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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000887
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/12 20060101AFI20231226BHJP
   G06F 13/10 20060101ALI20231226BHJP
   G06F 3/06 20060101ALI20231226BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20231226BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
G06F13/12 310D
G06F13/10 330A
G06F3/06 301Z
G11B27/00 D
G11B20/10 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099862
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 俊
(72)【発明者】
【氏名】大野 崇仁
(72)【発明者】
【氏名】堀部 雅彦
【テーマコード(参考)】
5D044
5D110
【Fターム(参考)】
5D044BC01
5D044CC04
5D044DE03
5D044GK19
5D110DA01
5D110DA04
5D110DA11
5D110DB01
5D110FA01
(57)【要約】
【課題】記憶装置の取り外し操作等、記憶装置がビジーである間に実行が制限される処理の指示を簡便にできる情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】ファイルを格納可能な記憶装置に接続される情報処理装置であって、ファイルに関する所定の処理を実行している間に、終了時処理の指示を受け入れ、上記ファイルに関する所定の処理の実行を完了したときに、上記受け入れた指示に従い、終了時処理を実行する情報処理装置である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルを格納可能な記憶装置に接続され、
前記ファイルに関する所定の処理を実行するファイル関連処理実行手段と、
前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理を実行している間に、終了時処理の指示を受け入れる受入手段と、
前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理の実行を完了したときに、当該実行を完了した処理の実行中、前記受入手段が前記終了時処理の指示を受け入れていたか否かを判断し、受け入れていた場合には、前記終了時処理を実行する終了時処理実行手段と、
を含む情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記終了時処理には、前記記憶装置の接続解除の指示を含む情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記終了時処理実行手段は、前記記憶装置の接続解除処理を実行したときに、接続解除ができなかったときには、当該記憶装置の接続解除処理を再実行する情報処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記終了時処理には、前記記憶装置の接続解除の指示と、これとは異なる処理の指示であって、
認証操作の要求を行う処理、
ネットワーク通信の停止処理、
シャットダウン処理、
のうち、少なくとも一つの処理の指示を含む情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記ファイル関連処理実行手段が実行する前記所定の処理は、ファイルの移動または複写の処理である情報処理装置。
【請求項6】
ファイルを格納可能な記憶装置に接続された情報処理装置を、
前記ファイルに関する所定の処理を実行するファイル関連処理実行手段と、
前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理を実行している間に、終了時処理の指示を受け入れる受入手段と、
前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理の実行を完了したときに、当該実行を完了した処理の実行中、前記受入手段が前記終了時処理の指示を受け入れていたか否かを判断し、受け入れていた場合には、前記終了時処理を実行する終了時処理実行手段と、
として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のシステムでは、コンピュータ装置に対して接続されるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を使用する際には、マウント処理を行う必要があり、また、取り外しの前にはアンマウント処理を行う必要がある。
【0003】
特許文献1には、読み出し動作時にマウント動作が行われ、読み出しが終了したらアンマウント動作する情報格納システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-35144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、記憶装置の使用中(ビジーである間)は、アンマウントの処理を含め、実行が制限される処理が存在する。例えば記憶装置に対するデータファイルの書き込みや読み出しの処理に時間がかかっている場合、ユーザは、当該処理が完了するまで待機して上記実行が制限される処理(例えば記憶装置のアンマウント)の実行を指示する必要がある。
【0006】
このように、従来の情報処理装置では、タイミングを見極めて上記実行が制限される処理の実行を指示する必要があり、記憶装置の取り外し等、いくつかの操作が煩雑なものとなっていた。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、記憶装置の取り外し操作等、記憶装置がビジーである間に実行が制限される処理の指示を簡便にできる情報処理装置及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来例の問題点を解決するための本発明の一態様は、ファイルを格納可能な記憶装置に接続される情報処理装置であって、前記ファイルに関する所定の処理を実行するファイル関連処理実行手段と、前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理を実行している間に、終了時処理の指示を受け入れる受入手段と、前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理の実行を完了したときに、当該実行を完了した処理の実行中、前記受入手段が前記終了時処理の指示を受け入れていたか否かを判断し、受け入れていた場合には、前記終了時処理を実行する終了時処理実行手段と、を含むこととしたものである。
【0009】
このようにすると、終了時処理を任意のタイミングで行うことが可能となり、記憶装置の取り外し操作など、記憶装置がビジーである間に実行が制限される処理の指示を簡便にできる。
【0010】
また前記終了時処理には、前記記憶装置の接続解除の指示を含むこととしてもよい。この場合、記憶装置の取り外し操作を簡便にできる。
【0011】
さらに前記終了時処理実行手段は、前記記憶装置の接続解除処理を実行したときに、接続解除ができなかったときには、当該記憶装置の接続解除処理を再実行することとしてもよい。これにより、例えば、上記終了時処理の指示を受け入れたときに実行していた所定の処理以外の処理によって接続解除処理が制限される場合にも接続解除の処理を継続することが可能となり、ユーザの記憶装置の取り外し操作を簡便にできる。
【0012】
さらに、前記終了時処理には、前記記憶装置の接続解除の指示と、これとは異なる処理の指示であって、認証操作の要求を行う処理、ネットワーク通信の停止処理、シャットダウン処理、のうち、少なくとも一つの処理の指示を含んでもよい。このようにすると、種々の終了時処理の指示を簡便にできる。
【0013】
また、前記ファイル関連処理実行手段が実行する前記所定の処理は、ファイルの移動または複写の処理であってよい。
【0014】
本発明のまた別の態様は、プログラムであって、ファイルを格納可能な記憶装置に接続された情報処理装置を、前記ファイルに関する所定の処理を実行するファイル関連処理実行手段と、前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理を実行している間に、終了時処理の指示を受け入れる受入手段と、前記ファイル関連処理実行手段が、前記所定の処理の実行を完了したときに、当該実行を完了した処理の実行中、前記受入手段が前記終了時処理の指示を受け入れていたか否かを判断し、受け入れていた場合には、前記終了時処理を実行する終了時処理実行手段と、として機能させることとしたものである。
【0015】
本発明のこの態様によっても、終了時処理を任意のタイミングで行うことが可能となり、記憶装置の取り外し操作など、記憶装置がビジーである間に実行が制限される処理の指示を簡便にできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、記憶装置の取り外し操作など、記憶装置がビジーである間に実行が制限される処理の指示を簡便にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の構成例を表すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の例を表す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置が表示するインタフェースの例を表す説明図である。
図4】本発明の実施の形態に係る情報処理装置の動作例を表すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報処理装置1は、例えばパーソナルコンピュータ等のコンピュータデバイスであり、図1に例示するように、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、入出力部15とを基本的に含んで構成される。またこの情報処理装置1には、入出力部15を介して記憶装置2が接続される。
【0019】
制御部11は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態では、この制御部11は、一般的なオペレーティングシステム(例えばウィンドウズ(登録商標)OS)としての動作を行い、このオペレーティングシステムの管理下で、記憶装置2に対するファイル(データファイル)の読み出しや書き込み等、ファイルに関する種々の処理(本発明における所定の処理)を実行する。
【0020】
また本実施の形態においてこの制御部11は、上記ファイルに関する所定の処理を実行している間に、終了時処理の指示を受け入れる。制御部11は、上記所定の処理の実行を完了したときに、当該実行を完了した処理の実行中、終了時処理の指示を受け入れていたか否かを判断し、受け入れていた場合には、当該指示された終了時処理を実行する。この制御部11の詳しい動作については後に述べる。
【0021】
記憶部12は、メモリデバイスや、HDDやSSD等の記憶手段を含んで構成され、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。またこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。ここで、記憶部12に格納されるプログラムは、コンピュータ可読かつ非一時的な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部12に複写して格納されたものであってもよい。
【0022】
操作部13は、キーボードやマウス等を含む。この操作部13は、ユーザの指示操作を受け入れて、制御部11にその内容を表す情報を出力する。表示部14は、ディスプレイ装置に接続されるディスプレイコントローラ等であり、制御部11から入力される指示に従って、ディスプレイ装置に対して情報を表示出力させる。
【0023】
入出力部15は、USB(Universal Serial Bus)インタフェースや、ネットワークインタフェース等を含む。この入出力部15は、例えば記憶装置2に接続され、制御部11から入力される指示に従って、記憶装置2からファイルを読み出して、制御部11に出力する。またこの入出力部15は、制御部11から入力される指示に従い、記憶装置2に対してファイルを書き込む処理を実行する。
【0024】
記憶装置2は、HDDやSSD等の記憶デバイスであり、情報処理装置1に接続されて、情報処理装置1から入力されるファイルを書き込み、また情報処理装置1から要求されたファイルを読み出して出力する。
【0025】
次に、情報処理装置1の制御部11の処理例について説明する。本実施の形態の制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することで、図2に例示するように、機能的に、ファイルアクセス部21と、ファイル関連処理実行部22と、受入部23と、終了時処理実行部24とを含む構成を実現する。
【0026】
ファイルアクセス部21は、オペレーティングシステムのファイルを開く手続(ファイル・オープン)と、ファイルを閉じる手続(ファイル・クローズ)とをフックして、これらの手続がコールされるときに所定の処理を実行してもよい。
【0027】
本実施の形態の一例では、このファイルアクセス部21は、ファイルを開く手続がコールされた際(つまりファイルを開く指示があったとき)に、開こうとするファイルを記憶する(あるいは記憶している)記憶装置2を特定する情報に関連付けて、当該記憶装置2が使用中である旨の情報を設定する。この情報は例えばファイルを開いているプロセスの数を表す整数値であり、ファイルアクセス部21は、この値を「1」だけインクリメントすることで、記憶装置2が使用中である旨の情報を設定することとすればよい。そしてファイルアクセス部21は、オペレーティングシステムのファイルを開く手続を実行し、ファイル関連処理実行部22に対して開いたファイルを特定する情報を出力するとともに、受入部23に対して処理の開始を知らせる。
【0028】
またこのファイルアクセス部21は、ファイルを閉じる手続がコールされたとき(つまりファイルを閉じる指示があったとき)に、開こうとするファイルを記憶する(あるいは記憶している)記憶装置2を特定する情報に関連付けられた、数値を「1」だけデクリメントし、受入部23に対して処理の終了を知らせる。
【0029】
ファイル関連処理実行部22は、ファイルに関する所定の処理を実行するアプリケーションプログラムである。このファイル関連処理実行部22は、例えばファイルを複写するアプリケーションプログラムであり、ファイルアクセス部21に指示して、ユーザから指示された複写元のファイルをオープンし、またファイルアクセス部21に指示して、ユーザの指示した複写先のディレクトリに新たなファイルをオープンする。そしてファイル関連処理実行部22は、複写元のファイルの内容を、複写先のファイルに書き込む。この処理が完了すると、ファイル関連処理実行部22は、複写元と複写先の双方のファイルを閉じるようファイルアクセス部21に指示し、処理を終了する。
【0030】
もっともこれは一例であり、ファイル関連処理実行部22は、このようなファイルの複写の処理を行うもののほか、ファイルの読み出し、ファイルへの書き込み、ファイルの削除、ファイルの移動(複写して、複写元を削除する処理)等の処理を実行するアプリケーションプログラムであってもよい。
【0031】
受入部23は、ファイルアクセス部21から処理の開始の通知を受け、この通知を受けた後、つまり、ファイル関連処理実行部22が処理を開始した後の所定の受け入れ条件を満足するタイミングで、終了時処理の指示を受け入れる旨の表示を表示部14に対して行う。
【0032】
この表示は例えば、図3に示すように、ファイルの移動などの進捗を表示するプログレス・バーを含むダイアログ(D)内に、終了時処理の実行を指示するチェックボックス(B)や、その具体的な処理の内容を選択するメニュー(M)などを表示することで行われてもよい。
【0033】
受入部23は、ファイル関連処理実行部22が処理を行っている間、つまりファイルアクセス部21から処理の終了が通知されるまでの間(上記受け入れ条件を満足している状態である間)に、終了時処理の指示がユーザから入力されると、当該入力された指示(終了時処理の指示)を受け入れて、指示の内容を記憶部12に保持しておく。
【0034】
受入部23は、さらに、ファイルアクセス部21から処理の終了が通知されたとき、記憶部12に終了時処理の指示が保持されているか否かを調べ(つまり終了時処理の指示を受け入れていたか否かを調べ)、終了時処理の指示が保持されていれば、終了時処理実行部24に対して当該保持している指示に従って終了時処理を実行させる。
【0035】
終了時処理実行部24は、受入部23から終了時処理を実行するべき旨の指示が入力されると、当該指示に従い、終了時処理を実行する。本実施の形態の一例では、受入部23が受け入れる終了時処理は、記憶装置2のアンマウント(接続解除)の指示であり、この場合、終了時処理実行部24は、記憶装置2のアンマウントを試行する。このとき、記憶装置2が保持するファイルに対して、他のプロセスが処理を行っていなければ、記憶装置2はアンマウントされる。またこのとき、記憶装置2が保持するファイルに対して、他のプロセスが処理を行っているなど、記憶装置2がビジーであるときには、終了時処理実行部24は、アンマウントの処理に失敗する。このときには、終了時処理実行部24は、エラーを報知して処理を終了してもよいし、所定の時間をだけ待機してからリトライする(指示された終了時処理、ここではアンマウントの処理を再実行する)こととしてもよい。
【0036】
さらに終了時処理実行部24は、リトライしたときにもアンマウントの処理に失敗した場合は、エラーを報知して処理を終了してもよいし、さらに繰り返してリトライしてもよい。リトライを繰り返す場合は、終了時処理実行部24は、所定の回数だけリトライしてもアンマウントの処理に失敗する場合に、エラーを報知して処理を終了してもよい。
【0037】
なお、終了時処理の例は、ここで述べた記憶装置の接続解除だけでなく、認証操作の要求(ログオフなど、予め定めたパスワードの入力などを求め、パスワードの入力があるまで他の操作を受け入れないこととする処理)、ネットワーク通信の停止要求(ネットワークインタフェースの一つをダウンさせるなどの処理)、シャットダウン処理(情報処理装置1の電源断の処理)、または、これらの任意の組み合わせなどを含む。
【0038】
[動作]
本実施の形態の情報処理装置1は以上の基本的構成を備えており、次のように動作する。本実施の形態の以下の例では、情報処理装置1には内蔵の記憶デバイスとして第1の記憶装置2aが接続され、また、入出力部15を介して、情報処理装置1とは別体に、着脱可能な外部の記憶デバイスとして、第2の記憶装置2bが接続されているものとする。
【0039】
また第1の記憶装置2aには、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムが保持されているとする。この第1の記憶装置2aには、ユーザデータが保持されていてもよい。そして第2の記憶装置2bには、ユーザデータが保持されるものとする。
【0040】
情報処理装置1は、ユーザから、第1の記憶装置2aに格納されたユーザデータである複数のファイルを、第2の記憶装置2bに複写する指示を受け入れて次のように動作する。
【0041】
情報処理装置1の制御部11は、図4に例示するように、ファイル関連処理として複写の対象となるファイルごとに複写の処理を実行する。また制御部11は、この処理と非同期的に並行して、終了時処理に関する処理を実行する。すなわち制御部11は、ファイル関連処理が開始されると、所定の受け入れ条件を満足している間(ここでは例えばファイルに関する処理の開始直後からその実行をしている間とする)に、終了時処理の指示を受け入れる旨の表示を表示部14に対して行う(S11)。
【0042】
ここでは、ファイルの移動などの進捗を表示するプログレス・バーを含むダイアログ(D)内に、終了時処理の実行を指示するチェックボックス(B)と、その具体的な処理の内容を選択するメニュー(M)とを表示する(図3の例の通り)。
【0043】
制御部11は、オペレーティングシステムが用意しているプログラム(API:Application Programming Interface)をコールして、指示された複写元のファイルをオープンするとともに、ユーザの指示した複写先の第2の記憶装置2b内のディレクトリに、新たなファイルをオープンする(S12)。
【0044】
そして制御部11は、複写元のファイルの内容を、複写先のファイルに書き込む処理を実行し(S13)、一つのファイルの複写を完了すると、オペレーティングシステムのAPIをコールして、複写元のファイルと、複写先の第2の記憶装置2b内のディレクトリに作成したファイルとをクローズする(S14)。制御部11は、ファイルごとに、ステップS12からS14の処理を繰り返し実行する。
【0045】
一方、制御部11がファイル関連処理としてステップS12からS14の処理を繰り返している間に、ユーザがステップS11で表示したダイアログ内のチェックボックスをチェックし、メニューから「終了時にディスクを取り外す」を選択すると、情報処理装置1は当該ユーザから入力された終了時処理の指示の内容を、記憶部12に保持しておく(S15)。
【0046】
その後、制御部11は、すべてのファイルの複写を完了して、ステップS12からS14の繰り返し処理を終了すると、終了時処理の指示が保持されているか否かを調べる(S16)。ここでは、終了時処理の指示が保持されているので(S16:Yes)、終了時処理の実行を開始し、保持されている指示に従って処理を行う(S17)。ここではステップS15において、「ディスクの取り外し」が指示されているので、制御部11は、第2の記憶装置2bのアンマウントを試行して、処理を終了する。なお、ステップS15においてユーザが指示を行わない場合など、ステップS16において終了時処理の指示が保持されていなければ(S16:No)、そのまま処理を終了する。
【0047】
なお、ステップS12からS14の繰り返しの処理が終了するまでに、ユーザがステップS11で表示されたダイアログ内のチェックボックスを一度チェックした後、そのチェックを外すなど、処理の指示を取りやめた場合は、制御部11は、記憶部12に保持した終了時指示の処理の内容を削除する。この場合は、ステップS16の処理において終了時処理の指示が保持されていないと判断されることとなり、終了時の処理は行われない。
【0048】
またユーザが、ステップS11で表示されたダイアログ内のメニューを一度選択した後、その選択を変更した場合は、制御部11は、記憶部12に保持した終了時指示の処理の内容を、新たに選択された処理で上書きして保持する。この例では、ステップS17において、保持されている指示が、上記新たに選択された処理となっているので、当該新たに選択された処理が実行されることとなる。
【0049】
[受け入れ条件]
また情報処理装置1による終了時処理の指示を受け入れる条件(受け入れ条件)は、上述の例のように、ファイルに関する処理の実行中、との条件であってもよいし、次のような条件であってもよい。
【0050】
すなわち本実施の形態のある例では、この受け入れ条件は、処理の開始からts秒後、処理の完了までの予想時間がte秒以上である間、としてもよい。ここでパラメータts=te=0とすると、受け入れ条件は、「ファイルに関する処理の実行中」と等しくなり、パラメータts>0と設定すれば(例えばts=10などとすれば)、処理に一定の時間が必要である場合に限り、終了時処理の指示を受け入れることとなる。なお、処理の完了までの予想時間の演算は、スループットの情報を用いた、広く知られた方法を採用できるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0051】
さらにこの受け入れ条件は、ファイルに係る条件であってもよい。例えば処理の対象となるファイルが情報処理装置1に対して入出力部15を介して接続された記憶装置2内に存在する、との条件であってもよい。この条件では、ファイルに関する処理が、当該外部の記憶装置2からのファイルの読み出し、あるいは当該外部の記憶装置2へのファイルの書き込みを伴う場合に、終了時処理の指示を受け入れることとなる。
【0052】
また、例えば処理の対象となるファイルの数が予め定めたしきい値を超えることを、受け入れ条件としてもよい。この場合は、処理の対象となるファイルの数が所定の数より多い場合に、終了時処理の指示を受け入れることとなる。
【0053】
受け入れ条件は、さらに上述の条件の組み合わせであってもよい。例えば情報処理装置1は、受け入れ条件として、処理の対象となるファイルの数が所定の数を超え、かつ、処理の開始からts秒後以降である、との条件を設定してもよい。
【0054】
[変形例]
ここまでの説明では、制御部11がファイルアクセス部21として機能する際に、オペレーティングシステムのファイルを開く手続(ファイル・オープン)と、ファイルを閉じる手続(ファイル・クローズ)とをフックするものとしたが、本実施の形態はこれに限られない。
【0055】
別の例としてファイルアクセス部21は、ファイル関連処理実行部22と一体的に機能し、ファイル関連処理実行部22としての処理においてファイルをオープンしたときに、受入部23に対して処理の開始を知らせてもよい。
【0056】
またこの例のファイルアクセス部21は、ファイル関連処理実行部22としての処理においてファイルを閉じたときに、受入部23に対して処理の終了を知らせる。
【0057】
この例によると、オペレーティングシステムの処理にフックすることなく、本実施の形態の処理を実現できる。
【符号の説明】
【0058】
1 情報処理装置、2 記憶装置、11 制御部、12 記憶部、13 操作部、14 表示部、15 入出力部、21 ファイルアクセス部、22 ファイル関連処理実行部、23 受入部、24 終了時処理実行部。

図1
図2
図3
図4