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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088825
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】電子機器設置用具
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240626BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20240626BHJP
   E01F 9/604 20160101ALI20240626BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H05K5/02 E
F16B2/10 Z
E01F9/604
E01F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203810
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】森 大樹
(72)【発明者】
【氏名】森時 悠
【テーマコード(参考)】
2D064
2D101
3J022
4E360
【Fターム(参考)】
2D064AA11
2D064AA21
2D064CA03
2D064DB14
2D101DA05
2D101EA05
2D101FA12
3J022DA12
3J022EA02
3J022EC02
3J022ED06
3J022FB04
4E360AB18
4E360AB64
4E360BD02
4E360EA21
4E360EA28
4E360EB03
4E360EC04
4E360EC11
4E360EC12
4E360EC14
4E360ED07
4E360ED13
4E360ED17
4E360ED24
4E360ED30
4E360FA02
4E360FA12
4E360GA01
4E360GA04
4E360GA12
4E360GB25
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】建設現場等に一時的に設置する電子機器類の設置位置を容易に変更することができ、かつそれらの電子機器を違和感なく設置することができるようにする。
【解決手段】電子機器設置用具(1)は、保安用具を模した外形を有し、電子機器(5)を収容可能な内部空間を有する本体部(100)と、本体部に取り付ける電子機器を保持する保持部(210)と、本体部に設けられた係止部と係合するフック部(230)とを有する取り付け部材(200)と、備え、本体部の係止部と取り付け部材のフック部とは、保持部が本体部の内部空間側にある状態と、保持部が本体部の外側にある状態のどちらの状態でも、取り付け部材が本体部から脱落しないように係合するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保安用具を模した外形を有し、電子機器を収容可能な内部空間を有する本体部と、
前記本体部に取り付ける電子機器を保持する保持部と、前記本体部に設けられた係止部と係合するフック部とを有する取り付け部材と、備え、
前記本体部の前記係止部と前記取り付け部材の前記フック部とは、前記保持部が前記本体部の内部空間側にある状態と、前記保持部が前記本体部の外側にある状態のどちらの状態でも、前記取り付け部材が前記本体部から脱落しないように係合するように構成されている
電子機器設置用具。
【請求項2】
前記本体部の前記係止部は、前記本体部の前記内部空間と外部とを連通する貫通穴の下方に位置する部位である
請求項1に記載の電子機器設置用具。
【請求項3】
前記本体部は、ロードコーンを模した錘状の外形を有し、かつ内部空間が前記錘状の外形と対応する空間形状を有する
請求項1に記載の電子機器設置用具。
【請求項4】
前記本体部は、前記錘状の外形における軸心方向と平行な面で2つに分割され、各々が半割形状である錐殻部を有する第1の本体部と第2の本体部からなり、
前記第1の本体部と前記第2の本体部とは、前記電子機器設置用具を所定の場所に設置された状態であるときに、互いの前記錐殻部が一体化して前記本体部の前記錘状の外形をなす第1の状態と、互いの前記錐殻部が分離して前記錐殻部の内面が露出した第2の状態とに切り替え可能なように連結されている
請求項3に記載の電子機器設置用具。
【請求項5】
前記電子機器は、無線通信のアクセスポイントとして利用可能な通信機器を含む
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器設置用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器設置用具に関し、具体的には、建設現場等に電子機器を一時的に設置するのに好適な設置用具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建設現場(建築現場)では、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の端末を利用した作業工程の確認等を可能にするために、建設現場内に無線通信のアクセスポイントとして利用可能な電子機器を設置する機会が増えている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-077954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建設現場内の作業エリアは作業の進捗に応じて変化し、それに伴い、無線通信用の電子機器等の電子機器類を設置する箇所も変化する。そのため、建設現場内に電子機器を一時的に設置する場合、その電子機器を容易に移動可能なように設置することが望まれる。さらに、一時的に設置する電子機器類は、作業員の作業を妨げることがなく、かつ建設現場における異物(不必要な物品)として撤去されることがないように設置することが望まれる。
【0005】
1つの側面において、本発明は、建設現場等に一時的に設置する電子機器類の設置位置を容易に変更することができ、かつそれらの電子機器を違和感なく設置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様に係る電子機器設置用具は、保安用具を模した外形を有し、電子機器を収容可能な内部空間を有する本体部と、前記本体部に取り付ける電子機器を保持する保持部と、前記本体部に設けられた係止部と係合するフック部とを有する取り付け部材と、備え、前記本体部の前記係止部と前記取り付け部材の前記フック部とは、前記保持部が前記本体部の内部空間側にある状態と、前記保持部が前記本体部の外側にある状態のどちらの状態でも、前記取り付け部材が前記本体部から脱落しないように係合するように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上述の態様によれば、建設現場等に一時的に設置する電子機器類の設置位置を容易に変更することができ、かつそれらの電子機器を違和感なく設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る電子機器設置用具における本体部の外観構成を例示する斜視図である。
図2図1の電子機器設置用具における本体部の開いた状態を例示する斜視図である。
図3】電子機器設置用具への電子機器の取り付け例を説明する図である。
図4】電子機器の取り付け方法の一例を説明する分解図である。
図5】電子機器設置用具を移動させる方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る電子機器設置用具の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明における「上」、「上方」、「下」、「下方」等の上下関係を示す用語は、建設現場等における電子機器設置用具が設置された面からの高さと関係づけられ、特に明示がない場合には鉛直方向における上下と関連付けられる。また、参照する各図面に示した構成要素は、本開示の電子機器設置用具の特徴を明確に示すことを優先しており、図示した各構成要素の寸法や構成要素間の寸法の関係は、実物の寸法と必ずしも一致しない。
【0010】
また、以下の説明では、電子機器設置用具を利用して設置する電子機器として無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントとして利用可能な無線通信機器を例に挙げるが、設置する電子機器はそのような無線通信機器に限定されない。また、参照する各図面における符号に引かれた下線は、その符号が割り当てられた1つの構成要素が、複数の符号で区別された複数の構成要素を含むことを示す。
【0011】
図1は、一実施形態に係る電子機器設置用具における本体部の外観構成を例示する斜視図である。図2は、図1の電子機器設置用具における本体部の開いた状態を例示する斜視図である。
【0012】
図1及び図2に例示した本実施形態の電子機器設置用具1は、一般にロードコーンと呼ばれる円錐形の保安用具を模した外形を有する本体部100と、本体部100に電子機器を着脱自在に取り付けるための取り付け部材(図示せず)とを含む。取り付け部材については、図3図5を参照して後述する。
【0013】
本体部100は、上述のように、ロードコーンを模した外形を有する。ロードコーンは、例えば、建設現場(建築現場)における作業員の動線や立ち入り禁止エリアを示すこと等に使用される。本体部100は、平板状の台座部110と、台座部110から上方に延伸し、上方に向かうにつれて先細りとなる円錐部120とを含む。また、本体部100は、図2に例示したように、上下方向(円錐部120の軸心方向)の切断面により2つに分割され、各々が半割形状である第1の本体部101と第2の本体部102からなる。第1の本体部101及び第2の本体部102は、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の絶縁性の樹脂材料により形成される。
【0014】
第1の本体部101は、外形が半円錐状である円錐殻部121と、円錐殻部121における円錐底面側の端部から系外方向に延伸する部分台座部111とを有する。第2の本体部102は、外形が半円錐状である円錐殻部122と、円錐殻部122における円錐底面側の端部から系外方向に延伸する部分台座部112とを有する。第1の本体部101と第2の本体部102とは、連結具150により、円錐部120の内部空間を開閉可能に連結されている。円錐部120の内部空間を閉じた状態は、図1に例示したように、第1の本体部101の円錐殻部121と第2の本体部102の円錐殻部122とが一体化して円錐状の外形をなしている状態である。円錐部120の内部空間を開いた状態は、図2に例示したように、第1の本体部101の円錐殻部121と第2の本体部102の円錐殻部122とが分離して各円錐殻部121及び122の内面が露出した状態である。
【0015】
図2に例示した連結具150は、第1の軸部151と、第2の軸部152と、基部153とを含む。第1の軸部151及び第2の軸部152は、基部153における同一平面から同一方向に延伸している。第1の軸部151は、第1の本体部101の部分台座部111に形成した穴部111aに挿通する部位であり、穴部111a内で回転可能な寸法に形成される。第2の軸部152は、第2の本体部102の部分台座部112に形成した穴部112aに挿通する部位であり、穴部112a内で回転可能な寸法に形成される。
【0016】
また、第1の本体部101と第2の本体部102とは、ロック部160により、円錐部120の内部空間を閉じた状態を維持することができる。ロック部160は、第1の軸部161と、第2の軸部162と、基部163とを含む。第1の軸部161及び第2の軸部162は、基部163における同一平面から同一方向に延伸している。第2の軸部162は、図1及び図2に例示したように、基部163から第1の軸部161の延伸方向とは反対の方向にも延伸していてもよい。第1の軸部161は、第1の本体部101の部分台座部111に形成した穴部111bに挿通する部位であり、穴部111b内で回転可能な寸法に形成される。第2の軸部162は、ロック部160を、第1の軸部161を支点として回転させたときに第2の本体部102の部分台座部112に形成された進入溝112bへの進退が可能なように形成される。ロック部160の第2の軸部162を第2の本体部102の部分台座部112に形成された進入溝112bに進入させることにより、円錐部120の内部空間を閉じた状態を維持することができる。
【0017】
なお、図1及び図2に示した本体部100における円錐部120の内部空間を開閉する構造及び閉じた状態を維持するための構造は、例示に過ぎない。本実施形態の電子機器設置用具1に係る本体部100におけるそれらの構造は、適宜変更可能である。
【0018】
本実施形態の電子機器設置用具1は、第1の本体部101の円錐殻部121に、外面から内面に貫通する貫通穴131~134が形成されている。また、本実施形態の電子機器設置用具1は、第2の本体部102の円錐殻部122にも、外面から内面に貫通する貫通穴135~138が形成されている。円錐殻部121の4つの貫通穴131~134、及び円錐殻部122の4つの貫通穴135~138は、それぞれ、円錐殻の軸心方向(上下方向)に並んでおり、かつ開口端の形状が略同一である。円錐殻部121の4つの貫通穴131~134、及び円錐殻部122の4つの貫通穴135~138は、図3図5を参照して説明するように、無線通信用の電子機器等を本体部に取り付けることに利用される。
【0019】
図3は、電子機器設置用具への電子機器の取り付け例を説明する図である。図4は、電子機器の取り付け方法の一例を説明する分解図である。
【0020】
図3には、電子機器設置用具1の本体部100を、上下方向と平行であり第1の本体部101の貫通穴131~134、及び第2の本体部102の貫通穴135~138を通る平面で切断した断面図と、本体部100の円錐部120の内部空間に収容された電子機器5及びバッテリ6を模式的に示している。
【0021】
電子機器5は、例えば、無線LANのアクセスポイントとして機能する通信機器であり、電源ケーブル7で接続されたバッテリ6からの電力によって動作する。電子機器5は、例えば、建設現場の作業員等が使用するスマートフォンやタブレット型コンピュータと、所定の通信端末(例えば、その建設現場の作業工程に関するデジタルデータが格納されたサーバ装置等)との接続に利用される。また、電子機器5は、例えば、建設現場の作業員が装着している各種センサで検出した作業員の体調等に関する情報を、所定の通信端末(例えば、作業員の体調管理に使用するサーバ装置等)に送信することに利用されるものであってもよい。バッテリ6は、例えば、リチウムイオン電池、又はニッケル水素電池等の充電池である。なお、電子機器5は、外付けのバッテリ6に限らず、電子機器5に内蔵されたバッテリで動作するものであってもよい。
【0022】
電子機器5は、第1の取り付け部材200を利用して、電子機器設置用具1の本体部100における円錐部120の貫通穴131~138のいずれか(図3では貫通穴132)に取り付けられて、円錐部120の内部空間に収容される。第1の取り付け部材200は、電子機器5を保持する保持部210と、円錐部120の貫通穴131~138のいずれかを通して円錐部120と係合させるフック部230とを有する。バッテリ6は、第2の取り付け部材300を利用して、電子機器設置用具1の本体部100における円錐部120の貫通穴131~138のいずれか(図3では貫通穴134)に取り付けられて、円錐部120の内部空間に収容される。第2の取り付け部材300は、バッテリ6を保持する保持部310と、円錐部120の貫通穴131~138のいずれかを通して円錐部120と係合させるフック部330とを有する。
【0023】
第1の取り付け部材200における保持部210は、例えば、図4に示すように、電子機器5の下端部を挿入可能な凹部211と、凹部211の底面からフック部330に連続する壁面212とを有する。電子機器5は、例えば、下端部を凹部211に挿入するとともに、基材の両面に粘着層を有する粘着テープ(両面粘着テープ)250及び251等を利用して、第1の取り付け部材200の保持部210に固定される。電子機器5は、例えば、粘着テープ250及び251の代わりに、マグネット、面ファスナー等により第1の取り付け部材200の保持部210に固定されてもよい。また、第1の取り付け部材200における保持部210の形状は、図4に例示したような凹部211を有する形状に限らず、他の形状であってもよい。例えば、電子機器5における電源ケーブル7を接続する電源端子501の位置は、図4に示したような位置に限定されない。
【0024】
第1の取り付け部材200におけるフック部230は、第1の部位231と、第2の部位232と、第3の部位233とを有する。第1の部位231は、保持部210に接続される部位であり、保持部210から上方に延伸している。第2の部位232は、第1の部位231の上端部から、保持部210の延伸方向とは反対の方向に延伸する部位である。第3の部位233は、第2の部位における第1の部位231と接続している端部とは反対側の端部から、下方に延伸する部位である。
【0025】
第3の部位233は、本体部100における円錐部120に形成された貫通穴131~138を通過可能な形状にする。また、第1の部位231と第3の部位233との互いに向かい合う面同士の距離は、本体部100の円錐部120における外面から内面までの距離(円錐殻部121の厚さと対応)よりも長く、かつ第1の部位231と第3の部位233との間に第1の本体部101の円錐殻部121における貫通穴132の下端面132aよりも下方に位置する部分が進入した状態で第1の部位231が円錐殻部121に接触し、第1の取り付け部材200の第1の本体部101からの脱落を防ぐことが可能な長さの範囲内にする。
【0026】
また、詳細な説明は省略するが、バッテリ6を本体部100に取り付けるための第2の取り付け部材300は、第1の取り付け部材200と同様の構成であり得る。
【0027】
上述した第1の取り付け部材200及び第2の取り付け部材300を利用することにより、電子機器5及びバッテリ6を、電子機器設置用具1の本体部100における円錐部120の内部空間に収容した状態で、建設現場内に設置することができる。また、電子機器設置用具1の本体部100がロードコーンを模した外形を有するため、ロードコーンを設置する建設現場内に電子機器5及びバッテリ6を違和感なく設置することができ、意図しない設置位置の変更や撤去等により電子機器5を利用できなくなる事態を回避することができる。
【0028】
また、第1の取り付け部材200及び第2の取り付け部材300を利用することにより、電子機器5及びバッテリ6を電子機器設置用具1の設置面から浮かせた状態で収容することができる。そのため、例えば、作業員等が電子機器設置用具1に接触したときに電子機器5やバッテリ6が設置面上で滑って損傷することを防げる。
【0029】
さらに、電子機器設置用具1の円錐部120に、その電子機器設置用具1に取り付ける電子機器5等の数よりも多い数の貫通穴131~138を形成することにより、例えば、複数の電子機器設置用具1を効率よく移動させる(運搬する)ことが可能になる。
【0030】
図5は、電子機器設置用具を移動させる方法の一例を説明する図である。
【0031】
図4を参照して上述した第1の取り付け部材200及び第2の取り付け部材300は、それぞれ、電子機器設置用具1の円錐部120に着脱自在に取り付けることができる。そのため、第1の取り付け部材200及び第2の取り付け部材300は、例えば、図5に示したように、円錐部120の外面側からフック部230、330を貫通穴131~138のいずれかに通して、円錐部120に取り付けることができる。
【0032】
また、電子機器設置用具1の本体部100における円錐部120が、半割形状の2つの円錐殻部121、122によって構成され、かつ台座部110側の端が開口端である場合、図5に例示したように、一方の電子機器設置用具1の円錐部120をその上方に位置する電子機器設置用具1の円錐部120の内部空間内に進入させ、複数の電子機器設置用具1を積み重ねることができる。図5に示した例では、2つの電子機器設置用具1を積み重ねており、上方の電子機器設置用具1の円錐部120の外面側に、2組の電子機器5とバッテリ6の組が取り付けられている。しかしながら、1つの電子機器設置用具1の円錐部120には、8つの貫通穴131~138が形成されており、最大で4組の電子機器5とバッテリ6の組を取り付けることができる。そのため、図5に示した例では、最大で4つの電子機器設置用具1の本体部100を積み重ねて一度に移動させることができる。
【0033】
電子機器5及びバッテリ6を円錐部120の外面側に取り付ける場合、例えば、電子機器5とバッテリ6とを接続する電源ケーブル7は、電子機器5又はバッテリ6のいずれか一方のみと接続された状態であってもよいし、電子機器5又はバッテリ6の両方に接続された状態であってもよい。また、電子機器5及びバッテリ6を円錐部120の外面側に取り付ける場合、電源ケーブル7は、電子機器5及びバッテリ6の両方から外してもよい。また、例えば、電子機器5が図4に例示したようなアンテナ502、503を有する通信機器であり、アンテナ502、503を折りたたみ可能な場合には、電子機器5を円錐部120の外面側に取り付けるときにはアンテナ502、503を折りたたんでもよい。
【0034】
さらに、上述した実施形態の電子機器設置用具1における本体部100は、円錐部120の軸心方向と平行な面で2つに分割され、各々が半割形状である第1の本体部101と第2の本体部102とを、円錐部120の内部空間を開閉可能なように連結している。このため、電子機器設置用具1を建設現場等の設置面に設置した状態で、電子機器5やバッテリ6等の円錐部120への取り付け及び取り外しを容易に行うことができる。
【0035】
なお、上述した実施形態の電子機器設置用具1における本体部100の外形は、特定の形状に限定されない。例えば、本体部100は、円錐部120が他の多角錐(例えば、六角錐や八角錐等)で置き換えられた外形であってもよい。また、本体部100は、台座部110が四角形の平板状ではなく、六角形や八角形の平板状であってもよい。さらに、本体部100における円錐部120に形成する貫通穴131~138の形状、並びに第1の取り付け部材200及び第2の取り付け部材300のフック部230及び330の形状の組み合わせも、上述した組み合わせに限定されない。
【0036】
また、図3図5を参照して上述した電子機器5の取り付け方法では、本体部100における円錐部120に形成した貫通穴131~138のいずれかの貫通穴の下方に位置する部位に第1の取り付け部材200のフック部230及び第2の取り付け部材300のフック部330を係合させている。しかしながら、第1の取り付け部材200のフック部230及び第2の取り付け部材300のフック部330を本体部100と係合させるための構成は、上述した貫通穴131~138を利用する構成に限定されない。
【0037】
さらに、本実施形態に係る電子機器設置用具1を利用して建設現場等に設置することが可能な電子機器5は、上述したように、無線LANのアクセスポイントとして利用可能な無線通信機器に限定されない。また、上述した実施形態では、バッテリ6を電子機器5とは異なるものとして説明したが、バッテリ6のような電源装置が電子機器の概念に含まれてもよい。電子機器設置用具1に取り付け可能な電子機器は、例えば、建設現場内に設置される警告灯等の電源として使用される電源装置を含んでもよい。
【0038】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらに、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【符号の説明】
【0039】
1 電子機器設置用具1
100 本体部
101 第1の本体部
102 第2の本体部
110 台座部
111、112 部分台座部
120 円錐部
121、122 円錐殻部
131~138 貫通穴
150 連結具
160 ロック部材
200、300 取り付け部材
210、310 保持部
211 凹部
212 壁面
230、330 フック部
5 電子機器
6 バッテリ
7 電源ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5