買取引が成立(約定)すると、その取引によるポジションが発生する。
【0020】
金融商品取引管理システム100は、新規注文を、当該新規注文の生成と同時に有効状態(例えば、相場価格が指定価格に到達すると約定する状態)として管理する。金融商品取引管理システム100は、複数の新規注文のうち、一の新規注文が約定した場合に、当該一の新規注文の約定価格と利幅とに基づいて、新たに益出し決済注文(第2注文)を生成し、有効状態として管理する。「決済注文」とは、売買取引を終了する(ポジションをなくす)ための注文である。売買取引が成立(約定)すると、新規注文と決済注文による価格差が一連の取引を通じた損益となる。ここで、例えば、新規注文O1-2は、決済注文O2-1が約定した際に自動的に発注され、新規注文O1-3は、決済注文O2-2が約定した際に自動的に発注される。
【0021】
金融商品取引管理システム100は、例えば、新規注文価格122.0円の新規注文O1-1が約定した場合に、当該新規注文O1-1の約定価格(例えば122.0円)と利幅(例えば2円)とに基づいて、新たに益出し決済注文O2-1(第2注文)(例えば決済注文価格124.0円)を生成する。外国為替の相場価変動が比較的に緩やかである場合は、新規注文の注文価格と約定価格とは、122.0円で一致することもある。
【0022】
しかしながら、上記したとおり、要人の発言や注目度の高い経済指標の発表があると、相場価格が激しく変動する。相場価格が激しく変動すると、新規注文に対して指定した価格とは異なる価格で約定してしまう場合がある。例えば、金融商品取引管理システム100は、新規注文価格122.0円の新規注文O1-2が約定価格121.8円で約定した場合に、当該新規注文O1-2の約定価格(121.8円)と利幅(2円)とに基づいて、新たな益出し決済注文O2-2(例えば決済注文価格123.8円)を生成する。金融商品取引管理システム100は、新規注文価格122.0円の新規注文O1-3が約定価格121.9円で約定した場合に、当該新規注文O1-3の約定価格(121.9円)と利幅(2円)とに基づいて、新たな益出し決済注文O2-3(例えば決済注文価格123.9円)を生成する。
【0023】
以上、金融商品取引管理システム100においては、複数の新規注文のうち、一の新規注文が約定した場合に、当該一の新規注文の約定価格と利幅とに基づいて、新たに益出し決済注文(第2注文)を生成する。したがって、金融商品の相場変動に応じた決済注文の生成が可能である。
【0024】
また、金融商品取引管理システム100は、益出し決済注文が約定した際は、当該益出し決済注文の元となる一の新規注文と同一条件(例えば同一価格)の注文を、新たに生成し、有効状態として管理する。新たな新規注文の生成タイミングは益出し決済注文の約定直後だけでなく、予め指定した時間(例えば時刻)に生成してもよいし、又は、益出し決済注文の約定時からの指定期間経過後に生成してもよい。
【0025】
さらに、金融商品取引管理システム100は、以降、新規注文の生成及び約定と、益出し決済注文の生成及び約定と、を繰り返し行うことが可能である。金融商品取引管理システム100において、ユーザが損切レートを指定している場合、新規注文が約定し、益出し決済注文を生成する際に、損切決済注文(第3注文)をあわせて生成し、有効状態として管理してもよい。金融商品取引管理システム100は、益出し決済注文が約定した場合は、対応する損切決済注文の取消処理を行う。金融商品取引管理システム100は、損切決済注文が約定した場合は、対応する益出し決済注文の取消処理を行う。金融商品取引管理システム100は、注文生成された複数の注文(例えば、新規注文、及び、益出し決済注文)を、一の「注文グループ」として管理を行う。一の注文グループは、損切決済注文をさらに含んでもよい。
【0026】
外国為替取引の価格指定に関する注文形態は、例えば、指値注文、逆指値注文、OCO注文(One Cancel the Other)、IFD注文、及び、IFO注文を含む。「指値注文」とは、例えば、新規注文及び決済注文の少なくとも一方を行う際に、現在の相場価格より有利な価格を指定して、買付または売却をする方法である。取引成立条件として、買付の指値注文の場合、「相場価格が、指定した価格以下になったら買い」の取引が成立し、売却の指値注文の場合、「相場価格が、指定した価格以上になったら売り」の取引が成立する。指値注文は、上記取引成立条件を満たした場合、原則、指定した注文価格のとおりに約定する。しかしながら、為替相場の急変動時、又は、金曜日の取引時間終了後の月曜日の取引再開時に上記取引成立条件を満たした場合は、指定価格ではなく、実際の相場価格で約定する。
【0027】
「逆指値注文」とは、例えば、新規注文及び決済注文の少なくとも一方を行う際に、通常の「指値注文」とは逆の価格条件を指定して、買付または売却をする方法である。取引成立条件として、買付の逆指値注文の場合、「相場価格が、指定した価格以上になったら買い」の取引が成立し、売却の逆指値注文の場合、「相場価格が、指定した価格以下になったら売り」の取引が成立する。「逆指値注文」についても「指値注文」と同様に、為替相場の急変動時、又は、金曜日の取引時間終了後の月曜日の取引再開時に、上記取引成立条件を満たした場合は、指定価格ではなく、実際の相場価格で約定する。
【0028】
「OCO注文」とは、1度に2つの注文(指値注文と逆指値注文)を行うことができる方法である。例えば、例えば、米国ドル/日本円の相場価格が123円で買いポジションを持っている時に、124円で利益確定のための売り指値注文、122円で損切りの売り逆指値注文の2つの注文を行い、片方が約定したら、もう一方は自動的にキャンセルされる。「IFD注文」とは、新規注文と決済注文を同時に取引指示する方法である。又は、「IFD注文」とは、新規注文が約定したら決済注文を行うことを予め予約する方法である。「IFO注文」とは、IFD注文とOCO注文を組み合わせた方法である。
【0029】
本実施形態における金融商品取引管理システム100は、上記価格指定に関する注文形態(例えば、指値注文、逆指値注文、OCO注文、IFD注文、及び、IFO注文)を適宜採用可能である。
【0030】
<金融商品取引管理装置の機能的構成>
図3は、本発明の実施形態に係る金融商品取引管理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。金融商品取引管理装置1は、例示的に、金融商品の取引管理に関する処理を実行する情報処理部40と、情報処理部40の処理の実行に必要な情報及び実行結果に関する情報を記録する記録部18と、を備えて構成される。情報処理部40は、機能的に、注文生成情報取得部41(取得部)と、新規注文情報生成部42(第1生成部)と、約定処理部43と、注文価格算出部44(算出部)と、決済注文情報生成部45(第2生成部)と、損切注文情報生成部46(第3生成部)と、画面出力情報生成部47と、を備える。
【0031】
注文生成情報取得部41と、新規注文情報生成部42と、約定処理部43と、注文価格算出部44と、決済注文情報生成部45と、損切注文情報生成部46と、画面出力情報生成部47とは、例えば、
図15に示すメモリ13や記録部18に格納されているプログラムをCPU11が実行することにより実現することができる。
【0032】
注文生成情報取得部41は、外国為替取引の注文情報を生成するための注文生成情報OPIを取得する。例えば、注文生成情報OPIは、ユーザが希望する外国為替取引に関する注文申込情報である。注文生成情報取得41は、例えば
図6に示す注文画面G1又は
図14に示す注文画面G3においてユーザが入力した注文申込情報を注文生成情報OPIとして取得する。
【0033】
図4は、注文生成情報OPIの一例を示す図である。例えば、注文生成情報OPIは、外国為替の売買注文における注文値幅(例えば1.0円)に関する注文値幅情報と、外国為替の注文ごとの注文金額(例えば、10,000ドル)に関する注文金額情報と、所定の価格帯に複数の売買注文を設定するための一又は複数の指定価格(例えば、上限レート、及び、下限レートの少なくとも一方のレート)に関する指定価格情報と、外国為替を一の注文価格で買った場合に他の注文価格で売ったとき、又は、外国為替を一の注文価格で売った場合に他の注文価格で買ったときの利幅(例えば2.0円)に関する利幅情報と、を含む。注文生成情報OPIは、外国為替の売買注文の種別(例えば通貨ペアとして米国ドル/日本円)と、一の新規注文についての決済注文である一の決済注文に関連付けられた損切レート(損切価格)(例えば117.00円)に関する損切価格情報とをさらに含んでもよい。
【0034】
注文生成情報OPIにおける各項目は、注文グループごとに関連づけられている。損切レートは、一の注文グループにおいて固定の値でもよいし、一の注文グループにおける、新規注文の約定価格に応じて異なる損切レートが設定されてもよい。
【0035】
図3に戻り、新規注文情報生成部42は、注文生成情報取得部41が取得した注文生成情報OPIに基づいて、所定の価格帯において設定される、注文金額に対応する金融商品の複数の新規注文(第1注文)であって、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅である複数の第1注文価格について買い又は売りの新規注文が実行されるための新規注文情報(第1注文情報)を生成する。
【0036】
約定処理部43は、例えば、新規注文及び決済注文(損切注文を含む)の少なくとも一つの注文の取引を成立(約定)させるための処理を実行する。例えば、約定処理部43は、新規注文及び決済注文の少なくとも一方の注文が、上記した「指値注文」及び「逆指値注文」のそれぞれに関する上記取引成立条件を満たす場合に、当該注文の取引を約定させる。約定処理部43は、外国為替相場の変動状況に応じて、新規注文及び決済注文の少なくとも一方の注文に対して、それぞれの指定価格(例えば指値価格)とは異なる価格(約定価格)で当該注文を約定させる。
【0037】
注文価格算出部44は、注文生成情報取得部41が取得した注文生成情報OPIに基づいて、複数の新規注文のうち一の新規注文が約定した場合の約定価格と、注文生成情報OPIが含む利幅情報とに基づいて、一の新規注文についての決済注文(一の第2注文)の決済注文価格(第2注文価格)を算出する。
【0038】
決済注文情報生成部45は、例えば、買いの注文である一の新規注文については売りの決済注文(一の第2注文)が決済注文価格(第2注文価格)で実行されるための決済注文情報(第2注文情報)、又は、売りの注文が実行された一の新規注文については買いの決済注文(一の第2注文)が決済注文価格(第2注文価格)で実行されるための決済注文情報(第2注文情報)を、一の新規注文が約定した場合に生成する。つまり、決済注文情報生成部45は、一連の新規注文に関する新規注文情報が生成されるタイミングと同時に決済注文情報を生成せず、一の新規注文が約定した場合に初めて当該一の新規注文に対応する一の決済注文を生成する。
【0039】
損切注文情報生成部46は、例えば、買いの注文である一の新規注文については売りの損切注文が損切価格で実行されるための損切注文情報(第3注文情報)、又は、売りの注文である一の新規注文については買いの損切注文が損切価格で実行されるための損切注文情報(第3注文情報)を、一の新規注文が約定した場合に生成する。
【0040】
画面出力情報生成部47は、ユーザ端末3において各種画面(例えば、注文画面、注文確認画面、及び、為替チャート画面)を出力するための画面出力情報を生成して、ユーザ端末3に送信する。
【0041】
記録部18は、例えば、注文生成情報OPIと、ユーザ口座情報UAIと、注文条件情報OCIと、注文テーブル情報OTIと、を記録する。記録部18は、上記各情報を互いに関連づけて記録してもよい。
【0042】
ユーザ口座情報UAIは、例えば、ユーザの識別情報、口座番号、口座に保有された一又は複数の通貨の識別情報、及び、口座に保有された又は複数の通貨ごとの金額に関する情報を含む。ユーザ口座情報UAIは、例えば、口座開設日や入出金の日時等の他の情報を含んでもよい。
【0043】
注文条件情報OCIは、例えば、外国為替の通貨ペアに関する識別情報、並びに、取引金額、証拠金、スワップポイント、及び、注文において設定可能な値幅や利幅に関する情報を含む。
【0044】
注文テーブル情報OTIは、新規注文情報生成42と、決済注文情報生成部45と、損切注文情報生成部46とによって生成される各注文情報が、例えばテーブル形式で管理された情報である。注文テーブル情報OTIは、例えば
図8から
図13に示すように、注文グループごとに各注文情報が管理される。
【0045】
<ユーザ端末の機能的構成>
図3に示すように、ユーザ端末3は、機能的に、表示制御部51と、操作受付部53とを含んで構成される。なお、表示制御部51、及び、操作受付部53は、例えば、
図15に示すユーザ端末3のメモリ33や記録部38に格納されているプログラムをCPU31が実行したりすることにより実現することができる。
【0046】
表示制御部51は、金融商品取引管理装置1の画面出力情報生成部47が生成し送信した画面出力情報に基づいて、各種画面を
図15に示す出力部37に出力させる。
【0047】
操作受付部53は、ユーザから各種画面における操作を受け付ける。操作受付部53は、ユーザによる入力部36を用いた外国為替取引に関する操作を受け付ける。操作受付部53は、各種画面に含まれるユーザ入力領域又はユーザ入力欄に対するユーザの注文申込操作を受け付ける。操作受付部53は、受け付けたユーザの操作内容を金融商品取引管理装置1に送信する。
【0048】
<金融商品の取引管理処理>
<<第1例>>
図5から
図13を参照して、金融商品の取引管理処理の第1例を説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る金融商品の取引管理処理の一例を示すフローチャートである。前提として、金融商品取引管理装置1、及び、一又は複数のユーザ端末3のそれぞれには、金融商品の取引管理処理を実行するためのプログラムがインストールされる。金融商品取引管理装置1、及び、一又は複数のユーザ端末3は、当該プログラムを実行することによって金融商品の取引管理処理を実行可能である。なお、この点に関して、後述する金融商品の取引管理処理の第2例も同様である。
【0049】
金融商品取引管理装置1は、外国為替に関する注文情報を生成するための注文生成情報OPIを取得する(ステップS1)。
【0050】
図6は、ユーザ端末3の
図15に示す出力部37において出力される注文画面の一例を示す図である。ユーザは、注文画面G1における、注文申込情報を入力するための入力領域A1において、自らが希望する外国為替取引に関する注文申込を行うことが可能である。ユーザは、「通貨ペア」や「売買」の種別等の各項目に対して、直接テキスト情報として入力してもよいし、プルダウン形式によって複数候補の中から自らが希望する特定候補を選択してもよい。ユーザが、各項目の入力が終了した後、「注文」ボタンB1を押下すると、金融商品取引管理装置1は、入力された注文生成情報OPIに基づいて各種注文情報を生成する。
【0051】
図5に戻り、金融商品取引管理装置1は、取得した注文生成情報OPIに基づいて、所定の価格帯(例えば120.00円から125.00円)において設定される、注文金額(例えば10,000ドル)に対応する「米国ドル/日本円」の複数の新規注文であって、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅(例えば1.0円)である複数の第1注文価格について買い又は売りの新規注文が実行されるための新規注文情報(第1注文情報)を生成する(ステップS3)。
【0052】
例えば、新規注文情報の生成は、以下の手順1から手順3で実行される。
手順1:注文グループに含まれる新規注文(第1注文)の合計件数(n件)を算出する。
手順2:手順1で算出した各新規注文の注文価格を算出する。
手順3:手順2で算出した注文価格を用いて、手順1で算出した件数分の新規注文に関する注文情報を算出する。
【0053】
まず手順1について説明する。手順1では、以下の式1又は式2を用いて、注文グループに含まれる新規注文の合計件数(n件)を算出する。
(買い注文の場合)
[式1]
新規注文の合計件数(n件)=(上限レート-下限レート-益出し幅)÷注文値幅+1
【0054】
(売り注文の場合)
[式2]
新規注文の合計件数(n件)=(上限レート-下限レート+益出し幅)÷注文値幅+1
【0055】
ここで、上限レートは「125.00円」、下限レートは「120.00円」、益出し幅は「2.0円」、及び、注文値幅は「1.0円」であるから、これらの値を式1又は式2に代入するといずれも、新規注文の合計件数(n件)=4(件)と算出される。このように本実施形態においては、注文の件数(n)はユーザの注文画面における入力項目として含まれていない。つまり、本実施形態においては、ユーザが、注文の件数(n)を入力せずとも上記式1又は式2に基づいて算出可能である。注文の件数(n)は、他の入力項目の内容をもとに、全ての決済注文(第2注文)がレートレンジ内に含まれるように自動的に算出されている。なお、他の実施形態として、ユーザが注文画面において注文の件数を入力するための領域を設けてもよい。
【0056】
次に、手順2について説明する。手順2では、以下の式3又は式4を用いて手順1で算出した注文件数に対応する各新規注文の注文価格を算出する。
(買い注文の場合)
[式3]
最も安値側の新規注文の注文価格=下限レート
第二順位の新規注文の注文価格=下限レート+注文値幅
…
第n順位の新規注文の注文価格=下限レート+(n-1)×注文値幅
【0057】
(売り注文の場合)
[式4]
最も高値側の新規注文の注文価格=上限レート
第二順位の新規注文の注文価格=上限レート-注文値幅
…
第n順位の新規注文の注文価格=上限レート-(n-1)×注文値幅
なお、式3においては「最も安値側の新規注文の注文価格」、式4においては「最も高値側の新規注文の注文価格」を基準として各価格が算出されているが、買い注文は最も高値側の注文価格を、売り注文は最も安値側の注文価格を基準として各価格が算出されてもよい。
【0058】
最後に、手順3について説明する。手順3では、手順2で算出した注文価格を用いて、手順1で算出した件数分の新規注文に関する注文情報を算出する。
【0059】
図7は、ユーザ端末3の
図15に示す出力部37において出力される注文確認画面に含まれる決済予約情報の一例を示す図である。金融商品取引管理装置1は、新規注文に関する情報の他、決済予約情報(例えば、益出し決済注文(第2注文)の益出し幅、損切注文(第3注文)に関する損切レート)を生成して、当該決済予約情報についても確認画面上に出力する。ユーザが、出力された内容を確認し、例えば「注文」ボタンを押下することで、各注文の受付処理が実行され、各注文情報が生成される。金融商品取引管理装置1は、注文受付処理において、
図3に示す注文条件情報OCI等に基づいて、各入力値の妥当性チェック等を実行する。
【0060】
なお、ユーザが、出力された注文の変更を希望する場合は、一の新規注文の「注文価格」(例えば、120.00円、121.00円)、及び、一の新規注文に対する「益出し幅(予定価格)」の少なくとも一方が、個別に変更可能に構成されてもよい。
【0061】
図8は、本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。金融商品取引管理装置1は、上記注文受付処理の結果、注文内容に問題がないと判断した場合は、受け付けた注文申込情報に基づいて、新規注文の生成処理を実行する。金融商品取引管理装置1は、生成した
図8に示す注文テーブルを、
図3に示す注文テーブル情報OTIとして記録部18に記録する。ここで、金融商品取引管理装置1は、注文生成時点で相場価格を取得し、取得した相場価格と、注文価格と比較を一又は複数の新規注文ごとに実行する。金融商品取引管理装置1は、この比較結果に基づいて、注文種類として指値又は逆指値を決定される。
図8の注文テーブルの例は、取得された相場価格が121.50円である場合を示している。
図8の注文テーブルに示すように、各注文情報については、一の注文グループとして管理される。
【0062】
図5に戻り、金融商品取引管理装置1は、複数の新規注文のうち一の新規注文が約定したか否かを判断する(ステップS5)。複数の新規注文のうち一の新規注文が約定していない場合(Noの場合)は、金融商品取引管理装置1は、一の新規注文が約定するまで待機する。他方、複数の新規注文のうち一の新規注文が約定した場合(Yesの場合)は、金融商品取引管理装置1は、ステップS7に進む。
【0063】
金融商品取引管理装置1は、取得した注文生成情報OPIに基づいて、複数の新規注文のうち一の新規注文が約定した場合の約定価格と、注文生成情報OPIが含む利幅情報とに基づいて、一の新規注文についての決済注文(一の第2注文)の決済注文価格(第2注文価格)を算出する(ステップS7)。
【0064】
金融商品取引管理装置1は、例えば、買いの注文である一の新規注文については売りの決済注文(一の第2注文)が決済注文価格(第2注文価格)で実行されるための決済注文情報(第2注文情報)、又は、売りの注文が実行された一の新規注文については買いの決済注文(一の第2注文)が決済注文価格(第2注文価格)で実行されるための決済注文情報(第2注文情報)を、一の新規注文が約定した場合に生成する(ステップS9)。ステップS7及びステップS9について
図9を参照して以下具体的に説明する。
【0065】
図9は、本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。
図8に示す注文テーブルに対応する新規注文情報が生成された後、例えば、相場価格が「121.50円」から「120.90円」に急変動する場合、金融商品取引管理装置1は、一の新規注文(例えば注文番号「1002」)を、注文価格である「121.00円」ではなく、約定価格「120.90円」で約定する。金融商品取引管理装置1は、一の新規注文が約定すると、当該一の新規注文のポジションの決済注文として益出し決済注文(例えば注文番号「1005」)、及び、損切注文(例えば注文番号「1006」)を生成する。このように、本実施形態における注文形態はIFO注文である。
【0066】
注文番号「1002」の新規注文が約定すると、「注文状態」が「約定済」に変更され、注文テーブルが更新される。また、「約定済」となった新規注文に益出し幅(利幅)(例えば2.0円)が設定されている場合、自動的に、注文番号「1005」の益出し決済注文の生成処理が行われ、注文テーブルに記録される。なお、相場価格が急変動せず「121.50円」から円高方向に比較的緩やかに動く場合は、注文価格「121.00円」が約定価格となる場合もある。
【0067】
注文番号「1005」の益出し決済注文の注文価格は、新規注文の約定価格120.90と、益出し幅2.0円とに基づいて、122.90円とされる。さらに、「約定済」となった新規注文に損切レート(例えば「117.00円」)が設定されている場合、自動的に、注文番号「1006」の損切注文の生成処理が行われ、注文テーブルに記録される。上記のとおり各注文の注文状態が変更されるたびに注文テーブルが更新される。
【0068】
図5に戻り、金融商品取引管理装置1は、有効な注文状態である注文が存在するか否かを判断する(ステップS11)。有効な注文状態である注文が存在する場合(Yesの場合)、金融商品取引管理装置1は、ステップS3に戻る。有効な注文状態である注文が存在する場合とは、例えば、有効な注文状態である一の新規注文、及び、当該新規注文についての決済注文が約定した場合等を含む。
【0069】
図10及び
図11は、本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。例えば相場価格が「120.90円」から「123.00円」に変動する過程において、注文番号「1005」の益出し決済注文の注文価格「122.90円」と一致した場合、
図10に示すように、金融商品取引管理装置1は、注文番号「1005」の益出し決済注文は「約定済」となり、これと対応する、注文番号「1006」の損切注文は「取消済」となる約定処理が行われる。また、金融商品取引管理装置1は、
図5に示すステップS3として、約定した当該一の新規注文(例えば注文番号「1002」)と同じ注文価格(例えば「121.00円」)の新規注文(例えば注文番号「1007」)を生成するための「第1生成処理」を実行する。
【0070】
図11に示すように、例えば相場価格が「122.90円」から「123.00円」に変動する場合には、金融商品取引管理装置1は、
図5に示すステップS5として、注文番号「1003」及び注文番号「1004」の新規注文を、それぞれの注文価格「122.00円」及び「123.00円」で約定処理する。この例では、為替相場の変動が比較的緩やかであるため、注文価格と同一の約定価格となっている。
【0071】
金融商品取引管理装置1は、
図5に示すステップS7及びS9として、注文番号「1003」の新規注文が約定したため、注文番号「1003」の新規注文のポジションの決済注文として益出し決済注文(例えば注文番号「1008」)、及び、損切注文(例えば注文番号「1009」)を生成する。注文番号「1008」の益出し決済注文の注文価格は、新規注文の約定価格122.00と、益出し幅2.0円とに基づいて、124.00円とされる。さらに、「約定済」となった新規注文に損切レート(例えば117.00円)が設定されているため、自動的に、注文番号「1009」の損切注文の生成処理が行われ、注文テーブルに記録される。
【0072】
また、金融商品取引管理装置1は、
図5に示すステップS7及びS9として、注文番号「1004」の新規注文がそれぞれ約定したため、注文番号「1004」の新規注文のポジションの決済注文として益出し決済注文(例えば注文番号「1010」)、及び、損切注文(例えば注文番号「1011」)を生成する。注文番号「1010」の益出し決済注文の注文価格は、新規注文の約定価格123.00と、益出し幅2.0円とに基づいて、125.00円とされる。さらに、「約定済」となった新規注文に損切レート(例えば117.00円)が設定されているため、自動的に、注文番号「1011」の損切注文の生成処理が行われ、注文テーブルに記録される。
【0073】
このように、金融商品取引管理装置1は、新規注文が約定する場合、当該新規注文の約定価格と、設定された利幅とに基づいて、当該新規注文についての決済注文である第2注文を生成するための「第2生成処理」を実行する。金融商品取引管理装置1は、上記「第1生成処理」及び「第2生成処理」を繰り返し実行する。この構成によれば、一定の値動きが出るたび、それに応じて売買が繰り返され、ユーザが保有するポジションが階段のように積み重なり、また、それらのポジションの解消も、値動きに応じて一定の値幅で連続的に実行される。したがって、ユーザが多数の注文を手作業で指定又は設定する必要がなくなりため、ユーザが外国為替取引を行う際の負担を大幅に軽減可能である。
【0074】
図5に戻り、ステップS11において、有効な注文状態である注文が存在しない場合(Noの場合)、金融商品取引管理装置1は、処理を終了する。有効な注文状態である注文が存在しない場合とは、例えば、全ての有効な新規注文及び決済注文が取り消され、新たな新規注文が行われない場合等を含む。上記の場合について、
図12及び
図13を参照して以下説明する。
【0075】
図12及び
図13は、本発明の実施形態に係る注文テーブルの一例を示す図である。損切注文が約定した場合、対応する新規注文及び益出し決済注文の取消処理が実行される。例えば、相場価格が「123.00円」から「120.00円」に変動した場合を例に挙げる。
図12に示すように、相場価格が「123.00円」から「121.00円」に変動すると、注文番号「1007」の新規注文が約定し、これと対応する、注文番号「1012」の益出し決済注文、及び、注文番号「1013」の損切注文が生成される。また、相場価格がさらに下がり「120.00円」になると、注文番号「1001」の新規注文が約定し、これと対応する、注文番号「1014」の益出し決済注文、及び、注文番号「1015」の損切注文が生成される。
【0076】
図13に示すように、その後、例えば、相場価格が「120.00円」から「117.00円」に変動すると、注文番号「1009」の損切注文が約定し、注文番号「1008」の益出し決済注文が「取消済」となり、注文番号「1011」の損切注文が約定し、注文番号「1010」の益出し決済注文が「取消済」となり、注文番号「1013」の損切注文が約定し、注文番号「1014」の益出し決済注文が「取消済」となり、注文番号「1015」の損切注文が約定し、注文番号「1014」の益出し決済注文が「取消済」となる。このように、全ての有効な、新規注文、及び、益出し決済注文が取り消されると、新たな新規注文の注文生成は行われない状態となるため、自動繰返注文は停止される。
【0077】
金融商品の取引管理処理の第1例によれば、金融商品取引管理装置1は、金融商品の注文情報を生成するための注文生成情報を取得する。金融商品取引管理装置1は、注文生成情報に基づいて、所定の価格帯において設定される、注文金額に対応する金融商品の複数の第1注文であって、複数の第1注文のそれぞれの値幅が注文値幅である複数の第1注文価格について買い又は売りの注文が実行されるための第1注文情報を生成する。金融商品取引管理装置1は、注文生成情報に基づいて、複数の第1注文のうち一の第1注文が約定した場合の約定価格と、利幅とに基づいて、一の第1注文についての決済注文である一の第2注文の第2注文価格を算出する。金融商品取引管理装置1は、買いの注文である一の第1注文については売りの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報、又は、売りの注文が実行された一の第1注文については買いの決済注文である一の第2注文が第2注文価格で実行されるための第2注文情報を、一の第1注文が約定した場合に生成する。このように、金融商品取引管理装置1は、複数の新規注文のうち、一の新規注文が約定した場合に、当該一の新規注文の約定価格と利幅とに基づいて、新たに益出し決済注文(第2注文)を生成する。したがって、金融商品の相場変動に応じた一又は複数の決済注文の生成が可能である。
【0078】
<<第2例>>
図14及び
図15を参照して、金融商品の取引管理処理の第2例を説明する。金融商品の取引管理処理の第2例では、金融商品取引管理装置1は、上限価格及び下限価格に基づいて、所定の価格帯の中央値を算出し、算出した中央値を基準に高値側及び安値側に複数の新規注文を設定するための新規注文情報を生成する。
【0079】
図14は、金融商品の取引管理処理の第2例に係る注文画面の一例を示す図である。
図14に示すように、ユーザは、注文画面G3における、注文申込情報を入力するための入力領域A3において、自らが希望する外国為替取引に関する注文申込を行うことが可能である。ユーザは、「通貨ペア」等の各項目について注文生成情報OPIを入力する。金融商品の取引管理処理の第2例では、金融商品取引管理装置1は、上限価格(例えば「110.50円」)及び下限価格(例えば「109.00円」)に基づいて、上限価格及び下限価格で規定される所定の価格帯の中央値(例えば「109.750円」)を算出し、注文画面G3において、当該中央値を出力可能である。また、
図14に示すように、金融商品取引管理装置1は、生成されうる新規注文数を「上に3(件)」及び「下に3(件)」として注文画面G3において出力してもよい。
【0080】
ユーザが、各項目の入力が終了した後、「注文」ボタンB3を押下すると、金融商品取引管理装置1は、入力された注文生成情報OPIに基づいて各種注文情報を生成する。金融商品の取引管理処理の第2例では、金融商品の取引管理処理の第1例と同様に、金融商品取引管理装置1は、新規注文の合計件数(n件)を算出する。金融商品取引管理装置1は、所定の価格帯において、当該中央値を基準として、高値側に3件の新規注文、及び、安値側に3件の新規注文を生成する。例えば、金融商品取引管理装置1は、中央値である注文価格「109.75円」の新規注文、並びに、高値側の3件の新規注文(例えば注文価格「110.25円」、「110.05円」及び「109.95円」の3件の注文)、及び、安値側の3件の新規注文(例えば注文価格「109.55円」、「109.35円」及び「109.15円」の3件の注文)の合計7件の新規注文を生成してもよい。
【0081】
なお、ユーザが、各項目の入力が終了した後、「注文」ボタンB3を押下すると、金融商品取引管理装置1は、実際に注文を生成する処理を実行する前に、ユーザが入力した注文内容を確認するための注文確認画面を出力してもよい。この場合には、ユーザが、注文確認画面において出力される「注文実行」ボタン等を押下してはじめて、金融商品取引管理装置1は、入力された注文生成情報OPIに基づいて各種注文情報を生成してもよい。
【0082】
金融商品の取引管理処理の第2例によれば、金融商品取引管理装置1は、上限価格及び下限価格に基づいて、所定の価格帯の中央値を算出し、算出した中央値を基準に高値側及び安値側に複数の売買注文を設定するための新規注文情報を生成する。したがって、金融商品取引管理装置1は、上限価格又は下限価格を基準とはせず、所定の価格帯の中央値を基準した新規注文の生成が可能である。
【0083】
図15は、本発明の実施形態に係る金融商品取引管理装置1のハードウェアの構成とユーザ端末3のハードウェアの構成とを示すブロック図である。なお、図中では、金融商品取引管理装置1のハードウェアに対応する符号には括弧を付すことなく記載し、ユーザ端末3のハードウェアに対応する符号には括弧を付して記載する。
【0084】
金融商品取引管理装置1は、例示的に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなるメモリ13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記録部18と、通信部19と、を備えている。
【0085】
CPU11は、メモリ13に記録されているプログラム、又は、記録部18からメモリ13にロードされたプログラムにしたがって各種の処理を実行する。
【0086】
メモリ13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11及びメモリ13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14には、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16と、出力部17と、記録部18と、通信部19と、が接続されている。
【0087】
入力部16は、各種ボタン、タッチパネルあるいはマイク等で構成され、金融商品取引管理装置1の管理者等の指示操作に応じて各種情報を入力する。なお、入力部16は、金融商品取引管理装置1の他の各部を収容する本体とは独立した、キーボードやマウス等の入力装置により実現してもよい。
【0088】
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等で構成されており、画像データや音声データを出力する。出力部17が出力した画像データや音楽データは、ディスプレイやスピーカ等から、画像や音楽として管理者等が認識可能に出力される。
【0089】
記録部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、各種データを記録する。
【0090】
通信部19は、他の装置との間で行う通信を実現する。例えば、通信部19は、ネットワークNを介して、ユーザ端末3との間で相互に通信を行う。
【0091】
なお、金融商品取引管理装置1には、不図示であるがドライブを必要に応じて適宜設けられる。ドライブには、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等から構成されるリムーバブルメディアが適宜装着される。リムーバブルメディアには、ゲーム実行するためのプログラムや、画像データ等の各種データが格納される。ドライブによってリムーバブルメディアから読み出されたプログラムや、画像データ等の各種のデータは、必要に応じて記録部18にインストールされる。
【0092】
次に、ユーザ端末3のハードウェアの構成について説明をする。ユーザ端末3は、
図15に示すように、例示的に、CPU31と、メモリ33と、バス34と、入出力インターフェース35と、入力部36と、出力部37と、記録部38と、通信部39と、を備えている。これら各部は、上述の金融商品取引管理装置1が備える、符号のみが異なる同名の各部と同等の機能を有している。したがって、重複する説明を省略する。
【0093】
<他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0094】
上記したとおり、
図3に示す金融商品取引管理装置1は、注文生成情報取得部41と、新規注文情報生成部42と、約定処理部43と、注文価格算出部44と、決済注文情報生成部45と、損切注文情報生成部46と、画面出力情報生成部47と、を備える。これは、ユーザ端末3が金融商品取引管理装置1の上記構成を備えると、情報処理の多くをユーザ端末3が実行することになり、ユーザ端末3の処理負担が大きくなる。この処理負担を軽減するため、各処理を金融商品取引管理装置1とユーザ端末3に分散したものである。また、金融商品取引管理装置1が備える各機能の少なくとも一部は、ユーザ端末3が備えてもよく、当該ユーザ端末3が金融商品取引管理装置として構成されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
1…金融商品取引管理装置、3…ユーザ端末、11(31)…CPU、13(33)…メモリ、14(34)…バス、15(35)…入出力インターフェース、16(36)…入力部、17(37)…出力部、18(38)…記録部、19(39)…通信部、40…情報処理部、41…注文生成情報取得部、42…新規注文情報生成部、43…約定処理部、44…注文価格算出部、45…決済注文情報生成部、46…損切注文情報生成部、47…画面出力情報生成部、51…出力制御部、53…操作受付部、100…金融商品取引管理システム