(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088636
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】膨張した粒状物を製造するための装置
(51)【国際特許分類】
C04B 14/02 20060101AFI20240625BHJP
F27B 1/20 20060101ALI20240625BHJP
F27D 3/18 20060101ALI20240625BHJP
F27D 3/10 20060101ALI20240625BHJP
C04B 14/18 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
C04B14/02 C
F27B1/20
F27D3/18
F27D3/10
C04B14/02 B
C04B14/18
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024033746
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2022574565の分割
【原出願日】2020-08-21
(71)【出願人】
【識別番号】524066041
【氏名又は名称】オーミャ・インターナショナル・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Omya International AG
【住所又は居所原語表記】Baslerstrasse 42, CH-4665 Oftringen, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルトムート・クレマー
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン・ノイバッハー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト・チェルンコ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】細かい粒サイズと狭い粒子帯域とを有する原砂の膨張を可能にする、膨張した粒状物を製造するための装置を提供する。
【解決手段】上端5及び下端6を含む炉シャフト4を有する炉3を備える、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料1から膨張した粒状物2を製造するための装置であって、搬送方向12に互いに分離されて配置された複数の加熱ゾーン8を通る搬送経路7が2つの端の間に延び、さらに、2つの端のうちの一端において、少なくとも未膨張材料を、2つの端のうちの一端の方向で炉シャフトに装入するために、少なくとも1つの供給手段10が設けられており、炉シャフト内に配置された少なくとも1つのガイド要素13が設けられ、ガイド要素は、少なくとも、2つの端のうちの一端の領域において、炉シャフトの内壁14と隙間15を形成し、少なくとも1つの供給手段が、隙間に材料を装入するように設定されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば結合された水を膨張剤として用いてパーライト砂(1)又は黒曜石砂から膨張した粒状物(2)を製造するなど、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料(1)から膨張した粒状物(2)を製造するための装置であって、前記装置は、上端(5)及び下端(6)を含む実質的に直立する炉シャフト(4)を有する炉(3)を備え、搬送方向(12)に互いに分離されて配置された複数の加熱ゾーン(8)を通る搬送経路(7)が前記2つの端(5、6)の間に延び、前記加熱ゾーン(8)はそれぞれ、前記材料(1)を少なくとも臨界温度まで加熱し、前記砂粒(1)を膨張させるために互いに独立して制御可能な少なくとも1つの加熱要素(9)を有し、さらに、少なくとも1つの供給手段(10、11)が設けられ、前記供給手段が、前記材料(1)を搬送方向(12)に見て前記搬送経路(7)の後半分、殊に最後の3分の1において膨張させるために、少なくとも未膨張材料(1)を前記炉シャフト(4)の前記2つの端(5、6)のうちの一端において、前記炉シャフト(4)の前記2つの端(6、5)のうちの他端の方向で前記炉シャフト(4)に装入するように設定されている、装置において、前記炉シャフト(4)内に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのガイド要素(13)が設けられ、前記ガイド要素(13)は、少なくとも前記炉シャフト(4)の前記2つの端(5、6)のうちの一端の領域において、前記炉シャフト(4)の内壁(14)と隙間(15)を形成し、前記少なくとも1つの供給手段(10、11)が、前記隙間(15)に前記未膨張材料(1)を装入するように設定されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのガイド要素(13)は、搬送方向(12)に見て、前記搬送経路(7)の最大で前半分の端まで、好ましくは最大で最初の3分の1の端まで、特に好ましくは最大で最初の4分の1の端まで延在することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのガイド要素(13)は、前記搬送経路(7)の少なくとも4分の1にわたって、好ましくは前記搬送経路(7)の少なくとも3分の1にわたって、特に好ましくは搬送経路(7)全体にわたって延在することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記隙間(15)は、前記搬送方向(12)に沿って見て、少なくとも部分的に、前記炉シャフト(4)の半径方向中心(16)の周りの円周全体に延在することを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記隙間(15)は、搬送方向(12)に、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも80%変化する隙間幅(17)を有し、前記隙間幅(17)が、殊に最大で10cmであることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記隙間(15)は、前記炉シャフト(4)の半径方向中心(16)の周りの円周方向(18)に、最大で35%、好ましくは最大で10%、特に好ましくは最大で5%変化する隙間幅(17)を有し、前記隙間幅(17)が、殊に最大で10cmであることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記炉シャフト(4)は、前記搬送経路(7)の少なくとも一部に沿って、前記搬送方向(12)に対して横方向、特に法線方向に、前記内壁(14)によって画定された、少なくとも部分的に丸形、好ましくは実質的に円形、又は実質的に楕円形の断面を有することを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記炉シャフト(4)は、前記搬送方向(7)の少なくとも一部に沿って、前記搬送方向(12)に対して横方向、特に法線方向に、前記内壁(14)によって画定された、少なくとも部分的に角形、好ましくは実質的に長方形、又は実質的に正方形の断面を有することを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記内壁(14)は、殊に高耐熱鋼から製作された少なくとも1つの境界要素によって形成されていることと、前記少なくとも1つのガイド要素(13)が、前記少なくとも1つの境界要素と同じ材料から製作されていることと、を特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの供給手段(11)は、前記炉シャフト(4)の前記下端(6)で前記未膨張材料(1)をある量の空気と一緒に前記炉シャフト(4)の上端(5)の方向で前記炉シャフト(4)に吸い込むように設定され、それにより、前記ある量の空気が下から上へ流れる空気流を形成し、前記空気流によって前記材料(1)が前記搬送経路(7)に沿って下から上へ搬送されて、前記搬送経路(7)の上半分、殊に上3分の1において膨張されることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの供給手段が、前記炉シャフト(4)の上流に接続された少なくとも1つの吸引ノズル(11)と、殊に、前記吸引ノズル(11)の下流に接続されたディフューザ(30)とを備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの供給手段(10)は、前記未膨張材料(1)を前記炉シャフト(4)の前記上端(5)で前記炉シャフト(4)の下端(6)の方向で前記炉シャフト(4)に装入するように設定され、それにより、前記材料(1)が少なくとも重力により前記搬送経路(7)に沿って上から下へ搬送されて、前記搬送経路(7)の下半分、殊に下3分の1において膨張されることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
必要に応じて少なくとも1つのガイド要素(13)を前記炉シャフト(4)から取り出し、かつ再び設置できるようにするために、着脱可能な取付手段が前記少なくとも1つのガイド要素(13)のために設けられていることを特徴とする、請求項1~請求項12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのガイド要素(13)は、金属、特に高耐熱鋼から製作されていることを特徴とする、請求項1~請求項13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記炉シャフト(4)内で前記少なくとも1つのガイド要素(13)の少なくとも延在全体に沿って、殊に前記少なくとも1つのガイド要素(13)の延在全体に沿って、前記搬送方向(12)に対して平行に、前記少なくとも1つのガイド要素(13)と前記炉シャフト(4)の半径方向中心(16)との間に自由空間(19)が配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば結合された水を膨張剤(Treibmittel)として用いてパーライト砂又は黒曜石砂から膨張した粒状物を製造するなど、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料から膨張した粒状物を製造するための装置であって、装置は、上端及び下端を含む実質的に直立する炉シャフトを有する炉を備え、搬送方向に互いに分離されて配置された複数の加熱ゾーンを通る搬送経路が2つの端の間に延び、加熱ゾーンはそれぞれ、材料を特に臨界温度まで加熱し、砂粒を膨張させるために互いに独立して制御可能な少なくとも1つの加熱要素を有し、さらに、少なくとも1つの供給手段が設けられ、供給手段が、材料を搬送方向に見て搬送経路の後半分、殊に最後の3分の1において膨張させるために、少なくとも未膨張材料を炉シャフトの2つの端のうちの一端において、炉シャフトの2つの端のうちの他端の方向で炉シャフトに装入するように設定されている、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2013/053635A1から、例えば結合水などの膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料を、特に独立気泡で膨張させる方法及び装置が知られている。その場合、材料は、実質的に直立する炉シャフトを有する炉内に上から装入される。材料は、重力により炉シャフトの上端からその下端まで搬送経路に沿って搬送方向に炉シャフトを通って搬送される。その場合、搬送経路は、搬送方向に互いに分離して配置された複数の加熱ゾーンを通って延び、加熱ゾーンは、材料を臨界温度まで加熱するため、及び砂粒を膨張させるために互いに独立して制御可能な加熱要素を有する。膨張した顆粒は下端で排出される。とりわけ炉シャフトの煙突効果によって引き起こされ、膨張の前後で密度が異なるために異なる程度に作用する炉シャフト内で発生する浮力により、この種の膨張は、典型的には75μm以上、特に100μm以上の粒サイズの原砂に適している。粒子サイズがそれより細かいと、浮力が大きくなりすぎ、確かな膨張結果が得られない。さらに、粒サイズが細かいと、軽すぎる粒子、若しくは小さすぎる密度が加熱ゾーンにおいて過度に長時間浮遊するため、炉シャフトの内壁における凝集の危険が高くなる。この場合、粒子は膨張後もエネルギーを吸収し続け、等エンタルピー的形状変化により冷えることができず、そのこともまた炉シャフトの内壁における凝集の危険を格段に高める。粒子帯域が狭くなるにつれて、比喩的に言えば、細かい粒子を浮力に逆らって連れ去るのに十分に粗い、したがって同時に重い粒子がなくなるため、この危険は増加する。
【0003】
より細かい粒サイズの原砂を膨張させるために、材料をある量の空気と共に炉シャフト内に下から上へ装入、若しくは吹き込み、炉シャフトを通して搬送することがWO2016/191788A1及びWO2018/191763A1から知られている。吹き込みと組み合わせて非常に細かい粒子を装入する場合、炉シャフトを通じて同じ形状の流れ断面を得るため、及び側壁における凝集に有利に働く乱流を回避するために、種々異なる流れを同期させる必要があることが明らかになる。このような凝集は、シャフトを徐々に「塞ぎ」、それに伴い熱放射を妨げ、そのことがまた膨張結果を悪化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2013/053635号
【特許文献2】国際公開第2016/191788号
【特許文献3】国際公開第2018/191763号
【発明の概要】
【0005】
したがって、本発明の課題は、上記の欠点を克服する膨張した粒状物を製造するための装置を提供することである。特に、装置は、細かい粒サイズ、好ましくは120μm以下の粒サイズ、特に好ましくは50μm~100μmの範囲の粒サイズと狭い粒子帯域とを有する原砂の膨張を可能にするものであり、殊に可能な限り同じ形の膨張製品を得ることができる。
【0006】
上記課題を解決するために、例えば結合された水を膨張剤として用いてパーライト砂又は黒曜石砂から膨張した粒状物を製造するなど、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料から膨張した粒状物を製造するための装置であって、装置は、上端及び下端を含む実質的に直立する炉シャフトを有する炉を備え、搬送方向に互いに分離されて配置された複数の加熱ゾーンを通る搬送経路が2つの端の間に延び、加熱ゾーンはそれぞれ、材料を特に臨界温度まで加熱し、砂粒を膨張させるために互いに独立して制御可能な少なくとも1つの加熱要素を有し、さらに、少なくとも1つの供給手段が設けられ、供給手段が、材料を搬送方向に見て搬送経路の後半分、殊に最後の3分の1において膨張させるために、少なくとも未膨張材料を炉シャフトの2つの端のうちの一端において、炉シャフトの2つの端のうちの他端の方向で炉シャフトに装入するように設定されている、装置において、炉シャフト内に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのガイド要素が設けられ、ガイド要素は、少なくとも炉シャフトの2つの端のうちの一端の領域において、炉シャフトの内壁と隙間を形成し、少なくとも1つの供給手段が、隙間に未膨張材料を装入するように設定されている、装置において、本発明によれば、炉シャフト内に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのガイド要素が設けられ、ガイド要素は、少なくとも炉シャフトの2つの端のうちの一端の領域において、炉シャフトの内壁と隙間を形成し、少なくとも1つの供給手段が、隙間に未膨張材料を装入するように設定されていることが企図されている。
【0007】
搬送方向は、垂直線若しくは鉛直方向に対して平行であり、上から下、又は逆に、下から上を指すことができる。すなわち、材料を上から装入する場合のみならず、材料を下から装入する場合にも少なくとも1つのガイド要素を設けることができる。上から装入する場合、膨張される材料は、少なくとも部分的に、重力により搬送経路に沿って搬送される。下から装入する場合、膨張される材料は、典型的には、ある量の空気と一緒に炉シャフトに装入され、炉シャフトを通って運ばれる。
【0008】
異なった加熱ゾーンはそれぞれ少なくとも1つの加熱要素を有していなければならず、これらの加熱要素が互いに独立して制御できなければならないため、加熱要素を、加熱ゾーンを区画するために使用することができる。
【0009】
完全を期すために、搬送方向に見て、後半分は第2半分であり、若しくは最後の3分の1は第3の3分の1であるということを確認しておく。
【0010】
基本的に、単一のガイド要素を設けることができる。これをいくつかの部品から構成することができ、その場合、いくつかの比較的小さいガイド要素が共同で、より大きなガイド要素を形成するか、若しくはこれに統合されてもよい。しかしながら、いくつかの別々のガイド要素を設けることもできる。
【0011】
少なくとも1つのガイド要素は、炉シャフトで生じる温度に耐える1つ又は複数の材料から製作される。前述の材料は、例えば、金属、特にステンレス鋼又はニッケル基合金、あるいは炭素繊維又はセラミック、特に高性能セラミックを含むことができる。
【0012】
ガイド要素が完全に炉シャフト内に配置される必要はなく、詳しく後述されるが、ガイド要素は、その機能が損なわれないように、炉シャフトから部分的に突出してもよいということに言及しておきたい。例えば、ガイド要素の一部が炉シャフトの上端及び/又は下端において、取り付けの目的でそこから突出することを企図することができる。
【0013】
しかしながら、当然、少なくとも1つのガイド要素が完全に炉シャフト内に配置され、その中でしか取り付けられないことを企図することもできる。
【0014】
内壁は炉シャフトを画定する。ガイド要素は、炉シャフトの内壁から離隔し、それにより少なくとも炉シャフトの2つの端のうちの一端の領域、すなわち、膨張される材料の装入のために企図された炉シャフトの端の領域に形成され、隙間は、殊に環状隙間である。この場合、「環状隙間」は、特に周方向に延びると解されるべきであり、これは円形に限定することを意味しない。
【0015】
したがってガイド要素が炉シャフト内に少なくとも部分的に配置されることにより、隙間が形成され、この隙間を介して未膨張材料が装入されることで、材料又は装入物が少なくとも搬送経路の始端の領域で炉シャフトの半径方向中心から遠ざけられる。ここで、及び以下において、「半径方向」は、炉シャフトの具体的な断面形状とは無関係に理解されるべきである。すなわち、搬送経路若しくは搬送方向に対して法線方向に立つ炉シャフトの断面が円形であるか否かに関係なく、例えば断面が楕円形、長方形、又は正方形である場合、その中心は半径方向中心若しくは半径方向真ん中と呼ばれる。したがって、半径方向は、半径方向真ん中から外方を指す。
【0016】
特に装入が上から行われる場合、炉シャフトの半径方向真ん中の領域において、典型的には、煙突効果によって引き起こされる加熱された空気/ガスの上向きの流れ(「煙突流」)が生じ、これが材料の重力による搬送を妨げる。しかしながら、前述の空気若しくは煙突流は、隙間内の材料に当たったり、影響を及ぼしたりすることはできない。
【0017】
それに加えて、それが隙間であり、単なる(特に環状の)開口ではないため、材料は炉シャフト内に入り、その中で誘導される。
【0018】
前述の誘導(Leitung)は、特に、ガイド要素が前述の搬送経路にわたって延在する場合に、搬送経路全体に及び得る。その場合、搬送経路の長さは、典型的には、3m~20m、好ましくは5m~15m、特に好ましくは6m~10mの範囲であり得る。
【0019】
ガイド要素、したがって隙間も、搬送経路の一部のみ、例えば数メートルにわたってのみ延在する場合、材料は、隙間内で搬送経路の前述の部分にわたって誘導される。その一方で、この場合、典型的には、隙間内での個々の材料粒の動き、特に動きの方向が必然的に均一化されることにより、ガイド要素の端を少なくとも少し過ぎたところでもある程度のガイド効果が認められる。
【0020】
それに応じて、上からの装入の場合、材料が隙間を出た後、少し過ぎたところでもまだ、半径方向真ん中で上記の空気流と接触しないようにすることができる。
【0021】
しかしながら、下からの装入の場合も、流れ状況、したがって粒子の滞留時間、さらには炉シャフト内の粒子への熱伝達に対して、少なくとも1つのガイド要素によって的確に影響を及ぼすことができる。
【0022】
隙間の領域に形成される流れ、特に環状隙間流は、隙間が比較的狭いことと、その結果流速が上昇する(レイノルズ数Re>104の乱流)ことによって輸送ガスへの熱伝達に、したがって粒子への熱伝達にも有利に働く。乱流で混ぜ合わせられることにより、熱伝達は層流の場合よりも大きくなる(熱伝達係数αが大きくなる)。
【0023】
すなわち、ガイド要素は、特に120μm以下、好ましくは100μm以下の直径を有することができる材料の非常に微細で密接な(eng)装入フラクション(Aufgabefraktionen)の膨張に有利に働く。
【0024】
ガイド要素の別の効果は、材料全体若しくは装入物全体が、少なくとも搬送経路の始めで、内壁の非常に近くに沿って、したがって、加熱要素に比較的近いところを移動することである。これは、材料のすべての粒の時間的及び場所的に均一な加熱をもたらし、そのことがまた、均一な膨張結果もたらす。これは、上からの装入にも下からの装入にも当てはまる。
【0025】
さらに、ガイド要素は、放射エネルギーの一部を反射若しくは吸収し、続いて再び放出するので、ガイド要素は、炉若しくは炉シャフトの能動的に加熱された外面とガイド要素自体の両方によって装入物に照射されるようにする。すなわち、ガイド要素は、受動的熱源として機能することができる。反射若しくは放出の程度は、ガイド要素の設計、特にガイド要素の材料に依存し得るため、ガイド要素は、ある程度まで調整可能な受動的熱源を形成する。
【0026】
すなわち、ガイド要素は、膨張結果に対して、相互に強め合うことができる多くのプラスの作用をもつ。
【0027】
膨張される材料の異なる装入フラクションがそれぞれ、典型的には1メートルから数メートルであり得る別の最適なガイド要素長さを必要とし得ることが明らかになる。したがって、本発明による装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つのガイド要素が、搬送方向に見て、搬送経路の最大で前半分の端まで、好ましくは最大で最初の3分の1の端まで、特に好ましくは最大で最初の4分の1の端まで延在することが企図されている。その場合、上記の説明によれば、ガイド要素は、炉シャフトの2つの端のうちの一端から、若しくは炉シャフトの2つの端のうちの一端の領域で、又は炉シャフトの2つの端のうちの一端の外側から始まることができる。
【0028】
搬送方向に見たガイド要素の最大の延在の上記のような制限は、特に、膨張される材料の装入が上から行われる実施形態において企図することができる。
【0029】
代替的又は追加的に、装入フラクションに応じて最適な膨張結果を達成するために、ガイド要素の最小長さを提供することができる。前述の最小長さは、特に、膨張される材料の装入が下から行われる実施形態の場合において提供することができる。
【0030】
したがって、本発明による装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つのガイド要素が、搬送経路の少なくとも4分の1にわたって、好ましくは搬送経路の少なくとも3分の1にわたって、特に好ましくは搬送経路全体にわたって延在することが企図される。
【0031】
本発明による装置の好ましい実施形態では、隙間が、搬送方向に沿って見て、少なくとも部分的に、炉シャフトの半径方向中心の周りの円周全体にわたって延在することが企図される。したがって、膨張される材料を問題なく、かつ必要な場合に、同時にすべての側から非常に大量に、特に、隙間若しくは環状隙間の断面全体にわたって均等な配分で炉シャフトに導入することができ、このことが非常に高い膨張率若しくは生産率を可能にする。
【0032】
ガイド要素の取り付けが炉シャフトの外側でしか行われない場合、隙間を搬送方向でガイド要素の延在全体にわたって、炉シャフトの半径方向中心に対して円周全体に形成することもでき、このことは、炉シャフト内のスペースの最大限の利用を可能にする。それに対して、ガイド要素のための取付要素がシャフト内にある必要がある場合、隙間を搬送方向に沿って見て、依然として部分的に、つまり取付要素が設けられない1つの区分若しくは複数の区分において、炉シャフトの半径方向中心の周りの円周全体にわたって形成することができる。
【0033】
殊に、ガイド要素は、炉シャフトの半径方向中心の周りの円周全体に、すなわち360°の角度範囲に隙間が延在するところで半径に、すなわち半径方向に密に、特に気密に形成されている。上記の説明によれば、これは炉シャフトの断面が円形であるか否かに関係なく当てはまる。
【0034】
したがって、隙間の輪郭形状は円形である必要はなく、例えば楕円形、長方形、又は正方形であってもよい。
【0035】
ここで、一般に、炉シャフトの半径方向中心とガイドプレートの半径方向中心が一致し得ることに言及しておきたい。その場合、ガイドプレートがこの半径方向中心を完全に一周して取り囲まないとしても、ガイドプレートの半径方向の中心を推測することができ、すなわち、場合によっては、ガイドプレートが半径方向中心を360°全体にわたって取り囲むように想像上で延長することができる。
【0036】
本発明による装置の好ましい実施形態では、隙間が、搬送方向に、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも80%変化することが企図され、隙間幅は、殊に最大で10cmである。隙間幅は、炉シャフトの内壁とガイド要素、若しくは内壁の方に向いたガイド要素の表面との間の距離に相当する。
【0037】
殊に、隙間幅は、半径方向に、又はガイド要素及び/又は内壁に対して法線方向に測定することができる。特に、内壁の方に向いたガイド要素の表面上の一点での隙間幅を、この点と炉シャフトの内壁との間の最短距離として決定することができる。
【0038】
搬送方向の隙間幅を変化させることによって、すなわち隙間が形成された領域におけるガイド要素の搬送方向の延在にわたって、搬送経路に沿って砂粒の滞留時間に的確に影響を及ぼすか、若しくは調整することができる。特に、搬送経路の特定の領域で隙間幅を大きくすることによって、隙間幅がより小さい領域よりも長い滞留時間に調整すること、及びその逆のことが可能である。
【0039】
しかしながら、当然、隙間幅が搬送方向にほとんど変化しないか、若しくは実質的に一定である実施形態も基本的に考えられる。
【0040】
いずれにしても、ガイド要素の形状は、炉シャフトの断面の形状に適合させることができる。
【0041】
その場合、上記の変化の範囲は、典型的には、搬送方向の隙間幅の平均値、あるいは最小又は最大隙間幅に関連し、後者は、特に、言及した可能な最大隙間幅の場合である。
【0042】
上記の説明によれば、基本的に、隙間の相対的な寸法設定、すなわち厳密なセンチメートル値に設定されないことが有意義である。しかし、たいていの場合、絶対値に基づく寸法設定が有意義であり得る。上記の10cmの最大隙間幅で可能な設計は、特定の装入フラクションについては、特に膨張される材料の装入が上から行われる実施形態では、特に良好な、若しくは均一な膨張結果を提供することができる。
【0043】
同様に、本発明による装置の好ましい実施形態では、隙間は、炉シャフトの半径方向中心の周りの円周方向に、最大で35%、好ましくは最大で10%、特に好ましくは最大で5%変化する隙間幅を有し、隙間幅が、殊に最大で10cmであることが企図される。
【0044】
その場合、上記の変化の範囲は、典型的には、円周方向の隙間幅の平均値、あるいは最小又は最大隙間幅に関連し、後者は、特に、言及した可能な最大隙間幅の場合である。
【0045】
円周方向の隙間幅のわずかな変化は、良好で均一な膨張結果のために有利であることが明らかになり、渦流、したがって砂粒の焦げ付き(Anbacken)を特に良好に回避することができる。
【0046】
当然のことながら、隙間幅が円周方向に全く変化しない、若しくは実質的に一定である実施変形形態も考えられる。
【0047】
本発明による装置の好ましい実施形態では、炉シャフトは、搬送経路の少なくとも一部に沿って、搬送方向に対して横方向、特に法線方向に、内壁によって画定された、少なくとも部分的に丸形、好ましくは実質的に円形、又は実質的に楕円形の断面を有することが企図されている。反り応力(Verzugsspannung)に関して、円形の断面が最も安定しているが、楕円の場合、エネルギー放射のためにより多くの「周面」(内壁)を利用できるという意味で、円周と断面積の比率が格段に良い。
【0048】
炉シャフトの断面は、当然、場合によって存在するガイド要素なしで理解されるべきである。
【0049】
その場合、「実質的に」とは、数学的に完全な円若しくは楕円からある程度逸脱することは当然あり得、通常、製造技術的にだけでも不可避でさえあることと解されるべきである。必要に応じて、数学的に完全な円形又は楕円形からのわずかな逸脱を意図的に提供することもできる。
【0050】
殊に、空洞である炉シャフトは、搬送経路全体に沿って上述の断面形状を有する。
【0051】
その場合、各区分において、例えば、そのような区分若しくは区画が直線区分若しくは区画と接続されることで、断面形状が上記の丸形/円形/楕円形の形状から逸脱する可能性がある。
【0052】
当然のことながら、断面形状は、少なくとも搬送経路の一部に沿って、完全に丸形/円形/楕円形であってもよい。
【0053】
断面形状から断面形状への移行部は、殊に炉シャフト内で形成される流れの渦流が生じないように設計される。
【0054】
代替的又は追加的に、断面は角を有することもできる。したがって、本発明による装置の好ましい実施形態では、炉シャフトは、搬送方向の少なくとも一部に沿って、搬送方向に対して横方向、特に法線方向に、内壁によって画定された、少なくとも部分的に角形、好ましくは実質的に長方形、又は実質的に正方形の断面を有することが企図される。断面積に比べて比較的大きい断面円周は、これに対応して大きい面積の加熱要素のための場所を作り出すことができると共に、エネルギー伝達のために、純粋に円形又は全く円形の断面の場合によりも大きい面積を膨張される材料に提供できることから、有利であることが明らかであり得る。
【0055】
炉シャフトの断面は、この場合も当然、場合によって存在するガイド要素なしで理解されるべきである。
【0056】
その場合、「実質的に」とは、数学的に完全な長方形若しくは正方形からある程度逸脱することは当然あり得、通常、製造技術的にだけでも不可避でさえあることと解されるべきである。場合によっては、数学的に完全な長方形又は正方形からのわずかな逸脱を意図的に提供することもできる。特に、実際には角を丸くすることが可能である。
【0057】
殊に、空洞である炉シャフトは、搬送経路の大部分に沿って、好ましくは搬送経路全体に沿って、上述の断面形状を有する。
【0058】
その場合、いくつかの区分において、断面形状は、例えば、そのような区分若しくは区画が丸形の区分若しくは区画によって接続されていることで、上述の角形/長方形/正方形の形状から逸脱する可能性がある。
【0059】
当然のことながら、断面形状は、少なくとも搬送経路の一部に沿って、完全に角形/長方形/正方形であってもよい。
【0060】
断面形状から断面形状への移行部は、殊に炉シャフト内で形成される流れの渦流が生じないように設計される。
【0061】
本発明による装置の好ましい実施形態では、内壁は、殊に高耐熱鋼から製作された少なくとも1つの境界要素によって形成されていることと、少なくとも1つのガイド要素が、少なくとも1つの境界要素と同じ材料から製作されていることとが企図される。前述の材料の選択によって、境界要素に対してガイド要素の場合と同じ性能要件を満たすことが確保される。さらに、同じ材料は、結果として同じ熱膨張係数を有し、それによって熱膨張が異なることによる反りを回避でき、一定の隙間形状を確保できる。
【0062】
殊に、炉は、半径方向に見て境界要素の後ろで、1つ又は複数の他の材料、特に断熱材料から構成される。
【0063】
高耐熱鋼は、それ自体が知られている種類のステンレス鋼である。
【0064】
境界要素を用いることにより、炉シャフトに装入された材料が、半径方向に見て境界要素の後ろに配置された加熱要素と接触し得ないことを、設計上簡単に達成できる。その一方で、炉シャフトの所望の断面形状を、少なくとも1つの境界要素によって非常に容易に実現でき、場合によっては異なった用途用に適合させることができる。
【0065】
境界要素の材料を正しく又は適切に選択することは、境界要素の機能が損なわれたり、それどころか損傷してしまうことなく、実際に役割を果たすすべての温度範囲でのその使用を可能にする。パーライト又は黒曜石を膨張させる場合、特に金属材料が考えられる。これに関連して、特により高い焼成温度を必要とする他の鉱物の場合、境界要素を金属からではなく、炭素繊維又は(高性能)セラミックなどの他の適切な材料から製造することも考えられる。
【0066】
すでに何度か述べたように、膨張される材料を下から炉シャフトに装入する実施形態を企図することができる。したがって、本発明による装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つの供給手段は、炉シャフトの下端において未膨張材料をある量の空気と一緒に炉シャフトの上端の方向で炉シャフトに吸い込むように設定され、それにより、ある量の空気が下から上へ流れる空気流を形成し、この空気流によって材料が搬送経路に沿って下から上へ搬送されて、搬送経路の上(若しくは第2)半分、殊に上(若しくは第3)3分の1において膨張されることが企図される。
【0067】
例えば、炉シャフトの上流の(吸引)ノズルによって負圧源又はベンチレータを用いてある量の空気を吸い込み、材料を、例えばシュートによってノズルに流入する空気流に供給することが考えられよう。すなわち、少なくとも1つの供給手段は、例えば、前述のノズルと、ある量の空気を生成若しくは吸引するためのそれ自体既知の手段と、負圧源及び/又は(空気)ベンチレータと、シュートとを備えることができ、負圧源若しくはベンチレータは炉シャフトの下流に接続されている。その場合、材料を定量供給することができる。
【0068】
したがって、本発明による装置の特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの供給手段が、炉シャフトの上流に接続された少なくとも1つの吸引ノズルと、殊に、吸引ノズルの下流に接続されたディフューザとを備えることが企図される。
【0069】
特に、ディフューザは、膨張プロセスの前に材料をある量の空気中で材料を分散させ、吸気ノズルでの比較的高い流速を低下させるよう企図されていてもよい。
【0070】
すでに何度か述べたように、膨張させる材料を上から炉シャフトに装入する実施形態を企図することができる。したがって、本発明による装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つの供給手段は、未膨張材料を炉シャフトの上端において炉シャフトの下端の方向で炉シャフトに装入するように設定され、それにより、材料が少なくとも重力により搬送経路に沿って上から下へ搬送されて、搬送経路の下半分、殊に下3分の1において膨張されることが企図される。
【0071】
それに対応して、少なくとも1つの供給手段は、例えば、膨張される材料を供給するためのシュートを備えることができる。
【0072】
少なくとも1つの供給手段は、殊に、材料の特に正確な定量供給を可能にするために、材料用の少なくとも1つの、特に制御可能なバルブをさらに備えることができる。
【0073】
重力に加えて、例えば上から下に流れるか、若しくは又は炉シャフトに吹き込まれるか、又は吸い込まれるプロセス空気若しくはプロセスガスなどのさらなる供給手段若しくは搬送手段を設けることができる。
【0074】
完全を期すために、膨張過程が温度降下を伴う等エンタルピープロセスであるという認識に基づいて、膨張される材料が上から炉シャフトに装入されるのか、下からなのかに関係なく、温度降下を的確に検出若しくは位置特定できるということに言及しておきたい。これは、特に、膨張した砂粒の表面特性に影響を及ぼすために、本来の膨張過程の後に、膨張した砂粒の温度処理を決定するためにも利用することができる。例えば、表面のひび割れを阻止するために、臨界温度を超える新たな加熱を防ぐことができる。あるいは、砂粒の表面のひび割れが意図的に容認されるか、又はそれどころか得るべきである場合、そのような温度の新たな上昇を意図的に開始することができる。
【0075】
本発明による装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つのガイド要素を必要に応じて炉シャフトから取り出し、かつ再び設置できるようにするために、着脱可能な取付手段が少なくとも1つのガイド要素のために設けられていることが企図される。すなわちガイド要素は、取り出し可能若しくは再び設置可能である。
【0076】
これによって、非常に粗い粒、特に数百マイクロメートル以上の直径の非常に粗い粒子サイズの装入フラクションを膨張させるべきである場合に、ガイド要素を問題なく完全に取り外すことができるので、この装置を幅広く万能に使用することができる。その一方で、当然、それぞれの装入フラクションに最適に調和させた異なったガイド要素を必要に応じて問題なく取り付け/取り外し、若しくは付け替える(umbauen)ことができる。
【0077】
典型的には、それぞれのガイド要素の取り外し若しくは取り付けは、比較的低温で、特に室温で行われ、場合によっては、製造過程後にまず装置が冷えるのが待たれる。
【0078】
秩序を保つために、「着脱可能」とは、通常のように「非破壊的に取り外し可能」であることと解されるべきであり、そのことから再利用が可能になるということに言及しておきたい。
【0079】
相応に適切な取付手段は、それ自体十分に知られている。特に、適切な取付手段として、極めて多様なねじ接続及び/又はそれ自体既知の、例えばフック・止め金の組み合わせ、安全ボルト、又はバヨネットロック、あるいはそのような接続の任意の組み合わせなどの形状結合により機能する接続が考えられる。
【0080】
すでに上述したように、ガイド要素は極めて多様な材料から製作することができる。本発明による装置の好ましい実施形態では、少なくとも1つのガイド要素は、金属、特に高耐熱鋼から製作されていることが企図される。これにより、ガイド要素の機能が損なわれたり、それどころか損傷してしまうことなく、特にパーライト又は黒曜石などを膨張させる場合に実際に役割を果たすすべての温度範囲でガイド要素を使用できることが確保されている。その一方で、ガイド要素の材料の上述の選択は、加熱要素によって引き起こされる熱若しくは熱放射の特に良好な反射若しくは放出をもたらす。すなわち、ガイド要素は、すでに詳しく説明したように、受動的熱源として最適に適し、そのことがエネルギーとコストを節約する。
【0081】
本発明による装置の好ましい実施形態では、炉シャフト内で少なくとも1つのガイド要素の少なくとも延在全体に沿って、殊に少なくとも1つのガイド要素の延在全体に沿って、搬送方向に対して平行に、少なくとも1つのガイド要素と炉シャフトの半径方向中心との間に自由空間が配置されていることが企図される。ガイド要素の一部が、炉シャフト内で、典型的には炉シャフトの半径方向中心と完全に等しく延びる炉シャフトの長手軸の領域に配置されるように、ガイド要素が炉シャフトの外側に形成されていることは排除されない。
【0082】
前述の自由空間は、空気/ガス、特にすでに述べた煙突流が半径方向中心の領域で炉シャフトから逃げることができることを可能にする。その一方で、自由空間は、炉シャフト内の流れの状況、したがって炉シャフト内での原砂の、若しくは膨張物の膨張後の滞留時間に影響を及ぼすことができる強制空気を外部から炉シャフトに導入するために使用できる。
【0083】
次に、本発明を実施例をもとにして詳しく説明する。図面は例示であり、本発明の思想を表すが、本発明の思想を限定するもの、又は完結的に表すものでは決してない。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【
図1】
図1は、膨張される粒状物を炉シャフトに、若しくは炉シャフトで上から下へ装入若しくは搬送する、膨張した粒状物を製造するための本発明による装置の一実施形態の模式的断面図である。
【
図2】
図2は、膨張される粒状物を炉シャフトに、若しくは炉シャフトで下から上へ装入若しくは搬送する本発明による装置の別の実施形態の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0085】
図1は、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料から膨張した粒状物2を製造するための本発明による装置を示す。図示される実施例では、前述の材料はパーライト砂1であり、これに水が結合し(いわゆる結晶水)膨張剤として機能する。この装置は、上端5と下端6を含む実質的に直立する炉シャフト4を有する炉3を備えている。2つの端5、6の間に、
図1では鎖線で(
図2では破線で)示唆される搬送経路7が延び、
図1での鎖線(
図2では破線)は、炉シャフト4の半径方向中心16も示す。搬送経路7は、搬送方向12に互いに分離して配置された複数の加熱ゾーン8(
図1において水平方向に点線で示唆される)を通り、加熱ゾーン8は、パーライト砂1を特に臨界温度まで加熱し、パーライト砂粒1を膨張させるために、それぞれ互いに独立して制御可能な少なくとも1つの加熱要素9を有する。
【0086】
図示された実施例では、加熱要素9は、電気的に作動され、(図示されない)調節及び制御ユニットにより制御することができる。
【0087】
装置は、供給手段をさらに備え、
図1の実施例では、これはパーライト砂1及びプロセスエア21の装入を調節するためのバルブ10を含み、かつ搬送方向12に見て、搬送経路7の後半分、殊に最後の3分の1においてパーライト砂1を膨張させるために、炉シャフト4の上端5において、未膨張パーライト砂1を(プロセスエア21と共に)炉シャフト4の下端6の方向で炉シャフト4に装入するように設定されている。すなわち、
図1の実施例では、パーライト砂1の搬送は、主に重力により搬送経路7に沿って上から下へ行われ、場合によっては、パーライト砂1と共に吹き込まれるか、又は吸い込まれるプロセスエア21がパーライト砂1の落下運動を支援する。
【0088】
その際、炉シャフト4を上から下へ流れるプロセスエア21が熱せられる。これは原則的に、炉シャフト4内での流速を上昇させる可能性があり、それによって、炉シャフト4内のすべてのパーライト砂粒子1の滞留時間が短縮される可能性がある。これを回避し、第1のプロセスエアの流速の増加を補償するため、若しくは流速をほぼ一定に保つために、
図1の実施例では炉シャフト4が、上よりも下に向かって幅広になるように設計されている。すなわち、搬送方向12に対して法線方向の炉シャフト4の断面が上端5から下端6に向かって増加する。
【0089】
しかし、炉シャフト4の上端5でパーライト砂1を装入する場合、当然のことながら、断面が一定、又はほぼ一定の炉シャフト4も可能であることを強調しておきたい。
【0090】
炉シャフト4の断面は、図示される実施例では、高耐熱鋼で作られた少なくとも1つの境界要素によって形成される炉シャフト4の内壁14によって画定される。
【0091】
炉シャフト4若しくは炉3は、断熱材24によって外に向かって断熱されている。
【0092】
垂直方向に互いに離間した位置22に温度センサ23が配置され、各加熱ゾーン8に少なくとも1つの温度センサ23がある。したがって、
図1の図示される実施例では、パーライト砂1の温度は、それぞれの加熱ゾーン8における温度により検知される。
【0093】
加熱要素9と温度センサ23とは、炉シャフト4内のパーライト砂粒1の膨張が行われる位置若しくは領域25を温度データに基づいて決定する調節及び制御ユニット(図示せず)と接続されている。この位置若しくはこの領域25では、膨張したパーライト砂1の、温度の著しい低下、例えば100℃を超える温度降下が生じる。この温度降下は、パーライト砂1の等エンタルピー膨張過程の結果であり、膨張過程は、パーライト砂粒1の表の軟化と、これに続くパーライト砂粒1における水蒸気若しくは蒸気圧の発生による拡張過程(Ausdehnungsvorgang)によって生じる。例えば、パーライト砂1は、それが膨張する直前には約780℃であり得、等エンタルピー膨張過程の直後にはわずか約590℃であり、すなわち、この例では190℃の温度降下が生じ、材料に応じて、この温度降下は、典型的には少なくとも20℃、殊に少なくとも100℃である。所望のエネルギー入力ができるようにするために、搬送方向12に見て温度降下の位置若しくは領域25の後に位置する加熱要素9を、調節及び制御ユニット(図示せず)によって的確に、若しくは自動で調節することができる。
【0094】
この自動調節では、上記の温度降下が必ずしも温度低下としてではなく、場合によっては、温度を保ためにより多くのエネルギーが必要とされる範囲として現れるので、温度降下を検出するための温度センサ23の使用を省略することもできるということに言及しておきたい。
【0095】
特に、これらの加熱要素9の調節は、膨張したパーライト砂若しくは粒状物2の温度がそれ以上、若しくは再度上昇しないように、あるいは膨張した粒状物2が独立気泡であることが確保されるように行うことができる。
【0096】
図1の実施例では、膨張した粒状物2は、下端6で排出され、水冷シュート20を介して、冷気27で動作する同伴流搬送/吸引流26に供給される。膨張したパーライト砂2を含む冷気27若しくは冷気28は、例えば真空ポンプ又はベンチレータ(図示せず)によって吸引される。
【0097】
本発明による装置は、炉シャフト4内に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのガイド要素13を有し、ガイド要素13は、少なくとも炉シャフト4の2つの端5、6の一端の領域において炉シャフト4の内壁14と隙間15を形成し少なくとも1つの供給手段が、この隙間15に未膨張パーライト砂1を装入するように設定されている。
【0098】
図1の実施例では、ガイド要素13は、上端5の領域に相応に配置されている。バルブ10とプロセスエア21は、上端5の領域においてパーライト砂1が隙間15に供給されるように設定されている。すなわち、パーライト砂1は、隙間15に入るときに炉シャフト4に入る。
【0099】
図1の実施例では、パーライト砂1は上端5において隙間15全体に導入されるが、
図1においては、明確にするために、図の左側で隙間15に導入されるパーライト砂1のみが示されていることを強調しておきたい。
【0100】
ガイド要素13は、炉シャフト4の半径方向中心16の領域に形成される加熱された空気/ガスの上向きの流れ(「煙突流」)からパーライト砂1を保護する。これにより、直径が100μm未満、特に75μm未満の非常に細かい粒サイズの落下が煙突流によって妨げられて望むように膨張しないということが防止される。上述したことは、特に、ガイド要素13がない場合、パーライト砂粒子1が、等エンタルピー的膨張プロセスにより冷えた後に再び加熱されるということによって引き起こされる。これはパーライト砂粒子1の新たな軟化をもたらすが、パーライト砂粒子1は形状変化により等エンタルピー的に冷えることができなくなり、したがって内壁14で凝集する危険性が高まる。
【0101】
上記の煙突流は、炉シャフト4から自由空間19を通って上へ問題なく逃げることができる。この自由空間19は、ガイド要素13の延在全体に沿って、搬送方向12に対して平行に、ガイド要素13と炉シャフト4の半径方向中心16との間に配置若しくは形成される。
【0102】
さらに、ガイド要素13は、パーライト砂1を的確に内壁14の近くに沿って導き、それによって、すべてのパーライト砂粒1が時間的及び場所的に均一に加熱され、そのことがまた均一な膨張結果をもたらす。
【0103】
図1の実施例では、ガイド要素13は、炉シャフト4内で上端5から搬送経路7の最初の3分の1のほぼ端まで延びる。しかしながら、ガイド要素13によって引き起こされる隙間15内のパーライト砂粒1の動き、特に動きの方向の均一化は、ガイド要素13の端を少し過ぎてもなお作用する。
【0104】
図示された実施例では、ガイド要素13は、高耐熱鋼で作られ、加熱要素9によって引き起こされる熱放射を相応に良好に反射する。すなわち、ガイド要素13は、内壁14とガイド要素13との間にあるパーライト砂1のための受動的加熱器としても機能する。
【0105】
図1の実施例では、ガイド要素13は完全に炉シャフト4内に配置され、したがってここに取り付けられ、取り付けのために着脱可能な取付手段(図示せず)が設けられていて、ガイド要素13を必要に応じて炉シャフト4から取り出し、再び設置できる。搬送方向12に沿って見て、上記の取付要素が設けられている領域を除いて、隙間15は、炉シャフト4の半径方向中心16の周りの円周全体に延在する。
【0106】
図1の断面図から分かるように、ガイド要素13の形状は、ガイド要素13が基本的に内壁14と平行に延びることにより、炉シャフト4の断面に適合される。これに対応して、隙間15は、図示された実施例ではガイド要素13の搬送方向12の延在全体にわたって、わずかしか変化せず、殊にほぼ一定である隙間幅17を有する。しかしながら、搬送経路7に沿う異なった領域でのパーライト砂粒1の滞留時間を的確に調整するために、隙間幅17が搬送方向12に少なくとも50%変化する実施変形形態も可能であることに言及しておきたい。
【0107】
さらに、
図1の実施例では、隙間幅17は、円周方向18にもほとんど変化せず、殊にほぼ一定である。これは、特にパーライト砂1が装入される領域、すなわち
図1の実施例では上端5の領域においてガイド要素13が延在する搬送経路7に沿う位置若しくは領域に当てはまる。しかしながら、隙間幅17が、典型的には搬送方向12の場合よりも明確に少ない、例えば最大で5%ではあるが、円周方向18に明らかに変化する実施変形形態も可能であることに言及しておきたい。
【0108】
図2に示した実施変形形態と
図1のものとの明白な違いは、膨張されるパーライト砂1(明確にするために
図2には別段示されない)の炉シャフト4への装入が下から行われ、搬送方向12が下から上に向いていることである。これに対応して、少なくとも1つのガイド要素13が、炉シャフト4内で少なくとも炉シャフト4の下端6の領域に配置され、そこで内壁14と共同で隙間15を形成する。この場合、少なくとも1つの供給手段は、炉シャフト4の上流に接続された吸引ノズル11とベンチレータ34を含み、かつ未膨張のパーライト砂1をある量の空気と一緒に炉シャフト4の下端6において炉シャフト4の上端5の方向に、パーライト砂1が隙間15に装入されるように炉シャフト4内に吸い込むように設定されている。その場合、このある量の空気は、下から上へ流れる空気流を形成し、この空気流によって、パーライト砂1が、搬送経路7に沿って下から上へ搬送され、搬送経路7の上半分、殊に上3分の1において膨張される。
【0109】
図2の実施例では、供給手段は、吸引ノズル11の下流に接続され、炉シャフト4の下端6が接続されるディフューザ30をさらに備える。ディフューザ30は、空気流中のパーライト砂1の均一な分布を達成若しくは支援するために、膨張プロセスの前にパーライト砂1をある量の空気中に分散させるのに寄与することができる。
【0110】
吸引ノズル11には、振動トラフ35を介してパーライト砂1が供給され、パーライト砂1は、定量供給スクリュー33を介して貯蔵容器29から振動トラフ35に定量供給される。それに加えて、吸引ノズル11を介して(ベンチレータ34を用いて)空気も吸引され、それにより吸引空気流31が形成される。空気流若しくは吸引空気流31は、吸引ノズル11を適切に選択若しくは設計することによって、及び/又は(ベンチレータ34を用いて)適切な吸引速度を選択することによって調整することができる。上述したことは、基本的に、調節及び制御ユニット(図示せず)を用いて自動化して行うこともできる。
【0111】
図2の実施例では、ガイド要素13は、搬送経路7の約4分の1、若しくは最初の4分の1にわたって延在するが、はるかに大きく、特に炉シャフト4内の搬送経路7全体にわたって延在することもできる。後者は、
図2に破線で示唆される。
【0112】
ガイド要素13は、
図2の実施例でも基本的に炉シャフト4の断面形状に適合される。
図1の実施例のように、
図2の実施例による隙間幅17は、円周方向18にほとんど変化せず、殊に実質的に一定である。これは、特にパーライト砂1を装入する領域において、すなわち
図2の実施例では下端6の領域において、ガイド要素13が延在する搬送経路7に沿ったすべての位置又は領域に当てはまる。ただし、この場合、隙間幅17が、典型的には搬送方向12よりも明確に少ない、例えば最大で5%ではあるが、円周方向18に明らかに変化する実施変形形態も可能であることにも言及しておきたい。
【0113】
図2には、隙間幅17の搬送方向12の変化が示されていないが、
図2に示される実施例でも、搬送経路7に沿う異なった領域におけるパーライト砂粒1の滞留時間を的確に調整するために、隙間幅17を搬送経路7若しくは搬送方向12に沿って、円周方向18よりもはるかに大きく、例えば少なくとも50%変化させることができる。
【0114】
しかし、両方の図示された実施変形形態において、隙間幅17は最大で10cmである。
【0115】
図2の実施例では、ガイド要素13は、ディフューザ30に殊に取り外し可能に取り付けられている。
【0116】
これに対応して、搬送方向12に沿って見て、隙間15は半径方向中心16の周りの円周全体にわたって設けられている。
【0117】
図2の実施例では、基本的に絶対温度測定が行われる(しかし、明確にするために温度センサは示されていない)。それに加えて、加熱要素9の電力消費量が決定されるか、若しくはこの電力消費量が搬送経路7に沿ってどのように変化するかが決定される。膨張過程とそれに伴う温度降下の直後、膨張した粒状物2(明確にするために
図2では別段に示されていない)と加熱要素9との間の温度差は、膨張過程直前のパーライト砂1と加熱要素9とのものよりもはるかに大きい。
【0118】
したがって、測定温度が一定に保たれる限り、熱流も増加する。すなわち、ある加熱ゾーン8から次の加熱ゾーンへの加熱要素9の熱流若しくは電力消費量の確認される変化は増加であり、これに対して、膨張過程前にパーライト砂1が徐々に熱せられることにより、搬送経路7に沿う電力消費量の変化は減少である。
【0119】
加熱要素9は、調節するため、特に、温度降下後に残りの搬送経路7に沿って調節するために調節及び制御ユニット(図示せず)と接続され、それにより例えば、残りの搬送経路7に沿って材料温度が臨界温度まで、又は臨界温度を超えて増加することを的確に防止するか、又は可能することができる。
【0120】
膨張した粒状物2の炉シャフト4からの排出は、(温まった空気と一緒に)炉シャフト4の上端5につながる収集区分32を介して行われる。膨張した粒状物2は、冷気27で動作する同伴流搬送/吸引流26によってさらに搬送される。その際、すでに述べたように、膨張したパーライト砂2を含む冷気27若しくは冷気28は、例えば、真空ポンプ又はベンチレータ(図示せず)によって吸引される。
【符号の説明】
【0121】
1 パーライト砂
2 膨張した粒状物
3 炉
4 炉シャフト
5 炉シャフトの上端
6 炉シャフトの下端
7 搬送経路
8 加熱ゾーン
9 加熱要素
10 バルブ
11 吸引ノズル
12 搬送方向
13 ガイド要素
14 炉シャフトの内壁
15 隙間
16 炉シャフトの半径方向中心
17 隙間幅
18 円周方向
19 自由空間
20 水冷シュート
21 プロセスエア
22 温度測定位置
23 温度センサ
24 断熱材
25 温度降下の位置若しくは領域
26 同伴流搬送/吸引流
27 同伴流搬送の冷気
28 膨張したパーライト砂若しくは膨張した粒状物を含む冷気
29 貯蔵容器
30 ディフューザ
31 吸引気流
32 収集部
33 定量供給スクリュー
34 ベンチレータ
35 振動トラフ
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えば結合された水を膨張剤として用いてパーライト砂(1)又は黒曜石砂から膨張した粒状物(2)を製造するなど、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料(1)から膨張した粒状物(2)を製造するための装置であって、前記装置は、上端(5)及び下端(6)を含む実質的に直立する炉シャフト(4)を有する炉(3)を備え、搬送方向(12)に互いに分離されて配置された複数の加熱ゾーン(8)を通る搬送経路(7)が前記2つの端(5、6)の間に延び、前記加熱ゾーン(8)はそれぞれ、前記材料(1)を少なくとも臨界温度まで加熱し、前記砂粒(1)を膨張させるために互いに独立して制御可能な少なくとも1つの加熱要素(9)を有し、さらに、少なくとも1つの供給手段(10、11)が設けられ、前記供給手段が、前記材料(1)を搬送方向(12)に見て前記搬送経路(7)の後半分、殊に最後の3分の1において膨張させるために、少なくとも未膨張材料(1)を前記炉シャフト(4)の前記2つの端(5、6)のうちの一端において、前記炉シャフト(4)の前記2つの端(6、5)のうちの他端の方向で前記炉シャフト(4)に装入するように設定されている、装置において、前記炉シャフト(4)内に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのガイド要素(13)が設けられ、前記ガイド要素(13)は、少なくとも前記炉シャフト(4)の前記2つの端(5、6)のうちの一端の領域において、前記炉シャフト(4)の内壁(14)と隙間(15)を形成し、前記少なくとも1つの供給手段(10、11)が、前記隙間(15)に前記未膨張材料(1)を装入するように設定されていることを特徴とする、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0120】
膨張した粒状物2の炉シャフト4からの排出は、(温まった空気と一緒に)炉シャフト4の上端5につながる収集区分32を介して行われる。膨張した粒状物2は、冷気27で動作する同伴流搬送/吸引流26によってさらに搬送される。その際、すでに述べたように、膨張したパーライト砂2を含む冷気27若しくは冷気28は、例えば、真空ポンプ又はベンチレータ(図示せず)によって吸引される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 例えば結合された水を膨張剤として用いてパーライト砂(1)又は黒曜石砂から膨張した粒状物(2)を製造するなど、膨張剤を用いて砂粒状鉱物材料(1)から膨張した粒状物(2)を製造するための装置であって、前記装置は、上端(5)及び下端(6)を含む実質的に直立する炉シャフト(4)を有する炉(3)を備え、搬送方向(12)に互いに分離されて配置された複数の加熱ゾーン(8)を通る搬送経路(7)が前記2つの端(5、6)の間に延び、前記加熱ゾーン(8)はそれぞれ、前記材料(1)を少なくとも臨界温度まで加熱し、前記砂粒(1)を膨張させるために互いに独立して制御可能な少なくとも1つの加熱要素(9)を有し、さらに、少なくとも1つの供給手段(10、11)が設けられ、前記供給手段が、前記材料(1)を搬送方向(12)に見て前記搬送経路(7)の後半分、殊に最後の3分の1において膨張させるために、少なくとも未膨張材料(1)を前記炉シャフト(4)の前記2つの端(5、6)のうちの一端において、前記炉シャフト(4)の前記2つの端(6、5)のうちの他端の方向で前記炉シャフト(4)に装入するように設定されている、装置において、前記炉シャフト(4)内に少なくとも部分的に配置された少なくとも1つのガイド要素(13)が設けられ、前記ガイド要素(13)は、少なくとも前記炉シャフト(4)の前記2つの端(5、6)のうちの一端の領域において、前記炉シャフト(4)の内壁(14)と隙間(15)を形成し、前記少なくとも1つの供給手段(10、11)が、前記隙間(15)に前記未膨張材料(1)を装入するように設定されていることを特徴とする、装置。
[2] 前記少なくとも1つのガイド要素(13)は、搬送方向(12)に見て、前記搬送経路(7)の最大で前半分の端まで、好ましくは最大で最初の3分の1の端まで、特に好ましくは最大で最初の4分の1の端まで延在することを特徴とする、[1]に記載の装置。
[3] 前記少なくとも1つのガイド要素(13)は、前記搬送経路(7)の少なくとも4分の1にわたって、好ましくは前記搬送経路(7)の少なくとも3分の1にわたって、特に好ましくは搬送経路(7)全体にわたって延在することを特徴とする、[1]または[2]に記載の装置。
[4] 前記隙間(15)は、前記搬送方向(12)に沿って見て、少なくとも部分的に、前記炉シャフト(4)の半径方向中心(16)の周りの円周全体に延在することを特徴とする、[1]~[3]のいずれか一項に記載の装置。
[5] 前記隙間(15)は、搬送方向(12)に、少なくとも50%、好ましくは少なくとも65%、特に好ましくは少なくとも80%変化する隙間幅(17)を有し、前記隙間幅(17)が、殊に最大で10cmであることを特徴とする、[1]~[4]のいずれか一項に記載の装置。
[6] 前記隙間(15)は、前記炉シャフト(4)の半径方向中心(16)の周りの円周方向(18)に、最大で35%、好ましくは最大で10%、特に好ましくは最大で5%変化する隙間幅(17)を有し、前記隙間幅(17)が、殊に最大で10cmであることを特徴とする、[1]~[5]のいずれか一項に記載の装置。
[7] 前記炉シャフト(4)は、前記搬送経路(7)の少なくとも一部に沿って、前記搬送方向(12)に対して横方向、特に法線方向に、前記内壁(14)によって画定された、少なくとも部分的に丸形、好ましくは実質的に円形、又は実質的に楕円形の断面を有することを特徴とする、[1]~[6]のいずれか一項に記載の装置。
[8] 前記炉シャフト(4)は、前記搬送方向(7)の少なくとも一部に沿って、前記搬送方向(12)に対して横方向、特に法線方向に、前記内壁(14)によって画定された、少なくとも部分的に角形、好ましくは実質的に長方形、又は実質的に正方形の断面を有することを特徴とする、[1]~[7]のいずれか一項に記載の装置。
[9] 前記内壁(14)は、殊に高耐熱鋼から製作された少なくとも1つの境界要素によって形成されていることと、前記少なくとも1つのガイド要素(13)が、前記少なくとも1つの境界要素と同じ材料から製作されていることと、を特徴とする、[1]~[8]のいずれか一項に記載の装置。
[10] 前記少なくとも1つの供給手段(11)は、前記炉シャフト(4)の前記下端(6)で前記未膨張材料(1)をある量の空気と一緒に前記炉シャフト(4)の上端(5)の方向で前記炉シャフト(4)に吸い込むように設定され、それにより、前記ある量の空気が下から上へ流れる空気流を形成し、前記空気流によって前記材料(1)が前記搬送経路(7)に沿って下から上へ搬送されて、前記搬送経路(7)の上半分、殊に上3分の1において膨張されることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載の装置。
[11] 前記少なくとも1つの供給手段が、前記炉シャフト(4)の上流に接続された少なくとも1つの吸引ノズル(11)と、殊に、前記吸引ノズル(11)の下流に接続されたディフューザ(30)とを備えることを特徴とする、[10]に記載の装置。
[12] 前記少なくとも1つの供給手段(10)は、前記未膨張材料(1)を前記炉シャフト(4)の前記上端(5)で前記炉シャフト(4)の下端(6)の方向で前記炉シャフト(4)に装入するように設定され、それにより、前記材料(1)が少なくとも重力により前記搬送経路(7)に沿って上から下へ搬送されて、前記搬送経路(7)の下半分、殊に下3分の1において膨張されることを特徴とする、[1]~[9]のいずれか一項に記載の装置。
[13] 必要に応じて少なくとも1つのガイド要素(13)を前記炉シャフト(4)から取り出し、かつ再び設置できるようにするために、着脱可能な取付手段が前記少なくとも1つのガイド要素(13)のために設けられていることを特徴とする、[1]~[12]のいずれか一項に記載の装置。
[14] 前記少なくとも1つのガイド要素(13)は、金属、特に高耐熱鋼から製作されていることを特徴とする、[1]~[13]のいずれか一項に記載の装置。
[15] 前記炉シャフト(4)内で前記少なくとも1つのガイド要素(13)の少なくとも延在全体に沿って、殊に前記少なくとも1つのガイド要素(13)の延在全体に沿って、前記搬送方向(12)に対して平行に、前記少なくとも1つのガイド要素(13)と前記炉シャフト(4)の半径方向中心(16)との間に自由空間(19)が配置されていることを特徴とする、[1]~[14]のいずれか一項に記載の装置。
【外国語明細書】