IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッドの特許一覧

特開2024-88655放射線の定量化のための新しい線量測定装置
<>
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図1
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図2
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図3
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図4
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図5
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図6
  • 特開-放射線の定量化のための新しい線量測定装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088655
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】放射線の定量化のための新しい線量測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/04 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
G01T1/04
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024043300
(22)【出願日】2024-03-19
(62)【分割の表示】P 2021500051の分割
【原出願日】2019-06-28
(31)【優先権主張番号】62/694,291
(32)【優先日】2018-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】596121138
【氏名又は名称】アイエスピー インヴェストメンツ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ロバート クローン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ケイ フッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放射線源から放出された放射線の線量を定量化するための線量測定装置を提供する。
【解決手段】線量を定量化するための線量測定装置は、(i)放射線量インジケータ、(ii)色の変化をキャプチャするための光学的手段、および(iii)線量インジケータの光学密度を所定の検量線と比較するためのソフトウェア手段を備え、放射線源から放出された放射線の線量を定量化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から放出された放射線の線量を定量化するための線量測定装置であって、該装
置は、
(i)放射線を測定し、放出された放射線の量を色の変化として視覚的に表す放射線感
受性組成物を含む放射線量インジケータ、
(ii)放射線に被爆後の前記放射線量インジケータの色の変化をキャプチャするための
光学的手段、および
(iii)前記放射線源から放出された放射線量を定量化するために、前記放射線量イン
ジケータの光学密度を、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して作成された所定の
検量線と比較するソフトウェア手段、
を備える、ことを特徴とする線量測定装置。
【請求項2】
前記放射線感受性組成物が、ポリアセチレン、リチウム、ナトリウム、カリウム、また
はポリアセチレンの亜鉛塩から調製された放射線感受性フィルムである、請求項1に記載
の線量測定装置。
【請求項3】
前記放射線感受性フィルムが、毎秒約0.01グレイ(Gy)から毎秒約10,000
グレイ(Gy)の放射線量範囲を有する、請求項2に記載の線量測定装置。
【請求項4】
前記放射線感受性フィルムがラジオクロミックフィルムである、請求項2に記載の線量
測定装置。
【請求項5】
前記放射線感受性組成物がマーカを含む、請求項1に記載の線量測定装置。
【請求項6】
前記マーカが染料または顔料である、請求項5に記載の線量測定装置。
【請求項7】
前記インジケータの色の変化をキャプチャするための光学的手段が、スマートフォンカ
メラ、高精細カメラ、拡大カメラ、拡大顕微鏡、濃度計、イメージスキャナー、ビデオカ
メラ、TVカメラ、または光学イメージングデバイスからなる群から選択される、請求項1
に記載の線量測定装置。
【請求項8】
前記ソフトウェアが、前記色変化を色空間の形態で特徴付け、識別された色空間を数値
線量測定データセットに変換し、そのデータを所定の色対放射線量応答データと比較する
、定量化アルゴリズムに基づくソフトウェアプログラムを含む、請求項1に記載の線量測
定装置。
【請求項9】
前記線量測定データは、複数の情報ネットワークおよびソフトウェア管理ツールにアク
セス可能なクラウドにアップロードされる、請求項8に記載の線量測定装置。
【請求項10】
前記線量測定装置は、規制に準拠し、血液バッグ内の血液の安全な貯蔵に使用される、
請求項1に記載の線量測定装置。
【請求項11】
(i)放射線源から放出された放射線を測定し、放出された放射線の量を色の変化とし
て視覚的に表す放射線感受性組成物を含む放射線量インジケータ、 (ii)放射線に被爆
後の放射線量インジケータの色の変化をキャプチャするための光学的手段、および(iii
)放射線源から放出された放射線量を定量化するために、線量インジケータの光学密度を
、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して作成された所定の検量線と比較するソフ
トウェア手段を備えた線量測定装置の使用であって、前記測定装置が表面および溶液の滅
菌、医療画像、医療または産業機器の品質保証試験、UV光測定、食品加工および貯蔵、
放射線感受性材料の輸送、または血液貯蔵に使用されることを特徴とする、線量測定装置
の使用。
【請求項12】
放射線源から放出される放射線の線量を定量化する方法であって、該方法は、
(i)放射線を測定し、放出された放射線の量を視覚的に色の変化として表す放射線感受
性インジケータを備える線量測定装置を放射線に曝すステップ、
(ii)光学的手段を使用して放射線に曝された後の線量インジケータの色の変化をキャ
プチャするステップ、および
(iii)線量インジケータの光学密度を、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して
作成された所定の検量線と比較して、放射線源から放出される放射線の線量を定量化する
ステップ、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記所定の検量線が、毎秒約0.01グレイ(Gy)から毎秒約2000グレイ(Gy)
の放射線量範囲を有するラジオクロミックフィルムの光学濃度-赤色であり、前記光学的
手段が写真濃度計である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記所定の検量線が、毎秒約0.01グレイ(Gy)から毎秒約2000グレイ(Gy)
の放射線量範囲を有するラジオクロミックフィルムの光学濃度-赤色であり、光学的手段
が、スマートフォンである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
図1から図7に示す線量測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、放射線感受性組成物、光学的手段、および放射線源から放出される放射線の
線量を定量化するためのソフトウェア手段を含む線量測定装置に関する。本出願はさらに
、様々な医療、食品および産業用途における前記線量測定装置の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な発生源から放出される放射線の定量化は重要な機能であり、医療、研究、食品貯
蔵、放射性物品の輸送、および生産活動においていくつかの用途が見出されている。線量
計は、電離放射線への曝露を指示または測定するために使用される装置の1つです。これ
は、容易に確認することができ、時には分光光度計を使用せずに色の視覚的変換を示すこ
とができるプレートとしてまたは他の任意の形状物として入手し得る固体物体である。現
在、熱ルミネッセンス線量計(TLD)、光刺激ルミネッセンス(OSL)、放射線ルミ
ネッセンスガラス(RLG)、X線フィルム、トラックエッチングなどのいくつかのタイ
プの線量計が市場で入手可能である。通常、これらは、X線、ガンマ線、高速電子などの
医療用および産業用放射線の両方を測定および監視するために使用されている。
【0003】
低線量を監視するための色変化/開発中の自己指示即時放射線警報線量計(SIRAD)
は、例えば、ニュージャージー州のJP Laboratories Inc.によって
商標SIRAD(登録商標)で商業的に販売されている。線量計SIRADには、ジアセ
チレンの無色の固体モノマーなどの高分子材料で作られた検知ストリップがある。それら
は通常、X線、ガンマ線、電子、中性子などの高エネルギー放射線が照射されると、赤色
または青色のポリマー/プラスチックを形成する。放射線への曝露が増えると、ジアセチ
レンを含む検知ストリップの色が線量に比例して強くなる。
【0004】
米国特許第8,242,464号[Gordhanbai N.Patel/JP Lab
sに譲渡]は、自己指示放射線センサーとユーザが線量を即座に推定可能にするリーダー
を含む同定パーソナル線量計を開示している。
【0005】
米国特許第10,060786号[L′Orealに譲渡]は、UV測定装置と、UV
放射をキャプチャし、ユーザのUV曝露の危険レベルに関する特定の情報を受信する端末
装置を含むパーソナル紫外線(UV)放射測定システムを開示している。
【0006】
RadSure(登録商標)照射インジケータは、Ashland Specialt
y Ingredients Inc.によって販売されている一種の線量測定装置で、照
射の陽性視覚確認を提供する。血液製剤に貼付されると、RAD-SURE(登録商標)
インジケータは血液製剤が照射されたかどうかを示す。血液製剤とそれに添付されたイン
ジケータが照射される前は、インジケータは「NOT IRRADIATED(未照射)
」と読み取れる。照射後は、インジケータウィンドウの「NOT」という単語は隠され、イ
ンジケータは「IRRADIATED(照射済み)」と読み取れる。図1に示すように、
RADTAG(登録商標)およびONPOINT(登録商標)の商品名で市販されている
インジケータがいくつかある。
【0007】
放射線の危険性についてユーザに警告するために照射量の識別、汚染の低減、安全保護
温度及び視覚的識別手段について多くの変更がインジケータに加えられている。しかし、
放射線源から放出される実際の放射線量を測定する正確なメカニズムはない。
【0008】
したがって、当技術分野では、使用者の位置で実際の放射線(X線またはガンマ線)曝
露を定量化し、使用者に関する詳細な情報を提供することができる線量測定装置が必要と
されている。
【0009】
驚くべきことに、我々の線量測定装置は、放射線源から放出された実際の放射線を高精
度で定量化する。
【発明の概要】
【0010】
本発明の一態様では、本明細書において、放射線源から放出された放射線の線量を定量
化するための線量測定装置が提供され、この装置は、(i)放射線を測定し、放出された
放射線の量を色の変化として視覚的に表す放射線感受性組成物を含む放射線量インジケー
タ、(ii)放射線に被爆後の放射線量インジケータの色の変化をキャプチャするための光
学的手段、および(iii)放射線源から放出された放射線量を定量化するために、放射線
量インジケータの光学密度を、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して作成された
所定の検量線と比較するソフトウェア手段を備える。
【0011】
別の態様では、本明細書において、(i)放射線源から放出された放射線を測定し、放
出された放射線の量を色の変化として視覚的に表す放射線感受性組成物を含む放射線量イ
ンジケータ、(ii)放射線に被爆後の放射線量インジケータの色の変化をキャプチャする
ための光学的手段、および(iii)放射線源から放出された放射線量を定量化するために
、線量インジケータの光学密度を、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して作成さ
れた所定の検量線と比較するソフトウェア手段を備えた線量測定装置を、表面および溶液
の滅菌、医用画像、医用または産業機器の品質保証試験、UV光測定、食品加工および貯
蔵、放射線感受性材料の輸送、または血液貯蔵に使用することが提供される。
【0012】
さらに別の態様では、本明細書において、放射線源から放出された放射線の線量を定量
化する方法が提供され、この方法は、(i)放射線を測定し、放出された放射線の量を視
覚的に色の変化として表す放射線感受性インジケータを備える線量測定装置を放射線に曝
すステップ、 (ii)光学的手段を使用して放射線に曝された後の線量インジケータの色
の変化をキャプチャするステップ、および(iii)線量インジケータの光学密度を、パー
セント光学密度対累積放射線量を使用して作成された所定の検量線と比較して、放射線源
から放出される放射線の線量を定量化するステップを含む。
【0013】
さらに別の態様では、本明細書において、図1図7に示されるような線量測定装置が
提供される。
【0014】
本発明は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明からよりよく理解される。一
般的な慣例に従い、図面のさまざまな特徴は寸法通りでないことが強調される。それどこ
ろか、さまざまな特徴の寸法は、明確さのために任意に拡大または縮小されている。図面
には次の図が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】RadTag(登録商標)インジケータ(上)およびOnpoint(登録商標)のインジケータ(下)の絵図である。
図2】新Rad-Sure(登録商標)の絵図である。
図3】X線キャビネット内の10Gy照射前(左)および後(右)のGafchromic(登録商標)フィルム#1の製品試験アセンブリの絵図である。
図4】フィルム対X線露光レベルの比較光学密度測定値のグラフ表示である。
図5】様々な程度のX線放射線曝露(フラッシュなし)に対するGafkromic(登録商標)フィルム#1の応答のグラフィック表示である。
図6】アイフォンでキャプチャされた画像からのGafkromic(登録商標)フィルム#1RGBデータのグラフィック表示である。
図7】放射線量測定装置の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明は、例示的なものにすぎず、改善された正確な放射線定量化機能を可
能にする開示の線量計に限定することを意図するものではない。本発明の範囲に含まれる
多くの変更が当業者によって導き出され得る。様々な代替実施形態および好ましい実施形
態の以下の詳細な考察は本発明の一般的な原理を説明するものである。
【0017】
本開示で使用される以下の用語は、特に明記しない限り、以下の意味を有するものと理
解されたい。
【0018】
本明細書で使用される、パーセント、部分、割合、および比率は、特に明記しない限り
、全組成物の重量によるものである。記載されている成分に関連するすべてのそのような
重量は、活性レベルに基づいているため、特に指定のない限り、市販の材料に含まれる可
能性のある溶媒や副産物を含まない。
【0019】
本明細書で使用される場合、「備える」(およびその任意の活用形)、「有する」(お
よびその任意の活用形)、「含む」(およびその任意の活用形)または「含有する」(お
よびその任意の活用形)は限定を意味するものではない。
【0020】
本明細書で引用されるすべての刊行物、記事、論文、特許、特許文献、および他の参考
文献は、本明細書の開示と一致する範囲で、すべての目的のためにその全体が本明細書に
組み込まれる。
【0021】
本明細書で使用される「色空間」という用語は、一般に、色モデル(または表色系)を
指し、色の範囲をタプルまたは数として、典型的には3または4の値または色成分(例:
RGB)として簡潔に記述する抽象的な数学モデルである。システム内の各色はドットで
表される。色空間を定義する場合、通常の参照基準はCIELABまたはCIEXYZ色
空間である。これらは、平均的な人間の目が見ることができるすべての色を網羅するよう
に特別に設計されている。
【0022】
本明細書で使用される「Gafkromic(登録商標)フィルム」という用語は、一
般に、高エネルギー光子の吸収線量の定量測定用に設計されたラジオクロミック線量測定
フィルムを指す。主な技術的特徴は次のとおりである。(i)ダイナミック線量範囲:1
0Gyから1000Gy;(ii)曝露後治療なしのリアルタイム現像;(iii)エネルギ
ー依存性:100keVからMV範囲までの最小応答差;(iv)ほぼ組織等価; (v)高
い空間分解能(5μm以下の特徴を解像できる);(vi)低エネルギー光子および電子の検
出のために曝されるアクティブコーティング;(vii)活性層にマーカ色素を組み込んだ
独自の新技術:トリプルチャネル線量測定の使用による不均一性補正の可能化およびUV
/光感度の低減;(viii)60℃までの温度安定性。
【0023】
本明細書で使用される「電離放射線」という用語は、一般に、原子が電子を失い、帯電
またはイオン化されるのに十分高いエネルギーレベルを有する放射線を指す。電離放射線
は、アルファおよびベータ粒子、陽子および中性子などの高エネルギー粒子の形態、また
はガンマ線やX線などの電磁波の形態であり得る。高エネルギー粒子および電磁波は、崩
壊している放射性原子の核から放出されるか、加速された電子を金属ターゲットに衝突さ
せることによって生成され得る。
【0024】
本明細書で使用される「放射線検出媒体」という用語は、一般に、放射線に曝されたと
きに検出可能な変化を受ける媒体を指す。その変化はすぐに目視できる場合もあれば、現
像処理が必要な場合もある。
【0025】
本明細書で使用される「ラジオクロミックフィルム」またはフィルムという用語は、一
般に、電離放射線に曝されると色が変化し、可視画像を生成するが、可視光または他のタ
イプの非電離放射線に曝されてもわずかな変化しか生じないフィルムを指す。このフィル
ムは、化学的または物理的な処理を必要としない。
【0026】
本明細書で使用される「Rad-Sure(登録商標)」という用語は、最小指定線量
での照射の肯定的な視覚的検証を提供する血液照射インジケータである。Rad-Sur
e(登録商標)インジケータには、ガンマ線とX線の2種類がある。ガンマはセシウム13
7またはコバルト60放射線源と互換性があり、X線は0.38mmの銅でろ過された1
60kVpの線源または1mmのアルミニウムでろ過された150kVpの線源から生成
されたX線を利用するX線照射装置と互換性がある。Gafchromic(登録商標)フ
ィルムから製造された世界最高解像度の線量計Rad-Sure(登録商標)は、25年
以上にわたって血液照射インジケータの標準となっている。
【0027】
一実施形態では、本出願は、(i)放射線を測定し、放射線源から放出された放射線の
量を色の変化として視覚的に表す放射線感受性組成物を含む放射線線量インジケータ、(
ii)放射線に曝露後の線量インジケータの色の変化をキャプチャする光学的手段、および
(iii)放射線源から放出された放射線の線量を定量化するために、線量インジケータの
光学密度を、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して作成された所定の検量線と比
較するソフトウェア手段を備えた線量測定装置を提供する。
【0028】
したがって、放射線量インジケータは、放射線を測定し、放射線の変化を示す放射線感
受性組成物を含む。放射線感受性組成物は、放射線感受性フィルム、放射線感受性パッチ
、または放射線源から放出される放射線を検出できる他の任意のデバイスから選択される
【0029】
したがって、放射線感受性組成物は、ラジオクロミックフィルムなどの放射線感受性フィ
ルムを含み、電離放射線に曝されると即座に色が変化し、化学処理を必要としないフィル
ムがラジオクロミックフィルムである。これらのフィルムは、少なくとも0.025mm
のレベルに達する非常に高い空間分解能で広く認識されている。ラジオクロミックフィル
ムの別の利点は、吸収した放射線量が組織によって吸収された線量を真に反映するという
その組織等価性にある。ラジオクロミックフィルムの検知ストリップで使用される材料は
、次の一般式で表されるジアセチレンと呼ばれるユニーククラスの化合物である。
【化1】
ここで、RおよびR11は置換基である。ジアセチレンは無色の固体モノマーである
。それらは通常、次の一般的式で表される赤色または青色のポリマーを形成する。
【化2】
ここで、nは、X線、ガンマ線、電子、中性子などの高エネルギー放射線で照射されたと
きのモノマー単位の数である。露光量が増えると、ジアセチレンを含む検知ストリップの
色が線量に比例して強くなる。
【0030】
したがって、市販のラジオクロミックフィルムモデルは、Ashland Speci
alty Ingredients Inc.によって、Gafchromic(登録商
標)の商品名で製造されている。現在使用されているラジオクロミックフィルムは、HD
-V2、EBT3、EBT-XD、MD-V3、RTQA2、XR-QA2、XR-CT
2、XR-M2、およびXR-RV3から選択することができる。
【0031】
したがって、ラジオクロミックフィルムは、約0.1~約10,000グレイ(Gy)
単位/秒の範囲から選択される放射線量範囲を有する。
【0032】
したがって、ラジオクロミックフィルムは、ポリマーマトリックス中に分散され、ポリ
エステルフィルムベースにコーティングされた放射線感受性モノマーの微粒子である活性
成分を有するGafkromic(登録商標)フィルムである。活性モノマー成分が電離
放射線に曝されると、重合反応が開始され、染料ポリマーが生成される。このポリマーは
本質的に染料であるため、露光によりフィルム内で着色が生じる。
【0033】
別の実施形態では、カラーインジケータにマーカとして機能する染料または顔料の組み
合わせを含めてもよい。その結果、放射線源から放射線が放出されると線量インジケータ
がアクティブになり、この変化が色の変化として視覚的に示される。
【0034】
したがって、適切な顔料材料は、ハンガーの「工業用有機顔料」、ホールの「顔料の辞
書」、およびリーチとピアスの「印刷インクマニュアル」に記載されている。
【0035】
黄色の有機および無機の顔料の例には、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグ
メントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー12およびC.I.ピグメントイエロ
ー17などのアゾピグメント、などが含まれる。
【0036】
黒色顔料の例には、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラックなどが含ま
れる。
【0037】
白色顔料の例には、塩基性炭酸鉛、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化チタン、銀白色、チ
タン酸ストロンチウムなどが含まれる。
【0038】
赤色顔料の例には、ナフトールレッド(C.I.ピグメントレッド2)、C.I.ピグ
メントレッド3、C.I.ピグメントレッド176およびc.I.ピグメントレッド23
などが含まれる。
【0039】
緑色の顔料の例には、フタロシアニングリーン(C.I.ピグメントグリーン7)、C
.I.ピグメントグリーン36、およびC.I.ピグメントグリーン1などが含まれる。
【0040】
青色の顔料の例には、フタロシアニンブルー(C.I.ピグメントブルー15:3)、
C.I.ピグメントブルー15:6、およびC.I.ピグメントブルー16などが含まれ
る。
【0041】
青色の染料の例には、メチレンブルー、アシッドブルー1、ベーシックブルー1および
C.I.ソルベントブルー7などが含まれる。
【0042】
赤色染料の例には、アシッドレッド18、ベーシックレッド1およびC.I.ソルベン
トレッド8などが含まれる。
【0043】
緑色染料の例には、アシッドグリーン1およびベーシックグリーン1などが含まれる。
【0044】
黒色染料の例には、C.I.ソルベントブラック5などが含まれる。
【0045】
別の実施形態では、線量測定装置に設けられる光学的手段は、線源からの放射線の放出
によって生じた色の変化をキャプチャする。光学的手段は、スマートフォンカメラ、高解
像度カメラ、拡大カメラ、濃度計、画像スキャナ、ビデオカメラ、テレビカメラ、光学撮
像装置などからなる群から選択されるカメラである。
【0046】
したがって、カメラは、アップル社のiPhoneなどのスマートフォンカメラとする
ことができる。スマートフォンは、中央処理装置(CPU)、I/Oインターフェース、
およびネットワークコントローラ、周波数変調、ブルートゥースコンボチップを含むこと
ができる。さらに、CPUは、線量測定装置の命令を実行するためにクラウドコンピュー
ティング環境などと協調して動作する複数のプロセッサとして実装することができる。
【0047】
別の実施形態では、線量測定装置に設けられたソフトウェア手段は、キャプチャされた
色の変化を数値色データに変換し、定量化アルゴリズムを使用して所定のデータと比較す
る。
【0048】
したがって、キャプチャされた色は、ピクセルの形態である。色の強さは「色空間」の形
で測定される。色空間は、ユーザが特定のデジタルデバイスまたはファイルの色能力を理
解するのに便利な方法である。それには、カメラが見ることができるもの、モニターが表
示できるもの、またはプリンターが印刷できるものなどがある。RGB、CMY、HSV
、HISなどのさまざまな色空間がある。各色はドットで表される。すべてのドットが識
別され、特定の数値セットに変換され、トリプルまたはタプルで、通常は3つまたは4つの
色成分として測定される。
【0049】
したがって、RGB(R=赤、G=緑、B=青)は、赤、緑、青を使用して色モデルを
作成する一種の色空間である。RGB色空間は、赤、緑、青の3色から作ることができる
「すべての可能な色」として簡単に解釈できる。このような概念では、画像の各ピクセル
には、0~255の強度値の範囲のRGB成分が割り当てられる。つまり、これらの3色
のみを使って、さまざまな混合比で16,777,216色を画面に表示することができ
る。現在、RGB色空間はsRGBとAdobeRGBである。sRGBは、1977年
にHPとMicrosoftの両者によって開発され、ここで、「S」は「標準」と解釈
されるが、AdobeRGBは、Adobeの標準色域である。これら2つの一般に使用
される色空間に関して、AdobeRGBはsRGBと比較してより広い色空間を提供し
、CMYK色空間を含む(sRGBはそれを含まない)。その結果、AdobeRGBは
カラーレイヤーが豊富になり、彩度が低くなる。
【0050】
したがって、放射線源から放出された放射線は色の変化としてキャプチャされ、色の強
度が識別され、RGBソフトウェアを使用して数値に変換される。そのソフトウェアプロ
グラムは、イリノイ大学アーバナシャンペーン校のベックマン研究所のイメージングテク
ノロジーグループ(ITG)の「GetRGB」が好ましい。これは、2D画像分析用の
無料のオープンソースソフトウェアであって、定量化アルゴリズムに基づいて開発された
ソフトウェアプログラムである。
【0051】
別の実施形態では、色データは、色対放射線量応答データの所定の検量線と比較される
。検量線は、測定信号(透過率または光学密度)対吸収線量のプロットである。したがっ
て、任意の吸収線量点での傾きがその吸収線量に対するフィルム吸収線量感度であるため
、検量線は「吸収線量感度」曲線とも呼ばれる。一般に、光学密度に関する検量線は、非
線形の非常に低い線量領域、線形またはほぼ線形の低~中線量領域、および非線形の高線
量領域を有する。線形領域は、単位吸収線量あたりの正味の光学密度に関してフィルム感
度の量子化に役立つ。さまざまなラジオクロミックフィルムのさまざまな光学密度測定デ
ータが図4に示されている。放射線検出媒体の検量線は、多くの場合、線形加速器または
既知の線量レベルの範囲を生成できる類似の装置を使用して、検出媒体の1つまたは複数
の領域を異なる既知の量の放射線に曝すことによって作成される。頻繁に使用される別の
方法は、検出手段を連続的に変化するレベルの線量に曝すものである。これは、放射線源
と検出媒体の間に連続的に材料の厚さが変化するくさびを挿入することによって行うこと
ができる。あるいは、放射線感受性媒体を2つのブロックの間に挟み、媒体が曝露される
ときビームに平行な平面内に位置するようにしてもよい。この構成では、放射線感受性媒
体に与えられる線量は、ブロックの上面下で深さとともに連続的に減少する。このタイプ
の曝露は、しばしば深部線量曝露と呼ばれる。通常、検量線は、さまざまな線量レベルで
放射線感受性媒体の応答を測定することによって生成される。放射線フィルムの場合、多
くの異なる放射線量レベルで媒体の光透過率または光学密度を測定するのが一般的である
。密度-赤色値として測定された色変化画像が「GetRGB」から選択されたソフトウ
ェアプログラムにクロップされ、線量測定フィルムの各ロットのためのさまざまな検量線
が作成される。したがって、検量線のライブラリがユーザに提供される。
【0052】
別の実施形態では、X線、ガンマ線、核爆発、または他の任意の放射線源などの放射線
の放出に対して、デバイスの自己指示放射線センサーは、即座に色、好ましくは青または
赤を発色する。線量が増加するにつれて色が濃くなり、それによって着用者と医療関係者
に累積放射線被曝に関する瞬時情報が提供される。検知ストリップの色の濃さは、線量の
増加とともに増加する。線量は、カラーリファレンスチャートで20%以上、光学密度対
線量またはCDカメラの検量線を使用して10%以上の精度で推定できる。
【0053】
別の実施形態では、試験アセンブリは、光学密度測定に供される。携帯電話のカメラが
、色の変化を測定するために使用され、HDRモードまたはフラッシュモードで画像の形
でキャプチャされる。密度-赤色データは、対象の放射線範囲(25Gy)のラジオクロ
ミックフィルムに対してほぼ線形の応答を示す。驚くべきことに、ラジオクロミックフィ
ルムの赤色線形応答は、線形数学方程式によって赤色光学密度の実験結果をX線線量に合
わせる線量測定アプリケーションを開発するための適切な候補であることが判明した。図
3と図4は、それぞれ20Gyと10Gyの放射線量に曝される前と後の製品試験アセン
ブリに関するものである。
【0054】
したがって、本出願は、Gafkromic(登録商標)フィルム放射線を用いる放射
線量センサーの毎秒0.01グレイ(Gy)から毎秒約2000Gy(グレイ)の線量範
囲内の光学密度-赤色の線形応答特性として表される新しい線量測定装置と写真濃度計と
を使用して、放射線量を監視する正確な方法を提供する。
【0055】
したがって、試験アセンブリが光学密度測定に供された。反射ヘッドアセンブリを備え
たX-Rite301T写真濃度計を使用した。結果は、dv(密度-視覚)、dr(密
度-赤色)、dg(密度-緑色)、db(密度-青色)として測定される。放射線を受け
た被験体を通過する放射線の量に基づいて色が青色から赤色に変化するにつれて、濃度計
を使用して測定された濃度-赤色の値は一貫して増加する。
【0056】
さらに別の重要な実施形態において、本発明は、Gafkromic(登録商標)フィル
ム放射線を用いる放射線量センサーの毎秒0.01グレイ(Gy)から毎秒約2000G
y(グレイ)の線量範囲内の光学密度-赤色の線形応答特性として表される新しい線量測
定装置とApple iPhoneから選択したスマートフォンとを使用して、放射線量
を監視する正確な方法を提供する。クロップされたフィルム画像が図6に示されている。
【0057】
別の実施形態では、本出願は、放射線源から放出される放射線の線量を定量化する方法
を提供し、該方法は、(i)放射線を測定しその放射線の量を色の変化として視覚的に表
す放射線量インジケータを含む線量測定装置を照射に曝すステップ、(ii)光学的手段を
使用して放射線に曝された後の線量インジケータの色の変化をキャプチャするステップ、
および(iii)線量インジケータの光学密度を、光学密度のパーセンテージ対累積放射線
量を使用して作成された所定の検量線と比較して、線源から放出される放射線の線量を定
量化するステップを含む。
【0058】
別の実施形態では、ソフトウェア手段から受信した線量データは、複数の情報ネットワ
ークおよびソフトウェア管理ツールにアクセス可能なクラウドにアップロードされる。
【0059】
別の実施形態では、本出願は、図に示されるような線量測定装置を提供する。線量セン
サーを備えた発明の線量測定装置は図2に提示されている。
【0060】
別の実施形態では、線量測定装置の一般的なワークフローは、図7に示されている通り
である。
【0061】
別の実施形態では、本出願は、線量測定装置の使用を提供し、前記線量測定装置は、放
射線を測定し、放出された放射線の量を色の変化として視覚的に表す放射線感受性組成物
を含む放射線線量インジケータ、(ii)放射線への曝露後の線量インジケータの色の変化
をキャプチャする光学的手段、および(iii)線量インジケータの光学密度を、パーセン
ト光学密度対累積放射線量を使用して作成された所定の検量線と比較して、放射線源から
放出された放射線の線量を定量化するソフトウェア手段を備え、表面および溶液の滅菌、
医用画像、医療または産業機器の品質保証試験、紫外線測定、食品加工および貯蔵、放射
線感受性物質の輸送、または血液貯蔵に使用される。
【0062】
別の実施形態では、本出願の線量測定装置は、血液バッグでの様々な用途、それらの貯
蔵および使用方法が考えられる。血液製剤は、輸血後移植片対宿主病(TA-GVHD)
のリスクを軽減するために、光子が照射される。血液を照射する望ましい効果は、リンパ
球の機能を阻害し、したがって血小板や他の血液分画に損傷を与えずにGVHDを予防す
ることにある。血液照射に関する英国のガイドラインでは、血液パックのすべての部分が
少なくとも2500cGyを受ける必要があると規定されている。血液製剤の最小線量要
件は、「(血液処理のために)照射される放射線量は、容器の中央部分に向けて2500
cGy(25Gy)、他の任意の点で1500cGy(15Gy)の最小線量にすべきで
ある」、と述べられている。規制の観点から、EUは、そのようなインジケータ製品に対
してCEマークを所持する線量計機能を要求している。 精度については、すべてのEU
の規制状況は次のとおりである。第15.1条において、測定機能を備えたデバイスは、
意図した目的に十分な正確さ、精度、および安定性を提供するように設計および製造する
必要がある。 精度の限界はメーカーが示す必要がある。正確度の詳細はないが、役立つ
可能性のあるいくつかのISO規格:ISO51929:2013血液照射線量測定;I
SO52628:2013放射線処理における線量計の標準プラクティスがある。
【0063】
したがって、本出願の線量測定装置は、ユーザが血液製剤を処理し、血液処理後にイン
ジケータウィンドウの写真を撮り、次にソフトウェアアプリケーションが写真を処理し、
血液製剤に投与される線量を決定することを可能にする。安定性は、貯蔵寿命に達するま
で正確に測定される。
【0064】
現在の線量測定装置は、エンドユーザに必要な使用および訓練に複雑さを伴うことなく
、当初考案されたものと同じ機能を継続する。新しいインジケータは、処理中に各血液バ
ッグが受けた実際の放射線レベルに関連するデータを提供する。本発明のインジケータは
、ユーザが血液処理プロセスに関して新しいプロシージャ、データおよび情報を開発する
ことを可能にする。
【0065】
本発明の範囲内において、現在の放射線レベルインジケータは、画像のキャプチャ/保
持、無線データインターフェース、適切な血液処理の決定を単純化するための線量測定、
病院/治療センターのITシステムとの直接的な結果ファイル共有の可能性を有する。
【0066】
以下の非限定的な例は、本発明の重要な態様を示しており、本発明の範囲を決して限定
するものではない。
【0067】
【0068】
例1
ラジオクロミックフィルムの比較データ
【0069】
線量計機能の可能性を実証するために、様々な既存のラジオクロミックフィルム製品を
、X線放射線被曝の関数として評価した。評価したフィルムまたは製品を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
例2
X線装置への曝露
【0072】
表1に提示されたフィルムまたは製品を、Pantak(登録商標)ユニポーラシリー
ズ2HF160X線装置において10、20、30、40、50および60Gyで曝露し
た。 X線キャビネットにはXRAD-160のマークが付されていた。この装置には、フ
ィルムに供給された実際の線量をグレイ(Gy)単位で決定するためにCNMC K602
精密線量計が装備されていた。別の一連のフィルム露光において、同様の方法で取り付け
られたGafchromic(登録商標)フィルムアセンブリも試験した。このアセンブ
リの例が図3に示されている。
【0073】
例3
光学密度測定
【0074】
フィルムまたは製品を光学密度についても評価した。光学密度の測定に使用した装置は
、反射ヘッドアセンブリ(モデル310-06)を備えたX-Rite310T写真濃度
計であった。この装置は、dv(密度-視覚)、dr(密度-赤色)、dg(密度-緑色
)、db(密度-青色)の4つの測定結果を報告した。表2に、濃度計試験の結果を示す。
【0075】
【表2】
【0076】
濃度計の結果を分析すると、dr(濃度-赤色)データが、この曝露範囲において、Ga
fchromic(登録商標)フィルム#1に対して線形応答を示す。 dr結果の比較
プロットが図6に示されている。フィルム#1の赤色線形応答は、このフィルム技術が線
量測定アプリケーションの開発に適した候補であり、この赤色光学密度の実験結果は線形
方程式によってX線の線量に合わせることができることを示している。
【0077】
例4
色の変化として測定され、画像の形でキャプチャされた放射線
【0078】
ラジオクロミックフィルムの色の変化を測定するために、携帯電話のカメラを使用した
。ソフトウェアバージョン11.2.1(15C153)を搭載したApple iPho
ne 5S(モデルA1533)を使用して、HDRモードでまたはフラッシュなし(H
DRモード除去)で写真撮影した。この試験でクロップされたラジオクロミックフィルム
の画像を図5に示す。
【0079】
iPhoneを使用して、HDRモードの写真をキャプチャした。これらの画像はクロ
ップされ、jpgファイル形式で保存した。これらの画像の色情報をRGB形式に変換す
るために、イリノイ大学アーバナシャンペーン校のベックマン研究所のImaging
Technology Group(ITG)の「GetRGB」と呼ばれるソフトウェ
アプログラムを採用した。結果(ポイント選択され、平均化されてない)は、この生デー
タに最小限の変動があったことを示し、これらの生データのRGB形式への変換を表3に
示す。
【0080】
【表3】
【0081】
表3からの赤色データは、対象の放射線範囲において、ラジオクロミックフィルム#1
に対してほぼ線形の応答を示した。この効果は、図5に示すグラフでより簡単に視覚化さ
れる。図6に示す結果から、色を線量に関連付ける線形検量線が実現可能であること明ら
かである。
【0082】
本発明は、特定の態様に関して示され、説明されているが、様々な変更が、本明細書お
よび添付の特許請求の範囲を読み理解した当業者に明らかになることは明白である。本発
明は、そのようなすべての改良および変更を含み、特許請求の範囲によってのみ限定され
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】米国特許第8,242,464号明細書
【特許文献2】米国特許第10,060786号明細書
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源から放出された放射線の線量を定量化するための線量測定装置であって、該装置は、
(i)放射線源から放出された放射線を測定し、放出された放射線の量を色の変化として視覚的に表す放射線感受性組成物を含む放射線量インジケータであって、前記放射線感受性組成物が、ポリアセチレン、リチウム、ナトリウム、カリウム、またはポリアセチレンの亜鉛塩から調製された放射線感受性フィルムであり、前記放射線感受性フィルムが、0.01グレイ(Gy)から2,000グレイ(Gy)の放射線量範囲を有する、該放射線量インジケータと、
(ii)放射線に被曝後の前記放射線量インジケータの色の変化をキャプチャするための光学的手段と、および
(iii)前記放射線源から放出された放射線量を定量化するために、前記放射線量インジケータの光学密度を、パーセント光学密度対累積放射線量を使用して作成された所定の検量線と比較するソフトウェア手段と、
を備え、
前記所定の検量線が、ラジオクロミックフィルムの赤色光学密度の線形応答特性に基づいていることを特徴とする線量測定装置。
【外国語明細書】