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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088624
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】コパッケージ化制御された過電流処理
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/00 20070101AFI20240625BHJP
【FI】
H02M1/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023214333
(22)【出願日】2023-12-19
(31)【優先権主張番号】22215124
(32)【優先日】2022-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516153409
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ オーストリア アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies Austria AG
【住所又は居所原語表記】Siemensstr. 2, A-9500 Villach, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ ミアットン
(72)【発明者】
【氏名】アレッサンドロ ポルテサン
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ モリーニ
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740BA12
5H740BC01
5H740BC02
5H740KK04
5H740MM11
5H740MM12
(57)【要約】
【課題】過電流または短絡状態に対する電力スイッチの保護を改善することである。
【解決手段】本出願は、電力スイッチアセンブリのコパッケージ化制御された過電流処理に関する。電力スイッチアセンブリは、電力スイッチと過電流処理ロジックとを備える。過電流処理ロジックは、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を検出し、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を示す過電流検出信号を提供するように構成された過電流検出回路と、過電流検出回路に結合され、過電流検出信号に応答して電力スイッチの制御端子を少なくとも部分的に放電するために放電電流を生成するように構成された放電電流生成回路とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリ制御端子(T)と、第1のアセンブリ負荷端子(TL1)と、第2のアセンブリ負荷端子(TL2)と、を有する電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)であって、前記電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)は、
前記アセンブリ制御端子(T)に結合された制御端子(100)と、前記第1のアセンブリ負荷端子(TL1)に結合された第1の負荷端子(100L1)と、前記第2のアセンブリ負荷端子(TL2)に結合された第2の負荷端子(100L2)と、を有する電力スイッチ(100)と、
前記アセンブリ制御端子(T)と前記制御端子(100)との間および前記第2の負荷端子(100L2)と前記第2のアセンブリ負荷端子(100L2)との間に結合された過電流処理ロジック(200)と、
を備え、
前記過電流処理ロジック(200)は、
前記第2の負荷端子(100L2)と前記第2のアセンブリ負荷端子(TL2)との間に結合され、前記電力スイッチ(100)の負荷電流(I)の過電流状態を検出し、前記電力スイッチの前記負荷電流(I)の過電流状態を示す過電流検出信号(240S)を提供するように構成された過電流検出回路(240)と、
前記過電流検出回路(240)、前記制御端子(100)および前記第2の負荷端子(100L2)に結合され、前記過電流検出信号(240S)に応答して前記制御端子(100)を少なくとも部分的に放電させるために放電電流を生成するように構成された放電電流生成回路(230)と、
を含む、
電力スイッチアセンブリ。
【請求項2】
前記電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)は、前記過電流処理ロジック(200)および前記電力スイッチ(100)を囲むように構成されたパッケージ(10P)をさらに備え、前記パッケージ(10P)は、前記アセンブリ制御端子(T)と、前記第1のアセンブリ負荷端子(TL1)と、前記第2のアセンブリ負荷端子(TL2)と、を備える、
請求項1に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項3】
前記放電電流は、下降時間(tfall)に基づき、前記下降時間(tfall)は、過電流の検出から前記負荷電流(I)の安全負荷電流値(Isafe)への減少までの時間枠を定義する、
請求項1または2に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項4】
前記過電流処理ロジック(200)は、前記アセンブリ制御端子(T)と前記制御端子(100)との間に結合された制御経路制御回路(220)をさらに備え、
前記制御経路制御回路(220)は、前記アセンブリ制御端子(T)を前記制御端子(100)に切り替え可能に結合するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項5】
前記制御経路制御回路(220)は、前記過電流検出信号(240S)に応答して前記アセンブリ制御端子(T)を前記制御端子(100)から結合解除するように構成される、
請求項4に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項6】
前記制御経路制御回路(220)は、前記アセンブリ制御端子(T)および前記第2のアセンブリ負荷端子(TL2)に結合されたゲートドライバ(20H、20L)によって供給される電圧(VCL2)が前記電力スイッチ(100)の閾値電圧を下回るまで、前記アセンブリ制御端子(T)を前記制御端子(100)から結合解除したままにするようにさらに構成される、
請求項5に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項7】
前記放電電流生成回路(230)は、前記負荷電流(I)が安全負荷電流値(Isafe)以下になるまで前記制御端子(100)が放電されるように前記放電電流を生成するように構成さる、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項8】
前記過電流検出回路(240)は、温度補償過電流検出信号(240S)を提供するために前記過電流検出回路(240)の温度係数を補償するように構成される、
請求項1から7のいずれか一項に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項9】
前記過電流検出回路(240)は、
前記第2の負荷端子(100L2)と前記第2のアセンブリ負荷端子(TL2)との間に結合され、電流測定温度係数を有する電流測定抵抗器(242)と、
前記電流測定抵抗器(242)に結合され、補償温度係数を有する温度補償回路(241)と
を備え、
前記補償温度係数は、前記電流測定温度係数を補償する、
請求項8に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項10】
前記過電流検出回路は、前記電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)の動作中に前記過電流検出回路(240)の少なくとも一部を線形動作領域内に維持するように構成される、
請求項8または9に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項11】
前記温度補償回路(241)は、
補償温度係数を有する温度係数補償回路(241T)と、
前記温度係数補償回路(241T)に結合され、前記温度係数補償回路(241T)の少なくとも一部を線形動作領域内に維持するように構成された線形領域維持変換回路(241L)と、
を備える、
請求項9または10に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項12】
前記温度補償回路(241)は、前記線形領域維持変換回路(241L)に結合され、前記線形領域維持変換回路(241L)の出力と過電流閾値との比較に基づいて前記温度補償過電流検出信号(240C)を提供するように構成された過電流信号出力段(241C)をさらに備える、
請求項11に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項13】
前記温度係数補償回路(241T)は、補償温度係数を有する少なくとも1つの補償トランジスタ(246)を含み、
前記少なくとも1つの補償スイッチ(246)は、線形動作領域内に維持される、
請求項9から11のいずれか一項に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項14】
前記線形領域維持変換回路(241L)は、前記温度補償過電流検出信号(240S)のダイナミックレンジを増大するようにさらに構成される、
請求項11から13のいずれか一項に記載の電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)。
【請求項15】
電力スイッチアセンブリ(10、10H、10L)の過電流処理ロジック(200)を動作させるための方法(300)であって、前記過電流処理ロジック(200)は、過電流検出ロジック(240)と放電電流生成回路(230)とを備え、前記方法は、
電力スイッチ(100)の負荷電流(I)の過電流状態を示す過電流検出信号(240S)を提供するために、前記電力スイッチの前記負荷電流(I)の第2の負荷端子(100L2)における過電流状態を検出するステップ(320)と、
前記過電流検出信号(240S)に応答して前記電力スイッチ(100)の制御端子(100)を放電電流で少なくとも部分的に放電するステップ(350)と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電力スイッチの過電流保護に関し、より正確には、電力スイッチアセンブリの内部に設けられた過電流保護に関する。
【背景技術】
【0002】
動作中、電力スイッチは、異常に高い負荷経路電流、すなわち、電力スイッチを損傷する可能性がある過電流または短絡状態に遭遇することがある。電力スイッチの損傷を回避するために、電力スイッチの外部にあり、電力スイッチとコパッケージ化されたさまざまな解決策が存在し、これらは過電流を検出し、電力スイッチをオフにする。現代の電力スイッチのスイッチング速度を考えると、過電流を検出するための時間枠は非常に短くなり得るので、高速検出ロジックを使用しなければならない。
【0003】
さらに、現在の過電流検出処理解決策は、電力スイッチの負荷経路と直列の寄生インダクタンスを考慮していない。過電流の検出後に負荷電流が低減される速度およびレベルに応じて、そのような寄生インダクタンスは電力スイッチにおいて電圧サージを引き起こすことがあり、これは電力スイッチを不用意に損傷させることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、過電流または短絡状態に対する電力スイッチの保護を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を有する電力スイッチアセンブリであって、アセンブリ制御端子に結合された制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子に結合された第1の負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子に結合された第2の負荷端子と、を有する電力スイッチと、アセンブリ制御端子と制御端子との間および第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合された過電流処理ロジックであって、第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合され、電力スイッチの負荷電流の過電流を検出するように構成された過電流検出回路と、過電流検出回路、制御端子および第2の負荷端子に結合され、温度補償過電流検出信号に応答して制御端子を少なくとも部分的に放電するために放電電流を生成するように構成された放電電流生成回路と、を含む過電流処理ロジックと、を備える電力スイッチアセンブリを提供する。
【0006】
本発明は、電力スイッチアセンブリの過電流処理ロジックを動作させるための方法であって、過電流処理ロジックは、過電流検出ロジックと放電電流生成回路とを備え、方法は、電力スイッチアセンブリの電力スイッチの第2の負荷端子の負荷における過電流を検出することと、放電電流を生成することと、過電流検出信号に応答して放電電流で電力スイッチの制御端子を少なくとも部分的に放電することと、を含む方法をさらに提供する。
【0007】
本発明の実施形態は、以下の添付図面を参照して説明され、同様の参照符号は同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリを含むハーフブリッジトポロジを示す図である。
図2】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリのブロック図である。
図3】本発明の実施形態による過電流処理ロジックの例示的な電源を示す図である。
図4】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの例示的な制御経路制御回路を示す図である。
図5A】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの放電電流生成回路の例示的な実施態様を示す図である。
図5B】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの放電電流生成回路の例示的な実施態様を示す別の図である。
図5C】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの放電電流生成回路の例示的な実施態様を示す別の図である。
図5D】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの放電電流生成回路の例示的な実施態様を示す別の図である。
図6】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの放電電流生成回路の動作を示すさまざまな信号を示す図である。
図7】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの温度補償回路のブロック図である。
図8】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの温度補償回路の例示的な実施態様を示す図である。
図9】本発明の実施形態による電力スイッチアセンブリの過電流処理ロジックを動作させるための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記の図面は、決して本発明の開示を限定するものではないことを理解されたい。むしろ、これらの図面は、本発明の理解を助けるために提供されている。当業者であれば、1つの図面に示された本発明の態様は、本発明の範囲から逸脱することなく、別の図面の態様と組み合わせることができ、または省略することができることを容易に理解するであろう。
【0010】
本開示は、一般に、電力スイッチと過電流処理ロジックとを含む電力スイッチアセンブリを提供する。過電流処理ロジックは、電力スイッチの負荷経路を通る過電流を検出し、放電電流を生成するように構成される。放電電流は、過電流検出に応答して、電力スイッチの制御端子を少なくとも部分的に放電する。放電電流は、電力スイッチと直列に結合された寄生インダクタンスで電圧サージを引き起こすほど急速に制御端子を放電させない一方で、負荷電流を安全な値に迅速に減少させるように構成される。さらに、誤った過電流検出を回避するために、過電流処理ロジックの過電流検出回路は温度補償されてもよく、すなわち、過電流検出は、過電流検出回路の少なくとも一部の温度係数を補償するように構成され得る。温度補償は検出速度に影響を与えないため、過電流検出の少なくとも一部は、線形動作領域内に維持され得る。これにより、過電流を高速に検出するのを可能にすると同時に、過電流検出回路の少なくとも一部の温度係数を補償することができる。
【0011】
この一般的な概念は、添付の図面を参照して説明され、図1は電力スイッチアセンブリの典型的な用途を示し、図2は電力スイッチアセンブリのブロック図を提供する。図2のブロック図に基づいて、電力スイッチアセンブリのブロックのさまざまな例示的な実施態様の詳細を図3から図8に関して詳細に、図2では左から右に移動しながら説明する。最後に、図9は、電力スイッチアセンブリの過電流処理ロジックによって実行される方法のフローチャートを提供する。
【0012】
図1は、電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lによって形成されるハーフブリッジトポロジを概略的に示す。ハイサイド電力スイッチアセンブリ10Hは、供給電圧DC+とハーフブリッジの出力との間に結合され、ローサイド電力スイッチアセンブリ10Lは、ハーフブリッジの出力と供給電圧DC-との間に結合される。ハーフブリッジは、構成要素を電気的に結合するために使用され、負荷電流を運ぶワイヤまたは他の導体に起因し得る、電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lと直列の寄生インダクタンスをさらに含む。これらの寄生インダクタンスを説明するために、ハイサイドスイッチアセンブリ10Hとハーフブリッジの出力との間の例示的な寄生インダクタンスLparが示されている。寄生インダクタンスは、ハーフブリッジの出力とローサイドスイッチングアセンブリとの間、またはそれぞれのスイッチングアセンブリと供給電圧DC+およびDC-との間にも存在し得ることが理解されよう。したがって、Lparは、ハーフブリッジのすべての寄生インダクタンスの等価インダクタンスと考えることもできる。
【0013】
電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lは、それぞれゲートドライバ20Hおよび20Lに結合される。ゲートドライバ20Hおよび20Lは、電力スイッチの制御端子に制御信号を提供するように構成された任意の種類のゲートドライバであってもよい。この目的のために、ゲートドライバ20Hおよび20Lは、例えば、高ロジック電源電圧と低ロジック電源電圧との間に結合され、ゲートドライバ20Hおよび20Lの出力において2つのロジック電源電圧のいずれか一方を提供するように構成されたインバータであってもよい。高ロジック電源電圧は、電力スイッチ10の閾値電圧よりも高い電圧レベルであってもよい。さらなる例では、ゲートドライバ20Hおよび20Lは、2つのロジック電源電圧のいずれか一方をゲートドライバ20Hおよび20Lの出力に結合する個別に制御されるスイッチを含むことができる。ゲートドライバ20Hおよび20Lは、必ずしも同一の構成である必要はないことが理解されよう。むしろ、ハイサイドゲートドライバおよびローサイドゲートドライバに対する異なる要件を考慮すると、ゲートドライバ20Hおよび20Lは、これらの異なる要件に特に適合されてもよく、したがって構造が異なってもよい。また、いくつかの例では、ゲートドライバ20Hおよび20Lは、電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lの両方を制御する単一のハーフブリッジゲートドライバを形成することができる。
【0014】
最後に、電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lの各々は、電力スイッチ100と、過電流処理ロジック200と、を含み、これについては図2に関して詳細に説明する。電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lのスイッチ100は、互いに同じであっても異なっていてもよいことに留意されたい。
【0015】
図2は、図1の電力スイッチアセンブリ10Hおよび10Lの一例である電力スイッチアセンブリ10のブロック図を示す。したがって、電力スイッチアセンブリ10は、電力スイッチ100と過電流処理ロジック200と含む。
【0016】
電力スイッチアセンブリ10は、アセンブリ制御端子Tと、第1のアセンブリ負荷端子TL1と、第2のアセンブリ負荷端子TL2と、を有する。アセンブリ制御端子T、第1のアセンブリ負荷端子TL1および第2のアセンブリ負荷端子TL2は、パッケージ10Pに含まれてもよい。したがって、パッケージ10Pは、電力スイッチ100と過電流処理ロジック200とを囲むことができる。
【0017】
電力スイッチ100は、制御端子100と、第1の負荷端子100L1と、第2の負荷端子100L2と、を有する。これらの端子は、それぞれ、アセンブリ制御端子T、第1のアセンブリ負荷端子TL1および第2のアセンブリ負荷端子TL2に接続される。図2で分かるように、また本開示を通して理解されるように、「結合された」という表現は、直接接続と介在要素を有する接続の両方を指し、後者は、それぞれ制御端子100、第1の負荷端子100L1および第2の負荷端子100L2ならびにアセンブリ制御端子T、第1のアセンブリ負荷端子TL1および第2のアセンブリ負荷端子TL2の場合である。
【0018】
電力スイッチ100は、高電圧阻止能力を有するように構成された任意の種類の電力スイッチであってもよい。例えば、電力スイッチ100は、450V、900V、1200Vまたは1800Vなど、少なくとも400Vを超える電圧を阻止することができてもよい。このような電圧阻止能力を達成するために、電力スイッチ10は、例えば、シリコンまたは炭化ケイ素(SiC)金属酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)、シリコンまたはSiC絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、または窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(GaN-HEMT)であってもよい。電力スイッチ10に関して論じた電圧レベルおよび技術の種類の両方は、単なる例として提供されていることが理解されよう。本開示は、本明細書で述べたもの以外の他の高電圧レベルおよび他の電力スイッチ技術を用いて実施することができる。
【0019】
電力スイッチ100は、本開示のいくつかの実施態様では、電流感知能力を含むことができる。すなわち、電力スイッチ100は、例えば、電力スイッチ100の負荷電流I、すなわち第1の負荷端子100L1と第2の負荷端子100L2との間を流れる電流を示す信号を過電流処理ロジック200に提供するように構成され得る。電流感知能力は、例えば、1個または10個のトランジスタセルなどの電力スイッチ100を形成するトランジスタセルのうちのいくつかを流れる電流を分岐させることによって実装され得る。電流感知能力は他の方法で提供されてもよく、本開示のいくつかの例では、電流感知能力は存在しなくてもよいことが理解されよう。例えば、本開示のいくつかの例では、過電流状態を検出するために負荷電流を直接使用することができる。
【0020】
過電流処理ロジック200は、アセンブリ制御端子Tと制御端子100との間、ならびに第2の負荷端子100L2と第2のアセンブリ負荷端子TL2との間に結合される。過電流処理ロジック200内で、アセンブリ制御端子Tは外部制御信号線CSextに結合されてもよく、制御端子100は内部制御信号線CSintに結合されてもよく、第2の負荷端子100L2は負荷電流信号線100Sに結合されてもよく、第2のアセンブリ負荷端子TL2は接地信号線200Gに結合され得る。
【0021】
制御端子100とアセンブリ制御端子Tとの間、ならびに第2の負荷端子100L2と第2のアセンブリ負荷端子TL2との間の配置に基づいて、過電流検出回路240は、負荷電流Iの過電流状態を検出し、制御端子100と第2の負荷端子100L2との間の電圧VCL2を処理する、すなわち制御するように構成される。以下で説明するように、過電流処理ロジック200は、温度補償された方法で過電流状態を検出し、寄生インダクタンスLparなどの寄生インダクタンスでの電力スイッチ100における電圧サージを回避する方法で電圧VCL2をさらに制御し、それによって負荷電流ILをさらに制御するようにさらに構成することができる。
【0022】
過電流処理ロジック200は、過電流検出回路240と放電電流生成回路230とを含む。過電流処理ロジック200は、電源生成回路210と制御経路制御回路220とをさらに備えることができる。過電流処理ロジック200のさまざまな回路については、以下で論じる。
【0023】
電源生成回路210は、アセンブリ制御端子Tおよび第2のアセンブリ負荷端子TL2に結合された、図1のゲートドライバ20Hおよび20Lなどのゲートドライバによって供給される電圧に基づいて、過電流検出回路240、放電電流生成回路230および制御経路制御回路220のうちの少なくとも1つのための電源を生成するように構成され得る。この目的のために、電源生成回路210は、外部制御信号線CSextと接地信号線200Gとの間に結合され得る。言い換えれば、電源生成回路210は、外部ゲートドライバによって生成された外部制御信号線CSextと接地信号線200Gとの間の電圧差を使用して、過電流処理ロジック200の構成要素に電源を提供する。電源生成回路210は、生成された電源を、電源線210Sを介して過電流処理ロジック200の構成要素に提供することができる。
【0024】
過電流処理ロジック200の電源電圧の生成を上記で論じた電圧差に基づかせることにより、電力スイッチアセンブリ10のピンアウトを見たときに電力スイッチアセンブリ10が通常の電力スイッチとして見えること、すなわち、電力スイッチアセンブリ10が、それとコパッケージ化されたロジックのない電力スイッチのようなピンアウトを有することが保証され得る。さらに、そのような構成は、電力スイッチアセンブリ10を制御するゲートドライバが電力スイッチアセンブリ100にターンオフ信号を提供する場合、過電流処理ロジック200によって提供される内部制御が電力スイッチ10をオンにすることができないことを保証することができる。
【0025】
図3に、本開示による電源生成回路210の1つの例示的な実装例を示す。したがって、電源生成回路210は、抵抗器211と、ツェナーダイオード212と、3つのトランジスタ213~215と、抵抗器216と、を含むことができる。抵抗器211、ツェナーダイオード212、トランジスタ215および抵抗器216は、信号線CSextと200Gとの間の電圧差に基づいて電流を生成するように構成される。この電流は、次に、トランジスタ213および214によって形成されるカレントミラーによって電源線210Sにミラーリングされる。トランジスタ213および214によって形成されるカレントミラーの利得が1より大きい場合、トランジスタ213および214によって形成されるカレントミラーを使用して、電流抵抗器211、ツェナーダイオード212、トランジスタ215および抵抗器216を増幅することができる。これは、例えば、異なるトランジスタパラメータを有するトランジスタ213および214を設計することによって、またはトランジスタ213および214を、並列のそれぞれ同一のトランジスタパラメータを有するが異なる数の並列トランジスタを有する複数のトランジスタとして実装することによって、達成することができる。
【0026】
過電流処理ロジック200のいくつかの例示的な実装形態では、電源生成回路210の機能は、過電流検出回路240、放電電流生成回路230および制御経路制御回路220のうちの少なくとも1つに統合され得ることが理解されよう。すなわち、そのような例示的な実施態様では、過電流処理ロジック200は、電源生成回路210を含まなくてもよい。代わりに、過電流検出回路240、放電電流生成回路230および制御経路制御回路220は、そのような例示的な実施態様では、制御信号線CSextと接地信号線200Gとの間の電圧差に基づいてそれらの個々の電源を実装することができる。また、過電流処理ロジック200いくつかの例示的な実装形態では、過電流検出回路240、放電電流生成回路230および制御経路制御回路220は、電源を必要としなくてもよく、負荷電流Iの過電流状態の検出に基づいて動作され得る。言い換えれば、そのような例示的な実施態様では、後で論じる過電流検出信号240Sは、過電流検出回路240、放電電流生成回路230および制御経路制御回路220を動作させるための電力を提供することができる。両方の手法、すなわち、制御信号線CSextと接地信号線200Gとの間の電圧差に基づいて、および負荷電流Iに基づいて、過電流処理ロジック200の構成要素に動作電力を供給することが混合されてもよいことがさらに理解されよう。すなわち、いくつかの例示的な実施形態では、過電流処理ロジック200のいくつかの構成要素は、電源生成回路210または内部電源の一方によって供給されてもよく、いくつかの構成要素は、過電流検出信号240Sによって供給されてもよい。
【0027】
制御経路制御回路220は、アセンブリ制御端子Tと制御端子100との間に結合されてもよく、アセンブリ制御端子Tを制御端子100に切り替え可能に結合するように構成され得る。本開示の文脈において、切り替え可能に結合するとは、制御経路制御回路220が、例えば、結合解除状態と結合状態とを含むことができるさまざまな結合状態間で切り替えるように構成され得るという事実を指し得る。結合解除状態では、制御経路制御回路220は、制御端子100からアセンブリ制御端子Tへの電流のシンクを可能にすると同時にアセンブリ制御端子Tと制御端子100との間に高インピーダンスを提供することができる。結合状態では、制御経路制御回路220は、アセンブリ制御端子Tと制御端子100との間に低インピーダンスを提供することができ、それによって外部制御信号線CSextを介して制御端子100の制御を可能にする。換言すれば、制御経路制御回路220は、外部制御信号線CSextと内部制御信号線CSinとを切り替え可能に結合してもよい。これにより、制御経路制御回路220は、過電流処理ロジック200が、過電流状態の検出に続いて、外部ゲートドライバを介した外部制御と過電流処理ロジック200を介した内部制御とを切り替えることを可能にすることができる。したがって、制御経路制御回路220は、いくつかの実施形態では、過電流検出信号240Sに応答してアセンブリ制御端子Tを制御端子100から結合解除するように構成され得る。
【0028】
制御経路制御回路220は、アセンブリ制御端子T、したがって外部制御信号線CSextを、アセンブリ制御端子Tおよび第2のアセンブリ負荷端子TL2に結合された外部ゲートドライバによって供給される電圧が電力スイッチ100の閾値電圧を下回るまで、および/または、検出された過電流状態が経過したときなどの別の所定の状態が満たされるまで、制御端子100(したがって内部制御信号線CSint)から結合解除されたままにするようにさらに構成され得る。すなわち、制御経路制御回路220は、外部ゲートドライバが電力スイッチアセンブリ10にオン信号を供給するのを停止するまで、電力スイッチアセンブリ10を内部制御状態に維持することができる。
【0029】
図4に、本開示による制御経路制御回路220の1つの例示的な実装例を示す。したがって、制御経路制御回路220は、制御経路スイッチ221と、ダイオード222と、抵抗器223と、ゲートドライバ224と、を含むことができる。
【0030】
制御経路スイッチ221は、ゲートドライバ224からの信号、制御経路変調信号230Sまたは過電流検出信号240Sの1つに基づいて、外部制御信号線CSextを内部制御信号線CSintに切り替え可能に結合することができる。
【0031】
ゲートドライバ224は、ゲートドライバ20Hおよび20Lと同様のゲートドライバであってもよく、過電流検出信号240Sに基づいて、制御経路スイッチ221を導通状態にする電圧レベルおよび制御経路スイッチ221を阻止状態にする電圧レベルに制御経路スイッチ221を結合するように構成され得る。これらの電圧レベルは、例えば、電源線210Sおよび接地信号線200Gに対応してもよく、またはゲートドライバ224によって電源線210Sおよび接地信号線200Gから導出されてもよい(簡単にするために接地信号線200Gへの接続は図2および4には示さず)。
【0032】
あるいは、制御経路スイッチ221は、過電流検出信号240Sが過電流状態を示す場合に、制御経路スイッチ221が外部制御信号線CSextを内部制御信号線CSintから結合解除することを保証するようなやり方で、過電流検出信号240Sに直接結合され得る。この目的のために、制御経路スイッチ221は、例えば、ノーマリーオンデバイスであってもよく、または過電流検出信号240Sが、制御経路スイッチ221に反転して提供されてもよい。さらに、制御経路スイッチ221は、以下で論じる過電流検出回路240によって決定された制御経路変調信号230Sを受信することができる。したがって、本開示のいくつかの実施態様では、制御経路制御回路220は、過電流検出回路240によって制御され得る。
【0033】
抵抗器223は、制御経路スイッチ221が外部制御信号線CSextを内部制御信号線CSintに結合する場合、アセンブリ制御端子Tにおいて外部ゲートドライバによって印加される電圧に基づいて制御端子100に電流を供給することができる。
【0034】
ダイオード222は、制御経路スイッチ221と並列に結合される。ダイオード222のカソードは、外部制御信号線CSextに結合され、ダイオード222のアノードは、内部制御信号線CSintに結合される。それに従って、外部のゲートドライバが、内部制御信号線CSintの電圧レベルを超える電圧をアセンブリ制御端子Tに印加している間、ダイオード222は逆バイアスされる。しかしながら、外部ゲートドライバがアセンブリ制御端子Tに印加される電圧を内部制御信号線CSintの電圧レベル未満に引き下げると、ダイオード222は順方向にバイアスされ、したがって導電性になり得る。ダイオード222のこの配置に基づいて、外部ゲートドライバが電力スイッチアセンブリを阻止状態にすべきであることを示す場合、ダイオード222は制御端子100から電流を取り込む経路を提供することができる。これにより、電力スイッチ100を阻止状態に迅速に切り替えることができる。ダイオード222は、制御経路スイッチ221のボディダイオードであってもよく、または制御経路スイッチ221を備えた還流ダイオードであってもよい。ダイオード222によって提供される電流シンク機能を必要としない本開示の実施態様では、ダイオード222は省略されてもよいことが理解されよう。
【0035】
放電電流生成回路230は、接地信号線200Gを介して過電流検出回路240、制御端子100および第2の負荷端子100L2に結合される。この配置に基づいて、放電電流生成回路230は、過電流検出信号240Sに応答して制御端子100を少なくとも部分的に放電させるために放電電流Idisを生成するように構成される。言い換えれば、放電電流生成回路230は、制御端子100の少なくとも一部を放電する。例えば、放電電流生成回路230は、制御端子100から第2の負荷端子100L2に流れる放電電流Idisを提供することによって、制御端子100において電力スイッチ100のキャパシタンスを少なくとも部分的に放電することができる。
【0036】
放電電流Idisは、下降時間tfallに基づいてもよく、下降時間tfallは、負荷電流Iの過電流状態の検出から、負荷電流Iの安全電流値Isafeへの減少までの時間枠を定義する。安全電流値Isafeは、例えば、電圧VCL2の安全電圧レベルVsafeに対応することができる。すなわち、タイムフレームtfallは、負荷電流Iの経時的な変化率をほぼ決定する。負荷電流Iのこの変化は、寄生インダクタンスLparに起因する電圧サージをもたらし得るが、時間枠tfallは、そのような電圧サージが電力スイッチ100の最大阻止電圧に照らして許容可能であるように決定される。言い換えれば、所与の用途では、負荷電流Iと安全電流値Isafeとの間の差に基づいて、ならびに寄生インダクタンスLparおよび電力スイッチ100の最大阻止電圧に基づいて、負荷電流Iの変化によって引き起こされる電圧サージを含む、電力スイッチ100の第1の負荷端子100L1および第2の負荷端子100L2にわたる電圧が、電力スイッチ100の最大阻止電圧を超えないように、下降時間tfallが決定される。これについては、図6の上側シグナリング図に関して以下でより詳細に論じる。
【0037】
図6の上段の信号線図は、信号値レベルIsafe、Iover、VDC+およびVoverに関して、負荷電流Iと、第1の負荷端子100L1と第2の負荷端子100L2との間の電圧VL1L2と、を経時的に示している。図から分かるように、負荷電流Iは過電流検出レベルIoverまで増加し、その時点で過電流検出回路240は負荷電流Iの過電流状態を検出する。それに従って、過電流検出回路240は、過電流検出信号240Sを提供する。過電流検出信号240Sに応答して、放電電流生成回路230は放電電流Idisを提供し、これにより、負荷電流Iは、下降時間tfallの間、過電流レベルIoverから安全電流レベルIsafeに低減される。過電流レベルIoverから安全電流レベルIsafeへの負荷電流Iの減少は、ΔIと称され得る。同時に、電圧VL1L2は、VDC+、すなわち電力スイッチアセンブリ10に結合された高電圧源を超えて上昇し、過電流電圧レベルVoverになる。この増加は、寄生インダクタンスLparによって誘導される電圧サージによるものであり、これは、過電流状態を検出した後に制御端子100を放電した過電流処理ロジック200の結果である。寄生インダクタンスLparは、図1に示すように、電力スイッチ10と直列に結合されているので、寄生インダクタンスLparにおける電圧VLparは、以下の式(1)に示すように決定することができる。
【数1】
【0038】
式(1)において、
【数2】
は負荷電流の変化率を表す。式(1)から分かるように、負荷電流の変化率は電圧サージをもたらし、これは第1の負荷端子100L1における電圧を電圧レベルVDC+から電圧レベルVoverに増加させ、したがって電圧VL1L2を増加させる。それに従って、図6では、電圧サージを電圧差ΔVL1L2で示している。
【0039】
図6の上段の信号図から分かるように、放電電流Idisは、負荷電流Iが安全負荷電流値Isafeに達するまで、制御端子100を少なくとも部分的に放電する。安全負荷電流値Isafeは、0Aを上回るが電力スイッチ100の定格公称電流Inomを下回る電流値であってもよく、電力スイッチアセンブリが使用される特定の用途に基づいて選択されてもよい。言い換えれば、放電電流Idisは、安全負荷電流値Isafeに対応する充電レベルまで制御端子100、例えば制御端子100のキャパシタンスを放電する。安全負荷電流値Isafeは0Aを超える電流値であり得るため、図6の上段のシグナリング図に示すように、放電電流は制御端子100を完全に放電しないことがあり、例えば、放電電流Idisは制御端子100を部分的にしか放電しないことがある。電力スイッチアセンブリ10の実施態様に基づいて、安全負荷電流値Isafeは、いくつかの実施態様では0Aであってもよく、その場合、放電電流Idisは制御端子100を完全に放電することが理解されよう。
【0040】
図6の下段のシグナリング図は、経時的な電圧VCL2、すなわち制御端子100と100L2との間の電圧を示す。図6の上段のシグナリング図と下段のシグナリング図の時間軸を合わせると、下降時間tfallにおける負荷電流Iの減少は、電圧差ΔVCL2だけ電圧VCL2を安全電圧レベルVsafeまで低下させることにもつながることが分かる。
【0041】
図6の上段のシグナリング線図の上記の論議から分かるように、下降時間tfallは、寄生インダクタンスLparのサイズ、電力スイッチ100の最大降伏電圧に照らした最大許容過電流電圧レベルVoverおよび安全負荷電流値Isafeに基づいて決定される必要がある。それに従って、下降時間tfallは、式(2)に示すように決定することができる。
【数3】
【0042】
この式は、寄生インダクタンスLparにおける電圧および図6の上段のシグナリング図に関して論じたパラメータに関する式(1)から導出される。
【0043】
ΔIは、電力スイッチ100の技術パラメータである、単位A/mmの負荷電流密度ΔJで表すこともできる。それに従って、式(2)は、式(3)に示すように、電力スイッチ100の面積Aに基づいて表すこともできる。
【数4】
【0044】
電力スイッチ100の放電電流Idisは、一般に、式(4)に示すように近似することができる。
dis=g*ΔVCL2 式(4)
【0045】
上記の式において、gは電力スイッチ100の相互コンダクタンスを表し、これは式(5)に従って決定することができる。
【数5】
【0046】
言い換えれば、トランスコンダクタンスgは、制御端子100のキャパシタンスC100Cを下降時間tfallで除算することによって決定することができる。したがって、放電電流Idisは、式(4)および式(5)に基づく式(6)に従って計算することができる。
【数6】
【0047】
制御端子100のキャパシタンスC100Cは、電力スイッチ100の技術パラメータである制御端子キャパシタンス密度c100C、uと、電力スイッチ100の面積Aと、の積で表すことができるため、式(6)のキャパシタンスC100Cを式(7)に示すように置き換えることで、放電電流Idisを算出することができる。
【数7】
【0048】
最後に、放電電流Idisについての上記の式に、下降時間tfallについての式(3)を挿入すると、式(8)が導かれる。
【数8】
【0049】
図から分かるように、電力スイッチ100の面積Aは相殺する。したがって、放電電流Idisは、電力スイッチ100の面積とは無関係に決定することができる。したがって、下降時間tfall、電力スイッチ100の技術パラメータおよび寄生インダクタンスLparに基づいて、放電電流Idisの電流値を決定することができ、これにより、電力スイッチ100の降伏電圧を超える過電流電圧Voverの電圧レベルを回避しながら、制御端子100を迅速に放電する。式(8)を用いて決定される値Idisは、留意された境界条件の下で制御端子100の最速放電を達成するための所与の寄生インダクタンスLpar値の最大値を表し、Idisのより低い値は、例えば、安全マージンを提供するために式(8)に入るパラメータの変動を考慮するために使用され得る。放電電流Idisを決定するために必要なすべてのパラメータは、安全電圧レベルVsafe、安全電流値Isafe、電力スイッチ100の技術パラメータ、および、例えば、電力スイッチアセンブリ10が配置されているプリント回路基板上のトレースに基づく寄生インダクタンスLparの近似値に基づいて決定することができる。放電電流Idisは、例えば、上記の式(8)に基づいて決定される値を上限として有する本質的に一定の電流であってもよい。「本質的に一定」は、この場合、放電電流のスイッチオンまたはスイッチオフ遷移を除いて、放電電流Idisの公称値を最大所定分率以下、例えば最大10%、最大20%、最大30%、最大40%、または最大50%下回ることのない電流として解釈されるべきである。実施形態では、放電電流Idisは、最大値よりも低い値、例えば、最大値よりも5%または10%または20%または最大50%低いなど、安全マージンに従って最大値を下回る電流値を有する本質的に一定の電流であることができる。
【0050】
図5A図5Dに示すように、放電電流生成回路230は、上記の論議に従って実装され得る。図5A~5Dの放電電流生成回路230は、放電スイッチ231を含み、放電スイッチは、放電電流生成回路230に制御端子100を放電電流で放電させる。放電スイッチ231は、ゲートドライバ232の1つによって制御されてもよく、または過電流検出信号240Sによって直接制御されてもよい。ゲートドライバ232は、制御経路制御回路220のゲートドライバ224と同様であってもよく、すなわち、これは、放電スイッチ231を、放電スイッチ231の導通状態に対応する供給電圧および放電スイッチ231の阻止状態に対応する供給電圧に結合することができる。
【0051】
図5Aに示す放電電流生成回路230の実装形態では、放電電流生成回路230は、電流源233と電圧源234とをさらに備えることができる。電流源233は、上記で論じた放電電流を提供することができる。電圧源234は、上記で論じた電圧Vsafeを提供することができる。放電スイッチ231が導通状態のとき、放電電流生成回路230は制御端子100と第2の負荷端子100L2との間に結合されているので、電圧源234は電圧VCL2を電圧Vsafeまで低下させることができる。電圧源234は、例えば、図5Bに示すように、ツェナーダイオード234によって実装され得る。電流源233は、図5Cに示すように、すなわち、電流源スイッチ235、ダイオード236、ツェナーダイオード238およびバイアス電流源237を用いて実装され得る。
【0052】
上記で論じたように、負荷電流Iの過電流状態が検出されたときに過電流処理ロジック200が電力スイッチ100を制御することを可能にするために、制御端子100はアセンブリ制御端子TCから結合解除される必要がある。この目的のために、図6の中央のシグナリング図の電圧V221およびV231によって示されるように、スイッチ231が阻止状態にある間、スイッチ221は導通状態にあってもよく、逆もまた同様である。本開示のいくつかの実施態様では、スイッチ221および231のそのような制御は、過電流検出信号240Sに基づいて達成され得る。いくつかの実施態様では、スイッチ221および231のそのような制御は、図5Dの放電電流生成回路230によって提供され得る制御経路変調信号230Sに基づいて達成され得る。
【0053】
図5Dの放電電流生成回路230は、電圧源239Vと、電圧比較器239Cと、変調スイッチ239と、を含むことができる。したがって、変調信号230Sは、変調スイッチ239の第1の負荷端子における電圧に基づく。変調スイッチ239は、電圧比較器239Cと制御経路変調信号230Sの電圧レベルとの比較結果によって制御される。制御経路変調信号230Sは、スイッチ221のインピーダンスを変化させ、それによって電圧VCL2を変化させ、例えば電圧VCL2を電圧レベルVsafeに低下させる。言い換えれば、制御経路変調信号230Sは、スイッチ221のインピーダンスに基づいて外部制御信号CSextを変調することによって電力スイッチ100の内部制御を実行するために、過電流処理ロジック200によって使用され得る。
【0054】
過電流検出回路240は、第2の負荷端子100L2と第2のアセンブリ負荷端子TL2との間に結合され、過電流検出信号240Sを提供する。以下で論じるように、過電流検出回路240は、負荷電流Iの過電流状態を検出し、過電流状態の誤検出を防止するために過電流検出回路240の温度係数を補償するように構成される。したがって、過電流検出信号240Sは、温度補償過電流検出信号240Sと称され得る。
【0055】
電力スイッチ100は、例えば、kHz範囲まで、またはそれ以上のスイッチング周波数で切り替えられてもよい。それに従って、過電流検出回路240は、100nsなどの短い時間枠で負荷電流Iの過電流状態を検出する必要がある。このような検出速度要件に従うために、過電流検出回路240は、電力スイッチアセンブリ10の動作中に過電流検出回路240の少なくとも一部を線形動作領域内に維持するように構成される。電力スイッチアセンブリ10は、外部ゲートドライバがアセンブリ制御端子Tと第2のアセンブリ負荷端子TL2との間に電圧を印加している間、動作している。線形動作領域は、MOSFETまたはバイポーラ接合トランジスタ(BJT)などの半導体デバイスの動作領域を指し、半導体デバイスは、電圧制御電流源のように挙動する。言い換えれば、線形動作領域において、半導体デバイスのゲート電圧の変化は、半導体デバイスを通る電流の比例的かつ本質的に瞬間的な変化を引き起こす。そのような挙動は、負荷電流Iを示す信号などの信号に対する高速応答を可能にする。
【0056】
過電流検出回路240が過電流検出回路240の少なくとも一部を線形動作モードに維持することにより、過電流検出回路240は、上記で論じた検出速度要件に準拠する方法で負荷電流Iの過電流状態を検出するようにさらに構成される。これにより、過電流検出回路240は、検出速度要件に準拠しながら温度補償過電流検出信号240Sを提供するために、過電流検出回路の温度係数を補償することができる。言い換えれば、過電流検出回路240の少なくとも一部を線形動作モードに維持することにより、過電流検出回路240は、過電流状態の検出を遅らせることなく温度係数を補償することができる。
【0057】
例えば、図2に示すように、過電流検出回路240は、第2の負荷端子100L2と第2のアセンブリ負荷端子TL2との間に結合された電流測定抵抗器242抵抗器を備えることができる。電流測定抵抗器242は、電流測定温度係数を有することができる。例えば、電流測定抵抗器242は、3.9*10-31/℃の温度係数を有する銅シャントであってもよい。さらに、過電流検出回路240は、電流測定抵抗器242に結合された温度補償回路241を備えることができる。温度補償回路241は、補償温度係数を有することができる。補償温度係数は、現在の測定温度係数を補償するように選択され得る。例えば、補償温度係数は、同じ値であるが、現在の測定温度係数とは異なる符号を有してもよく、または同じ符号であるが、現在の測定温度係数を打ち消すように配置されてもよい。温度補償回路241および電流測定抵抗器242を含む過電流検出回路240の例では、電力スイッチアセンブリの動作中に線形動作領域内に維持され得るのは温度補償回路241の少なくとも一部である。
【0058】
図7に示すように、温度補償回路241は、温度係数補償回路241Tと、線形領域維持変換回路241Lと、過電流信号出力段241Oと、を備えることができる。
【0059】
温度係数補償回路241Tは、電流測定抵抗器242および線形領域維持変換回路241Lに結合されてもよく、補償温度係数を有してもよい。線形領域維持変換回路241Lは、温度係数補償回路241Tおよび過電流信号出力段241Oに結合され得る。
【0060】
線形領域維持変換回路241Lは、温度係数補償回路241Tの少なくとも一部を線形動作領域に維持するように構成され得る。さらに、線形領域維持変換回路241Lはまた、温度補償過電流検出信号240Sのダイナミックレンジを増大するように構成され得る。
【0061】
過電流信号出力段241Oは、線形領域維持変換回路241Lに結合されてもよく、線形領域維持変換回路241Lの出力と過電流閾値との比較に基づいて温度補償過電流検出信号240Sを提供するように構成されてもよい。過電流閾値は、例えば、温度係数補償回路241Tによって本質的に生成され得る。本開示のそのような実施態様では、過電流信号出力段241Oはまた、温度係数補償回路241Tに結合され得る。
【0062】
図8は、温度補償回路241、それによって温度係数補償回路241T、線形領域維持変換回路241Lおよび過電流信号出力段241Oの詳細な例示的実装形態を示しており、これらはそれぞれ図8内で破線のボックスによって示されている。
【0063】
それに従って、温度係数補償回路241Tは、スイッチ245から245と、バイポーラトランジスタ246および246と、バイアス電流源243と、を含むことができる。バイポーラトランジスタ246および246は、補償トランジスタとも称され得る。バイポーラトランジスタ246および246は、バイポーラトランジスタ246および246の温度係数によって引き起こされる電流測定抵抗器242における補償温度係数を示す電圧降下を引き起こすように配置され得る。この電圧降下は、抵抗器242の電流測定温度係数を相殺することができる。したがって、電圧降下に基づいて、負荷電流ILを示す信号は温度補償されてもよく、それにより、過電流検出信号240Sが温度補償されることにつながり得る。
【0064】
線形領域維持変換回路241Lは、スイッチ245と245とを備えることができる。スイッチ245は、バイポーラトランジスタ246を線形動作領域内に維持するようにバイポーラトランジスタ246に関して配置される。図8の温度補償回路241の実装形態では、負荷電流Iを示す温度補償された信号は、バイポーラトランジスタ246と246との間の信号線に電圧信号として最初に提供される。スイッチ245は、この電圧信号を、負荷電流Iを示す電流信号に変換するように配置され得る。変換と共に、スイッチ245は、負荷電流Iを示す温度補償された信号のダイナミックレンジを増大させることができる。
【0065】
過電流信号出力段241Oは、スイッチ245から24512とバイアス電圧源244とを備えることができる。スイッチ24511および24512は、負荷電流Iを示す電流信号をミラーリングするカレントミラーを形成することができる。トランジスタ246および246は、温度係数補償回路241Tに結合されて過電流閾値を受信し、したがって、負荷電流Iを示す電流信号が負荷電流Iの過電流状態を示す場合、過電流信号出力段241Oの出力を電源線210Sに結合することができる。
【0066】
図9は、過電流処理ロジック200を動作させるための方法300のフローチャートを提供する。方法300の任意選択のステップは、図9において破線のボックスとして示されている。
【0067】
ステップ310において、方法300は、電力スイッチアセンブリ10の動作中に過電流検出ロジック240の少なくとも一部を線形動作領域内に維持することができる。
【0068】
ステップ320において、方法300は、過電流検出信号240Sを提供するために第2の負荷端子100L2における過電流状態を検出する。
【0069】
ステップ330において、方法300は、温度補償過電流検出信号240Sを提供するために、過電流検出回路240の温度係数を補償することができる。
【0070】
ステップ340において、方法300は、放電電流を生成する。
【0071】
ステップ350において、方法300は、温度補償過電流検出信号240Sに応答して放電電流で制御端子100を少なくとも部分的に放電する。
【0072】
上記の図の論議では、図2図9は、過電流処理ロジックを、過電流検出信号の温度補償と、損傷を与える電圧サージを回避しながら高速下降時間tfallを提供する放電電流生成と、の両方を含むものとして説明したが、両方の態様が互いに独立して実施されてもよいことが理解されよう。すなわち、本開示のいくつかの実施態様では、電力スイッチアセンブリ10は、温度補償された過電流検出のみを含むことができ、過電流状態の検出時に電力スイッチ100を内部制御する他の手段を使用してもよい。本開示のいくつかの実施態様では、電力スイッチアセンブリ10は、本明細書で論議する放電電流生成のみを含むことができ、内部過電流検出の他の手段を利用してもよい。
【0073】
本発明は、以下の実施例によってさらに説明され得る。
【0074】
一例では、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を有する電力スイッチアセンブリは、アセンブリ制御端子に結合された制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子に結合された第1の負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子に結合された第2の負荷端子とを有する電力スイッチと、アセンブリ制御端子と制御端子との間および第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合された過電流処理ロジックであって、第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合され、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を示す過電流検出信号を提供するように構成された過電流検出回路と、過電流検出回路および制御端子に結合され、過電流検出信号に応答して制御端子を少なくとも部分的に放電するために放電電流を生成するように構成された放電電流生成回路と、を含む過電流処理ロジックと、を備えることができる。
【0075】
一例では、電力スイッチアセンブリは、過電流処理ロジックおよび電力スイッチを囲むように構成されたパッケージをさらに備えることができ、パッケージは、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を備える。一実施形態では、パッケージは、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を排他的に備え、他のまたはさらなる端子を備えない。
【0076】
一例では、放電電流は、下降時間に基づくことができ、下降時間は、過電流の検出から負荷電流の安全負荷電流値への減少までの時間枠を定義する。
【0077】
一例では、過電流処理ロジックは、アセンブリ制御端子と制御端子との間に結合された制御経路制御回路をさらに備えることができ、制御経路制御回路は、アセンブリ制御端子を制御端子に切り替え可能に結合するようにさらに構成され得る。
【0078】
一例では、制御経路制御回路は、過電流検出信号に応答してアセンブリ制御端子を制御端子から結合解除するように構成され得る。
【0079】
一例では、制御経路制御回路は、アセンブリ制御端子および第2のアセンブリ負荷端子に結合されたゲートドライバによって供給される電圧が電力スイッチの閾値電圧を下回るまで、アセンブリ制御端子を制御端子から結合解除したままにするようにさらに構成され得る。
【0080】
一例では、放電電流生成回路は、負荷電流が安全負荷電流値に達するかまたはそれを下回るまで制御端子が放電されるように放電電流を生成するように構成され得る。
【0081】
一例では、過電流検出回路は、温度補償過電流検出信号を提供するために、過電流検出回路の温度係数を補償するように構成され得る。
【0082】
一例では、過電流検出回路は、電流測定温度係数を有する、第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合された電流測定抵抗器と、補償温度係数を有する、電流測定抵抗器に結合された温度補償回路と、を備えることができ、補償温度係数は、電流測定温度係数を補償することができる。
【0083】
一例では、過電流検出回路は、電力スイッチアセンブリの動作中に過電流検出回路の少なくとも一部を線形動作領域内に維持するように構成され得る。
【0084】
一例では、温度補償回路の少なくとも一部は、電力スイッチアセンブリの動作中に線形動作領域内に維持され得る。
【0085】
一例では、温度補償回路は、補償温度係数を有する温度係数補償回路と、温度係数補償回路に結合され、温度係数補償回路の少なくとも一部を線形動作領域内に維持するように構成された線形領域維持変換回路と、を備えることができる。
【0086】
一例では、温度補償回路は、線形領域維持変換回路に結合され、線形領域維持変換回路の出力と過電流閾値との比較に基づいて温度補償過電流検出信号を提供するように構成された過電流信号出力段をさらに備えることができる。
【0087】
一例では、温度係数補償回路は、補償温度係数を有する少なくとも1つの補償トランジスタを含むことができ、少なくとも1つの補償スイッチは線形動作領域内に維持され得る。
【0088】
一例では、線形領域維持変換回路は、温度補償過電流検出信号のダイナミックレンジを増大させるようにさらに構成され得る。
【0089】
一例では、過電流処理ロジックは、アセンブリ制御端子および第2のアセンブリ負荷端子に結合されたゲートドライバによって供給される電圧に基づいて、過電流検出回路、放電電流生成回路および制御経路制御回路のうちの少なくとも1つのための電源を生成するように構成された電源生成回路をさらに備えることができる。
【0090】
一例では、電力スイッチアセンブリの過電流処理ロジックを動作させるための方法であって、過電流処理ロジックは、過電流検出ロジックと放電電流生成回路とを備え、方法は、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を示す過電流検出信号を提供するために電力スイッチの負荷電流の第2の負荷端子における過電流状態を検出することと、放電電流を生成することと、過電流検出信号に応答して電力スイッチの制御端子を放電電流で少なくとも部分的に放電することと、を含む。
【0091】
一例では、方法は、電力スイッチアセンブリの動作中に過電流検出ロジックの少なくとも一部を線形動作領域内に維持することをさらに含むことができる。
【0092】
一例では、方法は、温度補償過電流検出信号を提供するために過電流検出回路の温度係数を補償することをさらに含むことができる。
【0093】
一例では、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を有する電力スイッチアセンブリは、アセンブリ制御端子に結合された制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子に結合された第1の負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子に結合された第2の負荷端子とを有する電力スイッチと、アセンブリ制御端子と制御端子との間および第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合された過電流処理ロジックであって、第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合され、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を検出し、温度補償過電流検出信号を提供するために過電流検出回路の温度係数を補償するように構成された過電流検出回路であって、温度係数の補償は過電流状態の検出を遅延させない、過電流検出回路と、過電流検出回路および制御端子に結合され、温度補償過電流検出信号に応答して制御端子を放電するために放電電流を生成するように構成された放電電流生成回路と、を備える過電流処理ロジックと、を備えることができる。
【0094】
一例では、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を有する電力スイッチアセンブリは、アセンブリ制御端子に結合された制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子に結合された第1の負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子に結合された第2の負荷端子とを有する電力スイッチと、アセンブリ制御端子と制御端子との間および第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合された過電流処理ロジックあって、第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合され、電力スイッチアセンブリの動作中に過電流検出回路の少なくとも一部を線形動作領域内に維持し、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を検出し、温度補償過電流検出信号を提供するために過電流検出信号の温度係数を補償するように構成された過電流検出回路と、過電流検出回路および制御端子に結合され、温度補償過電流検出信号に応答して制御端子を制御するように構成された制御端子制御回路と、を含む過電流処理ロジックと、を備えることができる。
【0095】
一例では、アセンブリ制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子と、を有する電力スイッチアセンブリは、アセンブリ制御端子に結合された制御端子と、第1のアセンブリ負荷端子に結合された第1の負荷端子と、第2のアセンブリ負荷端子に結合された第2の負荷端子とを有する電力スイッチと、アセンブリ制御端子と制御端子との間および第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合された過電流処理ロジックであって、第2の負荷端子と第2のアセンブリ負荷端子との間に結合され、電力スイッチアセンブリの動作中に過電流検出回路の少なくとも一部を線形動作領域に維持し、電力スイッチの負荷電流の過電流状態を検出し、過電流検出信号を提供するために過電流検出回路の温度係数を補償するように結合された過電流検出回路と、過電流検出回路、制御端子および第2の負荷端正に結合され、温度補償過電流検出信号に応答して制御端子を少なくとも部分的に放電するために放電電流を生成するように構成された放電電流生成回路と、を含む過電流処理ロジックと、を備える。
【0096】
上記の説明は、過電流処理ロジックを含む電力スイッチアセンブリを示すために提供されている。説明は、決して本発明の範囲を、説明全体を通して論じた正確な実施形態に限定することを意味するものではないことを理解されたい。むしろ、当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態を組み合わせ、修正または凝縮することができることを認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】