(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008880
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】防ダニ性材料
(51)【国際特許分類】
D06M 13/192 20060101AFI20240112BHJP
A01N 25/10 20060101ALI20240112BHJP
A01P 7/02 20060101ALI20240112BHJP
A01N 37/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
D06M13/192
A01N25/10
A01P7/02
A01N37/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109012
(22)【出願日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】P 2022109921
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004053
【氏名又は名称】日本エクスラン工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 成明
(72)【発明者】
【氏名】川中 直樹
【テーマコード(参考)】
4H011
4L033
【Fターム(参考)】
4H011AC04
4H011BA01
4H011BB06
4H011BC19
4H011DA10
4H011DC10
4H011DH02
4H011DH04
4L033AB04
4L033AC10
4L033BA18
(57)【要約】
【課題】寝装品等の防ダニ対策の一つとして、布団やマット類を構成する詰物や側生地等に殺ダニ性や忌避性のある薬剤を保持させて直接ダニを防ぐ方法が知られている。しかしながら、薬剤の人体に対する安全性、ダニの死骸の残留、洗濯による防ダニ効果の低下、対応基材の制限などの課題があった。本発明の目的は、様々な基材に防ダニ性を付与できる方法であって、人体に対する安全性が高く、且つ洗濯を繰り返しても防ダニ性能の低下を防ぐことができる防ダニ性付与方法、及び該方法によって得られる防ダニ性材料を提供することにある。
【解決手段】基材にシュウ酸塩を付与してなる防ダニ性材料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材にシュウ酸塩を付与してなる防ダニ性材料。
【請求項2】
シュウ酸塩の含有量が0.001mmol/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の防ダニ性材料。
【請求項3】
シュウ酸塩の20℃における水に対する溶解度が1g/100g-H2O以下であることを特徴とする請求項1に記載の防ダニ性材料。
【請求項4】
基材が、負に帯電する官能基を有しているものであることを特徴とする請求項1に記載の防ダニ性材料。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の防ダニ性材料を含有する寝具、インテリア用品または衣料品。
【請求項6】
基材を陽イオンを含む水溶液に浸漬する処理、および該処理後の基材をシュウ酸を含む水溶液に浸漬する処理を含むことを特徴とする防ダニ性材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材に防ダニ性を付与し、しかも洗濯後もその効果が持続する防ダニ性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の高気密・高断熱化や冷暖房設備の普及等による住環境の変化によって、ダニやハウスダストが発生し易くなり、それらに起因する喘息発作、アトピー性皮膚炎、鼻炎等のアレルギー疾患に悩む人が増えている。
【0003】
例えば、ダニアレルギーは、ダニの糞、死骸、脱皮殻、卵等のダニ抗原をアレルゲンとして体内に吸い込んだり、これらのアレルゲン(ダニ抗原)と接触したりすることによって起こり、寝装品やマット類は上記ダニ抗原の主要な発生源となっている。
【0004】
そのため、寝装品等の防ダニ対策の一つとして、布団やマット類を構成する詰物や側生地等に殺ダニ性や忌避性のある薬剤を保持させて直接ダニを防ぐ方法が知られており、例えば、下記特許文献1には、セルロース再生繊維中に粒子径10μm以下の再生キトサン微小粒状体、ニトリル系抗菌剤、ピリジン系抗菌剤、ハロアルキルチオ系抗菌剤、有機ヨード系抗菌剤、チアゾール系抗菌剤、及びベンツイミダゾール系抗菌剤を含有していることを特徴とする抗菌性セルロース再生繊維が開示されている。
【0005】
下記特許文献2には、防ダニ性付与のために、繊維表面にフェノトリンおよび/またはイカリジンが付着させることを特徴とする抗菌防臭繊維が開示されている。
【0006】
下記特許文献3には、中綿等の詰物に、タンニン酸を染み込ませることにより、前記詰物に付いているダニ抗原を人体に害のない形態に変性処理することを特徴とするダニ抗原処理方法が開示されている。
【0007】
下記特許文献4には、防ダニ性を付与する方法において、タンニン酸と架橋剤とを付着させ、熱処理して結合させることを特徴とするセルロース質からなる繊維を含む繊維又は繊維製品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10-37018号公報
【特許文献2】特開2021-80597公報
【特許文献3】特開平9-301804号公報
【特許文献4】特開2007-107149公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された方法を人体に直接触れる布団側生地や寝衣等の寝装品へ適用した場合、防ダニ剤等の薬剤による人体への安全性の面で不安がある、あるいはダニを駆除してもその死骸が新たな抗原となってしまうという問題があった。
【0010】
一方、上記特許文献3に開示された方法は、安全性が高く、また、ダニ抗原を不活化するため、駆除したダニの死骸が新たな抗原となってしまうというような問題はないものの、洗濯を繰り返すことによってその効果が失われやすいという欠点があった。
【0011】
また、上記特許文献4に開示された方法は、洗濯耐久性を有するものの、基材がセルロース質からなる繊維を含む繊維に限定されており、防ダニ性を付与できる基材が少ないという問題があった。
【0012】
したがって、本発明の目的は、セルロース質を含む基材以外の基材にも防ダニ性を付与できる方法であって、人体に対する安全性が高く、且つ洗濯を繰り返しても防ダニ性能の低下を防ぐことができる防ダニ性付与方法、及び該方法によって得られる防ダニ性材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、基材に陽イオンを付与し、その後シュウ酸で処理することで、基材に防ダニ性を付与でき、且つ洗濯を繰り返しても防ダニ性が維持できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0014】
即ち、本発明は以下の(1)~(5)の構成を有するものである。
(1)基材にシュウ酸塩を付与してなる防ダニ性材料。
(2)シュウ酸塩の含有量が0.001mmol/g以上であることを特徴とする(1)に記載の防ダニ性材料。
(3)シュウ酸塩の20℃における水に対する溶解度が1g/100g-H2O以下であることを特徴とする(1)に記載の防ダニ性材料。
(4)基材が、負に帯電する官能基を有しているものであることを特徴とする(1)に記載の防ダニ性材料。
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の防ダニ性材料を含有する寝具、インテリア用品または衣料品。
(6)基材を陽イオンを含む水溶液に浸漬する処理、および該処理後の基材をシュウ酸を含む水溶液に浸漬する処理を含むことを特徴とする防ダニ性材料の製造方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の防ダニ性材料は、シュウ酸塩を含有することで防ダニ性を有する。特に、水への溶解度の低いシュウ酸塩を採用した場合には、洗濯を繰り返しても防ダニ性が維持できるものとなる。かかる本発明の防ダニ性材料は、インテリア用品、寝具または衣料品などの防ダニ性を求められる製品の材料に使用することによって、これらの製品に防ダニ性を付与することができ、洗濯されるような寝具、衣料品に対しても好適に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の防ダニ性材料を詳細に説明する。
【0017】
本発明の防ダニ性材料に採用するシュウ酸塩としては、シュウ酸亜鉛、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸ガリウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸金、シュウ酸銀、シュウ酸コバルト、シュウ酸セシウム、シュウ酸鉄、シュウ酸銅、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸鉛、シュウ酸ニッケル、シュウ酸バリウム、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸マンガン、シュウ酸リチウム等が例示できる。
【0018】
本発明の防ダニ性材料に採用する基材としては、例えば、繊維、糸、ヤーン(ラップヤーンも含む)、フィラメント、織物、編物、不織布、紙状物、シート状物、積層体、綿状体(球状や塊状のものを含む)等の繊維構造物、粒子、ビーズ、フィルム、塗膜、射出成形体等の樹脂成形体を挙げることができる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0019】
基材として採用できる繊維としては、特に制限はなく、公用されている天然繊維、有機繊維、半合成繊維、合成繊維が用いられ、さらには無機繊維、ガラス繊維等も用途によっては採用し得る。具体的な例としては、綿、麻、絹、羊毛、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル繊維、アクリレート繊維などを挙げることができる。基材として採用できる樹脂成形体を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂、ABS樹脂などを挙げることができる。
【0020】
上述した本発明に採用する基材としては、基材中に負に帯電する官能基を有しているものであることが好ましい。負に帯電する官能基は、後述する本発明の防ダニ性材料の製造方法において、陽イオンをトラップすることができるため、効率的にシュウ酸塩を生成することができる。かかる負に帯電する官能基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などの酸性基やニトリル基、カルボニル基、水酸基などの極性基を挙げることができる。
【0021】
かかる負に帯電する官能基の基材中における量としては、後述するシュウ酸塩の含有量に見合う陽イオンをトラップできる含有量であることが好ましい。
【0022】
負に帯電する官能基を有する基材としては、スルホン酸基を有するものとしてアクリル繊維、カチオン可染性ポリエステル繊維、カチオン可染性レーヨンなどが挙げられ、カルボン酸基を有するものとしてアクリレート繊維を挙げられる。
【0023】
次に、本発明の防ダニ性材料におけるシュウ酸塩の含有量は、0.001mmol/g以上であることが好ましく、0.01mmol/g以上であることがより好ましい。シュウ酸塩の含有量が0.001mmol/gに満たない場合には、防ダニ効果が十分に得られないことがある。一方、シュウ酸塩の含有量の上限については、特に制限はないが、シュウ酸塩がシュウ酸銀である場合には着色しやすいことや費用の観点から、好ましくは1mmol/g以下である。
【0024】
また、本発明の防ダニ性材料を寝具や衣料品などの洗濯を行う用途に適用する場合おいては、シュウ酸塩として、20℃における水に対する溶解度が1g/100g-H2O以下であるものを用いることが好ましく、0.1g/100g-H2O以下であるものを用いることがより好ましい。このような水に対する溶解度の低いシュウ酸塩を用いることによって、洗濯液やすすぎ水にシュウ酸塩が溶出しづらくなるため、洗濯後においても防ダニ性を維持することができる。かかる水に対する溶解度の低いシュウ酸塩としては、シュウ酸銀、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸カルシウムが例示できる。中でも、シュウ酸銀は抗菌性も有するため特に好ましい。
【0025】
上述してきた本発明の防ダニ性材料は、基材を、陽イオンを含む水溶液に浸漬させ、処理温度40~130℃、処理時間5~120分間で処理することによって該基材に陽イオンを含有させた後、シュウ酸を含む水溶液に浸漬させ、処理温度40~130℃、処理時間5~120分間で処理して前記陽イオンとシュウ酸を基材上で造塩させることによって得ることができる。
【0026】
ここで、上記の陽イオンを含む水溶液に含まれる陽イオンの量は、基材1g当たり、好ましくは0.001mmol以上、より好ましくは0.01mmol以上となるようにする。また、上記のシュウ酸を含む水溶液に含まれるシュウ酸の量は、基材1g当たり、好ましくは0.001mmol以上、より好ましくは0.01mmol以上となるようにする。
【0027】
上記の陽イオンとしては、シュウ酸と反応させることによって上述したシュウ酸塩を発生できるものであって、例えば、亜鉛イオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、ガリウムイオン、カルシウムイオン、金イオン、銀イオン、コバルトイオン、セシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ナトリウムイオン、鉛イオン、ニッケルイオン、バリウムイオン、マグネシウムイオン、マンガンイオン、リチウムイオン等が例示できる。中でも、銀イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが好ましく、銀イオンが特に好ましい。
【0028】
これらの陽イオンを含む水溶液としては、上記陽イオンを対イオンとする硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの水溶液を挙げることができる。
【0029】
上述してきた本発明の防ダニ性材料を含む製品としては、寝具、衣料品、インテリア用品などを挙げることができる。例えば、布団側生地、布団カバー、布団中綿、毛布、タオルケット、寝衣(パジャマ、ネグリジェ等)、シーツ、枕、枕カバー、タオル、ハンカチ、衣料表地、衣料裏地、衣料中綿、スリッパ、カーペット、マット、カーテン、椅子張り地、壁布、フロア外張り等が挙げられる。これらの製品は、防ダニ性材料単独で構成されていてもよいし、他の材料と組み合わせたものであってもよい。
【実施例0030】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の特性の評価方法は以下の通りである。
【0031】
(1)シュウ酸塩の含有量
試料を湿式分解した溶液について、原子吸光分析装置を用いて原子吸光度を測定して金属の含有量を求めた。得られた金属の含有量の結果から、次式によりシュウ酸塩の含有量を算出した。
シュウ酸塩の含有量(mmol/g)=金属の含有量(g/g)/金属の原子量(g/mmol)×金属の価数/2
【0032】
(2)防ダニ試験
JIS L 1920:2007(繊維製品の防ダニ性試験方法;忌避試験-ガラス管法 A法)に従い実施した。なお、無加工試料としてはレギュラーポリエステル綿を使用した。また、インテリアファブリックス性能評価協議会の基準では、かかる試験において忌避率が50%以上である場合に防ダニ効果を有するものと判断される。
【0033】
(3)洗濯方法
洗濯方法は、JEC326(SEKマーク繊維製品の洗濯方法)に従い、洗剤としてJAFET標準配合洗剤を使用した。
【0034】
[実施例1]
アクリル繊維(日本エクスラン工業社製K8タイプ、カチオン可染性)1kgを4.73gの硝酸銀を含む水溶液に浸漬して98℃×0.5時間処理した後、1.25gのシュウ酸を含む水溶液を追加して98℃×0.5時間処理した。得られた繊維を水洗、乾燥することにより、シュウ酸銀を含有する防ダニ性材料を得た。得られた防ダニ性材料の評価結果を表1に示す。なお、シュウ酸銀の20℃における水に対する溶解度は0.00327g/100g-H2Oである。
【0035】
[実施例2]
実施例1においてアクリル繊維をカチオン可染性ポリエステル繊維(東レ社製テトロン)に変更した以外は同じ方法で防ダニ性材料を得た。得られた防ダニ性材料の評価結果を表1に示す。
【0036】
[実施例3]
アクリル繊維(日本エクスラン工業社製K8タイプ)1kgを4.15gの硝酸マグネシウムを含む水溶液に浸漬して98℃×0.5時間処理した後、2.51gのシュウ酸を含む水溶液を追加して98℃×0.5時間処理した。得られた繊維を水洗、乾燥することにより、シュウ酸マグネシウムを含有する防ダニ性材料を得た。得られた防ダニ性材料の評価結果を表1に示す。なお、シュウ酸マグネシウムの20℃における水に対する溶解度は0.104g/100g-H2Oである。
【0037】
[実施例4]
アクリル繊維(日本エクスラン工業社製K8タイプ)1kgを4.57gの硝酸カルシウムを含む水溶液に浸漬して98℃×0.5時間処理した後、2.51gのシュウ酸を含む水溶液を追加して98℃×0.5時間処理した。得られた繊維を水洗、乾燥することにより、シュウ酸マグネシウムを含有する防ダニ性材料を得た。得られた防ダニ性材料の評価結果を表1に示す。なお、シュウ酸カルシウムの20℃における水に対する溶解度は0.00067g/100g-H2Oである。
【0038】
[実施例5]
実施例1における防ダニ性材料について、さらに洗濯10回後の評価結果を表1に示す。
【0039】
[実施例6]
実施例1において4.73gの硝酸銀を3.15gの硝酸銀に変更したこと、および1.25gのシュウ酸を0.83gのシュウ酸に変更したこと以外は同じ方法で防ダニ性材料を得た。得られた防ダニ性材料の評価結果を表1に示す。
【0040】
[実施例7]
実施例1において4.73gの硝酸銀を0.47gの硝酸銀に変更したこと、および1.25gのシュウ酸を0.13gのシュウ酸に変更したこと以外は同じ方法で防ダニ性材料を得た。得られた防ダニ性材料の評価結果を表1に示す。
【0041】
[実施例8]
実施例7における防ダニ性材料について、さらに洗濯10回後の評価結果を表1に示す。
【0042】
[比較例1]
実施例1において1.25gのシュウ酸を28.4gの1N塩酸水溶液に変更した以外は同じ方法で塩化銀を含有する比較例1の材料を得た。得られた材料の評価結果を表1に示す。
【0043】
[比較例2]
実施例1において1.25gのシュウ酸を1.12gのリン酸二水素ナトリウムに変更した以外は同じ方法で比較例2の材料を得た。得られた材料の評価結果を表1に示す。
【0044】
[比較例3]
実施例1においてシュウ酸を含む水溶液を追加しないこと以外は同じ方法でスルホン酸銀を含有する材料を得た。得られた材料の評価結果を表1に示す。なお、基材であるアクリル繊維には染着座席としてスルホン酸基が含まれている。
【0045】
[比較例4]
実施例1において硝酸銀を含む水溶液に浸漬しないこと以外は同じ方法により得られた材料の評価結果を表1に示す。
【0046】
【0047】
表1から分かるように、シュウ酸塩を含有する実施例1~8の各材料は優れた防ダニ効果を有するものである。特に、実施例7に示すように、本発明の防ダニ性材料は洗濯を繰り返しても防ダニ効果が維持されるものである。一方、シュウ酸を使用していない比較例1~3ではいずれも防ダニ効果が不十分になった。また、比較例4ではシュウ酸を使用しているものの、陽イオンと塩を生成していないため、防ダニ効果が不十分になった。