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▶ ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッドの特許一覧

特開2024-88780手術用顕微鏡システムならびに対応するシステム、方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088780
(43)【公開日】2024-07-02
(54)【発明の名称】手術用顕微鏡システムならびに対応するシステム、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/20 20160101AFI20240625BHJP
【FI】
A61B90/20
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024063804
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2022556224の分割
【原出願日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】102020107765.3
(32)【優先日】2020-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】516114695
【氏名又は名称】ライカ インストゥルメンツ (シンガポール) プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Instruments (Singapore) Pte. Ltd.
【住所又は居所原語表記】12 Teban Gardens Crescent, Singapore 608924, Singapore
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジアハオ パン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するためのシステム、方法およびコンピュータプログラムならびに対応する手術用顕微鏡システムを提供する。
【解決手段】システムは、1つ以上のプロセッサ114と、プロセッサ114に結合されているインタフェース112とを備え、オプションで、1つ以上のストレージデバイス116をさらに備える。システムは、手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタからインタフェース112を介して入力データを取得するように構成されている。システムは、入力データに基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されている。手術は、手術用顕微鏡システムの使用を伴う。システムは、検出された手術の開始または終了に基づいて、インタフェース112を介して手術用顕微鏡システムの記録デバイスに制御信号を供給するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用顕微鏡システム(100;400)の記録デバイス(120)を制御するためのシステム(110;420)であって、前記システムは、1つ以上のプロセッサ(114)およびインタフェース(112)を備え、前記システムは、
前記手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタ(132;134;142)から前記インタフェースを介して入力データを取得し、
前記入力データに基づいて、前記手術用顕微鏡システムの使用を伴う手術の開始または終了を検出し、
検出された前記手術の開始または終了に基づいて、前記インタフェースを介して前記手術用顕微鏡システムの前記記録デバイスに制御信号を供給する、
ように構成されている、
システム(110;420)。
【請求項2】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムのアーム(130)の位置に関する情報を含み、前記システムは、前記アームの位置に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡(140;410)は、前記手術用顕微鏡システムの前記アームに取り付けられており、前記アームの前記位置に関する情報は、前記手術用顕微鏡の垂直位置に関する情報を含み、前記システムは、前記手術用顕微鏡の前記垂直位置に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記手術用顕微鏡の前記垂直位置が閾値の下方に下げられた後に前記手術の開始を検出し、前記手術用顕微鏡の前記垂直位置が閾値の上方に上げられた後に前記手術の終了を検出するように構成されている、
請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、少なくとも予め定められた時間間隔にわたって前記手術用顕微鏡が前記閾値の上方に留まる場合に、前記手術の終了を検出するように構成されている、
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡の撮像センサ(142)の撮像センサデータを含み、前記システムは、前記手術用顕微鏡が前記閾値の上方に留まり、かつ少なくとも予め定められた時間間隔にわたって前記撮像センサデータが焦点外である場合に、前記手術の終了を検出するように構成されている、
請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記手術用顕微鏡システムの前記アームは、パラレログラムセクションを備え、前記アームの前記位置に関する情報は、前記アームの前記パラレログラムセクションの配向に関する情報を含み、前記システムは、前記アームの前記パラレログラムセクションの前記配向に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項2から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記手術用顕微鏡システムの前記1つ以上のセンサまたはアクタは、前記アームの前記位置を決定する位置決めセンサ(132)を備え、前記システムは、前記アームの位置に関する情報を前記位置決めセンサから取得するように構成されている、
請求項2から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記アームは、ロボットアームであり、前記システムは、前記アームの位置に関する情報を前記ロボットアームの制御回路(134)から取得するように構成されている、
請求項2から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡の撮像センサ(142)の撮像センサデータを含み、前記システムは、前記撮像センサデータに基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記システムは、前記撮像センサデータ内の患者の存在を検出するように構成されており、前記システムは、前記撮像センサデータ内の前記患者の存在に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報を含み、前記システムは、前記手術用顕微鏡システムの環境で使用されている前記照明に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、手術の開始が検出された場合に、前記記録デバイスによって行われる記録を開始するための制御信号を供給し、手術の終了が検出された場合に、前記記録デバイスによって行われる記録を停止するための制御信号を供給するように構成されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
手術用顕微鏡システム(100;400)であって、前記手術用顕微鏡システム(100;400)は、
請求項1から13までのいずれか1項記載のシステム(110;420)と、
入力データの提供のための1つ以上のセンサまたはアクタ(132;134;142)と、
記録デバイス(120)と、
を備えた手術用顕微鏡システム(100;400)。
【請求項15】
手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するための方法であって、前記方法は、
前記手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタから入力データを取得するステップ(210)と、
前記入力データに基づいて、前記手術用顕微鏡システムの使用を伴う手術の開始または終了を検出するステップ(220)と、
検出された前記手術の開始または終了に基づいて、前記手術用顕微鏡システムの前記記録デバイスに制御信号を供給するステップ(230)と、
を含む方法。
【請求項16】
コンピュータプログラムであって、プロセッサ上で実行されるときに請求項15記載の方法を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本例は、手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するためのシステム、方法およびコンピュータプログラムならびに対応する手術用顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
手術処置の質を向上させるための取り組みでは、手術用顕微鏡に組み込み可能なカメラによる手術処置の記録が大きな焦点となっている。シンガポールなどのいくつかの国では、そのような映像記録が全ての手術で義務付けられている。例えば、眼科手術、より具体的には白内障手術がますます行われるようになっているが、記録の取り扱いによる遅延が生じることがあり、これは、フットスイッチまたは看護師の助けを借りて、術者が人手で記録を開始および停止する場合があるためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
手術の記録を制御するための改良されたコンセプトが要望され得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この要望は、各独立請求項の主題によって対処される。
【0005】
本開示の実施形態は、手術用顕微鏡が手術処置のために使用されているか否か、または手術用顕微鏡が現在使用されていないか否かを知るために、手術用顕微鏡を備える手術用顕微鏡システムの状態を分析することができるという発見に基づく。例えば、地面の上方または患者の上方の手術用顕微鏡の垂直高さは、手術用顕微鏡システムが使用されていることを示すことができる。付加的または択一的に、手術用顕微鏡システムのアームのパラレログラムセクションが、手術用顕微鏡を第1の位置(例えば患者の上方)に置く(手術用顕微鏡が使用されていることを示す)アクティブ配向、および手術用顕微鏡を患者から離れた第2の位置に置く(手術用顕微鏡システムが使用されていないことを示す)退避(parked)配向を有することができる。付加的または択一的に、手術用顕微鏡の撮像センサの撮像センサデータを、取り込まれた撮像センサデータが焦点内である(手術用顕微鏡が使用されていることを示す)か否か、または取り込まれた撮像センサデータ内に患者が見える(手術用顕微鏡が使用されていることを示す)か否かを決定するために使用することができる。検出に基づいて、記録を制御する(すなわち、自動的に開始および/または停止する)ことができる。この手段を使用することで、遅延を回避することができ、手術室の効率および回転率を向上させることができ、結果として、1日当たりにより多くの患者を救うことができるようになる。
【0006】
本開示の実施形態は、手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するためのシステムを提供する。システムは、1つ以上のプロセッサおよびインタフェースを備える。システムは、手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタからインタフェースを介して入力データを取得するように構成されている。システムは、入力データに基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されている。手術は、手術用顕微鏡システムの使用を伴う。システムは、検出された手術の開始または終了に基づいて、インタフェースを介して手術用顕微鏡システムの記録デバイスに制御信号を供給するように構成されている。入力データは、記録デバイスによって行われる記録の作動または作動解除をトリガし得る、術式の開始または終了を検出するために使用することができる。
【0007】
さまざまな実施形態では、入力データは、手術用顕微鏡システムのアームの位置に関する情報を含む。システムは、アームの位置に関する情報に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されていてよい。アームの位置は、手術用顕微鏡が使用されているか否かを示すことができる。
【0008】
実施形態では、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡は、手術用顕微鏡システムのアームに取り付けられている。アームの位置に関する情報は、手術用顕微鏡の垂直位置に関する情報を含み得る。システムは、手術用顕微鏡の垂直位置の情報に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成され得る。例えば、手術用顕微鏡が(例えば、手術部位に近接した)より低い垂直位置に動かされた場合に、手術処置の開始を検出することができ、手術用顕微鏡がより高い垂直位置に動かされた場合に、手術処置の終了を検出することができる。換言すれば、システムは、手術用顕微鏡の垂直位置が閾値の下方に下げられた後に、手術の開始を検出するように構成されていてよい。システムは、手術用顕微鏡の垂直位置が閾値の上方に上げられた後に、手術の終了を検出するように構成されていてもよい。
【0009】
場合によっては、手術用顕微鏡は、手術を再開する前、邪魔にならないよう、つまり閾値の上方へと、一時的に移動される場合がある。このような場合、その間に記録が停止されないようにタイマを使用してもよい。例えば、システムは、少なくとも予め定められた時間間隔にわたって手術用顕微鏡が閾値の上方に留まる場合に、手術の終了を検出するように構成されていてよい。
【0010】
より高い信頼度を得るために、垂直高さだけでなく、手術用顕微鏡システムの使用状況も分析してもよい。概して、手術用顕微鏡は被写界深度が浅い。手術用顕微鏡が使用されていない場合には、顕微鏡によって観察している対象の焦点がずれてしまい、手術用顕微鏡が(少なくとも一時的に)使用されていないことを示すことができる。換言すれば、入力データは、手術用顕微鏡の撮像センサの撮像センサデータを含み得る。システムは、手術用顕微鏡が閾値の上方に留まり、かつ少なくとも予め定められた時間間隔にわたって撮像センサデータが焦点外である場合に、手術の終了を検出するように構成されていてよい。撮像センサデータは、手術用顕微鏡が現在使用されていないことの信頼性を高めることができる。
【0011】
さまざまな実施形態では、顕微鏡システムのアームは、パラレログラムセクションを備える。アームの位置に関する情報は、アームのパラレログラムセクションの配向に関する情報を含み得る。システムは、アームのパラレログラムセクションの配向に関する情報に基づいて手術の開始または終了を検出するように構成され得る。例えば、アームのパラレログラムセクションは、アクティブ位置/配向と退避位置/配向との間で移動させることができる。
【0012】
概して、アームの位置を決定する(少なくとも)2つの方法がある。いくつかの実施形態では、アームのセンサのセンサデータが手術用顕微鏡の位置(よってアームの配向)を決定する。例えば、手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタは、アームの位置(よって手術用顕微鏡の位置)を決定するための位置決めセンサを備えていてよい。システムは、アームの位置に関する情報を位置決めセンサから取得するように構成され得る。択一的に、アームはロボットアームであってもよい。この場合、ロボットアームの状態は、ロボットアームの位置、よって手術用顕微鏡の位置を反映することができる。換言すれば、アームはロボットアームであってもよい。システムは、アームの位置に関する情報をロボットアームの制御回路から取得するように構成されていてもよい。
【0013】
さまざまな実施形態では、入力データは、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡の撮像センサの撮像センサデータを含む。システムは、撮像センサデータに基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成され得る。手術用顕微鏡が現在使用されているか否か、よって、手術処置の開始および/または終了を決定するために、撮像センサデータのさまざまな態様を使用することができる。
【0014】
例えば、システムは、撮像センサデータ内の患者の存在を検出するように構成され得る。システムは、撮像センサデータ内の患者の存在に基づいて手術の開始または終了を検出するように構成され得る。例えば、撮像センサデータ内で患者が見えるようになった場合に、手術の開始を検出することができ、撮像センサデータ内で患者が見えなくなった場合に、手術の終了を検出することができる。
【0015】
代替的または追加的に、手術処置の開始または終了を検出するために、(周囲の)照明を分析してもよい。例えば、手術中、照明は患者に集中され、部屋の他の部分があまり照らされなくなることがある。手術の外では、部屋の照明がより均質となり得る。換言すれば、入力データは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報を含み得る。システムは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報に基づいて手術の開始または終了を検出するように構成されていてよい。
【0016】
手術の開始および終了は、記録デバイスを制御するために使用される。したがって、システムは、手術の開始が検出された場合に、記録デバイスによって行われる記録を開始するための制御信号を供給するように構成されていてよい。システムは、手術の終了が検出された場合に、記録デバイスによって行われる記録を停止させるための制御信号を供給するように構成されていてよい。よって、記録を自動的に開始および/または停止することができる。
【0017】
本開示の実施形態は、上記のシステム、入力データの提供のための1つ以上のセンサまたはアクタ、および記録デバイスを備える手術用顕微鏡システムをさらに提供する。よって、手術用顕微鏡システムは、記録デバイスの自動制御を提供することができる。付加的に、手術用顕微鏡システムは、手術用顕微鏡、手術用顕微鏡に取り付けられているアーム、および光学撮像センサのうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0018】
本開示の実施形態は、手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するための方法をさらに提供する。方法は、手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタから入力データを取得することを含む。方法は、入力データに基づいて、手術の開始または終了を検出することを含む。手術は、手術用顕微鏡システムの使用を伴う。方法は、検出された手術の開始または終了に基づいて、手術用顕微鏡システムの記録デバイスに制御信号を供給することを含む。
【0019】
本開示の実施形態は、コンピュータプログラムであって、プロセッサ上で実行されるときに方法を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラムをさらに提供する。
【0020】
以下では、装置および/または方法のいくつかの例について、添付図を参照しながら例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a】手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するためのシステムの一実施形態のブロック図である。
図1b】手術用顕微鏡システムの一実施形態の概略図である。
図1c】手術用顕微鏡システムの一実施形態のより詳細な概略図である。
図1d】手術用顕微鏡システムの一実施形態のより詳細な概略図である。
図2】手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するための方法のフローチャートである。
図3a】アクティブ位置および退避位置にある手術用顕微鏡システムの概略図である。
図3b】アクティブ位置および退避位置にある手術用顕微鏡システムの概略図である。
図4】顕微鏡およびコンピュータシステムを備えるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、いくつかの例を示す添付図面を参照して、さまざまな例をより完全に説明する。図では、明確性のために線、層および/または領域の厚さを誇張している場合がある。
【0023】
図1aは、手術用顕微鏡システム100の記録デバイス120を制御するためのシステム110の一実施形態のブロック図を示す。システムは、1つ以上のプロセッサ114と、1つ以上のプロセッサに結合されているインタフェース112と、を備える。オプションで、システムは、1つ以上のストレージデバイス116をさらに備え、これらも1つ以上のプロセッサに結合されている。概して、システム110の機能は、インタフェースおよび/または1つ以上のストレージデバイスと連携して1つ以上のプロセッサによって提供される。システムは、手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタからインタフェースを介して入力データを取得するように構成されている。システムは、入力データに基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されている。手術は、手術用顕微鏡システムの(例えば、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡140の)使用を伴う。システムは、検出された手術の開始または終了に基づいて、インタフェースを介して手術用顕微鏡システムの記録デバイスに制御信号を供給するように構成されている。
【0024】
本開示の実施形態は、手術用顕微鏡140を備える手術用顕微鏡システム100の記録デバイス120を制御するためのシステム、方法およびコンピュータプログラムに関する。概して、顕微鏡は、人間の目(だけ)では検査できない小さな対象を検査するのに適した光学機器である。例えば、顕微鏡は、試料の光学拡大像を提供することができる。現代の顕微鏡では、光学拡大像は、カメラに対して、または図1bに示す顕微鏡140の光学撮像センサ142のような撮像センサに対して往々にして供給される。手術用顕微鏡140は、試料の表示を拡大するために使用する、対物レンズ(すなわちレンズ)などの1つ以上の光学拡大部品をさらに備えていてよい。
【0025】
顕微鏡にはさまざまな異なるタイプがある。医学または生物学の分野で顕微鏡を使用する場合、顕微鏡によって観察される対象は、例えば、シャーレ内に配置されたまたは患者の身体の一部に存在する有機組織の試料であってよい。実施形態では、顕微鏡は、手術用顕微鏡、すなわち手術処置中に使用される顕微鏡である。このようなシステムが、例えば図1b~図1dに示されている。図1bには、神経手術用顕微鏡を備える神経手術用顕微鏡システムが示されている。図1cおよび図1dには、眼科(すなわち、眼疾患の診断および治療)で使用される手術用顕微鏡が示されている。したがって、顕微鏡によって観察され、画像データに示される対象は、患者の有機組織の試料であってよい。
【0026】
上記のシステム110は、手術用顕微鏡システム100とともに使用することに適している。図1bは、手術用顕微鏡システム100の一実施形態の概略図を示す。図1bには、神経手術用顕微鏡システムが示されている。手術用顕微鏡システム100は、システム110と、入力データの提供のための1つ以上のセンサまたはアクタ132;134;142と、記録デバイス120と、を備える。手術用顕微鏡システムは、手術用顕微鏡140(図1bでは神経手術用顕微鏡)と、手術用顕微鏡に取り付けられているアーム130と、手術用顕微鏡の(入力データの提供のための1つ以上のセンサの1つである)光学撮像センサ142と、を備える。図1bに示す手術用顕微鏡システム100は、(回転)スタンドを備えた(システム110を備える)ベースユニット102、1つ以上のディスプレイ150、顕微鏡140を所定の位置に保持し、かつベースユニット102および顕微鏡140に結合された(ロボットまたは手動)アーム130、顕微鏡140に取り付けられた操縦ハンドル160など、いくつかのオプション部品を備えている。換言すれば、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡140は、手術用顕微鏡システムのアーム130に取り付けられていてよい。ディスプレイ150のうちの1つ以上のものが、例えば補助用または接眼ディスプレイとして、顕微鏡140の一部となっていてもよい。本出願の文脈では、ディスプレイや照明システムなどの、(光学部品を備える)実際の顕微鏡の一部でないが顕微鏡と連携して使用されるシステム部分をカバーするために、「手術用顕微鏡システム」なる用語を使用している。
【0027】
図1cおよび図1dは、別のタイプの手術用顕微鏡システム、眼科で使用される手術用顕微鏡システムを示す。図1cおよび図1dは、眼科で使用される手術用顕微鏡システムの一実施形態の(より詳細な)概略図を示している。図1cおよび図1dでは、(「光学部品支持体(optics carrier)」とも称される)手術用顕微鏡140が、手術用顕微鏡システムのアームのパラレログラム部136とともに示されている。図1cおよび図1dの手術用顕微鏡システムは、オプションのモニタアーム152を備えたディスプレイ/ビデオモニタ150、ベースユニット102、フットブレーキ104およびハンドレール106をさらに備える。図1cの手術用顕微鏡システム100では、システム110を制御するための、かつ/またはカメラおよびビデオを制御するための、制御ユニット118aおよび118bが含まれる。さらに、(電気、映像などの)端子を提供し得るインタフェース112が示されている。さらに、図1cおよび図1dの手術用顕微鏡システムは、ベースユニット102の一部であるスピーカ108を備える。
【0028】
一般に、システムは、1つ以上のセンサまたはアクタの入力データに基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されている。したがって、システムは、1つ以上のセンサおよびアクタからそれぞれの入力データを取得する、例えば受信するかまたは読み取るように構成されている。例えば、入力データは、1つ以上のセンサもしくはアクタから(例えばインタフェース112を介して)入力データを受信することにより、1つ以上のセンサもしくはアクタのメモリから(例えばインタフェース112を介して)入力データを読み出すことにより、または、例えば1つ以上のセンサもしくはアクタによってもしくは他のシステムもしくはプロセッサによって入力データがストレージデバイス116に書き込まれた後に、システム110のストレージデバイス116から入力データを読み取ることにより、取得されてもよい。
【0029】
一般に、手術(すなわち手術処置)の開始または終了を決定するために、異なるタイプのセンサおよびアクタの入力データを使用することができる。このとき、手術用顕微鏡システムのアーム130の配置および/または配向により、手術が行われていることを示すことができる。したがって、システムは、(例えば、アームが術者によって手動で所定の位置にされるアームである場合に)アーム130の位置決めセンサ132から入力データ(の少なくとも一部分)を取得するように構成されていてよく、またはアームがロボットアームである場合、システムは、ロボットアームの制御回路134(すなわちアクタシステムの一部)から入力データ(の少なくとも一部分)を取得するように構成されていてよい。換言すれば、手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタは、アームの位置を決定するための位置決めセンサ132、例えばホール効果に基づく位置決めセンサまたは回転式エンコーダを備えていてよい。システムは、位置決めセンサ132からアームの位置に関する情報を取得するように構成されていてよい。択一的に、システムは、アームの位置に関する情報をロボットアームの制御回路134から取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、手術用顕微鏡の撮像センサ142は、手術処置の開始または終了を決定するために使用されてもよい。したがって、システムは、手術用顕微鏡の撮像センサ142から入力データ、例えば撮像センサデータ(の少なくとも一部分)を取得するように構成されていてもよい。また、手術処置が開始または終了されているか否かを決定するために、手術用照明または周囲の照明を分析することもできる。したがって、システムは、照明システムの制御回路から入力データ(の少なくとも一部分)を取得するように、または顕微鏡140の撮像センサ142の撮像センサデータを使用するように構成されていてよい。
【0030】
入力データに基づいて、システムは、手術用顕微鏡システムの使用、例えば手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡の使用を伴う手術(または手術処置)の開始または終了を検出するように構成されている。換言すれば、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡は、手術(その少なくとも大半の時間)中に使用され得る。例えば、手術は、手術用顕微鏡を使用して、すなわち手術用顕微鏡の助けを借りて、行われ得る。したがって、入力データは、手術中の手術用顕微鏡システムの使用を(暗黙的に)示すことができる。ここで、システムは、手術用顕微鏡(システム)が手術に使用されていることを示す目印、よって、手術の開始および/または終了を示す目印を検出するために使用され得る。これらの目印は、暗黙の目印であることができ、すなわち、手術の開始および/または終了を暗黙的に示すことができる。換言すれば、入力データは、手術の開始および/または終了の証拠を検出するために分析されてよい。さまざまな例では、手術の開始および/または終了の検出は、記録の手動による作動および/または作動解除の検出に基づいていなくてもよい。前項で示したように、(手術の開始および/または終了を検出するために)使用可能な異なる目印が存在する。
【0031】
1つの主要な目印は、手術用顕微鏡システムのアームの配置および/または配向、よって手術用顕微鏡自体の配置である。したがって、入力データは、手術用顕微鏡システムのアーム130の位置に関する情報を含み得る。例えば、アームの位置に関する情報は、アームの垂直および横方向の配向に関する情報、および/または、アームに取り付けられた手術用顕微鏡の位置に関する情報を含み得る。換言すれば、アームの位置に関する情報は、アームに取り付けられている手術用顕微鏡の垂直位置および/または横方向位置に関する情報を含んでいてよい。この情報は、手術の開始または終了を検出するために使用され得る。したがって、システムは、アームの位置に関する情報に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されていてよい。例えば、アーム(よって手術用顕微鏡)の位置が第1の位置範囲に変更された場合に手術の開始を検出することができ、アーム(よって手術用顕微鏡)の位置が第2の位置範囲に変更された場合に手術の終了を検出することができる。例えば、第1の位置範囲は、例えば第1の範囲の位置が手術台に近接していることによって手術の開始(または手術が進行中であること)を示すことができ、第2の位置範囲は手術の終了(または手術が行われていないこと)を示すことができる。
【0032】
2つの位置範囲は、手術用顕微鏡の垂直位置(すなわち、地面や患者などの基準レベルの上方の高さ)に沿って定義され得る。換言すれば、システムは、手術用顕微鏡の垂直位置に関する情報に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成され得る。例えば、手術用顕微鏡が下げられた(よって、患者/患者の手術部位により近接するよう動かされた)場合に、その位置は、手術が開始されているかまたは進行中であることを示すことができ、手術用顕微鏡がより高い垂直位置に置かれた(よって、患者/手術部位からより離された)場合に、その位置は、手術が終了されているかまたは完了されていることを示すことができる。したがって、システムは、手術用顕微鏡の垂直位置が閾値の下方に(例えば、第1の低い閾値の下方に)下げられた後に、手術の開始を検出し、手術用顕微鏡の垂直位置が閾値(例えば、第2の高い閾値)の上方に上げられた後に、手術の終了を検出するよう構成されていてよい。したがって、手術用顕微鏡の(第1の低い)閾値の下方の垂直位置は第1の位置範囲に対応し得るものであり、(第2の高い)閾値の上方の垂直位置は、第2の移行範囲に対応し得るものである。
【0033】
場合によっては、術者は、例えば、手術部位の全体表示が望ましい手術の一部分を行うために、または追加の手術用具に近づくために、もしくは前に使用した用具を取り除くために、手術用顕微鏡を手術処置中に邪魔にならないよう移動させることがある。このような場合、手術処置の連続した1つの記録が必要とされ得るので、記録の終了を保留することが望ましい可能性がある。手術用顕微鏡の撮像センサを使用して術者を単に記録する場合には、これは、記録が焦点外の画像を示すにすぎないため、無くても構わないかもしれない。しかし、往々にして、例えば、手術室で起きていることを全て保存するために、(手術用顕微鏡の撮像センサを含む)複数のカメラを使用して記録が行われる。よって、記録は、手術用顕微鏡を患者から遠ざけた際にただちに終了されなくてもよい。したがって、タイマを使用して、タイマが切れた後まで手術の終了の検出を遅らせてもよい。換言すれば、システムは、少なくとも予め定められた時間間隔にわたって手術用顕微鏡が閾値の上方に留まる場合に、手術の終了を検出するように構成されていてよい。
【0034】
他の要因も考慮してもよい。例えば、先に紹介したように、手術用顕微鏡の撮像センサが提供する撮像センサデータが焦点外であることも、手術の終了を示すことができる。したがって、システムは、手術用顕微鏡が閾値の上方に留まり、かつ少なくとも予め定められた時間間隔にわたって撮像センサデータが焦点外である場合に、手術の終了を検出するように構成されていてよい。システムは、例えば、撮像センサデータのコントラストを決定し、コントラストを閾値と比較することにより、撮像センサデータが焦点外であるか否かを決定するように構成されていてよい。より高いコントラストは、典型的には、撮像センサデータが焦点内であることを示す。択一的に、撮像センサの内蔵機能を使用してもよい。
【0035】
前に紹介したように、アーム、特にアームのパラレログラムセクションの配向も、現在手術が行われているか否かを示すことができる。一般に、アームのパラレログラムセクションは、手術用顕微鏡の(地面/患者の上方の)角度を変更せずに、手術用顕微鏡の位置の垂直方向の調整を可能にするアームセクションである。多くの実装形態では、パラレログラムセクションは、手術用顕微鏡の位置を変更することを支援する、圧縮ばねまたは油圧システムを備える。アームの位置に関する情報は、アームのパラレログラムセクションの配向に関する情報、よってアームに取り付けられている手術用顕微鏡の(垂直および/または水平)位置に関する情報を含み得る。システムは、アームのパラレログラムセクションの配向に関する情報に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されていてよい。例えば、パラレログラムセクションは、第1の角度(または角度範囲)および/または(患者の上方の)垂直高さであり得る(手術中の)「アクティブ」配向と、患者から離れた第2の角度(または角度範囲)および/または患者/手術台から遠く離れた垂直高さであり得る「退避」配向とを有してもよい(図3aおよび図3bを参照)。したがって、パラレログラムセクションがアクティブ配向にある手術用顕微鏡の位置は、第1の位置範囲内であってよく、パラレログラムセクションが退避配向にある手術用顕微鏡の位置は、第2の位置範囲内であってもよい。システムは、パラレログラムセクションがアクティブ配向へ移行された場合に手術の開始を検出し、(例えば、少なくとも予め定められた4時間間隔にわたって)パラレログラムセクションが退避配向にされた場合(かつ/または少なくとも予め定められた時間間隔にわたって撮像センサデータが焦点外である場合)に、手術の終了を検出するように構成されていてよい。
【0036】
さまざまな実施形態では、入力データは、手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡の撮像センサ142の撮像センサデータを含む。例えば、システムは、顕微鏡の光学撮像センサ142から撮像センサデータを取得するように構成されていてよい。例えば、光学撮像センサ142は、能動ピクセルセンサ(APS:Active Pixel Sensor)または電荷結合素子(CCD:Charge-Coupled-Device)ベースの撮像センサを備えていてよく、または電荷結合素子(CCD:Charge-Coupled-Device)ベースの撮像センサであってもよい。例えば、APSベースの撮像センサでは、画素の光検出器および能動増幅器を使用して、各画素で光が記録される。APSベースの撮像センサは、往々にして相補型金属酸化膜半導体(CMOS:Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)またはサイエンティフィックCMOS(S-CMOS)技術に基づく。CCDベースの撮像センサでは、入射光子が半導体-酸化物界面で電子電荷に変換され、その後に撮像センサの制御回路によって撮像センサの容量性ビンの間で移動して撮像が行われる。
【0037】
システムは、(手術用顕微鏡の撮像センサにより、かつ/または手術用顕微鏡システムの環境に置かれた1つ以上の追加の撮像センサ、例えばカメラにより生成され得る)撮像センサデータに基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成されていてよい。例えば、いくつかの実施形態では、撮像センサデータは、手術中に手術用顕微鏡が患者の上方に置かれた場合に手術台上の患者を示すことができ、これは、手術が進行中であることまたは開始されていることの信頼できる指標である。したがって、システムは、撮像センサデータ内の患者の存在を検出するように構成され得る。システムは、撮像センサデータ内の患者の存在に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成され得る。例えば、システムは、撮像センサデータによって患者が(最初に)検出された場合または検出されたときに手術の開始を検出し、患者がもはや検出されない場合または手術台からの患者の移動が検出された場合に手術処置の終了を検出することができる。
【0038】
別の目印または指標は、手術室の照明である。手術中は通常、周囲光は低減またはスイッチオフされ、照明は患者に集中する。手術の合間には、例えば、手術用具一式の滅菌カバーを交換できるように、周囲光がスイッチオンされる。したがって、システムは、手術の開始または終了を検出するために、照明状況を分析するように構成されていてもよい。換言すれば、入力データは、手術用顕微鏡システムの環境(例えば手術室)で使用されている照明に関する情報を含んでいてよい。例えば、手術用顕微鏡(または、別の撮像センサ、例えば、手術チームをカバーする視野を有するカメラ)の撮像センサの撮像センサデータは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報を含んでいてもよい。代替的または付加的に、システムは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報(の少なくとも一部分)を、手術用顕微鏡システムおよび/または手術室の照明システムの制御回路から取得するように構成されていてもよい。システムは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報に基づいて、手術の開始または終了を検出するように構成され得る。例えば、システムは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報が周囲光の低減またはスイッチオフならびに患者への照明の集中を示す場合に、手術の開始を検出するように構成されていてよい。システムは、手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報が周囲光のスイッチオンまたは増強を示し、かつ/または手術用顕微鏡システムの照明システムが低減されるかまたはスイッチオフされる場合に、手術の開始を検出するように構成されていてもよい。
【0039】
システムは、検出された手術の開始または終了に基づいて、インタフェースを介して手術用顕微鏡システムの記録デバイスに制御信号を供給するように構成されている。一般に、制御信号は、デジタル送信されるパケットなどのデジタル信号であってよく、またはアナログ電流信号などのアナログ信号であってもよい。制御信号は、記録を開始もしくは終了するために記録デバイスをトリガするのに適している場合がある。例えば、異なるデジタルビット値を送信してもよく、または記録を開始または停止するために記録デバイスをトリガするのに異なるアナログ電圧もしくは電流を印加してもよい。システムは、手術の開始が検出された場合に、記録デバイスによって行われる記録を開始するための制御信号を供給し、手術の終了が検出された場合に、記録デバイスによって行われる記録を停止するための制御信号を供給するように構成されていてよい。したがって、記録デバイスは、制御信号に基づいて、記録を開始または停止するように構成されていてよい。記録デバイスは、手術用顕微鏡の撮像センサの撮像センサデータを記録するように構成されていてもよい。付加的に(または択一的に)、記録デバイスは、手術用顕微鏡システムの環境に置かれている1つ以上の追加の撮像センサ(すなわちカメラ)の、例えば手術時間および/または手術部位全体をカバーする視野を有するカメラの、撮像センサデータを記録するように構成されていてもよい。記録デバイスは、各記録について別個のデジタルファイルを保存してもよく、デジタルファイルは(例えば記憶モジュール内に)それぞれの記録を含む。
【0040】
インタフェース112は、指定されたコードに従ったデジタル(ビット)値内にあり得る情報を、モジュール内、モジュール間、または異なるエンティティのモジュール間で受信および/または送信するための1つ以上の入力および/または出力に対応させてもよい。例えば、インタフェース112は、情報を受信および/または送信するように構成されたインタフェース回路を備えていてよい。実施形態では、1つ以上のプロセッサ114は、1つ以上の処理ユニット、1つ以上の処理デバイス、しかるべく適応化されたソフトウェアによって動作可能であるプロセッサ、コンピュータやプログラム可能なハードウェア部品などの任意の処理手段を使用して実装されていてよい。換言すれば、1つ以上のプロセッサ114の説明された機能は、1つ以上のプログラム可能なハードウェア部品上で実行されるソフトウェアで同様に実装されていてよい。このようなハードウェア部品は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラなどを備え得る。少なくともいくつかの実施形態では、1つ以上のストレージデバイス116は、磁気もしくは光学記憶媒体、例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、フロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能リードオンリーメモリ(PROM)、消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EPROM)、電子的消去可能かつプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、またはネットワークストレージのような、コンピュータ可読記憶媒体の群のうちの少なくとも1つの要素を備えていてよい。
【0041】
システムおよび顕微鏡システムのより多くの詳細および態様を、提案のコンセプトまたは上述もしくは後述の1つ以上の例(例えば図2図4)に関連して言及する。システムおよび顕微鏡システムは、提案のコンセプトの1つ以上の態様または上述もしくは後述の1つ以上の例に対応する1つ以上の追加のオプション特徴を備えていてよい。
【0042】
図2は、手術用顕微鏡システムの記録デバイスを制御するための対応する方法のフローチャートを示す。方法は、手術用顕微鏡システムの(図1a~図1dに示すような)1つ以上のセンサまたはアクタ132;134;142から入力データを取得すること210を含む。方法は、入力データに基づいて、手術用顕微鏡システムの使用を伴う手術の開始または終了を検出すること220を含む。方法は、検出された手術の開始または終了に基づいて、手術用顕微鏡システムの記録デバイス120に制御信号を供給すること230を含む。
【0043】
上で示したように、図1a~図1dのシステム110および顕微鏡システム100に関連して説明した特徴は、図2の方法にも同様に適用され得る。
【0044】
方法のより多くの詳細および態様を、提案のコンセプトまたは上述もしくは後述の1つ以上の例(例えば、図1a~図1d、図3a~図4)に関連して言及する。方法は、提案のコンセプトの1つ以上の態様または上述もしくは後述の1つ以上の例に対応する1つ以上の追加のオプション特徴を含んでいてよい。
【0045】
本開示のさまざまな実施形態は、事例自動記録のためのワークフローに関する。よって、実施形態は(例えば手術処置の)自動記録のためのコンセプトを提供することができる。
【0046】
前から紹介しているように、眼科の事例数は往々にして多い。手術室の効率および回転率を向上することは、結果として、1日当たりにより多くの患者を助けることができるようになる。この傾向は、特に白内障手術で高い。自動映像記録の選好を設定することにより、追加の手動ステップなしで直感的に記録を開始および停止することができる。
【0047】
さまざまな実施形態は、パラレログラム部の配向に連動する自動記録機能に関する。特に、「退避」モードまたは「運転」(すなわちアクティブ)モードにおけるパラレログラム部の位置に基づく映像記録機能の統合を提供してもよい。よって、映像記録の開始および停止を、手術ワークフローの一部として統合して自動的に行うことができる。術者は、他の機能を使用するために映像記録用フットスイッチの制御を解放することができる。
【0048】
図3aおよび図3bは、アクティブ位置および退避位置にある手術用顕微鏡システムの概略図を示す。図3aおよび図3bは、手術用顕微鏡140、アームのパラレログラムセクション136および患者300を示している。パラレログラム部が手術位置に移動された(図3a)場合に、パラレログラム部、よって手術用顕微鏡は、動作モードにあってよく、映像記録を開始し得る。パラレログラム部が手術後に退避位置に移動された(図3b、例えば患者から離された)ると、映像記録を停止することができる。タイマのカウントダウンを設定して事例を終了してもよい。
【0049】
コンセプトのより多くの詳細および態様を、提案のコンセプトまたは上述もしくは後述の1つ以上の例(例えば、図1a~図2図4)に関連して言及する。コンセプトは、提案のコンセプトの1つ以上の態様または上述もしくは後述の1つ以上の例に対応する1つ以上の追加のオプション特徴を含んでいてよい。
【0050】
いくつかの実施形態は、図1から図3bのうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムを含んでいる顕微鏡に関する。択一的に、顕微鏡は、図1から図3bのうちの1つまたは複数の図に関連して説明されたようなシステムの一部であってもよい。図4は本明細書に記載された方法を実施するように構成されたシステム400の概略図を示している。システム400は、顕微鏡410とコンピュータシステム420とを含んでいる。顕微鏡410は、撮像するように構成されており、かつコンピュータシステム420に接続されている。コンピュータシステム420は、本明細書に記載された方法の少なくとも一部を実施するように構成されている。コンピュータシステム420は、機械学習アルゴリズムを実行するように構成されていてもよい。コンピュータシステム420と顕微鏡410は別個の存在物であってもよいが、1つの共通のハウジング内に一体化されていてもよい。コンピュータシステム420は、顕微鏡410の中央処理システムの一部であってもよく、かつ/またはコンピュータシステム420は、顕微鏡410のセンサ、アクタ、カメラまたは照明ユニット等の、顕微鏡410の従属部品の一部であってもよい。
【0051】
コンピュータシステム420は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるローカルコンピュータデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータまたは携帯電話)であってもよく、または分散コンピュータシステム(例えば、ローカルクライアントおよび/または1つまたは複数のリモートサーバファームおよび/またはデータセンター等のさまざまな場所に分散されている1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のストレージデバイスを備えるクラウドコンピューティングシステム)であってもよい。コンピュータシステム420は、任意の回路または回路の組み合わせを含んでいてもよい。1つの実施形態では、コンピュータシステム420は、任意の種類のものとすることができる、1つまたは複数のプロセッサを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、プロセッサは、例えば、顕微鏡または顕微鏡部品(例えばカメラ)のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マルチコアプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または任意の他の種類のプロセッサまたは処理回路等のあらゆる種類の計算回路を意図していてもよいが、これらに限定されない。コンピュータシステム420に含まれ得る他の種類の回路は、カスタム回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよく、例えばこれは、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、双方向無線機および類似の電子システム等の無線装置において使用される1つまたは複数の回路(通信回路等)等である。コンピュータシステム420は、ランダムアクセスメモリ(RAM)の形態のメインメモリ等の特定の用途に適した1つまたは複数の記憶素子を含み得る1つまたは複数のストレージデバイス、1つまたは複数のハードドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(DVD)等のリムーバブルメディアを扱う1つまたは複数のドライブ等を含んでいてもよい。コンピュータシステム420はディスプレイ装置、1つまたは複数のスピーカおよびキーボードおよび/またはマウス、トラックボール、タッチスクリーン、音声認識装置を含み得るコントローラ、またはシステムのユーザーがコンピュータシステム420に情報を入力すること、およびコンピュータシステム420から情報を受け取ることを可能にする任意の他の装置も含んでいてもよい。
【0052】
ステップの一部または全部は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータまたは電子回路等のハードウェア装置(またはハードウェア装置を使用すること)によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、極めて重要なステップのいずれか1つまたは複数が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0053】
一定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装され得る。この実装は、非一過性の記録媒体によって実行可能であり、非一過性の記録媒体は、各方法を実施するために、プログラマブルコンピュータシステムと協働する(または協働することが可能である)、電子的に読取可能な制御信号が格納されている、デジタル記録媒体等であり、これは例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROMおよびEPROM、EEPROMまたはFLASHメモリである。したがって、デジタル記録媒体は、コンピュータ読取可能であってもよい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法が実施されるように、プログラマブルコンピュータシステムと協働することができる、電子的に読取可能な制御信号を有するデータ担体を含んでいる。
【0055】
一般的に、本発明の実施形態は、プログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品として実装可能であり、このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときにいずれかの方法を実施するように作動する。このプログラムコードは、例えば、機械可読担体に格納されていてもよい。
【0056】
別の実施形態は、機械可読担体に格納されている、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを含んでいる。
【0057】
したがって、換言すれば、本発明の実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0058】
したがって、本発明の別の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、格納されているコンピュータプログラムを含んでいる記録媒体(またはデータ担体またはコンピュータ読取可能な媒体)である。データ担体、デジタル記録媒体または被記録媒体は、典型的に、有形である、かつ/または非一過性である。本発明の別の実施形態は、プロセッサと記録媒体を含んでいる、本明細書に記載されたような装置である。
【0059】
したがって、本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号シーケンスである。データストリームまたは信号シーケンスは例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されていてもよい。
【0060】
別の実施形態は、処理手段、例えば、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するように構成または適合されているコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを含んでいる。
【0061】
別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するために、インストールされたコンピュータプログラムを有しているコンピュータを含んでいる。
【0062】
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためのコンピュータプログラムを(例えば、電子的にまたは光学的に)受信機に転送するように構成されている装置またはシステムを含んでいる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイル機器、記憶装置等であってもよい。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するために、ファイルサーバを含んでいてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)が、本明細書に記載された方法の機能の一部または全部を実行するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載のいずれかの方法を実施するためにマイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、有利には、任意のハードウェア装置によって方法が実施される。
【0064】
本明細書で使用されるように、用語「および/または(かつ/または)」は、関連する記載項目のうちの1つまたは複数の項目のあらゆる全ての組み合わせを含んでおり、「/」として略記されることがある。
【0065】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が、対応する方法の説明も表していることが明らかであり、ここではブロックまたは装置がステップまたはステップの特徴に対応している。同様に、ステップの文脈において説明された態様は、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明も表している。
【符号の説明】
【0066】
100 手術用顕微鏡システム
102 ベースユニット
104 フットブレーキ
106 ハンドレール
108 スピーカ
110 システム
112 インタフェース
114 1つ以上のプロセッサ
116 1つ以上のストレージデバイス
118a システム用制御ユニット
118b カメラおよびビデオ用制御ユニット
120 記録デバイス
130 アーム
132 位置決めセンサ
134 アームの制御回路
136 パラレログラムセクション
140 手術用顕微鏡
150 ディスプレイ
152 モニタアーム
160 操縦ハンドル
210 入力データを取得する
220 手術の開始または終了を検出する
230 制御信号を供給する
300 患者
400 システム
410 顕微鏡
420 コンピュータシステム
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用顕微鏡システム(100;400)の記録デバイス(120)を制御するためのシステム(110;420)であって、前記システムは、1つ以上のプロセッサ(114)およびインタフェース(112)を備え、前記システムは、
前記手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタ(132;134;142)から前記インタフェースを介して入力データを取得し、
前記入力データに基づいて、前記手術用顕微鏡システムの使用を伴う手術の開始または終了を検出し、
検出された前記手術の開始または終了に基づいて、前記インタフェースを介して前記手術用顕微鏡システムの前記記録デバイスに制御信号を供給する、
ように構成されており、
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムのアーム(130)の位置に関する情報を含み、前記システムは、前記アームの前記位置に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
システム。
【請求項2】
前記手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡(140;410)は、前記手術用顕微鏡システムの前記アームに取り付けられており、前記アームの前記位置に関する情報は、前記手術用顕微鏡の垂直位置に関する情報を含み、前記システムは、前記手術用顕微鏡の前記垂直位置に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記手術用顕微鏡の前記垂直位置が閾値の下方に下げられた後に前記手術の開始を検出し、前記手術用顕微鏡の前記垂直位置が閾値の上方に上げられた後に前記手術の終了を検出するように構成されている、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、少なくとも予め定められた時間間隔にわたって前記手術用顕微鏡が前記閾値の上方に留まる場合に、前記手術の終了を検出するように構成されている、
請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡の撮像センサ(142)の撮像センサデータを含み、前記システムは、前記手術用顕微鏡が前記閾値の上方に留まり、かつ少なくとも予め定められた時間間隔にわたって前記撮像センサデータが焦点外である場合に、前記手術の終了を検出するように構成されている、
請求項3記載のシステム。
【請求項6】
前記手術用顕微鏡システムの前記アームは、パラレログラムセクションを備え、前記アームの前記位置に関する情報は、前記アームの前記パラレログラムセクションの配向に関する情報を含み、前記システムは、前記アームの前記パラレログラムセクションの前記配向に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項7】
前記手術用顕微鏡システムの前記1つ以上のセンサまたはアクタは、前記アームの前記位置を決定する位置決めセンサ(132)を備え、前記システムは、前記アームの前記位置に関する情報を前記位置決めセンサから取得するように構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
前記アームは、ロボットアームであり、前記システムは、前記アームの前記位置に関する情報を前記ロボットアームの制御回路(134)から取得するように構成されている、
請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムの手術用顕微鏡の撮像センサ(142)の撮像センサデータを含み、前記システムは、前記撮像センサデータに基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記撮像センサデータ内の患者の存在を検出するように構成されており、前記システムは、前記撮像センサデータ内の前記患者の存在に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムの環境で使用されている照明に関する情報を含み、前記システムは、前記手術用顕微鏡システムの環境で使用されている前記照明に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
請求項1から10までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、手術の開始が検出された場合に、前記記録デバイスによって行われる記録を開始するための制御信号を供給し、手術の終了が検出された場合に、前記記録デバイスによって行われている記録を停止するための制御信号を供給するように構成されている、
請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
手術用顕微鏡システム(100;400)であって、前記手術用顕微鏡システム(100;400)は、
請求項1から12までのいずれか1項記載のシステム(110;420)と、
入力データの提供のための1つ以上のセンサまたはアクタ(132;134;142)と、
記録デバイス(120)と、
を備えた手術用顕微鏡システム(100;400)。
【請求項14】
手術用顕微鏡システム(100;400)の記録デバイスを制御するためのシステム(110;420)の作動方法であって、前記作動方法は、
前記システムのプロセッサが、前記手術用顕微鏡システムの1つ以上のセンサまたはアクタから入力データを取得するステップ(210)と、
前記プロセッサが、前記入力データに基づいて、前記手術用顕微鏡システムの使用を伴う手術の開始または終了を検出するステップ(220)と、
前記プロセッサが、検出された前記手術の開始または終了に基づいて、前記手術用顕微鏡システムの前記記録デバイスに制御信号を供給するステップ(230)と、
を含み、
前記入力データは、前記手術用顕微鏡システムのアーム(130)の位置に関する情報を含み、前記システムは、前記アームの前記位置に関する情報に基づいて、前記手術の開始または終了を検出するように構成されている、
作動方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムであって、プロセッサ上で実行されるときに請求項14記載の作動方法を実施するためのプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【外国語明細書】