(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088738
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】改善された皮膚温度モニタリングのための方法、システム、およびデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 5/01 20060101AFI20240625BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
A61B5/01 350
A61B5/00 102A
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062010
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2022579145の分割
【原出願日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】17/380,804
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517230219
【氏名又は名称】フィットビット・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FITBIT LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンデン,リンジー
(72)【発明者】
【氏名】デシュパンデ,アニケット・サンジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ラフォン,ベレン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本開示は、改善された皮膚温度モニタリングのための、コンピュータによって実行される方法、システム、およびデバイスを提供する。
【解決手段】例示的なデバイスの上または中に含まれる皮膚および内部デバイス温度センサの測定値を求めて比較することに基づいて、皮膚および周囲温度の正確な推定値が生成される。皮膚および周囲温度測定値の推定値は、皮膚および深部体温の変化をモニタリングすること、例示的なデバイスの装着者の生理学的事象を検出すること、ならびに皮膚温度の変化が環境によって引き起こされたのか生理学的に引き起こされたのかを判断することを容易にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法であって、前記方法は、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの中に含まれる内部デバイス温度センサから受信したセンサデータに基づいて、前記ウェアラブルデバイスの内部デバイス温度を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、前記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度を推定することと、
前記コンピューティングシステムが、推定された前記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することとを備える、方法。
【請求項2】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の生理学的事象を判定することをさらに備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の生理学的事象は、発熱の開始、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、または熱的快適性、のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項4】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の生理学的事象を判定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの深部体温を推定することと、
前記コンピューティングシステムが、生理学的に引き起こされるユーザの深部体温の変化と環境によって引き起こされるユーザの深部体温の変化を区別することとを備える、請求項2に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項5】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の生理学的事象を判定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値の変化率をモニタリングして、前記皮膚温度の前記第2の推定値の遷移を検出することと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値の検出された前記遷移に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の生理学的事象を判定することとを備える、請求項2に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項6】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との差を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との前記差に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することとを備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項7】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部
デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度を機械学習モデルで処理することと、
前記周囲空気温度を、前記機械学習モデルが出力する予測として受信することとを備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項8】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度の推定値を調整することを備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項9】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスが収集した前記ユーザの睡眠データに少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を調整することを備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項10】
前記コンピューティングシステムが、推定された前記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することは、前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた信頼値を修正することを備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項11】
前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた前記信頼値は、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との温度差が減少するにつれて増加する、請求項10に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項12】
前記ウェアラブルデバイスの中に含まれる前記内部デバイス温度センサは、複数の内部デバイス温度センサで構成され、
前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる前記皮膚温度センサは、複数の皮膚温度センサで構成される、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項13】
ウェアラブルデバイスであって、
ユーザによって装着されるように構成されたデバイス筐体と、
前記デバイス筐体の中に含まれる1つまたは複数のプロセッサと、
前記デバイス筐体の上または中に含まれ、皮膚温度センサデータを生成するように構成された1つまたは複数の皮膚温度センサと、
前記デバイス筐体の中に含まれ、内部デバイス温度センサデータを生成するように構成された1つまたは複数の内部デバイス温度センサと、
前記デバイス筐体の中に含まれ、命令を格納した非一時的なコンピュータ読取可能メモリとを備え、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記ウェアラブルデバイスに動作を実行させ、前記動作は、
前記ウェアラブルデバイスの中に含まれる前記1つまたは複数の内部デバイス温度センサから受信した前記内部デバイス温度センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記デバイス筐体の中の内部デバイス温度を求めることと、
前記デバイス筐体の上または中に含まれる皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、前記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることと、
前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に
基づいて、周囲空気温度を推定することと、
推定された前記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することとを備える、ウェアラブルデバイス。
【請求項14】
前記動作はさらに、前記ユーザの深部体温を連続して観察することを備え、前記ユーザの前記深部体温は、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づく、請求項13に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項15】
改善された皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法であって、前記方法は、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの中に含まれる内部デバイス温度センサから受信したセンサデータに基づいて、前記ウェアラブルデバイスの内部デバイス温度を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、前記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の生理学的事象を判定することとを備える、方法。
【請求項16】
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良することは、
前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度を機械学習モデルで処理することと、
前記皮膚温度の前記第2の推定値を、前記機械学習モデルが出力する予測として受信することとを備える、請求項15に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項17】
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することは、前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた信頼値を修正することを備える、請求項15に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項18】
前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた前記信頼値は、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との温度差が増加するにつれて減少する、請求項17に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項19】
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することはさらに、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記皮膚温度の第2の推定値を調整することを備える、請求項15に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項20】
前記1つまたは複数の生理学的事象は、発熱の開始、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、または熱的快適性、のうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載のコンピュータによって実行される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、概して健康モニタリングおよび健康モニタリングのためのウェアラブルデバイスに関する。より具体的には、本開示は、改善された皮膚温度モニタリングのための方法およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
皮膚温度データは、周囲温度の変動に支配されることがある。そのため、皮膚温度モニタリングを提供するデバイスでは、センサの誤差とは無関係の不正確さが生じることがある。生理学的に引き起こされる皮膚温度の変化と環境によって引き起こされる皮膚温度の変化を区別する方法、システム、およびデバイスが必要である。
【発明の概要】
【0003】
要約
本開示の実施形態の態様および利点は、一部が以下の説明に記載されるか、または説明から学ぶことができるか、または実施形態の実践を通して学ぶことができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の1つの例示的な態様は、改善された皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法に向けられる。上記方法は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの中に含まれる内部デバイス温度センサから受信したセンサデータに基づいて、上記ウェアラブルデバイスの内部デバイス温度を求めることを含む。また、上記方法は、上記コンピューティングシステムが、上記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、上記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることを含む。次に、上記方法は、上記コンピューティングシステムが、上記皮膚温度の上記第1の推定値および上記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度を推定することを含む。次に、上記方法は、上記コンピューティングシステムが、推定された上記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて上記皮膚温度の上記第1の推定値を改良して、上記皮膚温度の第2の推定値を生成することを含む。
【0005】
本開示の別の例示的な態様は、ウェアラブルデバイスに向けられ、上記ウェアラブルデバイスは、ユーザによって装着されるように構成されたデバイス筐体と、上記デバイス筐体の中に含まれる1つまたは複数のプロセッサと、上記デバイス筐体の上または中に含まれ、皮膚温度センサデータを生成するように構成された1つまたは複数の皮膚温度センサと、上記デバイス筐体の中に含まれ、内部デバイス温度センサデータを生成するように構成された1つまたは複数の内部デバイス温度センサと、上記デバイス筐体の中に含まれ、命令を格納した非一時的なコンピュータ読取可能メモリとを含み、上記命令は、上記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、上記ウェアラブルデバイスに動作を実行させる。特に、上記動作は、上記ウェアラブルデバイスの中に含まれる上記1つまたは複数の内部デバイス温度センサから受信した上記内部デバイス温度センサデータに少なくとも部分的に基づいて、上記デバイス筐体の中の内部デバイス温度を求めることと、上記デバイス筐体の上または中に含まれる皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、上記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることと、上記皮膚温度の上記第1の推定値および上記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度を推定する
ことと、推定された上記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて上記皮膚温度の上記第1の推定値を改良して、上記皮膚温度の第2の推定値を生成することとを含む。
【0006】
本開示の別の例示的な態様は、改善された皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法に向けられる。上記方法は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの中に含まれる内部デバイス温度センサから受信したセンサデータに基づいて、上記ウェアラブルデバイスの内部デバイス温度を求めることを含む。次に、上記方法は、上記コンピューティングシステムが、上記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、上記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることを含む。次に、上記方法は、上記コンピューティングシステムが、上記ウェアラブルデバイスの上記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて上記皮膚温度の上記第1の推定値を改良して、上記皮膚温度の第2の推定値を生成することを含む。次に、上記方法は、上記コンピューティングシステムが、上記皮膚温度の上記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の生理学的事象を判定することを含む。
【0007】
当業者に向けられた実施形態の詳細な記述が、添付の図面を参照する明細書に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態例に係る例示的なウェアラブルデバイスの正面図である。
【
図2】本開示の実施形態例に係る例示的なウェアラブルデバイスの背面図である。
【
図3】本開示の実施形態例に係る筐体の中に含まれる内部デバイス温度センサを示す例示的なウェアラブルデバイスの内部側面図である。
【
図4】本開示の実施形態例に係る筐体の中に含まれる皮膚温度センサを示す例示的なウェアラブルデバイスの内部側面図である。
【
図5】本開示の実施形態例に係る例示的な皮膚温度ノイズ除去方法のステップのフローを示す図である。
【
図6】本開示の実施形態例に係る例示的な生理学的事象検出システムを示す図である。
【
図7】本開示の実施形態例に係る生理学的事象検出システムの別の例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態例に係る生理学的事象検出システムの別の例を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態例に係る例示的なコンピューティングシステムを示す図である。
【
図10】本開示の実施形態例に係るウェアラブルデバイスの例示的な温度データのグラフを示す図である。
【
図11】本開示の実施形態例に係るウェアラブルデバイスの例示的な内部デバイス温度センサおよび皮膚温度センサのデータのグラフを示す図である。
【
図12】本開示の実施形態例に係る例示的な内部デバイス温度と皮膚温度との差分データのグラフを示す図である。
【
図13】本開示の実施形態例に係る複数のウェアラブルデバイスの例示的な温度データのグラフを示す図である。
【
図14】本開示の実施形態例に係る周囲温度推定予測の例示的な線形回帰モデルを示すグラフを示す図である。
【
図15】本開示の実施形態例に係る発熱からの日数に対する例示的な皮膚温度変動のグラフを示す図である。
【
図16】本開示の実施形態例に係る睡眠データを組み込んだ例示的な温度変動のグラフを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
概要
概して、本開示は、改善された皮膚温度モニタリングのための方法およびデバイスなどの、健康モニタリングおよび健康モニタリングのためのウェアラブルデバイスに向けられる。特に、本開示の例示的な態様は、改善された皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法を含む。本開示の方法は、人の深部体温の有意な変化を観察すること、ならびに人の健康に関する生理学的傾向および事象を特定することを可能にする。
【0010】
より具体的には、人の皮膚温度は、その人の深部体温の変動に伴って変化することが予想される。時には、人の皮膚温度と人の深部体温との間に正の相関があり得るが、またある時には、この関係は逆変化をもたらし得る。たとえば、人の体は、自身の深部体温を上昇させて発熱することがあり、その際に四肢の灌流を低下させるので、人の深部体温が上昇している間は皮膚温度が低くなることが予想される。生理学的に引き起こされるこれらの展開により、他のデータストリームを観察することによっては不可能であり得る、温度データストリームの比較から傾向を観察することが可能になる。その一方で、皮膚温度の変化は周囲温度の変動にも支配されることがあるため、生理学的変化に関連付けられた皮膚温度の変化を特定することは困難である。このため、生理学的に引き起こされる皮膚温度の変化と環境によって引き起こされる変化を区別する方法が必要である。
【0011】
そのような課題に鑑みて、本開示は、改善された皮膚温度モニタリングのための、コンピュータによって実行されるシステムおよび方法を提供する。いくつかの実装では、本開示の方法は、コンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの中に含まれる1つまたは複数のセンサからのセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ウェアラブルデバイスの内部温度を求めることを含む。一例では、ウェアラブルデバイスは、リストバンド、ブレスレット、腕時計、アームバンド、ユーザの指の周りに配置されるリング、または本開示で説明するようなセンサを備え得るその他のウェアラブル製品であってもよい。別の例として、デバイスの内部温度を測定する1つまたは複数のセンサは、ウェアラブルデバイスの筐体の中に含まれてもよいが、ユーザの皮膚と熱的に接触していなくてもよい。デバイスの内部温度を測定する1つまたは複数のセンサがこの例に従って配置される場合、センサは、ユーザの皮膚温度と相関し得るが、たとえば専用の皮膚温度センサと比較して、外気温度の影響も受けやすくなり得る。
【0012】
別の態様によれば、本開示の方法は、コンピューティングシステムが、ユーザと熱的に接触しておりウェアラブルデバイスの中に含まれる1つまたは複数の皮膚温度センサから受信したセンサデータに基づいて、ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることを含む。別の例では、ウェアラブルデバイスは、ユーザの皮膚と接触するように構成された熱伝導ベースプレートを含み得る。この例では、1つまたは複数の皮膚温度センサは、ベースプレートの温度を測定するように構成され得る。ユーザの皮膚温度の第1の推定値を測定する1つまたは複数のセンサがこのように配置される場合、センサを、たとえば上述の内部デバイス温度センサおよび/または専用の周囲空気温度センサと比較して、外気温度の影響を受けにくくすることができる。
【0013】
本開示の別の態様によれば、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第1の推定値および内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度を推定し得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第1の推定値とウェアラブルデバイスの内部温度との差を求めることによって、周囲空気温度を推定する。一例で
は、推定される周囲空気温度は、上述のような温度差に対応するデータセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理の結果であり得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第1の推定値およびウェアラブルデバイスの内部温度を機械学習モデルで処理することによって、周囲空気温度を推定してもよい。一例として、機械学習モデルは、線形回帰モデル、ニューラルネットワーク(たとえばリカレントニューラルネットワーク)、またはクラスタリングモデルを含み得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、周囲空気温度を、機械学習モデルが出力する予測として受信してもよい。
【0014】
本開示の別の態様によれば、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第1の推定値および内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、皮膚温度の中間推定値を生成し得る。皮膚温度のこの中間推定値を、周囲温度推定値に少なくとも部分的に基づいてさらに改良して、皮膚温度の第2の推定値を生成するのに役立てることができる。一例では、皮膚温度の中間推定値は、上述のような温度差に対応するデータセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理の結果であり得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第1の推定値およびウェアラブルデバイスの内部温度を機械学習モデルで処理することによって、皮膚温度の中間推定値を生成してもよい。一例として、機械学習モデルは、線形回帰モデル、ニューラルネットワーク(たとえばリカレントニューラルネットワーク)、またはクラスタリングモデルを含み得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の中間推定値を、機械学習モデルが出力する予測として受信してもよい。
【0015】
いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、ウェアラブルデバイスの中に含まれる追加の周囲センサから取得された追加の周囲センサデータに少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度推定値を調整し得る。いくつかの実装では、追加の周囲センサは、位置センサ(たとえばグローバルポジショニングセンサ)、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、心拍数センサ、およびその他の生理学的センサを含み得る。一例では、コンピューティングシステムは、ウェアラブルデバイスの中に含まれる周囲光センサが覆われているか否かを観察してもよい。この例では、コンピューティングシステムは、周囲光センサが覆われていることに基づいて、より暖かい周囲温度を推測することができ、これは、皮膚温度、皮膚温度の変化、および皮膚温度の変化率に基づいて、皮膚温度推定値を、したがって生理学的傾向を判断するのに役立ち得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、ウェアラブルデバイスが収集したユーザの睡眠データに少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度推定値を調整し得る。いくつかの実装では、睡眠データの例は、ユーザが起きているか眠っているかを示すデータ、ユーザの睡眠係数、およびユーザの心拍数を含み得る。ユーザが眠っている場合、当該データは、ユーザが動いている(たとえば体位を変えている)か否かを示す情報、およびユーザが経験している睡眠の種類の特徴付け(たとえば、落ち着きのない睡眠、浅い睡眠、深い睡眠、急速眼球運動(レム)睡眠)も含み得る。一例では、コンピューティングシステムは、睡眠中のユーザの体位変換はユーザの体温調節サイクルの機能であると推測することができ、したがって、ユーザの皮膚温度の第2の推定値に少なくとも部分的に基づいてユーザの深部体温を求めるのに役立ち得る。
【0016】
本開示の別の態様によれば、この方法は、コンピューティングシステムが、推定された周囲空気温度または皮膚温度の中間推定値に少なくとも部分的に基づいて皮膚温度の第1の推定値を改良して、皮膚温度の第2の推定値を生成することを含む。一例では、皮膚温度の第2の推定値は、推定された周囲空気温度に対応するデータセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理の結果であり得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第2の推定値または推定された周囲空気温度に関連付けられた信頼値を修正する。一例として、信頼値は、皮膚温度の第1の推定値または推
定された周囲空気温度とウェアラブルデバイスの内部温度との温度差が減少するにつれて増加し得る。別の言い方をすれば、皮膚温度の第1の推定値または推定された周囲空気温度とウェアラブルデバイスの内部温度との温度差が小さくなることは、皮膚温度の第2の推定値に対する信頼が高まることと同じであり得る。また、別の例として、温度差が小さいほど、周囲温度がユーザの皮膚温度の変化を引き起こしている可能性が低いことを意味し得る。
【0017】
本開示の別の態様によれば、この方法は、コンピューティングシステムが、皮膚温度の第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの1つまたは複数の生理学的事象を判定することを含む。いくつかの実装では、生理学的事象は、発熱、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、および熱的快適性を含み得る。生理学的事象の検出は、生理学的事象の開始の検出、事象の現在進行中の状態の判定、および/もしくは事象の将来の状態に関する予測(たとえば、今後6時間以内に起こると予想される発熱ピーク)などの、生理学的事象の状態の検出または判定を含み得る。一例では、コンピューティングシステムは、ユーザの皮膚温度の上昇後に収集された皮膚温度の第2の推定値のデータセットを平滑化することによって、発熱を検出してもよい。
【0018】
いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第2の推定値に基づいてユーザの深部体温を推定し得る。一例では、推定されるユーザの深部体温は、さまざまな頻度で、かつユーザの異なる睡眠段階(たとえば、起きているまたは眠っている)時に収集された皮膚温度の第2の推定値に基づき得る。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、生理学的に引き起こされる深部体温の変化と環境によって引き起こされる深部体温の変化を区別する。いくつかの実装では、コンピューティングシステムは、皮膚温度の第2の推定値の変化率をモニタリングして、皮膚温度の第2の推定値の遷移を検出し得る。一例として、コンピューティングシステムは、検出された遷移に基づいて生理学的事象を判定し得る。いくつかの例では、生理学的事象は、発熱の開始、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、および熱的快適性を含み得る。
【0019】
本開示の方法およびデバイスは、人の真の皮膚温度のより信頼性の高い推定値を求めること、人の深部体温の有意な変化を観察すること、ならびに人の健康に関する生理学的傾向および事象を特定することを含む、多くの技術的効果および利点を提供する。
【0020】
また、本開示は、ユーザが生データだけでなくそのデータから推測される傾向および事象も観察できるように、複数のセンサからのデータを組み合わせて分析することによって、ウェアラブルデバイス内のセンサから受信したデータの改良を可能にする。このように、本開示は、ウェアラブルデバイス内の追加のセンサの必要性をなくすことにより、デバイススペースおよびプロセッサの使用量を節約することもできる。また、本開示は、より効率的な、予測可能な、かつ有用な方法でデバイスのセンサを実装することによって、皮膚温度をモニタリングするより正確なデバイスを可能にする。
【0021】
次に図面を参照して、本開示の実施形態例についてさらに詳細に述べる。
例示的な方法、システム、およびデバイス
図1は、本開示の実施形態例に係る例示的なウェアラブルデバイス100の正面図を示す。
図1のウェアラブルデバイス100は腕時計であるが、本開示のシステムおよび方法は、たとえば、リストバンド、ブレスレット、腕時計、アームバンド、ヘッドバンド、眼鏡、イヤホン、ユーザの指の周りに配置されるリング、コンピュータが埋め込まれた衣類、および/または本開示で説明するようなセンサを備え得るその他のウェアラブル製品などの、任意の異なる種類のウェアラブルデバイスに適用することができる。ウェアラブルデバイス100は、ディスプレイ102と、デバイス筐体104と、バンド106とを用いて構成され得る。
【0022】
いくつかの実装では、ウェアラブルデバイス100は、ディスプレイ102および/または触覚デバイス、発光ダイオード等の任意の他のデータ出力デバイスを介してユーザにデータを伝達するように構成され得る。伝達されるデータは、皮膚温度、心拍数、睡眠状態(たとえば、浅い睡眠、深い睡眠、およびレム睡眠)、睡眠係数(たとえば、睡眠スコア)に関するデータ、ならびにユーザのその他の生理学的データ(たとえば、血中酸素濃度)を含み得る。また、ディスプレイ102は、ウェアラブルデバイス100の中または上に含まれる追加の周囲センサからのデータを通信するように構成され得る。ディスプレイ102によって通信されるこれらの追加の周囲センサからの例示的な情報は、ユーザに関連付けられた場所の位置、高度、および天候を含み得る。ディスプレイ102は、ユーザの動作に関するデータ(たとえば、ユーザが静止しているか、歩いているか、および/または走っているか)も伝達することができる。
【0023】
いくつかの実装では、ディスプレイ102は、ユーザの生理学的事象に関する情報を表示するように構成され得る。表示され得る例示的な生理学的事象は、ユーザの発熱、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、および熱的快適性を含む。また、ディスプレイ102は、ユーザの生理学的事象の検出に関する情報を伝達することができる。ディスプレイ102は、このように構成されることにより、生理学的事象の開始の検出、事象の現在進行中の状態の判定、および/もしくは事象の将来の状態に関する予測(たとえば、今後6時間以内に起こると予想される発熱ピーク)などの、生理学的事象の状態の検出または判定をユーザに伝達することができる。
【0024】
また、ディスプレイ102またはその他のデータ入力デバイス(たとえば、さまざまなタッチセンサおよび/または物理的なボタン、スイッチ、もしくはトグル)は、ユーザが入力するデータを受信するように構成され得る。ユーザが入力するデータの例は、症状、睡眠状況、排卵、月経に関する情報、およびユーザの健康に関するその他の生理学的情報を含み得る。
【0025】
デバイス筐体104は、1つまたは複数のセンサを含むように構成され得る。デバイス筐体104が含む例示的なセンサは、皮膚温度センサ、内部デバイス温度センサ、位置センサ(たとえばGPS)、モーションセンサ、高度センサ、心拍数センサ、およびその他の生理学的センサ(たとえば血中酸素濃度センサ)を含み得る。デバイス筐体104は、1つまたは複数のプロセッサを含むように構成され得る。
【0026】
バンド106は、たとえば、バックル、クラスプ、またはその他の同様の固定装置でバンド106の端部を接続することによってウェアラブルデバイス100をユーザの腕の周りに固定し、それによってウェアラブルデバイス100がユーザによって装着可能となるように構成され得る。
【0027】
図2は、本開示の実施形態例に係る例示的なウェアラブルデバイス100の背面図を示す。ウェアラブルデバイス100は、ベースプレート202を用いて構成され得る。また、ウェアラブルデバイス100は、ベースプレート202に取り付けることができる1つまたは複数のセンサ204を用いて構成され得る。例示的なセンサ204は、皮膚温度センサ、位置センサ(たとえばGPS)、モーションセンサ、高度センサ、心拍数センサ、高度計温度センサ、およびその他の生理学的センサ(たとえば血中酸素濃度センサ)を含み得る。ベースプレート202は、熱伝導性とすることができ、ウェアラブルデバイス100がユーザによって装着されるとユーザおよび/または皮膚温度センサと熱的に接触するように構成され得る。たとえば、装着されると、ベースプレートはユーザの皮膚に押し当てられ得る。同様に、皮膚温度センサは、ベースプレートの温度読取値を生成するように構成され得る。このように、ベースプレート202は、ベースプレート202がユーザ
と熱的に接触しているときにユーザの皮膚温度の測定を可能にする(たとえば、ベースプレートの温度がユーザの皮膚温度の代用となる)ように構成され得る。
【0028】
いくつかの実装例では、ユーザの皮膚の温度を読取るためにベースプレートを使用するが、ユーザの皮膚と直接接触するように構成された温度センサなど、その他のアプローチも使用可能である。別の例では、赤外線センサがデバイス100(たとえば筐体104の中)に含まれることができ、赤外線を用いてユーザの皮膚の温度を測定することができる。たとえば、赤外線はベースプレート202の開口を通ることができる。別の例では、1つまたは複数の温度センサがバンド106に組み込まれることができ、ユーザの皮膚の温度を測定することができる。たとえば、1つまたは複数の温度センサが布地バージョンのバンド106に織り込まれることができる。
【0029】
図3は、本開示の実施形態例に係るデバイス筐体104の中に含まれる内部デバイス温度センサ302を示す例示的なウェアラブルデバイス100の内部側面図を示す。内部デバイス温度センサ302は、デバイス筐体104の内部空間の温度(たとえば内部デバイス温度)を測定し、当該温度に関するデータを生成するように構成され得る。また、内部デバイス温度センサ302は、複数の内部デバイス温度センサで構成され得る。内部デバイス温度センサ302は、ウェアラブルデバイス100のデバイス筐体104の中に含まれてもよいが、典型的にはユーザの皮膚と熱的に接触していない。一例では、内部デバイス温度センサ302は、デバイス筐体104の内側(たとえばベースプレート202以外)に取り付けられ得る。別の例では、内部デバイス温度センサ302は、デバイス100のプリント回路基板(たとえば「マザーボード」)に取り付けられ得る。
【0030】
図4は、本開示の実施形態例に係るデバイス筐体104の中に含まれる皮膚温度センサ402を示す例示的なウェアラブルデバイス100の内部側面図を示す。いくつかの実装では、皮膚温度センサ402はユーザと物理的に接触するように構成され得る。このように、皮膚温度センサ402は、ユーザの皮膚温度を測定し、当該温度に関するデータを生成し得る。他の実装では、ウェアラブルデバイス100は、皮膚温度センサ402およびユーザの皮膚の両方と熱的に接触するように構成された熱伝導ベースプレート202を含み得る。そのような実施形態では、皮膚温度センサ402は、ユーザの皮膚の温度も表すベースプレート202の温度を測定し、当該温度に関するデータを生成するように構成され得る。さらに他の実装では、赤外線センサがデバイス100(たとえば筐体104の中)に含まれることができ、赤外線を用いてユーザの皮膚の温度を測定することができる。たとえば、赤外線はベースプレート202の開口を通ることができる。また、皮膚温度センサ402は、複数の皮膚温度センサ(たとえば、本明細書で説明するような複数の異なるアプローチを取る複数の異なるセンサ)で構成されることができる。その他の配置も可能である。
【0031】
図5は、本開示の実施形態例に係る例示的な皮膚温度ノイズ除去方法500のステップのフローを示す。ステップ502において、皮膚温度ノイズ除去方法500は、ユーザが装着するウェアラブルデバイス100の内部デバイス温度を求め得る。ステップ502においてウェアラブルデバイス100の内部温度を求めることは、ウェアラブルデバイス100の上または中に含まれる1つまたは複数の内部デバイス温度センサ302からのセンサデータに少なくとも部分的に基づき得る。別の例では、ステップ502においてウェアラブルデバイス100の内部温度を求めることは、自身の出力をモニタリングおよび較正することの一部として温度データを生成する、加速度計および充電回路内に存在する温度センサなどの、デバイス100のその他のコンポーネントの中に含まれる温度センサからのデータに少なくとも部分的に基づき得る。次のステップ504において、皮膚温度ノイズ除去方法500は、ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求め得る。ステップ504においてユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることは、ユーザと物理的および/または熱
的に接触している、ウェアラブルデバイス100の中に含まれる1つまたは複数の皮膚温度センサ402から受信したセンサデータに少なくとも部分的に基づき得る。別の例では、ステップ504においてユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることは、ベースプレート202と熱的に接触している1つまたは複数の皮膚温度センサ402からのセンサデータに少なくとも部分的に基づき得る。この例では、ベースプレート202はまた、ウェアラブルデバイス100がユーザによって装着されるとユーザの皮膚と熱的に接触するように構成され得る。
【0032】
ステップ506において、皮膚温度ノイズ除去方法500は、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値およびステップ502からのウェアラブルデバイス100の内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度を推定し得る。ステップ506における周囲空気温度の推定値は、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値とステップ502からのウェアラブルデバイス100の内部デバイス温度との差を求めることに基づき得る。別の例では、ステップ506における周囲空気温度の推定値は、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値とステップ502におけるウェアラブルデバイス100の内部デバイスの温度との温度差に対応するデータセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理の結果であり得る。
【0033】
ステップ506において、皮膚温度ノイズ除去方法500はまた、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値およびステップ502からのウェアラブルデバイス100の内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、皮膚温度の中間推定値を生成し得る。ステップ506からの皮膚温度の中間推定値を、周囲温度推定値に少なくとも部分的に基づいてさらに改良して、皮膚温度ノイズ除去方法500のステップ508において皮膚温度の第2の推定値を生成するのに役立てることができる。ステップ506における皮膚温度の中間推定値は、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値とステップ502におけるウェアラブルデバイス100の内部デバイス温度との温度差に対応するデータセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理の結果であってよい。
【0034】
さらに別の例では、ステップ506における周囲空気温度の推定値または皮膚温度の中間推定値は、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値およびステップ502からのウェアラブルデバイスの内部温度を機械学習モデルで処理することによって求められ得る。そのような実装では、ステップ506における周囲空気温度の推定値または皮膚温度の中間推定値は、機械学習モデルの予測出力であり得る。たとえば、機械学習モデルは、教師あり学習アプローチを用いて、入力データおよびグラウンドトゥルースラベルのペアを含む訓練データセットで訓練されている場合がある。たとえば、各ペアについて、入力データは例示的な皮膚温度および内部デバイス温度の読取値を含み得るのに対して、グラウンドトゥルースラベルはグラウンドトゥルース周囲温度を含み得る。たとえば、訓練データセットは、ウェアラブルデバイスが既知の周囲温度を有する環境で動作している状況から時間の経過とともに収集され得る。いくつかの実装では、訓練データセットは、ユーザの皮膚および周囲環境を表す温度を含むさまざまな温度の制御を可能にするテストチャンバ内に存在するセンサを使用して生成され得る。そのような訓練データセットで訓練することによって、機械学習モデルは、皮膚温度および内部デバイス温度に基づいて予測周囲温度または皮膚温度の中間推定値を生成するように構成され得る。機械学習モデルは、さまざまなニューラルネットワーク(たとえば、フィードフォワードニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、トランスフォーマネットワーク等)、線形モデル、サポートベクターマシン、クラスタリングモデル等を含む、任意の形式のモデルであり得る。
【0035】
別の例では、ステップ506における周囲空気温度の推定値は、ウェアラブルデバイス100の上または中に含まれる追加の周囲センサから取得された追加の周囲センサデータ
に少なくとも部分的に基づいて調整され得る。一例では、ステップ506における周囲空気温度の推定値は、ユーザが入力してウェアラブルデバイス100が収集した睡眠データおよび/または本明細書に記載されるようなその他の周囲データに基づいて少なくとも部分的に基づいて調整され得る。
【0036】
ステップ508において、皮膚温度ノイズ除去方法500は、ステップ506からの推定された周囲空気温度または皮膚温度の中間推定値に少なくとも部分的に基づいて皮膚温度の第1の推定値を改良することによって、ユーザの皮膚温度の第2の推定値を生成する。ステップ508において生成される皮膚温度の第2の推定値は、推定された周囲空気温度または皮膚温度の中間推定値に対応するデータセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理の結果であり得る。別の例では、データセットの1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理は、ユーザが毛布をかぶるまたは毛布を取るときに起こるようなユーザの軽微な体位変換、およびその他の同様の行動要因(たとえば、ユーザの一般的な動き)を考慮することができる。この例では、1つまたは複数の平滑化または曲線フィッティング処理は、皮膚温度データ点の信号を、当該信号がこれらの行動要因によって生じる温度ピークの影響を受けにくくなるように、修正することができる。
【0037】
別の例では、ステップ508においてユーザの皮膚温度の第2の推定値を生成することは、皮膚温度の第2の推定値または推定された周囲空気温度に関連付けられた信頼値を修正することを含み得る。そのような例では、信頼値は、皮膚温度の第1の推定値または推定された周囲空気温度とウェアラブルデバイス100の内部温度との温度差が減少するにつれて増加し得る。この例では、皮膚温度の第1の推定値または推定された周囲空気温度とウェアラブルデバイス100の内部温度との温度差が小さくなることは、皮膚温度の第2の推定値に対する信頼が高まることと同じであり得る。
【0038】
いくつかの実装では、ステップ508において、皮膚温度の第2の推定値は、ステップ504からの皮膚温度の第1の推定値と、ステップ506からの皮膚温度の中間推定値と、ステップ506からの推定された周囲温度とを機械学習モデルで処理することによって求められ得る。そのような実装では、ステップ508における皮膚温度の第2の推定値は、機械学習モデルの予測出力であり得る。たとえば、機械学習モデルは、教師あり学習アプローチを用いて、入力データおよびグラウンドトゥルースラベルのペアを含む訓練データセットで訓練されている場合がある。たとえば、各ペアについて、入力データは例示的な推定された皮膚温度および周囲温度の読取値を含み得るのに対して、グラウンドトゥルースラベルはグラウンドトゥルース皮膚温度を含み得る。たとえば、訓練データセットは、ウェアラブルデバイスがより正確な皮膚温度センサとともに動作している状況から時間の経過とともに収集され得る。そのような訓練データセットで訓練することによって、機械学習モデルは、(たとえば、環境的事象ではなく生理学的事象のみを反映する)改良された皮膚温度読取値を生成するように構成され得る。いくつかの実装では、訓練データセットは、ユーザの皮膚および周囲環境を表す温度を含むさまざまな温度の制御を可能にするテストチャンバ内に存在するセンサを使用して生成され得る。機械学習モデルは、さまざまなニューラルネットワーク(たとえば、フィードフォワードニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、トランスフォーマネットワーク等)、線形モデル、サポートベクターマシン、クラスタリングモデル等を含む、任意の形式のモデルであり得る。
【0039】
図6は、本開示の実施形態例に係る例示的な生理学的事象検出システム600を示す。一例では、生理学的事象検出システム600は、追加の周囲条件センサデータ602、内部デバイス温度センサデータ604、皮膚温度センサデータ606、および睡眠データ608の形態で入力を受信し得る。
【0040】
追加の周囲条件センサデータ602は任意であり、ウェアラブルデバイス100の上または中に含まれる位置センサ(たとえばグローバルポジショニングセンサ)、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、心拍数センサ、およびその他の生理学的センサ(たとえば血中酸素センサ)からのデータを含み得る。たとえば、位置センサを介してユーザの位置を求めることにより、局所的な周囲条件(たとえば、温度またはその他の気象データ)に関するさまざまなデータベースからの情報を取得し、使用してプロセスを導くことができる。同様に、心拍数およびその他の生理学的センサに関するデータは、環境によって起こるのではなく生理学的に起こる温度変化を理解するのに役立ち得る。
【0041】
内部デバイス温度センサデータ604は、ウェアラブルデバイス100の上または中に含まれる1つまたは複数の内部デバイス温度センサ302からのデータを含み得る。皮膚温度センサデータ606は、ウェアラブルデバイス100の上または中に含まれてユーザまたはウェアラブルデバイス100のベースプレート202のいずれかと熱的に接触している1つまたは複数の皮膚温度センサ402からのデータを含み得る。
【0042】
睡眠データ608は、ウェアラブルデバイス100が収集した、またはユーザが入力したデータを含み得る。睡眠データの例は、ユーザが起きているか眠っているかを示すデータ、ユーザの睡眠係数、およびユーザの心拍数を含み得る。この例では、ユーザが眠っている場合、睡眠データ608は、ユーザが動いているか否かを示す情報、およびユーザが経験している睡眠の種類の特徴付け(たとえば、落ち着きのない睡眠、浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠)も含み得る。
【0043】
生理学的事象検出システム600のこの例では、皮膚温度ノイズ除去方法500の実行により、データ入力602および608はデータ入力604および606の処理と組み合わせて処理され得る。生理学的事象検出システム600のコンポーネント610として、データ入力602および608と、ノイズ除去方法500の実行により生成された皮膚温度の第2の推定値とに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの生理学的事象が検出され得る。そのような例では、コンポーネント610からの生理学的事象は、発熱、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、および熱的快適性を含み得る。
【0044】
生理学的事象の検出610は、生理学的事象の開始などの生理学的事象の状態の検出もしくは判定、および/または事象の将来の状態に関する予測(たとえば、今後6時間以内に起こると予想される発熱ピーク)を含み得る。別の例では、生理学的事象の検出610は、ユーザの皮膚温度の上昇後に収集された皮膚温度の第2の推定値のデータセットを平滑化することを含み得る。
【0045】
生理学的事象検出システム600のコンポーネント612において、システムは生理学的事象を推測し得る。コンポーネント612において生理学的事象を推測することは、デバイス筐体104の中に含まれる1つまたは複数のプロセッサが、ディスプレイ102に、コンポーネント610から検出された生理学的事象に関する情報をユーザに伝達させることを含み得る。
【0046】
図7は、本開示の実施形態例に係る生理学的事象検出システム600の別の例を示す。この例では、生理学的事象検出システム600は、
図6の生理学的事象検出システムにおいて受信したのと同じ入力602、604、606および608を受信し得る。また、
図7のシステムは、
図6について上述したのと同じ生理学的事象を検出して推測し得る。
【0047】
図7の生理学的事象検出システム600は、内部デバイス温度センサデータ604および皮膚温度センサデータ606を機械学習モデル702で処理するように構成され得る。
この例示的な構成では、機械学習モデル702は、線形回帰モデル、ニューラルネットワーク(たとえばリカレントニューラルネットワーク)、またはクラスタリングモデルを含み得る。そのような例では、生理学的事象検出システム600は、周囲空気温度の推定値または皮膚温度の中間推定値を、機械学習モデル702による予測出力として受信し得る。このように受信した周囲空気温度の推定値または皮膚温度の中間推定値を用いて、ウェアラブルデバイス100を装着しているユーザの真の皮膚温度を推定することもできる。コンポーネント706において、
図7の生理学的事象検出システム600はまた、周囲空気温度およびユーザの真の皮膚温度の推定値の遷移(たとえば変化率)を検出してモニタリングするように構成され得る。この構成では、706における温度遷移の検出は、コンポーネント610における生理学的事象の検出および612における生理学的事象の推測に寄与し得る。
【0048】
図8は、本開示の実施形態例に係る生理学的事象検出システム600の別の例を示す。この例では、システム600は、
図6および
図7の生理学的事象検出システムにおいて受信したのと同じ入力602、604、606および608を受信し得る。また、
図8のシステムは、コンポーネント706からの温度遷移の検出に関する入力を含む、
図6および
図7について上述したのと同じ生理学的事象を検出して推測し得る。
【0049】
図8の生理学的事象検出システム600は、ウェアラブルデバイス100の内部温度と、ウェアラブルデバイス100を装着しているユーザの皮膚温度の第1の推定値との差を求めるコンポーネント802を用いて構成され得る。生理学的事象検出システム600のコンポーネント804において、システムは、この差に基づいて周囲空気温度または皮膚温度の中間推定値を推定し得る。804からの推定された周囲空気温度または皮膚温度の中間推定値を用いて、ユーザの皮膚温度の第2の推定値を生成することによって、周囲空気温度がユーザの皮膚温度に与える影響を推定することもできる。また、生理学的事象検出システム600は、804からの皮膚温度の第2の推定値または推定された周囲空気温度に関連付けられた信頼値を修正するように構成され得る。生理学的事象検出システム600のこの構成では、信頼値は、皮膚温度の第1の推定値または推定された周囲空気温度とウェアラブルデバイスの内部温度との温度差が減少するにつれて増加し得る。また、802において求められた温度差が小さいほど、推定された周囲空気温度が皮膚温度の第2の推定値に影響を及ぼしている可能性が低いことを意味し得る。802における皮膚温度の第2の推定値を用いて、ユーザの深部体温を推定することもできる。そのような構成では、生理学的事象検出システム600は、生理学的に引き起こされる深部体温の変化と環境によって引き起こされる深部体温の変化を区別することができる。
【0050】
図9は、本開示の実施形態例に係る例示的なコンピューティングシステムを示す。コンピューティングシステムは、
図9に示されているユーザコンピューティングデバイス(たとえばウェアラブルデバイス100)を含み得る。ユーザコンピューティングデバイスは、いくつかの実装では、ネットワークを介してサーバコンピューティングシステムに接続し得る。サーバおよびネットワークは
図9に示されていない。
【0051】
図9に示されるようなユーザデバイスは、1つまたは複数のプロセッサとメモリとを含み得る。1つまたは複数のプロセッサは、任意の適切な処理デバイス(たとえば、プロセッサコア、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラ等)であり得るものであり、1つのプロセッサまたは動作可能に接続される複数のプロセッサであり得る。メモリは、RAM、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスク等、およびそれらの組み合わせなどの、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体を含み得る。メモリは、プロセッサによって実行されて
図9のコンピューティングシステムに動作を実行させるデータおよび命令を格納し得る。例示的な動作は、皮膚温度ノイズ除去方法500のステップのフロー、ならび
に
図6、
図7および
図8の生理学的事象検出システムのさまざまな構成において説明したコンポーネントのタスクの実行を含み得る。
【0052】
また、
図9のユーザデバイスは、ユーザ入力を受信する1つまたは複数のユーザ入力コンポーネントを含み得る。たとえば、ユーザ入力コンポーネントは、ユーザ入力オブジェクト(たとえば、指またはスタイラス)のタッチに反応するタッチセンサ式コンポーネント(たとえば、ウェアラブルデバイス100のディスプレイ102)であり得る。タッチセンサ式コンポーネントは、仮想キーボードを実装するように機能し得る。
図9のコンピューティングシステムが受信する例示的なユーザ入力は、症状、睡眠状況、排卵、月経に関する情報、およびユーザの健康に関するその他の生理学的情報を含み得る。
【0053】
また、
図9のユーザデバイスは、1つまたは複数の皮膚温度センサ402および1つまたは複数の内部デバイス温度センサ302を含む、1つまたは複数のセンサを含み得る。皮膚温度センサ402および内部デバイス温度センサ302は、負温度係数(NTC)サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、熱電対、および半導体ベースのセンサを含み得る。
図9のコンピューティングシステムの追加のセンサは、位置センサ(たとえばGPS)、モーションセンサ、高度センサ、心拍数センサ、およびその他の生理学的センサ(たとえば血中酸素濃度センサ)であり得る。位置センサは、セルラーベースまたは衛星ベースのGPSセンサであってもよい。例示的なモーションセンサは、受動型赤外線(PIR)、マイクロ波、およびデュアルテック/ハイブリッドモーションセンサを含む。例示的な高度センサは、気圧高度計(たとえばアネロイド気圧計)および電波高度計を含む。例示的な心拍数センサは、光伝送型の脈拍センサ(たとえば光電式容積脈波記録法(PPG))および心電図(ECD)センサを含む。
【0054】
サーバコンピューティングシステム(
図9には図示せず)は、1つまたは複数のプロセッサとメモリとを含み得る。1つまたは複数のプロセッサは、任意の適切な処理デバイス(たとえば、プロセッサコア、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、コントローラ、マイクロコントローラ等)であり得るものであり、1つのプロセッサまたは動作可能に接続される複数のプロセッサであり得る。メモリは、RAM、ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリデバイス、磁気ディスク等、およびそれらの組み合わせなどの、1つまたは複数の非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体を含み得る。メモリは、プロセッサによって実行されてサーバコンピューティングシステムに動作を実行させるデータおよび命令を格納し得る。
【0055】
いくつかの実装では、サーバコンピューティングシステムは、1つまたは複数のサーバコンピューティングデバイスを含むか、そうでなければ当該サーバコンピューティングデバイスによって実装される。サーバコンピューティングシステムが複数のサーバコンピューティングデバイスを含む例では、そのようなサーバコンピューティングデバイスは、順次コンピューティングアーキテクチャ、並列コンピューティングアーキテクチャ、またはそれらの何らかの組み合わせに従って動作し得る。
【0056】
ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(たとえばイントラネット)、ワイドエリアネットワーク(たとえばインターネット)、またはそれらの何らかの組み合わせなどの、任意の種類の通信ネットワークであり得るものであり、任意の数の有線または無線リンクを含み得る。一般に、ネットワーク上の通信は、多種多様な通信プロトコル(たとえば、TCP/IP、HTTP、SMTP、FTP)、エンコーディングもしくはフォーマット(たとえば、HTML、XML)、および/または保護方式(たとえば、VPN、セキュアHTTP、SSL)を使用して、任意の種類の有線および/または無線接続によって搬送され得る。
【0057】
いくつかの実装では、
図9のユーザデバイスは、1つまたは複数の機械学習モデルを格納し得るか含み得る。たとえば、機械学習モデルは、さまざまなニューラルネットワーク(たとえば、フィードフォワードニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、トランスフォーマネットワーク等)、線形モデル、サポートベクターマシン、クラスタリングモデルなどのさまざまな機械学習モデルであり得るか、そうでなければ当該機械学習モデルを含み得る。
【0058】
いくつかの実装では、1つまたは複数の機械学習モデルは、ネットワークを介してサーバコンピューティングシステムから受信され、ユーザデバイスのメモリに格納され、その後、1つまたは複数のプロセッサによって使用され得るかそうでなければ実装され得る。いくつかの実装では、ユーザコンピューティングデバイスは、単一の機械学習モデルの複数の並列インスタンスを実装し得る。
【0059】
これに加えてまたはこれに代えて、1つまたは複数の機械学習モデルは、クライアント-サーバ関係に従って
図9のユーザデバイスと通信するサーバコンピューティングシステムに含まれ得るか、そうでなければ当該サーバコンピューティングシステムに格納されて当該サーバコンピューティングシステムによって実装され得る。たとえば、機械学習モデルは、ウェブサービス(たとえばデータ拡張サービス)の一部としてサーバコンピューティングシステムによって実装され得る。したがって、1つもしくは複数のモデルが
図9のユーザデバイスにおいて格納され実装され得るものであり、および/または、1つもしくは複数のモデルがサーバコンピューティングシステムにおいて格納され実装され得る。加えて、一部またはすべての動作が1つの場所または複数の場所で実行され得る。
【0060】
例示的なデータ
図10は、本開示の実施形態例に係るウェアラブルデバイス100の例示的な温度データのグラフを示す。
図10では、ウェアラブルデバイス100の温度測定値が、さまざまな時間およびウェアラブルデバイス100のユーザによる異なる使用状態において示されている。また、
図10は、温度データのあらゆる変動の大きさ、ならびにそれらの変動が時刻およびユーザがウェアラブルデバイス100を装着しているか否かと比べてどうであるか、の特徴付けを含む。
【0061】
図11は、本開示の実施形態例に係る内部デバイス温度センサ302および皮膚温度センサ402からの温度データの例示的なグラフを示す。
図11では、内部デバイス温度センサ302および皮膚温度センサ402の温度測定値が、さまざまな時間およびウェアラブルデバイス100のユーザによる異なる使用状態において示されている。
図11は、時刻およびユーザがウェアラブルデバイスを装着しているか否かに基づく、両センサ302および402からの温度データの記録を表している。
図11はさらに、内部デバイス温度センサ302の測定値と皮膚温度センサ402の測定値との温度差が最大および最小である時間帯を示している。2つの温度センサ302と402との温度差が最小である(たとえば、差分値が閾値未満である)時間帯が、
図11において特定されて網掛けされている。温度差が最小である時間帯はまた、ユーザの皮膚温度の推定値に対する高い信頼値と相関し、つまり、周囲温度がウェアラブルデバイス100のユーザの皮膚温度の変化を引き起こしている可能性が低い。
【0062】
図12は、本開示の実施形態例に係る内部デバイス温度センサ302および皮膚温度センサ402からの差分温度データの例示的なグラフを示す。
図12は、
図11に示したグラフと関連しているが、代わりに、内部デバイス温度センサ302の温度測定値と皮膚温度センサ402の温度測定値との温度差の値をプロットしている。
図12は、温度差値が最大および最小である時間帯を説明するための、(たとえば
図11と比較して)代替的な表現を提供している。2つの温度センサ302と402との温度差が最小である(たとえ
ば、温度差値が閾値未満である)時間帯が、
図12において特定されて網掛けされている。
図11と同様に、温度差が最小である時間帯はまた、ユーザの皮膚温度の推定値に対する高い信頼値と相関し、つまり、周囲温度がウェアラブルデバイス100のユーザの皮膚温度の変化を引き起こしている可能性が低い。
【0063】
図13は、本開示の実施形態例に係る複数のウェアラブルデバイス100の例示的な温度データのグラフを示す。特に、
図13のグラフは、ウェアラブルデバイス100の中に含まれる残量ゲージ(fuel gauge)および皮膚温度センサ402の温度測定値、それらの測定値が規定された期間にわたって規定された周囲温度環境にさらされたときにどのように変動するか、およびウェアラブルデバイス100がユーザの手首にあるか否か、をプロットしている。
【0064】
図14は、本開示の実施形態例に係る周囲温度推定予測の例示的な線形回帰モデルを示すグラフを示す。
図14では、周囲温度推定予測を、規定された期間にわたって、周囲およびファントムグラウンドトゥルースセンサ(高度計温度センサ、皮膚温度センサ402、および内部デバイス温度センサ302をさらに含む)を含むソースからの温度センサデータと比較している。
【0065】
図15は、本開示の実施形態例に係る発熱からの日数に対する例示的な皮膚温度変動のグラフを示す。特に、
図15は、ユーザの平均皮膚温度の変動を、発熱までの日および発熱後の日において、真の温度データおよび平滑化された温度データに関してプロットしている。
【0066】
図16は、本開示の実施形態例に係る睡眠データを組み込んだ例示的な温度変動のグラフを示す。より具体的には、
図16は、睡眠時間およびユーザがウェアラブルデバイス100を装着しているか否かの状態が特定されて網掛けされている規定された期間にわたって取得された、ウェアラブルデバイス100の中に含まれる内部デバイス温度センサ302および皮膚温度センサ402からの温度データの記録を表している。また、
図16は、同じ期間中に取得された内部デバイスおよび皮膚温度センサの測定値のカウント値を示している。
【0067】
追加の開示
本明細書に記載の技術は、サーバ、データベース、ソフトウェアアプリケーション、およびその他のコンピュータベースのシステム、ならびにそのようなシステムとの間で行われる動作および送信される情報に言及している。コンピュータベースのシステムの固有の柔軟性は、コンポーネント間のタスクおよび機能の多種多様な可能な構成、組み合わせ、および分割を可能にする。たとえば、本明細書に記載のプロセスは、単一のデバイスもしくはコンポーネントを使用して、または組み合わされて機能する複数のデバイスもしくはコンポーネントを使用して、実行することができる。データベースおよびアプリケーションは、単一のシステム上で実装することができ、または複数のシステムに分散させることができる。分散したコンポーネントは、順次または並列に動作可能である。
【0068】
本主題を、その実施形態のさまざまな具体例に関して詳細に説明してきたが、各例は説明として提供されており、本開示を限定するものではない。当業者は、上記の理解を得た上で、そのような実施形態に対する変更、変形、および等価物を容易に作りだすことができる。したがって、本開示は、当業者に容易に明らかになるような本主題に対するそのような修正、変形および/または追加の包含を排除するものではない。たとえば、ある実施形態の一部として図示または記載されている特徴を別の実施形態とともに使用することで、さらに他の実施形態を得ることができる。したがって、本開示はそのような変更、変形、および等価物をカバーすることが意図されている。
【0069】
特に、
図1~
図16は図示および説明のために特定の順序で実行されるステップをそれぞれ示しているが、本開示の方法は具体的に示されている順序または配置に限定されるものではない。皮膚温度ノイズ除去方法500および生理学的事象検出システム600のさまざまなステップを、本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな方法で省略する、並び替える、組み合わせる、および/または適合させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法であって、前記方法は、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの上または中に含まれる第1のセンサから受信した第1のセンサデータに基づいて、前記ウェアラブルデバイスの内部デバイス温度を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる第2のセンサから受信した第2のセンサデータに基づいて、前記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることとを備え、前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、またはその両方が、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つを含み、前記方法はさらに、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、周囲空気温度を推定することと、
前記コンピューティングシステムが、推定された前記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することとを備える、方法。
【請求項2】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の生理学的事象を判定することをさらに備える、請求項1に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の生理学的事象は、発熱の開始、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、および熱的快適性、のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項4】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の生理学的事象を判定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの深部体温を推定することと、
前記コンピューティングシステムが、生理学的に引き起こされるユーザの深部体温の変化と環境によって引き起こされるユーザの深部体温の変化を区別することとを備える、請求項2または請求項3に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項5】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の生理学的事象を判定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値の変化率をモニタリングして、前記皮膚温度の前記第2の推定値の遷移を検出することと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値の検出された前記遷移に少なくとも部分的に基づいて、前記1つまたは複数の生理学的事象を判定することとを備える、請求項2または請求項3に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項6】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との差を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との前記差に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することとを備える、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項7】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度を機械学習モデルで処理することと、
前記周囲空気温度を、前記機械学習モデルが出力する予測として受信することとを備える、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項8】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、または第3のセンサからの追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度の推定値を調整することを備え、前記第3のセンサは、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項9】
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を推定することは、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスが収集した前記ユーザの睡眠データに少なくとも部分的に基づいて、前記周囲空気温度を調整することを備える、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項10】
前記コンピューティングシステムが、推定された前記周囲空気温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することは、前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた信頼値を修正することを備える、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項11】
前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた前記信頼値を修正することは、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との温度差が減少するにつれて前記信頼値を増加させることを備える、請求項10に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項12】
前記第1のセンサは、前記ユーザと物理的に接触するように構成される、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項13】
ウェアラブルデバイスであって、
ユーザによって装着されるように構成されたデバイス筐体と、
前記デバイス筐体の中に含まれ、1つまたは複数のプロセッサを有する、コンピュータと、
前記デバイス筐体の上または中に含まれ、皮膚温度センサデータを生成するように構成された第1のセンサと、
前記デバイス筐体の上または中に含まれ、内部デバイス温度センサデータを生成するように構成された第2のセンサとを備え、前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、またはその両方が、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つを含み、
前記デバイス筐体の中に含まれ、命令を格納した非一時的なコンピュータ読取可能メモリを備え、前記命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記ウェアラブルデバイスに、請求項1~請求項12のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法を実施させる、ウェアラブルデバイス。
【請求項14】
皮膚温度モニタリングを提供するための、コンピュータによって実行される方法であって、前記方法は、
1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含むコンピューティングシステムが、ユーザが装着するウェアラブルデバイスの上または中に含まれる第1のセンサから受信した内部センサデータに基づいて、前記ウェアラブルデバイスの内部デバイス温度を求めることと、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる第2のセンサから受信した皮膚センサデータに基づいて、前記ユーザの皮膚温度の第1の推定値を求めることとを備え、前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、またはその両方が、前記ウェアラブルデバイスの上または中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つを含み、前記方法はさらに、
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することと、
前記コンピューティングシステムが、前記皮膚温度の前記第2の推定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の生理学的事象を判定することとを備える、方法。
【請求項15】
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良することは、
前記皮膚温度の前記第1の推定値および前記内部デバイス温度を機械学習モデルで処理することと、
前記皮膚温度の前記第2の推定値を、前記機械学習モデルが出力する予測として受信することとを備える、請求項14に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項16】
前記コンピューティングシステムが、前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することは、前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた信頼値を修正することを備える、請求項14に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項17】
前記皮膚温度の前記第2の推定値に関連付けられた前記信頼値を修正することは、前記皮膚温度の前記第1の推定値と前記内部デバイス温度との温度差が増加するにつれて前記信頼値を減少させることを備える、請求項16に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項18】
前記ウェアラブルデバイスの前記内部デバイス温度に少なくとも部分的に基づいて前記皮膚温度の前記第1の推定値を改良して、前記皮膚温度の第2の推定値を生成することはさらに、
前記第1のセンサ、前記第2のセンサ、または第3のセンサからの追加のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記皮膚温度の前記第2の推定値を調整することを備え、前記第3のセンサは、前記ウェアラブルデバイスの中に含まれる位置センサ、ジオセンサ、気象センサ、モーションセンサ、高度センサ、高度計温度センサ、周囲光センサ、または心拍数センサ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の生理学的事象は、発熱の開始、概日リズム、月経周期、排卵、熱ストレス、および熱的快適性、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコンピュータによって実行される方法。
【請求項20】
コンピュータの1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記コンピュータに請求項1~請求項12および請求項14~請求項19のいずれか1項に記載のコンピュータによって実行される方法を実施させる命令を含む、プログラム。
【外国語明細書】