(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088635
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】携帯デバイス、パッケージ状モジュール、及び電力増幅器にバイアスを与える方法
(51)【国際特許分類】
H03F 1/02 20060101AFI20240625BHJP
H03F 3/24 20060101ALI20240625BHJP
H04B 1/04 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H03F1/02 111
H03F3/24
H04B1/04 R
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033599
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2023014084の分割
【原出願日】2018-04-02
(31)【優先権主張番号】62/481,368
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503031330
【氏名又は名称】スカイワークス ソリューションズ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SKYWORKS SOLUTIONS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ゲベイェフ、 ネツァネット
(72)【発明者】
【氏名】ジャヤラマン、 スリバツァン
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー、 エドワード ジェームズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適切な送信電力レベルを与えるようにRF信号送信の電力を管理する電力増幅器のバイアススイッチングの装置及び方法を提供する。
【解決手段】電力増幅器システム150は、無線周波数(RF)信号に増幅を与える電力増幅器140と、電力増幅器140の入力段FET141のドレインへの第1供給電圧V
CC1及び出力段FET142のドレインへの第2供給電圧V
CC2の電圧レベルを制御する電力管理回路111と、電力増幅器140にバイアスを与えるバイアス制御回路112と、を含む。電力管理回路は、平均電力追跡(APT)モード及び包絡線追跡(ET)モードのような多数の供給制御モードにおいて動作可能である。バイアス制御回路は、電力管理回路の供給制御モードに基づいて電力増幅器のバイアスをスイッチングする。
【選択図】
図5C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯デバイスであって、
無線周波数信号を増幅するべく構成された電力増幅器と、
前記電力増幅器の供給電圧の電圧レベルを制御するべく構成された電力管理回路であって
、複数の供給制御モードから選ばれた選択供給制御モードにおいて動作可能な電力管理回
路と、
前記電力管理回路の選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスをスイッチ
ングするべく構成されたバイアス制御回路と
を含む、携帯デバイス。
【請求項2】
前記複数の供給制御モードは、平均電力追跡モード及び包絡線追跡モードを含む、請求項
1の携帯デバイス。
【請求項3】
前記バイアス制御回路は、前記選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイアス
インピーダンスを制御するべく動作可能である、請求項1の携帯デバイス。
【請求項4】
前記バイアス制御回路は、前記電力管理回路の選択供給制御モードを示す制御信号を受信
するべく構成される、請求項1の携帯デバイス。
【請求項5】
前記バイアス制御回路は、シリアルインタフェイスを経由して前記制御信号を受信するべ
く構成される、請求項4の携帯デバイス。
【請求項6】
前記電力増幅器は、複数のバイアスネットワークを含み、
前記バイアス制御回路は、前記選択供給制御モードに基づいて前記複数のバイアスネット
ワークを制御するべく動作可能である、請求項1の携帯デバイス。
【請求項7】
前記バイアス制御回路は、前記複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを、前記
選択供給制御モードに基づいて選択的にアクティブにする、請求項6の携帯デバイス。
【請求項8】
前記複数のバイアスネットワークは、第1供給制御モードにおいてアクティブにされて第
2供給制御モードにおいてアクティブ解除される第1バイアスネットワークを含み、
前記第1バイアスネットワークは歪み補償回路を含む、請求項6の携帯デバイス。
【請求項9】
パッケージ状モジュールであって、
パッケージ基板と、
外部電力管理回路から供給電圧を受信するべく構成された供給ピンと、
前記パッケージ基板に取り付けられた第1ダイであって、無線周波数信号を増幅するべく
構成された電力増幅器を含む第1ダイと、
前記パッケージ基板に取り付けられた第2ダイであって、前記供給電圧を制御する選択モ
ードを示す制御信号に基づいて前記電力増幅器のバイアスをスイッチングするべく構成さ
れたバイアス制御回路を含む第2ダイと
を含む、パッケージ状モジュール。
【請求項10】
前記選択モードは、平均電力追跡モード又は包絡線追跡モードの一方を示す、請求項9の
パッケージ状モジュール。
【請求項11】
前記選択モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスインピーダンスを制御するべく動作
可能である、請求項9のパッケージ状モジュール。
【請求項12】
前記第2ダイは、前記制御信号を受信するべく構成されたシリアルインタフェイスを含む
、請求項9のパッケージ状モジュール。
【請求項13】
前記電力増幅器は複数のバイアスネットワークを含み、
前記バイアス制御回路は、前記選択モードに基づいて前記複数のバイアスネットワークを
制御するべく動作可能である、請求項9のパッケージ状モジュール。
【請求項14】
前記複数のバイアスネットワークは、前記供給電圧を制御する第1モードにおいてアクテ
ィブにされて前記供給電圧を制御する第2モードにおいてアクティブ解除される第1バイ
アスネットワークを含む、請求項13のパッケージ状モジュール。
【請求項15】
前記第1バイアスネットワークは歪み補償回路を含む、請求項14のパッケージ状モジュ
ール。
【請求項16】
電力増幅器にバイアスを与える方法であって、
電力増幅器を使用して無線周波数信号を増幅することと、
電力管理回路を使用して前記電力増幅器の供給電圧の電圧レベルを制御することと、
前記電力管理回路を、複数の供給制御モードから選ばれた選択供給制御モードにおいて動
作させることと、
バイアス制御回路を使用して前記選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイア
スをスイッチングすることと
を含む、方法。
【請求項17】
前記バイアス制御回路を使用して前記選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバ
イアスインピーダンスを制御することをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記選択供給制御モードを示す制御信号を、シリアルインタフェイスを経由して受信する
ことをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項19】
前記電力増幅器のバイアスをスイッチングすることは、前記電力増幅器の複数のバイアス
ネットワークの一つ以上を、前記選択供給制御モードに基づいて選択的にアクティブにす
ることを含む、請求項16の方法。
【請求項20】
前記複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを、前記選択供給制御モードに基づ
いてアクティブにすることをさらに含む、請求項19の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は電子システムに関し、詳しくは無線周波数(RF)電子機器用の電
力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力増幅器は、無線周波数(RF)通信システムにおいて、アンテナを介した送信のた
めにRF信号を増幅するべく使用される。電池寿命を延ばし及び/又は適切な送信電力レ
ベルを与えるようにRF信号送信の電力を管理することが重要となり得る。
【0003】
一つ以上の電力増幅器を有するRF通信システムの例は、携帯電話機、タブレット、基
地局、ネットワークアクセスポイント、ラップトップ及びウェアラブル電子機器を含むが
これらに限られない。電力増幅器は、RF信号に増幅を与える。RF信号は、例えば、所
定の通信規格に対して約450MHzから約90GHzの範囲のような、約30kHzか
ら300GHzの範囲にある周波数を有し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2017/0093339(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0326182(A1)号明細書
【発明の概要】
【0005】
所定の実施形態において、本開示は、無線周波数信号を増幅するべく構成された電力増
幅器と、当該電力増幅器の供給電圧の電圧レベルを制御するべく構成された電力管理回路
と、バイアス制御回路とを含む携帯デバイスに関する。電力管理回路は、複数の供給制御
モードから選ばれた選択供給制御モードにおいて動作可能であり、バイアス制御回路は、
当該電力管理回路の選択供給制御モードに基づいて電力増幅器のバイアスをスイッチング
するべく構成される。
【0006】
一定数の実施形態において、複数の供給制御モードは、平均電力追跡モード及び包絡線
追跡モードを含む。
【0007】
いくつかの実施形態において、バイアス制御回路は、選択供給制御モードに基づいて電
力増幅器のバイアスインピーダンスを制御するべく動作可能である。
【0008】
様々な実施形態において、バイアス制御回路は、電力管理回路の選択供給制御モードを
示す制御信号を受信するべく構成される。いくつかの実施形態によれば、バイアス制御回
路は、シリアルインタフェイスを経由して制御信号を受信するべく構成される。一定数の
実施形態によれば、シリアルインタフェイスは、モバイルインダストリプロセッサインタ
フェイス無線周波数フロントエンドバスである。
【0009】
いくつかの実施形態において、電力増幅器は複数のバイアスネットワークを含み、バイ
アス制御回路は、当該複数のバイアスネットワークを、選択供給制御モードに基づいて制
御するべく動作可能である。一定数の実施形態によれば、バイアス制御回路は、選択供給
制御モードに基づいて複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを選択的にアクテ
ィブにする。様々な実施形態によれば、複数のバイアスネットワークは、第1供給制御モ
ードにおいてアクティブにされて第2供給制御モードにおいてアクティブ解除される第1
バイアスネットワークを含む。いくつかの実施形態によれば、第1バイアスネットワーク
は、振幅歪み補償回路又は位相歪み補償回路の少なくとも一方を含む。
【0010】
様々な実施形態において、電力増幅器は、第1段と、第1段に後続する第2段とを含む
。一定数の実施形態によれば、電力増幅器は、第1段をバイアスするべく構成された第1
複数のバイアスネットワークと、第2段をバイアスするべく構成された第2複数のバイア
スネットワークとを含み、バイアス制御回路は、選択供給制御モードに基づいて第1複数
のバイアスネットワーク及び第2複数のバイアスネットワークを制御するように動作可能
である。いくつかの実施形態によれば、バイアス制御回路は、第1複数のバイアスネット
ワークと第2複数のバイアスネットワークとの異なる組み合わせを、選択供給制御モード
に基づいて選択的にアクティブにする。
【0011】
所定の実施形態において、本開示はパッケージ状モジュールに関する。パッケージ状モ
ジュールは、パッケージ基板と、外部電力管理回路から供給電圧を受信するべく構成され
た供給ピンと、当該パッケージ基板に取り付けられた第1ダイであって、無線周波数信号
を増幅するべく構成された電力増幅器を含む第1ダイと、当該パッケージ基板に取り付け
られた第2ダイであって、電力増幅器のバイアスを、供給電圧を制御する選択モードを示
す制御信号に基づいてスイッチングするべく構成されたバイアス制御回路を含む第2ダイ
とを含む。
【0012】
様々な実施形態において、選択供給制御モードは、平均電力追跡モード又は包絡線追跡
モードの一方を示す。
【0013】
いくつかの実施形態において、バイアス制御回路は、選択供給制御モードに基づいて電
力増幅器のバイアスインピーダンスを制御するべく動作可能である。
【0014】
一定数の実施形態において、第1ダイと第2ダイとは、異なる処理技術で実装される。
いくつかの実施形態によれば、第1ダイはガリウムヒ素ダイであり、第2ダイは、相補型
金属酸化物半導体ダイ又はシリコンオンインシュレータダイである。
【0015】
様々な実施形態において、第2ダイは、制御信号を受信するべく構成されたシリアルイ
ンタフェイスを含む。いくつかの実施形態によれば、シリアルインタフェイスは、モバイ
ルインダストリプロセッサインタフェイス無線周波数フロントエンドバスである。
【0016】
いくつかの実施形態において、電力増幅器は、複数のバイアスネットワークを含み、バ
イアス制御回路は、当該複数のバイアスネットワークを、選択供給制御モードに基づいて
制御するべく動作可能である。一定数の実施形態によれば、バイアス制御回路は、選択供
給制御モードに基づいて複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを選択的にアク
ティブにする。様々な実施形態によれば、複数のバイアスネットワークは、第1供給制御
モードにおいてアクティブにされて第2供給制御モードにおいてアクティブ解除される第
1バイアスネットワークを含む。いくつかの実施形態によれば、第1バイアスネットワー
クは、振幅歪み補償回路又は位相歪み補償回路の少なくとも一方を含む。
【0017】
一定数の実施形態において、電力増幅器は、第1段と、第1段に後続する第2段とを含
む。いくつかの実施形態によれば、電力増幅器は、第1段をバイアスするべく構成された
第1複数のバイアスネットワークと、第2段をバイアスするべく構成された第2複数のバ
イアスネットワークとを含み、バイアス制御回路は、選択供給制御モードに基づいて第1
複数のバイアスネットワーク及び第2複数のバイアスネットワークを制御するように動作
可能である。様々な実施形態によれば、バイアス制御回路は、第1複数のバイアスネット
ワークと第2複数のバイアスネットワークとの異なる組み合わせを、選択供給制御モード
に基づいて選択的にアクティブにする。
【0018】
所定の実施形態において、本開示は、電力増幅器バイアスの方法に関する。方法は、電
力増幅器を使用して無線周波数信号を増幅することと、電力管理回路を使用して当該電力
増幅器の供給電圧の電圧レベルを制御することと、当該電力管理回路を、複数の供給制御
モードから選ばれた選択供給制御モードにおいて動作させることと、バイアス制御回路を
使用して当該選択供給制御モードに基づいて電力増幅器のバイアスをスイッチングするこ
ととを含む。
【0019】
様々な実施形態において、方法はさらに、バイアス制御回路を使用して選択供給制御モ
ードに基づいて電力増幅器のバイアスインピーダンスを制御することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、選択供給制御モードを示す制御信号を、
シリアルインタフェイスを経由して受信することを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、方法はさらに、電力増幅器のバイアスをスイッチングす
ることを含む。これは、選択供給制御モードに基づいて電力増幅器の複数のバイアスネッ
トワークの一つ以上を選択的にアクティブにすることを含む。一定数の実施形態によれば
、方法はさらに、複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを、選択供給制御モー
ドに基づいてアクティブにすることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態の携帯デバイスの模式的な図である。
【
図2】
図2Aは、電力増幅器供給電圧対時間の第1例を示すグラフである。
図2Bは、電力増幅器供給電圧対時間の第2例を示すグラフである。
図2Cは、電力増幅器供給電圧対時間の第3例を示すグラフである。
【
図3】電力増幅器システムの一実施形態の模式的な図である。
【
図4】RF通信システムの一実施形態の模式的な図である。
【
図5A】電力増幅器システムの他実施形態の模式的な図である。
【
図5B】電力増幅器システムの他実施形態の模式的な図である。
【
図5C】電力増幅器システムの他実施形態の模式的な図である。
【
図6】電力増幅器システムの他実施形態の模式的な図である。
【
図7】
図7Aは、パッケージ状モジュールの一実施形態の模式的な図である。
図7Bは、
図7Aの7B-7B線に沿ったパッケージ状モジュールの断面の模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
所定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な記載を表す。しかしな
がら、ここに記載のイノベーションは、例えば特許請求の範囲によって画定され及びカバ
ーされる多数の異なる態様で具体化することができる。本記載において、同じ参照番号が
同一の又は機能的に類似の要素を示し得る図面が参照される。理解されることだが、図面
に示される要素は必ずしも縮尺どおりではない。さらに理解されることだが、所定の実施
形態は、図面に示されるよりも多くの要素を含んでよく、及び/又は図面に示される要素
の部分集合を含んでよい。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の
いずれかの適切な組み合わせを組み入れてよい。
【0024】
セルラー通信システムのようなモバイルアプリケーションにおいて、電池寿命を延ばす
ことは重要である。有意な電池充電量を消費する一つの動作が電力増幅である。
【0025】
効率を増大させ、ひいては電池寿命を延ばすべく、RF通信システムは、電力増幅器の
供給電圧の電圧レベルを制御する電力管理回路を含み得る。例えば、電力管理回路は、様
々な電力管理技法を用いることができる。これにより、電力増幅器の供給電圧の電圧レベ
ルを経時的に変化させ、電力増幅器の電力付加効率(PAE)を改善することにより電力
散逸を低減することができる。
【0026】
電力増幅器の効率を改善する一つの技法は、平均電力追跡(APT)である。ここでは
、DC・DC変換器又は他の適切な電圧調整器が、電力増幅器の平均出力電力に基づいて
電力増幅器のための供給電圧を生成するように使用される。
【0027】
電力増幅器の効率を改善する他の技法は、包絡線追跡(ET)である。ここでは、電力
増幅器の供給電圧が、RF信号の包絡線との関係で制御される。すなわち、RF信号の包
絡線の電圧レベルが増えると、電力増幅器の供給電圧の電圧レベルも増える。同様に、R
F信号の包絡線の電圧レベルが減ると、電力増幅器の供給電圧の電圧レベルも減り、電力
消費が低減される。
【0028】
APT性能に最適化された電力増幅器は、準最適なET性能を示し得る。同様に、ET
性能に最適化された電力増幅器は、準最適なAPT性能を示し得る。このような電力増幅
器のトレードオフは、電力増幅器がETモード及びAPTモード双方に対してバックオフ
なしにフル送信電力をサポートする仕様とされるアプリケーションにおいて特に悪化し得
る。
【0029】
電力増幅器のバイアススイッチングの装置及び方法がここに与えられる。所定の構成に
おいて、電力増幅器システムは、RF信号に増幅を与える電力増幅器と、当該電力増幅器
の供給電圧の電圧レベルを制御する電力管理回路と、当該電力増幅器にバイアスを与える
バイアス制御回路とを含む。電力管理回路は、例えばAPTモード及びETモードを含む
多数の供給制御モードにおいて動作可能である。バイアス制御回路は、電力管理回路の供
給制御モードに基づいて電力増幅器のバイアスをスイッチングするべく構成される。
【0030】
所定の実装例において、電力増幅器は、バイアス制御回路により制御される多数のバイ
アスネットワークを含む。付加的に、バイアス制御回路は、バイアスネットワークの一つ
以上を、電力管理回路がどの供給制御モードで動作しているのかに基づいてアクティブに
する。一例において、特定のバイアスネットワークがAPTモードにおいてアクティブに
され、他のバイアスネットワークはETモードにおいてアクティブにされる。
【0031】
アクティブにされるバイアスネットワークを変更又はスイッチングすることにより、電
力増幅器のバイアスの信号レベルを制御することができる。所定の実装例において、アク
ティブにされるバイアスネットワークをスイッチングすることにより、電力増幅器のバイ
アスインピーダンスも制御される。例えば、異なるバイアスインピーダンスを、バイアス
ネットワークの異なる組み合わせをアクティブにすることによって与えることができる。
付加的に、バイアスネットワークは、特定の供給制御モードを最適化するように別個に設
計することができる。これは、例えば、当該モードに関連付けられる振幅歪み(AM/A
M)及び/又は位相歪み(AM/PM)を補償する回路を含むことによる。
【0032】
したがって、電力増幅器は、APTモード及びETモードのような多数の供給制御モー
ドをサポートして当該モードにわたり最適又は近最適な性能で動作するように設計するこ
とができる。
【0033】
所定の実装例において、バイアス制御回路は、モバイルインダストリプロセッサインタ
フェイス無線周波数フロントエンド(MIPI RFFE)バスのようなシリアルインタ
フェイスを含む半導体ダイ上に実装される。付加的に、電力増幅器のバイアスのスイッチ
ングは、シリアルインタフェイスを介してバイアス制御回路に送信される制御コマンド又
はワード(例えばMIPIワード)によって制御される。
【0034】
ここでのスイッチング可能バイアススキームにより、各供給制御モードに対して独立又
は別個のバイアスレベル及び/又はバイアスインピーダンスを許容することによって性能
を最適化する柔軟性が与えられる。一例において、スイッチング可能バイアスは、APT
モード及びETモード双方に対してフル送信電力を効率的にサポートするべく、電力増幅
器を有効にすることができる。ここでのバイアススキームは、単段電力増幅器にも、2つ
以上の段を含む多段電力増幅器にも適用することができる。
【0035】
図1は、携帯デバイス800の一実施形態の模式的な図である。携帯デバイス800は
、ベース帯域システム801、送受信器802、フロントエンドシステム803、アンテ
ナ804、電力管理システム805、メモリ806、ユーザインタフェイス807、及び
電池808を含む。
【0036】
携帯デバイス800が、本開示の一以上の特徴を含み得るRFシステムの一例を示すに
もかかわらず、ここでの教示は、多種多様な態様で実装される電子システムにも適用可能
である。
【0037】
携帯デバイス800は、2G、3G、4G(LTE、LTEアドバンスト及びLTEア
ドバンストプロを含む)、5G、WLAN(例えばWi-Fi)、WPAN(例えばブル
ートゥース(登録商標)及びZigBee(登録商標))、WMAN(例えばWiMax
)、及び/又はGPS技術を含むがこれらに限られない多種多様な通信技術を使用して通
信するべく使用することができる。
【0038】
送受信器802は、送信のためのRF信号を生成し、アンテナ804から受信した入来
RF信号を処理する。理解されることだが、RF信号の送信及び受信に関連付けられた様
々な機能は、送受信器802として
図1にまとめて表されている一以上のコンポーネント
によって達成することができる。一例において、所定タイプのRF信号を扱うべく別個の
コンポーネント(例えば別個の回路又はダイ)を設けることができる。
【0039】
図1に示されるように、送受信器802は、フロントエンドシステム803に及び電力
管理回路805に、シリアルインタフェイス809を使用して接続される。図示のRFコ
ンポーネントのすべて又は一部は、初期化中に及び/又は完全な動作状態の間に携帯デバ
イス800を構成するべく、シリアルインタフェイス809を介して制御することができ
る。他実施形態において、ベース帯域プロセッサ801は、付加的又は代替的にシリアル
インタフェイス809に接続され、フロントエンドシステム803及び/又は電力管理シ
ステム805のコンポーネントのような一以上のRFコンポーネントを構成するように動
作する。
【0040】
フロントエンドシステム803は、アンテナ804に送信され及び/又はアンテナ80
4から受信される信号のコンディショニングを支援する。図示の実施形態において、フロ
ントエンドシステム803は、電力増幅器バイアスを制御する一以上のバイアス制御回路
810、一以上の電力増幅器(PAs)811、一以上の低雑音増幅器(LNAs)81
2、一以上のフィルタ813、一以上のスイッチ814、及び一以上のデュプレクサ81
5を含む。しかしながら、他の実装例も可能である。
【0041】
例えば、フロントエンドシステム803は、送信のための信号増幅、受信信号の増幅、
信号のフィルタリング、異なる帯域間のスイッチング、異なる電力モード間のスイッチン
グ、送信モード及び受信モード間のスイッチング、信号のデュプレクシング、信号のマル
チプレクシング(例えばダイプレクシング又はトライプレクシング)、又はこれらの何ら
かの組み合わせを含むがこれらに限られない一定数の機能を与えることができる。
【0042】
所定の実装例において、携帯デバイス800はキャリアアグリゲーションをサポートす
るので、ピークデータレートを増加させる柔軟性が得られる。キャリアアグリゲーション
は、周波数分割デュプレクシング(FDD)及び時分割デュプレクシング(TDD)の双
方に使用することができ、複数のキャリア又はチャネルを集約するべく使用され得る。キ
ャリアアグリゲーションは、同じ動作周波数帯域内の隣接キャリアが集約される隣接集約
を含む。キャリアアグリゲーションはまた、不連続であってもよく、共通の帯域内の又は
異なる帯域における周波数が分離されたキャリアを含んでよい。
【0043】
アンテナ804は、多種多様なタイプの通信のために使用されるアンテナを含み得る。
例えば、アンテナアレイ804は、多種多様な周波数及び通信規格に関連付けられた信号
を送信及び/又は受信するアンテナを含み得る。
【0044】
所定の実装例において、アンテナ804は、MIMO通信及び/又はスイッチトダイバ
ーシティ通信をサポートする。例えば、MIMO通信は、単数の無線周波数チャネルを経
由して多数のデータストリームを通信するべく多数のアンテナを使用する。MIMO通信
は、高い信号対雑音比、符号化の改善、及び/又は無線環境の空間的なマルチプレクシン
グ差異に起因する信号干渉の低減により利益を受ける。スイッチトダイバーシティとは、
特定のアンテナが特定の時刻に動作するべく選択される通信を称する。例えば、観測され
たビットエラーレート及び/又は信号強度インジケータのような様々な因子に基づいて一
群のアンテナから特定のアンテナを選択するべく、スイッチを使用することができる。
【0045】
携帯デバイス800は、所定の実装例において、ビームフォーミングとともに動作する
。例えば、フロントエンドシステム803は、送受信器802により可変位相が制御され
る位相シフタを含み得る。付加的に、位相シフタは、アンテナ804を使用した信号の送
信及び/又は受信のためのビームフォーメーション及び指向性を与えるべく制御される。
例えば、信号送信の文脈において、アンテナ804に与えられる送信信号の位相は、アン
テナ804から放射された信号が、建設的及び破壊的干渉を使用して組み合わされ、所与
の方向に伝播する信号強度のビーム状の品質を示す集約送信信号を生成するように制御さ
れる。信号受信の文脈において、位相は、信号が特定の方向からアンテナ804に到着し
ているときに多くの信号エネルギーが受信されるように制御される。所定の実装例におい
て、アンテナ804は、ビームフォーミングを向上させるべく複数のアンテナ素子の一以
上のアレイを含む。
【0046】
ベース帯域システム801は、音声及びデータのような様々なユーザ入力及び出力(I
/O)の処理を容易にするべくユーザインタフェイス807に結合される。ベース帯域モ
デム801は、送受信器802が送信のためにRF信号を生成する送信信号のデジタル表
現を送受信器802に与える。ベース帯域システム801はまた、送受信器802により
与えられる受信信号のデジタル表現を処理する。
図1に示されるように、ベース帯域シス
テム801は、携帯デバイス800の動作を容易にするべくメモリ806に結合される。
【0047】
メモリ806は、携帯デバイス800の動作を容易にするべく、及び/又はユーザ情報
の格納を与えるべく、データ及び/又は命令を格納することのような、多種多様な目的の
ために使用することができる。
【0048】
電力管理システム805は、携帯デバイス800の、一定数の電力管理機能を与える。
所定の実装例において、電力管理システム805は、電力増幅器811の供給電圧を制御
する電力増幅器(PA)供給制御回路を含む。例えば、電力管理システム805は、電力
付加効率(PAE)のような効率を改善するべく、当該電力増幅器の一つ以上に与えられ
る供給電圧を変化させるように構成することができる。
【0049】
電力管理システム805は、APTモード又はETモードのような選択可能供給制御モ
ードにおいて動作することができる。図示の実施形態において、電力管理システム805
の選択供給制御モードは、送受信器802によって制御される。所定の実装例において、
送受信器802は、シリアルインタフェイス809を使用して選択供給制御モードを制御
する。
【0050】
図1に示されるように、電力管理システム805は、電池808から電池電圧を受信す
る。電池808は、携帯デバイス800において使用される任意の適切な電池であってよ
く、例えばリチウムイオン電池を含む。電力管理システム805が、フロントエンドシス
テム803とは別個に示されるにもかかわらず、所定の実装例において、電力管理システ
ム805のすべて又は一部(例えばPA供給制御回路)は、フロントエンドシステム80
3に統合される。
【0051】
図2Aは、電力増幅器供給電圧対時間の第1例のグラフ17である。グラフ17は、R
F信号11の電圧、RF信号の包絡線12、及び電力増幅器供給電圧13対時間を示す。
グラフ17は、電力増幅器供給電圧13が実質的に固定される実装例の波形の一例に対応
する。
【0052】
電力増幅器の電力増幅器供給電圧13が、RF信号11の電圧よりも大きい電圧を有す
ることが重要となり得る。例えば、RF信号の振幅よりも小さな振幅を有する電力増幅器
供給電圧を使用して電力増幅器に電力を与えることは、RF信号をクリップし、ひいては
信号歪み及び/又は他の問題をもたらし得る。すなわち、電力増幅器供給電圧13を、包
絡線12よりも大きくしておくことが重要となり得る。しかしながら、電力増幅器供給電
圧13とRF信号11の包絡線12との電圧差は、低減することが望ましい。電力増幅器
供給電圧13と包絡線12との間のエリアが、電池寿命を低減させるとともに無線デバイ
スに生じる熱を増加させ得る喪失エネルギーを表し得るからである。
【0053】
図2Bは、電力増幅器供給電圧対時間の第2例のグラフ18である。グラフ18は、R
F信号11の電圧、RF信号の包絡線12、及び電力増幅器供給電圧14対時間を示す。
グラフ18は、電力増幅器供給電圧14が包絡線追跡により生成される実装例の波形の一
例に対応する。
【0054】
包絡線追跡は、電力増幅器により増幅されたRF信号の包絡線との関係で電力増幅器供
給電圧の電圧レベルを効率的に制御することにより、電力増幅器システムの電力付加効率
(PAE)を増大させるべく使用することができる技法である。すなわち、RF信号の包
絡線が上昇すると、電力増幅器に供給される電圧も上昇し得る。同様に、RF信号の包絡
線が下降すると、電力増幅器に供給される電圧も下降して電力消費が減少する。
【0055】
図2Aの電力増幅器供給電圧13とは対照的に、
図2Bの電力増幅器供給電圧14は、
RF信号11の包絡線12との関係で変化する。
図2Bにおける電力増幅器供給電圧14
と包絡線12との間のエリアは、
図2Aにおける電力増幅供給電圧13と包絡線12との
間のエリアよりも小さいので、
図2Bのグラフ18は、エネルギー効率が大きな電力増幅
器システムに関連付けることができる。
【0056】
図2Cは、電力増幅器供給電圧対時間の第3例のグラフ19である。グラフ19は、R
F信号11の電圧、RF信号の包絡線12、及び電力増幅器供給電圧15対時間を示す。
グラフ19は、電力増幅器供給電圧15が平均電力追跡(APT)により生成される実装
例の波形の一例に対応する。
【0057】
APTは、電力増幅器の効率を改善する一つの技法である。ここで、電力増幅器の供給
電圧の電圧レベルは、電力増幅器の平均出力電力に基づいて制御される。APTを使用し
て動作するとき、電力増幅器供給電圧の電圧レベルは、特定の時間スロットに対して実質
的に固定され得るが、後続の時間スロットに対しては、平均出力電力(例えば送信電力制
御レベル)に基づいて調整され得る。APTは、固定電力増幅器供給電圧と比べて効率的
な利得を達成することができるが、包絡線追跡よりは効率的でない利得となる。しかしな
がら、包絡線追跡は、APTと比べて高い複雑性、コスト及び/又はオーバーヘッドを有
し得る。
【0058】
図3は、電力増幅器システム20の一実施形態の模式的な図である。図示の電力増幅器
システム20は、スイッチ21、アンテナ22、方向性結合器24、電力管理回路30、
バイアス制御回路31、電力増幅器32、送受信器33、及びベース帯域プロセッサ34
を含む。
【0059】
図3が電力増幅器システムの一実施形態を示すにもかかわらず、ここでの教示は、多種
多様な態様で実装される電力増幅器システムにも適用可能である。例えば、電力増幅器シ
ステムは、これよりも多い又は少ないコンポーネント、異なる配列のコンポーネント、及
び/又は異なる態様で実装されたコンポーネントを含み得る。
【0060】
図示の実施形態において、送受信器33は、電力増幅器制御回路36、I/Q変調器3
7、混合器38、及びアナログ/デジタル変換器(ADC)39を含む。明確性を目的と
して
図3に示されないにもかかわらず、送受信器33はまた、一以上の受信経路を経由し
て一以上のアンテナ(例えばアンテナ22及び/又は他のアンテナ)から受信した信号を
処理することもできる。さらに、送受信器33は、送信経路、観測経路、及び/又は電力
増幅器制御回路の異なる実装例を含むがこれらに限られない他の態様で実装してよい。
【0061】
ベース帯域信号プロセッサ34は、所望の振幅、周波数及び位相の正弦波又は正弦信号
を表すのに使用可能な同相(I)信号及び直角位相(Q)信号を生成するべく使用するこ
とができる。例えば、I信号は、正弦波の同相成分を表すべく使用され、Q信号は、正弦
波の直交位相成分を表すべく使用される。これらは、正弦波の等価表現とすることができ
る。所定の実装例において、I信号及びQ信号は、デジタルフォーマットでI/Q変調器
37に与えられる。ベース帯域プロセッサ34は、ベース帯域信号を処理するべく構成さ
れた任意の適切なプロセッサとしてよい。例えば、ベース帯域プロセッサ34は、デジタ
ル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラム可能コア、又はこれらの任意の組み
合わせを含んでよい。さらに、いくつかの実装において、電力増幅器システム20には、
2つ以上のベース帯域プロセッサ34を含めることができる。
【0062】
I/Q変調器37は、ベース帯域プロセッサ34からのI信号及びQ信号を受信し、当
該I信号及びQ信号を処理してRF信号を生成するべく構成することができる。例えば、
I/Q変調器37は、I信号及びQ信号をアナログフォーマットに変換するべく構成され
たデジタル/アナログ変換器(DAC)と、I信号及びQ信号をRFにアップコンバート
する混合器と、アップコンバートされたI信号及びQ信号を結合して電力増幅器32によ
る増幅にとって適切なRF信号にする信号結合器とを含んでよい。所定の実装例において
、I/Q変調器37は、処理される信号の周波数内容をフィルタリングするべく構成され
た一つ以上のフィルタを含み得る。
【0063】
電力増幅器32は、I/Q変調器37からRF信号を受信することができ、有効な場合
にはスイッチ21を介してアンテナ22に増幅RF信号を与えることができる。方向性結
合器24は、電力増幅器32の出力とスイッチ21の入力との間に位置決めすることがで
きるので、スイッチ21の挿入損失を含むことのない電力増幅器32の出力電力測定が許
容される。しかしながら、電力測定の他の構成も可能である。
【0064】
図示の構成において、方向性結合器24からの検知された出力信号が、混合器38に与
えられる。混合器38は、検知された出力信号に、制御周波数の基準信号を乗算する。混
合器38は、検知された出力信号の周波数成分をダウンシフトすることにより、ダウンシ
フトされた信号を生成するべく動作する。ダウンシフト信号はADC39に与えられる。
ADC39は、ダウンシフト信号を、ベース帯域プロセッサ34による処理に適したデジ
タルフォーマットに変換することができる。電力増幅器32の出力とベース帯域プロセッ
サ34との間にフィードバック経路を含むことにより、ベース帯域プロセッサ34は、I
信号及びQ信号を動的に調整して電力増幅器システム20の動作を最適化するべく構成す
ることができる。例えば、電力増幅器システム20をこの態様で構成することにより、電
力増幅器32のPAE及び/又は線形性の制御を支援することができる。
【0065】
図示の実施形態において、電力管理回路30は、送受信器33から電力制御信号を受信
し、電力増幅器32の供給電圧を制御する。所定の実装例において、送受信器33は、シ
リアルインタフェイスを介して電力管理回路30に電気的に接続され、電力管理回路30
は、シリアルインタフェイスを経由して電力制御信号を受信する。
【0066】
図3に示されるように、電力管理回路30は、電力増幅器32の入力段に電力を与える
第1供給電圧V
CC1、及び電力増幅器32の出力段に電力を与える第2供給電圧V
CC
2を生成する。電力管理回路30は、電力増幅器システムのPAEを向上させるべく、第
1供給電圧V
CC1及び/又は第2供給電圧V
CC2の電圧レベルを制御することができ
る。2つの制御供給電圧を有する一実施形態が示されるにもかかわらず、電力管理回路は
、これよりも多い又は少ない供給電圧の電圧レベルを制御することができる。所定の実装
例において、電力増幅器は、一以上の制御供給電圧及び一以上の実質的固定供給電圧によ
って動作する。
【0067】
図示の実施形態において、電力制御信号は、電力管理回路30に、APTモード又はE
Tモードのような特定の供給制御モードにおいて動作させる命令を与える。すなわち、送
受信器33の電力増幅器制御回路36は、本実施形態において、選択供給制御モードを制
御する。
【0068】
図3に示されるように、バイアス制御回路31は、送受信器33からバイアス制御信号
を受信し、電力増幅器32のためのバイアス制御信号を生成する。付加的に、バイアス制
御回路31は、バイアス制御信号に基づいてバイアス制御信号を生成する。
【0069】
バイアス制御信号は、電力管理回路30が動作している供給制御モードを特定する。バ
イアス制御回路31は、示された供給制御モードに基づいてバイアス制御信号を生成する
。所定の実装例において、送受信器33は、シリアルインタフェイスを介してバイアス制
御回路31に電気的に接続される。バイアス制御回路31は、選択供給制御モードを示す
制御ワードを、シリアルインタフェイスを経由して受信する。
【0070】
図4は、MIPI RFFEバス51を含むRF通信システム60の一実施形態の模式
的な図である。RF通信システム60はさらに、送受信器41、電力増幅器モジュール4
2、送信フィルタモジュール43、受信フィルタモジュール44、低雑音増幅器(LNA
)モジュール45、アンテナスイッチモジュール46、結合器モジュール47、センサモ
ジュール48、電力管理モジュール49、及びアンテナ50を含む。
【0071】
図4に示されるように、RF通信システム60の様々なコンポーネントが、MIPI
RFFEバス51を介して相互接続される。付加的に、送受信器41は、MIPI RF
FEバス51のマスターデバイスを含む。RFコンポーネントはそれぞれが、MIPI
RFFEバス51のスレーブデバイスを含む。送受信器41のマスターデバイスは、初期
化中に及び/又は動作状態の間にRF通信システム60を構成するべく、MIPI RF
FEバス51を経由して制御コマンドを送信する。
【0072】
電力増幅器モジュール42は、電力増幅器と、当該電力増幅器のバイアスを制御するバ
イアス制御回路とを含み得る。付加的に、バイアス制御回路は、MIPI RFFEバス
51のスレーブデバイスを含み得る。電力増幅器モジュール42は、本開示の一以上の特
徴に従って実装することができる。
図4に示されるように、電力増幅器モジュール42は
、電力管理モジュール49から一以上の電力増幅器供給電圧を受信する。
【0073】
図4が、シリアルインタフェイスを経由して制御される電力増幅器モジュールを含み得
るRF通信システムの一例を示すにもかかわらず、ここでの教示は、多種多様な態様で実
装されるRF通信システムにも適用可能である。
【0074】
図5Aは、電力増幅器システム100の他実施形態の模式的な図である。電力増幅器シ
ステム100は、電力増幅器70、電力管理回路71、バイアス制御回路72、第1供給
インダクタ73、及び第2供給インダクタ74を含む。
【0075】
図5Aが、スイッチング可能バイアスを含む電力増幅器システムの一実施形態を示すに
もかかわらず、ここでの教示は、多種多様な態様で実装される電力増幅器システムにも適
用可能である。
【0076】
電力増幅器70は、入力段バイアスネットワーク75、出力段バイアスネットワーク7
6、入力段バイポーラトランジスタ81、出力段バイポーラトランジスタ82、入力整合
回路83、及び段間整合回路84を含む。
【0077】
図示の電力増幅器70が2つの段を含むにもかかわらず、例えば、一つの段を含む電力
増幅器、又は3つ以上の段を含む電力増幅器を含む他の構成も可能である。図示の電力増
幅器70が、バイポーラトランジスタを使用して実装されるにもかかわらず、ここでの教
示は、電界効果トランジスタ構成にも適用可能である。
【0078】
図5Aに示されるように、電力増幅器70はRF入力信号RF_INを受信し、そのR
F入力信号RF_INは、入力段バイポーラトランジスタ81を使用して増幅される。入
力段バイポーラトランジスタ81のコレクタが、増幅RF信号を生成し、その増幅RF信
号は、出力段バイポーラトランジスタ82のベースに与えられる。出力段バイポーラトラ
ンジスタ82はさらに、増幅RF信号を増幅してRF出力信号RF_OUTを生成する。
図5Aに示されるように、入力段バイポーラトランジスタ81及び出力段バイポーラトラ
ンジスタ82のエミッタは、例えばグランド電位となり得る第1電圧V
1に電気的に接続
される。
【0079】
当業者にわかることだが、入力整合回路83及び段間整合回路84は、インピーダンス
整合を与えることによりRF性能を向上させる。
図5Aに示されないにもかかわらず、電
力増幅器70は、出力整合回路及び/又は一以上の高調波終端回路を含み得る。
【0080】
図5Aの電力増幅器70には、第1供給電圧V
CC1及び第2供給電圧V
CC2を使用
して電力が与えられる。第1供給インダクタ73は、第1供給電圧V
CC1と入力段バイ
ポーラトランジスタ81のコレクタとの間に電気的に接続され、第2供給インダクタ74
は、第2供給電圧V
CC2と出力段バイポーラトランジスタ82のコレクタとの間に電気
的に接続される。第1供給インダクタ73及び第2供給インダクタ74は、電力増幅器7
0により生成されたRF信号が供給電圧VCC1、VCC2に到達するのを妨げるのに十
分なインピーダンスを与えながら電力増幅器70への電力供給を支援することができる。
【0081】
電力管理回路71は、APTモード及びETモードを含む供給制御モードにおいて動作
可能である。付加的に、電力管理回路71は、電力管理回路71に選択供給制御モードに
おいて動作させる命令を与える電力制御信号を受信する。一実施形態において、電力制御
信号は、MIPI RFFEバスのようなシリアルインタフェイスを経由して受信される
。
【0082】
図5Aに示されるように、電力管理回路71は、電力増幅器70の入力段バイポーラト
ランジスタ81に電力を与えるべく第1供給電圧V
CC1を生成し、電力増幅器70の出
力段バイポーラトランジスタ82に電力を与えるべく第2供給電圧V
CC2を生成する。
【0083】
電力管理回路71は、選択供給制御モードに基づいて第1供給電圧VCC1及び/又は
第2供給電圧VCC2の電圧レベルを制御する。一例において、選択供給制御モードがE
Tモードのとき、電力管理回路71は、電力増幅器70により増幅される信号RF_IN
の信号包絡線を追跡するべく第1供給電圧VCC1及び/又は第2供給電圧VCC2の電
圧レベルを制御する。他例において、選択供給制御モードがETモードのとき、電力管理
回路71は、電力増幅器70の平均出力電力に基づいて第1供給電圧VCC1及び/又は
第2供給電圧VCC2の電圧レベルを制御する。
【0084】
入力段バイアスネットワーク75は、入力段バイポーラトランジスタ81のバイアスを
制御する。
図5Aに示されるように、バイアス制御回路72は、入力段バイアスネットワ
ーク75を制御し、ひいてはトランジスタのバイアスを制御する。図示の実施形態におい
て、バイアス制御回路72は、入力段バイアスネットワーク75により生成されるバイア
ス信号の信号レベル、及び入力段バイアスネットワーク75のインピーダンスを制御する
。
【0085】
図5Aへの参照を続けると、出力段バイアスネットワーク76は、出力段バイポーラト
ランジスタ82のバイアスを制御する。付加的に、バイアス制御回路72は、出力段バイ
アスネットワーク76を制御し、ひいてはトランジスタのバイアスを制御する。図示の実
施形態において、バイアス制御回路72は、出力段バイアスネットワーク76により生成
されるバイアス信号の信号レベル、及び出力段バイアスネットワーク76のインピーダン
スを制御する。
【0086】
図5Aに示されるように、バイアス制御回路72は、電力管理回路71の選択供給制御
モードを示す情報を含むバイアス制御信号を受信する。付加的に、バイアス制御回路72
はバイアス制御信号を生成し、入力段バイアスネットワーク75及び出力段バイアスネッ
トワーク76は、受信したバイアス制御信号に基づいて制御される。一実施形態において
、電力制御信号は、MIPI RFFEバスのようなシリアルインタフェイスを経由して
受信される。
【0087】
電力増幅器70は、入力段バイポーラトランジスタ81にバイアスを与えるための、及
び出力段バイポーラトランジスタ82にバイアスを与えるための多数のバイアスネットワ
ークを含む。図示の実施形態において、入力段バイアスネットワーク75は、個々にアク
ティブにすることができる2つ以上のバイアスネットワークを含み、出力段バイアスネッ
トワーク76も、個々にアクティブにすることができる2つ以上のバイアスネットワーク
を含む。付加的に、バイアス制御回路72は、バイアスネットワークのアクティベーショ
ンを、電力管理回路71の選択供給制御モードに基づいて制御する。一例において、第1
グループのバイアスネットワークがAPTモードにおいてアクティブとなり、他グループ
のバイアスネットワークがETモードにおいてアクティブになる。
【0088】
アクティブにされるバイアスネットワークを変更又はスイッチングすることにより、入
力段バイポーラトランジスタ81及び出力段バイポーラトランジスタ82のバイアス信号
レベルを制御することができる。付加的に、アクティブにされるバイアスネットワークを
スイッチングすることにより、入力段バイポーラトランジスタ81及び出力段バイポーラ
トランジスタ82のバイアスインピーダンスも制御することができる。例えば、入力段バ
イアスネットワーク75及び出力段バイアスネットワーク76に関連付けられるバイアス
ネットワークの異なる組み合わせをアクティブにすることにより、異なるバイアスインピ
ーダンスを与えることができる。
【0089】
したがって、電力増幅器70のバイアスネットワークは、APTモード及びETモード
のような多数の供給制御モードをサポートするように設計することができる。付加的に、
電力増幅器は、多数の供給制御モードにわたり最適又は近最適な性能で動作し得る。すな
わち、各供給制御モードに対して独立又は別個のバイアスレベル及びバイアスインピーダ
ンスを許容することにより、柔軟性が与えられる。一例において、電力増幅器70は、A
PTモード及びETモード双方に対してフル送信電力をサポートする。
【0090】
図5Bは、電力増幅器システム130の他実施形態の模式的な図である。電力増幅器シ
ステム130は、電力増幅器110、電力管理回路111、バイアス制御回路112、第
1供給インダクタ73、及び第2供給インダクタ74を含む。
【0091】
図5Bに示されるように、電力管理回路111及びバイアス制御回路112は、シリア
ルインタフェイス又はバスを経由して制御ワードを受信する。制御ワードは、ETモード
又はAPTモードのような選択供給制御モードを示すことができる。MIPI RFFE
バスを示す一例が示されるにもかかわらず、例えば集積回路間(I
2C)バスのような他
のタイプのバス又はインタフェイスを使用することもできる。
【0092】
図5Bの電力増幅器110は、
図5Aの電力増幅器70と同様であるが、
図5Bの電力
増幅器110が、振幅歪み(AM/AM)及び位相歪み(AM/PM)の補償を含むバイ
アスネットワークの実装例を示す点が異なる。
【0093】
例えば、電力増幅器110は、バイアス制御回路112により制御されて入力段バイポ
ーラトランジスタ81のバイアスを与えるべく使用される入力段バイアスネットワーク1
15を含む。
図5Bに示されるように、入力段バイアスネットワーク115は、振幅歪み
補償回路121及び位相歪み補償回路123を含む。選択供給制御モードが変更されると
、バイアス制御回路112は、入力段バイアスネットワーク110のうちアクティブにさ
れているものにスイッチングする。付加的に、振幅歪み補償回路121及び位相歪み補償
回路123は、所望の拡張、又は特定のモードに所望された圧縮を与え、ひいては補償を
与えることができる。
【0094】
同様に、電力増幅器110は、バイアス制御回路112により制御されて出力段バイポ
ーラトランジスタ82にバイアスを与えるべく使用される出力段バイアスネットワーク1
16を含む。
図5Bに示されるように、出力段バイアスネットワーク116は、振幅歪み
補償回路122及び位相歪み補償回路124を含む。選択供給制御モードが変更されると
、バイアス制御回路112は、出力段バイアスネットワーク116のうちアクティブにさ
れているものにスイッチングする。付加的に、振幅歪み補償回路122及び位相歪み補償
回路124は、所望の拡張、又は特定のモードに所望された圧縮を与え、ひいては補償を
与えることができる。
【0095】
したがって、電力増幅器110のバイアスネットワークは、特定の供給制御モードを最
適化するべく別個に設計することができる。その最適化は、当該モードに関連付けられる
振幅歪み及び/又は位相歪みの補償を与えることを含む。
【0096】
図5Bの電力増幅器システム130の付加的な詳細は、
図5Aの電力増幅器システム1
00のものと同様としてよい。
【0097】
図5Cは、電力増幅器システム150の他実施形態の模式的な図である。電力増幅器シ
ステム150は、電力増幅器140、電力管理回路111、バイアス制御回路112、第
1供給インダクタ73、及び第2供給インダクタ74を含む。
【0098】
図5Cの電力増幅器システム150は、
図5Bの電力増幅器システム130と同様であ
るが、電力増幅器システム150が、電界効果トランジスタを使用して実装された電力増
幅器を含む点が異なる。例えば、電力増幅器140は、入力段FET141及び出力段F
ET142を含む。
図5Cに示されるように、入力段FET141のゲートは、入力段バ
イアスネットワーク115によるバイアスを受け、入力段FET141のドレインは、電
力管理回路111からの第1供給電圧V
CC1による電力を受ける。付加的に、出力段F
ET142のゲートは、出力段バイアスネットワーク116によるバイアスを受け、出力
段FET142のドレインは、第2供給電圧V
CC2による電力を受ける。
【0099】
ここでの教示は、バイポーラトランジスタ、FET、又はこれらの組み合わせを含む多
種多様なトランジスタタイプを使用する電力増幅器に適用可能である。共通エミッタ段及
び共通ソース段を使用する例が示されてきたにもかかわらず、電力増幅器段は、カスコー
ド増幅器段の使用を含むがこれに限られない他の態様で実装してよい。
【0100】
図6は、電力増幅器システム290の他実施形態の模式的な図である。電力増幅器シス
テム290は、電力増幅器200、電力管理回路201、バイアス制御回路202、第1
供給インダクタL1、第2供給インダクタL2、第3供給インダクタL3、第1デカップ
リングキャパシタC1、第2デカップリングキャパシタC2、及び出力整合ネットワーク
(OMN)203を含む。
【0101】
図示の電力管理回路201は、平均電力追跡のためのDC・DC変換器207と、包絡
線追跡のためのET変調器208とを含む。電力管理回路201は、選択供給制御モード
を含む電力制御信号を受信する。図示の実施形態において、選択供給制御モードは、DC
・DC変換器207が出力電力増幅器供給電圧を制御するAPTモードと、ET変調器2
08が出力電力増幅器供給電圧を制御するETモードとを含む多数の供給制御モードの中
から選ばれる。電力制御信号は、本実施形態において、シリアルインタフェイス(例えば
MIPIインタフェイス)によって受信される。
【0102】
バイアス制御回路202は、制御回路253、第1基準電流源255、第2基準電流源
256、基準トランジスタ257、増幅器258、抵抗器259、入力バイアス選択トラ
ンジスタ265a~265b、及び出力バイアス選択トランジスタ266a~266bを
含む。
【0103】
図6を参照し続けると、バイアス制御回路202の制御回路253は、選択供給制御モ
ード(例えばETモード、APTモード、又は供給制御電圧が実質的に固定される固定モ
ードのような他のモード)を示すバイアス制御信号を受信する。図示の実施形態において
、バイアス制御信号は、シリアルインタフェイス(本例ではMIPI)によって受信され
る。選択供給制御モードに基づいて、制御回路253は、電力増幅器の入力段のための有
効信号EN1A、EN1B、及び電力増幅器の出力段のための有効信号EN2A、EN2
Bを制御する。
図6に示されるように、有効信号EN1A、EN1Bは、入力バイアス選
択トランジスタ265a~265bを制御するべく動作し、有効信号EN2A、EN2B
は、出力バイアス選択トランジスタ266a~266bを制御するべく動作する。
【0104】
所定の実装例において、シリアルインタフェイスを経由して受信されたバイアス制御信
号はまた、他のバイアス情報も与える。一例において、制御回路253は、バイアス制御
回路202により生成される基準電流の振幅を制御するべく基準電位VREFを生成する
ために使用されるDAC254を含み、バイアス制御信号は、DAC254へのデジタル
入力値を制御するデータを含む。
【0105】
特定の有効信号がアクティブになると、基準電流が、バイアス制御回路202から電力
増幅器200の対応バイアスネットワークへと流れる。特定の電力増幅器段(本例では入
力段及び出力段)に対し、バイアス制御回路202は、双方の基準電流をアクティブ解除
して電力増幅器段をオフにし、基準電流の一方をアクティブにして一つのバイアスネット
ワークをアクティブにし、又は双方の基準電流をアクティブにして双方のバイアスネット
ワークをアクティブにすることができる。バイアスネットワークのアクティベーションを
制御することにより、対応電力増幅器段のバイアス信号レベル及びバイアスインピーダン
スを制御することができる。
【0106】
図6に示されるように、基準電流は、本実施形態において、それぞれが電界効果トラン
ジスタのアレイとして実装される基準電流源によって生成される。例えば、第1基準電流
源255がトランジスタ255a~255dの第1アレイを使用して実装され、第2基準
電流源256はトランジスタ256a~256の第2アレイを使用して実装される。
【0107】
所定の実装例において、基準電流源により生成される基準電流の量が、(例えば、本実
施形態においては、基準電位VREFを制御するべくDAC254を使用して)制御可能
となる。一実施形態において、基準電流源は、基準電流源が電流を一つのバイアスネット
ワークに与えているときと比べ、電流を2つのバイアスネットワークに与えているときの
方が、多くの基準電流を与えるように制御される。
【0108】
電力増幅器200は、様々な回路を含む。これは、入力段バイポーラトランジスタ21
1、出力段バイポーラトランジスタ212、入力段バイアスネットワーク205、出力段
バイアスネットワーク206、第1DCブロックキャパシタ213、第2DCブロックキ
ャパシタ214、第3DCブロックキャパシタ215、デジェネレーション抵抗器216
、第1シャントインダクタ217、第2シャントインダクタ218、フィードバックキャ
パシタ219、及びフィードバック抵抗器220を含む。
【0109】
入力段バイアスネットワーク205は、第1バイアスネットワーク及び第2バイアスネ
ットワークを含む。第1バイアスネットワークは、第1バイポーラトランジスタ221、
第1抵抗器231、及びダイオード241a~241bの第1ストリングを含む。第2バ
イアスネットワークは、第2バイポーラトランジスタ222、第2抵抗器232、及びダ
イオード242a~242bの第2ストリングを含む。すなわち、入力段バイアスネット
ワーク205は、本実施形態において2つのバイアスネットワークを含む。第1バイアス
ネットワーク及び第2バイアスネットワークは、所望のバイアスを達成するべく異なるよ
うに(例えば異なるコンポーネントサイズを使用して)実装することができる。
【0110】
図6への参照を続けると、出力段バイアスネットワーク206は、第1バイアスネット
ワーク及び第2バイアスネットワークを含む。第1バイアスネットワークは、第1バイポ
ーラトランジスタ251、第1抵抗器261、ダイオード271a~271bの第1スト
リング、及びフィードフォワードキャパシタ281を含む。付加的に、第2バイアスネッ
トワークは、第2バイポーラトランジスタ252、第2抵抗器262、及びダイオード2
72a~272bの第2ストリングを含む。すなわち、出力段バイアスネットワーク20
6は、本実施形態において2つのバイアスネットワークを含む。
【0111】
バイアス制御回路202が基準電流を特定のバイアスネットワークに与えるとき、バイ
アスネットワークはアクティブにされる。例えば、基準電流IREF1Aを有効にするこ
とにより、入力段バイアスネットワーク205の第1バイアスネットワークがアクティブ
になり、電流IREF1Bを有効にすることにより、入力段バイアスネットワーク205
の第2バイアスネットワークがアクティブになる。同様に、基準電流IREF2Aを有効
にすることにより、出力段バイアスネットワーク206の第1バイアスネットワークがア
クティブになり、電流IREF2Bを有効にすることにより、出力段バイアスネットワー
ク206の第2バイアスネットワークがアクティブになる。しかしながら、バイアス制御
回路202が、特定のバイアスネットワークへの基準電流を有効にしないとき、バイアス
ネットワークはアクティブ解除される。
【0112】
アクティブにされるバイアスネットワークを変更又はスイッチングすることにより、入
力段バイポーラトランジスタ211及び出力段バイポーラトランジスタ212のバイアス
信号レベルを制御することができる。付加的に、アクティブにされるバイアスネットワー
クをスイッチングすることにより、入力段バイポーラトランジスタ211及び出力段バイ
ポーラトランジスタ212のバイアスインピーダンスも制御することができる。例えば、
入力段バイアスネットワーク205及び出力段バイアスネットワーク206に関連付けら
れるバイアスネットワークの異なる組み合わせをアクティブにすることにより、異なるバ
イアスインピーダンスを与えることができる。
【0113】
特定の供給制御モードのためにアクティブにされたバイアスネットワークの選択組み合
わせは、様々な態様で選択することができる。一例において、入力バイアスネットワーク
205から一のバイアスネットワークと、出力バイアスネットワーク206からの一のバ
イアスネットワークとがETモードにおいてアクティブにされ、入力バイアスネットワー
ク205からの他のバイアスネットワークと、出力バイアスネットワーク206からの他
のバイアスネットワークとがAPTモードにおいてアクティブにされる。しかしながら、
例えば、特定の供給制御モードに対して多数のバイアスネットワークがアクティブにされ
る実装例を含む他の実装例も可能である。さらに、ここでの教示はまた、アクティブにさ
れたバイアスネットワークが、選択供給制御に基づくのみならず、電力増幅器がフル送信
電力で動作するか否かのような送信電力レベルにも基づいて選択される構成にも適用可能
である。
【0114】
電力増幅器200のバイアスネットワークは、APTモード及びETモードのような多
数の供給制御モードをサポートするように設計することができる。付加的に、電力増幅器
200は、多数の供給制御モードにわたり最適又は近最適な性能で動作し得る。すなわち
、各供給制御モードに対して独立又は別個のバイアスレベル及びバイアスインピーダンス
を許容することにより、柔軟性が与えられる。
【0115】
電力増幅器のバイアスネットワークはまた、振幅歪み及び/又は位相歪みに補償を与え
る回路とともに実装してよい。例えば、図示の実施形態において、フィードフォワードキ
ャパシタ281が、他のモード(例えばAPTモード)と比べて一のモード(例えばET
モード)において利得拡張を与えるように設けられる。
【0116】
一実施形態において、電力増幅器200は、第1モジュールの第1半導体ダイ上に実装
され、バイアス制御回路202は、第1モジュールの第2半導体ダイ上に実装され、電力
管理回路201は、第2モジュールの、一以上の半導体ダイ上に実装される。
【0117】
図6が電力増幅器システムの一実施形態を示すにもかかわらず、ここでの教示は、多種
多様な態様で実装される電力増幅器システムにも適用可能である。したがって、電力増幅
器、バイアス制御回路及び電力管理回路の特定の実装例が示されるにもかかわらず、他の
実装例も可能である。
【0118】
図7Aは、パッケージ状モジュール300の一実施形態の模式的な図である。
図7Bは
、
図7Aの7B-7B線に沿ったパッケージ状モジュール300の断面の模式的な図であ
る。
【0119】
パッケージ状モジュール300は、電力増幅器ダイ301、バイアス制御ダイ302、
表面実装コンポーネント303、ワイヤボンド308、パッケージ基板320、及び封入
構造物340を含む。パッケージ基板320は、そこに配置された導体から形成されるパ
ッド306を含む。付加的に、ダイ301、302はパッド304を含み、ワイヤボンド
308は、ダイ301、302のパッド304を、パッケージ基板320のパッド306
に接続するべく使用されている。
【0120】
電力増幅器ダイ301及びバイアス制御ダイ302は、本開示の一以上の特徴に従って
実装される。所定の実装例において、パッケージ状モジュール300は、外部電力管理回
路から供給電圧を受信する供給ピン又はパッドを含む。付加的に、バイアスダイ302は
、外部電力管理回路の供給制御モードに基づいて電力増幅器ダイ301のバイアスをスイ
ッチングするバイアス制御回路を含む。バイアスダイ302は、MIPI RFFEバス
のようなシリアルインタフェイスを含んでよい。これは、外部電力管理回路の供給制御モ
ードを示す制御信号を受信するべく使用される。
【0121】
所定の実装例において、ダイ301、302は、異なる処理技術を使用して製造される
。一例において、電力増幅器ダイ301は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT
)プロセスを使用して製造され、バイアス制御ダイ302は、相補型金属酸化物半導体(
CMOS)プロセスを使用して製造される。
【0122】
パッケージ基板320は、ダイ301、302、並びに、例えば表面実装キャパシタ及
び/又はインダクタを含み得る表面実装コンポーネント303のような、複数のコンポー
ネントを受容するように構成することができる。
【0123】
図7Bに示されるように、パッケージ状モジュール300は、複数のコンタクトパッド
332を含むように示される。複数のコンタクトパッド332は、パッケージ状モジュー
ル300の、ダイ301、302を取り付けるべく使用される側に対向する側に配置され
る。パッケージ状モジュール300をこの態様で構成することにより、パッケージ状モジ
ュール300を、無線デバイスの電話機基板のような回路基板に接続することが支援され
る。コンタクトパッド332の例は、RF信号、バイアス信号、電力低電圧、及び/又は
電力高電圧を、ダイ301、302及び/又は表面実装コンポーネント303に与えるよ
うに構成することができる。
図7Bに示されるように、コンタクトパッド332とダイ3
01との電気的接続は、パッケージ基板320を通る接続333によって容易にされ得る
。接続333は、多層積層材パッケージ基板のビア及び導体に関連付けられる接続のよう
な、パッケージ基板320を通るように形成された電気経路を表し得る。
【0124】
いくつかの実施形態において、パッケージ状モジュール300は、例えば、保護を与え
、及び/又はパッケージ状モジュール300の取り扱いを容易にする一以上のパッケージ
構造も含み得る。かかるパッケージ構造は、パッケージ基板320並びにその上に配置さ
れたコンポーネント及びダイを覆うように形成されたオーバーモールド又は封入構造物3
40を含み得る。
【0125】
理解されることだが、パッケージ状モジュール300が、ワイヤボンドに基づく電気接
続の文脈で記載されるにもかかわらず、本開示の一以上の特徴はまた、例えばフリップチ
ップ構成を含む他のパッケージ構成に実装することもできる。
【0126】
アプリケーション
【0127】
上述された実施形態のいくつかは、無線デバイス又は携帯電話機に関連する例を与えて
きた。しかしながら、それらの実施形態の原理及び利点は、電力増幅器システムを必要と
する任意の他のシステム又は装置に使用することができる。
【0128】
かかる電力増幅器システムは、様々な電子デバイスに実装することができる。電子デバ
イスの例は、消費者用電子製品、当該消費者用電子製品の部品、電子試験機器等を含み得
るが、これらに限られない。電子デバイスの例はまた、メモリチップ、メモリモジュール
、光ネットワーク又は他の通信ネットワークの回路、及びディスクドライバ回路も含み得
るが、これらに限られない。消費者用電子製品は、携帯電話機、電話機、テレビジョン、
コンピュータモニタ、コンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、パーソナルディジタル
アシスタント(PDA)、電子レンジ、冷蔵庫、自動車、ステレオシステム、カセットレ
コーダ又はプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、MP3プレーヤ、ラジオ
、ビデオカメラ、カメラ、デジタルカメラ、携帯型メモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯
/乾燥機、複写機、ファクシミリ機、スキャナ、多機能周辺デバイス、腕時計、置き時計
等を含み得るが、これらに限られない。さらに、電子デバイスは未完成の製品も含んでよ
い。
【0129】
むすび
【0130】
本明細書及び特許請求の範囲全体にわたり、文脈上そうでないことが明らかでない限り
、「含む」等の用語は、排他的又は網羅的な意味とは反対の包括的意味に、すなわち「~
を含むがこれらに限られない」との意味に解釈すべきである。ここで一般に使用される単
語「結合」は、直接接続されるか又は一つ以上の中間要素を介して接続されるかのいずれ
かとなり得る2つ以上の要素を言及する。同様に、ここで一般に使用される単語「接続」
は、直接接続されるか又は一以上の中間要素を介して接続されるかのいずれかとなり得る
2以上の要素を言及する。加えて、単語「ここ」、「上」、「下」及び同様の趣旨の単語
は、本アプリケーションにおいて使用される場合、本アプリケーション全体を言及し、本
アプリケーションの任意の固有部分を言及するわけではない。文脈が許容する場合、単数
又は複数を使用する上述の詳細な説明における用語はそれぞれ、複数又は単数をも含み得
る。2つ以上の項目のリストを言及する単語「又は」及び「若しくは」は、当該単語の以
下の解釈のすべてをカバーする。すなわち、当該リストの任意の項目、当該リストのすべ
ての項目、及び当該リストの項目の任意の組み合わせである。
【0131】
さらに、とりわけ「できる」、「し得る」、「してよい」、「かもしれない」、「例え
ば」、「のような」等のようなここに記載の条件付き言語は一般に、特にそうでないこと
が述べられ、又は使用の文脈上そうでないことが理解される場合を除き、所定の実施形態
が所定の特徴、要素及び/又は状態を含む一方で他の実施形態がこれらを含まないことを
伝えるように意図される。すなわち、かかる条件的言語は、特徴、要素及び/若しくは状
態が一以上の実施形態にとって必要な任意の態様にあること、又は一以上の実施形態が必
ず、筆者のインプット若しくは促しありで若しくはなしで、これらの特徴、要素及び/若
しくは状態が任意の固有実施形態に含まれ若しくは当該実施形態で行われるか否かを決定
するロジックを含むこと、を示唆することを一般には意図しない。
【0132】
本発明の実施形態の上記詳細な説明は、排他的であることすなわち本発明を上記開示の
正確な形態に制限することを意図しない。本発明の及びその例の特定の実施形態が例示を
目的として上述されたが、当業者が認識するように、本発明の範囲において様々な均等の
修正も可能である。例えば、プロセス又はブロックが所与の順序で提示されるが、代替実
施形態は、異なる順序でステップを有するルーチンを行うこと又はブロックを有するシス
テムを用いることができ、いくつかのプロセス又はブロックは削除、移動、追加、細分化
、結合、及び/又は修正することができる。これらのプロセス又はブロックはそれぞれが
、様々な異なる態様で実装することができる。また、プロセス又はブロックが直列的に行
われるように示されることがあるが、これらのプロセス又はブロックは、その代わりに、
並列して行い又は異なる時に行うこともできる。
【0133】
ここに与えられた本発明の教示は、必ずしも上述のシステムに限られることがなく、他
のシステムにも適用することができる。上述の様々な実施形態要素及び行為は、さらなる
実施形態を与えるべく組み合わせることができる。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態が記載されたが、これらの実施形態は、例のみとして提示
されており、本開示の範囲を制限することを意図しない。実際のところ、ここに記載され
る新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具体化することができる。さらに、ここ
に記載される方法及びシステムの形態における様々な省略、置換及び変更が、本開示の要
旨から逸脱することなくなし得る。添付の特許請求の範囲及びその均等物が、本開示の範
囲及び要旨に収まるかかる形態又は修正をカバーすることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-29
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
図6に示されるように、基準電流は、本実施形態において、それぞれが電界効果トランジスタのアレイとして実装される基準電流源によって生成される。例えば、第1基準電流源255がトランジスタ255a~255dの第1アレイを使用して実装され、第2基準電流源256はトランジスタ256a~
256dの第2アレイを使用して実装される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯デバイスであって、
無線周波数信号を増幅するべく構成された電界効果トランジスタと複数のバイアスネットワークとを含む電力増幅器と、
前記電力増幅器の供給電圧の電圧レベルを制御するべく構成された電力管理回路であって、複数の供給制御モードから選ばれた選択供給制御モードにおいて動作可能な電力管理回路と、
前記電力管理回路の選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスをスイッチングするべく構成されたバイアス制御回路と
を含み、
前記複数のバイアスネットワークは、前記電界効果トランジスタのゲートに電気的に接続された第1バイアスネットワークと、前記電界効果トランジスタの前記ゲートに電気的に接続された第2バイアスネットワークとを含み、
前記バイアス制御回路は、前記第1バイアスネットワークをアクティブにする第1基準電流、及び前記第2バイアスネットワークをアクティブにする第2基準電流を、前記選択供給制御モードに基づいて制御するべく構成される、携帯デバイス。
【請求項2】
前記複数の供給制御モードは、平均電力追跡モード及び包絡線追跡モードを含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項3】
前記バイアス制御回路は、前記選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスインピーダンスを制御するべく動作可能であり、
前記電力増幅器は、第1供給制御モードにおいて第2供給制御モードとは異なるバイアスインピーダンスを有する、請求項1の携帯デバイス。
【請求項4】
前記バイアス制御回路は、前記電力管理回路の選択供給制御モードを示す制御信号を受信するべく構成される、請求項1の携帯デバイス。
【請求項5】
前記バイアス制御回路は、シリアルインタフェイスを経由して前記制御信号を受信するべく構成される、請求項4の携帯デバイス。
【請求項6】
前記バイアス制御回路は、第1スイッチを介して前記第1基準電流を前記第1バイアスネットワークに供給し、第2スイッチを介して前記第2基準電流を前記第2バイアスネットワークに供給するべく構成された第1基準電流源を含み、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは前記選択供給制御モードに基づいて選択的にアクティブにされる、請求項1の携帯デバイス。
【請求項7】
前記バイアス制御回路は、前記複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを、前記選択供給制御モードに基づいて選択的にアクティブにする、請求項1の携帯デバイス。
【請求項8】
前記第1バイアスネットワークは、第1供給制御モードにおいてアクティブにされて第2供給制御モードにおいてアクティブ解除され、
前記第1バイアスネットワークは歪み補償回路を含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項9】
前記バイアス制御回路はさらに、前記第1基準電流の振幅及び前記第2基準電流の振幅を制御するべく動作可能な基準電圧を生成するように構成されたデジタル/アナログ変換器を含む、請求項1の携帯デバイス。
【請求項10】
パッケージ状モジュールであって、
パッケージ基板と、
外部電力管理回路から供給電圧を受信するべく構成された供給ピンと、
前記パッケージ基板に取り付けられた第1ダイであって、無線周波数信号を増幅するべく構成された電界効果トランジスタと複数のバイアスネットワークとを含む電力増幅器を含む第1ダイと、
前記パッケージ基板に取り付けられた第2ダイであって、前記供給電圧を制御する選択モードを示す制御信号に基づいて前記電力増幅器のバイアスをスイッチングするべく構成されたバイアス制御回路を含む第2ダイと
を含み、
前記複数のバイアスネットワークは、前記電界効果トランジスタのゲートに電気的に接続された第1バイアスネットワークと、前記電界効果トランジスタの前記ゲートに電気的に接続された第2バイアスネットワークとを含み、
前記バイアス制御回路は、前記第1バイアスネットワークをアクティブにする第1基準電流、及び前記第2バイアスネットワークをアクティブにする第2基準電流を、前記選択モードに基づいて制御するべく構成される、パッケージ状モジュール。
【請求項11】
前記選択モードは、平均電力追跡モード又は包絡線追跡モードの一方を示す、請求項10のパッケージ状モジュール。
【請求項12】
前記選択モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスインピーダンスを制御するべく動作可能であり、
前記電力増幅器は、前記供給電圧を制御する第1モードにおいて前記供給電圧を制御する第2モードとは異なるバイアスインピーダンスを有する、請求項10のパッケージ状モジュール。
【請求項13】
前記第2ダイは、前記制御信号を受信するべく構成されたシリアルインタフェイスを含む、請求項10のパッケージ状モジュール。
【請求項14】
前記バイアス制御回路は、第1スイッチを介して前記第1基準電流を前記第1バイアスネットワークに供給し、第2スイッチを介して前記第2基準電流を前記第2バイアスネットワークに供給するべく構成された第1基準電流源を含み、
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは前記選択モードに基づいて選択的にアクティブにされる、請求項10のパッケージ状モジュール。
【請求項15】
前記第1バイアスネットワークは、前記供給電圧を制御する第1モードにおいてアクティブにされて前記供給電圧を制御する第2モードにおいてアクティブ解除され、
前記第1バイアスネットワークは歪み補償回路を含む、請求項10のパッケージ状モジュール。
【請求項16】
電力増幅器にバイアスを与える方法であって、
電力増幅器の電界効果トランジスタを使用して無線周波数信号を増幅することと、
電力管理回路を使用して前記電力増幅器の供給電圧の電圧レベルを制御することと、
前記電力管理回路を、複数の供給制御モードから選ばれた選択供給制御モードにおいて動作させることと、
バイアス制御回路を使用して前記選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスをスイッチングすることと
を含み、
前記電力増幅器は、前記電界効果トランジスタのゲートに電気的に接続された第1バイアスネットワークと、前記電界効果トランジスタの前記ゲートに電気的に接続された第2バイアスネットワークとを含む複数のバイアスネットワークを含み、
前記電力増幅器のバイアスをスイッチングすることは、前記第1バイアスネットワークをアクティブにする第1基準電流、及び前記第2バイアスネットワークをアクティブにする第2基準電流を、前記選択供給制御モードに基づいて制御することを含む、方法。
【請求項17】
前記バイアス制御回路を使用して前記選択供給制御モードに基づいて前記電力増幅器のバイアスインピーダンスを制御することをさらに含み、
前記電力増幅器のバイアスインピーダンスを制御することは、第1供給制御モードにおいて第2供給制御モードとは異なるバイアスインピーダンスによって前記電力増幅器を動作させることを含む、請求項16の方法。
【請求項18】
前記選択供給制御モードを示す制御信号を、シリアルインタフェイスを経由して受信することをさらに含む、請求項16の方法。
【請求項19】
前記電力増幅器のバイアスをスイッチングすることは、前記電力増幅器の前記複数のバイアスネットワークの一つ以上を、前記選択供給制御モードに基づいて選択的にアクティブにすることを含む、請求項16の方法。
【請求項20】
前記複数のバイアスネットワークの異なる組み合わせを、前記選択供給制御モードに基づいてアクティブにすることをさらに含む、請求項16の方法。
【外国語明細書】