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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088831
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】マッサージ機構及びマッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A61H7/00 323G
A61H7/00 323S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203824
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長光 知己
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD40
4C100BB03
4C100CA03
4C100DA04
4C100DA06
4C100DA08
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】共通の駆動部で揉み動作や叩き動作に加えて、振動による刺激を与えることができるマッサージ機構及びマッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】施療子と、前記施療子を駆動する駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、駆動軸と、出力軸を有する駆動モータと、前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達するための伝達部材と、使用者に振動刺激を与えるための振動発生部と、を有し、前記施療子と前記振動発生部の駆動は、共通の前記駆動モータにより駆動することを特徴とする。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子と、
前記施療子を駆動する駆動機構と、を備え、
前記駆動機構は、
駆動軸と、
出力軸を有する駆動モータと、
前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達するための伝達部材と、
使用者に振動刺激を与えるための振動発生部と、を有し、
前記施療子と前記振動発生部の駆動は、共通の前記駆動モータにより駆動することを特徴とするマッサージ機構。
【請求項2】
前記振動発生部は、前記出力軸又は前記駆動軸に対して取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機構。
【請求項3】
前記振動発生部の取付位置は、前記駆動モータと前記伝達部材との間、又は、前記伝達部材よりも左右方向外側であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機構。
【請求項4】
前記振動発生部は、分銅であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機構。
【請求項5】
前記出力軸又は前記駆動軸には、ワンウェイクラッチを介して前記振動発生部が取り付けられており、
前記駆動モータの回転方向を切り替えることで、前記振動発生部の駆動と停止を切り替えることができることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機構。
【請求項6】
前記出力軸には、ワンウェイクラッチを介して前記伝達部材が取り付けられており、
前記駆動モータの回転方向を切り替えることで、前記施療子の駆動と停止を切り替えることができることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機構。
【請求項7】
前記出力軸には、ワンウェイクラッチを介して前記伝達部材が取り付けられており、
前記駆動モータの回転方向を切り替えることで、前記施療子の駆動と停止を切り替えることができることを特徴とする請求項5に記載のマッサージ機構。
【請求項8】
請求項1又は2項に記載の前記マッサージ機構を備えることを特徴とするマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機構及びマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振動発生具を振動させるためのモータを備え、振動発生具をモミ玉自体に内蔵し又はモミ玉を支持する支持アームに取り付け、モータを駆動させることにより、使用者に対して振動による刺激を与えることができる椅子型マッサージ機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-332931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のマッサージ機は、マッサージ駆動部に揉み動作や叩き動作を行うためのモータとは別に、振動発生具を駆動させるためのモータを設ける必要があるため、マッサージ駆動部が大型化してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、共通の駆動部で揉み動作や叩き動作に加えて、振動による刺激を与えることができるマッサージ機構及びマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、施療子と、前記施療子を駆動する駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、駆動軸と、出力軸を有する駆動モータと、前記出力軸の回転を前記駆動軸に伝達するための伝達部材と、使用者に振動刺激を与えるための振動発生部と、を有し、前記施療子と前記振動発生部の駆動は、共通の前記駆動モータにより駆動することを特徴とする。
このような構成とすることにより、施療子を駆動させることによる揉み動作や叩き動作と振動発生部を駆動させることによる振動刺激を共通の駆動モータで実現することができる。
【0006】
また、前記振動発生部は、前記出力軸又は前記駆動軸に対して取り付けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、出力軸又は駆動軸の回転に伴い、振動発生部を振動させることができる。
【0007】
また、前記振動発生部の取付位置は、前記駆動モータと前記伝達部材との間、又は、前記伝達部材よりも左右方向外側であることが好ましい。
このような構成とすることにより、マッサージ機構を小型化することができる。
【0008】
また、前記振動発生部は、分銅であることが好ましい。
このような構成とすることにより、簡単に振動発生部を構成することができる。
【0009】
また、前記出力軸又は前記駆動軸には、ワンウェイクラッチを介して前記振動発生部が取り付けられており、前記駆動モータの回転方向を切り替えることで、前記振動発生部の駆動と停止を切り替えることが好ましい。
このような構成とすることにより、駆動モータの回転方向を切り替えることで振動発生部の駆動と停止を切り替えることができる。
【0010】
また、前記出力軸には、ワンウェイクラッチを介して前記伝達部材が取り付けられており、前記駆動モータの回転方向を切り替えることで、前記施療子の駆動と停止を切り替えることができることが好ましい。
このような構成とすることにより、駆動モータの回転方向を切り替えることで施療子の駆動と停止を切り替えることができる。
【0011】
また、前記マッサージ機構を備えるマッサージ機であることが好ましい。
このような構成とすることにより、施療子を駆動させることによる揉み動作や叩き動作と振動発生部を駆動させることによる振動刺激を共通の駆動モータで実現することができるマッサージ機構を備えたマッサージ機を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、施療子を駆動させることによる揉み動作や叩き動作と振動発生部を駆動させることによる振動刺激を共通の駆動モータで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の模式図である。
図3】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態に係るマッサージ機構を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側から見た図である。
図5】本発明の一実施形態に係るマッサージ機構の斜視図であり、(a)は昇降機構を覆うフレームが取り付けられた状態を示す図であり、(b)は昇降機構を覆うフレームを取り外した状態を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るマッサージ機構の本体部を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側から見た図である。
図7】本発明の一実施形態に係るマッサージ機構の本体部から進退機構と昇降機構を取り外した状態を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側から見た図である。
図8】本発明の一実施形態に係るマッサージ機構の振動発生部付近を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
図9】本発明の他の実施形態に係るマッサージ機構の駆動軸に対する振動発生部の取付位置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[マッサージ機の全体構成]
以下、本発明のマッサージ機1の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1の模式図である。図3は、マッサージ機1のブロック図である。
なお、以下の説明で用いる方向の概念は、図1に示す使用状態のマッサージ機1に着座した使用者から見たときの方向の概念と一致するものとし、その他の場合は適宜説明するものとする。
【0015】
図1図3に示すとおり、本発明のマッサージ機1は、主として、使用者が着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられた使用者の上半身を支持する背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられた使用者の脚及び/又は足を支持するフットレスト部4と、座部2の左右両側には、使用者の腕を載置する肘掛部5と、を有している。背凭れ部3の上方側面には、肩部ユニット7が取り付けられている。座部2、背凭れ部3、フットレスト部4、肘掛部5、肩部ユニット7は、使用者の身体を支持する身体支持部として機能する。
【0016】
マッサージ機1の各所には、使用者の身体を押圧することでマッサージを行うマッサージ部A(後述する各マッサージ部a1~a4)が設けられている。背凭れ部3には、揉みマッサージ及び/又は叩きマッサージを行うマッサージ部Aとしてのマッサージ機構8が設けられている。肩部ユニット7には、使用者の肩を左右方向から押圧するための肩マッサージ部a1が取り付けられている。
【0017】
図1図3に示すとおり、背凭れ部3は、座部2の下方に設けられた第一アクチュエータ11(図3参照)により、座部2に対して前後にリクライニング可能に構成されており、図1に示す起立姿勢から背凭れ面が床面と略水平となるリクライニング姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。フットレスト部4は、座部2の下方に設けられた第二アクチュエータ12(図3参照)により、座部2に対して上下に揺動可能に構成されており、図1に示す垂下姿勢から膝を伸ばした状態で脚又は足が支持される上昇姿勢までの間の任意の位置で停止できるようになっている。
【0018】
図1図3に示すとおり、座部2の下方には、エアセルで構成された各マッサージ部a1~a4と進退機構Cを構成するエアセル61に対してエアを給排気するポンプ10a及びバルブ10bを有する給排気装置10と、マッサージ機1の各種動作を制御する制御部9と、が設けられている。
制御部9は、プログラマブルなマイコン等を有しており、マッサージ機構8、給排気装置10、第一アクチュエータ11、第二アクチュエータ12を駆動制御する。制御部9には、使用者が操作するコントローラ16が電気的に接続されている。マッサージ機1は、記憶部13に予め記憶されたプログラム(マッサージコース)に従って動作する他、使用者によるコントローラ16からの指示に従って動作する。
【0019】
[座部の構成]
図1、2に示すとおり、座部2は、使用者の臀部及び/又は大腿部の背面を支持する。座部2の上面には、使用者の臀部及び/又は大腿部の背面をマッサージするための臀部マッサージ部a3が左右一対設けられている。臀部マッサージ部a3は、エアの給排気により膨張収縮するエアセルで構成されている。なお、左右一対設けられた臀部マッサージ部a3は、左右独立して膨張収縮するように構成されていてもよい。また、座部2の側面に使用者の臀部及び/又は大腿部の側面をマッサージするための側面マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
【0020】
[背凭れ部の構成]
図1、2に示すとおり、背凭れ部3は、使用者の上半身を支持する。背凭れ部3は、硬質の背フレーム3aと、背フレーム3aに組み付けられたマッサージ部Aとしてのマッサージ機構8と、マッサージ機構8の昇降をガイドするガイドレール(図示せず)と、背フレーム3aを被覆するカバー部材3cと、により構成されている。背フレーム3aは、金属部材及び/又は樹脂部材により構成されている。また、背フレーム3aは、左右中央に形成された前後方向に開口する開口部3bを有し、正面視で略門型をなしている。また、カバー部材3cは、開口部3bを前方から覆っている。マッサージ機構8の施療子が開口部3bより前方へ突出しており、カバー部材3cを介して使用者の胴体を後方からマッサージできるようになっている。なお、背凭れ部3に使用者の背面をマッサージするマッサージ機構8とは別のマッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
【0021】
[肘掛部の構成]
図1、2に示すとおり、座部2の左右両側には、使用者の手先と前腕を支持する肘掛部5が設けられている。肘掛部5は、使用者の手先と前腕を載置する載置面と、載置面の側部から上方に向かって突出する外壁と、載置面に対向するように外壁から内側方に向かって突出する上壁と、からなるコの字状に形成されている(図1参照)。載置面の上面と上壁の下面には、腕マッサージ部a2がそれぞれ1つずつ設けられている(図2参照)。腕マッサージ部a2は、空気の給排気により膨張収縮するエアセルにより構成されている。なお、肘掛部5に取り付ける腕マッサージ部a2の個数については何個であってもよく、上面と下面で異なる個数であってもよい。また、左右独立して膨張収縮できるように構成してもよい。
【0022】
[フットレスト部の構成]
図1、2に示すとおり、フットレスト部4には、使用者の脚をマッサージするための脚部マッサージ部a4が左右一対、上下一対となるように設けられている。脚部マッサージ部a4は、空気の給排気により膨張収縮するエアセルにより構成されている。なお、脚部マッサージ部a4は、左右上下それぞれ独立して膨張収縮することができるように構成されていてもよい。
【0023】
図4は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機構8を示す図であり、(a)は正面図であり、(b)は左側から見た図である。図5は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機構8の斜視図であり、(a)は昇降機構Dを覆うフレーム75が取り付けられた状態を示す図であり、(b)は昇降機構Dを覆うフレーム75を取り外した状態を示す図である。図6は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機構8の本体部8aを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側から見た図である。図7は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機構8の本体部8aから進退機構Cと昇降機構Dを取り外した状態を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側から見た図である。図8は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機構8の振動発生部27付近を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【0024】
[マッサージ機構の構成]
図4~8に示すとおり、マッサージ機構8は、複数の部材の組み合わせにより構成されている。詳しくは、使用者に対して揉み動作や叩き動作などのマッサージ動作を行う本体部8aと、本体部8aが取り付けられたフレーム76と、本体部8aを使用者に対して接近離反する方向に進退させるための進退機構Cと、マッサージ機構8をガイドレール(図示せず)に沿って移動させるための昇降機構Dと、から構成されている。
【0025】
[フレームの構成]
図4、5に示すとおり、フレーム76は、金属製の板状の部材からなる。より詳しくは、上辺を除く三辺が後方から前方に向かって屈曲しており、三辺の内側に空間を有する略箱型に構成されている。上辺の部分には、フレーム75が取り付けられている。フレーム75は、本体部8aの上方に取り付けられた昇降機構D覆い隠すためのものである。より詳しくは、フレーム75は、昇降機構Dの前方と上方を覆っている。フレーム76により略箱型に構成された空間内に本体部8aが取り付けられている。
【0026】
フレーム76の左右両側には、下方に凸の円弧を描く溝77が上下で対となるように設けられている。溝77を設けることで、フレーム76の強度を確保することができる。また、溝77は、進退機構Cを構成する第二リンク63及び第三リンク64の動作をガイドするための機能も有している。なお、進退機構Cと、進退機構C(第二リンク63及び第三リンク64)の動作については、後述する。
【0027】
フレーム76の上方であって、中心よりもやや前方の位置(図4(b)参照)には、昇降機構Dの昇降軸71を挿通させるための孔(図示せず)が設けられている。この孔(図示せず)には、ベアリング(図示せず)が取り付けられており、昇降軸71は、ベアリング(図示せず)を介してフレーム76に取り付けられている。また、フレーム76の下方であって、中心よりもやや前方の位置(図4(b)参照)にも、昇降機構Dの支持軸79を挿通させるための孔(図示せず)が設けられている。この孔(図示せず)には、ベアリング(図示せず)が取り付けられており、支持軸79は、ベアリング(図示せず)を介してフレーム76に取り付けられている。昇降機構Dについては、後述する。
【0028】
フレーム76の下辺には、マッサージ機構8の進退位置を検出するためのセンサ73が設けられている。詳しくは、中央よりやや左側の位置にセンサ73が設けられている。センサ73によって、背凭れ部3に対するマッサージ機構8の進退位置を検出することができる。詳しくは、進退機構Cを構成するエアセル61を膨張収縮させることにより、マッサージ機構8の本体部8aを前後方向に進退させる。このときの進退量をセンサ73が検出することで、背凭れ部3に対するマッサージ機構8の進退位置を検出することができる。進退機構Cについては、後述する。
【0029】
[昇降機構の構成]
図4~6に示すとおり、マッサージ機構8の本体部8aの上方には、マッサージ機構8を背凭れ部3内に設けられた3ガイドレール(図示せず)に沿って上下に移動させるための昇降機構Dが設けられている。昇降機構Dは、複数の部材の組み合わせにより構成されている。詳しくは、昇降機構Dは、昇降モータM3と、昇降モータM3の回転を減速するための減速器74と、減速器74に挿通された昇降軸71と、昇降軸71の左右両端部に設けられた昇降ギア72と、支持軸79の端部に設けられた昇降ギア72と、で構成されている。
【0030】
減速器74は、正面視で本体部8aの中心よりも右側の位置に取り付けられている(図6(b)参照)。減速器74には、左右方向に伸びる昇降軸71が挿通されている。昇降軸71の左右両端部は、フレーム76よりも左右方向外側に突出している。より詳しくは、昇降軸71は、フレーム76の孔(図示せず)に取り付けられたベアリング(図示せず)に挿通され、フレーム76に対して取り付けられている。
【0031】
昇降軸71の左右両端部には、昇降ギア72が回転可能に取り付けられている。昇降ギア72は、背凭れ部3内に設けられたガイドレール(図示せず)と噛み合うようになっている。昇降ギア72の左右方向外側には、昇降ギア72が昇降軸71から脱落するのを防ぐためのストッパ78が左右それぞれ取り付けられている。
昇降モータM3を駆動させることで、昇降軸71が回転し、昇降軸71の回転に伴って昇降ギア72も回転する。昇降ギア72は、ガイドレール(図示せず)と噛み合っているため、ガイドレール(図示せず)に沿ってマッサージ機構8を上方又は下方へ移動させることができる。
【0032】
フレーム76の下方には、支持軸79と昇降ギア72が設けられている。支持軸79と昇降ギア72も、昇降機構Dの一部である。支持軸79は、左右方向に伸びた短寸の棒状の部材である。支持軸79は、フレーム76の下辺に対してねじ止めして固定される。支持軸79の左右方向外側には、昇降ギア72が回転可能に取り付けられている。昇降ギア72の左右方向外側には、昇降ギア72が支持軸79から脱落するのを防ぐためのストッパ78が左右それぞれ取り付けられている。昇降ギア72は、背凭れ部3内に設けられたガイドレール(図示せず)と噛み合うようになっている。
【0033】
なお、支持軸79は、昇降モータM3とは接続されていないため、支持軸79に取り付けられた昇降ギア72は、昇降軸71に取り付けられた昇降ギア72の回転に追従する形で回転することとなる。
つまり、フレーム76は、上下左右にそれぞれ1つずつ設けられた合計4つの昇降ギア72と、ガイドレール(図示せず)とが、それぞれ噛み合う形となることで、昇降機構Dを駆動させた場合にマッサージ機構8を安定して上方又は下方に移動させることができるようになっている。
【0034】
[本体部の構成]
本体部8aは、施療子41と、施療子41を支持する支持アーム42と、施療子41を駆動させて使用者に対して揉み動作や叩き動作などのマッサージ動作を行うための駆動機構Bと、から構成されている。本体部8aの側方には、本体部8aをフレーム76に対して進退させるための進退機構Cが取り付けられている。
【0035】
施療子41は、左右で対となるように設けられている。施療子41は、支持アーム42の前端に取り付けられている。支持アーム42の後端には、駆動機構Bを構成するボールジョイント46が取り付けられている。支持アーム42の中央よりやや後方には、孔H1が設けられている。この孔H1には、ベアリング80を介して偏角カム43が取り付けられている(図7(c)参照)。偏角カム43には、揉み軸44が挿通されている。
つまり、支持アーム42は、偏角カム43を介して揉み軸44(より詳しくは、揉み軸44を含む駆動機構B)に取り付けられている。駆動機構Bについては、後述する。
【0036】
[駆動機構の構成]
駆動機構Bは、駆動軸(本実施例においては、揉み軸44及び叩き軸26)と、出力軸を25有する駆動モータ(本実施例においては、揉みモータM1及び叩きモータM2)と、出力軸25の回転を駆動軸(揉み軸44及び叩き軸26)に伝達するための伝達部材22と、施療子41を振動させることにより使用者に振動刺激を与えるための振動発生部27と、を有している。
【0037】
より詳しくは、駆動機構Bは、揉み駆動機構B1と叩き駆動機構B2とで構成されている。なお、本実施形態では、揉み動作と叩き動作が独立して行えるように、揉み駆動機構B1には駆動モータとしての揉みモータM1が、叩き駆動機構B2には駆動モータとしての叩きモータM2が、それぞれ設けられている。
【0038】
揉み駆動機構について説明する。揉み駆動機構は、揉みモータM1と、偏角カム43と、揉み軸44と、ボールジョイント46と、コンロッド48と、を主として構成されている。揉み軸44は、左右方向に伸びている。揉み軸44の左右両側には、偏角カム43が取り付けられている。より詳しくは、左右の偏角カム43は、互いに平行ではなく正面視で略ハの字となるように取り付けられている。
揉み軸44は、偏角カム43を介して支持アーム42を支持しているため、揉みモータM1を駆動させて揉み軸44を回転させることにより、対の施療子41を左右方向に近接離反させて揉み動作を行うことができる。
【0039】
また、揉み軸44の中央付近には、揉みモータM1の回転を減速して揉み軸44に伝達する減速器45が取り付けられている。つまり、揉み軸44は、減速器45に対して挿通されている。そして、支持アーム42の中央付近に設けられた孔H1に対して、ベアリング80を介して偏角カム43が回動可能に取り付けられている。支持アーム42の後方は、ボールジョイント46とコンロッド48を介して叩き軸26に連結されている。そして、ボールジョイント46とコンロッド48とは、前後方向を軸方向とするジョイント軸47を介して左右方向に揺動自在となるように取り付けられている。そのため、支持アーム42の揺動範囲は、偏角カム43と、ボールジョイント46とコンロッド48とにより、自ずと規制されることになる。
【0040】
揉みモータM1を駆動させて揉み軸44を回転させると、揉み軸44の左右両側に取り付けられた偏角カム43も回転する。偏角カム43が回転することで、対の施療子41を左右方向に近接離反させて揉み動作を行うことができる。なお、揉み軸44には、対の施療子41の間隔を検出する幅センサ(図示せず)が設けられていることが好ましい。幅センサ(図示せず)を設けることで、対の施療子41の間隔を幅広・幅中・幅狭など適宜調整することができる。
【0041】
つまり、揉みモータM1を駆動させて揉み軸44を回転させると、支持アーム42はコンロッド48によって揉み軸44回りの回転が規制されながら三次元的に回動する。すなわち、揉み軸44を一方向に連続的に回転させると、施療子41としては少なくとも左右及び上下方向成分を有するループ状の軌跡を描いて動作し、左右対の施療子41としては左右方向へ動作して近接離反する。このようにして揉み動作が行われる。
【0042】
叩き駆動機構について、図7図8に基づき説明する。叩き駆動機構は、叩きモータM2(叩きモータM2の出力軸25を含む)と、偏心カム28と、叩き軸26と、伝達部材22と、第一回転体23と、ワンウェイクラッチ30と、を主として構成されている。叩き軸26は左右方向に伸びている。叩き軸26の左右両側には、偏心カム28が取り付けられている。より詳しくは、左右の偏心カム28は、叩き軸26の軸心回りの位相が互いに異なるように取り付けられている。
叩き軸26は、叩き軸26の両端に取り付けられた偏心カム28と、偏心カム28に取り付けられたベアリング(図示せず)を介して取り付けられたコンロッド48と、により、支持アーム42を支持しているため、叩きモータM2を駆動させて叩き軸26を回転させることにより、対の施療子41を交互に進退させて叩き動作を行うことができる。
【0043】
叩き軸26の中央よりも左右方向外側には、叩きモータM2の回転を減速して叩き軸26に伝達するための伝達部材22と第一回転体23が取り付けられている。第一回転体23は、叩き軸26に挿通されている。第一回転体23の直径は、ワンウェイクラッチ30の直径よりも大きくなっている。伝達部材22は、環状に構成されている。そのため、伝達部材22は、ワンウェイクラッチ30の外周と第一回転体23の外周とに掛けるようなかたちで取り付けられている。ワンウェイクラッチ30は、一方の方向のみに回転力を伝達するためのものである。
つまり、第一回転体23の直径(円周)とワンウェイクラッチ30の直径(円周)との比率に応じて、叩きモータM2の回転数が減速され、第一回転体23に伝達される。
【0044】
叩きモータM2の出力軸25には、ワンウェイクラッチ30が取り付けられている。ワンウェイクラッチ30により、叩きモータM2の回転は、一方の方向のみに回転力が伝達されるようになっている。叩き軸26には、第一回転体23が取り付けられている。そして、ワンウェイクラッチ30の外周と第一回転体23の外周とに掛けるようなかたちで伝達部材22が取り付けられている。伝達部材22は、例えば、弾性を有するゴムベルトである。第一回転体23の直径は、ワンウェイクラッチ30の直径よりも大きく、叩きモータM2の胴体部分と略同じ直径となっている。そのため、叩きモータM2を駆動させると、叩きモータM2の出力軸25が回転し、ワンウェイクラッチを介して伝達部材22が移動する。出力軸25の回転は、第一回転体23により減速され、叩き軸26に伝達される。
【0045】
つまり、叩きモータM2を駆動することで、ワンウェイクラッチ30が回転し、ワンウェイクラッチ30が回転することでワンウェイクラッチ30に取り付けられた伝達部材22も移動する。伝達部材22は、第一回転体23にも取り付けられているため、第一回転体23も伝達部材22の移動に伴い回転する。第一回転体23が回転することで、コンロッド48が取り付けられた叩き軸26も回転する。叩き軸26の回転により、コンロッド48が上下運動し、対の支持アーム42は揉み軸44を支点として交互に進退する。このようにして叩き動作が行われる。
なお、ワンウェイクラッチ30の回転方向を逆方向にした場合には、ワンウェイクラッチ30が空転し、伝達部材22は移動せず、後述する振動発生部27のみが駆動する。つまり、駆動モータ(叩きモータM2)の回転方向を切り替えることで施療子41の駆動と停止を切り替えることができる。
【0046】
揉み駆動機構と叩き駆動機構は、上下方向において、叩き駆動機構が下側に位置し、揉み駆動機構が上側に位置するように配置されている。より詳しくは、揉み駆動機構の下面と叩き駆動機構の上面とは、ねじ止めして固定されている。揉み駆動機構と叩き駆動機構の左右方向右側には、上下方向に伸びる金属製の板状の部材が取り付けられている。
なお、本実施形態では、マッサージ機構8の施療子41は、上下方向において単一であるがこの限りではない。支持アーム42を二股にし、施療子41を上下方向において2つ設けてもよい。
【0047】
[進退機構の構成]
進退機構Cは、マッサージ機構8の本体部8aを進退させるためのものである。より詳しくは、進退機構Cにより、本体部8aを使用者側に進出させたり、使用者から離れる方向に後退させたりすることができる。そうすることで、マッサージ機構8によるマッサージ動作の進退の強弱を調整することができる。
進退機構Cは、複数のリンク62~64と、本体部8aの背面に位置するエアセル61とから構成されている。エアセル61は、昇降機構Dの下面に対して取り付けられている。そのため、エアセル61を膨張させると、エアセル61は、上下方向上側を支点として膨張し、本体部8aを前方へ進出させることができる。
【0048】
図5図6に示すとおり、本体部8aの左右両側には、金属製のリンク62~64が取り付けられている。リンク62~64を本体部8aの左右両側に配置することで、本体部8aの後方に配置する場合に比べてマッサージ機構8の前後方向の厚みを抑えることができる。このリンク62~64は前後方向に並設され、相対的に後側の下方に配置された第一リンク62と、相対的に後側の上方に配置された第二リンク63と、相対的に前側に配置された第三リンク64と、で構成されている。すなわち、リンク62~64は、四節リンク機構を構成している。フレーム76と第一リンク62の間には、給排気装置10からの空気の給排気により膨張収縮して、マッサージ機構8の本体部8aを被施療部(使用者側)に対して進退させるためのエアセル61が設けられている。
【0049】
図6に示すとおり第二リンク63と第三リンク64の長さは異なっており、具体的には、第二リンク63の長さが第三リンク64の長さよりも短くなるように設定されている。第二リンク63は、昇降軸71の近傍においてその上部が揺動軸F1を介してフレーム76の側面に枢支され、その下部が枢軸F2を介して第一リンク62の上部に枢支されている。第三リンク64は、昇降軸71の近傍においてその上部が揺動軸F3を介してフレーム76の側面に枢支され、その下部が枢軸F4を介して第一リンク62の下部に枢支されている。なお、第二リンク63の揺動軸F1は、第三リンク64の揺動軸F3よりも若干後方に位置している。そして、第二リンク63及び第三リンク64はそれぞれ、フレーム76の側面に設けられた下に凸の円弧状の溝77(図4、5参照)に枢軸F2,F4が嵌合することにより、その動作がガイドされる。
なお、第二リンク63と第三リンク64を、フレーム76との連結部(F1、F3)において連結して補強する補強部(図示せず)を設けてもよい。補強部(図示せず)を設けることで、負荷のかかるリンク62~64の揺動軸F1,F3近傍を昇降軸71及び補強部(図示せず)によって補強することができる。
【0050】
図6(c)に示すとおり、第二リンク63は揺動軸F1が枢軸F2よりも前方に位置し、かつ第三リンク64は揺動軸F3が枢軸F4よりも前方に位置しており、いわゆる四節リンク機構が採用されている。従って、エアセル61が膨張すると、リンク62~64が下に凸の円弧状の軌跡を描いて揺動することになり、本体部8aを被施療部に対向する方向と平行に近い軌跡で進退させることができる。
【0051】
また、第二リンク63と第三リンク64の長さが異なっているため、第二リンク63と第三リンク64を前後方向に近接させて設けても本体部8aの十分な進出量を確保することができ、マッサージ機構8の前後方向の厚みを抑えることができる。
また、後側に配置される第二リンク63の長さが相対的に短いため、マッサージ機構8が最も後退した状態を起点として、進出開始直後から十分な前後方向成分の移動量を得ることができる。また、マッサージ機構8を進出させる過程で、第二リンク63が第三リンク64に後方から当接することにより、所定の前後位置でマッサージ機構8の進出が制限される。すなわち、第三リンク64がストッパとして機能するため、別途ストッパを設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0052】
[振動発生部の構成]
振動発生部27は、使用者に対して施療子41を振動させることにより、振動刺激を与えるためのものである。より詳しくは、振動発生部27は、金属製の偏心された分銅で構成されている。振動発生部27を分銅で構成することで、振動を発生させるために複雑な機構を設ける必要がなくなり、振動発生部27の構造を簡素化することができる。なお、振動発生部27は、振動を発生させることができるものであればどのようなものであってもよい。例えば、ソレノイドを用いてもよい。
【0053】
振動発生部27は、共通の駆動モータにより駆動する。共通の駆動モータとは、施療子41を駆動させる駆動モータと振動発生部27を駆動させる駆動モータとが同じであることを示す。なお、本実施例において、施療子41を駆動させるとは施療子41による叩き動作であり、駆動モータとは叩きモータM2のことを指す。
つまり、1つの駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)により、振動発生部27の駆動と施療子41の駆動を行うことができるため、振動発生部27を駆動させるための駆動モータを別途設ける必要がなくなり、部品点数を削減できる。
【0054】
本実施例においては、図8に示すように、振動発生部27は、出力軸25に対して取り付けられている。振動発生部27は、駆動モータの1つである叩きモータM2と伝達部材22との間に取り付けられている。なお、振動発生部27を取り付ける位置は一例である。振動発生部27を駆動軸(本実施例においては、叩き軸26)に取り付けてもよい。
【0055】
図9は本発明の他の実施形態に係るマッサージ機構8の駆動軸(より詳しくは、叩き軸26)に対する振動発生部27の取付位置を示す平面図である。具体的には、伝達部材22よりも左右方向左側にワンウェイクラッチ30を介して振動発生部27を取り付けた状態を示す図である。
なお、左右方向左側とは、左右方向外側のことであり、左右方向右側とは、左右方向内側のことである。
【0056】
図9に示すとおり、ワンウェイクラッチ30を介して振動発生部27を駆動軸としての叩き軸26に取り付けてもよい。図9の場合、振動発生部27は、叩き軸26の左右方向外側にワンウェイクラッチ30を介して取り付けられている。ワンウェイクラッチ30を介して振動発生部27を取り付けることにより、叩き軸26の回転方向に応じて、叩き動作を単独で実行させたり、振動動作(振動刺激)と叩き動作を同時に実行させたり、揉みモータM1も駆動させて揉み動作と振動動作(振動刺激)を同時に実行したりすることができる。
【0057】
[動作パターン1]
動作パターン1は、駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)の回転方向を切り替えることにより、振動発生部27の駆動と停止や施療子41の駆動と停止を切り替える動作である。図8(b)に示すとおり、出力軸25には、振動発生部27とワンウェイクラッチ30が取り付けられている。より詳しくは、振動発生部27は、伝達部材22と叩きモータM2との間に取り付けられており、ワンウェイクラッチ30は、振動発生部27の左右方向左側(左右右方向外側)に取り付けられている。そして、ワンウェイクラッチ30の外周と第一回転体23の外周と掛けるようなかたちで伝達部材22が回転可能に取り付けられている。
【0058】
駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)を正転させた場合、出力軸25には、振動発生部27が取り付けられているため、出力軸25の回転に伴って振動発生部27が回転し、振動を発生させる。このとき、ワンウェイクラッチ30は空転するため、ワンウェイクラッチ30は回転しない。つまり、駆動モータの回転は、第一回転体23に伝達されず、叩き軸26も回転しない。そのため、振動動作(振動刺激)のみを実行することができる。
【0059】
駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)を反転させた場合、出力軸25には、振動発生部27が取り付けられているため、出力軸25の回転に伴って振動発生部27が回転し、振動を発生させる。このとき、ワンウェイクラッチ30は空転せず、出力軸25の回転に伴って一緒に回転する。ワンウェイクラッチ30の回転により伝達部材22も回転し、第一回転体23が回転する。第一回転体23は、叩き軸26に対して取り付けられているため、第一回転体23の回転に伴って叩き軸26も回転する。叩き軸26の両端には、偏心カム28とベアリング(図示せず)を介してコンロッド48が取り付けられているため、叩き駆動機構B2による叩き動作が行われる。このとき、振動発生部27の回転により発生した振動もマッサージ駆動部B(より詳しくは、施療子41)に伝達される。つまり、叩き動作と振動動作(振動刺激)とを同時に実行することができる。
【0060】
つまり、共通の駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)の正転と反転を切り替えるだけで、叩き動作と振動動作(振動刺激)を同時に実行したり、振動動作(振動刺激)のみを実行したりすることができる。
【0061】
[動作パターン2]
動作パターン2は、駆動モータ(叩きモータM2)の回転方向を切り替えることにより、振動動作部27の駆動と停止を切り替える動作である。図9に示すとおり、駆動軸(より詳しくは、叩き軸26)には、ワンウェイクラッチ30を介して振動発生部27が取り付けられている。より詳しくは、振動発生部27は、伝達部材22より左右方向外側に取り付けられている。そして、出力軸25の外周と第一回転体23の外周とに掛けるようなかたちで伝達部材22が回転可能に取り付けられている。
【0062】
駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)を正転させた場合、ワンウェイクラッチ30が空転し、ワンウェイクラッチ30は回転しない。そのため、叩き軸26の回転は、振動発生部27に伝達されない。そのため、振動発生部27は回転せず、振動を発生させることはない。つまり、叩き動作だけが実行される。
【0063】
また、駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)を反転させた場合、ワンウェイクラッチ30は空転せず、叩き軸26の回転に伴って一緒に回転する。ワンウェイクラッチ30の回転により振動発生部27も回転し、振動を発生させる。叩き軸26の両端には、偏心カム28とベアリング(図示せず)を介してコンロッド48が取り付けられているため、叩き駆動機構B2による叩き動作が行われる。このとき、振動発生部27の回転により発生した振動もマッサージ駆動部B(より詳しくは、施療子41)に伝達される。つまり、叩き動作と振動動作(振動刺激)とを同時に実行することができる。
【0064】
つまり、共通の駆動モータ(本実施例においては、叩きモータM2)の正転と反転を切り替えるだけで、叩き動作と振動動作(振動刺激)を同時に実行したり、叩き動作だけを実行したりすることができる。
【0065】
なお、ワンウェイクラッチ30を取り付ける向きを変えることで、正転の時の動作と反転の時の動作を逆にすることができる。つまり、動作パターン1の場合、駆動モータを正転させることで、ワンウェイクラッチ30を空転させることができ、駆動モータを反転させることで、ワンウェイクラッチ30を空転させず、出力軸25の回転に伴って一緒に回転させることができる。そのため、駆動モータ(叩きモータM2)を正転させた場合には、振動動作(振動刺激)はしない。駆動モータ(叩きモータM2)を反転させた場合には、叩き動作と振動動作(振動刺激)が同時に実行される。
【0066】
動作パターン2の場合、駆動モータを正転させることで、ワンウェイクラッチ30を空転させず、叩き軸26の回転に伴って一緒に回転させることができ、駆動モータを反転させることで、ワンウェイクラッチ30を空転させることができる。そのため、駆動モータ(叩きモータM2)を正転させた場合には、振動動作(振動刺激)はしない。駆動モータ(叩きモータM2)を反転させた場合には、叩き動作のみが実行される。
【0067】
なお、図8(b)の構造における振動動作(振動刺激)の動作速度と、図9の構造における振動動作(振動刺激)の動作速度は異なっている。詳しくは、「図8(b)の構造における振動動作(振動刺激)の動作速度>図9の構造における振動動作(振動刺激)の動作速度」となっている。なぜなら、図8(b)の構造の場合、振動発生部27は駆動モータ(叩きモータM2)の出力軸25に取り付けられているため、駆動モータ(叩きモータM2)の回転速度を減速することなく振動発生部27に伝達することができる。一方、図9の構造の場合、振動発生部27は叩き軸26に取り付けられているため、駆動モータ(叩きモータM2)の回転速度は、伝達部材22や第一回転体23の働きにより減速されて、振動発生部27に伝達されるためである。
【0068】
本実施例においては、背凭れ部3に取り付けられたマッサージ機構8について説明したが、一例であり、この限りではない。例えば、マッサージ機構8を座部2に取り付けてもよいし、フットレスト部4に取り付けてもよい。座部2に取り付ける場合には、座部2の内部に直接取り付けてもよいし、座部2の内部にガイドレール(図示せず)を設け、前後方向に移動可能となるように構成してもよい。また、背凭れ部3に設けられたガイドレール(図示せず)を座部2まで延伸し、背凭れ部3に取り付けられたマッサージ機構8を背凭れ部3から座部2の間にかけて移動可能となるように構成してもよい。
また、マッサージ機構8を背凭れ部3に複数取り付けてもよいし、座部2、背凭れ部3、フットレスト部4にそれぞれ1つないしは複数取り付けてもよい。
【0069】
また、駆動モータについて、本実施例においては、叩きモータM2の場合を説明したが、揉みモータM1であってもよい。揉みモータM1に振動発生部27を取り付けることで、揉み動作に振動刺激を付与することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、施療子を駆動させることによる揉み動作や叩き動作と振動発生部を駆動させることによる振動刺激を共通の駆動モータで実現することができるマッサージ機構及び当該マッサージ機構を有するマッサージ機に適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
伝達部材 22
出力軸 25
叩き軸 26
振動発生部 27
施療子 41
揉み軸 44
駆動機構 B
駆動モータ M1、M2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9