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特開2024-8886車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステム、方法及び車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008886
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステム、方法及び車両
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240112BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240112BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240112BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20240112BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023109684
(22)【出願日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】17/859,701
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】セイハン ウカル
(72)【発明者】
【氏名】樋口 雄大
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ アベディソブ
(72)【発明者】
【氏名】オヌール アルティンタス
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL08
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】運転者が正しいか合法であると考える運転挙動によって引き起こされる望ましくない状況を軽減する。
【解決手段】車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステム、方法及び車両が提供される。システムは、車両の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを識別し、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と他の物体との間の潜在的な衝突を識別し、潜在的な衝突の識別に応答して、車両の運転者に所定の運転挙動を通知するようにプログラムされたコントローラを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における前記車両の運転者の反復動作パターンを識別し、
前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別し、
前記潜在的な衝突の識別に応答して、前記車両の運転者に所定の運転挙動を通知するようにプログラムされたコントローラを具備する、システム。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記所定の場所に近接する前記車両の識別に応答して、前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、前記別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別するようにさらにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記車両の方向指示器が点灯しているという指標を受信し、
前記車両の方向指示器が点灯しているという指標の受信に応答して、前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、前記別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別するようにさらにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記反復動作パターンは駐車動作パターンに関連しており、前記所定の場所は駐車地点を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記反復動作パターンは旋回動作パターンに関連し、前記所定の場所は旋回地点を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記旋回動作パターンはUターン動作パターンを含み、前記所定の場所はUターン地点を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記車両の出力装置のディスプレイ又は前記運転者の装置のディスプレイに前記所定の運転挙動を表示するように指示するようにさらにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記車両の出力装置のディスプレイに、前記車両及び前記別の物体のデジタルツインシミュレーションが前記潜在的な衝突を示すという結果を表示するように指示するようにさらにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記別の物体の装置に警告を出力するように指示するようにさらにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記車両から所定の距離内にある前記別の物体を検出し、
前記所定の場所に近接する前記車両の識別と、前記車両から前記所定の距離内にある前記別の物体の検出とに応答して、前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、前記別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の前記潜在的な衝突を識別するようにさらにプログラムされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
車両の運転者の運転挙動を修正するための方法であって、
前記車両の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における前記車両の運転者の反復動作パターンを識別し、
前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別し、
前記潜在的な衝突の識別に応答して、前記車両の運転者に所定の運転挙動を通知するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記所定の場所に近接する前記車両の識別に応答して、前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、前記別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記車両の方向指示器が点灯しているという指標を受信するステップと、
前記車両の方向指示器が点灯しているという指標の受信に応答して、前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、前記別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別するステップとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記反復動作パターンは駐車動作パターンに関連し、前記所定の場所は駐車地点を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記反復動作パターンは旋回動作パターンに関連し、前記所定の場所は旋回地点を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記旋回動作パターンはUターン動作パターンを含み、前記所定の場所はUターン地点を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記車両の出力装置のディスプレイ又は前記運転者の装置のディスプレイに前記所定の運転挙動を表示するように指示するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記車両の出力装置のディスプレイに、前記車両及び前記別の物体の前記デジタルツインシミュレーションが前記潜在的な衝突を示すという結果を表示するように指示するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記別の物体の装置に警報を出力するように指示するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
車両であって、
前記車両を移動させるように構成されたアクチュエータと、
前記車両の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における前記車両の運転者の反復動作パターンを識別し、
前記所定の場所に近接する前記車両の識別に応答して、前記反復動作パターンを使用する前記車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、前記車両と前記別の物体との間の潜在的な衝突を識別し、
前記潜在的な衝突の識別に応答して、所定の運転挙動を出力装置に送信するようにプログラムされたコントローラと
を具備し、
前記出力装置は前記所定の運転挙動を出力するように構成される、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステム、方法及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者とは概ね、自身が正しいか合法であると考えている運転挙動(例えば、後退駐車、Uターン)をとるものである。そのような運転挙動は、繰り返すことで強化され、運転習慣となる。しかし、他の物体(例えば、車両)が存在する場合、このような運転挙動、習慣又はその両方(例えば、制限速度に従う、操縦規則に従う、あるいはその両方)が望ましくない状況を引き起こすことがある。
【0003】
従来のシステム及び方法は、運転者の指導及び異常運転の検出の研究を通じて、これら運転挙動を修正することができる。例えば、従来のシステム及び方法は、所定の限界を超える異常運転の一種である指標を探す。しかし、そのような場合、運転者には運転挙動を修正する充分な時間がない可能性がある。さらに、場合によっては、従来のシステム及び方法は異常な運転を検出できない場合がある。例えば、運転者が制限速度を守っている場合、従来のシステム及び方法は異常な運転を検出できない。
【0004】
このため、運転者が正しいか合法であると考える運転挙動によって引き起こされる望ましくない状況を軽減するシステム、方法及び車両が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、車両と別の物体との間の潜在的な衝突の前に、運転者の運転挙動を観察して修正することによって、運転挙動によって引き起こされる望ましくない状況を軽減する、車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステム、方法及び車両を提供する。システム、方法及び車両は、制限速度、操縦規則又はその両方に従っているかどうかに関係なく、所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを識別する。このため、システム、方法及び車両は、運転者が制限速度、操縦規則又はその両方に従っている場合であっても、異常な運転挙動を検出する可能性がある。このため、システム、方法及び車両は、車両衝突のような異常な事象が起きる前に、正しいか合法的な運転挙動を運転者に通知し、それによって、車両衝突のような潜在的な衝突を低減することができる。
【0006】
一実施形態では、車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステムが提供される。システムは、車両の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを識別し、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と別の物体との間の潜在的な衝突を識別し、潜在的な衝突の識別に応答して、所定の運転挙動を車両の運転者に通知するようにプログラムされたコントローラを含む。
【0007】
別の実施形態では、車両の運転者の運転挙動を修正するための方法が提供される。この方法は、所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを蓄積するステップと、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と別の物体との間の潜在的な衝突を識別するステップと、潜在的な衝突の識別に応答して、車両の運転者に所定の運転挙動を通知するステップとを含む。
【0008】
さらに別の実施形態では、車両の運転者の運転挙動を修正するための車両が提供される。車両は、アクチュエータ、コントローラ及び出力装置を含む。アクチュエータは車両を移動させるように構成される。コントローラは、車両の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを識別し、所定の場所に近接する車両の識別に応答して、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と別の物体との間の潜在的な衝突を識別し、潜在的な衝突の識別に応答して、所定の運転挙動を出力装置に送信するようにプログラムされる。出力装置は所定の運転挙動を出力するように構成される。
【0009】
本開示の実施形態が提供するこのような特徴をはじめとする特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することにより、さらに完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが後退駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図1B図1Bは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが後退駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図1C図1Cは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが後退駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図1D図1Dは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが後退駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図1E図1Eは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが後退駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図2図2は、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステムの概略図を示す。
図3図3は、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、車両の運転者の運転挙動を修正する方法のフローチャートを示す。
図4A図4Aは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図4B図4Bは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図4C図4Cは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図4D図4Dは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図4E図4Eは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図4F図4Fは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図5A図5Aは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図5B図5Bは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図5C図5Cは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
図5D図5Dは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の特定の実施形態に関する以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと最もよく理解することができる。図面では、類似の構造を類似の参照番号で示す。
【0012】
本明細書に開示する実施形態は、車両と別の物体との間の潜在的な衝突の前に、運転者の運転挙動を観察して修正することによって、運転挙動によって引き起こされる危険な状況を軽減する、車両の運転者の運転挙動を修正するための方法、システム、及び車両を含む。
【0013】
図1A図1B図1C図1D及び図1Eは、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、反復動作パターンが後退駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態を概略的に示す。
【0014】
図1A図1Eを参照すると、車両100は、車両100の蓄積された運転データに基づいて所定の場所における車両100の運転者の反復動作パターン102を識別する。車両100は、反復動作パターン102を蓄積して、所定の運転挙動を規定する。車両100は、GPSセンサなどのセンサを使用して走行軌跡を記憶し、一定期間内に互いに類似する複数の走行軌跡が存在する場合には、複数の走行軌跡を反復動作パターンとして識別する。いくつかの実施形態では、車両100は、識別された反復動作パターンをサーバ140に送信する。いくつかの実施形態では、車両100はその軌跡をサーバ140に送信し、サーバ140は車両100の反復動作パターンを識別する。図1A図1Eでは、反復動作パターン102は駐車動作パターンに関連しており、所定の場所は駐車地点104を含む。車両100は、自動車、あるいは、例えば、陸上車両、水上車両及び/又は飛行車両のような任意の他の乗用車両又は非乗用車両を含む車両である。車両100は、制限された人間の入力を用いて又は人間の入力なしで、その環境を航行する自律型コネクテッド車両であってもよい。車両100は、インターネットアクセスを搭載し、車両100の内部及び外部の両方の他の装置とデータを共有する。車両100は、サーバ140と通信し、そのデータをサーバ140に送信する。例えば、車両100は、その反復動作パターン、その現在位置及び目的地、現在の運転者に関する情報、現在実施中のタスクに関する情報などについての情報を送信する。
【0015】
車両100は、車両100を移動させるように構成されたアクチュエータを含む。車両100は、運転者の所定の運転挙動を出力するように構成された出力装置を含む。実施形態では、車両100の出力装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、あるいはその組み合わせを含む。
【0016】
図1Aは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、現実世界での車両の後退駐車の反復動作パターンの収集を示す。図1Aを参照すると、車両100は、反復動作パターン102を用いて後退駐車する。車両100は、後退駐車のために左方向指示器を点灯し、その後、整列のために右に進路変更する。車両100は、後退して、駐車地点104に後退駐車する。実施形態では、反復動作パターン102が後退駐車動作パターンに関連する場合、反復動作パターン102は、左方向指示器の点灯、整列のための右への進路変更、及び駐車地点104への後退移動を含む。車両100の運転者は、この反復動作パターン102が正しいか合法であると考えている。実施形態では、サーバ140は、車両100の反復動作パターン102を収集し、受信し、又はその両方を実施するい。サーバ140はネットワーク170を介して車両100に通信可能に結合される。
【0017】
図1Bは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、現実世界での後退駐車の反復動作パターンを開始しようとしている車両を示す。図1Bを参照すると、別の物体110が車両100の後方に来ている。実施形態では、別の物体110は別の車両である。車両100は、車両100から所定の距離内にある別の物体110を検出する。車両100からの所定の距離は、車両100の速度、車両100の大きさ、別の物体110の速度、別の物体110の大きさ、又はこれらの組み合わせに依存する。
【0018】
この例では、車両100が後退駐車の反復動作パターン102を繰り返す場合、その反復動作により別の物体110との潜在的な衝突が生じる可能性がある。具体的には、車両100が後退駐車するために左方向指示器を点灯すると、別の物体110が右に進路変更して車両100を追い越す可能性がある。同時に、車両100は、後退駐車のための整列のために右に進路変更する可能性がある。これらの動作は、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突を引き起こす可能性がある。
【0019】
このため、車両100が後退駐車の反復動作パターンを開始する前に、車両100は、図1Cに示すようにデジタルツインシミュレーションを実施して潜在的な衝突を確認し、図1D及び図1Eに示すように予防措置を講じてもよい。
【0020】
図1Cは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、車両及び別の車両のデジタルツインシミュレーションを示す。図1Cを参照すると、車両100は、反復動作パターン102を使用する車両100のデジタルツインシミュレーションと、別の物体110のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両100と別の物体110との間のこの潜在的な衝突112を識別する。いくつかの実施形態では、サーバ140が、反復動作パターン102を使用する車両100のデジタルツインシミュレーションと、別の物体110のデジタルツインシミュレーションとを実施してもよい。デジタルツインシミュレーションとは、シミュレーション内に存在する特定の現実世界の車両、物体又はその両方のシミュレートされたバージョンである。デジタルツインの構造、状態、挙動及び応答が、デジタルツインがシミュレーションで表す特定の現世界の車両、物体又はその両方の構造、状態、挙動及び応答と同様である。シミュレーションに含まれるデジタル環境は、現実世界の車両及び物体(例えば、車両100、別の物体110、道路環境内の他の車両又は物体)の現実世界の道路環境と同様である。実施形態において、車両100又はサーバ140は、デジタルツインシミュレーションを実行するシミュレーションソフトウェアを含む。シミュレーションソフトウェアは、道路環境での現実世界の車両、物体又はその両方のデジタルツインに基づいてシミュレーションを実行するように動作可能なコード及びルーチンを含む。
【0021】
実施形態では、図1Bに示すように、車両100が、車両100から所定の距離内にある別の物体110を検出すると、車両100は、所定の場所に近接する車両100の識別と、車両100から所定の距離内にある別の物体110の検出とに応答して、反復動作パターン102を使用する車両100のデジタルツインシミュレーションと、別の車両110のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112を識別する。具体的には、シミュレーションにおいて、車両100は反復動作パターン102に従い、別の物体110は経路114に従う。その後に、反復動作パターン102と経路114との間に衝突112が発生する。
【0022】
図1D及び図1Eを参照すると、シミュレーションの後、現実世界の車両100は、潜在的な衝突112の識別に応答して、潜在的な衝突を防止し得る所定の運転挙動を車両100の運転者に通知する。実施形態では、車両100は所定の運転挙動を表示する。例えば、車両100の画面が所定の運転挙動を表示する。いくつかの実施形態では、所定の運転挙動は、車両100の装置以外の装置、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせに表示されてもよい。いくつかの実施形態では、車両100は、車両100及び別の物体110のデジタルツインシミュレーション、例えば、図1Cに示すデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突112を示すという結果を表示する。
【0023】
実施形態では、車両100又はサーバ140は、別の物体110の装置に警告を出力するように指示する。実施形態では、別の物体110の装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、車両100又はサーバ140は、別の物体110の装置に、車両100及び別の物体110のデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突112を示すという結果を伴う警告を出力するように指示する。
【0024】
図1Dを参照すると、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112がある場合、車両100は、車両100の運転者に車両100を前向き駐車するように指示する。実施形態では、車両100の出力装置は、車両100及び別の物体110のデジタルツインシミュレーションが、図1Cに示す潜在的な衝突112を示すという結果を表示してもよい。いくつかの実施形態では、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112がある場合、コントローラはさらに探索し、所定の場所における正しい運転挙動を推測してもよい。例えば、コントローラは、駐車に関する陸運局(DMV)のマニュアルを確認し、正しい運転挙動を検索する。いくつかの実施形態では、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112がある場合、コントローラは、他の運転者から正しい運転挙動に関する情報を取得してもよい。例えば、コントローラは、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112を他の運転者に示し、他の運転者は、車両100の運転者に正しい運転挙動に関する情報を伝達する。
【0025】
図1Eを参照すると、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112がある場合、車両100は、車両100の運転者に、図1Aに示すように右に進路変更せずに車両100を後退駐車するように指示する。車両100は、最も近い車線に他の物体がない場合、車両100の運転者に、最も近い車線に車両100を後進させて後退駐車するように指示してもよい。車両100と他の物体との間の潜在的な衝突112がない場合、車両100は、車両100の運転者に車両100を前向きに駐車するように指示せず、車両100の運転者は、図1Aで説明する運転者の運転挙動によって車両100を後向きに駐車してもよい。実施形態では、車両100の出力装置のディスプレイは、車両100及び別の物体110のデジタルツインシミュレーションが、図1Cに示す潜在的な衝突112を示すという結果を表示する。
【0026】
図2は、本明細書で図示し説明する1つ又は複数の実施形態による、車両の運転者の運転挙動を修正するためのシステムの概略図を示す。システム10は、車両システム200、別の物体システム220及びサーバ240を含む。
【0027】
図2は、車両システム200が1つの別の物体システム220と通信することを示しているが、車両システム200は、2つ以上の別の物体システム220と通信し得ることに留意されたい。実施形態では、車両システム200及び別の物体システム220のそれぞれは、自動車、あるいは、例えば、陸上車両、水上車両及び/又は飛行車両などの任意の他の乗用車両又は非乗用車両である車両内に含まれる。いくつかの実施形態では、車両は、制限された人間の入力を用いて、又は人間の入力なしで、その環境を航行する自律型車両であってもよい。
【0028】
車両システム200は、1つ又は複数のプロセッサ202を含む。1つ又は複数のプロセッサ202のそれぞれは、機械可読かつ実行可能な命令を実行可能な任意の装置である。1つ又は複数のプロセッサ202のそれぞれは、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ又は任意の他の計算装置である。1つ又は複数のプロセッサ202は、システムのさまざまなモジュール間の信号相互接続性を提供する通信経路204に結合される。通信経路204は、任意の数のプロセッサ202を互いに通信可能に結合し、通信経路204に結合されたモジュールが分散計算環境で動作することを可能とする。モジュールのそれぞれは、データを送信したり、及び/又は受信したりし得るノードとして動作する。本明細書で使用する場合、「通信可能に結合された」という用語は、結合された構成要素が、導電媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、及び光導波路を介した光信号などのデータ信号を互いに交換可能であることを意味する。
【0029】
通信経路204は、導電性ワイヤ、導電性配線、光導波路など、信号を送信可能な任意の媒体から形成される。いくつかの実施形態では、通信経路204は、WiFi、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)などの無線信号の送信を容易にする。通信経路204は、信号を送信可能な媒体の組み合わせから形成されてもよい。一実施形態では、通信経路204は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置及び通信装置などの構成要素への電気データ信号の送信を可能にするために協働する導電性配線、導電性ワイヤ、コネクタ及びバスの組み合わせを含む。通信経路204は、LINバス、CANバス、VANバスなどの車両バスを含んでもよい。さらに、「信号」という用語は、媒体を通って移動可能なDC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動などの(例えば、電気、光学、磁気、機械又は電磁気の)波形を意味することに留意されたい。
【0030】
車両システム200は、通信経路204に結合された1つ又は複数のメモリモジュール206を含む。1つ又は複数のメモリモジュール206は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、あるいは機械可読かつ実行可能な命令に1つ又は複数のプロセッサ202がアクセス可能であるように、機械可読かつ実行可能な命令を保存可能な任意の装置を備える。機械可読かつ実行可能な命令は、例えば、プロセッサが直接実行し得る機械語など、任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL又は5GL)の任意のプログラミング言語、あるいは機械可読かつ実行可能な命令にコンパイルされるかアセンブルされ、1つ又は複数のメモリモジュール206に保存され得るアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなどによって記述されたロジック又はアルゴリズムを含む。機械可読かつ実行可能な命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成又は特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはこれらの均等物のいずれかを介して実装されるロジックなどのハードウェア記述言語(HDL)で記述されてもよい。本明細書で説明する方法は、事前にプログラムされたハードウェア要素として、あるいはハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせとして、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で実装されてもよい。1つ又は複数のプロセッサ202は、1つ又は複数のメモリモジュール206と共に、車両システム200のコントローラとして動作することができる。
【0031】
1つ又は複数のメモリモジュール206は、反復動作蓄積モジュール207及びデジタルツインシミュレーションモジュール209を含む。反復動作蓄積モジュール207及びデジタルツインシミュレーションモジュール209は、運転挙動を修正するために協働して動作し又は独立して動作する。反復動作蓄積モジュール207及びデジタルツインシミュレーションモジュール209のそれぞれは、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムモジュール及び1つ又は複数のメモリモジュール206に記憶された他のプログラムモジュールの形態のプログラムモジュールであってもよい。いくつかの実施形態では、プログラムモジュールは、例えば、クラウドサーバ又はエッジサーバで車両システム200と通信し得る遠隔記憶装置に記憶されてもよい。そのようなプログラムモジュールは、以下に説明するように特定のタスクを実施するか、特定のデータタイプを実行するためのルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むが、これらに限定されない。
【0032】
実施形態では、反復動作蓄積モジュール207は、車両の蓄積された運転データに基づいて、所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを識別する。図1Aを参照すると、反復動作蓄積モジュール207は、左方向指示器の点灯、整列のための右への進路変更、及び駐車地点104への後進を含む反復動作パターン102を識別する。例えば、図4Aを参照すると、反復動作蓄積モジュール207は、左方向指示器の点灯、さらに多くの空間を確保するための右への進路変更、及びUターンの実施を含む反復動作パターン402を識別する。例えば、図5Aを参照すると、反復動作蓄積モジュール207は、合流車線における駐車を含む反復動作パターン502を識別する。
【0033】
実施形態では、デジタルツインシミュレーションモジュール209は、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と別の物体との間の潜在的な衝突を識別する。デジタルツインシミュレーションモジュール209が、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と別の物体との間の潜在的な衝突を識別した時点で、デジタルツインシミュレーションモジュール209は、潜在的な衝突の識別に応答して、車両の運転者に所定の運転挙動を通知するための指示を送信する。
【0034】
さらに図2を参照すると、車両システム200は、1つ又は複数のセンサ208を含む。1つ又は複数のセンサ208は、紫外線波長帯域、可視光波長帯域又は赤外線波長帯域の放射線を検出可能な感知装置の配列を有する任意の装置である。1つ又は複数のセンサ208は、図1A図1Cの別の物体110などの他の物体の存在、車両100と別の物体110との間の距離、又はその両方を検出することができる。1つ又は複数のセンサ208は任意の解像度を有してもよい。いくつかの実施形態では、ミラー、魚眼レンズ又は任意の他の種類のレンズなどの1つ又は複数の光学部品を1つ又は複数のセンサ208に光学的に結合してもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ208は、1つ又は複数のプロセッサ202、又は通信経路204に通信可能に結合された別の構成要素に画像データを提供してもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ208はナビゲーションサポートを提供してもよい。実施形態では、1つ又は複数のセンサ208によって取り込まれたデータを、車両100を自律的又は半自律的にナビゲートするために使用してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ208は、可視光及び/又は赤外光を感知するために可視スペクトル及び/又は赤外線スペクトルで動作するように構成された1つ又は複数の画像センサを含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサ208は、1つ又は複数のLIDARセンサ、レーダセンサ、ソナーセンサ、又はデータ収集に統合され若しくはデータ収集を補完し得るデータを収集するための他のタイプのセンサを含む。レーダセンサのような測距センサを使用して、車両システム200の視界に関する大まかな奥行き及び速度の情報を取得してもよい。
【0036】
車両システム200は、通信経路204が衛星アンテナ214を車両システム200の他のモジュールに通信可能に結合するように、通信経路204に結合された衛星アンテナ214を含む。衛星アンテナ214は、全地球測位システム衛星から信号を受信するように構成される。一実施形態では、衛星アンテナ214は、全地球測位システム衛星によって送信された電磁信号と相互作用する1つ又は複数の導体素子を含む。受信信号は、1つ又は複数のプロセッサ202によって、衛星アンテナ214又は衛星アンテナ214の近くに位置決めされた物体の場所(例えば、緯度及び経度)を示すデータ信号に変換される。
【0037】
車両システム200は、1つ又は複数の車両センサ212を含む。1つ又は複数の車両センサ212のそれぞれは、通信経路204に結合され、1つ又は複数のプロセッサ202に通信可能に結合される。1つ又は複数の車両センサ212は、車両100の動き及び動きの変化を検出し測定するための1つ又は複数のモーションセンサを含む。モーションセンサは慣性測定ユニットを含んでもよい。1つ又は複数のモーションセンサのそれぞれは、1つ又は複数の加速度計及び1つ又は複数のジャイロスコープを含んでもよい。1つ又は複数のモーションセンサのそれぞれは、車両の感知された物理的な動作を、車両の方向、回転、速度又は加速度を示す信号に変換する。車両の方向、回転、速度又は加速度を示す信号に基づいて、反復動作蓄積モジュール207は車両の反復動作パターンを識別することができる。
【0038】
さらに図2を参照すると、車両システム200は、車両システム200を別の物体システム220に通信可能に結合するためのネットワークインターフェースハードウェア216を備える。ネットワークインターフェースハードウェア216は、通信経路204に通信可能に結合され、ネットワークを介してデータを送信したり、及び/又は受信したりすることができる任意の装置である。ネットワークインターフェースハードウェア216は、任意の有線又は無線の通信を送信及び/又は受信するための通信送受信機を含んでもよい。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア216は、アンテナ、モデム、LANポート、WiFiカード、WiMAXカード、モバイル通信ハードウェア、近距離無線通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア及び/又は他のネットワーク及び/又は装置と通信するための任意の有線又は無線のハードウェアを含む。一実施形態では、ネットワークインターフェースハードウェア216は、Bluetooth(登録商標)無線通信プロトコルに従って動作するように構成されたハードウェアを含む。車両システム200のネットワークインターフェースハードウェア216は、そのデータを別の物体システム220に送信する。例えば、車両システム200のネットワークインターフェースハードウェア216は、車両データ、位置データ、操縦データなどを、他の物体、クラウドサーバ、エッジサーバなどに送信してもよい。
【0039】
車両システム200は、直接接続を介して、1つ又は複数の外部車両システム(例えば、別の物体システム220)及び/又は外部処理装置(例えば、クラウドサーバ又はエッジサーバ)と接続される。直接接続は、車両対車両の接続(「V2V接続」)、車両対あらゆるものの接続(「V2X接続」)又はmmWave接続である。V2V接続又はV2X接続又はmmWave接続は、上記で考察した任意の適切な無線通信プロトコルを使用して確立される。車両間の接続では、時間ベース及び/又は位置ベースのセッションを利用してもよい。実施形態では、車両間又は車両とインフラ要素との間の接続では、接続のために1つ又は複数のネットワークを利用してもよい。ネットワークは、車両間又は車両とインフラとの間の(V2V、V2X、mmWaveなどの)直接接続の代わりのものであっても、この直接接続に加えるものであってもよい。車両システム200は、基本安全メッセージ(BSM)、操縦メッセージ(MM)などの無線メッセージを使用して、外部通信車両システムと通信することができる。BSMは、車両間で送信される無線メッセージである。車両では、送信機が車両の位置、速度をはじめとする静的/動的情報を送信する。MMは、道路利用者とインフラとの間で交換される無線メッセージの一般的なクラスであり、送信側の道路利用者の将来の軌跡(又は将来の可能性のある軌跡)を含むものである。そのようなメッセージの具体例は、操縦調整メッセージ(MCM)又は操縦共有調整メッセージ(MSCM)である。
【0040】
車両は、メッシュネットワークを形成し且つアドホックベースで動的に接続するためのインフラノードとして機能することができる。このようにして、車両がネットワークに自由に入ったり且つ/又はネットワークから出たりすることができ、その結果、メッシュネットワークが、時間の経過とともに自己組織化され、自己修正される。ネットワークは、他の車両とピアツーピアネットワークを形成する車両又は特定の車両及び/又はインフラ要素に依存する集中型ネットワークを利用する車両を含んでもよい。ネットワークは、車両間で情報を記憶及び/又は中継するために集中サーバ及び他の中央計算装置を使用するネットワークを含んでもよい。
【0041】
さらに図2を参照すると、車両システム200は、ネットワーク270によって別の物体システム220又はサーバ240に通信可能に結合される。一実施形態では、ネットワーク270は、1つ又は複数のコンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワーク及び/又は全地球測位システム及びこれらの組み合わせを含む。車両システム200は、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、衛星ネットワークなどを介して、ネットワーク270に通信可能に結合されある。適切なローカルエリアネットワークには、有線イーサネット及び/又はWi-Fiなどの無線技術が含まれる。適切なパーソナルエリアネットワークには、IrDA、Bluetooth(登録商標)、無線USB、Z-Wave、ZigBee(登録商標)及び/又は他の近距離無線通信プロトコルなどの無線技術が含まれる。適切なセルラーネットワークには、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA及びGSMなどの技術が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
さらに図2を参照すると、別の物体システム220は、1つ又は複数のプロセッサ222と、1つ又は複数のメモリモジュール226と、1つ又は複数のセンサ228と、1つ又は複数の車両センサ232と、衛星アンテナ234と、ネットワークインターフェースハードウェア236と、別の物体システム220の他の構成要素に通信可能に接続された通信経路224とを含む。別の物体システム220の構成要素は、車両システム200の対応する構成要素と構造的に同様であり、同様の機能を有する(例えば、1つ又は複数のプロセッサ222は1つ又は複数のプロセッサ202に対応し、1つ又は複数のメモリモジュール226は1つ又は複数のメモリモジュール206に対応し、1つ又は複数のセンサ228は1つ又は複数のセンサ208に対応し、1つ又は複数の車両センサ232は1つ又は複数の車両センサ212に対応し、衛星アンテナ234は衛星アンテナ214に対応し、通信経路224は通信経路204に対応し、ネットワークインターフェースハードウェア236はネットワークインターフェースハードウェア216に対応する)。1つ又は複数のメモリモジュール226は、車両システム200の反復動作蓄積モジュール207及びデジタルツインシミュレーションモジュール209と同様の反復動作蓄積モジュール及びデジタルツインシミュレーションモジュールを記憶する。
【0043】
さらに図2を参照すると、サーバ240は、1つ又は複数のプロセッサ244と、1つ又は複数のメモリモジュール246と、ネットワークインターフェースハードウェア248と、1つ又は複数の車両センサ250と、車両システム200の他の構成要素及び/又は別の物体システム220の他の構成要素に通信可能に接続された通信経路242とを含む。サーバ240の構成要素は、別の物体システム220の対応する構成要素と構造的に同様であり、同様の機能を有する(例えば、1つ又は複数のプロセッサ244は1つ又は複数のプロセッサ222に対応し、1つ又は複数のメモリモジュール246は1つ又は複数のメモリモジュール226に対応し、1つ又は複数の車両センサ250は1つ又は複数の車両センサ232に対応し、通信経路242は通信経路224に対応し、ネットワークインターフェースハードウェア248はネットワークインターフェースハードウェア236に対応する)。
【0044】
図2に示す構成要素は単に例示的なものであり、本開示の範囲を限定することを目的とするものではないことを理解されたい。さらに具体的には、図2の構成要素は車両システム200内に存在するものとして示しているが、これは非限定的な例である。いくつかの実施形態では、構成要素のうちの1つ又は複数が、サーバ240のような車両システム200の外部に存在してもよい。
【0045】
ここで図3を参照すると、図1A図1Eの車両100、別の物体110、サーバ140又はこれらの組み合わせによって実施され得る方法300のフローチャートを示す。
【0046】
ステップ310では、コントローラは、所定の場所における車両の運転者の反復動作パターンを識別する。いくつかの実施形態では、コントローラはが、所定の場所における車両の自律的な運転者の反復動作パターンを識別する。コントローラは車両のコントローラ又はサーバのコントローラである。コントローラは、車両の運転データを蓄積し、蓄積された運転データに基づいて車両の運転者の反復動作パターンを識別する。図1Aを参照すると、反復動作パターン102は駐車動作パターンに関連しており、所定の場所は駐車地点104又は自宅の住所を含む。反復動作パターン102は、左方向指示器の点灯、整列のための右への進路変更及び駐車地点104への後進を含む。例えば、図4Aを参照すると、反復動作パターン402は、Uターン動作パターンのような旋回動作パターンに関連しており、所定の場所は、Uターン地点のような旋回地点を含む。反復動作パターン402は、左方向指示器の点灯、さらに多くの空間を確保するための右への進路変更及びUターンの実施を含む。例えば、図5Aを参照すると、反復動作パターン502は駐車動作パターンに関連しており、所定の場所は合流車線を含む。反復動作パターン502は、合流車線における駐車を含んでもよい。
【0047】
図3を再び参照すると、ステップ320では、コントローラは、所定の場所に近接する車両の識別に応答して、反復動作パターンを使用する車両のデジタルツインシミュレーションと、別の物体のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両と別の物体との間の潜在的な衝突を識別する。コントローラは、車両のデジタルツインシミュレーションを、リアルタイムで、又はコントローラがビジーでない1日の終わりに実行する。次に、コントローラは、車両の運転者に対する、所定の運転挙動のような指導ガイダンスを推測する。例えば、図1B図1Cを参照すると、車両100が、車両100から所定の距離内にある別の物体110を検出すると、即ち、車両100が駐車地点104に近接し且つ別の物体110が近くで検出されると、車両100は、反復動作パターン102を使用する車両100のデジタルツインシミュレーションと、別の物体110のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両100と別の物体110との間のこの潜在的な衝突112を識別する。別の例として、車両100が、左方向指示器を点灯し、所定の距離に近づいたとき、車両100は、車両の方向指示器が点灯しているという指標を受信し、その後、反復動作パターン102を使用する車両100のデジタルツインシミュレーションと、別の物体110のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両100と別の物体110との間のこの潜在的な衝突112を識別してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、図4B図4Cを参照すると、車両400が、車両400から所定の距離内にある別の物体410を検出すると、即ち、車両400がUターン地点に近接し且つ別の物体410が近くで検出されると、車両400は、反復動作パターン402を使用する車両400のデジタルツインシミュレーションと、別の物体410のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両400と別の物体410との間のこの潜在的な衝突412を識別する。別の例として、車両400がUターンのために左方向指示器を点灯するとき、車両400は、車両の方向指示器が点灯しているという指標を受信し、その後、反復動作パターン402を使用する車両400のデジタルツインシミュレーションと、別の物体410のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両400と別の物体410との間のこの潜在的な衝突412を識別してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、図5B図5Cを参照すると、車両500が、車両500から所定の距離内にある第1の別の物体510を検出すると、即ち、車両500が駐車のために合流車線に近接し且つ第1の別の物体510及び第2の別の物体520が近くで検出されると、車両500は、反復動作パターン502を使用する車両500のデジタルツインシミュレーションと、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両500と第1の別の物体510との間のこの潜在的な衝突512を識別する。別の例として、車両500が合流車線に駐車するために左方向指示器、右方向指示器又は非常灯を点灯するとき、車両500は、車両の方向指示器又は非常灯が点灯しているという指標を受信し、その後、反復動作パターン502を使用する車両500のデジタルツインシミュレーションと、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両500と第1の別の物体510との間のこの潜在的な衝突512を識別してもよい。
【0050】
図3を再び参照すると、ステップ330では、コントローラは、潜在的な衝突の識別に応答して、車両の運転者に所定の運転挙動を通知する。所定の運転挙動は、車両と他の物体との間の潜在的な衝突を防止し得る運転挙動を指す。実施形態では、コントローラは、車両の出力装置のディスプレイ、運転者の装置のディスプレイ又はその両方に、所定の運転挙動を表示するように指示する。実施形態では、車両の出力装置、運転者の装置又はその両方は、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、コントローラは、車両の出力装置のディスプレイに、車両及び別の物体のデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突を示すという結果を表示するように指示してもよい。実施形態では、コントローラは、別の物体の装置に警告を出力するように指示してもよい。例えば、図1C図1Eを参照すると、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112がある場合、コントローラは、車両100の運転者が車両100を前向きで駐車するように誘導するように車両100の出力装置に指示する。具体的には、車両100の出力装置は、図1Dに示すように、所定の運転挙動、即ち、前向き駐車を表示してもよい。別の例として、車両100と別の物体110との間の潜在的な衝突112がある場合、コントローラは、右に進路変更せずに車両100を後退駐車するように車両100の運転者を誘導するように車両100の出力装置に指示する。具体的には、車両100の出力装置は、所定の運転挙動、即ち、図1Eに示すように、右に進路変更せずに後退駐車することを表示する。
【0051】
いくつかの実施形態では、図4C図4Dを参照すると、車両400と別の物体410との間の潜在的な衝突412がある場合、コントローラは、車両400を真っ直ぐに維持し、隣の車線に入り込むことなく車両400のハンドルを旋回させ、逸れることなくUターンを完了するように車両400の運転者を誘導するように車両400の出力装置に指示する。具体的には、車両400の出力装置は、図4Dに示すように、所定の運転挙動、即ち、車両400を真っ直ぐ維持し、隣の車線に入り込むことなく車両400のハンドルを旋回させ、逸れることなくUターンを完了することを表示する。
【0052】
例えば、図5C図5Dを参照すると、車両500と第1の別の物体510との間の潜在的な衝突512がある場合、コントローラは、合流車線において駐車しないように車両500の運転者を誘導するように車両500の出力装置に指示する。具体的には、車両500の出力装置は、所定の運転挙動、即ち、図5Dに示すように合流車線に駐車しないことを表示する。
【0053】
ここで、図4A図4B図4C図4D図4E及び図4Fを参照すると、反復動作パターンがUターン動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態が描かれている。
【0054】
図4Aは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、現実世界において車両のUターンの反復動作パターンを収集することを示す。図4Aを参照すると、車両400は、反復動作パターン402を用いてUターンする。車両400は、左方向指示器を点灯して、その後、Uターンするためにさらに多くの空間を確保するために右に進路変更する。その後、車両400はUターンする。実施形態では、反復動作パターン402がUターン動作パターンに関連する場合、反復動作パターン402は、左方向指示器の点灯、さらに多くの空間を確保するための右への進路変更及びUターンの実施を含む。車両400の運転者は、この反復動作パターン402が正しいか合法であると考えている。実施形態では、サーバ440は、車両400の反復動作パターン402を収集し、受信し、又はその両方を実施する。サーバ440は、ネットワーク470を介して車両400に通信可能に結合される。
【0055】
図4Bは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、現実世界においてUターンの反復動作パターンを開始しようとしている車両を示す。図4Bを参照すると、別の物体410が車両400の隣の車線を通過する可能性がある。実施形態では、別の物体410は別の車両である。車両400は、車両400から所定の距離内にある別の物体410を検出する。車両400からの所定の距離は、車両400の速度、車両400の大きさ、別の物体410の速度、別の物体410の大きさ、又はこれらの組み合わせに依存してもよい。
【0056】
この例では、車両400がUターンの反復動作パターンを繰り返す場合、繰り返された動作により、別の物体410との潜在的な衝突が生じる可能性がある。具体的には、車両400がUターンのために左方向指示器を点灯すると、別の物体410は、車両400が左折して隣の車線を通過することを予期する可能性がある。同時に、車両400は、Uターンするためにさらに多くの空間を確保するために右に進路変更する可能性がある。これらの動作は、車両400と別の物体410との間の潜在的な衝突412を引き起こす可能性がある。
【0057】
このため、車両400がUターンの反復動作パターン402を開始する前に、車両400は、図4Cに示すようにデジタルツインシミュレーションを実施して潜在的な衝突を確認し、図4Dに示すように予防措置を講じる。いくつかの実施形態では、コントローラは、車両400の運転者が支援を必要とする場所を推測する。例えば、車両400がUターンの反復動作パターンを繰り返す場合、コントローラは、Uターンの反復動作パターンのデータを分析し、車両400の運転者がUターンに何らかの問題を抱えている可能性があることを認識する。車両500が次にUターン地点に接近すると、車両400の運転者はコントローラによって支援される。
【0058】
図4Cは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、車両と別の車両のデジタルツインシミュレーションを示す。図4Cを参照すると、車両400は、車両400のデジタルツインシミュレーションと、別の物体410のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両400と別の物体410との間のこの潜在的な衝突412を識別する。いくつかの実施形態では、サーバ440が、反復動作パターン402を使用する車両400のデジタルツインシミュレーションと、別の物体410のデジタルツインシミュレーションとを実施してもよい。
【0059】
実施形態では、図4Bに示すように、車両400が、車両400から所定の距離内にある別の物体410を検出すると、車両400は、所定の場所に近接する車両400の識別及び車両400から所定の距離内にある別の物体410の検出に応答して、反復動作パターン402を使用する車両400のデジタルツインシミュレーションと、別の車両410のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両400と別の物体410との間の潜在的な衝突412を識別する。具体的には、シミュレーションでは、車両400は反復動作パターン402に従い、別の物体410は経路414に従う。その後、反復動作パターン402と経路414との間で衝突412が発生する。
【0060】
図4D図4Fを参照すると、シミュレーションの後、現実世界の車両400は、潜在的な衝突412の識別に応答して、潜在的な衝突412を防止し得る所定の運転挙動を車両400の運転者に通知する。一実施形態では、車両400は、所定の運転挙動を表示する。例えば、車両400の画面が、所定の運転挙動を表示する。例えば、車両400の画面は、所定の運転挙動を表示してもよい。いくつかの実施形態では、所定の運転挙動は、車両400の装置以外の装置、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせに表示されてもよい。実施形態では、車両400は、車両400及び別の物体410のデジタルツインシミュレーション、例えば、図4Cに示すデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突412を示という結果を表示する。
【0061】
実施形態では、車両400又はサーバ240は、別の物体410の装置に警告を出力するように指示する。実施形態では、別の物体410の装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、車両400又はサーバ240は、別の物体410の装置に、車両400及び別の物体410のデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突412を示すという結果を伴う警告を出力するように指示する。
【0062】
図4D図4Fを参照すると、車両400と別の物体410との間の潜在的な衝突412がある場合、車両400は、車両400の運転者に、車両400を真っ直ぐに維持し、隣の車線に入り込むことなく車両400のハンドルを旋回させ、逸脱することなくUターンを完了するように指示する。実施形態では、車両400の出力装置は、車両400及び別の物体410のデジタルツインシミュレーションが、図4Cに示す潜在的な衝突412を示すという結果を表示してもよい。
【0063】
さらに図4Dを参照すると、車両400と他の物体との間の潜在的な衝突412がない場合、車両400は、車両400の運転者に、車両400を真っ直ぐに維持し、隣の車線に入り込むことなく車両400のハンドルを旋回させ、逸脱することなくUターンを完了するように指示しなくてもよく、車両400の運転者は、図4Aで説明された運転者の運転挙動でUターンしてもよい。いくつかの実施形態では、車両400の出力装置のディスプレイは、車両400及び別の物体410のデジタルツインシミュレーションが図4Cに示す潜在的な衝突412を示すという結果を表示する。
【0064】
ここで、図5A図5B図5C及び図5Dを参照すると、反復動作パターンが駐車動作パターンに関連する場合の車両の運転者の運転挙動を修正する例示的な実施形態が描かれている。
【0065】
図5Aは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、現実世界において車両の駐車の反復動作パターンを収集することを示す。図5Aを参照すると、車両500は、反復動作パターン502を用いて駐車する。車両500は特定の場所に駐車する。特定の場所は合流車線である。実施形態では、反復動作パターン502が駐車動作パターンに関連する場合、反復動作パターン502は合流車線における駐車を含む。車両500の運転者は、この反復動作パターン502が正しいか合法であると考えている。実施形態では、サーバ540は、車両500の反復動作パターン502を収集し、受信し、又はその両方を実施する。サーバ540は、ネットワーク570を介して車両500に通信可能に結合される。
【0066】
図5Bは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、現実世界において駐車の反復動作パターンを開始しようとしている車両を示す。図5Bを参照すると、第1の別の物体510及び第2の別の物体520が、車両500の車線及び車両500の隣の車線内に左折する。実施形態では、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のそれぞれは、別の車両である。車両500は、車両500から所定の距離内にある第1の別の物体510及び第2の別の物体520のうちの少なくとも1つを検出する。車両500からの所定の距離は、車両500の速度、車両500の大きさ、第1の別の物体510の速度、第1の別の物体510の大きさ、第2の別の物体520の速度、第2の別の物体520の大きさ、又はこれらの組み合わせに依存してもよい。
【0067】
この例では、車両500が駐車の反復動作パターンを繰り返す場合、繰り返された動作により、第1の別の物体510との潜在的な衝突が生じる可能性がある。具体的には、車両500が合流車線に駐車すると、第1の別の物体510及び第2の別の物体520が同時に左折する場合がある。これらの動作は、車両500と第1の別の物体510との間の潜在的な衝突512を引き起こす可能性がある。
【0068】
このため、車両500が駐車の反復動作パターン502を開始する前に、車両500は、図5Cに示すようにデジタルツインシミュレーションを実施して潜在的な衝突を確認し、図5Dに示すように予防措置を講じる。
【0069】
図5Cは、本明細書で図示し説明する一実施形態による、車両、第1の別の車両及び第2の別の車両のデジタルツインシミュレーションを示す。図5Cを参照すると、車両500は、車両500のデジタルツインシミュレーションと、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両500と第1の別の物体510との間のこの潜在的な衝突512を識別する。いくつかの実施形態では、サーバ540が、反復動作パターン502を使用する車両500のデジタルツインシミュレーションと、第1の別の物体510のデジタルツインシミュレーションとを実施してもよい。
【0070】
実施形態では、図5Bに示すように、車両500が、車両500から所定の距離内にある第1の別の物体510及び第2の別の物体520を検出すると、車両500は、所定の場所に近接する車両500の識別及び車両500から所定の距離内にある別の物体510の検出に応答して、反復動作パターン502を使用する車両500のデジタルツインシミュレーションと、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションとを実施して、車両500と第1の別の物体510との間の潜在的な衝突512を識別する。具体的には、シミュレーションでは、車両500は反復動作パターン502に従い、第1の別の物体510及び第2の別の物体520は経路514に従う。その後、反復動作パターン502と経路514との間で衝突512が発生する。
【0071】
図5Dを参照すると、シミュレーションの後、現実世界の車両500は、潜在的な衝突512の識別に応答して、潜在的な衝突512を防止し得る所定の運転挙動を車両500の運転者に通知する。実施形態では、車両500は、所定の運転挙動を表示する。例えば、車両500の画面が、所定の運転挙動を表示してもよい。いくつかの実施形態では、所定の運転挙動は、車両500の装置以外の装置、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせに表示されてもよい。実施形態では、車両500は、車両500、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーション、例えば、図5Cに示すデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突512を示すという結果を表示してもよい。
【0072】
実施形態において、車両500又はサーバ540は、第1の別の物体510の装置に警告を出力するように指示する。実施形態では、第1の別の物体510の装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ及びウェアラブル装置、又はこれらの組み合わせを含む。実施形態では、車両500又はサーバ540は、第1の別の物体510の装置に、車両500、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションが潜在的な衝突512を示すという結果を伴う警告を出力するように指示する。
【0073】
図5Dを参照すると、車両500と第1の別の物体510との間の潜在的な衝突512がある場合、車両500は、車両500の運転者に、合流車線に駐車しないように指示する。実施形態では、車両500の出力装置は、車両500、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションが、図5Cに示す潜在的な衝突512を示すという結果を表示してもよい。
【0074】
さらに図5Dを参照すると、車両500と他の物体との間の潜在的な衝突512がない場合、車両500は、車両500の運転者に、合流車線に駐車しないように指示しなくてもよく、車両500の運転者は、図5Aで説明された運転者の運転挙動で駐車してもよい。実施形態では、車両500の出力装置のディスプレイは、車両500、第1の別の物体510及び第2の別の物体520のデジタルツインシミュレーションが図5Cに示す潜在的な衝突512を示すという結果を表示する。
【0075】
本開示を説明し規定する目的で、パラメータの「関数」である変数又は別の変数への本明細書での言及が、その変数がもっぱら、列挙したパラメータ又は変数の関数であることを意味することを意図するものではないことに留意されたい。むしろ、列挙したパラメータの「関数」である変数への本明細書での言及が、変数が単一のパラメータ又は複数のパラメータの関数であり得るように、制限のないものであることを意図するものである。
【0076】
特定の特性を具現化するため、又は特定の方法で機能するために、本開示の構成要素が特定の方法で「構成される」又は「プログラム」されるという本明細書での記載が、目的とする用途の記載とは対照的に、構造的な記載であることに留意されたい。さらに具体的には、構成要素が「構成される」又は「プログラムされる」方法への本明細書での言及は、構成要素の既存の物理的状態を示し、その結果、構成要素の構造的特徴を明確に述べたものとして解釈されるべきである。
【0077】
「好ましくは」、「一般に」、「典型的には」のような用語は、本明細書で利用する場合、請求項に係る発明の範囲を限定するために、あるいは請求項に係る発明の構造又は機能に対して特定の特徴が不可欠であるか、本質的であるか、さらに重要であることを示唆するために、利用するものではないことに留意されたい。むしろ、このような用語は、本開示の実施形態の特定の態様を識別するか、本開示の特定の実施形態で利用され得るか利用され得ない代替又は追加の特徴を強調することを意図しているにすぎない。
【0078】
本明細書に図示し説明する開示の例での動作の実行又は実施の順序は、特に指定されない限り、必須のものではない。即ち、別段の指定がない限り、動作は任意の順序で実施されてもよく、本開示の例には、本明細書で開示するものよりも多いか少ない動作が含まれてもよい。例えば、別の動作の前、別の動作と同時、あるいは別の動作の後に特定の動作を実行又は実施することは、本開示の態様の範囲内であると考えられる。
【0079】
本開示の主題を、その特定の実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本明細書に開示するさまざまな詳細は、本説明に付随する各図面に特定の要素を示す場合であっても、このような詳細が、本明細書に記載するさまざまな実施形態の必須の構成要素である要素に関連することを意味するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に定義された実施形態を含むが、このような実施形態に限定されない修正及び変更が可能であることが明らかであろう。さらに具体的には、本開示のいくつかの態様を、好ましい態様又は特に有利である態様として本明細書で特定しているが、本開示は必ずしもこのような態様に限定されないと考えられる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
【外国語明細書】