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特開2024-88666決定装置、決定方法及び決定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088666
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】決定装置、決定方法及び決定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20240625BHJP
【FI】
G06Q30/02 450
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024048991
(22)【出願日】2024-03-26
(62)【分割の表示】P 2022203782の分割
【原出願日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】505300841
【氏名又は名称】株式会社ZOZO
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 北都
(72)【発明者】
【氏名】山岡 遼
(72)【発明者】
【氏名】島村 龍也
(72)【発明者】
【氏名】石橋 竜馬
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】中古品の値付けの精度を向上させる決定装置、決定方法及び決定プログラムを提供する。
【解決手段】決定装置としての機能を有する情報処理装置100Aにおいて、制御部130Aは、取得部131Aと、推定部133Aと、決定部134Aと、を有する。取得部131Aは、対象商品の現在の販売価格情報や対象出品価格情報、対象商品の過去の販売価格情報や出品価格情報、対象商品の過去の出品価格に対応した即売れ結果、価格推定モデル、即売れ確率推定モデルなどを取得する。推定部133Aは、対象商品の現在の対象出品価格と、対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルと、に基づき、対象商品の現在の即売れ確率を推定する。決定部134Aは、推定部133Aが推定し即売れ確率に応じて対象商品の出品価格を決定する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象商品の現在の対象出品価格と当該対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルとに基づき当該対象商品の現在の即売れ確率を推定する推定部と、
前記推定部により推定された即売れ確率に応じて前記対象商品の出品価格を決定する決定部と、
を有することを特徴とする決定装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記対象出品価格を決定するための販売価格であって前記対象商品の過去の販売価格の特徴を学習した価格推定モデルに基づき前記対象商品の現在の販売価格を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項3】
前記推定部は、
買い取り時期を説明変数として学習した前記即売れ確率推定モデルに基づき前記対象商品の現在の即売れ確率を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記即売れ確率が所定の閾値を超えた場合は前記出品価格を高値に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記即売れ確率と前記出品価格を決定するための情報とを対応付けした情報に基づき前記出品価格を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記出品価格を前記対象商品の現在の対象出品価格として、前記即売れ確率が所定の閾値を下回るまで前記即売れ確率の推定と前記出品価格の決定とを繰り返すことで前記出品価格を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項7】
前記決定部は、
所定の期間内に推定された即売れ確率に応じた前記出品価格のうち最も高値の前記出品価格を前記出品価格に決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の決定装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する決定方法であって、
対象商品の現在の対象出品価格と当該対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルとに基づき当該対象商品の現在の即売れ確率を推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された即売れ確率に応じて前記対象商品の出品価格を決定する決定工程と、
を含むことを特徴とする決定方法。
【請求項9】
対象商品の現在の対象出品価格と当該対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルとに基づき当該対象商品の現在の即売れ確率を推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された即売れ確率に応じて前記対象商品の出品価格を決定する決定手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定装置、決定方法及び決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
中古品の販売において、市場よりも安い価格で出品してしまい、本来得られたはずの利益を失ってしまう場合があった。特に買い取ったその日に値付けするような値付けモデルでは、価格が上がる場合の予測が困難であるため、価格が割安になってしまう場合があった。例えば、中古品は段々と値下がりするものであることから、少し下がると下降傾向にあると予測してしまい、実際はそれ以上の価値が付いていても、価格が割安になってしまう場合があった。
【0003】
従来、中古品の買い取りを支援する技術が知られている。例えば、商品の流通状況に基づいて、市場における需給バランスを算出し、中古品の適正な販売価格を決定する技術が知られている(下記特許文献1)。また、商品の選択確率を算出し、選択確率に応じて販売価格を調整する技術が知られている(下記特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-134635号公報
【特許文献2】国際公開第2021/039916号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、中古品の値付けにおいて、販売に関する適正価格を適切に決定することはできなかった。例えば、従来の技術では、出品された当日に売れてしまうなどの即売れを考慮した販売に関する適正価格を適切に決定することはできなかった。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、中古品の値付けの精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る決定装置は、対象商品の現在の対象出品価格と当該対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルとに基づき当該対象商品の現在の即売れ確率を推定する推定部と、前記推定部により推定された即売れ確率に応じて前記対象商品の出品価格を決定する決定部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、中古品の値付けの精度を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る決定システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るユーザ端末の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る記憶部の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る記憶部の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る決定処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態2に係る決定システムの構成例を示す図である。
図9図9は、実施形態2に係る決定処理の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態2に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図11図11は、実施形態2に係る決定装置の構成例を示す図である。
図12図12は、実施形態2に係る販売価格記憶部の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態2に係る即売れ結果記憶部の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態2に係る決定処理の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、決定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態1〕
〔1-1.決定システムの構成〕
図1に示す決定システム1について説明する。図1に示すように、決定システム1は、ユーザ端末10と、決定装置100とが含まれる。ユーザ端末10と、決定装置100とは所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。図1は、実施形態に係る決定システム1の構成例を示す図である。
【0012】
ユーザ端末10は、買い取りを依頼する手放す側のユーザによって利用される情報処理装置である。ユーザ端末10は、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。また、ユーザ端末10は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等の装置であってもよい。図2では、ユーザ端末10がスマートフォンである場合を示す。
【0013】
ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G~5G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、ユーザ端末10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、ユーザから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付けてもよい。図2では、ユーザ端末10はユーザU11によって利用される。
【0014】
決定装置100は、中古品の値付けの精度を向上させることを目的とした情報処理装置であり、実施形態における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。決定装置100は、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決定装置100は、中古品を買い取り販売する所定のサービスのサーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0015】
〔1-2.決定処理の一例〕
図2は、実施形態に係る決定システム1の決定処理の一例を示す図である。以下実施形態では、買い取りを依頼する商品の一例として、古着を用いて説明する。
【0016】
まず、古着の値付けについて説明する。一般的に、古着の買い取りにおいて、古着として送られてくる服には値札タグが付属しないため、JANコードのような単品の特定が可能なコードが付属しない。また、品質表示タグに含まれるブランド独自の型番で検索することにより単品の特定が可能なものもあるが、中低価格帯の古着を一品一品確認及び検索するのは手間が掛かり、またコスト的にも現実的ではない場合がある。
【0017】
また、同型番の商品があることを考慮せずに、全ての商品を完全に単品として扱い、ブランドとカテゴリとコンディションの少なくともいずれかの組み合わせに基づく価格テーブルで値付けするのが一般的な古着の値付けの方法であるが、この方法では、例えば、型番単位での直近の販売実績や、価値の消耗等を価格に反映できず、値付けの精度が低くなる場合がある。
【0018】
なお、値付けの精度を向上させるために、所定の電子商店街での同一商品の新品の型番が予め定められており、型番に、中古品情報と新品情報とが紐づけて予め定めているものとする。
【0019】
以下実施形態では、買い取りを依頼するユーザU11が、古着P11の買い取りを依頼したものとして説明する。具体的には、ユーザU11による操作により、ユーザ端末10から決定装置100へ、古着P11の買い取りを依頼するための情報が送信されたものとして説明する。
【0020】
決定装置100は、ユーザ端末10から送信された、古着P11の買い取りを依頼するための情報を取得する(ステップS101)。そして、決定装置100は、古着P11の買い取りを依頼するための情報に基づいて、例えば、古着P11の買い取りが依頼された所定のサービスの事業者情報と、ユーザU11が同一商品の新品を購入した所定の電子商店街の事業者情報とを取得する。
【0021】
(購買履歴に基づく特定)
決定装置100は、取得した情報に基づいて、古着P11の買い取りが依頼された所定のサービスが、ユーザU11が同一商品の新品を購入した所定の電子商店街と所定の関係性(例えば、事業者が同一)を有するか否かを判定する。決定装置100は、古着P11の買い取りが依頼された所定のサービスが、ユーザU11が同一商品の新品を購入した所定の電子商店街と所定の関係性を有すると判定した場合には、所定の関係性を有すると判定した所定の電子商店街での購買履歴を取得し、取得した購買履歴に基づいて、所定の関係性を有すると判定した所定の電子商店街での、同一商品の新品の型番を特定する(ステップS102)。例えば、ユーザU11が、新品を購入した所定の電子商店街を介して古着P11の買い取りを依頼した場合である。
【0022】
(タグ情報に基づく特定)
また、決定装置100は、古着P11の買い取りが依頼された所定のサービスが、ユーザU11が同一商品の新品を購入した所定の電子商店街と所定の関係性を有さないと判定した場合には、例えば買い取りが依頼された所定のサービスの店舗等に送られた、古着P11に付属するタグ情報(例えば、品質表示タグに含まれるブランド独自の型番に関する情報)に基づいて、古着P11の買い取りが依頼された所定のサービスと所定の関係性を有する所定の電子商店街での、同一商品の新品の型番を特定する。例えば、古着P11が、買い取りが依頼された所定のサービスと所定の関係性を有さない所定の電子商店街で購入されたものである場合である。
【0023】
(モデルの生成)
決定装置100は、販売実績のある商品の新品情報と中古品情報とに基づいて、中古品のコンディション毎の販売に関する推定価格を算出するための基となる価格(販売価格)を、中古品のコンディション毎に出力するモデルを生成する(ステップS103)。例えば、決定装置100は、販売実績のある商品の新品情報と、前回販売時までの中古品情報とを説明変数とし、前回の販売価格を目的変数として、XGBoost(eXtreme Gradient Boosting)等に基づくモデルを生成する。ここで、新品情報は、例えば、古着P11と同一商品の新品の通常価格(新品販売時の初回定価)、販売開始時、ブランド、カテゴリ等の情報を含む。また、中古品情報は、例えば、同一商品を過去に販売した中古品の販売価格、販売時オフ率、販売価格増減、出品から販売までの期間(例えば、経過日数)、買い取り(下取り)価格、買い取り(下取り)年等の情報を含む。このうち、中古品情報は、出品から販売までの期間の情報を含むものとする。
【0024】
ここで、販売価格の裏返りが起こる場合がある。例えば、コンディションのランクに(S、A、B、C、D)があり、基準のコンディションがランク(B)のコンディションであるものとする。また、ランク(C)のコンディションの販売価格が、上位のランク(B)のコンディションの販売価格よりも高くなり裏返りが起こったものとする。この場合、決定装置100は、ランク(B)のコンディションの販売価格を正例としてモデルを学習させるが、実際は、ランク(B)のコンディションの販売価格が誤りである場合がある。このように、販売価格の裏返りが起こった場合、ランク(B)のコンディションの販売価格と、ランク(C)のコンディションの販売価格のどちらが本当は誤りか判断できないため、モデルの入力情報である中古品情報に、出品から販売までの期間の情報が含まれない場合には、このような販売価格の裏返りが起きた場合に、各コンディションの販売価格を、適正な販売価格に収束するように価格補正することができない。
【0025】
一方、モデルの入力情報である中古品情報に、出品から販売までの期間の情報が含まれる場合には、販売価格の裏返りが起きた場合に、出品から販売までに掛かる一方の期間が非常に短くなる(ランク(B)のほうが上位であるのに、販売価格が安いため直ぐに売れる)ため、ランク(B)のコンディションの販売価格が本当は誤りであったとしても、各コンディションの販売価格を、適正な販売価格に収束するように価格補正することができる。
【0026】
決定装置100は、購買履歴又はタグ情報に基づいて特定した、新品の型番に紐づけて予め定められた新品情報と中古品情報とを取得する(ステップS104)。図2では、決定装置100は、所定の電子商店街Q11を管理する情報提供装置200から送信された、新品情報と中古品情報とを取得する。そして、決定装置100は、生成したモデルに、取得した新品情報と中古品情報とを入力することにより、中古品のコンディション毎の販売価格を算出する(ステップS105)。この際、モデルは、各コンディションの中古品情報に応じた各コンディションの販売価格を出力する。
【0027】
そして、決定装置100は、算出したコンディション毎の販売価格に、補正係数を掛け合わせることで、コンディション毎の販売に関する推定価格を算出する(ステップS106)。例えば、決定装置100は、各コンディションの販売価格に、同一の補正係数を掛け合わせることで、各コンディションの販売に関する推定価格を算出する。例えば、決定装置100は、ランク(A)のコンディションの販売価格に、全てのコンディションで同一の補正係数を掛け合わせることで、ランク(A)のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。
【0028】
なお、例えば、コンディションのランクに(S、A、B、C、D)があり、このうち、一部のコンディションの中古品情報が不足している場合には、決定装置100は、基準のコンディションの中古品情報に基づいてモデルから出力された、基準のコンディションの販売価格に、中古品情報が不足している一部のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、中古品情報が不足している一部のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。例えば、基準のコンディションがランク(B)のコンディションであり、ランク(A)のコンディションの中古品情報が不足している場合には、決定装置100は、ランク(B)のコンディションの販売価格に、ランク(A)のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、ランク(A)のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。これにより、決定装置100は、中古品情報がコンディションによって不足している場合でも、適切な価格設定を可能とすることができる。
【0029】
また、例えば、一部のコンディションの販売に関する推定価格が、一部のコンディションよりも上位のコンディションの販売に関する推定価格よりも高くなり裏返りが起きた場合には、決定装置100は、基準のコンディションの中古品情報に基づいてモデルから出力された、基準のコンディションの販売価格に、裏返りが起きた一部のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、裏返りが起きた一部のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。例えば、コンディションのランクに(S、A、B、C、D)があり、基準のコンディションがランク(B)のコンディションであるものとする。そして、ランク(C)のコンディションの販売に関する推定価格が、上位のランク(B)のコンディションの販売に関する推定価格よりも高くなり裏返りが起きた場合には、決定装置100は、ランク(B)のコンディションの販売価格に、ランク(C)のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、ランク(C)のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。
【0030】
また、ランク(A)のコンディションの販売に関する推定価格が、下位のランク(B)のコンディションの販売に関する推定価格よりも低くなり裏返りが起きた場合には、決定装置100は、ランク(B)のコンディションの販売価格に、ランク(A)のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、ランク(A)のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。これにより、決定装置100は、モデルの学習において何らかの誤りがあり推定価格の裏返りが起こった場合には、価格補正を適切に行うことができる。
【0031】
以下、販売価格に掛け合わせる補正係数について説明する。補正係数は、新品の販売開始時から最新の中古買い取り時までに掛かる期間(例えば、経過日数)が長くなるほど小さくなるものとする。なお、補正係数は、期間が短くなるほど大きくなってもよいものとする。この場合、販売実績に応じて、中古品が直ぐに売れるほど補正係数が大きくなるため、算出される推定価格が大きくなり、中古品がプレミア品となる場合がある。また、期間に応じて補正係数が小さくなる又は大きくなる度合は、コンディション毎に異なってもよい。
【0032】
そして、決定装置100は、算出した推定価格を、コンディション毎の販売に関する推定価格として決定する(ステップS107)。このように、決定装置100は、新品情報と中古品情報とに基づいて、コンディション毎の販売に関する推定価格を決定する。これにより、決定装置100は、新品情報と中古品情報との両者に基づいて価格推定することができるため、精度の高い適切な価格設定を可能とすることができる。また、決定装置100は、コンディション毎に価格推定することができるため、適切な価格設定を可能とすることができる。
【0033】
また、上限価格が設定されてもよいものとする。ここで、販売価格に掛け合わせることで上限価格とするための係数を特定係数とする。特定係数は、例えば、商品のクラス(例えば、ブランドとカテゴリの組み合わせ)毎に予め定められているものとする。決定装置100は、販売価格に補正係数を掛け合わせた補正価格と、販売価格に特定係数とを掛け合わせた上限価格とを比較して、補正価格が上限価格を上回った場合には、上限価格を推定価格としてもよい。これにより、決定装置100は、中古品がプレミア品となり、新品の定価から大きく乖離しないように、価格設定の最適化を図ることができる。また、決定装置100は、商品のクラス毎に予め定められた特定係数を用いることで、商品のクラス毎に応じた上限価格を設定することができる。
【0034】
(決定処理のバリエーション1)
上記実施形態において、決定装置100は、決定したコンディション毎の販売に関する推定価格に基づいて、買い取り価格を決定してもよい。そして、決定装置100は、基準のコンディションの販売に関する推定価格に基づいて決定した買い取り価格を、下取り価格として、ユーザ端末10に表示させるための情報を送信することで、ユーザU11に提供してもよい(ステップS108)。また、決定装置100は、中古品の販売者に対して、コンディション毎の販売に関する推定価格に基づいて決定した買い取り価格を、コンディション毎に販売者の端末装置に表示させるための情報を送信することで、コンディション毎に提供してもよい。
【0035】
(決定処理のバリエーション2)
上記実施形態において、市場における需要を考慮して出品する場合には、市場における需要が高い時期に、上記実施形態に係る値付けの処理を行ってもよい。例えば、季節ものの商品(シーズン商品)を予め定めておき、買い取った中古品が季節ものの商品である場合には、市場における需要が高い時期まで寝かせてから出品することで、市場における需要が高い時期に、上記実施形態に係る値付けの処理を行ってもよい。例えば、冬に夏物を買い取った場合には、夏まで寝かせてから出品することで、市場における需要が高い時期に、上記実施形態に係る値付けの処理を行ってもよい。決定装置100は、市場における需要を考慮して出品する場合には、市場における需要が高い時期の、コンディション毎の販売に関する推定価格を決定する。これにより、決定装置100は、市場における需要を考慮した価格設定を可能とすることができる。
【0036】
(決定処理のバリエーション3)
上記実施形態では、ユーザU11が古着P11の買い取りを依頼することで、ユーザ端末10から送信された、古着P11の買い取りを依頼するための情報に基づいて、中古品のコンディション毎の販売価格、推定価格、下取り価格を決定する場合を説明したが、この例に限られない。例えば、所定の電子商店街で販売される全て(又は一部)の商品に対して、中古品のコンディション毎の販売価格、推定価格、下取り価格を決定した上で、ユーザU11に下取り価格を提示してもよい。この場合、ユーザU11は、下取り価格を見た上で商品を選択し、古着P11の買い取りを依頼してもよい。以下、処理の詳細を説明する。
【0037】
決定装置100は、所定の電子商店街で販売される全て(又は一部)の商品に対して、商品毎に、新品情報と中古品情報とを取得する。また、決定装置100は、商品毎に、新品情報と中古品情報とをモデルに入力することにより、商品毎に、中古品のコンディション毎の販売価格、推定価格、下取り価格を決定する。そして、決定装置100は、ユーザU11の所有物の中に、所定の電子商店街で販売される商品があるか否かを判定し、所定の電子商店街で販売される商品があると判定した場合には、その商品の下取り価格をユーザ端末10に表示させるための情報を送信する。例えば、決定装置100は、ユーザU11の所有物の中に、所定の電子商店街で販売される商品が複数ある場合には、その複数の商品毎に、下取り価格をユーザ端末10に表示させるための情報を送信する。なお、ユーザU11の所有物は、例えば、所定の電子商店街でのユーザU11の購買履歴に基づいて特定されるものとする。また、ユーザU11の所有物が、所定の電子商店街でのユーザU11の購買履歴に基づいて特定される場合には、決定装置100は、例えば、所定の電子商店街でのユーザU11の購入ページに、ユーザU11が所定の電子商店街で購入した商品の情報として、その商品の下取り価格を表示させるための情報を送信する。そして、ユーザ端末10は、下取り価格が表示された商品の中からユーザU11が選択することにより、その商品の中古品の買い取りを依頼するための情報を送信する。例えば、ユーザU11が、古着P11に対応した商品を選択した場合には、ユーザ端末10は、古着P11の買い取りを依頼するための情報を送信する。
【0038】
〔1-3.ユーザ端末の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。図3は、実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示す図である。図3に示すように、ユーザ端末10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、制御部14とを有する。
【0039】
(通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定のネットワークNと有線又は無線で接続され、所定のネットワークNを介して、決定装置100等との間で情報の送取得を行う。
【0040】
(入力部12)
入力部12は、ユーザからの各種操作を受け付ける。図2では、ユーザU11からの各種操作を受け付ける。例えば、入力部12は、タッチパネル機能により表示面を介してユーザからの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部12は、ユーザ端末10に設けられたボタンや、ユーザ端末10に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0041】
(出力部13)
出力部13は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部13は、決定装置100から送信された情報を表示する。
【0042】
(制御部14)
制御部14は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、ユーザ端末10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、ユーザ端末10にインストールされたアプリケーションのプログラムが含まれる。例えば、この各種プログラムには、決定装置100に、買い取りを依頼するための情報を送信するアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部14は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0043】
図3に示すように、制御部14は、受信部141と、送信部142とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。
【0044】
(受信部141)
受信部141は、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。受信部141は、決定装置100等の他の情報処理装置から各種情報を受信する。例えば、受信部141は、下取り価格を表示させるための情報を受信する。
【0045】
(送信部142)
送信部142は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。送信部142は、決定装置100等の他の情報処理装置へ各種情報を送信する。例えば、送信部142は、ユーザから受け付けられた買い取りを依頼するための情報を送信する。
【0046】
〔1-4.決定装置の構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る決定装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る決定装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、決定装置100は、決定装置100の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0047】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10等との間で情報の送取得を行う。
【0048】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、新品情報記憶部121と、中古品情報記憶部122とを有する。
【0049】
新品情報記憶部121は、型番に紐づけて予め定められた新品情報(例えば、新品の定価、販売開始時、ブランド、カテゴリ等の情報)を記憶する。ここで、図5に、実施形態に係る新品情報記憶部121の一例を示す。図5に示すように、新品情報記憶部121は、「型番」、「新品情報」といった項目を有する。
【0050】
「型番」は、所定の電子商店街での商品を識別するための型番を示す。「新品情報」は、商品の新品情報を示す。
【0051】
すなわち、図5では、型番「YYXX11」によって識別される商品の新品情報が「定価:5千円、販売開始時:2000年1月1日、ブランド:AABB、カテゴリ:Tシャツ(白)」である例を示す。
【0052】
中古品情報記憶部122は、型番に紐づけて予め定められた中古品情報(例えば、n回前の販売価格、前回販売時オフ率、前々回から前回の販売価格増減、前回の出品から販売までの日数、買い取り(下取り)価格、買い取り(下取り)年に関する情報)を記憶する。ここで、図6に、実施形態に係る中古品情報記憶部122の一例を示す。図6に示すように、中古品情報記憶部122は、「型番」、「中古品情報」といった項目を有する。
【0053】
「型番」は、所定の電子商店街での商品を識別するための識別情報を示す。「中古品情報」は、商品の中古品情報を示す。
【0054】
すなわち、図6では、型番「YYXX11」によって識別される商品の中古品情報が「前回の販売価格:3千円;前々回の販売価格:××〇〇円;3回前の販売価格:×〇×〇円;4回前の販売価格:〇〇××円、前回販売時オフ率:10%、前々回から前回の販売価格増減:5%増、前回の出品から販売までの日数:2週間、買い取り価格:千円、買い取り年:2021年」である例を示す。
【0055】
(制御部130)
制御部130は、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、決定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0056】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、特定部132と、生成部133と、判定部134と、算出部135と、決定部136と、提供部137とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0057】
(取得部131)
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、外部の情報処理装置から各種情報を取得する。取得部131は、ユーザ端末10等の他の情報処理装置から各種情報を取得する。
【0058】
取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。取得部131は、新品情報記憶部121や中古品情報記憶部122から各種情報を取得する。また、取得部131は、取得した各種情報を記憶部120に格納する。取得部131は、新品情報記憶部121や中古品情報記憶部122に各種情報を格納する。
【0059】
取得部131は、例えば、ユーザ端末10から送信された、商品の買い取りを依頼するための情報を取得する。そして、取得部131は、商品の買い取りを依頼するための情報に基づいて、例えば、商品の買い取りが依頼された所定のサービスの事業者情報と、ユーザが同一商品の新品を購入した所定の電子商店街の事業者情報とを取得する。
【0060】
(特定部132)
特定部132は、例えば、取得部131により取得された情報に基づいて、商品の買い取りが依頼された所定のサービスが、ユーザが同一商品の新品を購入した所定の電子商店街と所定の関係性を有するか否かを判定する。例えば、特定部132は、同一事業者であるか否か、一方のサービスの事業者が他方のサービスの事業者に属するか否かを判定する。特定部132は、商品の買い取りが依頼された所定のサービスが、ユーザが同一商品の新品を購入した所定の電子商店街と所定の関係性を有すると判定した場合には、所定の関係性を有すると判定した所定の電子商店街での購買履歴を取得し、取得した購買履歴に基づいて、所定の関係性を有すると判定した所定の電子商店街での、同一商品の新品の型番を特定する。
【0061】
また、特定部132は、商品の買い取りが依頼された所定のサービスが、ユーザが同一商品の新品を購入した所定の電子商店街と所定の関係性を有さないと判定した場合には、例えば買い取りが依頼された所定のサービスの店舗等に送られた、実際の商品に付属するタグ情報に基づいて、商品の買い取りが依頼された所定のサービスと所定の関係性を有する所定の電子商店街での、同一商品の新品の型番を特定する。
【0062】
(生成部133)
生成部133は、販売実績のある商品の新品情報と中古品情報とに基づいて、販売価格を中古品のコンディション毎に出力するモデルを生成する。例えば、生成部133は、販売実績のある商品の新品情報と、前回販売時までの中古品情報とを説明変数とし、前回の販売価格を目的変数として、XGBoost等に基づくモデルを生成する。このように、生成部133は、前回販売時までの中古品情報を説明変数とすることで、例えば前々回~5回前の販売価格で、前回の販売価格を出力するモデルを生成する。なお、販売実績のある商品は、買い取りが依頼された商品と同一の商品であってもよいし、買い取りが依頼された商品と異なる商品であってもよい。また、生成部133は、中古品のコンディションのうち、基準のコンディションとして予め定められた所定のコンディションの販売価格を正例としてモデルを学習させる。
【0063】
(判定部134)
判定部134は、一部のコンディションの中古品情報が不足しているか否かを判定する。判定部134は、一部のコンディションの中古品情報が不足していると判定した場合には、中古品情報が不足している一部のコンディションを特定する。
【0064】
判定部134は、一部のコンディションの販売に関する推定価格が、一部のコンディションよりも上位のコンディションの販売に関する推定価格よりも高くなり裏返りが起きたか否かを判定する。判定部134は、一部のコンディションよりも上位のコンディションの販売に関する推定価格よりも高くなり裏返りが起きたと判定した場合には、裏返りが起きた一部のコンディションを特定する。
【0065】
(算出部135)
算出部135は、特定部132により特定された新品の型番に紐づけて予め定められた新品情報と中古品情報とを取得する。すなわち、算出部135は、生成部133により生成されたモデルに入力する新品情報と中古品情報とを取得する。そして、算出部135は、生成部133により生成されたモデルに、取得した新品情報と中古品情報とを入力することにより、中古品のコンディション毎の販売価格を算出する。このように、生成部133は、例えば前々回~5回前の販売価格で、前回の販売価格を出力するモデルを生成し、算出部135は、前回~4回前の販売価格で、未来の販売価格を算出する。
【0066】
算出部135は、算出したコンディション毎の販売価格に、補正係数を掛け合わせることで、コンディション毎の販売に関する推定価格を算出する。例えば、算出部135は、各コンディションの販売価格に、同一の補正係数を掛け合わせることで、各コンディションの販売に関する推定価格を算出する。
【0067】
算出部135は、基準のコンディションの中古品情報に基づいてモデルから出力された、基準のコンディションの販売価格に、判定部134により特定された、中古品情報が不足している一部のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、中古品情報が不足している一部のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。
【0068】
算出部135は、基準のコンディションの中古品情報に基づいてモデルから出力された、基準のコンディションの販売価格に、判定部134により特定された、裏返りが起きた一部のコンディションに応じた補正係数を掛け合わせることで、裏返りが起きた一部のコンディションの販売に関する推定価格を算出する。
【0069】
(決定部136)
決定部136は、算出部135により算出された推定価格を、コンディション毎の販売に関する推定価格として決定する。また、算出部135は、例えば、販売価格に補正係数を掛け合わせた補正価格と、販売価格に特定係数とを掛け合わせた上限価格とを比較して、補正価格が上限価格を上回ったか否かを判定する。そして、算出部135は、補正価格が上限価格を上回ったと判定した場合には、上限価格を推定価格とする。
【0070】
(提供部137)
提供部137は、基準のコンディションの販売に関する推定価格に基づいて決定した買い取り価格を、下取り価格として、ユーザ端末10に表示させるための情報を送信する。また、提供部137は、コンディション毎の販売に関する推定価格に基づいて決定した買い取り価格を、コンディション毎に販売者の端末装置に表示させるための情報を送信する。
【0071】
〔1-5.決定処理のフロー〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る決定システム1による決定処理の手順について説明する。図7は、実施形態に係る決定システム1による決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0072】
図7に示すように、決定装置100は、ユーザが買い取りを依頼した商品の新品情報と、同一商品を過去に販売した中古品の中古品情報とを取得する(ステップS201)。
【0073】
決定装置100は、取得した新品情報と中古品情報とに基づいて、中古品のコンディション毎の販売価格を算出する(ステップS202)。
【0074】
決定装置100は、算出したコンディション毎の販売価格に基づいて、中古品のコンディション毎の販売に関する推定価格を決定する(ステップS203)。
【0075】
〔2.実施形態2〕
中古品の値付けにおいて、買い取った商品は値付けされるが、買い取りから出品までに一定期間出品を保留する場合には、買い取った即日に値付けをしてその値付けを出品時の価格としてしまうと、価格が割安になってしまう場合がある。例えば、ノースリーブのワンピースや水着などの夏物を冬の時期に買い取り、市場で需要があまりない冬の時期に値付けをし、半年後の出品時にその値付けをそのまま採用し価格としてしまうと、実際はそれ以上の価値があり高値でも購入する消費者がいるにも関わらず、価格が割安になってしまい、本来得られたはずの利益を失ってしまう場合がある。このため、買い取った即日に値付けするような値付けモデルでは、中古品は段々と値下がりするものであることから、価格が段々と上がるようなものについての予測が難しく、安く値付けしてしまう可能性が高い。なお、以下実施形態2では、適宜、買い取った即日の値付けを「一次値付け」とし、買い取ってから一定期間経過後の値付けを「二次値付け」とする。なお、一次値付けも二次値付けも同じ値付けの処理を採用でき、例えば、実施形態1に係る値付けの処理を採用できる。また、以下実施形態2において、即売れ確率は、即売れの販売確率(例えば、出品された当日に売れる確率)である。
【0076】
本願では、二次値付けと並行して即売れ予測を行い、即売れするかどうかを予測して割安になっている可能性が高い商品を判別することで出品価格を決定する。例えば、出品して直ぐに売れてしまう可能性が高いものについては、より高値になるように出品価格を調整する。
【0077】
〔2-1.決定システムの構成〕
図8に示す決定システム1Aについて説明する。図8に示すように、決定システム1Aは、事業者端末20と、決定装置100Aとが含まれる。事業者端末20と、決定装置100Aとは所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。図8は、実施形態2に係る決定システム1Aの構成例を示す図である。
【0078】
事業者端末20は、買い取った商品の値付けを行う事業者(すなわち、中古品の買い取りを行う事業者)によって利用される情報処理装置である。事業者端末20は、実施形態2における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。また、事業者端末20は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等の装置であってもよい。図8では、事業者端末20がスマートフォンである場合を示す。
【0079】
事業者端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G~5GやLTE等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、事業者端末20は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、事業者から指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付けてもよい。図9では、事業者端末20は事業者A11によって利用される。
【0080】
決定装置100Aは、中古品の値付けの精度を向上させることを目的とした情報処理装置であり、実施形態2における処理を実現可能であれば、どのような装置であってもよい。決定装置100Aは、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、決定装置100Aは、中古品の値付けを行って商品を出品する事業者のサーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0081】
〔2-2.決定処理の一例〕
以下実施形態2では、過去の販売価格(実際に売れたときの価格)に基づいて販売価格(売れるであろう価格)を推定し、その販売価格(売れるであろう価格)に基づいて出品価格(実施形態1に係る推定価格)を決定する。また、二次値付けで決定された出品価格で出品した場合の即売れ確率を推定し、即売れ確率に基づき出品価格を決定(又は変更)する。以下、実施形態1に係る推定価格を、実施形態2に係る出品価格と区別するために、適宜、「対象出品価格」として説明する。
【0082】
図9は、実施形態2に係る決定システム1Aの決定処理の一例を示す図である。決定装置100Aは、過去に買い取った商品の現在の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルを生成する(ステップS301)。具体的には、決定装置100Aは、即売れするか否かの即売れ有無を目的変数として推定する即売れ確率推定モデルを生成する。即売れ確率推定モデルは、例えば、商品のコンディションなどの情報や対象出品価格などが入力されると、即売れ有無(例えば、「1」(売れる場合)や「0」(売れない場合)、「1」(売れる場合)~「0」(売れない場合)の間の値など)を出力するモデルである。例えば、即売れ確率推定モデルは、商品のコンディションなどの情報や対象出品価格などの情報を入力情報とし、実際の即売れ有無を出力情報として学習させたモデルである。例えば、即売れ確率推定モデルは、単品かけるコンディション単位で過去販売実績や各種説明変数から即売れ有無を学習させたモデルである。このため、即売れ確率推定モデルを用いることで、未出品商品の即売れ有無の予測が可能となる。なお、即売れ確率推定モデルの各種説明変数には、例えば、出品日、単品かけるコンディションの予測単位、商品が対象とする性別、コンディション、売り上げ、新品価格、前回販売時のオフ率、買い取り時期、一次値付け価格、過去販売時の販売までの日数、販売までの日数が前々回から早くなったか、販売価格帯などにより分類されたブランドのグループなどが挙げられる。また、即売れ確率推定モデルの各種説明変数それぞれに対して重要度が設定されてもよい。
【0083】
決定装置100Aは、過去に買い取った商品の現在の対象出品価格(又は販売価格でもよい。)を取得する(ステップS302)。例えば、決定装置100Aは、半年前に買い取り一次値付けされた商品の現在の対象出品価格(又は販売価格でもよい。)を取得する。以下実施形態2では、過去に買い取った商品の一例として、商品Aを用いて説明する。そして、決定装置100Aは、商品Aの対象出品価格やコンディションなどの情報を即売れ確率推定モデルに入力することで、商品Aの現在の即売れ確率を推定する(ステップS303)。この即売れ確率に応じて、商品Aの即売れ有無の予測が可能となる。例えば、決定装置100Aは、商品Aの即売れ確率が所定の閾値を超えたか否かに応じて、商品Aの即売れ有無の判別を行ってもよい。
【0084】
決定装置100Aは、商品Aの現在の即売れ確率に応じて商品Aの出品価格を決定する(ステップS304)。例えば、決定装置100Aは、即売れ確率が所定の閾値を超えた場合は即売れが予測されるため、利益を上げるために商品Aの出品価格を高値に設定すると決定する。また、例えば、決定装置100Aは、即売れ確率が所定の閾値を下回った場合は商品Aの現在の対象出品価格を商品Aの出品価格に決定する。なお、決定装置100Aは、即売れ確率が所定の閾値を下回った場合は売れ残る可能性が高くなるため商品Aの出品価格を安値に設定すると決定してもよい。決定装置100Aは、二次値付けの出品価格よりも価格を割安にする三次値付けに基づいて商品Aの出品価格を決定してもよい。そして、決定装置100Aは、決定した商品Aの出品価格の情報を事業者端末20に送信する(ステップS305)。
【0085】
〔2-3.処理のバリエーション〕
(テーブルを用いた出品価格の決定)
上記実施形態2において、決定装置100Aは、即売れ確率と出品価格を決定するための情報とを対応付けしたテーブルに基づき出品価格を決定してもよい。例えば、テーブルには、即売れ確率が70~80%の場合に出品価格を現在の対象出品価格の1.2倍、即売れ確率が80~90%の場合に出品価格を現在の対象出品価格の1.3倍、即売れ確率が90~100%の場合に出品価格を現在の対象出品価格の1.5倍に設定するといった情報が含まれる。決定装置100Aは、このようなテーブルに基づき、例えば、商品Aの即売れ確率が75%の場合は出品価格を現在の対象出品価格の1.2倍に設定すると決定し、商品Aの即売れ確率が85%の場合は出品価格を現在の対象出品価格の1.3倍に設定すると決定し、商品Aの即売れ確率が95%の場合は出品価格を現在の対象出品価格の1.5倍に設定すると決定してもよい。
【0086】
(価格推定モデルに基づく現在の販売価格の推定)
上記実施形態2において、決定装置100Aは、過去の販売価格の特徴を学習した価格推定モデルに基づき現在の販売価格を推定することで、推定した現在の販売価格を用いて出品価格の決定を行ってもよい。なお、決定装置100Aは、販売価格を目的変数として推定する価格推定モデルの生成を行ってもよい。価格推定モデルは、例えば、商品のコンディション等の情報が入力されると、販売価格を出力するモデルである。例えば、価格推定モデルは、商品のコンディション等の情報を入力情報とし、実際に売れたときの販売価格を出力情報として学習させたモデルである。決定装置100Aは、商品Aの過去の販売価格の特徴を学習した価格推定モデルに基づき商品Aの現在の販売価格を推定してもよい。そして、決定装置100Aは、二次値付けで決定された商品Aの販売価格に基づく対象出品価格を即売れ確率推定モデルに入力することで、商品Aの現在の即売れ確率の推定を行ってもよい。
【0087】
(所定の期間内の最も高値の出品価格の利用)
上記実施形態2において、決定装置100Aは、所定の期間内に推定された即売れ確率に応じた出品価格の中から出品価格を決定してもよい。例えば、決定装置100Aは、所定の期間内に、所定の頻度で即売れ確率を推定することで複数の出品価格を算出する。そして、決定装置100Aは、その複数の出品価格のうち最も高値の出品価格を特定し、出品価格に決定してもよい。例えば、決定装置100Aは、商品Aを明日出品する場合は、直近一週間の商品Aの出品価格のうち最も高値の出品価格を特定することで、商品Aの出品価格を決定してもよい。例えば、決定装置100Aは、商品Aを2022年11月29日に出品する場合、2022年11月21日~2022年11月28日の期間中に推定された即売れ確率に応じた出品価格の中から商品Aの2022年11月29日時点の出品価格を決定してもよい。例えば、決定装置100Aは、2022年11月22日時点の商品Aの出品価格が2000円であり、2022年11月23日時点の商品Aの出品価格が3000円である場合には、より出品価格の高い3000円を出品価格の候補に決定し、他の時点の商品Aの出品価格との比較結果に基づいて商品Aの出品価格を決定してもよい。また、決定装置100Aが最も高値の出品価格を特定し、出品価格に決定する場合を例に挙げて説明したが、この例に限られない。例えば、決定装置100Aは、複数の出品価格の平均を算出し、出品価格に決定してもよい。例えば、決定装置100Aは、商品Aを明日出品する場合は、直近一週間の商品Aの出品価格の平均を算出することで、商品Aの出品価格を決定してもよい。また、決定装置100Aは、オークションのような随時変動が期待される場所に出品する場合には、所定の頻度で即売れ確率を推定するごとに、出品価格を決定してもよい。例えば、決定装置100Aは、商品Aをオークションに出品した場合は、日ごとに商品Aの即売れ確率を推定し、日ごとに商品Aの出品価格を決定してもよい。
【0088】
(即売れ確率が所定の閾値を下回るまで繰り返す)
上記実施形態2において、決定装置100Aは、対象出品価格を即売れ確率推定モデルに入力することで、現在の即売れ確率を再度推定してもよい。そして、決定装置100Aは、推定した即売れ確率に応じて出品価格を再度決定してもよい。この際、決定装置100Aは、推定した販売確率が所定の閾値を超えたか否かを判定し、即売れ確率が所定の閾値を超えた場合には、その即売れ確率に応じた出品価格を現在の出品価格として即売れ確率推定モデルに入力することで、現在の即売れ確率を再度推定してもよい。また、決定装置100Aは、推定した即売れ確率が所定の閾値を超えたか否かを判定し、即売れ確率が所定の閾値を下回った場合には、その即売れ確率に応じて出品価格を決定してもよいし、その直前に推定された即売れ確率に応じて出品価格を決定してもよい。そして、決定装置100Aは、即売れ確率が所定の閾値を下回るまで上記処理を繰り返すことで、出品価格を決定してもよい。具体的な例を挙げると、決定装置100Aは、現在の対象出品価格(又は出品価格でもよい。)が1000円であり、その対象出品価格(又は出品価格でもよい。)での現在の即売れ確率が95%であり、所定の閾値が70%の場合、現在の即売れ確率が所定の閾値を超えているため、1000円を1.5倍した1500円を新たな現在の対象出品価格(又は出品価格でもよい。)として即売れ確率を推定する。そして、決定装置100Aは、1500円での即売れ確率が75%の場合、現在の即売れ確率が所定の閾値を未だ超えているため、1500円を1.2倍した1800円を新たな現在の対象出品価格(又は出品価格でもよい。)として即売れ確率を推定する。そして、決定装置100Aは、1800円での即売れ確率が60%の場合、現在の即売れ確率が所定の閾値を下回ったため、1800円、若しくは、直前に推定された即売れ確率に応じた1500円を出品価格に決定する。
【0089】
〔2-4.事業者端末の構成〕
次に、図10を用いて、実施形態2に係る事業者端末20の構成について説明する。図10は、実施形態2に係る事業者端末20の構成例を示す図である。図10に示すように、事業者端末20は、通信部21と、入力部22と、出力部23と、制御部24とを有する。
【0090】
(通信部21)
通信部21は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部21は、所定のネットワークNと有線又は無線で接続され、所定のネットワークNを介して、決定装置100A等との間で情報の送取得を行う。
【0091】
(入力部22)
入力部22は、事業者からの各種操作を受け付ける。図9では、事業者A11からの各種操作を受け付ける。例えば、入力部22は、タッチパネル機能により表示面を介して事業者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部22は、事業者端末20に設けられたボタンや、事業者端末20に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0092】
(出力部23)
出力部23は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。例えば、出力部23は、決定装置100Aから送信された情報を表示する。
【0093】
(制御部24)
制御部24は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、事業者端末20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、事業者端末20にインストールされたアプリケーションのプログラムが含まれる。例えば、この各種プログラムには、出品価格の決定の対象となる商品を受け付けるアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部24は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0094】
図10に示すように、制御部24は、受信部241と、送信部242とを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。
【0095】
(受信部241)
受信部241は、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。受信部241は、決定装置100A等の他の情報処理装置から各種情報を受信する。例えば、受信部241は、事業者が指定した商品の出品価格を表示させるための情報を受信する。
【0096】
(送信部242)
送信部242は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。送信部242は、決定装置100A等の他の情報処理装置へ各種情報を送信する。例えば、送信部242は、出品価格を決定するために事業者が指定した商品の情報を送信する。
【0097】
〔2-5.決定装置の構成〕
次に、図11を用いて、実施形態2に係る決定装置100Aの構成について説明する。図11は、実施形態2に係る決定装置100Aの構成例を示す図である。図11に示すように、決定装置100Aは、通信部110Aと、記憶部120Aと、制御部130Aとを有する。なお、決定装置100Aは、決定装置100Aの管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0098】
(通信部110A)
通信部110Aは、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110Aは、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、事業者端末20等との間で情報の送取得を行う。
【0099】
(記憶部120A)
記憶部120Aは、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図11に示すように、記憶部120Aは、販売価格記憶部121Aと、即売れ結果記憶部122Aとを有する。
【0100】
販売価格記憶部121Aは、商品の過去の販売価格を記憶する。ここで、図12に、実施形態2に係る販売価格記憶部121Aの一例を示す。図12に示すように、販売価格記憶部121Aは、「商品ID」、「販売時期」、「販売価格」、「コンディション」といった項目を有する。
【0101】
「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。「販売時期」は、商品が販売された過去の販売時期を示す。「販売価格」は、過去の販売価格を示す。「コンディション」は、商品が販売されたときの商品のコンディションを示す。
【0102】
即売れ結果記憶部122Aは、商品の出品価格と即売れ結果とを対応付けて記憶する。ここで、図13に、実施形態2に係る即売れ結果記憶部122Aの一例を示す。図13に示すように、即売れ結果記憶部122Aは、「商品ID」、「出品時期」、「出品価格」、「コンディション」、「即売れ結果」といった項目を有する。
【0103】
「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。「出品時期」は、商品が出品された過去の出品時期を示す。「出品価格」は、過去の出品価格を示す。「コンディション」は、商品が出品されたときの商品のコンディションを示す。「即売れ結果」は、即売れしたか否かの結果を示す。
【0104】
(制御部130A)
制御部130Aは、コントローラであり、例えば、CPUやMPU等によって、決定装置100A内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130Aは、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0105】
図11に示すように、制御部130Aは、取得部131Aと、生成部132Aと、推定部133Aと、決定部134Aと、提供部135Aとを有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130Aの内部構成は、図11に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0106】
(取得部131A)
取得部131Aは、各種情報を取得する。取得部131Aは、外部の情報処理装置から各種情報を取得する。取得部131Aは、事業者端末20等の他の情報処理装置から各種情報を取得する。また、取得部131Aは、記憶部120Aから各種情報を取得する。取得部131Aは、販売価格記憶部121Aや即売れ結果記憶部122Aから各種情報を取得する。また、取得部131Aは、取得した各種情報を記憶部120Aに格納する。取得部131Aは、販売価格記憶部121Aや即売れ結果記憶部122Aに各種情報を格納する。
【0107】
取得部131Aは、例えば、対象商品の現在の販売価格情報や対象出品価格情報を取得する。また、取得部131Aは、例えば、対象商品の過去の販売価格情報や出品価格情報を取得する。また、取得部131Aは、例えば、対象商品の過去の出品価格に対応した即売れ結果を取得する。また、取得部131Aは、例えば、価格推定モデルを取得する。また、取得部131Aは、例えば、即売れ確率推定モデルを取得する。
【0108】
(生成部132A)
生成部132Aは、価格推定モデルを生成する。例えば、生成部132Aは、対象商品の過去の販売価格の特徴を学習させた価格推定モデルを生成する。例えば、生成部132Aは、商品のコンディション等の情報を入力情報とし、実際に売れたときの販売価格を出力情報として学習させた価格推定モデルを生成する。
【0109】
生成部132Aは、即売れ確率推定モデルを生成する。例えば、生成部132Aは、商品のコンディションなどの情報や対象出品価格などの情報を入力情報とし、実際の即売れ有無を出力情報として学習させたモデルを生成する。例えば、生成部132Aは、単品かけるコンディション単位で過去販売実績や各種説明変数から即売れ有無を学習させた即売れ確率推定モデルを生成する。例えば、生成部132Aは、出品日、単品かけるコンディションの予測単位、商品が対象とする性別、コンディション、売り上げ、新品価格、前回販売時のオフ率、買い取り時期、一次値付け価格、二次値付け価格、過去販売時の販売までの日数、販売までの日数が前々回から早くなったか、販売価格帯などにより分類されたブランドのグループなどの各種説明変数から即売れ有無を学習させた即売れ確率推定モデルを生成する。例えば、生成部132Aは、各種説明変数それぞれに対して重要度を設定して即売れ有無を学習させた即売れ確率推定モデルを生成する。
【0110】
(推定部133A)
推定部133Aは、対象商品の現在の販売価格を推定する。例えば、推定部133Aは、価格推定モデルを用いて対象商品の現在の販売価格を推定する。また、推定部133Aは、対象商品の現在の即売れ確率を推定する。例えば、推定部133Aは、即売れ確率推定モデルを用いて対象商品の現在の即売れ確率を推定する。例えば、推定部133Aは、対象商品の販売価格に基づく対象出品価格を入力することで現在の即売れ確率を推定する。また、推定部133Aは、対象商品の現在の即売れの有無を推定する。例えば、推定部133Aは、対象商品の対象出品価格を入力することで現在の即売れの有無を推定する。
【0111】
(決定部134A)
決定部134Aは、推定部133Aにより推定された即売れ確率に応じて対象商品の現在の出品価格を決定する。例えば、決定部134Aは、推定部133Aにより推定された即売れ確率と、即売れ確率と出品価格を決定するための情報とを対応付けたテーブルとに基づき、出品価格を決定する。例えば、決定部134Aは、即売れ確率が75%の場合、対象出品価格を1.2倍することで、出品価格を決定する。
【0112】
(提供部135A)
提供部135Aは、決定部134Aにより決定された出品価格を表示させるための情報を提供する。事業者端末20は、提供部135Aから送信された情報を受信すると、市場の需要に適した出品価格(すなわち、利益や利益率が高くなるような出品価格)を表示させる。
【0113】
〔2-6.決定処理のフロー〕
次に、図14を用いて、実施形態2に係る決定システム1Aによる決定処理の手順について説明する。図14は、実施形態2に係る決定システム1Aによる決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0114】
図14に示すように、決定装置100Aは、対象商品の対象出品価格を取得する(ステップS401)。
【0115】
決定装置100Aは、取得した対象商品の対象出品価格を、対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルに入力することで、対象商品の現在の即売れ確率を推定する(ステップS402)。
【0116】
決定装置100Aは、推定した即売れ確率に応じて対象商品の出品価格を決定する(ステップS403)。
【0117】
〔3.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決定装置100Aは、推定部133Aと、決定部134Aとを有する。推定部133Aは、対象商品の現在の対象出品価格と対象商品の即売れ確率を推定する即売れ確率推定モデルとに基づき対象商品の現在の即売れ確率を推定する。決定部134Aは、推定部133Aにより推定された即売れ確率に応じて対象商品の出品価格を決定する。
【0118】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、中古品の値付けの精度を向上させることができる。また、割安にならないように出品価格を決定することができる。
【0119】
また、推定部133Aは、対象出品価格を決定するための販売価格であって対象商品の過去の販売価格の特徴を学習した価格推定モデルに基づき対象商品の現在の販売価格を推定する。
【0120】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、過去の販売実績に基づいて、販売価格を適切に推定することができる。
【0121】
また、推定部133Aは、買い取り時期を説明変数として学習した即売れ確率推定モデルに基づき対象商品の現在の即売れ確率を推定する。
【0122】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、即売れ確率の推定精度を向上させることができる。
【0123】
また、決定部134Aは、即売れ確率が所定の閾値を超えた場合は出品価格を高値に設定する。
【0124】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、割安にならないように出品価格を決定することができる。
【0125】
また、決定部134Aは、即売れ確率と出品価格を決定するための情報とを対応付けした情報に基づき出品価格を決定する。
【0126】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、出品価格の価格調整を適切に行うことができる。例えば、テーブルに基づき価格調整を適切に行うことができる。
【0127】
また、決定部134Aは、出品価格を対象商品の現在の対象出品価格として、即売れ確率が所定の閾値を下回るまで即売れ確率の推定と出品価格の決定とを繰り返すことで出品価格を決定する。
【0128】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、割安にならない価格に出品価格を調整することができる。
【0129】
また、決定部134Aは、所定の期間内に推定された即売れ確率に応じた出品価格のうち最も高値の出品価格を出品価格に決定する。
【0130】
これにより、実施形態に係る決定装置100Aは、利益や利益率が高くなるように出品価格を決定することができる。例えば、過去1週間で最も高値の価格を出品価格に決定することができる。
【0131】
〔4.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態2に係る事業者端末20及び決定装置100Aは、例えば、図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図15は、事業者端末20及び決定装置100Aの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0132】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0133】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを取得してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0134】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0135】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0136】
例えば、コンピュータ1000が実施形態2に係る事業者端末20及び決定装置100Aとして機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部24及び130Aの機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0137】
〔5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0138】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0139】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0140】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0141】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0142】
1、1A 決定システム
10 ユーザ端末
11 通信部
12 入力部
13 出力部
14 制御部
20 事業者端末
21 通信部
22 入力部
23 出力部
24 制御部
100、100A 決定装置
110、110A 通信部
120、120A 記憶部
121 新品情報記憶部
121A 販売価格記憶部
122 中古品情報記憶部
122A 即売れ結果記憶部
130、130A 制御部
131、131A 取得部
132 特定部
132A 生成部
133 生成部
133A 推定部
134 判定部
134A 決定部
135 算出部
135A 提供部
136 決定部
137 提供部
141 受信部
142 送信部
241 受信部
242 送信部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15