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特開2024-8865タービンブレードの先端シュラウドの先端レールの表面プロファイル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008865
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】タービンブレードの先端シュラウドの先端レールの表面プロファイル
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/20 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
F01D5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023104970
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】17/860,504
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン スティーブン グレイ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ライアン ピルソン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム スコット ゼミティス
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン ジェームズ ホール
(72)【発明者】
【氏名】デレク カノア タン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】タービンブレードの先端シュラウドの先端レールの表面プロファイルを提供する。
【解決手段】前部先端レール222及び後部先端レール224は、プラットフォーム230から半径方向に延在しており、各レールは、下流面258、254、上流面256、252、及び原点270、260を含む。後部先端レール224の下流面254及び上流面252の表面プロファイル、並びに前部先端レール222の下流面258の表面プロファイルは、それぞれの表に示され選択された原点を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備える。デカルト座標値は、X値、Y値、及びZ値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けることにより距離に変換可能な0%から100%まで無次元値である。X値、Y値、及びZ値は、表面プロファイルが画定されるように線で接続されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンブレードの先端シュラウド(220)であって、
エアフォイル(202)の半径方向外側端部(218)においてエアフォイル(202)に結合するように構成されたプラットフォーム(230)であって、前記エアフォイル(202)は、正圧面(204)と、前記正圧面(204)に対して反対側の負圧面(206)とを有する、プラットフォーム(230)、
前記プラットフォーム(230)から半径方向に延在する後部先端レール(224)であって、下流面(254)と、前記下流面(254)に対して反対側の上流面(252)と、前記エアフォイル(202)の前記正圧面(204)に位置する第1の原点(260)であって、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点(260)とを有する、後部先端レール(224)、及び
前記後部先端レール(224)の軸方向前方の位置において前記プラットフォーム(230)から半径方向に延在する前部先端レール(222)であって、下流面(258)と、前記下流面(258)に対して反対側の上流面(256)と、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)に位置する第2の原点(270)であって、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点(270)とを有する、前部先端レール(222)
を含み、
前記後部先端レール(224)の下流面(254)は、表Iに示され前記第1の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レール(224)の第1の下流面(254)の表面プロファイルを画定するために線により接続される、タービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項2】
前記タービンブレード(200)は第2の段のブレードを含む、請求項1に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項3】
前記後部先端レール(224)は、前記エアフォイル(202)の前記負圧面(206)に位置する第3の原点(262)であって、前記エアフォイル(202)の負圧面(206)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点(262)を更に含み、前記後部先端レール(224)の前記下流面(254)は、表IIに示され前記第3の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レール(224)の第2の下流面(254)の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される、請求項1に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項4】
前記後部先端レール(224)の前記上流面(252)は、表IIIに示され前記第1の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レール(224)の上流面(252)の表面プロファイルを画定するために線により接続される、請求項1に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項5】
前記前部先端レール(222)の前記下流面(258)は、表IVに示され前記第2の原点(270)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レール(222)の下流面(258)の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される、請求項1に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項6】
タービンブレードの先端シュラウド(220)であって、
エアフォイル(202)の半径方向外側端部(218)においてエアフォイル(202)に結合するように構成されたプラットフォーム(230)であって、前記エアフォイル(202)は、正圧面(204)と、前記正圧面(204)に対して反対側の負圧面(206)とを有する、プラットフォーム(230)、
前記プラットフォーム(230)から半径方向に延在する後部先端レール(224)であって、下流面(254)と、前記下流面(254)に対して反対側の上流面(252)と、前記エアフォイル(202)の前記正圧面(204)に位置する第1の原点(260)であって、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点(260)とを有する、後部先端レール(224)、及び
前記後部先端レール(224)の軸方向前方の位置において前記プラットフォーム(230)から半径方向に延在する前部先端レール(222)であって、下流面(258)と、前記下流面(258)に対して反対側の上流面(256)と、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)に位置する第2の原点(270)であって、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点(270)とを有する、前部先端レール(222)
を含み、
前記後部先端レール(224)は、前記エアフォイル(202)の前記負圧面(206)に位置する第3の原点(262)であって、前記エアフォイル(202)の前記負圧面(206)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点(262)を更に含み、前記後部先端レール(224)の下流面(254)は、表IIに示され前記第3の原点(262)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値及び厚さに実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レール(224)の第1の下流面(254)の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される、タービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項7】
前記タービンブレード(200)は第2の段のブレードを含む、請求項6に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項8】
前記後部先端レール(224)の下流面(254)は、表Iに示され前記第1の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レール(224)の第2の下流面(254)の表面プロファイルを画定するために線により接続される、請求項6に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項9】
前記後部先端レール(224)の前記上流面(252)は、表IIIに示され前記第1の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レール(224)の上流面(252)の表面プロファイルを画定するために線により接続される、請求項6に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項10】
前記前部先端レール(222)の前記下流面(258)は、表IVに示され前記第2の原点(270)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レール(222)の下流面(258)の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される、請求項6に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項11】
タービンブレードの先端シュラウド(220)であって、
エアフォイル(202)の半径方向外側端部(218)においてエアフォイル(202)に結合するように構成されたプラットフォーム(230)であって、前記エアフォイル(202)は、正圧面(204)と、前記正圧面(204)に対して反対側の負圧面(206)とを有する、プラットフォーム(230)、
前記プラットフォーム(230)から半径方向に延在する後部先端レール(224)であって、下流面(254)と、前記下流面(254)に対して反対側の上流面(252)と、前記エアフォイル(202)の前記正圧面(204)に位置する第1の原点(260)であって、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点(260)とを有する、後部先端レール(224)、及び
前記後部先端レール(224)の軸方向前方の位置において前記プラットフォーム(230)から半径方向に延在する前部先端レール(222)であって、下流面(258)と、前記下流面(258)に対して反対側の上流面(256)と、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)に位置する第2の原点(270)であって、前記エアフォイル(202)の正圧面(204)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点(270)とを有する、前部先端レール(222)
を含み、
前記後部先端レール(224)の上流面(252)は、表IIIに示され前記第1の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レール(224)の上流面(252)の表面プロファイルを画定するために線によって接続される、タービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項12】
前記タービンブレード(200)は第2の段のブレードを含む、請求項11に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項13】
前記後部先端レール(224)の下流面(254)は、表Iに示され前記第1の原点(260)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レール(224)の第1の下流面(254)の表面プロファイルを画定するために線により接続される、請求項11に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項14】
前記後部先端レール(224)は、前記エアフォイル(202)の前記負圧面(206)に位置する第3の原点(262)であって、前記エアフォイル(202)の前記負圧面(206)から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点(262)を更に含み、前記後部先端レール(224)の下流面(254)は、表IIに示され前記第3の原点(262)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値及び厚さに実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レール(224)の第2の下流面(254)の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される、請求項13に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【請求項15】
前記前部先端レール(222)の前記下流面(258)は、表IVに示され前記第2の原点(270)を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さ(272)を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レール(222)の下流面(258)の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される、請求項11に記載のタービンブレードの先端シュラウド(220)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された主題はターボ機械に関する。より詳細には、本明細書に開示された主題は、タービンブレードの先端シュラウドの先端レールの表面プロファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
一部のジェット機や単純サイクル発電所又は複合サイクル発電所システムには、その構成や動作に、タービン、又はいわゆるターボ機械を採用しているものがある。これらのタービンの中には、動作中に流体の流れに晒されるエアフォイル(例えば、タービンノズル、ブレード、エアフォイルなど)を採用しているものがある。これらのエアフォイルは、流体の流れと空気力学的に相互作用し、流体の流れから発電の一部としてエネルギーを生成するように構成されている。例えば、エアフォイルを使用して、推力を発生する、運動エネルギーを機械エネルギーに変換する、及び/又は、熱エネルギーを機械エネルギーに変換することができる。運転中、エアフォイルの半径方向の外側端部の先端シュラウドは、静止構成要素と相互作用して、高温の気体をエアフォイルに導く。この相互作用と変換により、先端シュラウドと先端シュラウドの先端レールの空気力学的特性は、システム及びタービンの動作、性能、推力、効率、信頼性、及び出力に損失をもたらす恐れがある。
【発明の概要】
【0003】
以下に記載する全ての態様、実施例、及び特徴は、技術的に可能なあらゆる方法で組み合わせることができる。
【0004】
本開示の一態様は、タービンブレードの先端シュラウドを提供する。タービンブレードの先端シュラウドは、エアフォイルの半径方向外側端部においてエアフォイルに結合するように構成されたプラットフォームであって、前記エアフォイルは、正圧面と、前記正圧面に対して反対側の負圧面とを有する、プラットフォーム、前記プラットフォームから半径方向に延在する後部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの前記正圧面に位置する第1の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点とを有する、後部先端レール、及び前記後部先端レールの軸方向前方の位置において前記プラットフォームから半径方向に延在する前部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの正圧面に位置する第2の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点とを有する、前部先端レールを含み、前記後部先端レールの下流面は、表Iに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値の少なくとも一部に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0005】
本開示の別の態様は、上記の態様を含み、前記タービンブレードは第2の段のブレードを含む。
【0006】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールは、前記エアフォイルの前記負圧面に位置する第3の原点であって、前記エアフォイルの負圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点を更に含み、前記後部先端レールの前記下流面は、表IIに示され前記第3の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値及び厚さに実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される。
【0007】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールの前記上流面は、表IIIに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの上流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0008】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記前部先端レールの前記下流面は、表IVに示され前記第2の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レールの下流面の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される。
【0009】
本開示の一態様は、タービンブレードの先端シュラウドを含む。タービンブレードの先端シュラウドは、エアフォイルの半径方向外側端部においてエアフォイルに結合するように構成されたプラットフォームであって、前記エアフォイルは、正圧面と、前記正圧面に対して反対側の負圧面とを有する、プラットフォーム、前記プラットフォームから半径方向に延在する後部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの前記正圧面に位置する第1の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点とを有する、後部先端レール、及び前記後部先端レールの軸方向前方の位置において前記プラットフォームから半径方向に延在する前部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの正圧面に位置する第2の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点とを有する、前部先端レールを含み、前記後部先端レールは、前記エアフォイルの前記負圧面に位置する第3の原点であって、前記エアフォイルの前記負圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点を更に含み、前記後部先端レールの下流面は、表IIに示され前記第3の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値及び厚さに実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される。
【0010】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記タービンブレードは第2の段のブレードを含む。
【0011】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールの上流面は、表IIIに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの上流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0012】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールの前記下流面は、表IIIに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0013】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記前部先端レールの前記下流面は、表IVに示され前記第2の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レールの下流面の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される。
【0014】
本開示の別の態様は、タービンブレードの先端シュラウドを含む。タービンブレードの先端シュラウドは、エアフォイルの半径方向外側端部においてエアフォイルに結合するように構成されたプラットフォームであって、前記エアフォイルは、正圧面と、前記正圧面に対して反対側の負圧面とを有する、プラットフォーム、前記プラットフォームから半径方向に延在する後部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの前記正圧面に位置する第1の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点とを有する、後部先端レール、及び前記後部先端レールの軸方向前方の位置において前記プラットフォームから半径方向に延在する前部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの正圧面に位置する第2の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点とを有する、前部先端レールを含み、前記後部先端レールの上流面は、表IIIに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの上流面の表面プロファイルを画定するために線によって接続される。
【0015】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記タービンブレードは第2の段のブレードを含む。
【0016】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記前部先端レールの前記下流面は、表IVに示され前記第2の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レールの下流面の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される。
【0017】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールの下流面は、表Iに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0018】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールは、前記エアフォイルの前記負圧面に位置する第3の原点であって、前記エアフォイルの前記負圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点を更に含み、前記後部先端レールの下流面は、表IIに示され前記第3の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値及び厚さに実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される。
【0019】
本開示の一態様は、タービンブレードの先端シュラウドである。タービンブレードの先端シュラウドは、エアフォイルの半径方向外側端部においてエアフォイルに結合するように構成されたプラットフォームであって、前記エアフォイルは、正圧面と、前記正圧面に対して反対側の負圧面とを有する、プラットフォーム、前記プラットフォームから半径方向に延在する後部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの前記正圧面に位置する第1の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第1の原点とを有する、後部先端レール、及び前記後部先端レールの軸方向前方の位置において前記プラットフォームから半径方向に延在する前部先端レールであって、下流面と、前記下流面に対して反対側の上流面と、前記エアフォイルの正圧面に位置する第2の原点であって、前記エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第2の原点とを有する、前部先端レールを含み、前記前部先端レールの下流面は、表IVに示され前記第2の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、前部先端レールの下流面の表面プロファイルを画定するために互いに滑らかに結合される。
【0020】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記タービンブレードは第2の段のブレードを含む。
【0021】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールの下流面は、表Iに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0022】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールは、前記エアフォイルの前記負圧面に位置する第3の原点であって、前記エアフォイルの前記負圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する第3の原点を更に含み、前記後部先端レールの下流面は、表IIに示され前記第3の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値及び厚さに実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X及びYの値は、後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイルを画定するために滑らかに結合される。
【0023】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記後部先端レールの前記上流面は、表IIIに示され前記第1の原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備え、前記デカルト座標値は、X、Y、及びZの値に、距離の単位で表される前記後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値であり、X、Y、及びZの値は、後部先端レールの上流面の表面プロファイルを画定するために線により接続される。
【0024】
本開示に記載されている2つ以上の態様(本概要に記載されている態様を含む)を組み合わせて、本明細書に具体的に記載されていない実装を得ることができる。
【0025】
1つ以上の実装の詳細は、添付図面及び以下の発明を実施するための形態に記載されている。他の特徴、目的、及び利点は、発明を実施するための形態及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかである。
【0026】
本開示のこれらの特徴及び他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付図面と併せて、本開示の発明を実施するための形態の様々な態様から、より容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】例示的なターボ機械の概略側面断面図である。
図2図1のターボ機械で使用することができる4つの段を備えた例示的なタービン部の断面図である。
図3】本開示の様々な実施形態によるエアフォイルの半径方向外側端部に先端シュラウドを含む例示的なタービンブレードの斜視図である。
図4A】本開示の様々な実施形態による前部先端レールと後部先端レールとを含む先端シュラウドの側面斜視図である。
図4B】本開示の様々な実施形態による前部先端レールと後部先端レールとを含む先端シュラウドの概略上面図である。
図5】本開示の実施形態による、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウドの後方斜視図を示す。
図6】本開示の実施形態による、後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイル複数の点を含む先端シュラウドの後方斜視図を示す。
図7】本開示の実施形態による、後部先端レールの上流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウドの前方斜視図を示す。
図8】本開示の実施形態による、前部先端レールの下流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウドの背面斜視図を示す。
【0028】
本開示の図面は必ずしも同じ拡大率、縮小率で示されているわけではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。図面において、同様の符号は、図面間で同様の要素を表している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
最初に、本技術を明確に説明するために、ターボ機械内の関連する機械の構成要素に言及して説明するときに、特定の用語を選択することが必要になる。可能な限り、一般的な業界用語が、その業界で受け入れられている意味と一致する態様で使用され、採用される。特に明記しない限り、上記の用語は、本出願の文脈及び特許請求の範囲と一致する広い解釈を与えられるべきである。当業者は、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なる用語又は重複する用語を使用して言及される場合があることを理解する。本明細書において単一の部品として説明されているものは、別の文脈では、複数の構成要素を含むことがあり、複数の構成要素を含むものとして言及されることがある。あるいは、本明細書において複数の構成要素を含むものとして説明されているものは、他の箇所では単一の部品として言及されることがある。
【0030】
更に、本明細書では、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合があり、発明を実施するための形態の始めにこれらの用語を定義しておくことが有益である。これらの用語と用語の定義は、特に明記しない限り、以下の通りである。用語「前部の」、「前方の」、又は「前の」は、更に特定の限定をすることなく、エンジンのタービンの前部又は吸気端に近い方向を表し、「後部の」、「後方の」、又は「後の」は、更に特定の限定をすることなく、エンジンのタービンの後部又は排気端に近い方向を表す。「下流の」及び「上流の」は、タービンの前部から後部の全体の作業流体などの流体の流れに関する方向を示す用語である。用語「下流に」は流体の流れの方向又は流体の流れの方向に向かう方向に対応し、用語「上流に」は、その流体の流れとは反対の方向又は流体の流れの方向とは反対の方向に向かう方向を表す。
【0031】
中心軸に対して異なる半径方向の位置に配置された部品の説明を要求されることがある。用語「半径の」は、軸に対して垂直な動き又は位置を表す。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸の近くに存在している場合、本明細書では、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向内側」又は「内側」にあると記載される。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から遠くに存在する場合、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側」又は「外側」にあると記載することができる。用語「軸の」は、軸A(例えば、ロータシャフト110)に対して平行な動き又は位置を表す。最後に、用語「円周の」は、軸の周りの動き又は位置を表す。このような用語は、タービンの中心軸に関連して適用できることが理解される。
【0032】
更に、本明細書では、以下に説明するように、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合がある。用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために互換的に使用することができ、個々の構成要素の位置及び重要度を意味することを意図しているのではない。
【0033】
明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において、「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「この(the)」は、文脈が明らかに複数形を含むことを示していない限り、複数形を含むことを意図している。用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素が存在していることを述べているが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在及び追加を排除しないことが更に理解される。「任意の」又は「任意に」は、その後に記述される特徴が存在してもよいし存在しなくてもよいことを意味し、また、その記述が、その特徴が存在する例と、その特徴が存在しない例とを含むことを意味する。
【0034】
ある要素又は層が、別の要素又は層「に接触する」、「に係合されている」、「に接続されている」、又は「に結合されている」ものとして言及されている場合、他の要素又は層に、直接的に接触、係合、接続、又は結合していてもよいし、介在する要素又は層が存在していてもよい。対照的に、ある要素が、別の要素又は層「に直接的に接触」、「に直接的に係合」、「に直接的に接続」、又は「に直接的に結合」しているものとして言及されている場合、介在する要素又は層は存在していない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同じように解釈されるべきである(例えば、「間に」と「直接的に間に」、「隣接する」と「直接的に隣接する」など)。本明細書において、用語「及び/又は」は、列挙された関連する複数の項目のうちの1つ以上の項目のあらゆる組合せを含む。
【0035】
本開示の様々な態様は、回転するタービンロータブレード(以下、「ブレード」又は「タービンブレード」)の先端シュラウドの先端レールの表面プロファイルに関する。先端シュラウドの実施形態は、エアフォイルの半径方向外側端部においてエアフォイルに結合するように構成されたプラットフォームを含む。エアフォイルは、正圧面と、前記正圧面に対して反対側の負圧面とを有する。先端シュラウドは、プラットフォームから半径方向に延在する後部先端レールを含む。後部先端レールは、下流面と、前記下流側に対して反対側の上流面とを有する。また、後部先端レールは、エアフォイルの正圧面に位置する原点であって、エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する原点を有することができ、及び/又は、エアフォイルの負圧面に位置する原点であって、エアフォイルの負圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する原点を有することができる。また、先端シュラウドは、後部先端レールの軸方向前方の位置においてプラットフォームから半径方向に延在する前部先端レールを有する。前部先端レールは、下流面と、下流面に対して反対側の上流面とを有する。また、前部先端レールは、エアフォイルの正圧面に位置する別の原点であって、エアフォイルの正圧面から最も遠い半径方向最外側の点に位置する別の原点を有することができる。
【0036】
後部先端レールの下流面及び上流面、並びに/又は前部先端レールの下流面の表面プロファイルは、それぞれの表に示され選択された原点を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備える。デカルト座標値は、X、Y、Zの値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さを掛けることによって、距離に変換可能な0%から100%までの無次元値である。すなわち、表中の座標値は、後部先端レールのX方向の最小長さの百分率であり、したがって後部先端レールのX方向の実際の所望の最小長さを掛けると、先端シュラウドの表面プロファイルの実際の座標が後部先端レールのX方向の実際の所望の最小長さを有する。後部先端レール224の後部先端レールのX方向の最小長さ272(図4A)は、特定の位置に示されているが、後部先端レール224に沿う任意の場所にすることができる。いずれにせよ、X、Y、Zのデータ点は、先端シュラウドに適切な曲面を生成する既知の又は将来的に開発される任意の曲線フィッティング技術を使用して、先端レールの表面プロファイルが形成されるように互いに滑らかに(線及び/又は円弧で)結合することができる。曲線フィッティング技術には、外挿、補間、平滑化、多項回帰、及び/又は他の数学的曲線フィッティング関数が含まれるが、これらに限定されることはない。カーブフィッティング技術は、例えば、統計的ソフトウェア及び/又は数値解析ソフトウェアによって、手動で、及び/又は、コンピュータを使用して実行することができる。
【0037】
図面を参照すると、図1は、燃焼タービン又はガスタービン(GT)システム100(以下、「GTシステム100」)の形態の例示的なターボ機械90の概略図を示す。GTシステム100は、圧縮機部102及び燃焼器104を含む。燃焼器104は、燃焼領域105と、1つ以上の燃料ノズルを含むヘッドエンドアセンブリ106とを含む。また、GTシステム100は、タービン部108と、圧縮機/タービン共通ロータシャフト110(以下、「ロータシャフト110」と呼ぶ)を含んでいる。
【0038】
1つの非限定的な実施形態において、GTシステム100は、サウスカロライナ州グリーンビル(Greenville,S.C.)にあるゼネラル・エレクトリック・カンパニィ(General Electric Company)から市販されている9FBエンジンとすることができる。本開示は、任意の特定のGTシステムに限定されることはなく、他のエンジン(例えば、ゼネラル・エレクトリック・カンパニィの他のFB、HA、F、B、LM、GT、TM及びEクラスのエンジンモデル、ならびに他社のエンジンモデル)に実装してもよい。更に、本開示の教示は、必ずしもGTシステムのみに適用されるものではなく、他のタイプのターボ機械(例えば、蒸気タービン、ジェットエンジン、圧縮機など)に適用してもよい。
【0039】
図2は、4つの段L0~L3を有する例示的なタービン部108であって、図1のGTシステム100と共に使用することができるタービン部108の一部の側面断面図を示す。4つの段は、L0、L1、L2、及びL3で表されている。段L0は、第1の段であり、4つの段の中で(半径方向の大きさが)最小の段である。段L1は第2の段であり、軸方向において次の段である。段L2は第3の段であり、軸方向において次の段である。段L3は第4の最後の段であり、(半径方向の大きさが)最大の段である。4つの段は非限定的な一例として示されているにすぎず、各タービンは4つより多い段を有していてもよいし、4つより少ない段を有していてもよいことを理解すべきである。
【0040】
静止ベーン又は静止ノズル112のセットは、回転ブレード114のセットと協働して、タービン108の各段L0~L3を形成し、タービン108を貫通する流路の一部を画定する。各セットの複数の回転ブレード114は、それぞれのロータホイール116に結合されており、ロータホイール116は、複数の回転ブレードを円周方向に並ぶようにロータシャフト110に結合する。すなわち、複数の回転ブレード114は、各ロータホイール116に円周方向に間隔を空けて機械的に結合されている。静的ブレード部115は、ロータシャフト110の円周方向に間隔を空けて配置された静止ノズル112を含む。各ノズル112は、エアフォイル130に接続された少なくとも1つの端壁(又はプラットフォーム)120、122を含むことができる。図示の例では、ノズル112は、半径方向外側の端壁120と半径方向内側の端壁122とを含む。半径方向外側の端壁120は、ノズル112をタービン部108のケーシング124に結合する。
【0041】
動作においては、空気は圧縮機102を流れ、圧縮空気は燃焼器104に供給される。具体的には、圧縮空気は、燃焼器104に統合されたヘッドエンドアセンブリ106の燃料ノズルに供給される。ヘッドエンドアセンブリ106の燃料ノズルは、燃焼領域105と流体連通している。ヘッドエンドアセンブリ106内の燃料ノズルは、燃料源(図1には示されていない)にも流体連通しており、燃料と空気を燃焼領域105に送る。燃焼器104は燃料に点火し燃焼させる。燃焼器104は、タービン部108と流体連通しており、タービン部108で、ガス流の熱エネルギーが機械的な回転エネルギーに変換される。タービン部108は、ロータシャフト110に回転可能に結合されており、ロータシャフト110を駆動する。圧縮機102もロータシャフト110に回転可能に結合することができる。図示の実施形態では、複数の燃焼器104と複数のヘッドエンドアセンブリ106が含まれている。以下の説明では、特に断りのない限り、各構成要素のうちの1つのみを説明する。回転ロータシャフト110の少なくとも一端部は、GTシステム100から(例えば、タービン部108から)軸方向に離れるように延在し、発電機、負荷圧縮機、及び/又は別のタービンなどの負荷又は機械(図示せず)に取り付けることができる。尚、負荷又は機械は、発電機、負荷圧縮機、及び/又は別のタービンに限定されることはない。
【0042】
図3は、例示的なタービンロータブレード114をブレード200として詳細に示す斜視図である。説明の目的で、図面に記号が示されている。X軸が概ね軸方向に(すなわち、ロータシャフト110の軸A(図1)に沿って)延在し、Y軸がロータシャフト110の軸A(図1)に対して概ね垂直に延在し(円周面を示す)、Z軸がロータシャフト110の軸A(図1)に対して半径方向に延在する。記号の矢印は、座標値の正の方向を示している。
【0043】
ブレード200は、回転可能な(動的)ブレードであり、ブレード200は、タービンの1つの段(例えば、タービン部108の段L0~L3のうちの1つの段)においてロータシャフト110(図1)に対して円周方向に分散するように配置された複数のタービンロータブレード114のセットの一部である。すなわち、タービンの運転中、作動流体(例えば、ガス又は蒸気)がブレードのエアフォイルを横断すると、ブレード200は、ロータシャフト(例えば、ロータシャフト110)の回転を開始し、ロータシャフト110によって画定される軸Aを中心に回転する。ブレード200は、複数の類似の又は別個のブレード(例えば、ブレード200又は他のブレード)と結合して(締結具、溶接、スロット/溝などによって機械的に結合して)、タービン部の1つの段におけるブレードのセットを形成するように構成されていることが理解される。
【0044】
図2を参照すると、非限定的な様々な実施形態において、ブレード200は、第1段(L0)のブレード、第2段(L1)のブレード、第3段(L2)のブレード、又は第四段(L3)のブレードとして機能することができる。特定の実施形態では、先端シュラウド220は、第2段(L1)のブレードのブレード200の一部とすることができる。様々な実施形態において、タービン部108は、タービン部108の第1段(L0)のみにブレード200のセットを含んでいてもよいし、第2段(L3)のみにブレード200のセットを含んでいてもよいし、第3段(L2)のみにブレード200のセットを含んでいてもよいし、タービン108の第4段(L3)のみにブレード200のセットを含んでいてもよい。
【0045】
図3に戻る。ブレード200はエアフォイル202を含むことができ、エアフォイル202は、正圧面204と、正圧面204に対して反対側の負圧面206とを有する。また、ブレード200は、正圧面204と負圧面206との間に渡る前縁208と、前縁208に対して反対側の後縁210であって、正圧面204と負圧面206との間に渡る後縁210とを含むことができる。前述のように、エアフォイル202の正圧面204は一般に上流側を向いており、負圧面206は一般に下流側を向いている。
【0046】
図示されているように、ブレード200のエアフォイル202は、ルート端部212から半径方向外側端部218まで延在している。より詳細には、ブレード200はエアフォイル202を含み、エアフォイル202は、ルート端部213において端壁212に結合され、先端部又は半径方向外側端部218においてタービンブレード先端シュラウド220(以下、「先端シュラウド220」)に結合される。ルート端部213は、図3ではダブテール215を含むように図示されているが、ルート端部213は、ロータシャフト110に接続するように任意の適切な構成を有することができる。端壁212は、正圧面204、負圧面206、前縁208、及び後縁210の下でエアフォイル202と接続することができる。様々な実施形態において、ブレード200は、エアフォイル202の半径方向内側端部226に近接したフィレット214を含み、フィレット214はエアフォイル202と端壁212とを接続するようになっている。フィレット214としては、従来のMIG溶接、TIG溶接、ろう付けなどによって形成することができる溶接又はろう付けのフィレットがある。フィレット214は、インベストメント鋳造プロセス又は作成に組み込まれるような形態とすることができる。ルート端部212は、タービンロータシャフト(例えば、ロータシャフト110)の嵌合スロット(例えば、ダブテールスロット)に嵌合し、他のブレード200の隣接する構成要素と接続するように構成されている。ルート端部212は、エアフォイル202の半径方向内側に位置し、ロータシャフトに対して相補的な構成に形成されることが意図されている。
【0047】
先端シュラウド220は、正圧面204、負圧面206、前縁208、及び後縁210の上でエアフォイル202と接続する。様々な実施形態において、ブレード200は、エアフォイル202の半径方向外側端部218に近接したフィレット228を含み、フィレット228はエアフォイル202と先端シュラウド220とを接続するようになっている。フィレット228としては、従来のMIG溶接、TIG溶接、ろう付けなどによって形成することができる溶接又はろう付けフィレットがある。フィレット228は、インベストメント鋳造プロセス又は作成に組み込まれるような形態とすることができる。特定の実施形態において、フィレット214及び/又はフィレット228は、空気力学的効率を高める形状にすることができる。
【0048】
図4Aは、前部先端レール222及び後部先端レール224を含む先端シュラウド220の側面斜視図、図4Bは、先端シュラウド220の概略上面図であって、先端シュラウド220にエアフォイル202が重ねられた図、図5は、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウド220の後方斜視図、図6は、後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウド220の後方斜視図、図7は、後部先端レールの上流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウド220の後方斜視図、即ち、図である。図8は、前部先端レールの下流面の表面プロファイルの複数の点を含む先端シュラウド220の後方斜視図である。図面(例えば、図5図8)に示されたデータ点は、概略的に表されたものであり、以下に説明される表中のデータ点と一致しないことがある。
【0049】
X、Y及びZ方向を示す記号が各図に示されており、追加のラベルとして、「前方」、「後方」、正圧面「PS」及び負圧面「SS」がある。略記された正圧面「PS」の符号は、本明細書において、エアフォイル202の一般的な正圧面を示すために使用されることがあり、一方、数字の符号「204」は、エアフォイル202の側壁を示すことがある。同様に、略記された負圧面「SS」の符号は、本明細書において、エアフォイル202の一般的な負圧面を示すために使用されることがあり、一方、数字の符号「206」は、エアフォイル202の側壁を示すことがある。ここでも、記号の矢印は正の座標値の方向を示す。
【0050】
図3図8の全体を参照すると、先端シュラウド220は、エアフォイルの半径方向外側端部218においてエアフォイル202に結合するように構成されたプラットフォーム230を含むことができる。エアフォイル202は、前述のように、正圧面204と、正圧面204に対して反対側の負圧面206とを含む。プラットフォームは、後部先端レール224の下流側の後部232と、前部先端レール222と後部先端レール224との間の前部234とを含む。
【0051】
先端シュラウド220は、プラットフォーム230から半径方向に延在する後部先端レール224を含む。後部先端レール224は、上流面252と、上流面252に対して反対側の下流面254とを有する。後部先端レール224の上流面252は、概ね円周方向においてエアフォイル202の正圧面PSに面し、本明細書に記載される表面プロファイルに倣ってプラットフォーム230の前部234とスムーズに溶融する。同様に、後部先端レール224の下流面254は、概ね円周方向においてエアフォイル202の負圧面SSに面し、本明細書に記載される表面プロファイルに倣ってプラットフォーム230の後部232とスムーズに溶融する。
【0052】
図4A図5及び図7に示されるように、後部先端レール224は、エアフォイル202の正圧面PSにおいて、エアフォイル202の正圧面204(図2)から最も遠い半径方向最外側の点に、(第1の)原点又は点260も含んでいる。原点260は、後部先端レール224の上流面252に配置される。図4A図6及び図8に示されるように、後部先端レール224は、エアフォイル202の負圧面SSにおいて、エアフォイル202の負圧面206から最も遠い半径方向最外側の点に、(第3の)原点又は点262を含む。原点262は、後部先端レール224の下流面254に配置される。原点260は、本明細書に記載される特定の表面プロファイルの原点の役割を有しており、原点262は、本明細書に記載される他の特定の表面プロファイルの原点としての役割を有することができる。
【0053】
また、先端シュラウド220は、後部先端レール224の軸方向前方の位置においてプラットフォーム230から半径方向に延在する前部先端レール222を含んでいる。前部先端レール222は、上流面256と、上流面256に対して反対側の下流面258とを有する。前部先端レール222の上流面256は、概ね円周方向において、エアフォイル202の正圧面PSに面している。前部先端レール222の下流面258は、概ね円周方向において、エアフォイル202の負圧面SSに面し、本明細書に記載された表面プロファイルに従って、プラットフォーム230の前部234とスムーズに溶融する。図4A図5及び図8に示されるように、前部先端レール222は、エアフォイル202の正圧面PSにおいて、エアフォイル202の正圧面204(図2)から最も遠い半径方向最外側の点に、(第2の)原点又は点270も含んでいる。原点270は、前部先端レール222の上流面256に配置される。原点270は、本明細書に記載される特定の表面プロファイルの原点の役割を有することができる。
【0054】
図4A図5及び図7は、更に説明されるように、先端シュラウド220の様々な表面プロファイルのデカルト座標値を、無次元で大きさを変更可能にする(及びその逆に、無次元のデカルト座標値を先端シュラウドの実際の座標値にする)ために使用することができる正規化パラメータのセットも示している。図4A図5及び図7に示すように、「後部先端レールのX方向の最小長さ」272は、後部先端レールの上流面252と後部先端レールの下流面254との間のX方向(すなわち、X軸に沿うロータシャフト110(図1)の軸Aに平行な方向)の最小距離である。図では、特定の位置について示されているが、後部先端レールのX方向の最小長さ272は、上流面252及び下流面254を含む後部先端レール224の軸方向長さに沿う任意の位置に設けられる(すなわち、後部先端レール224の角度のついた端部は排除される)ことが認識される。
【0055】
次に、図4A図5図8を参照して、本開示の実施形態による先端シュラウド220の様々な表面プロファイルを説明する。表面プロファイルはそれぞれ、複数の表、すなわち、表I、表II、表III、及び表IVに列挙されたX、Y、Z座標の形態で特定されている。表I~IVのX、Y、Z座標値は、正規化又は無次元化された形で0%~100%の値で表されているが、パーセンテージと比率が維持される限り、どの座標値であっても又は全ての座標値は、距離単位で表現できることは明らかである。表I-IVのX値、Y値、Z値を、それぞれのデータ点において関連する原点(例えば、後部先端レール224の原点260、262、又は前部先端レール222の原点270)からの実際のX座標値、Y座標値、又はZ座標値に距離単位(インチ又はメートルなど)で変換するために、表I-IVで与えられる無次元値に正規化パラメータ値を掛けることができる。前述のように、本明細書で使用される正規化パラメータは、後部先端レールのX方向の最小長さ272である。いずれにせよ、前述のように、Xデータ点、Yデータ点、Zデータ点を互いに(線及び/又は円弧で)滑らかに結合して、先端シュラウドに適した曲面を生成する既知の又は将来的に開発される任意の曲線フィッティング技術を使用することにより先端レールの表面プロファイルを形成することができる。曲線フィッティング技術としては、外挿、補間、平滑化、多項回帰、及び/又は他の数学的曲線フィッティング関数があるが、これらに限定されることはない。曲線フィッティング技術は、例えば、統計的ソフトウェア及び/又は数値解析ソフトウェアを用いて、手動で及び/又はコンピュータで実行することができる。
【0056】
表I~表IVの値は無次元化された値であり、この値は、周囲条件、非動作条件、又は非高温条件における先端シュラウド220の様々な公称表面プロファイルを決定するために生成され、小数点以下3桁まで示されている。表の値は、如何なるコーティングも考慮していないが、実施形態では他の条件及び/又はコーティングを考慮することがある。ある実施形態では、典型的な製造公差及び/又はコーティングの厚さを許容するために、正規化パラメータ(すなわち、後部先端レールのX方向の最小長さ)に±値を加えることができる。例えば、一実施形態では、±15パーセントの公差を後部先端レールのX方向の最小長さに適用して、低温又は室温における応力緩和構造の表面プロファイルのエンベロープを画定することができる。他の実施形態では、典型的な製造公差及び/又はコーティング厚さを許容するために、表I-IVに列挙した値に±値を加えることができる。一実施形態では、約10%の公差を適用することができる。例えば、表面プロファイルのX値に適用される約10パーセントの公差は、低温又は室温におけるX値を画定することができる。言い換えれば、X方向における位置の約10パーセントの距離は、本開示によって具体化される特に低温又は室温において、実際の先端シュラウド表面上の測定点と、測定点の理想的な位置との間の変動範囲を画定することができる。本明細書で具体化されるような先端シュラウドの表面プロファイル構成は、機械的及び空気力学的な機能を損なうことなく、この変動範囲に対して頑健性がある。
【0057】
表面プロファイルは、動作に支障をきたすことなく、(例えば、幾何学的に)大きく又は小さくスケーリングすることができる。このようなスケーリングは、正規化された値/無次元化された値に共通のスケーリング係数(すなわち、正規化パラメータの実際の所望の距離)を掛けることによって容易に行うことができ、このスケーリング係数は、例えば、必要に応じて、所与の先端レール軸方向長さ又は後部先端レールのX方向の最小長さの先端シュラウドに元々使用されていた可能性のある距離単位よりも大きい又は小さい距離単位とすることができる。例えば、表Iの無次元化された値(特に、X値及びY値)に、2、0.5のスケーリング係数、又は関連する正規化パラメータの他の所望のスケーリング係数を一様に掛けることができる。様々な実施形態において、X距離、Y距離、及びZ距離は、拡大された又は縮小された先端シュラウドが提供されるように、同じ定数又は値(例えば、後部先端レールのX方向の最小長さ)の関数としてスケーリング可能である。あるいは、値に、更に大きい又は小さい所望の定数を掛けることができる。
【0058】
図5は、後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイルを画定する複数のX座標点、Y座標点、及びZ座標点を示す。この実施形態では、第1の下流面の表面プロファイルは、後部先端レール224の正圧面(PS)端部の近くのプロファイルである。以下に説明するように、後部先端レール224は、他のデカルト座標によって画定される第2の下流面の表面プロファイルを有することもできる。
【0059】
一実施形態では、後部先端レール224の下流面254は、表I(下記)に記載され原点260を起点としたX、Y、及びZのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を(正圧面の端部において)備えている。デカルト座標値は、X値、Y値、Z値に、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%までの無次元値である。すなわち、X座標、Y座標、及びZ座標の正規化パラメータは、後部先端レールのX方向の最小長さ272である。拡大又は縮小する場合、表IのX座標値、Y座標値、及びZ座標値に、実際の所望の後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けて、後部先端レール224の下流面254の正圧面の近くの表面プロファイルの対応する実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値を特定することができる。全体として、作成された実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値は、先端シュラウドの任意の所望のサイズにおいて、本開示の実施形態に従って、後部先端レールの第1の下流面254の表面プロファイルを特定する。図5に示すように、X値、Y値、及びZ値は、後部先端レールの第1の下流面254の表面プロファイルを画定するために、線によって接続することができる。点は、後部先端レール224及び/又はプラットフォーム230の後部232の表面を含むことができる。
【0060】
表I-後部先端レールの第1の下流面の表面プロファイル[無次元化値]


【0061】
図6は、後部先端レールの第2の下流面254の表面プロファイルを画定する多数のX座標点、Y座標点、及びZ座標点を示す。この実施形態では、第2の下流面の表面プロファイルは、後部先端レール224の負圧面(SS)の端部の近くを表している。前述のように、後部先端レール224は、エアフォイル202の負圧面SSにおいて、エアフォイル202の負圧面206(図3)から最も遠い半径方向最外側の点に、原点262を含んでいる。
【0062】
この実施形態では、後部先端レール224の負圧面端部の近くの後部先端レール224の下流面254は、表II(下記)に示され、原点262を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備えている。デカルト座標値は、X、Y、及びZに距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けることによって距離に変換することができる0%から100%の無次元値である。ここでも、X座標、Y座標、及びZ座標の正規化パラメータは、後部先端レール224の後部先端レールのX方向の最小長さ272である。拡大又は縮小する場合、表IIのX座標値、Y座標値、及びZ座標値に、後部先端レール224の所望の後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けて、後部先端レールの第2の下流面254の表面プロファイルの対応する実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値を特定することができる。全体として、作成された実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値は、任意の所望のサイズの先端シュラウドにおいて、本開示の実施形態に従って、後部先端レールの第2の下流面254の表面プロファイルを特定する。図6に示すように、X値、Y値、及びZ値は、後部先端レールの第2の下流面254の表面プロファイルを画定するために、線によって接続することができる。点は、後部先端レール224及び/又はプラットフォーム230の後部232の表面を含むことができる。
【0063】
表II-後部先端レールの第2の下流面の表面プロファイル[無次元化値]

【0064】
別の実施形態において、先端シュラウド220は、表I及び表IIに関して本明細書に記載されるように、後部先端レール224の第1の下流面の表面プロファイルと第2の下流面の表面プロファイルの両方を含むこともできる。
【0065】
図7は、後部先端レールの上流面252の表面プロファイルを画定する多数のX座標点、Y座標点、及びZ座標点を示す。この実施形態では、上流面252の表面プロファイルは、後部先端レール224の正圧面(PS)端部の近くを表している。
【0066】
後部先端レール224の上流面252は、表III(下記)に示され、原点260を起点とするX、Y、Zのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備えている。デカルト座標値は、X、Y、及びZに距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けることによって距離に変換することができる0%から100%の無次元値である。ここでも、X座標、Y座標、及びZ座標の正規化パラメータは、後部先端レール224の後部先端レールのX方向の最小長さ272である。拡大又は縮小する場合、表IIIのX座標値、Y座標値、及びZ座標値に、後部先端レール224の所望の後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けて、後部先端レールの上流面252の表面プロファイルの対応する実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値を特定することができる。全体として、作成された実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値は、任意の所望のサイズの先端シュラウドにおいて、本開示の実施形態に従って、後部先端レールの上流面252の表面プロファイルを特定する。図7に示すように、X値、Y値、及びZ値は、後部先端レールの上流面252の表面プロファイルを画定するために、線によって接続することができる。点は、後部先端レール224及び/又はプラットフォーム230の前部234の表面を含むことができる。
【0067】
表III-後部先端レールの上流面の表面プロファイル[無次元化値]

【0068】
別の実施形態において、先端シュラウド220は、本明細書において表I及びIIに関連して記載されているように、後部先端レール224の第1及び/又は第2の下流面254の表面プロファイル、及び/又は本明細書において表IIIに関連して記載されているように、後部先端レール224の上流面252の表面プロファイルを含むこともできる。
【0069】
図8は、前部先端レールの下流面258の表面プロファイルを画定する多数のX座標点、Y座標点、及びZ座標点を示す。この実施形態では、前部先端レール222の下流面の表面プロファイルは、前部先端レール222の正圧面PSの端部と負圧面SSの端部との間である。前述のように、前部先端レール222は、エアフォイル202の正圧面PSにおいて、エアフォイル202の正圧面204(図3)から最も遠い半径方向最外側の点に原点270を含む。
【0070】
この実施形態では、前部先端レール222の下流面258は、表IV(下記)に記載され原点270を起点としたX、Y、Zのデカルト座標値に実質的に従った公称プロファイルを有する形状を備えている。デカルト座標値は、X、Y、及びZに、距離の単位で表される後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けることによって距離に変換可能な0%から100%の無次元値である。ここでも、X座標、Y座標、及びZ座標の正規化パラメータは、後部先端レール224における後部先端レールのX方向の最小長さ272である。拡大又は縮小する場合、表IVのX座標値、Y座標値、及びZ座標値に、後部先端レール224における所望の後部先端レールのX方向の最小長さ272を掛けて、前部先端レールの下流面258の表面プロファイルの対応する実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値を特定することができる。全体として、作成された実際のX座標値、Y座標値、及びZ座標値は、先端シュラウドの任意の所望のサイズにおいて、本開示の実施形態に従って、前部先端レールの下流面258の表面プロファイルを特定する。図8に示すように、X値、Y値、及びZ値は、前部先端レールの下流面258の表面プロファイルを画定するために、線によって接続することができる。点は、前部先端レール222及び/又はプラットフォーム230の前部234の表面を含むことができる。
【0071】
表IV-前部先端レールの下流面の表面プロファイル[無次元化値]
【0072】
別の実施形態において、先端シュラウド220は、表I及び表IIに関連して本明細書に記載されるように、後部先端レール224の第1及び/又は第2の下流面254の表面プロファイル、及び/又は表IIIに関連して本明細書に記載されるように、後部先端レール224の上流面252の表面プロファイル、及び/又は表IVに関連して本明細書に記載されるように、前部先端レール222の下流面258の表面プロファイルを含むことができる。
【0073】
それぞれの表からのX、Y、Zのデータ点は、先端シュラウドに適切な曲面を生成する既知の又は将来的に開発される任意の曲線フィッティング技術を使用して、互いに滑らかに(線及び/又は円弧で)結合し、後部先端レールの(2つの)下流面及び上流面、並びに前部先端レールの下流面の表面プロファイルを形成することができる。曲線フィッティング技術として、外挿、補間、平滑化、多項回帰、及び/又は他の数学的曲線フィッティング関数があるが、これらに限定されることはない。曲線フィッティング技術は、例えば、統計的ソフトウェア及び/又は数値解析ソフトウェアによって、手動で、及び/又は、コンピュータを使用して実行することができる。
【0074】
本開示の実施形態は、先端シュラウド及び/又は先端シュラウドの先端レールの空気力学特性を改善する表面プロファイルであって、システム及びタービンの動作、性能、推力、効率、信頼性、及び出力における損失を低減する表面プロファイルを提供する。
【0075】
本開示の装置及びデバイスは、特定のターボ機械、エンジン、タービン、ジェットエンジン、発電システム、又は他のシステムに限定されることはなく、航空機システム、発電システム(例えば、単純サイクル、複合サイクル)、及び/又は他のシステム(例えば、原子炉)などのターボ機械と共に使用することができる。更に、本開示の装置は、本明細書に記載されていない他のシステムであって、本明細書に記載された装置及びデバイスの効率の向上の利益を受けることができる他のシステムと共に使用することができる
【0076】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくとも一部の例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応する場合がある。ここに記載されたこと並びに本明細書及び特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせること及び/又は置き換えることが可能である。文脈又は文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含される全ての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「実質的に」は、当該範囲の両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0077】
特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素全ての、対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、又は動作を包含することを意図している。本開示の記載は、例示及び説明の目的で提示されており、可能な全てのものを含んでいることも、開示された形態で本開示に限定することも意図するものではない。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの改変及び変形が明らかである。本開示の原理及び実際の用途を最適に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な修正を加えた様々な実施形態について本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態が選択され、かつ記載された
【符号の説明】
【0078】
90 ターボ機械
100 ガスタービンシステム
102 圧縮機
104 燃焼器
105 燃焼領域
106 ヘッドエンドアセンブリ
108 タービ
110 ロータシャフト
112 静止ノズル
114 回転ブレード
115 静的ブレード部
116 ロータホイール
120、122 端
124 ケーシング
130、202 エアフォイル
200 ブレード
204 正圧面
206 負圧面
208 前縁
210 後縁
213 ルート端部
214、228 フィレット
215 ダブテール
218 半径方向外側端部
220 先端シュラウド
222 前部先端レール
224 後部先端レール
226 半径方向内側端部
230 プラットフォーム
232 後部
234 前部
252、256 上流面
254、258 下流面
260、262、270 原点
272 最小長さ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】