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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088904
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】電子回路及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/78 20060101AFI20240626BHJP
   H03K 17/945 20060101ALI20240626BHJP
   H03K 17/689 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H03K17/78 Q
H03K17/945 K
H03K17/689
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203946
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005038
【氏名又は名称】セイコーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】磯谷 亮介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 宜史
【テーマコード(参考)】
5J050
5J055
【Fターム(参考)】
5J050AA00
5J050BB16
5J050BB21
5J050DD08
5J050EE13
5J050EE17
5J050EE22
5J050FF04
5J055BX16
5J055CX23
5J055DX14
5J055DX22
5J055DX55
5J055DX61
5J055EX07
5J055EX30
5J055EY01
5J055EY14
5J055EY21
5J055EZ57
5J055GX01
5J055GX02
5J055GX03
(57)【要約】
【課題】例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御の向上を図る。
【解決手段】電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第1スイッチと、電源と第1スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続され、光の照射によって発生する光起電力により、電源電圧に対して第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧を第1スイッチの制御入力端子に印加させる光起電力素子と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第1スイッチと、
前記電源と前記第1スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続され、光の照射によって発生する光起電力により、前記電源電圧に対して前記第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧を前記第1スイッチの制御入力端子に印加させる光起電力素子と、
を備える電子回路。
【請求項2】
前記第1スイッチはPチャネル型MOSFETであり、
前記第1スイッチの第1端子はPチャネル型MOSFETのソースであり、
前記第1スイッチの第2端子はPチャネル型MOSFETのドレインであり、
前記第1スイッチの制御入力端子はPチャネル型MOSFETのゲートである、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項3】
前記電源と前記第1スイッチの制御入力端子との間に前記光起電力素子に並列に接続されるプルアップ抵抗、
をさらに備える請求項1又は2のいずれか1項に記載の電子回路。
【請求項4】
前記第1スイッチの制御入力端子に接続される第1端子と、前記電源電圧に対して前記第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧が印加される第2端子と、前記電子回路の外部から入力される外部制御信号が接続される制御入力端子とを備えるスイッチであって、前記外部制御信号に従って自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第2スイッチ、
をさらに備える請求項3に記載の電子回路。
【請求項5】
前記第2スイッチはNチャネル型MOSFETであり、
前記第2スイッチの第1端子はNチャネル型MOSFETのドレインであり、
前記第2スイッチの第2端子はNチャネル型MOSFETのソースであり、
前記第2スイッチの制御入力端子はNチャネル型MOSFETのゲートである、
請求項4に記載の電子回路。
【請求項6】
前記第2スイッチの第2端子は前記電源の負電源電圧が印加される、
請求項5に記載の電子回路。
【請求項7】
前記電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第3スイッチをさらに備え、
前記光起電力素子は、さらに、前記電源と前記第3スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続される、
請求項6に記載の電子回路。
【請求項8】
前記光起電力素子のカソードと、前記第1スイッチの制御入力端子との間に前記プルアップ抵抗に直列に接続される分圧抵抗をさらに備え、
前記プルアップ抵抗と前記分圧抵抗との抵抗値の関係は、前記第2スイッチの第1端子と第2端子とが導通である場合に、前記電源電圧に対して前記第3スイッチの閾値電圧を超える負電圧を前記第3スイッチの制御入力端子に印加させない、
請求項7に記載の電子回路。
【請求項9】
前記第3スイッチはPチャネル型MOSFETであり、
前記第3スイッチの第1端子はPチャネル型MOSFETのソースであり、
前記第3スイッチの第2端子はPチャネル型MOSFETのドレインであり、
前記第3スイッチの制御入力端子はPチャネル型MOSFETのゲートである、
請求項8に記載の電子回路。
【請求項10】
前記光起電力素子は、赤色の発光ダイオード又は赤外線の発光ダイオードである、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項11】
請求項1に記載の電子回路と、
電源と、
前記第1スイッチの第2端子から前記電源の電力の供給を受ける負荷回路と、
を備える電子装置。
【請求項12】
請求項4に記載の電子回路と、
電源と、
前記第1スイッチの第2端子から前記電源の電力の供給を受ける制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記第2スイッチの制御入力端子に接続される外部制御信号を出力する、
電子装置。
【請求項13】
前記制御回路が起動してから所定の時間が経過した場合に、前記制御回路が前記外部制御信号を出力する、
請求項12に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池が電源に用いられる電子装置において、ユーザが電池を挿入する手間を省くために、予め電池が直接に基板に実装されていたり、電池が予め挿入されていたりする。この電子装置に対してユーザの使用前に電池が放電(待機電力)により消耗することを防止する技術が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された技術は、光が照射された際に発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)が発生する光起電力を利用する光ラッチ回路によって、電源オンオフ制御を行っている。
【0003】
特許文献1に記載された光ラッチ回路は、第1入力端子から入力される第1発電電圧と予め設定された第1閾値電圧とを比較し、前記第1発電電圧が前記第1閾値電圧を超えた場合、セット信号を判定出力端子から出力する電圧検知器と、前記第1入力端子と接地点との間に順方向に接続され、光が照射された際に光起電力により所定の前記第1発電電圧を前記第1入力端子に出力する第1光発電素子と、前記第1入力端子と前記判定出力端子との間に介挿されたフィードバック抵抗とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-161920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1に記載された光ラッチ回路では、光が照射された際に光起電力により第1光発電素子が出力する第1発電電圧が電圧検知器の第1入力端子に入力されて電圧検知器で第1閾値電圧と比較されるが、当該第1発電電圧がプラス電圧であるので電圧検知器の第1入力端子への入力回路を正論理で構成しなければならず、当該入力回路の多様化が難しい。このため、当該光ラッチ回路を用いた電源オンオフ制御の応用が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第1スイッチと、前記電源と前記第1スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続され、光の照射によって発生する光起電力により、前記電源電圧に対して前記第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧を前記第1スイッチの制御入力端子に印加させる光起電力素子と、を備える電子回路である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記第1スイッチはPチャネル型MOSFETであり、前記第1スイッチの第1端子はPチャネル型MOSFETのソースであり、前記第1スイッチの第2端子はPチャネル型MOSFETのドレインであり、前記第1スイッチの制御入力端子はPチャネル型MOSFETのゲートである。
【0009】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記電源と前記第1スイッチの制御入力端子との間に前記光起電力素子に並列に接続されるプルアップ抵抗、をさらに備える。
【0010】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記第1スイッチの制御入力端子に接続される第1端子と、前記電源電圧に対して前記第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧が印加される第2端子と、前記電子回路の外部から入力される外部制御信号が接続される制御入力端子とを備えるスイッチであって、前記外部制御信号に従って自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第2スイッチ、をさらに備える。
【0011】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記第2スイッチはNチャネル型MOSFETであり、前記第2スイッチの第1端子はNチャネル型MOSFETのドレインであり、前記第2スイッチの第2端子はNチャネル型MOSFETのソースであり、前記第2スイッチの制御入力端子はNチャネル型MOSFETのゲートである。
【0012】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記第2スイッチの第2端子は前記電源の負電源電圧が印加される。
【0013】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第3スイッチをさらに備え、前記光起電力素子は、さらに、前記電源と前記第3スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続される。
【0014】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記光起電力素子のカソードと、前記第1スイッチの制御入力端子との間に前記プルアップ抵抗に直列に接続される分圧抵抗をさらに備え、前記プルアップ抵抗と前記分圧抵抗との抵抗値の関係は、前記第2スイッチの第1端子と第2端子とが導通である場合に、前記電源電圧に対して前記第3スイッチの閾値電圧を超える負電圧を前記第3スイッチの制御入力端子に印加させない。
【0015】
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記第3スイッチはPチャネル型MOSFETであり、前記第3スイッチの第1端子はPチャネル型MOSFETのソースであり、前記第3スイッチの第2端子はPチャネル型MOSFETのドレインであり、前記第3スイッチの制御入力端子はPチャネル型MOSFETのゲートである。
本発明の一態様は、上記の電子回路において、前記光起電力素子は、赤色の発光ダイオード又は赤外線の発光ダイオードである。
【0016】
本発明の一態様は、上記の電子回路と、電源と、前記第1スイッチの第2端子から前記電源の電力の供給を受ける負荷回路と、を備える電子装置である。
【0017】
本発明の一態様は、上記の電子回路と、電源と、前記第1スイッチの第2端子から前記電源の電力の供給を受ける制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記第2スイッチの制御入力端子に接続される外部制御信号を出力する。
【0018】
本発明の一態様は、上記の電子装置において、前記制御回路が起動してから所定の時間が経過した場合に、前記制御回路が前記外部制御信号を出力する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る電子装置の構成例を示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係る電子装置の具体的な構成例を示す図である。
図3】第1実施形態に係る電子回路の動作例を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る電子装置の具体的な構成例を示す図である。
図5】第3実施形態に係る電子装置1の具体的な構成例を示す図である。
図6】第3実施形態に係る電子回路の動作例を示すフローチャートである。
図7】第4実施形態に係る電子装置の具体的な構成例を示す図である。
図8】第4実施形態に係る電子装置の具体的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電子装置1の構成例を示すブロック図である。図1において電子装置1は、電子回路10と、電源BTと、負荷回路30とを備える。電子回路10は、例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御を行うための回路である。電子回路10は、電源BTから供給される電力を負荷回路30へ供給する際のオン(電力供給)とオフ(電力非供給)とを切り替える。負荷回路30は、電子回路10を介して、電源BTから電力の供給を受ける。
【0023】
電源BTは、例えば電池である。電池が電源BTに用いられる電子装置1において、ユーザが電池を挿入する手間を省くために、予め電池が直接に基板に実装されていたり、電池が予め挿入されていたりする。
【0024】
図2は、第1実施形態に係る電子装置1の具体的な構成例を示す図である。図2には、電子回路10の具体的な回路構成例が示されている。
【0025】
図2において、電子回路10は、Pチャネル型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)_Q1(第1スイッチ)と、Nチャネル型MOSFET_Q2(第2スイッチ)と、発光ダイオードD1と、プルアップ抵抗R1とを備える。
【0026】
発光ダイオードD1は、光起電力素子の一例である。光起電力素子として、発光ダイオード以外の例えばフォトダイオードや太陽電池等が用いられてもよい。
【0027】
Pチャネル型MOSFET_Q1のソース(第1端子)は、電源BTのプラス端子と発光ダイオードD1のアノードとプルアップ抵抗R1の片方の端子(第1端子)とに接続されている。電源BTのマイナス端子は、電子装置1のグランド端子GND(0ボルト(V))に接続されている。
【0028】
Pチャネル型MOSFET_Q1のドレイン(第2端子)は、制御回路30Aの電源端子POWに接続されている。制御回路30Aは、負荷回路30の一例である。制御回路30Aは、電源端子POWに供給される電力で動作する。制御回路30Aは、電源端子POWに電力が供給されると起動する。
【0029】
制御回路30Aは、例えばマイクロコンピュータである。制御回路30Aとしてのマイクロコンピュータは、所定のプログラムを実行することによって制御回路30Aの機能を実現する。
【0030】
Pチャネル型MOSFET_Q1のゲート(制御入力端子)は、発光ダイオードD1のカソードとプルアップ抵抗R1の片方の端子(第2端子)とNチャネル型MOSFET_Q2のソース(第1端子)とに接続されている。
【0031】
発光ダイオードD1は、電源BTのプラス端子とPチャネル型MOSFET_Q1のゲートとの間に順方向に接続されている。つまり、発光ダイオードD1のアノードが電源BTのプラス端子に接続され、発光ダイオードD1のカソードがPチャネル型MOSFET_Q1のゲートに接続されている。
【0032】
プルアップ抵抗R1は、電源BTのプラス端子とPチャネル型MOSFET_Q1のゲートとの間に、発光ダイオードD1に並列に接続されている。つまり、プルアップ抵抗R1の一方の端子(第1端子)が電源BTのプラス端子と発光ダイオードD1のアノードとに接続され、プルアップ抵抗R1のもう一方の端子(第2端子)がPチャネル型MOSFET_Q1のゲートと発光ダイオードD1のカソードとに接続されている。
【0033】
Nチャネル型MOSFET_Q2のドレイン(第1端子)は、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートと発光ダイオードD1のカソードとプルアップ抵抗R1の片方の端子(第2端子)とに接続されている。
【0034】
Nチャネル型MOSFET_Q2のソース(第2端子)は、電子装置1のグランド端子GNDに接続されている。したがって、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースには、電源BTのマイナスの電源電圧(負電源電圧(0V))と同じ電圧が印加される。
【0035】
Nチャネル型MOSFET_Q2のゲート(制御入力端子)は、制御回路30Aの出力端子OUTに接続されている。制御回路30Aは、外部制御信号FBを出力端子OUTから出力する。したがって、制御回路30Aの出力端子OUTから出力される外部制御信号FBは、Nチャネル型MOSFET_Q2のゲートに入力される。これにより、外部制御信号FBは、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間のオンオフを制御する信号である。
【0036】
Pチャネル型MOSFET_Q1は、ソースに印加される電源BTのプラスの電源電圧(以下、単に電源電圧と称する)に対して所定の閾値電圧VTH1を超えるマイナスの電圧(負電圧)がゲートに印加された場合にソースとドレイン間を導通させる(導通状態)。一方、Pチャネル型MOSFET_Q1は、ソースに印加される電源電圧に対してゲートに印加される負電圧が閾値電圧VTH1を超えない場合にソースとドレイン間を非導通させる(非導通状態)。
【0037】
Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が導通状態である場合には電源BTから制御回路30Aへ電力が供給される。一方、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が非導通状態である場合には電源BTから制御回路30Aへ電力が供給されない。
【0038】
Nチャネル型MOSFET_Q2は、ソースに印加される電圧に対して所定の閾値電圧VTH2を超えるプラスの電圧(正電圧)がゲートに印加された場合にソースとドレイン間を導通させる(導通状態)。一方、Nチャネル型MOSFET_Q2は、ソースに印加される電圧に対してゲートに印加される正電圧が閾値電圧VTH2を超えない場合にソースとドレイン間を非導通させる(非導通状態)。
【0039】
Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が導通状態である場合にはPチャネル型MOSFET_Q1のゲートに負電源電圧が印加される。負電源電圧は、電源電圧に対して閾値電圧VTH1を超える負電圧である。これにより、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が導通状態である場合には、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が導通状態になる。
【0040】
Nチャネル型MOSFET_Q2は外部制御信号FBによってソースとドレイン間のオンオフが制御されるので、外部制御信号FBによってPチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間を導通状態にすることができる。具体的には、制御回路30Aが外部制御信号FBを電源電圧のレベル(ハイレベル(Hレベル))で出力すれば、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間を導通状態にしてPチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間を導通状態にすることができる。一方、制御回路30Aが外部制御信号FBを電源BTの負電源電圧のレベル(ローレベル(Lレベル))で出力すれば、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間を非導通状態にすることができる。
【0041】
発光ダイオードD1は、光の照射によって発生する光起電力により、電源電圧に対して閾値電圧VTH1を超える負電圧をPチャネル型MOSFET_Q1のゲートに印加させる。
【0042】
Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が非導通状態である場合において発光ダイオードD1に光が照射されていないときは、発光ダイオードD1の光起電力が発生せず、発光ダイオードD1に並列に接続されているプルアップ抵抗R1によりPチャネル型MOSFET_Q1のゲートに電源電圧が印加される。したがって、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が非導通状態である場合において発光ダイオードD1に光が照射されていないときは、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1の条件が満たされないので、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が非導通状態であり、よって電源BTから制御回路30Aへ電力が供給されない。このとき電源BTから流れる電流は、Pチャネル型MOSFET_Q1とNチャネル型MOSFET_Q2のオフ時(非導通状態)のリーク電流のみであり、非常に小さい待機電流を実現することができる。
【0043】
発光ダイオードD1に光が照射されている場合、発光ダイオードD1のカソードに対してアノードに高い電圧が生じる(いわゆる光起電力が発生する)。これにより、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が非導通状態である場合において発光ダイオードD1に光が照射されているときは、発光ダイオードD1の光起電力により、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートには、ソースに印加される電源電圧よりも当該光起電力の分だけ低い電圧が印加される。
【0044】
このとき、プルアップ抵抗R1の両端に電位差が生じるのでプルアップ抵抗R1に電流が流れるが、プルアップ抵抗R1の抵抗値を十分に大きい値にしておけば、プルアップ抵抗R1に流れる電流は発光ダイオードD1の発電電流に比べて十分に少なくすることができるので、プルアップ抵抗R1に流れる電流の影響を無視することができる。発光ダイオードD1の発電電流は一般的に数十マイクロアンペア(μA)から数百μAまでであるので、プルアップ抵抗R1の抵抗値を100キロオーム(kΩ)以上にすることが好ましい。
【0045】
Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が非導通状態である場合において、光の照射によって発生する発光ダイオードD1の光起電力により、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートに対して、ソースに印加される電源電圧よりも閾値電圧VTH1を超える負電圧が印加されれば、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が導通状態になって電源BTから制御回路30Aへ電力が供給される。このとき、発光ダイオードD1への光の照射がなくなると、発光ダイオードD1の光起電力がなくなってPチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1の条件が満たされなくなるので、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が非導通状態になって電源BTから制御回路30Aへ電力が供給されなくなる。
【0046】
図2の電子回路10において、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1の条件は、ソースに印加される電源電圧に対して、ゲートに印加される電圧が閾値電圧VTH1を超える負電圧である。このため、電源電圧が何らかの原因で低下しても、発光ダイオードD1の光起電力によってゲートに印加される電圧は「(電源電圧)-(光起電力分の電圧)」であるので電源電圧の低下分下がるが、閾値電圧VTH1の条件の基準電圧であるソースに印加される電源電圧自体が等しく低下するので、電源電圧の低下は閾値電圧VTH1の条件に影響しない。この点は、電源電圧が何らかの原因で上昇する場合も同様である。したがって、図2の電子回路10によれば、電源電圧の変動に対してPチャネル型MOSFET_Q1は、電源電圧の変動の影響を受けることなく、安定したスイッチ動作を行うことができる。これは、一般的な固定の閾値を用いる電圧検出回路と比較してMOSFETの有利な点であり、簡易な構成にするためにもMOSFETを用いて電圧検出機能を実現することは好ましい。
【0047】
図2の電子回路10によれば、外部制御信号FBがLレベルである場合、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が非導通状態であるので、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間の導通の有無を切り替えることができる。したがって、外部制御信号FBがLレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給の有無を切り替えることができる。なお、制御回路30Aが非起動状態である場合に外部制御信号FBがLレベルになるように制御回路30Aを構成しておく。
【0048】
一方、外部制御信号FBがHレベルである場合、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が導通状態であるので、発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なく、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間を導通状態に固定することができる。
【0049】
したがって、制御回路30Aが非起動状態である時に発光ダイオードD1に光を照射することによりPチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間を導通状態にして制御回路30Aへの電源BTからの電力供給を開始し、制御回路30Aが起動後に外部制御信号FBをLレベルからHレベルに変えることによりPチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間の導通状態を固定化して制御回路30Aへの電源BTからの電力供給を継続することができる。
【0050】
さらには、その後、発光ダイオードD1への光の照射がない状態において、制御回路30Aが外部制御信号FBをHレベルからLレベルに変えることにより、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間を非導通状態に切り替えて制御回路30Aへの電源BTからの電力供給を停止させることができる。
【0051】
また、制御回路30Aは起動してから所定の待機時間が経過した後に外部制御信号FBをLレベルからHレベルに変えてもよい。これは、ノイズや発光ダイオードD1への意図しない光の照射による電源オンオフ制御の誤動作の影響を抑制する効果を奏する。この点について説明する。ノイズや発光ダイオードD1への意図しない光の照射によってPチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が導通状態になり、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が開始されて制御回路30Aが起動しても、当該待機時間により直ぐには外部制御信号FBがLレベルからHレベルに変わらない。ここで、ノイズや発光ダイオードD1への意図しない光の照射ではPチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間の導通状態(つまり、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給)は長続きしないと考えられる。したがって、ノイズや発光ダイオードD1への意図しない光の照射では、たとえ制御回路30Aが起動したとしても、制御回路30Aが起動してから所定の待機時間が経過するまで制御回路30Aが動作し続けられず、よって制御回路30Aは外部制御信号FBをLレベルからHレベルに変えられない。これにより、ノイズや発光ダイオードD1への意図しない光の照射によって制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が誤開始されたとしても、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給は継続されないので、電源BTの消耗を抑制することができる。
【0052】
また、制御回路30Aは、自己の内部状態に応じて外部制御信号FBを制御してもよい。例えば、制御回路30Aが起動後に規定の動作を行うことができない場合は、制御回路30Aは外部制御信号FBをLレベルのまま維持する。これにより、発光ダイオードD1への光の照射がなくなれば、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が停止されるので、制御回路30Aが規定の動作を行うことができない状態で動作し続けることを防ぐことができる。
【0053】
発光ダイオードD1は、赤色の発光ダイオード(赤色LED)又は赤外線の発光ダイオード(赤外線LED)を用いてもよい。赤色LED又は赤外線LEDを発光ダイオードD1に用いる場合、発光ダイオードD1に照射する光の波長は840ナノメートル(nm)から950nmであることが好ましい。これは、光を発生する光照射側の赤外線LEDは大出力のものが入手しやすいので、十分に強い赤外線を発生させることが容易であるからである。
【0054】
大出力の赤外線LEDによって十分に強い赤外線を発生させて発光ダイオードD1(赤色LED又は赤外線LED)に照射することにより、光照射側の赤外線LEDと発光ダイオードD1間の距離がある程度離れていても、発光ダイオードD1の光起電力を十分に発生させることができる。さらに、そのような強い赤外線であっても不可視光であるので、ユーザに違和感を与えることがない。また、強い赤外線を用いることにより発光ダイオードD1の光起電力を十分に発生させることができるので、ノイズによる誤動作を防ぐ効果が得られる。
【0055】
また、電源BTが例えば酸化銀電池(公称電圧は1.55V)や空気亜鉛電池(公称電圧は1.4V)である場合、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1及びNチャネル型MOSFET_Q2の閾値電圧VTH2は、0.5Vから1.3Vくらいまでが好ましい。
【0056】
図2の電子回路10の具体例として、電源BTは酸化銀電池(電源電圧は1.55V)であり、プルアップ抵抗R1の抵抗値は1メガオーム(MΩ)であり、発光ダイオードD1は赤色LED(VFは1.85V)であり、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1は0.9V(max値)であり、Nチャネル型MOSFET_Q2の閾値電圧VTH2は0.9V(max値)である。
【0057】
次に図3を参照して図2の電子回路10の動作を説明する。図3は、第1実施形態に係る電子回路10の動作例を示すフローチャートである。
【0058】
以下、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が導通状態になることをPチャネル型MOSFET_Q1がオンすると称したり、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が導通状態であることをPチャネル型MOSFET_Q1がオンであると称したり、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が非導通状態になることをPチャネル型MOSFET_Q1がオフすると称したり、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースとドレイン間が非導通状態であることをPチャネル型MOSFET_Q1がオフであると称したりする場合がある。Nチャネル型MOSFET_Q2についても同様に称する場合がある。
【0059】
また、Pチャネル型MOSFET_Q1のソースに印加される電圧をソース電圧と称したり、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートに印加される電圧をゲート電圧と称したりする場合がある。Nチャネル型MOSFET_Q2についても同様に称する場合がある。
【0060】
初期状態において、電子回路10は、Pチャネル型MOSFET_Q1がオフであり、外部制御信号FBがLレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオフである。したがって、初期状態において、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給はない。
【0061】
(ステップS1)初期状態において、Pチャネル型MOSFET_Q1及びNチャネル型MOSFET_Q2はオフである。
【0062】
(ステップS2)発光ダイオードD1に光が照射されることによりPチャネル型MOSFET_Q1のゲート電圧がソース電圧に対して閾値電圧VTH1を超える負電圧である場合(閾値電圧VTH1の条件を満たす場合であり、ステップS2の判定結果「YES」)、ステップS3に進む。一方、閾値電圧VTH1の条件を満たさない場合(ステップS2の判定結果「NO」)、ステップS1に戻る。
【0063】
(ステップS3)閾値電圧VTH1の条件を満たすので、Pチャネル型MOSFET_Q1がオンする。これにより、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が開始される。制御回路30Aは、電源BTからの電力供給により起動する。
【0064】
(ステップS4)制御回路30Aが起動後に外部制御信号FBをHレベルで出力した場合(ステップS4、YES)、ステップS5へ進む。一方、制御回路30Aから出力される外部制御信号FBがLレベルである場合(ステップS4、NO)、ステップS7へ進む。
【0065】
(ステップS5)外部制御信号FBがHレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオンする。
【0066】
(ステップS6)Nチャネル型MOSFET_Q2がオンすることにより、閾値電圧VTH1の条件が満たされるので、Pチャネル型MOSFET_Q1がオンし続ける。外部制御信号FBがHレベルである場合、Nチャネル型MOSFET_Q2がオンであるので、発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なく、Pチャネル型MOSFET_Q1がオンである。したがって、外部制御信号FBがHレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なく、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が行われる。
【0067】
(ステップS7)外部制御信号FBがLレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオフである。例えば、制御回路30Aが起動後に外部制御信号FBをHレベルにし、その後、所定の電源供給停止条件が満たされた場合に、制御回路30Aが外部制御信号FBをHレベルからLレベルに切り替える。これにより、Nチャネル型MOSFET_Q2がオンからオフに切り替わり、このとき発光ダイオードD1に光が照射されていなければPチャネル型MOSFET_Q1ががオンからオフに切り替わり、よって制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が停止する。
ステップS7の後、ステップS2へ戻る。
【0068】
上述した第1実施形態の電子回路10によれば、制御回路30Aへの電源BTからの電源供給の有無を切り替える回路であるPチャネル型MOSFET_Q1のゲートへの入力回路を負論理で構成することができるので、当該入力回路の多様化(例えば複数のオープンコレクタ信号による論理和制御など)が容易である。これにより、例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0069】
[第2実施形態]
第2実施形態は上述した第1実施形態の変形例である。図4は、第2実施形態に係る電子装置1の具体的な構成例を示す図である。図4には、第2実施形態に係る電子回路10Aの具体的な回路構成例が示されている。図4において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0070】
図4の電子回路10Aにおいて上述した図2の電子回路10と異なる点は、図2の電子回路10に備わるPチャネル型MOSFET_Q1の代わりに、スイッチIC(Integrated Circuit)_SWを用いる点である。この点以外は、図4の電子回路10Aは図2の電子回路10と同様である。
【0071】
スイッチIC_SWは、入力端子INと、出力端子OUTと、制御入力端子CTLとを備える。スイッチIC_SWは、制御入力端子CTLに印加される電圧がLレベルである場合に入力端子INと出力端子OUT間を導通させる(導通状態)。一方、スイッチIC_SWは、制御入力端子CTLに印加される電圧がHレベルである場合に入力端子INと出力端子OUT間を非導通させる(非導通状態)。
【0072】
図4の電子回路10Aにおいても、上述した図2の電子回路10と同様に、外部制御信号FBがLレベルである場合には、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が非導通状態であるので、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、スイッチIC_SWの入力端子INと出力端子OUT間の導通の有無を切り替えることができる。したがって、外部制御信号FBがLレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給の有無を切り替えることができる。なお、制御回路30Aが非起動状態である場合に外部制御信号FBがLレベルになるように制御回路30Aを構成しておく。
【0073】
また、外部制御信号FBがHレベルである場合には、Nチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間が導通状態であるので、発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なく、スイッチIC_SWの入力端子INと出力端子OUT間を導通状態に固定することができる。したがって、外部制御信号FBがHレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なく、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給を継続することができる。
【0074】
上述した第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御の向上を図ることができる。
【0075】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態に係る電子装置1の具体的な構成例を示す図である。図5には、第3実施形態に係る電子回路10Bの具体的な回路構成例が示されている。図5において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0076】
図5の電子回路10Bにおいて上述した図2の電子回路10と異なる点は、図2の電子回路10に対してさらにPチャネル型MOSFET_Q3(第3スイッチ)と分圧抵抗R2とが追加された点である。
【0077】
Pチャネル型MOSFET_Q3のソース(第1端子)は、電源BTのプラス端子と発光ダイオードD1のアノードとプルアップ抵抗R1の片方の端子(第1端子)とPチャネル型MOSFET_Q1のソースとに接続されている。したがって、発光ダイオードD1は、電源BTのプラス端子とPチャネル型MOSFET_Q1のゲートとの間に順方向に接続されると共に、電源BTのプラス端子とPチャネル型MOSFET_Q3のゲートとの間に順方向に接続されている。
【0078】
Pチャネル型MOSFET_Q3は、ソースに印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧VTH3を超える負電圧がゲートに印加された場合にソースとドレイン間を導通させる(導通状態)。一方、Pチャネル型MOSFET_Q3は、ソースに印加される電源電圧に対してゲートに印加される負電圧が閾値電圧VTH3を超えない場合にソースとドレイン間を非導通させる(非導通状態)。
【0079】
Pチャネル型MOSFET_Q3のソースとドレイン間が導通状態である場合には出力端子OUTPUTに電源電圧が出力される。一方、Pチャネル型MOSFET_Q3のソースとドレイン間が非導通状態である場合には出力端子OUTPUTに電源電圧が出力されない。
【0080】
以下、Pチャネル型MOSFET_Q3のソースとドレイン間が導通状態になることをPチャネル型MOSFET_Q3がオンすると称したり、Pチャネル型MOSFET_Q3のソースとドレイン間が導通状態であることをPチャネル型MOSFET_Q3がオンであると称したり、Pチャネル型MOSFET_Q3のソースとドレイン間が非導通状態になることをPチャネル型MOSFET_Q3がオフすると称したり、Pチャネル型MOSFET_Q3のソースとドレイン間が非導通状態であることをPチャネル型MOSFET_Q3がオフであると称したりする場合がある。
【0081】
また、Pチャネル型MOSFET_Q3のソースに印加される電圧をソース電圧と称したり、Pチャネル型MOSFET_Q3のゲートに印加される電圧をゲート電圧と称したりする場合がある。
【0082】
分圧抵抗R2は、発光ダイオードD1のカソードと、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートとの間にプルアップ抵抗R1に直列に接続されている。
【0083】
図5の電子回路10Bでは、分圧抵抗R2によって、Nチャネル型MOSFET_Q2がオンしてもその影響がPチャネル型MOSFET_Q3に及ばない。この点について以下に説明する。
【0084】
初期状態において、電子回路10Bは、Pチャネル型MOSFET_Q1,Q3がオフであり、また、外部制御信号FBがLレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオフである。このとき、発光ダイオードD1に光が照射されると、発光ダイオードD1が発生する光起電力によってPチャネル型MOSFET_Q1のゲート電圧が下がる。
【0085】
ここで、発光ダイオードD1のカソードとPチャネル型MOSFET_Q1のゲート間の分圧抵抗R2により幾らか電圧降下が生じるが、分圧抵抗R2に流れる電流はPチャネル型MOSFET_Q1のゲートやNチャネル型MOSFET_Q2のソースとドレイン間に流れるリーク電流のみであるので、その電圧降下は非常に小さい。これにより、発光ダイオードD1によってPチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1よりも十分に高い光起電力が発生すれば、Pチャネル型MOSFET_Q1がオンする。
【0086】
したがって、外部制御信号FBがLレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、Pチャネル型MOSFET_Q1のオンオフを切り替えることができる。Pチャネル型MOSFET_Q1がオンである場合には、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が行われる。一方、Pチャネル型MOSFET_Q1がオフである場合には、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給が行われない。
【0087】
次いで、外部制御信号FBがHレベルになると、Nチャネル型MOSFET_Q2がオンすることにより、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートに負電源電圧が印加される。負電源電圧は、電源電圧に対して閾値電圧VTH1を超える負電圧である。これにより、閾値電圧VTH1の条件が満たされるので、外部制御信号FBがHレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なく、Pチャネル型MOSFET_Q1がオンし続ける。
【0088】
このとき、外部制御信号FBがHレベルになってNチャネル型MOSFET_Q2がオンすることによりPチャネル型MOSFET_Q1のゲート電圧が下がっても、分圧抵抗R2があるために、Pチャネル型MOSFET_Q3のゲート電圧はほぼ電源電圧のままである。このPチャネル型MOSFET_Q3のゲート電圧は、プルアップ抵抗R1と分圧抵抗R2との抵抗値の比(分圧比)によって決まる。プルアップ抵抗R1と分圧抵抗R2との抵抗値の関係(分圧比)は、Nチャネル型MOSFET_Q2がオンである場合に、電源電圧に対してPチャネル型MOSFET_Q3の閾値電圧VTH3を超える負電圧をPチャネル型MOSFET_Q3のゲートに印加させない。
【0089】
例えば、プルアップ抵抗R1の抵抗値が1MΩであり、且つ分圧抵抗R2の抵抗値が10MΩである場合、Pチャネル型MOSFET_Q3のゲート電圧は、電源電圧の10/11の電圧(電源電圧の約0.91倍の電圧)である。具体例としてPチャネル型MOSFET_Q3の閾値電圧VTH3「0.9V(max値)」であり、且つ電源BTである酸化銀電池の電源電圧「1.55V」であるので、そのゲート電圧「0.91×1.55=1.41」は、Pチャネル型MOSFET_Q3がオンするための閾値電圧VTH3の条件を満たさない。これにより、外部制御信号FBがHレベルである場合には、Pチャネル型MOSFET_Q3は、発光ダイオードD1への光の照射がないときはオフであり、一方、発光ダイオードD1への光の照射があるときは発光ダイオードD1の光起電力により閾値電圧VTH3の条件が満たされてオンする。
【0090】
したがって、外部制御信号FBがHレベルである場合には、Pチャネル型MOSFET_Q1が発光ダイオードD1への光の照射の有無に関係なくオンし続ける一方、Pチャネル型MOSFET_Q3については、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、オンオフを切り替えることができる。Pチャネル型MOSFET_Q3がオンである場合には出力端子OUTPUTに電源電圧が出力される。一方、Pチャネル型MOSFET_Q3がオフである場合には出力端子OUTPUTに電源電圧が出力されない。
【0091】
上述したように図5の電子回路10Bによれば、外部制御信号FBがLレベルである場合には発光ダイオードD1への光の照射の有無によってPチャネル型MOSFET_Q1のオンオフを切り替えるスイッチ機能が実現される。このスイッチ機能により、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給のオンオフを切り替えることができる。
【0092】
一方、外部制御信号FBがHレベルである場合には、Pチャネル型MOSFET_Q1をオンに保ちながら、別個に、発光ダイオードD1への光の照射の有無によってPチャネル型MOSFET_Q3のオンオフを切り替えるスイッチ機能が実現される。このスイッチ機能により、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、出力端子OUTPUTへの出力を切り替えることができる。
【0093】
上述したように図5の電子回路10Bによれば、1個の発光ダイオードD1によって、Pチャネル型MOSFET_Q1によるスイッチ機能とPチャネル型MOSFET_Q3によるスイッチ機能とをそれぞれ実現することができる。
【0094】
ここで、出力端子OUTPUTの利用方法の例を挙げる。
【0095】
(出力端子OUTPUTの利用方法の例1)
マイクロコンピュータ等の制御回路30Aに出力端子OUTPUTを接続することによって、制御回路30Aが発光ダイオードD1への光の照射の有無を検出することができる。これにより、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、制御回路30Aが所定の処理を実行するか否かを制御することができる。
【0096】
(出力端子OUTPUTの利用方法の例2)
無線通信装置に電子装置1を適用する。無線通信装置は、出力端子OUTPUTによって発光ダイオードD1への光の照射の有無を検出することができる。これにより、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、無線通信装置が所定の処理を実行するか否かを制御することができる。例えば、発光ダイオードD1への光の照射の有無によって、無線通信装置が電波を発信するか否かを制御することができる。
【0097】
(出力端子OUTPUTの利用方法の例3)
発光ダイオードD1へ照射する光としてパルス状の光(パルス光)を用いる。電子回路10Bによれば、発光ダイオードD1に射される光がパルス光であっても、出力端子OUTPUTの出力を十分な応答速度でパルス光に追従させることができる。これにより、例えば強度変調されたパルス光を発光ダイオードD1に照射することによって、所定の命令や識別子(ID)等の情報を出力端子OUTPUTを介して所定の装置へ伝達するという、光通信機能を実現することができる。例えば、特定の変調信号を用いて強度変調されたパルス光を発光ダイオードD1に照射することによって、電子装置1の工場出荷時のテストを行う命令を与える等の活用が挙げられる。
【0098】
以上が出力端子OUTPUTの利用方法の例の説明である。
【0099】
なお、電源BTが例えば酸化銀電池や空気亜鉛電池である場合、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1、Nチャネル型MOSFET_Q2の閾値電圧VTH2及びPチャネル型MOSFET_Q3の閾値電圧VTH3は、0.5Vから1.3Vくらいまでが好ましい。
【0100】
図5の電子回路10Bの具体例として、電源BTは酸化銀電池(電源電圧は1.55V)であり、プルアップ抵抗R1の抵抗値は1MΩであり、分圧抵抗R2の抵抗値は10MΩであり、発光ダイオードD1は赤色LED(VFは1.85V)であり、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1は0.9V(max値)であり、Nチャネル型MOSFET_Q2の閾値電圧VTH2は0.9V(max値)であり、Pチャネル型MOSFET_Q3の閾値電圧VTH3は0.9V(max値)である。
なお、各閾値電圧VTH1,VTH2,VTH3は異なっていてもよい。例えば、Pチャネル型MOSFET_Q3の閾値電圧VTH3は、Pチャネル型MOSFET_Q1の閾値電圧VTH1よりも低くてもよい。閾値電圧VTH3が閾値電圧VTH1よりも低い場合、分圧抵抗R2による電圧降下分をキャンセルすることができるので、発光ダイオードD1への光の照射が弱くてもPチャネル型MOSFET_Q3をオンさせることができる。
【0101】
次に図6を参照して図5の電子回路10Bの動作を説明する。図6は、第3実施形態に係る電子回路10Bの動作例を示すフローチャートである。
【0102】
初期状態において、電子回路10Bは、Pチャネル型MOSFET_Q1,Q3がオフであり、外部制御信号FBがLレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオフである。したがって、初期状態において、制御回路30Aへの電源BTからの電力供給はない。なお、出力端子OUTPUTの出力は、Pチャネル型MOSFET_Q3がオフである場合にLレベルであり、一方、Pチャネル型MOSFET_Q3がオンである場合にHレベルである。
【0103】
ここでは、Pチャネル型MOSFET_Q3に係る動作を主に説明する。Pチャネル型MOSFET_Q1及びNチャネル型MOSFET_Q2に係る動作は、上述した図3のフローチャートによる第1実施形態と同様である。
【0104】
(ステップS11)初期状態において、Pチャネル型MOSFET_Q3はオフである。
【0105】
(ステップS12)制御回路30Aが起動後に外部制御信号FBをHレベルで出力した場合(ステップS12、YES)、ステップS13へ進む。一方、制御回路30Aから出力される外部制御信号FBがLレベルである場合(ステップS12、NO)、ステップS16へ進む。
【0106】
(ステップS13)外部制御信号FBがHレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオンする。ここで、Nチャネル型MOSFET_Q2がオンするが、Pチャネル型MOSFET_Q3のゲート電圧はほぼ電源電圧のままであるので、Pチャネル型MOSFET_Q3はオフである。
【0107】
(ステップS14)発光ダイオードD1に光が照射されることによりPチャネル型MOSFET_Q3のゲート電圧がソース電圧に対して閾値電圧VTH3を超える負電圧である場合(閾値電圧VTH3の条件を満たす場合であり、ステップS14の判定結果「YES」)、ステップS15に進む。一方、閾値電圧VTH3の条件を満たさない場合(ステップS14の判定結果「NO」)、ステップS11に戻る。
【0108】
(ステップS15)閾値電圧VTH3の条件を満たすので、Pチャネル型MOSFET_Q3がオンする。これにより、出力端子OUTPUTの出力がLレベルからHレベルに変わる。この後、ステップS12に戻る。
【0109】
(ステップS16)外部制御信号FBがLレベルであるのでNチャネル型MOSFET_Q2がオフである。この後、ステップS11へ戻る。
【0110】
上述したように第3実施形態によれば、例えば発光ダイオード等の光起電力素子が光の照射によって発生する光起電力を利用する電源オンオフ制御の向上を図ることができる。さらに、当該光の照射によって、Pチャネル型MOSFET_Q3による、電源オンオフ制御以外の他の制御を実現することができる。
【0111】
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態に係る電子装置1の具体的な構成例を示す図である。図7には、第4実施形態に係る電子回路10Cの具体的な回路構成例が示されている。図7において、図2の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0112】
図7の電子回路10Cにおいて上述した図2の電子回路10と異なる点は、図2の電子回路10からNチャネル型MOSFET_Q2とプルアップ抵抗R1とが削除された点である。
【0113】
Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートには、n個(nは1以上の整数)の入力回路50-1~nの出力信号が接続される。これら入力回路50-1~nは負論理で構成される。入力回路50-1~nは、負荷回路30への電源BTからの電源供給ありにする場合に出力信号がLレベルになる任意の回路構成であってよい。入力回路50-1~nの出力信号がPチャネル型MOSFET_Q1のゲートに接続されることにより、Pチャネル型MOSFET_Q1を論理和により制御することができる。つまり、Pチャネル型MOSFET_Q1のゲートがLレベルになればPチャネル型MOSFET_Q1がオンするので、入力回路50-1~nの出力信号のうちいずれか1つの出力信号がLレベルになれば、Pチャネル型MOSFET_Q1がオンする。
【0114】
図7の電子回路10Cによれば、入力回路50-1~nの出力信号の全てがHレベルである場合には、発光ダイオードD1への光の照射の有無によりPチャネル型MOSFET_Q1のオンオフを切り替えることができる。一方、入力回路50-1~nの出力信号のいずれかがLレベルになれば、発光ダイオードD1への光の照射の有無にかかわらず、Pチャネル型MOSFET_Q1をオンすることができる。したがって、図7の電子回路10Cによれば、負荷回路30への電源BTからの電源供給の有無を、発光ダイオードD1への光の照射の有無で切り替えたり、入力回路50-1~nの出力信号で切り替えたりすることができる。
【0115】
なお、図8の電子回路10Dに示されるように、図7の電子回路10Cにおいて、プルアップ抵抗R1がさらに設けられてもよい。図8の電子回路10Dにおいても、図7の電子回路10Cと同様に、負荷回路30への電源BTからの電源供給の有無を、発光ダイオードD1への光の照射の有無で切り替えたり、入力回路50-1~nの出力信号で切り替えたりすることができる。
【0116】
また、図7及び図8では、入力回路50-1~nを設けたが、入力回路50-1~nを設けずに、発光ダイオードD1への光の照射の有無のみでPチャネル型MOSFET_Q1のオンオフを切り替えるようにしてもよい。これにより、負荷回路30への電源BTからの電源供給の有無を、発光ダイオードD1への光の照射の有無のみで切り替えることができる。
【0117】
上述した各実施形態は、各種の応用が可能である。例えば、封止された状態で液体中で使用されるデバイスに電子装置1を適用することにより、発光ダイオードD1への光の照射によって非接触で当該デバイスを起動させることができる。当該デバイスとして、例えば水質調査に使用されるデバイスや小型のカメラデバイス等が挙げられる。なお、液体として、例えば水や電解液や体液等が挙げられる。
【0118】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…電子装置、10,10A,10B,10C,10D…電子回路、BT…電源、30…負荷回路、Q1,Q3…Pチャネル型MOSFET、Q2…Nチャネル型MOSFET、D1…発光ダイオード、R1…プルアップ抵抗、R2…分圧抵抗、SW…スイッチIC、30A…制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第1スイッチと、
前記電源と前記第1スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続され、光の照射によって発生する光起電力により、前記電源電圧に対して前記第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧を前記第1スイッチの制御入力端子に印加させる光起電力素子と、
前記電源と前記第1スイッチの制御入力端子との間に前記光起電力素子に並列に接続されるプルアップ抵抗と、
を備える電子回路であって、
前記第1スイッチの制御入力端子に接続される第1端子と、前記電源電圧に対して前記第1スイッチの閾値電圧を超える負電圧が印加される第2端子と、前記電子回路の外部から入力される外部制御信号が接続される制御入力端子とを備えるスイッチであって、前記外部制御信号に従って自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第2スイッチ、
をさらに備える電子回路。
【請求項2】
前記第1スイッチはPチャネル型MOSFETであり、
前記第1スイッチの第1端子はPチャネル型MOSFETのソースであり、
前記第1スイッチの第2端子はPチャネル型MOSFETのドレインであり、
前記第1スイッチの制御入力端子はPチャネル型MOSFETのゲートである、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項3】
前記第2スイッチはNチャネル型MOSFETであり、
前記第2スイッチの第1端子はNチャネル型MOSFETのドレインであり、
前記第2スイッチの第2端子はNチャネル型MOSFETのソースであり、
前記第2スイッチの制御入力端子はNチャネル型MOSFETのゲートである、
請求項に記載の電子回路。
【請求項4】
前記第2スイッチの第2端子は前記電源の負電源電圧が印加される、
請求項に記載の電子回路。
【請求項5】
前記電源が接続される第1端子と、第2端子と、制御入力端子とを備えるスイッチであって、自スイッチの第1端子に印加される電源電圧に対して所定の閾値電圧を超える負電圧が自スイッチの制御入力端子に印加された場合に自スイッチの第1端子と自スイッチの第2端子とを導通させる第3スイッチをさらに備え、
前記光起電力素子は、さらに、前記電源と前記第3スイッチの制御入力端子との間に順方向に接続される、
請求項に記載の電子回路。
【請求項6】
前記光起電力素子のカソードと、前記第1スイッチの制御入力端子との間に前記プルアップ抵抗に直列に接続される分圧抵抗をさらに備え、
前記プルアップ抵抗と前記分圧抵抗との抵抗値の関係は、前記第2スイッチの第1端子と第2端子とが導通である場合に、前記電源電圧に対して前記第3スイッチの閾値電圧を超える負電圧を前記第3スイッチの制御入力端子に印加させない、
請求項に記載の電子回路。
【請求項7】
前記第3スイッチはPチャネル型MOSFETであり、
前記第3スイッチの第1端子はPチャネル型MOSFETのソースであり、
前記第3スイッチの第2端子はPチャネル型MOSFETのドレインであり、
前記第3スイッチの制御入力端子はPチャネル型MOSFETのゲートである、
請求項に記載の電子回路。
【請求項8】
前記光起電力素子は、赤色の発光ダイオード又は赤外線の発光ダイオードである、
請求項1に記載の電子回路。
【請求項9】
請求項に記載の電子回路と、
電源と、
前記第1スイッチの第2端子から前記電源の電力の供給を受ける制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記第2スイッチの制御入力端子に接続される外部制御信号を出力する、
電子装置。
【請求項10】
前記制御回路が起動してから所定の時間が経過した場合に、前記制御回路が前記外部制御信号を出力する、
請求項に記載の電子装置。