(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088678
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】一酸化炭素および二酸化炭素の生物変換方法
(51)【国際特許分類】
C12P 7/06 20060101AFI20240625BHJP
【FI】
C12P7/06
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051957
(22)【出願日】2024-03-27
(62)【分割の表示】P 2021506276の分割
【原出願日】2019-08-02
(31)【優先権主張番号】62/716,083
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/716,071
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/716,053
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/741,797
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/741,871
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520314674
【氏名又は名称】ジュペン バイオ (エイチケイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】セナラトネ ライアン
(72)【発明者】
【氏名】カマルゴ ネスター
(72)【発明者】
【氏名】レーシー ライアン
(72)【発明者】
【氏名】プライス アベル
(72)【発明者】
【氏名】ビアード ブランドン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】一酸化炭素および二酸化炭素を生物変換する方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素を含むガス状基質を、複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中でナトリウム輸送性ATPアーゼを含む酢酸生成細菌Mxにより発酵させて、1種又は複数の有機酸を生成させる。次に、有機酸及び一酸化炭素を含むガス状基質からプロトン輸送性ATPアーゼを含む酢酸生成細菌Miの発酵により、複数のアルコール及び二酸化炭素を含むガス流を生成するステップを含む、方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状基質GxをバイオリアクターBxに供給するステップであって、ガス状基質Gxが、CO2を含み、かつ約5~約90モル%のCO2を含有する、前記ステップ、
酢酸生成細菌MxをバイオリアクターBxに供給するステップであって、酢酸生成細菌Mxが、バイオリアクターBx中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含む、前記ステップ、
1種または複数のナトリウムイオン源によって、バイオリアクターBxにナトリウムイオンを供給する前記ステップ、
酢酸生成細菌Mxおよび1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、ガス状基質Gxを、酢酸生成細菌Mxにより発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップであって、発酵ブロスが、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオンが、約290~約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給され、発酵ブロスが、約4~約6.9の範囲のpHに維持される、前記ステップ、
1種または複数の有機酸の少なくとも一部を、バイオリアクターBiに供給するステップ、
ガス状基質GiをバイオリアクターBiに供給するステップであって、ガス状基質Giが、COを含み、かつ約5~約90モル%のCOを含有する、前記ステップ、
酢酸生成細菌Miを、バイオリアクターBiに供給するステップであって、酢酸生成細菌Miが、バイオリアクターBi中で発酵する間活性であるプロトン輸送性ATPアーゼを含む、前記ステップ、及び
酢酸生成細菌Miを含む発酵ブロスにおいて、バイオリアクターBi中のガス状基質Giを酢酸生成細菌Miにより発酵させて、1種または複数のアルコールを含む液流およびCO2を含むガス流Gpを生成するステップ
を含む、前記方法。
【請求項2】
ガス状基質Gxが、ガス流Gpの少なくとも一部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種または複数の有機酸を含む追加の流れが、バイオリアクターBiに供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ガス状基質GxがH2を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ガス状基質Gxおよびガス状基質Giが、工業用ガス、発酵装置のガス流およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
酢酸生成細菌Mxが、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、アセトゲニウム・キブイ(Acetogenium kivui)、アセトアナエロビウム・ノテラエ(Acetoanaerobium noterae)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)、アルカリバクルム・バッキ(Alkalibaculum bacchi)CP11(ATCC BAA-1772)、モーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、モーレラ・サーモオートトロフィカ(Moorella thermoautotrophica)、ルミノコッカス・プロダクツス(Ruminococcus productus)、アセトゲニウム・キブイおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
酢酸生成細菌Mxが、アセトバクテリウム・ウッディイである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ナトリウムイオン源が、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
有機酸が、1種または複数のC1-C10有機酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
有機酸が酢酸である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
酢酸生成細菌Miが、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、クロストリジウム・アセチカム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・アセトブチリクムP262(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(Clostridium autoethanogenum)(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM10061、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM23693、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM24138、ドイツ)、クロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)P7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカティイ(Clostridium coskatii)(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ(Clostridium drakei)、クロストリジウム・リュングダリイ(Clostridium ljungdahlii)PETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイER12(ATCC55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC55889)、クロストリジウム・マグナム(Clostridium magnum)、クロストリジウム・パステウリアヌム(Clostridium pasteurianum)(DSMZのDSM525、ドイツ)、クロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)P11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス(Clostridium scatologenes)、クロストリジウム・サーモアセチカム(Clostridium thermoaceticum)、クロストリジウム・ウルツネンセ(Clostridium ultunense)、酢酸生成細菌、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム(Butyribacterium methylotrophicum)、カルダナエロバクター・サブテラネオウス(Caldanaerobacter subterraneous)、カルダナエロバクター・サブテラネオウス・パシフィカス(Caldanaerobacter subterraneous pacificus)、カルボキシドテルムス・ヒドロゲノホルマンス(Carboxydothermus hydrogenoformans)、デスルホトマクルム・クズネトソビイ(Desulfotomaculum kuznetsovii)、ユーバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、ゲオバクター・スルフレデュセンス(Geobacter sulfurreducens)、メタノサルシナ・アセチボランス(Methanosarcina acetivorans)、メタノサルシナ・バーケリ(Methanosarcina barkeri)、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェンニギイ(Oxobacter pfennigii)、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアンアエロバクター・キブイ(Thermoanaerobacter kivui)、クロストリジウム・スティック-ランデイイ(Clostridium Stick-landii)およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
酢酸生成細菌Miが、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ガス状基質GxをバイオリアクターBxに供給するステップであって、ガス状基質Gxが、CO2およびH2を含み、かつ約5~約90モル%のCO2を含有する、前記ステップ、
酢酸生成細菌MxをバイオリアクターBxに供給するステップであって、酢酸生成細菌Mxが、バイオリアクターBx中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含む、前記ステップ、
1種または複数のナトリウムイオン源によって、バイオリアクターBxにナトリウムイオンを供給するステップ、
酢酸生成細菌Mxおよび1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、ガス状基質Gxを、酢酸生成細菌Mxにより発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップであって、発酵ブロスが、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオンが、約290~約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給され、発酵ブロスが、約4~約6.9の範囲のpHに維持される、前記ステップ、
1種または複数の有機酸の少なくとも一部を、バイオリアクターBiに供給するステップ、
ガス状基質GiをバイオリアクターBiに供給するステップであって、ガス状基質Giが、COを含み、かつ約5~約90モル%のCOを含有する、前記ステップ、
酢酸生成細菌Miを、バイオリアクターBiに供給するステップであって、酢酸生成細菌Miが、バイオリアクターBi中で発酵する間活性であるプロトン輸送性ATPアーゼを含む、前記ステップ、及び
酢酸生成細菌Miを含む発酵ブロスにおいて、バイオリアクターBi中のガス状基質Giを酢酸生成細菌Miにより発酵させて、1種または複数のアルコールを含む液流およびCO2を含むガス流Gpを生成するステップ
を含む、前記方法。
【請求項14】
ガス状基質Gxが、ガス流Gpの少なくとも一部を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
1種または複数の有機酸を含む追加の流れが、バイオリアクターBiに供給される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ガス状基質Gxおよびガス状基質Giが、工業用ガス、発酵装置のガス流およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
酢酸生成細菌Mxが、アセトバクテリウム属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、ルミノコッカス・プロダクツス、アセトゲニウム・キブイおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
酢酸生成細菌Mxが、アセトバクテリウム・ウッディイである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ナトリウムイオン源が、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
有機酸が、1種または複数のC1-C10有機酸である、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
有機酸が酢酸である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
酢酸生成細菌Miが、クロストリジウム属細菌、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・アセトブチリクムP262(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM10061、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM23693、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM24138、ドイツ)、クロストリジウム・カルボキシジボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカティイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイER12(ATCC55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パステウリアヌム(DSMZのDSM525、ドイツ)、クロストリジウム・ラグスダリ(Clostridium ragsdali)P11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、酢酸生成細菌、アセトバクテリウム属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネオウス、カルダナエロバクター・サブテラネオウス・パシフィカス、カルボキシドテルムス・ヒドロゲノホルマンス、デスルホトマクルム・クズネトソビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェンニギイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアンアエロバクター・キブイおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
酢酸生成細菌Miが、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ガス状基質GxをバイオリアクターBxに供給するステップであって、ガス状基質Gxが、CO2を含み、かつ約5~約90モル%のCO2を含有する、前記ステップ、
酢酸生成細菌MxをバイオリアクターBxに供給するステップであって、酢酸生成細菌Mxが、バイオリアクターBx中で発酵する間活性であるナトリウム輸送性ATPアーゼを含む、前記ステップ、
1種または複数のナトリウムイオン源によって、バイオリアクターBxにナトリウムイオンを供給するステップ、
酢酸生成細菌Mxおよび1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、ガス状基質Gxを、酢酸生成細菌Mxにより発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップであって、発酵ブロスが、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオンが、約290~約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給され、発酵ブロスが、約4~約6.9の範囲のpHに維持される、前記ステップ、
1種または複数の有機酸の少なくとも一部を、バイオリアクターシステムBi-sに供給するステップ、
ガス状基質GiをバイオリアクターシステムBi-sに供給するステップであって、ガス状基質Giが、COを含み、かつ約5~約90モル%のCOを含有する、前記ステップ、
酢酸生成細菌Miを、バイオリアクターシステムBi-sに供給するステップであって、酢酸生成細菌Miが、バイオリアクターシステムBi-s中で発酵する間活性であるプロトン輸送性ATPアーゼを含む、前記ステップ、及び
酢酸生成細菌Miを含む発酵ブロス中、バイオリアクターシステムBi-s中のガス状基質Giを酢酸生成細菌Miにより発酵させて、1種または複数のアルコールを含む液流およびCO2を含むガス流Gpを生成するステップ
を含む、前記方法。
【請求項25】
バイオリアクターシステムBi-sが、2つ以上のバイオリアクターBi-nを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ガス状基質Giが、2つ以上のバイオリアクターBi-nに供給されて、時間あたりの発泡体に対して約10%以下となる培養物量を生成するのに有効なガス空塔速度を実現する、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
ガス状基質Gxが、ガス流Gpの少なくとも一部を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
ガス状基質GxがH2を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
ガス状基質Gxおよびガス状基質Giが、工業用ガス、発酵装置のガス流およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
酢酸生成細菌Mxが、アセトバクテリウム属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、ルミノコッカス・プロダクツス、アセトゲニウム・キブイおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
酢酸生成細菌Mxが、アセトバクテリウム・ウッディイである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ナトリウムイオン源が、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
有機酸が、1種または複数のC1-C10有機酸である、請求項22に記載の方法。
【請求項34】
有機酸が酢酸である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
酢酸生成細菌Miが、クロストリジウム属細菌、クロストリジウム・アセチカム、クロストリジウム・アセトブチリクム、クロストリジウム・アセトブチリクムP262(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM10061、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM23693、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM24138、ドイツ)、クロストリジウム・カルボキシジボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカティイ(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイER12(ATCC55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC55889)、クロストリジウム・マグナム、クロストリジウム・パステウリアヌム(DSMZのDSM525、ドイツ)、クロストリジウム・ラグスダリP11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス、クロストリジウム・サーモアセチカム、クロストリジウム・ウルツネンセ、酢酸生成細菌、アセトバクテリウム属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム、カルダナエロバクター・サブテラネオウス、カルダナエロバクター・サブテラネオウス・パシフィカス、カルボキシドテルムス・ヒドロゲノホルマンス、デスルホトマクルム・クズネトソビイ、ユーバクテリウム・リモスム、ゲオバクター・スルフレデュセンス、メタノサルシナ・アセチボランス、メタノサルシナ・バーケリ、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、オキソバクター・フェンニギイ、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス、ルミノコッカス・プロダクツス、サーモアンアエロバクター・キブイおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
酢酸生成細菌Miが、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)である、請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、それらのすべての全体が参照により本明細書に組み込まれている、2018年8月8日出願の米国仮特許出願第62/716,083号、2018年8月8日出願の同第62/716,071号、2018年8月8日出願の同第62/716,053号、2018年10月5日出願の同第62/741,871号、および2018年10月5日出願の同第62/741,797号の利益を主張する。
一酸化炭素および二酸化炭素を生物変換する方法を提供する。より詳細には、本方法は、一酸化炭素および二酸化炭素を含有するガス流を酢酸生成細菌(acetogenic bacteria)に供給するステップを含む。本方法は、高いレベルの一酸化炭素および二酸化炭素の変換、ならびに水素の利用を実現する。
【背景技術】
【0002】
二酸化炭素および一酸化炭素の生成は、自然プロセス、ならびに石炭、石油および天然ガスなどの化石燃料の燃焼を含む工業的プロセスから起こる。一部には工業的プロセスにより、大気の二酸化炭素および一酸化炭素の濃度が、向上し続けている。二酸化炭素および一酸化炭素の濃度のこのような向上は、気候変化および地球規模の温暖化をもたらす、大気の変化の一因になり得る。二酸化炭素は、その高い酸化状態のために、生物的プロセスに利用することは困難である。
二酸化炭素および一酸化炭素に加えて、多くの工業的プロセスが、水素の生成をやはりもたらす。水素は、高いレベルの還元電位を有する。しかし、水素は、その高い可燃性の性質のため、貯蔵および利用が困難である。
多量の二酸化炭素および一酸化炭素が生成されていることを鑑みて、一酸化炭素と二酸化炭素の両方を利用することができる、細菌発酵システムが必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
方法は、ガス状基質GxをバイオリアクターBxに供給するステップを含み、ガス状基質Gxは、CO2を含み、約5~約90モル%のCO2を含有する。酢酸生成細菌菌Mxは、バイオリアクターBxに供給される。酢酸生成細菌Mxは、バイオリアクターBx中での発酵の間、活性なナトリウム輸送性ATPアーゼを含む。本方法は、ナトリウムイオンを1種または複数のナトリウムイオン源により、バイオリアクターBxに供給するステップ、ならびに酢酸生成細菌Mxおよび1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、酢酸生成細菌Mxによりガス状基質Gxを発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップを含む。発酵ブロスは、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオンは、約290~約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給される。本方法は、発酵ブロスを約4~約6.9の範囲のpHに維持するステップを含む。1種または複数の有機酸の少なくとも一部は、バイオリアクターBiに供給される。本方法は、ガス状基質GiをバイオリアクターBiに供給するステップをさらに含み、ガス状基質Giは、COを含み、約5~約90モル%のCOを含有する。酢酸生成細菌Miは、バイオリアクターBiに供給される。酢酸生成細菌Miは、バイオリアクターBi中での発酵の間、活性なプロトン輸送性ATPアーゼを含む。本方法は、酢酸生成細菌Miを含む発酵ブロス中、バイオリアクターBi中で、ガス状基質Giを酢酸生成細菌Miにより発酵させて、1種または複数のアルコールを含む液流およびCO2を含むガス流Gpを生成するステップをさらに含む。
方法は、ガス状基質GxをバイオリアクターBxに供給するステップを含み、ガス状基質Gxは、CO2およびH2を含み、約5~約90モル%のCO2を含有する。酢酸生成細菌Mxは、バイオリアクターBxに供給される。酢酸生成細菌Mxは、バイオリアクターBx中での発酵の間、活性なナトリウム輸送性ATPアーゼを含む。本方法は、ナトリウムイオンを1種または複数のナトリウムイオン源により、バイオリアクターBxに供給するステップ、ならびに酢酸生成細菌Mxおよび1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、酢酸生成細菌Mxによりガス状基質Gxを発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップを含む。発酵ブロスは、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオンは、約290~約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給される。本方法は、発酵ブロスを約4~約6.9の範囲のpHに維持するステップを含む。1種または複数の有機酸の少なくとも一部は、バイオリアクターBiに供給される。本方法は、ガス状基質GiをバイオリアクターBiに供給するステップをさらに含み、ガス状基質Giは、COを含み、約5~約90モル%のCOを含有する。酢酸生成細菌Miは、バイオリアクターBiに供給される。酢酸生成細菌Miは、バイオリアクターBi中での発酵の間、活性なプロトン輸送性ATPアーゼを含む。本方法は、酢酸生成細菌Miを含む発酵ブロス中、バイオリアクターシステムBi-s中で、ガス状基質Giを酢酸生成細菌Miにより発酵させて、1種または複数のアルコールを含む液流およびCO2を含むガス流Gpを生成するステップをさらに含む。
方法は、ガス状基質GxをバイオリアクターBxに供給するステップを含み、ガス状基質Gxは、CO2を含み、約5~約90モル%のCO2を含有する。酢酸生成細菌Mxは、バイオリアクターBxに供給され、酢酸生成細菌Mxは、バイオリアクターBx中での発酵の間、活性なナトリウム輸送性ATPアーゼを含む。本方法は、ナトリウムイオンを1種または複数のナトリウムイオン源により、バイオリアクターBxに供給するステップ、ならびに酢酸生成細菌Mxおよび1種または複数のナトリウムイオン源を含む発酵ブロス中で、酢酸生成細菌Mxによりガス状基質Gxを発酵させて、1種または複数の有機酸を生成するステップを含む。発酵ブロスは、1リットルあたり約0.01グラム未満の酵母エキス、1リットルあたり約0.01グラム未満の炭水化物を含み、ナトリウムイオンは、約290~約8750μg/細胞グラム/分となるナトリウム供給速度で供給される。本方法は、発酵ブロスを約4~約6.9の範囲のpHに維持するステップを含む。1種または複数の有機酸の少なくとも一部は、バイオリアクターシステムBi-sに供給される。本方法は、ガス状基質GiをバイオリアクターシステムBi-sに供給するステップをさらに含み、ガス状基質Giは、COを含み、約5~約90モル%のCOを含有する。酢酸生成細菌Miは、バイオリアクターシステムBi-sに供給され、酢酸生成細菌Miは、バイオリアクターシステムBi-s中での発酵の間、活性なプロトン輸送性ATPアーゼを含む。本方法は、酢酸生成細菌Miを含む発酵ブロス中、バイオリアクターシステムBi-s中で、ガス状基質Giを酢酸生成細菌Miにより発酵させて、1種または複数のアルコールを含む液流およびCO2を含むガス流Gpを生成するステップをさらに含む。
【0004】
本開示の上で列挙された特徴が、詳細に理解され得るよう、実施形態への参照は、上で簡単に要約した本開示の一層具体的な記載を有することができ、これらの一部は、添付の図面に例示されている。しかし、添付の図面は、この開示の典型的な実施形態を例示しているに過ぎず、したがって、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではなく、本開示の場合、他の等しく有効な実施形態を認めることができることに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】2つのバイオリアクターを使用する発酵プロセスから、1種または複数の酸化炭化水素系化合物を生成するためのシステムの概略図である。
【
図3】複数のバイオリアクターを使用する発酵プロセスから、1種または複数の酸化炭化水素系化合物を生成するためのシステムの概略図である。
【
図4】バイオリアクター中で、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)による、CO
2の変換率およびH
2の変換率のグラフである。
【
図5】アセトバクテリウム・ウッディイによる、酢酸生成を例示するグラフである。
【
図7】アセトバクテリウム・ウッディイによる、CO、CO
2およびH
2の利用を示すグラフである。
【
図8】成長培地中、キレート剤を使用しない、pH5.2における、CO
2変換率、H
2変換率、およびアセトバクテリウム・ウッディイの細胞密度を例示するグラフである。
【
図9】成長培地中、キレート(錯化)剤として、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)を使用する、アセトバクテリウム・ウッディイの成長を説明するグラフである。
【
図10】アセトバクテリウム・ウッディイによる、酢酸生成に及ぼすモリブデンの影響を例示するグラフである。
【
図11】必要なガス流速およびアセトバクテリウム・ウッディイの細胞密度に及ぼすモリブデンの影響を例示するグラフである。
【
図12】様々な濃度の酢酸による、クロストリジウム・リュングダリイ(Clostridium ljungdahlii)によるガス比取込みを例示するグラフである。
【
図13】クロストリジウム・リュングダリイおよびアセトバクテリウム・ウッディイによる、2段階バイオリアクターシステムにおけるCOおよびCO
2の利用量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の記載は、限定的な意味でとらえられるべきではなく、単に、例示的な実施形態の一般原理を記載する目的でなされているに過ぎない。本開示の範囲は、特許請求の範囲を参照して、決定されるべきである。
【0007】
定義
特に定義されていない限り、本開示に関して、本明細書全体を通して使用されている以下の用語は、以下の通り定義されており、以下に定義されている定義の単数形または複数形のどちらかを含むことができる。
任意の量を修飾する用語「約」は、実際の条件、例えば、実験室、パイロットプラントまたは生産設備において遭遇する量の変動を指す。例えば、混合物もしくは量に使用される成分または測定値の量は、「約」によって修飾される場合、製造プラントまたは実験室における実験条件において測定される際に通常、払われる注意の変動および程度を含む。例えば、生成物の構成成分の量は、「約」によって修飾されている場合、プラントまたは実験室における複数の実験における回分間の変動、および分析法に特有の変動を含む。「約」によって修飾されるか否かに関わらず、上記の量は、そのような量に等価であることを含む。本明細書において明記されており、かつ「約」によって修飾されている量はいずれも、「約」によって修飾されていない量として、本開示にやはり使用され得る。
用語「発酵装置」は、1つもしくは複数の容器および/または塔、あるいは配管からなる発酵装置/バイオリアクターを含み、これは、回分反応器、半回分反応器、連続反応器、連続撹拌槽式反応器(CSTR:continuous stirred tank reactor)、気泡塔反応器、外部循環ループ式反応器、内部循環ループ式反応器、固定化細胞反応器(ICR:immobilized cell reactor)、トリクルベッド反応器(TBR:trickle bed reactor)、流動床式バイオフィルム反応器(MBBR:moving bed biofilm reactor)、ガスリフト式反応器、中空繊維膜バイオリアクター(HFMBR:hollow fibre membrane bioreactor)などの膜反応器、静的ミキサー、ガスリフト式発酵装置、または気-液接触に好適な他の容器もしくは他の装置を含む。
用語「発酵」、「発酵プロセス」または「発酵反応」などは、方法の成長期および生成物の生合成期の両方を包含することが意図されている。一態様では、発酵は、CO2の酢酸への変換を指す。別の態様では、発酵は、COのアルコールへの変換を指す。
用語「細胞密度」は、発酵ブロスの単位体積あたりの微生物細胞の質量、例えば、グラム/リットルを意味する。
用語「CO2比取込み」は、1分間に単位時間あたりの微生物細胞の単位質量(g)によって消費された、CO2のミリモル数での量、すなわち、ミリモル/グラム/分を意味する。用語「CO比取込み」は、1分間に単位時間あたりの微生物細胞の単位質量(g)によって消費された、COのミリモル数での量、すなわち、ミリモル/グラム/分を意味する。
本明細書で使用する場合、生産性は、STYとして表される。この態様では、アルコールの生産性は、gエタノール/(L日間)またはg酢酸/(L日間)として表される、STY(空間時間収率)として表されてもよい。
本明細書で使用する場合、「酸化炭化水素系化合物」とは、例えば、エタノールおよびブタノールなどの、炭素、水素および酸素含有化合物を含んでもよい。
【0008】
CO/CO2変換システム
本開示の実施形態は、嫌気性細菌の発酵プロセス後の微生物細胞バイオマスに由来する、アルコール生成物および細菌タンパク質を生成ならびに取得するための方法、システムおよび組成物を提供する。一実施形態では、炭素捕捉効率の向上、二酸化炭素のフットプリントの低減、およびアルコール生成の生産性の向上のシステムおよび方法が提供される。
図1に示される通り、本システムは、バイオリアクターBi 120が、酢酸生成細菌Miによりガス状基質Gi 186を発酵させるようになされていることを含んでもよい。ガス状基質Gi 186は、一酸化炭素(CO)および水素ガス(H
2)を含んでもよい。
一態様では、バイオリアクターBi 120中のガス状基質Gi 186の発酵により、ガス流Gp 184がもたらされる。ガス流Gp 184は、二酸化炭素(CO
2)を含み、一酸化炭素(CO)、水素ガス(H
2)、メタン(CH
4)、窒素(N
2)およびそれらの組合せからなる群から選択される、1種または複数のガスを含んでもよい。この態様では、バイオリアクターBi 120からのガス流Gpは、約0.5モル%~約50モル%のCO、別の態様では、約0.5モル%~約40モル%、別の態様では、約0.5モル%~約30モル%、別の態様では、約0.5モル%~約20モル%、および別の態様では、約0.5モル%~約10モル%のCOを含んでもよい。さらに、別の態様では、バイオリアクターBi 120に由来するガス流Gpは、約5モル%~100モル%のCO2、さらに別の態様では、約5モル%~90モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~80モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~70モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~60モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~50モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~40モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~30モル%のCO
2、別の態様では、5モル%~20モル%のCO
2、および別の態様では、5モル%~10モル%のCO
2を含んでもよい。
図1に示される通り、本システムは、酢酸生成細菌Mxによりガス状基質を発酵させるようになされているバイオリアクターBx 110を含んでもよい。ガス状基質Gxは、ガスライン187において、バイオリアクターBx 110に供給される。この態様では、バイオリアクターBi 120からのガス流Gp 184は、バイオリアクターBx 110に直接、供給され得る。別の態様では、本システムは、ガス流Gp 184とブレンドされて、バイオリアクターBx 110に運搬されるガス流Gx 187を供給する、追加のガス状基質を供給するためのガス補給用ライン112を含んでもよい。バイオリアクターBx 110からの排ガスは、ベントライン207から放出され得る。どちらのバイオリアクターも、栄養素の供給槽196から栄養素が供給される。栄養素の供給槽196は、各バイオリアクターに同一または異なる栄養素を供給するための複数のサブユニットを含んでもよい。
さらに、本システムはまた、バイオリアクターBx 110をバイオリアクターBi 120に接続して、バイオリアクター110 BxからバイオリアクターBi 120に、1種または複数の酸化合物を送り込む流体ライン182を含んでもよい。バイオリアクターBx 110から生成された1種または複数の酸化合物は、C1-C10有機酸を含む。C1-C10有機酸の例には、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸(吉草酸)ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸およびそれらの組合せが含まれる。一態様では、バイオリアクターBi 120に送り込まれるバイオリアクターBx 110からの酸化合物は、バイオリアクターBi 120中のアルコール生成を増加させるのに有効である。有機酸が酢酸である態様では、バイオリアクターBi 120において、約5g/L以下の酢酸濃度を維持するために、ガス状基質Gi 186がバイオリアクターBi 120に供給される。ガス状基質Giが、酢酸の濃度を低下させるために供給される場合、酪酸の濃度も低下する。したがって、バイオリアクターBiにおいて、酢酸は、適量の有機酸を維持するための指標として使用される。別の態様では、有機酸の供給速度が、バイオリアクターBi 120において、約5g/L以下の酢酸濃度を維持するために使用される。
図1にさらに例示されている通り、細胞透過物ライン192は、透過物から生成物190を分離するための蒸留塔188に透過物を送り込むよう構成されている。生成物は、エタノール、ブタノールおよびそれらの組合せを含む、アルコール含有生成物を含んでもよい。水(蒸留底部)は、水戻りライン202からバイオリアクターBX 110に、および/または水戻りライン203からバイオリアクターBi 120に戻されてもよい。
【0009】
図2は、水のリサイクルシステムの一層詳細な態様を例示している。この態様では、バイオリアクターBx 110において生成された有機酸は、マイクロろ過314を介して運ばれ、流体ライン182からバイオリアクターBi 120にさらに供給される。細胞の少なくとも一部は、細胞リサイクルライン318によって、マイクロろ過314からバイオリアクターBx 110に戻されてもよい。バイオリアクターBi 120からのブロスは、ライン194を介して、マイクロろ過301に運ばれる。細胞の少なくとも一部は、細胞リサイクルライン317によって、マイクロろ過301からバイオリアクターBi 120に戻されてもよい。一部の任意選択の態様では、ライン194からの液体は、限外ろ過307に向かうことができ、細胞の少なくとも一部は、限外ろ過307からバイオリアクターBi 120に戻されてもよい。限外ろ過307からの液体は、蒸留供給槽311に送られ、次に、蒸留塔188に送られる。水(蒸留底部)は、水戻りライン202からバイオリアクターBX 110に、および/または水戻りライン203からバイオリアクターBi 120に戻されてもよい。
【0010】
別の態様では、
図3に示される通り、方法は、バイオリアクターBx 110が、酢酸生成細菌Mxによりガス状基質Gx 187を発酵させるようになされていることを含んでもよい。ガス状基質Gx 187は、CO
2に加えて、一酸化炭素(CO)および水素ガス(H
2)を含んでもよい。
図3に示されている通り、ガス状基質Gxは、バイオリアクターシステムBi-sからバイオリアクターBxに供給され得、バイオリアクターシステムBi-sは、2つ以上のバイオリアクターBi-nを含む。
図3に示される通り、Bi-nは、2つのバイオリアクターBi 120を含む。
【0011】
ガス状基質Gx 187は、1つまたは複数のガスラインにおいて、バイオリアクターBx 110に供給される。この態様では、バイオリアクターシステムBi-sの2つ以上のバイオリアクターBi 120からのガス流Gp 184は、バイオリアクターBx 110に直接、供給され得る。別の態様では、本システムは、ガス流Gp 184とブレンドされて、バイオリアクターBx 110に運搬されるガス流Gx 187を供給する、追加のガス状基質を供給するためのガス補給用ライン112を含んでもよい。バイオリアクターBx 110からの排ガスは、ベントライン207から放出され得る。バイオリアクターにはそれぞれ、1つまたは複数の供給槽196からの栄養素に由来する栄養素が供給されてもよい。栄養素の供給槽196は、各バイオリアクターに同一または異なる栄養素を供給するための複数のサブユニットを含んでもよい。
【0012】
バイオリアクターシステムBi-sは、2つ以上のバイオリアクターBi 120が、酢酸生成細菌Miによりガス状基質Gi 186を発酵させるようになされていることを含んでもよい。ガス状基質Gi 186は、一酸化炭素(CO)および水素ガス(H2)を含んでもよい。バイオリアクターシステムBi-sのバイオリアクターBi 120中のガス状基質Gi 186の発酵により、1種または複数のガス流Gp 184がもたらされる。ガス流Gp 184は、二酸化炭素(CO2)を含み、一酸化炭素(CO)、水素ガス(H2)、メタン(CH4)、窒素(N2)およびそのそれらの組合せからなる群から選択される、1種または複数のガスを含んでもよい。この態様では、バイオリアクターBi 120からのガス流Gpは、約0.5モル%~約50モル%のCO、別の態様では、約0.5モル%~約40モル%、別の態様では、約0.5モル%~約30モル%、別の態様では、約0.5モル%~約20モル%、および別の態様では、約0.5モル%~約10モル%のCOを含んでもよい。さらに、別の態様では、バイオリアクターBi 120からのガス流Gpは、約5モル%~100モル%のCO2、さらに別の態様では、約5モル%~90モル%のCO2、別の態様では、5モル%~80モル%のCO2、別の態様では、5モル%~70モル%のCO2、別の態様では、5モル%~60モル%のCO2、別の態様では、5モル%~50モル%のCO2、別の態様では、5モル%~40モル%のCO2、別の態様では、5モル%~30モル%のCO2、別の態様では、5モル%~20モル%のCO2、および別の態様では、5モル%~10モル%のCO2を含んでもよい。一態様では、ガス状基質Gi 186は2つ以上のバイオリアクターBi 120(まとめて、Bi-nと称される)に供給されて、時間あたりの発泡体に対して約10%以下となる培養物量を生成するのに有効なガス空塔速度を実現する。
【0013】
さらに、本システムはまた、バイオリアクターBx 110をバイオリアクターシステムBi-sに接続して、バイオリアクターBx 110からバイオリアクターシステムBi-sに、1種または複数の酸化合物を送り込む、2つ以上の流体ライン182を含んでもよい。この態様では、バイオリアクターシステムBi-sは、2つ以上のバイオリアクターBi 120(2つのバイオリアクターBi 120が示されている)を含んでもよい。バイオリアクターBx 110から生成された1種または複数の酸化合物は、C1-C10有機酸を含む。C1-C10有機酸の例には、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸(吉草酸)ヘキサン酸、ヘプタン酸、デカン酸およびそれらの組合せが含まれる。一態様では、バイオリアクターシステムBi-sに送り込まれるバイオリアクターBx 110からの酸化合物は、バイオリアクターシステムBi-s中のアルコール生成を増加させるのに有効である。
【0014】
図3にさらに例示されている通り、細胞透過物ライン192は、生成物190を分離するための蒸留塔188に透過物を送り込むよう構成されている。生成物は、エタノール、ブタノールおよびそれらの組合せを含む、アルコール含有生成物を含み得る。水(蒸留底部)は、水戻りライン202からバイオリアクターBx 110に、および/または水戻りライン203からバイオリアクターBi 120に戻されてもよい。
【0015】
COを変換するためのバイオリアクターBi
CO含有基質:CO含有基質(ガス状基質Gi 186と記載される)は、COを含むあらゆるガスを含んでもよい。この態様では、CO含有ガスは、合成ガス、工業用ガスおよびそれらの混合物を含んでもよい。関連態様では、バイオリアクターBi 120に供給されるガス状基質は、COに加えて、窒素ガス(N2)、二酸化炭素(CO2)、メタンガス(CH4)、合成ガスおよびそれらの組合せを含んでもよい。
合成ガスは、任意の公知の供給源から供給されてもよい。一態様では、合成ガスは、炭素系物質のガス化を供給源とすることができる。ガス化は、酸素の供給が制限されたバイオマスの部分燃焼を含む。得られたガスは、COおよびH2を含むことがある。この態様では、合成ガスは、少なくとも約10モル%のCO、一態様では、少なくとも約20モル%、一態様では、約10~約100モル%、別の態様では、約20~約100モル%のCO、別の態様では、約30~約90モル%のCO、別の態様では、約40~約80モル%のCO、および別の態様では、約50~約70モル%のCOを含有するであろう。好適なガス化法および装置のいくつかの例は、そのすべてが2011年4月6日に出願された米国整理番号第61/516,667号、同第61/516,704号および同第61/516,646号、ならびにそれらのすべてが2012年3月22日に出願され、それらのすべてが、参照により本明細書に組み込まれている、米国整理番号13/427,144号、同第13/427,193号および同第13/427,247号に提示されている。
別の態様では、本方法は、COを高い体積で含有する工業用ガスなどの、ガス状基質からのアルコールの生成を補助する適用性を有する。一部の態様では、COを含むガスは、炭素含有廃棄物、例えば、産業廃棄ガスから、または他の廃棄物のガス化に由来する。したがって、本方法は、そうでなければ、環境に排出されると思われる炭素を捕捉するための効果的な方法となる。工業用ガスの例には、鉄鋼製品の製造、非鉄製品の製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、バイオマスのガス化、発電、カーボンブラック生産、アンモニア生産、メタノール生産、コークス製造およびガスの改質の間に生成するガスを含む。
別の態様では、H2は、産業廃棄ガスから、または他の廃棄物のガス化から供給されてもよい。したがって、本方法は、そうでなければ、環境に排出されると思われる水素を捕捉するための効果的な方法となる。工業用ガスの例には、鉄鋼製品の製造、非鉄製品の製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、バイオマスのガス化、発電、カーボンブラック生産、アンモニア生産、メタノール生産、およびコークス製造の間に生成するガスを含む。水素の他の供給源は、例えば、H2Oの電気分解および生物生成H2を含んでもよい。
CO含有基質は、CO含有基質の組成に応じて、発酵プロセスに直接、供給されてもよく、または適切なH2対COモル比を含むようさらに改変されてもよい。一態様では、発酵装置に供給されるCO含有基質は、約0.2以上、別の態様では、約0.25以上、別の態様では、約0.5以上のモル比のCOに対するH2を有する。別の態様では、発酵装置に供給されるCO含有基質は、約40モルパーセント以上のCOとH2、および約30モルパーセント以下のCO、別の態様では、約50モルパーセント以上のCOとH2、および約35モルパーセント以下のCO、ならびに別の態様では、約80モルパーセント以上のCOとH2、および約20モルパーセント以下のCOを含んでもよい。
一態様では、CO含有基質は、COおよびH2を含む。この態様では、CO含有基質は、少なくとも約10モル%のCO、一態様では、少なくとも約20モル%、一態様では、約10~約100モル%、別の態様では、約20~約100モル%のCO、別の態様では、約30~約90モル%のCO、別の態様では、約40~約80モル%のCO、および別の態様では、約50~約70モル%のCOを含有するであろう。
一態様では、ガス分離器は、ガス流の少なくとも1つの一部を実質的に分離するよう構成されており、該一部は、1種または複数の構成成分を含む。例えば、ガス分離器は、以下の構成成分:CO、CO2、H2を含むガス流からCO2を分離することができ、CO2は、CO2貯蔵部に通されてもよく、ガス流(COおよびH2を含む)の残りは、バイオリアクターに通されてもよい。当分野で公知のいかなるガス分離器も利用されてもよい。この態様では、発酵装置に供給される合成ガスは、約10モル%以下のCO2、別の態様では、約1モル%以下のCO2、別の態様では、約0.1モル%以下のCO2を有するであろう。
ある特定のガス流は、高濃度のCOおよび低濃度のH2を含むことがある。一態様では、一層効率の高いアルコール生成、および/または全炭素捕捉率を実現するため、基質流の組成を最適化することが望ましいことがある。別の態様では、基質流中のH2の濃度を向上させた後に、この基質流がバイオリアクターに通される。
本開示の特定の態様によれば、2種以上の供給源に由来する流れが一緒にされて、かつ/またはブレンドされて、所望のかつ/または最適化された基質流を生成することができる。例えば、鉄鋼所のコンバータからの排気ガスなどの高濃度のCOを含む流れが、鉄鋼所のコークス炉からの排ガスなどの高濃度のH2を含む流れと一緒にされ得る。
ガス状CO含有基質は、その組成に応じて、発酵に導入する前に、ダスト粒子などのいかなる望ましくない不純物も除去するために、これを処理することがやはり望ましいことがある。例えば、ガス状基質は、公知の方法を使用してろ過されてもよく、またはスクラブ処理されてもよい。
【0016】
バイオリアクターの設計および操作:発酵装置設計の説明は、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれている、どちらも2012年5月15日に出願された、米国整理番号第13/471,827号および同第13/471,858号、および2012年5月16日に出願された、米国整理番号第13/473,167号に記載されている。
一態様によれば、発酵プロセスは、反応容器への培地の添加によって開始される。培地の組成の一部の例は、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれている、2012年5月22日に出願された、米国整理番号第61/650,098号および同第61/650,093号、ならびに2001年7月23日に出願された米国特許第7,285,402号に記載されている。培地は、望ましくない微生物を除去するために殺菌されてもよく、反応器には、所望の微生物を接種させる。殺菌は、必ずしも必要ではないことがある。
【0017】
酢酸生成細菌Miによる、バイオリアクターBi 120で使用するための様々な培地の構成成分の濃度は、以下の通りである:
【表1】
【0018】
ある特定のアセトゲンがCOを利用する能力は一部、プロトン輸送性ATPアーゼとも称される、プロトンポンプまたは水素ポンプの存在による。プロトン輸送性ATPアーゼとナトリウム輸送性ATPアーゼの両方が、参照により本明細書に組み込まれている、Muller, “Energy Conservation in Acetogenic Bacteria,” Appl. Environ. Microbiol. November 2003, vol. 69, no. 11, pp. 6345-6353に記載されている。プロトン輸送性ATPアーゼという用語は、プロトン依存性ATPアーゼという用語と互換的に使用されてもよく、ナトリウム輸送性ATPアーゼという用語は、ナトリウム依存性ATPアーゼという用語と互換的に使用されてもよい。したがって、一態様では、本方法は、プロトン輸送性ATPアーゼを含む酢酸生成細菌Miを含む発酵バイオリアクター中で、発酵を行うステップを含む。有用な酢酸生成細菌Miの例には、WO2000/68407、EP117309、米国特許第5,173,429号、同第5,593,886号および同第6,368,819号、WO1998/00558およびWO2002/08438に記載されているものを含めたクロストリジウム・リュングダリイの株、WO2007/117157およびWO2009/151342に記載されているものを含めたクロストリジウム・アウトエタノゲヌム(Clostridium autoethanogenum)(DSMZのDSM10061およびDSM19630、ドイツ)、ならびにそれぞれ、米国特許第7,704,723号およびOklahoma EPSCoR Annual State Conferenceで2010年4月29日に発表されたHasan Atiyeh, "Biofuels and bioproducts from Biomass-Generated Synthesis Gas”に記載されているものを含めたクロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)(P11、ATCC BAA-622)およびアルカリバクルム・バッキ(Alkalibaculum bacchi)(CP11、ATCC BAA-1772)、ならびに米国特許出願第2007/0276447号に記載されているクロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)(ATCC PTA-7827)の株などの、クロストリジウム属(Clostridium)のものを含む。他の好適な微生物には、モーレラ属種(Moorella sp.)HUC22-1を含めたモーレラ属(Moorella)および一酸化炭素資化性好熱菌(Carboxydothermus)の属のものが含まれる。これらの参考文献はいずれも、参照により本明細書に組み込まれている。2種以上の微生物の混合培養物が使用されてもよい。
【0019】
有用な酢酸生成細菌Miの追加例としては、アセトゲニウム・キブイ(Acetogenium kivui)、アセトアナエロビウム・ノテラエ(Acetoanaerobium noterae)、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカム(Butyribacterium methylotrophicum)、カルダナエロバクター・サブテラネオウス(Caldanaerobacter subterraneous)、カルダナエロバクター・サブテラネオウス・パシフィカス(Caldanaerobacter subterraneous pacificus)、カルボキシドテルムス・ヒドロゲノホルマンス(Carboxydothermus hydrogenoformans)、クロストリジウム・アセチカム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・アセトブチリクム)P262(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM19630、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM10061、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM23693、ドイツ)、クロストリジウム・アウトエタノゲヌム(DSMZのDSM24138、ドイツ)、クロストリジウム・カルボキシジボランスP7(ATCC PTA-7827)、クロストリジウム・コスカティイ(Clostridium coskatii)(ATCC PTA-10522)、クロストリジウム・ドラケイ(Clostridium drakei)、クロストリジウム・リュングダリイPETC(ATCC 49587)、クロストリジウム・リュングダリイERI2(ATCC55380)、クロストリジウム・リュングダリイC-01(ATCC55988)、クロストリジウム・リュングダリイO-52(ATCC55889)、クロストリジウム・マグナム(Clostridium magnum)、クロストリジウム・パステウリアヌム(Clostridium pasteurianum)(DSMZのDSM525、ドイツ)、クロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)P11(ATCC BAA-622)、クロストリジウム・スカトロゲネス(Clostridium scatologenes)、クロストリジウム・サーモアセチカム(Clostridium thermoaceticum)、クロストリジウム・ウルツネンセ(Clostridium ultunense)、デスルホトマクルム・クズネトソビイ(Desulfotomaculum kuznetsovii)、ユーバクテリウム・リモスム(Eubacterium limosum)、ゲオバクター・スルフレデュセンス(Geobacter sulfurreducens)、メタノサルシナ・アセチボランス(Methanosarcina acetivorans)、メタノサルシナ・バーケリ(Methanosarcina barkeri)、モーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、モーレラ・サーモオートトロフィカ(Moorella thermoautotrophica)、オキソバクター・フェンニギイ(Oxobacter pfennigii)、ペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)、ルミノコッカス・プロダクツス(Ruminococcus productus)、サーモアンアエロバクター・キブイ(Thermoanaerobacter kivui)、クロストリジウム・スティック-ランデイイ(Clostridium Stick-landii)およびそれらの混合物が含まれる。
発酵は、所望の発酵が起こるために適切な条件下(例えば、CO対エタノール)で望ましくは行われるべきである。考慮されるべき反応条件には、圧力、温度、ガス流速、液体流速、培地のpH、培地のレドックス電位、撹拌速度(撹拌槽式反応器を使用した場合)、接種物質のレベル、液相中のCOが律速にならないことを確実にする最大ガス基質濃度、および生成物による阻害を回避するための最大生成物濃度が含まれる。
【0020】
始動:接種に際して、微生物の初期集団を供給するのに有効な、最初の供給ガスの供給速度を確立する。流出ガスの内容物を決定するために、流出ガスが分析される。ガス分析の結果を使用して、供給ガスの速度を制御する。この態様では、本方法は、約0.2~約0.9、別の態様では、約0.5~約0.9、別の態様では、約0.6~約0.8、別の態様では、約0.5~約0.7、別の態様では、約0.2~約0.5、および別の態様では、約0.5~約0.6である、初期細胞密度(グラム/リットル)に対して計算されたCO量(ミリモル)の比をもたらす。
別の態様では、発酵プロセスは、約0.05mM~約0.10mM、別の態様では、約0.15mM~約0.50mM、別の態様では、約0.15mM~約0.35mM、別の態様では、約0.20mM~約0.30mM、および別の態様では、約0.23mM~約0.27mMの発酵ブロス中に、計算されたCO初期濃度を実現するのに有効な量で、発酵培地に合成ガスを供給するステップを含む。溶解したCOは、ヘンリーの法則および反応器のkLaを使用して計算した。本方法は、開始細胞密度と比較した、細胞密度の増大に有効である。
本明細書で使用する場合、目標細胞密度は、約2.0グラム/リットル以上、別の態様では、約2~約30グラム/リットル、別の態様では、約2~約25グラム/リットル、別の態様では、約2~約20グラム/リットル、別の態様では、約2~約10グラム/リットル、別の態様では、約2~約8グラム/リットル、別の態様では、約3~約30グラム/リットル、別の態様では、約3~約6グラム/リットル、および別の態様では、約4~約5グラム/リットルとなる細胞密度を意味する。
【0021】
始動後:所望のレベルに到達すると、液相および細胞物質が、反応器から抜き取られ、培地が補充される。始動後に、細胞密度は、一定のレベルに維持されるであろう。
【0022】
CO2を変換するためのバイオリアクターBx
CO2含有基質:一態様では、本方法は、CO2含有ガス状基質(ガス状基質Gx 187と記載されている)をバイオリアクターに供給するステップを含む。CO2含有基質は、CO2を含む任意のガスを含んでもよい。この態様では、CO2含有ガスは、工業用ガス、例えば発酵装置の排ガスを含めた発酵装置のガス流、およびそれらの混合物を含んでもよい。関連態様では、CO2含有基質は、水素を含んでもよく、または水素源とブレンドされて、H2対CO2の所望のレベルおよび比をもたらしてもよい。
【0023】
工業用ガス:一態様では、本方法は、CO2含有基質をバイオリアクターに供給するステップであって、CO2含有基質が、工業用ガスから生成するステップを含む。工業用ガスの一部の例には、製鋼所ガス、工業用ガスおよび焼却炉排ガスが含まれる。工業用ガスの例には、鉄鋼製品の製造、非鉄製品の製造、石油精製プロセス、石炭のガス化、バイオマスのガス化、発電、カーボンブラック生産、アンモニア生産、メタノール生産、およびコークス製造の間に生成するガスを含む。水素源は、化石燃料、蒸気の改質、メタンの酸化、石炭のガス化および水の電気分解物を含んでもよい。
ガス状CO2含有基質は、その組成に応じて、発酵に導入する前に、ダスト粒子などのいかなる望ましくない不純物も除去するために、これを処理することがやはり望ましいことがある。例えば、ガス状基質は、公知の方法を使用してろ過されてもよく、またはスクラブ処理されてもよい。さらに、本方法は、CO2含有基質の組成に応じて、CO2含有基質を調節して、CO2および/またはH2の濃度を向上または低下させて、所望の範囲内に収まるようにするステップを含んでもよい。
【0024】
発酵装置のガス流:一態様では、本方法は、CO2含有基質をバイオリアクターに供給するステップであって、CO2含有基質が、発酵装置のガス流となる、ステップを含む。発酵装置のガス流の一部の例には、合成ガスの発酵中に生成する発酵装置の排ガスを含む。合成ガスの発酵の一部の例は、参照により本明細書に組み込まれている、2001年7月23日に出願の、米国特許第7,285,402号に記載されている。
一態様では、本方法は、COを高い体積で含有する工業用ガスなどの、ガス状基質からのアルコールの生成を補助する適用性を有する。一部の態様では、COを含むガスは、炭素含有廃棄物、例えば、産業廃棄ガスから、または他の廃棄物のガス化に由来する。CO含有ガスの発酵は、発酵装置の排ガス中にCO2をもたらすことがある。したがって、本方法は、そうでなければ、環境に排出されると思われる炭素を捕捉するための効果的な方法となる。この態様では、CO含有ガスの発酵に由来する排ガスは、約0.5モル%~約50モル%のCOを含むことがある。
【0025】
ガス流のブレンド:特定の態様によれば、2種以上の供給源に由来する流れは、一緒にされて、かつ/またはブレンドされて、所望のかつ/または最適化された基質流を生成することができる。例えば、鉄鋼所からの排気ガスなどの高濃度のCO2を含む流れが、鉄鋼所のコークス炉からの排ガスなどの高濃度のH2を含む流れと一緒にされ得る。
CO2含有生基質は、CO2含有基質の組成に応じて、発酵プロセスに直接、供給されてもよく、または適切なH2対CO2モル比を含むようさらに改変されてもよい。CO2含有基質は、約5~約90モル%のCO2および約5~約90モル%のH2を含むことができる。一態様では、CO2含有ガス流は、約5~約66.6%のCO2を含む。
別の態様では、バイオリアクターBx 110に供給されるCO2含有基質は、約0モル%~約50モル%のCO、別の態様では、約0.5モル%のCO~約50モル%のCO、別の態様では、約0.5モル%のCO~約5モル%のCO、および別の態様では、約2モル%のCO~約5モル%のCOを含んでもよい。
一態様では、酢酸生成細菌は、約4:1~約1:2の比で、H2対CO2の消費モル比を有するであろう。したがって、バイオリアクターに供給される、H2およびCO2を含む任意の基質ガスが、利用され得る。しかし、バイオリアクターに供給される基質ガスの最適レベルは、約4:1~約1:1、別の態様では、約2:1、および別の態様では、約3.5:1~約1.5:1となる、H2対CO2の比を有するであろう。
【0026】
バイオリアクターの設計および操作:発酵装置の設計の説明は、それらのすべてが参照により本明細書に組み込まれている、どちらも2012年5月15日に出願された、米国整理番号第13/471,827号および同第13/471,858号、ならびに2012年5月16日に出願された、米国整理番号第13/473,167号に記載されている。
発酵は、所望の発酵が起こるために適切な条件下(例えば、CO2対酢酸)で望ましくは行われるべきである。考慮される反応条件としては、圧力、温度、ガス流速、液体流速、培地のpH、撹拌速度(撹拌槽式反応器が使用される場合)、接種材料レベル、および生成物による阻害を回避するため最大酢酸濃度が挙げられる。この態様では、本方法は、以下の範囲の反応条件を含む:
圧力:約0~約500psi、別の態様では、約0~約200psi;
温度:約30℃~約42℃;
培地のpH:約4~約6.9;
撹拌速度:約100~約2000rpm;
本明細書に記載されている栄養素の供給。
【0027】
酢酸生成細菌:一態様では、利用される微生物は、ナトリウム輸送性ATPアーゼとしてやはり説明され得る(膜生体エネルギー論の場合)、ナトリウムポンプを含む、嫌気性酢酸生成細菌Mxを含む。ナトリウム輸送性ATPアーゼは、参照により本明細書に組み込まれている、Muller, “Energy Conservation in Acetogenic Bacteria,” Appl. Environ. Microbiol. November 2003, vol. 69, no. 11, pp. 6345-6353に記載されている。ナトリウム輸送性ATPアーゼを含むアセトゲンは、成長のため、その成長培地に約500ppmのNaClを必要とする。アセトゲンが、ナトリウム輸送性ATPアーゼを含むかどうかを判定するため、アセトゲンは、約0~約2000ppmのNaClを含む約30~約50mlの成長培地を含有する血清ボトルに接種される。約500ppm以上のNaCl濃度における正常な成長は、アセトゲンがナトリウム輸送性ATPアーゼを含むことを意味する。
この態様では、好適な酢酸生成細菌Mxには、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、アセトゲニウム・キブイ、アセトアナエロビウム・ノテラエ、アセトバクテリウム・ウッディイ、アルカリバクルム・バッキCP11(ATCC BAA-1772)、モーレラ・サーモアセチカ、モーレラ・サーモオートトロフィカ、ルミノコッカス・プロダクツス、アセトゲニウム・キブイおよびそれらの組合せが含まれる。別の態様では、微生物は、アセトバクテリウム・ウッディイである。
【0028】
培地組成および培地供給速度の制御:一態様によれば、発酵プロセスは、反応容器への好適な培地の添加によって開始される。反応容器に含有される液体は、任意のタイプの好適な栄養用培地または発酵用培地を含んでよい。栄養用培地は、使用される微生物の成長を可能にするために有効なビタミンおよびミネラルを含むであろう。殺菌は、必ずしも必要ではないことがある。
【0029】
酢酸生成細菌Mxによる、バイオリアクターBx 110で使用するための様々な培地の構成成分の濃度は、以下の通りである:
【表2】
【0030】
プロセス操作は、約4~約6.9、別の態様では、約5~約6.5、別の態様では、約5.1~約6、および別の態様では、約5.2~約6の範囲のpHを維持する。培地は、約0.01g/L未満の酵母エキス、および約0.01g/L未満の炭水化物を含む。
この組成物はまた、1リットルあたり約40~約500mmol、別の態様では、1リットルあたり約40~約250mmolのナトリウムイオン濃度、および別の態様では、1リットルあたり約50~約200mmolのナトリウムイオン濃度を含む。一態様では、ナトリウムイオン濃度は、約500ppm~約8000ppm、別の態様では、約1000ppm~約7000ppm、別の態様では、約3000ppm~約6000ppm、別の態様では、約2000~約5000ppmのNa、および別の態様では、約3000~約4000ppmのNaである。ナトリウムイオン源は、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される化合物によって供給される。
組成物は、モリブデン源を含む。この態様では、モリブデン濃度は、約3.97μg/L~約396.5μg/L、および別の態様では、約7.93μg/L~約198.25μg/Lである。モリブデン源としては、Na2MoO4、CaMoO4、FeMoO4およびそれらの混合物が挙げられる。
本組成物は、錯化剤も含んでもよい。この態様では、本組成物が約5.2以上のpHを有する場合、錯化剤が、組成物に含まれてもよい。錯化剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)およびそれらの混合物を挙げることができる。
本組成物は、NH4
+、P、K、Fe、Ni、Co、Se、ZnまたはMgの供給源のうちの1種または複数を含んでもよい。これらの元素の各々の供給源は、以下の通りとすることができる。
NH4
+:窒素は、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよびそれらの混合物からなる群から選択される窒素源から供給され得る。
P:リンは、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるリン源から供給され得る。
K:カリウムは、塩化カリウム、リン酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるカリウム源から供給され得る。
Fe:鉄は、塩化第一鉄、硫酸第一鉄およびそれらの混合物からなる群から選択される鉄源から供給され得る。
Ni:ニッケルは、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルおよびそれらの混合物からなる群から選択されるニッケル源から供給され得る。
Co:コバルトは、塩化コバルト、フッ化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトおよびそれらの混合物からなる群から選択されるコバルト源から供給され得る。
Se:セレンは、Na2SeO3、C3H6NO2Seおよびそれらの混合物から供給され得る。
Zn:亜鉛は、ZnSO4から供給され得る。
W:タングステンは、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸カリウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるタングステン源から供給され得る。
Mg:マグネシウムは、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるマグネシウム源から供給され得る。
S:本組成物は、硫黄も含んでもよい。硫黄は、システイン、硫化ナトリウム、NaHS、NaH2Sおよびそれらの混合物からなる群から選択される硫黄源から供給され得る。
【0031】
始動:接種に際して、微生物の初期集団を供給するのに有効な、最初の供給ガスの供給速度が確立される。流出ガスの内容物を決定するために、流出ガスが分析される。ガス分析の結果を使用して、供給ガスの速度を制御する。この態様では、本方法は、1リットルあたり約0.1グラムの最小細胞密度をもたらす。別の態様では、本方法は、約0.05~約1、および別の態様では、約0.01~約4となる、初期細胞密度(グラム/リットル)に対する単位時間あたりの計算されるCO2量(mmol/分)の比をもたらす。
一態様では、栄養素が培養物に添加されて、細胞成長速度を増大させることができる。好適な栄養素は、酵母エキスの非炭水化物画分を含んでもよい。
【0032】
始動後:所望のレベルに到達すると、液相および細胞物質が、反応器から抜き取られ、培地が補充される。発酵プロセスは、開始細胞密度と比較した、細胞密度の増大に有効である。この態様では、本方法は、約2~約50グラム/リットル、別の態様では、約2~約30グラム/リットル、別の態様では、約2~約20グラム/リットル、別の態様では、約2~約10グラム/リットル、別の態様では、約5~約10グラム/リットル、および別の態様では、約2~約6グラム/リットルとなる平均細胞密度を実現する。
有機酸の生成:別の態様では、本方法は、C1-C10有機酸源をもたらす。この態様では、本方法は、酸生成物、または発酵液体ブロスからの生成物を得るステップを含んでもよい。この態様では、約0.2~約50グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約0.2~約20グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約10~約50グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約14~約30グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、別の態様では、約2~約20グラムの有機酸/リットル/日/g細胞、および別の態様では、約15~約25グラムの有機酸/リットル/日/g細胞の有機酸比生産性を実現する。一態様では、有機酸は、酢酸、または酪酸、または両方の混合物である。
CO2およびH2の変換:本方法は、約0.05~約1.5mmolのCO2/分/グラム乾燥細胞のCO2取込み、約0.08~約1.5mmolのH2/分/グラム乾燥細胞のH2取込みを実現するのに有効である。本方法は、約25~約100%のCO2の変換率、別の態様では、約50~約100%のCO2の変換率、別の態様では、約75~約100%のCO2の変換率を実現するのに有効である。別の態様では、本方法は、約25~約100%のH2の変換率、別の態様では、約50~約100%のH2の変換率、別の態様では、約75~約100%のH2の変換率を実現するのに有効である。
【0033】
図4は、アセトバクテリウム・ウッディイによる、CO
2変換率404、およびH
2変換率402のグラフを示す。時間に対する、酢酸生成504、およびその移動平均502、および細胞密度506のグラフによる例示が、
図5に示されている。
【実施例0034】
(実施例1)
アセトバクテリウム・ウッディイの調製
アセトバクテリウム・ウッディイの最初の凍結乾燥ペレットをドイツ微生物株保存機関DSMZの株ID DSM-1030から得た。培養物を、リッチ培地(フルクトースおよび酵母エキス)を使用して、凍結乾燥ペレットから最初に得た。順応法を使用して、血清ボトル培地からフルクトースを除去し、この場合、成長培地中のフルクトースの濃度を、75%、50%、10%と段階的に低下させた。成長速度およびガスの利用量を、順応の指示体として使用した(約5週間)。血清ボトル中の事前pH順応作業により、必要なpHを7.4から6.0に低下させた(3週間)。この時点で、培養物が増幅され、反応器に接種した。反応器中で、培養物をさらに順応させて、5.2~5.7というより低いpHで成長させた。
【0035】
(実施例2)
アセトバクテリウム・ウッディイの場合のCSTR反応器の始動方法
CO2およびH2を含有する合成ガスを、本明細書に記載されている、ビタミン、微量金属、システイン(硫黄源として)および塩を含有する液状培地と共にアセトバクテリウム・ウッディイを含有する撹拌槽式バイオリアクターに連続的に導入した。
活発に成長中のアセトバクテリウム・ウッディイと共に、発酵培地を含有するNew Brunswick Bioflow310反応器を始動した。反応器の撹拌速度は、200rpmに設定した。この撹拌速度は、実験全体を通じて、200から600rpmへと向上させた。反応器への供給ガス流量は、49mL/分の初期値から137mL/分へと向上させた。バイオリアクター中の温度は、実験全体にわたり、33.5℃に維持した。バイオリアクターへのガス供給材料の試料、およびバイオリアクターからの排ガス、およびバイオリアクター中の発酵ブロスを、一定間隔で採取し、例えば、供給ガス、排ガスおよび発酵ブロスを、それぞれ、ほぼ毎日、2時間で1回、および4時間で1回サンプリングした。上記の試料の様々なガス構成成分の消費量または生成量、ブロスの酢酸濃度、および培養物の光学密度(細胞密度)を分析した。反応器の未使用の容積(unaroused volume)を、実験全体を通して、1600~1750mlの間に維持した。同様に、反応器へのガス流量は、マスフローコントローラーを使用することによって、必要なガス流速に維持した。供給合成ガス組成は、70%のH2、25%のCO2および5%のN2とした。この実験を安定な操作が到達されると結論付けを行った。
細胞リサイクルシステム(CRS)を反応器に取り付けた後に、実験を開始した。実験中に、反応器への栄養素(成長培地)の流速は、表に示されている通りとした。実験全体を通して、培地の供給速度を維持した。pH制御のための塩基(0.5M NaOH)の供給速度は、0.14~0.44ml/分とし、CRSにより、5.1~5.4mL/分の透過物を反応器から抜き出した。
供給ガス中のH2およびCO2は、細胞物質および酢酸に固定した。H2およびCO2の除去は、入り口のガス組成を流出ガス組成と比較することによって計算した。構成成分ガスの取込みは、細菌によって変換されたガス分子の%で表す。この実験では、以下の変換率が実現された;H2:40%~54%、CO2:28%~70%。この実験では、酢酸生成の速度は、5~23g/l/日であった。
【0036】
結果を以下の通り、要約することができる:
【表3】
【0037】
(実施例3)
アセトバクテリウム・ウッディイによるCO
2、COおよびH
2の発酵
ビタミン、微量金属および塩を含有する慣用的な液状培地と共に、アセトバクテリウム・ウッディイを含有する撹拌槽式バイオリアクターに、CO
2およびH
2を含有するガスを連続的に導入した。発酵は、実施例2に記載されている通りに開始し、次に、安定な操作まで継続した。この実施例では、供給ガスは、5モル%のCOを含んだ。
図6および
図7は、5%のCOの存在下での、アセトバクテリウム・ウッディイの成長を説明している。
図6は、時間に対する、細胞密度602および酢酸の比生産性604を例示している。
図7は、H
2の変換率702、COの変換率704、CO
2の変換率706および細胞密度708を例示している。
【0038】
(実施例4)
成長培地中のキレート剤(EDTA)を含まない、pH5.2でのアセトバクテリウム・ウッディイ培養物の成長および維持
CO2およびH2を含有するガス流は、本明細書に記載されている成長培地と共に、アセトバクテリウム・ウッディイを含有する撹拌槽式バイオリアクターに連続的に導入した。
活発に成長中のアセトバクテリウム・ウッディイ(AW)と共に、発酵培地を含有するNew Brunswick Bioflow115反応器を始動した。反応器の撹拌速度は、600rpmに設定した。この撹拌速度は、実験全体を通して、一定に維持した。反応器への供給ガス流量は、36.6mL/分~44.4mL/分に維持した。バイオリアクター中の温度は、実験全体にわたり、33℃に維持した。Na+レベルは、3500~4000ppmに維持した。バイオリアクターへのガス供給材料の試料、およびバイオリアクターからの排ガス、およびバイオリアクター中の発酵ブロスを一定間隔で採取し、例えば、供給ガス、排ガスおよび発酵ブロスを、それぞれ、ほぼ毎日、2時間で1回、および4時間で1回サンプリングした。上記の試料の様々なガス構成成分の消費量または生成量、ブロスの酢酸濃度、および培養物の光学密度(細胞密度)を分析した。反応器の未使用の容積を、実験全体を通して、1900~2275mlの間に維持した。同様に、反応器へのガス流量は、マスフローコントローラーを使用して、必要なガス流速に維持した。この実験の供給合成ガス組成は、70%のH2、25%のCO2および5%のN2とした。
細胞リサイクルシステム(CRS)を反応器に取り付けた後に、実験を開始した。実験中に、反応器への栄養素(成長培地)の流速は、2.8ml/分に維持した。実験全体を通して、培地の供給速度を維持した。pHを5.2に維持するための塩基(NaOH)必要量の平均速度は、0.075ml/分であり、CRSにより、2.9ml/分の透過物を反応器から抜き取った。
供給ガス中のH2およびCO2は、細胞物質および酢酸に固定した。H2およびCO2の除去は、入り口のガス組成を流出ガス組成と比較することによって計算した。構成成分ガスの取込みは、細菌によって変換されたガス分子の%で表すことができる。
【0039】
以下の変換率が達成された:
H
2:28%~54%。
CO
2:40%~59%。
酢酸生成の速度は、0.7949(g/L/日)であった。
培養物の平均細胞密度は、1.9g/Lであった。
CO
2変換率802、H
2変換率804および細胞密度806が
図8に示されている。
【0040】
(実施例5)
成長培地におけるEDDAの使用
発酵を実施例2に記載されている通りに開始し、キレート(錯化)剤として、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)の使用を含んだ。AW培地に使用した金属の一部の溶解度は、pHの向上と共に低下するので、キレート剤は、溶液中に金属を維持するために使用する。反応器ブロスのpHが、pH5.2を超えると、十分量の栄養素をAWに供給するために、キレート剤を使用する。
図9は、代表的な96時間の実験を示しており、この実験は、酢酸904の濃度の向上を生じると同時に、細胞密度902の維持が可能であることを例示している。
【0041】
(実施例6)
細胞代謝に及ぼすモリブデン除去および再添加の影響
発酵は、実施例2に記載されている通りに開始し、次に、安定な操作になるまで継続した。培養培地からモリブデンを除去し、次に、酢酸の生産性が、その開始濃度の75%まで低下した後、成長培地に再添加した。
図10は、その培地の流速905に対してプロットした酢酸の生産性903を例示しており、赤線は、成長培地からのモリブデンの除去および成長培地へのモリブデンの再添加を示している。約810累積時間時に開始し、HAcの下落傾向が観察され、モリブデンの除去は、約795累積時間時に行った。この下落傾向は減少して、頭打ちし、次に、約900時間時に培地にモリブデンを再添加したことに対応して、上昇傾向へと反転した。
図11は、時間に対してプロットした細胞密度906およびガス流速(GFR)901を例示しており、赤線は、成長培地からのモリブデンの除去および成長培地へのモリブデンの再添加を示している。約840累積時間において開始し、必要なGFRは、約795累積時間時に行ったモリブデン除去の前に比べて少なかった。この下落傾向は、約900時間時に培地にモリブデンを戻したことに対応して、上昇傾向へと反転した。必要なガス流速は、培養物のCO
2およびH
2の変換率によって決定した。
【0042】
(実施例7)
クロストリジウム・リュングダリイを用いるCOの変換の連続法
本明細書に記載されているビタミン、微量金属および塩を含有する発酵用培地と共に、クロストリジウム・リュングダリイの株を含有する、撹拌槽式バイオリアクターにCOおよび/またはCO2/H2を含有する合成ガスまたは廃棄ガスを連続的に導入した。
好適な培地を含有する、New Brunswick BioFlow310反応器に、活発に成長中のクロストリジウム・リュングダリイを0.38g/lで接種した。接種前に、反応器の撹拌速度を800rpmに設定し、反応器へのガス流量を20ml/分に調節し、細胞リサイクルシステムを反応器に取り付けた。1~4時間の間隔毎に、反応器から採取したガスおよび液体試料の様々なガス構成成分の消費量または生成量、ブロスの酢酸濃度、ブロスのエタノール濃度、および培養物の光学密度を分析した。同様に、供給ガスの組成を毎日、測定し、反応器への流れを、マスフローコントローラーを使用することによって、必要なガス流速に維持した。一旦、H2の変換率が32%に到達すると、反応器への培地の流れを1ml/分で開始し、0.95ml/分の透過物を抜き取った。反応器への合成ガス流量は、培養物のH2変換率に基づいて向上させた。H2変換率が32%以上になった場合、ガス流量を10%向上させた。細胞質量を時間と共に増加させ、反応器の接種後、72時間以内に3g/lの細胞質量に到達させた。この時点で、培養物は、18g/l超のエタノールを生成した。液体クロマトグラフを使用して、ブロスのエタノールおよび酢酸の濃度を測定した。ガスクロマトグラフを使用して、合成ガスの構成成分を測定した。NH4OHなどの中和剤を使用して、培養物のpHを約4.5に維持した。反応器の細胞密度は、透過物の抜き取り速度を調節することによって、約3g/Lに維持した。透過物の抜取り速度が、反応器からの細胞のパージ速度を反比例して制御するよう、反応器を設定した。操作圧は、大気圧とした。
細菌による発酵は、接種後、数時間にわたり進行するので、CO2は、COの変換から生成し、H2は、COと共に消費される。次に、生成方法および細菌による発酵反応器システムは、上記の範囲の酢酸濃度および約3g/Lの細胞密度を維持するために、時折、わずかな調節のみで、定常状態に維持されて、生成物として15~35g/Lのエタノールおよび0~5g/Lのアセテートを生成する。
この連続発酵法により、エタノール生成のための工業的規模での対象とする細菌の使用を増強するための安定な操作条件下で、副生物であるアセテートを低濃度で伴う、高濃度のエタノールの連続生成および維持が可能となる。
【0043】
(実施例8)
クロストリジウム・リュングダリイへの酢酸添加効果
実施例7に記載されている通り、クロストリジウム・リュングダリイを使用した発酵を実施した。
各試験は、反応器のブロス中に、5g/LのNaClおよび以下の量の酢酸の存在下で、72時間、行った。
対照 - 添加はしない
試験1 - 2g/Lの酢酸
試験2 - 4g/Lの酢酸
試験3 - 6g/Lの酢酸
培地への酢酸の添加は、エタノールの比生産性に影響を及ぼした。したがって、酢酸の濃度が向上するにつれて、エタノール生成量も増加した。培地中の濃度に関わりなく、酢酸の生産性の認識可能な変化はなかった。すべての外部から添加された酸は、培養物によってエタノールに変換されたように思われた。対照と比較した場合、培地中に外から添加された酸を有する培養物中では、COの比取込みの有意な向上があり、最高の濃度は、約0.750mmol/分/g細胞において、最高の取込みレベルに到達した。対照は、この時間の間に、約0.500mmol/分/g細胞の平均値となった。酢酸濃度もやはり、水素取込みを増加させた。定常状態における比生産性(g/L/日/g細胞)は、以下の通りであった。
【0044】
【表4】
図12は、様々な濃度の酢酸による、クロストリジウム・リュングダリイによるガス比取込みを例示する。
【0045】
(実施例9)
クロストリジウム・リュングダリイおよびアセトバクテリウム・ウッディイを使用する2段階反応器
2段階反応器は、
図1に示されている通りに構成された。2段階反応器は、撹拌槽式バイオリアクターBi 120および撹拌槽式バイオリアクターBx 110を含んだ。各反応器は、本明細書に記載されているビタミン、微量金属、システイン(硫黄源として)および塩を含有する液状培地を含有した。バイオリアクターBi 120は、活発に成長中のクロストリジウム・リュングダリイを含んで開始し、バイオリアクターBx 110は、活発に成長中のアセトバクテリウム・ウッディイを含んで開始した。
バイオリアクターBx 110では、pHを約6.0に維持するため、0.5M NaOHを作用剤として使用する。時間あたりの細胞1グラムあたりのNaOHの使用量の概算は、0.21である。
55%のH
2、12%のN
2、33%のCOを含有するガス状基質Gi 186を、バイオリアクターBi 120に導入した。バイオリアクターBi 120からの出口ガス流(Gp)は、ガス流連結部184を介して、バイオリアクターBx 110に供給された。
システム中の水は、「閉鎖」構成で存在し、透過物/エタノール導管192を介して、バイオリアクター120から蒸留188へと通過する。水(蒸留底部)は、水リサイクルライン202からバイオリアクターBx 110に戻した。バイオリアクターBx 110からの酢酸は、透過物酢酸ライン182からバイオリアクターBi 120に送り込んだ。
発酵は、水ループ閉鎖から開始して約120時間、行った。本システムは、最初の58時間にわたり平衡にして、最後の62時間にわたりデータを収集した。両反応器の流入ガス流である186(Gi)および187(Gx)、ならびに流出ガス流184(Gp)および207(バイオリアクターBx 110の排ガス流)は、概ね4時間毎に分析した。分析は、ガスクロマトグラフィーを使用して行った。データは、%組成として表した。エタノール、酢酸およびブタノールの生成物の分析は、ほぼ4時間毎に、液体クロマトグラフィー(LC)を使用して行った。両反応器の細胞濃度は、概ね4時間毎にモニタリングした。
【0046】
平均%組成およびガス流速は、以下の通りであった:
【表5】
バイオリアクターBi 120およびBx 110へのガス流入物の供給速度は、マスフローコントローラー(MFC)を使用して維持した。バイオリアクターBx 110およびBi 120の流出ガス流速は、ビュレットを使用して測定した。バイオリアクターBx 110へのガス流速は、バイオリアクターBx 110の流入物と排気ガス流のN
2組成の比を使用して計算した。
この実験では、バイオリアクターBi 120を出たガスの画分しか、バイオリアクターBx 110に供給しなかった。一例では、バイオリアクターBi 120からの流出ガスの51%をバイオリアクターBx 110に供給した。別の例では、バイオリアクターBi 120からの流出ガスの60%をバイオリアクターBx 110に供給した。エタノール生産性は、以下の通りであった。
【0047】
【表6】
2つの反応器システムに関するエタノールの比生産性の値は、バイオリアクターBi 120の生産性を使用して計算した。アセトバクテリウム・ウッディイは、これらの実験において、エタノールを0から無視できる程度の量、生成した。この表に使用したクロストリジウム・リュングダリイによるエタノールの比生産性(バイオリアクター110の分と一緒にしなかった場合)は、2つの反応器を連結する前に測定した。バイオリアクターBi 120からの排ガスの100%をバイオリアクターBx 110に供給した場合、エタノールの比生産性は、24.4g/L/gのクロストリジウム属細胞/日となると見積もられる。
【0048】
このシステムの平均炭素捕捉率は、以下の通りであった。
【表7】
CO
2は、水性ガスシフト反応によりバイオリアクター120中で生成する。
図13は、バイオリアクター120と連結した場合の、バイオリアクター110における、CO1207およびCO
2 1206の利用量を示している。変換率は、流出ガス/流入ガスのモル濃度%を使用して計算する。
【0049】
(実施例10)
クロストリジウム・リュングダリイおよびアセトバクテリウム(Acetobacterium)を使用する2段階反応器
2段階反応器は、
図1に示されている通りに構成した。2段階反応器は、撹拌槽式バイオリアクター120(Bi)および撹拌槽式バイオリアクター110(Bx)を含んだ。各反応器は、本明細書に記載されているビタミン、微量金属、システイン(硫黄源として)および塩を含有する液状培地を含有した。バイオリアクター120(Bi)は、活発に成長中のクロストリジウム・リュングダリイを含んで開始し、バイオリアクター110(Bx)は、活発に成長中のアセトバクテリウム・ウッディイを含んで開始した。
バイオリアクターBx 110では、pHを約5.55に維持するため、0.5M NaOHを作用剤として使用する。時間あたりの細胞1グラムあたりのNaOHの使用量の概算は、0.13ml/分であった。
56%のH
2、11%のCH
4、33%のCOを含有するガス状基質186(Gi)を、バイオリアクターBi 120に導入した。バイオリアクター120からの出口ガス流(Gp)は、ガス流連結部184を介して、バイオリアクターBx 110に供給した。
システム中の水は、「閉鎖」構成に存在し、透過物/エタノール導管192を介して、バイオリアクターBi 120から蒸留188へと通過する。水(蒸留底部)は、水リサイクルライン202からバイオリアクターBx 110に戻した。バイオリアクターBx 110からの酢酸は、透過物酢酸ライン182からバイオリアクターBi 120に送り込んだ。
発酵は、水ループ閉鎖から開始して約96時間、行った。このシステムは、最初の48時間にわたり平衡にして、最後の48時間にわたりデータを収集した。両反応器の流入ガス流である186(Gi)および187(Gx)、ならびに流出ガス流184(Gp)および207(ベント流)は、概ね4時間毎に分析した。分析は、ガスクロマトグラフィーを使用して行った。データは、%組成として表した。エタノール、酢酸およびブタノールの生成物の分析は、ほぼ4時間毎に、GCを使用して行った。両反応器の細胞濃度は、概ね4時間毎にモニタリングした。
【0050】
平均%組成およびガス流速は、以下の通りであった:
【表8】
バイオリアクターBi 120およびBx 110へのガス流入物の供給速度は、マスフローコントローラー(MFC)を使用して維持した。バイオリアクターBx 110およびBi 120の流出ガス流速は、ビュレットを使用して測定した。バイオリアクターBx 110へのガス流速は、バイオリアクターBx 110の流入ガス流および流出ガス流のCH
4組成比を使用して計算した。
この実験では、バイオリアクターBi 120を出たガスの画分しか、バイオリアクターBx 110に供給しなかった。バイオリアクターBx 110へのガス供給材料は、バイオリアクターBi 120からの全排ガスの22.5%であった。
【0051】
エタノール生産性は、以下の通りであった。
【表9】
2つの反応器システムに関するエタノールの比生産性の値は、バイオリアクターBi 120の生産性を使用して計算した。アセトバクテリウム・ウッディイは、これらの実験において、エタノールを0から無視できる程度の量、生成した。この表に示されているクロストリジウム・リュングダリイによる比生産性(バイオリアクターBx 110の分と一緒にしなかった場合)は、2つの反応器を連結する前に測定した。バイオリアクターBi 120からの排ガスの100%をバイオリアクターBx 110に供給した場合、このシステムのエタノールの比生産性は、36.4g/L/gクロストリジウム属細胞/日になると見積もられる。
【0052】
ブタノール生産性は、以下の通りであった。
【表10】
酪酸は、アセトバクテリウム・ウッディイによって生成する。この実験は、クロストリジウム・リュングダリイが、酪酸をブタノールに変換する能力を有することを示すものである。バイオリアクターBi 120からの排ガスの100%をバイオリアクターBx 110に供給した場合、ブタノールの比生産性は、8.2g/L/gクロストリジウム属細胞/日になると見積もられる。
【0053】
このシステムの平均炭素捕捉率は、以下の通りであった。
【表11】
CO
2は、水性ガスシフト反応により、バイオリアクターBi 120中で生成する。
【0054】
本明細書に開示されている開示は、特定の実施形態、それらの実施例および用途により説明されているが、特許請求の範囲に説明されている本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の修正および改変が本開示に行われ得る。