(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088925
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】粘着テープ貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
B65H35/07 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203973
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】504292842
【氏名又は名称】JPテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100138955
【弁理士】
【氏名又は名称】末次 渉
(72)【発明者】
【氏名】後藤 増美
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062BA08
3F062BC08
3F062BE02
3F062BF03
3F062BF33
3F062BF38
3F062BG02
3F062BG04
(57)【要約】
【課題】タクトタイムを短縮可能な粘着テープ貼付装置を提供する。
【解決手段】粘着テープ貼付装置1は、ロール状に巻き回された粘着面を有する粘着テープTAを回転可能に支持する粘着テープ支持部材20と、粘着テープTAが貼り付けられる被着体が保持される被着体保持部70と、粘着テープTAを被着体保持部70へ搬送する上流側テープ搬送装置30および下流側テープ搬送装置40と、粘着テープTAを所定長さに切断する切断装置60と、下流側テープ搬送装置40の下流側に配置され、切断された粘着テープTAを被着体に貼り付けるテープ貼付部50と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻き回された粘着面を有する粘着テープを回転可能に支持する粘着テープ支持部材と、
前記粘着テープが貼り付けられる被着体が保持される被着体保持部と、
前記粘着テープを前記被着体保持部へ搬送する上流側テープ搬送装置および下流側テープ搬送装置と、
前記粘着テープを所定長さに切断する切断装置と、
前記下流側テープ搬送装置の下流側に配置され、切断された前記粘着テープを前記被着体に貼り付けるテープ貼付部と、を備え、
前記上流側テープ搬送装置と前記下流側テープ搬送装置とが離間して直列に配置されており、前記切断装置は前記上流側テープ搬送装置と前記下流側テープ搬送装置との間にて前記粘着テープを所定長さに切断し、
前記下流側テープ搬送装置が搬送する切断された前記粘着テープを前記テープ貼付部が前記被着体に貼り付ける、
ことを特徴とする粘着テープ貼付装置。
【請求項2】
前記上流側テープ搬送装置および前記下流側テープ搬送装置はそれぞれ、
離間して配置され、周面に複数の溝を有する一対のテープ搬送ローラと、
一対の前記テープ搬送ローラの溝に掛け渡された複数のテープ搬送リングと、を備え、
一方の前記テープ搬送ローラが回転することによって、前記テープ搬送リングおよび他方の前記テープ搬送ローラが従動して回転し、前記粘着テープを前記テープ搬送リングに付着させて搬送する、
ことを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項3】
一対の前記テープ搬送ローラの間に、前記テープ搬送リングの撓みを抑制する受け板が設置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項4】
前記テープ貼付部は、
前記テープ搬送ローラよりも小径であり、周面に複数の溝を有するテープ剥離ローラと、
前記テープ剥離ローラおよび前記下流側テープ搬送装置の下流側に位置する前記テープ搬送ローラに掛け渡された複数のテープ剥離リングと、
前記テープ剥離リングに付着して搬送されて前記テープ剥離ローラから剥離される前記粘着テープを前記被着体に押圧して貼り付ける貼付ローラと、を備える、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の粘着テープ貼付装置。
【請求項5】
前記テープ剥離リングの撓みを抑制する受け板が設置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の粘着テープ貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープ貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の分野において、粘着テープを所定の長さにして種々の被着体に貼り付けることが行われている。例えば、ロール状に巻き回された粘着テープを繰り出し、所定の長さに切断して被着体に貼り付ける貼付装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、被着体への粘着テープの貼り付け動作の途中で一時停止し、粘着テープを所定の長さに切断した後、再度貼り付け動作を行っている。このため、タクトタイムが長くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タクトタイムを短縮可能な粘着テープ貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る粘着テープ貼付装置は、
ロール状に巻き回された粘着面を有する粘着テープを回転可能に支持する粘着テープ支持部材と、
前記粘着テープが貼り付けられる被着体が保持される被着体保持部と、
前記粘着テープを前記被着体保持部へ搬送する上流側テープ搬送装置および下流側テープ搬送装置と、
前記粘着テープを所定長さに切断する切断装置と、
前記下流側テープ搬送装置の下流側に配置され、切断された前記粘着テープを前記被着体に貼り付けるテープ貼付部と、を備え、
前記上流側テープ搬送装置と前記下流側テープ搬送装置とが離間して直列に配置されており、前記切断装置は前記上流側テープ搬送装置と前記下流側テープ搬送装置との間にて前記粘着テープを所定長さに切断し、
前記下流側テープ搬送装置が搬送する切断された前記粘着テープを前記テープ貼付部が前記被着体に貼り付ける、
ことを特徴とする。
【0007】
また、前記上流側テープ搬送装置および前記下流側テープ搬送装置はそれぞれ、
離間して配置され、周面に複数の溝を有する一対のテープ搬送ローラと、
一対の前記テープ搬送ローラの溝に掛け渡された複数のテープ搬送リングと、を備え、
一方の前記テープ搬送ローラが回転することによって、前記テープ搬送リングおよび他方の前記テープ搬送ローラが従動して回転し、前記粘着テープを前記テープ搬送リングに付着させて搬送することが好ましい。
【0008】
また、一対の前記テープ搬送ローラの間に、前記テープ搬送リングの撓みを抑制する受け板が設置されていることが好ましい。
【0009】
また、前記テープ貼付部は、
前記テープ搬送ローラよりも小径であり、周面に複数の溝を有するテープ剥離ローラと、
前記テープ剥離ローラおよび前記下流側テープ搬送装置の下流側に位置する前記テープ搬送ローラに掛け渡された複数のテープ剥離リングと、
前記テープ剥離リングに付着して搬送されて前記テープ剥離ローラから剥離される前記粘着テープを前記被着体に押圧して貼り付ける貼付ローラと、を備えることが好ましい。
【0010】
また、前記テープ剥離リングの撓みを抑制する受け板が設置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、タクトタイムを短縮可能な粘着テープ貼付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】粘着テープ貼付装置の概略構成を示す正面図である。
【
図2】粘着テープ貼付装置の概略構成を示す平面図である。
【
図3】上流側テープ搬送装置、下流側テープ搬送装置およびテープ貼付部を示す平面図であり、
図3(A)はテープ搬送リングおよびテープ剥離リングが巻き回された状態を示し、
図3(B)はテープ搬送リングおよびテープ剥離リングが巻き回されていない状態を示す。
【
図4】粘着テープ貼付装置の動作を示す正面図である。
【
図5】粘着テープ貼付装置の動作を示す正面図である。
【
図6】上流側テープ搬送装置の動作を示す正面図であり、
図6(A)は受け板がない状態を示し、
図6(B)は受け板を有する状態を示している。
【
図7】粘着テープ貼付装置の動作を示す正面図である。
【
図8】粘着テープ貼付装置の動作を示す正面図である。
【
図9】粘着テープ貼付装置の動作を示す正面図である。
【
図10】粘着テープ貼付装置の動作を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態に係る粘着テープ貼付装置は、粘着剤層を有する長尺な粘着テープを所定長さに切断し、被着体に貼り付ける装置である。用いられる粘着テープは、一方の面に粘着剤層を備える粘着テープのほか、両面に粘着剤層を備える両面テープであってもよい。両面テープである場合、被着体に貼り付けられる面の逆面には、セパレータが貼付されている状態で用いられる。また、粘着テープとして、粘着剤層の逆側の面に所定の文字、ロゴ、模様等が印刷されたラベル等であってもよい。
【0014】
粘着テープが貼り付けられる被着体は、特に制限されるものではなく、金属製品や樹脂製品、ゴム製品、ガラス板、基板等、種々の対象物が挙げられる。
【0015】
以下、図を参照しつつ、粘着テープ貼付装置について説明する。粘着テープ貼付装置1は、
図1、2に示すように、本体10、粘着テープ支持部材20、ガイドローラ21、ニップローラ22、上流側テープ搬送装置30、下流側テープ搬送装置40、テープ貼付部50、切断装置60、被着体保持部70および制御装置80を備える。
【0016】
本体10には、粘着テープ支持部材20、ガイドローラ21、ニップローラ22、上流側テープ搬送装置30、下流側テープ搬送装置40、テープ貼付部50、切断装置60が取り付けられている。本体10は移動スライダ11に支持されており、X方向への移動が可能である。
【0017】
粘着テープ支持部材20は、ロール状に巻き回されている粘着テープTAを支持している。粘着テープ支持部材20は、粘着テープTAが引き出されるよう回転可能に構成されている。粘着テープ支持部材20の回転は、粘着テープTAが引っ張られることで自由回転する構成でも、サーボモータ等の駆動源による回転であってもよい。
【0018】
上流側テープ搬送装置30は、一対のテープ搬送ローラ31a、31b、テープ搬送リング32、受け板33を備えている。
【0019】
図3(B)に示すように、一対のテープ搬送ローラ31a、31bの周面には全周に渡り、凹状の溝が複数形成されている。そして、
図3(A)に示すように、テープ搬送ローラ31a、31bの溝にテープ搬送リング32がそれぞれ掛け回されている。ここでは、テープ搬送ローラ31a、31bの周面にそれぞれ4本の溝が形成されており、4本のテープ搬送リング32が掛け回されている。なお、テープ搬送ローラ31a、31bをより長く設定し、溝およびテープ搬送リング32の数を更に増やすことで、より幅広の粘着テープTAにも対応可能である。その場合、下流側テープ搬送装置40のテープ搬送ローラ41a、41b、溝およびテープ搬送リング42、テープ貼付部50のテープ剥離ローラ51、溝およびテープ剥離リング52についても、同様に設定すればよい。
【0020】
テープ搬送リング32は、柔軟性を有するとともに、テープ搬送ローラ31a、31bの周面よりも難粘着性の素材で構成されている。例えば、テープ搬送リング32は、シリコーンゴム系、フッ素ゴム系などの樹脂から構成される。
【0021】
テープ搬送ローラ31bは、不図示のサーボモータ等の駆動源により、回転可能である。他方のテープ搬送ローラ31aは従動ローラである。駆動源により、テープ搬送ローラ31bが回転すると、掛け回されているテープ搬送リング32が回転するので、これに付随してテープ搬送ローラ31aも回転する構成である。
【0022】
受け板33は、テープ搬送リング32の上方側を下から支えている。受け板33は、粘着テープTAのテープ搬送ローラ31aからの剥離を促し、テープ搬送リング32による粘着テープTAの搬送をスムーズにする。
【0023】
下流側テープ搬送装置40は、一対のテープ搬送ローラ41a、41b、テープ搬送リング42、受け板43を備えている。
【0024】
図3(B)に示すように、一対のテープ搬送ローラ41a、41bの周面には全周に渡り、テープ搬送リング42用の凹状の溝が複数形成されている。そして、
図3(A)に示すように、テープ搬送ローラ41a、41bの溝にテープ搬送リング42がそれぞれ掛け回されている。ここでは、テープ搬送ローラ41a、41bの周面にそれぞれ4本のテープ搬送リング42用の溝が形成されており、4本のテープ搬送リング42が掛け回されている。また、テープ搬送ローラ41bには、テープ搬送リング42用の溝に加え、後述するテープ剥離リング52用の溝も複数形成されている。
【0025】
テープ搬送リング42は、柔軟性を有するとともに、テープ搬送ローラ41a、41bの周面よりも難粘着性の素材で構成されている。例えば、テープ搬送リング42は、シリコーンゴム系、フッ素ゴム系などの樹脂から構成される。
【0026】
テープ搬送ローラ41bは、不図示のサーボモータ等の駆動源により、回転可能である。他方のテープ搬送ローラ41aは従動ローラである。駆動源により、テープ搬送ローラ41bが回転すると、掛け回されているテープ搬送リング42が回転するので、これに付随してテープ搬送ローラ41aも回転する構成である。
【0027】
受け板43は、テープ搬送リング42の上方側を下から支えている。受け板43は、粘着テープTAのテープ搬送ローラ41aからの剥離を促し、テープ搬送リング42による粘着テープTAの搬送をスムーズにする。
【0028】
テープ貼付部50は、テープ剥離ローラ51、テープ剥離リング52、受け板53、貼付ローラ54を備える。
【0029】
テープ剥離ローラ51は、下流側テープ搬送装置40の延長線上に、且つ、テープ搬送ローラ41bと離間して平行に配置されている。テープ剥離ローラ51は従動ローラである。
【0030】
図3(B)に示すように、テープ剥離ローラ51の周面には、全周に渡り、複数本の凹状の溝が形成されている。また、上述したように、テープ搬送ローラ41bにも同様に複数本の凹状の溝が形成されている。そして、
図3(A)に示すように、テープ剥離ローラ51の溝とテープ搬送ローラ41bの溝にテープ剥離リング52が掛け回されている。これにより、テープ搬送ローラ41bが駆動源により回転すると、テープ剥離リング52が回転し、付随してテープ剥離ローラ51も回転する仕組みである。
【0031】
テープ剥離ローラ51の径は、粘着テープTAが更に剥離しやすいよう、テープ搬送ローラ31a、31b、41a、41bよりも小径に設定されている。テープ剥離ローラ51の径は、粘着テープTAの材質等によるが、例えば、2~6mmである。テープ剥離リング52もまた、柔軟性を有するとともに、テープ剥離ローラ51、テープ搬送ローラ41bの周面よりも難粘着性の素材で構成されている。例えば、テープ剥離リング52は、シリコーンゴム系、フッ素ゴム系などの樹脂から構成される。
【0032】
貼付ローラ54は、Z方向に移動可能であり、テープ剥離ローラ51から排出されてきた粘着テープTAを被着体Wに押し付けながら回転し、粘着テープTAを被着体Wに貼り付ける機能を果たす。
【0033】
切断装置60は、カッター刃61と押さえ部62a、62bを備える。切断装置60は、上流側テープ搬送装置30および下流側テープ搬送装置40の方向に移動可能である。切断装置60は、上流側テープ搬送装置30および下流側テープ搬送装置40に近接した際に、カッター刃61がテープ搬送ローラ31bおよびテープ搬送ローラ41aの間に位置し、また、押さえ部62a、62bがそれぞれテープ搬送ローラ31bおよびテープ搬送ローラ41aに当接する位置になるよう配置されている。
【0034】
被着体保持部70は、粘着テープTAが貼り付けられる被着体Wについて、被着面を上方に向けた状態で保持する。被着体Wを保持する機構は、公知の機構が用いられ、例えば、位置決めピンにより保持する機構や被着体Wを吸引して保持する機構などが挙げられる。また、被着体保持部70は、移動スライダ71を有しており、不図示のサーボモータ等の駆動源により、X方向に移動可能である。また、被着体保持部70は、被着体Wを配置および取り外しが可能な被着体取替装置(不図示)を備えていてもよい。
【0035】
制御装置80は、本体10、上流側テープ搬送装置30、下流側テープ搬送装置40、テープ貼付部50、切断装置60、被着体保持部70のそれぞれの駆動を制御する。
【0036】
続いて、粘着テープ貼付装置1の動作について説明する。なお、後述する動作は、制御装置80の指令に基づいてそれぞれ動作する。
【0037】
図4に示すように、粘着テープTAは、ガイドローラ21、ニップローラ22、上流側テープ搬送装置30を経由し、先端部分がテープ搬送ローラ31bとテープ搬送ローラ41aの間に位置した状態から動作を説明する。また、被着体保持部70は、被着体Wが被着面を上方に向けて保持している。
【0038】
図5に示すように、上流側テープ搬送装置30および下流側テープ搬送装置40が同期して駆動し、粘着テープTAを搬送していく。そして、上流側テープ搬送装置30および下流側テープ搬送装置40は、粘着テープTAを所定長さ送り出した後、停止する。
【0039】
ここで、上流側テープ搬送装置30では、複数本のテープ搬送リング32に粘着テープTAを付着させて搬送している。テープ搬送リング32の代わりに平ベルトを用いた場合に比べ、粘着テープTAの粘着面とテープ搬送リング32の接触面積が小さいため、粘着テープTAはテープ搬送ローラ31bから容易に剥離し、下流側テープ搬送装置40へと受け渡される。
【0040】
また、
図6(A)に示すように、受け板33がない場合、粘着テープTAがテープ搬送ローラ31aに貼りついてしまい、テープ搬送リング32が撓み、粘着テープTAがテープ搬送ローラ31aに巻き込まれて正常に動作しないおそれがある。これは、ゴム等の柔軟性を有する複数本のテープ搬送リング32を用いていることに起因する。
【0041】
しかし、本実施の形態では、
図6(B)に示すように、受け板33が設置され、テープ搬送リング32の粘着テープTAが付着して搬送される側を下方から支持している。これにより、テープ搬送リング32の撓みが抑制されるため、粘着テープTAがテープ搬送ローラ31aに貼りついてしまうことを抑えられる。
【0042】
なお、下流側テープ搬送装置40およびテープ貼付部50に設置された受け板43、53についても、同様にテープ搬送リング42、テープ剥離リング52の撓みを抑制する機能を果たす。
【0043】
その後、
図7に示すように、切断装置60が粘着テープTAに向けて移動する。押さえ部62a、62bが粘着テープTAを押さえた状態にて、カッター刃61が粘着テープTAを切断することで、所定長さの粘着テープTA1が切り出される。切断装置60は粘着テープTAを切断後、元の位置に戻る。
【0044】
図8に示すように、下流側テープ搬送装置40が駆動し、粘着テープTA1を送り出す。また、粘着テープTA1の先端部分が被着体Wに貼り付けられる位置まで、移動スライダ71により被着体保持部70がX方向右向きに移動するとともに、移動スライダ11により本体10がX方向左向きに移動する。
【0045】
下流側テープ搬送装置40では、粘着テープTA1がテープ搬送リング42に付着して搬送されるので、上流側テープ搬送装置30から下流側テープ搬送装置40への受け渡しと同様に、粘着テープTA1はテープ搬送ローラ41bから容易に剥離し、テープ剥離リング52へと受け渡される。そして、テープ剥離リング52に付着して搬送されたテープTA1はテープ剥離ローラ51からも容易に剥離し、送り出される。
【0046】
そして、粘着テープTA1の先端部が被着体Wの貼り付け位置に達するまで下流側テープ搬送装置40が駆動すると、貼付ローラ54が下降し、粘着テープTA1の先端部分を被着体Wに押し付ける。
【0047】
そして、
図9に示すように、下流側テープ搬送装置40による粘着テープTA1の送り出し、被着体保持部70のX方向左向きへの移動および本体10のX方向右向きへの移動が同期して行われる。これにより、被着体Wに粘着テープTA1が貼り付けられていく。
【0048】
図10に示すように、被着体Wに粘着テープTA1が貼り付けられた後、粘着テープTA1が貼り付けられた被着体Wが被着体保持部70から取り外され、新たな被着体Wが被着体保持部70に配置され、上記と同様の動作が繰り返し行われる。
【0049】
このように、粘着テープ貼付装置1では、所定の長さに切り出した粘着テープTA1を被着体Wに貼り付けている。粘着テープTA1を貼り付けている際に動作が停止しないため、生産タクトの短縮につながる。
【0050】
また、以下のように、被着体保持部70に新たな被着体Wを配置している間に、粘着テープTA1を準備しておいてもよい。具体的には、被着体取替装置によって、粘着テープTA1が貼り付けられた被着体Wが被着体保持部70から取り外され、新たな被着体Wが配置されている間に、上流側テープ搬送装置30および下流側テープ搬送装置40を同期させて駆動し、粘着テープTAを搬送し、所定長さ送り出して停止させる。そして、切断装置60を駆動させ、所定長さの粘着テープTA1を切り出しておく。そして、テープ貼付部50を駆動させ、被着体保持部70に配置された新たな被着体Wに粘着テープTA1を貼り付ける。このように、被着体保持部70に新たな被着体Wが配置されるとすぐに粘着テープTA1の貼り付け動作が行われることで、更なる生産タクトの短縮が可能である。
【0051】
また、粘着テープ貼付装置1では、粘着テープTAを切断するまでの粘着テープTAの送り出し量を適宜設定することにより、種々の長さの粘着テープTA1に切り出して貼り付けることが可能である。したがって、粘着テープ貼付装置1は、種々の長さの被着体Wに対して適用可能である。更には、テープ搬送ローラ41a、41bの間隔が広い下流側搬送装置40とすることにより、より長尺な被着体Wに対しても適用可能である。
【0052】
なお、上記の説明では、粘着テープTA1を被着体Wに貼り付ける際に、被着体保持部70および本体10がそれぞれX方向に相対的に移動する例について説明した。しかし、被着体Wへの粘着テープTA1の貼り付けが可能であれば、被着体保持部70および本体40のいずれか一方のみが移動する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 粘着テープ貼付装置
10 本体
11 移動スライダ
20 粘着テープ支持部材
21 ガイドローラ
22 ニップローラ
30 上流側テープ搬送装置
31a、b テープ搬送ローラ
32 テープ搬送リング
33 受け板
40 下流側テープ搬送装置
41a、b テープ搬送ローラ
42 テープ搬送リング
43 受け板
50 テープ貼付部
51 テープ剥離ローラ
52 テープ剥離リング
53 受け板
54 貼付ローラ
60 切断装置
61 カッター刃
62a、b 押さえ部
70 被着体保持部
71 移動スライダ
80 制御装置
TA 粘着テープ
TA1 粘着テープ
W 被着体