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特開2024-88930情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088930
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240626BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203981
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】508265527
【氏名又は名称】株式会社ワーク・ライフバランス
(74)【代理人】
【識別番号】100141427
【弁理士】
【氏名又は名称】飯村 重樹
(72)【発明者】
【氏名】小室 淑恵
(72)【発明者】
【氏名】工藤 真由美
(72)【発明者】
【氏名】川本 孝宜
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真衣
(72)【発明者】
【氏名】下川路 由季子
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】質の高い会議を実現することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】会議の議題の入力及び会議が実施される会議時間内において議題を検討する検討時間の入力を受け付けて会議を設定する会議設定処理と、会議設定処理に基づいて実施される会議に参加する参加者が会議の進行中に入力した議題に対する意見を、意見を入力した参加者が判明しないように匿名で参加者の端末に表示する会議進行処理とを実行する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の議題の入力及び前記会議が実施される会議時間内において前記議題を検討する検討時間の入力を受け付けて前記会議を設定する会議設定処理と、
該会議設定処理に基づいて実施される前記会議に参加する参加者が前記会議の進行中に入力した前記議題に対する意見を、該意見を入力した前記参加者が判明しないように匿名で前記参加者の端末に表示する会議進行処理と、
を実行する情報処理システム。
【請求項2】
前記会議設定処理は、
前記会議の進行担当者、議事録担当者及び時間管理担当者を少なくとも含む役割を前記参加者に設定する入力を受け付けて前記会議を設定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記会議進行処理は、
前記意見に対して同調する旨の同調アイコンを前記参加者の操作に基づいて前記参加者の前記端末に表示する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記会議進行処理は、
前記議題において決定した前記意見に対して決定した旨の決定アイコンを前記参加者の操作に基づいて前記参加者の前記端末に表示する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記会議進行処理は、
前記意見に対して同調する旨の同調アイコンを前記参加者の操作に基づいて前記参加者の前記端末に表示するとともに、前記議題において決定した前記意見に対して決定した旨の決定アイコンを前記参加者の操作に基づいて前記参加者の前記端末に表示し、
前記同調アイコンあるいは前記決定アイコンに基づいて前記意見を分類して前記参加者の前記端末に表示する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記議題において決定した前記意見に対して決定した旨の決定アイコンを前記参加者の操作に基づいて前記参加者の前記端末に表示する前記会議進行処理に続いて、前記決定アイコンに基づいて前記意見をタスクとして管理するタスク管理処理を実行する、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
プロセッサと、
プログラムが記憶されたメモリと、を備える情報処理装置であって、
前記プロセッサにより前記プログラムが実行されることによって、
会議の議題の入力及び前記会議が実施される会議時間内において前記議題を検討する検討時間の入力を受け付けて前記会議を設定する会議設定処理、
該会議設定処理に基づいて実施される前記会議に参加する参加者が前記会議の進行中に入力した前記議題に対する意見を、該意見を入力した前記参加者が判明しないように匿名で前記参加者の端末に表示する会議進行処理、
を実行する情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータによって実装される情報処理装置に、
会議の議題の入力及び前記会議が実施される会議時間内において前記議題を検討する検討時間の入力を受け付けて前記会議を設定する会議設定処理と、
該会議設定処理に基づいて実施される前記会議に参加する参加者が前記会議の進行中に入力した前記議題に対する意見を、該意見を入力した前記参加者が判明しないように匿名で前記参加者の端末に表示する会議進行処理と、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、
会議の議題の入力及び前記会議が実施される会議時間内において前記議題を検討する検討時間の入力を受け付けて前記会議を設定する会議設定処理と、
該会議設定処理に基づいて実施される前記会議に参加する参加者が前記会議の進行中に入力した前記議題に対する意見を、該意見を入力した前記参加者が判明しないように匿名で前記参加者の端末に表示する会議進行処理と、
を実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法、特に、ネットワーク上で会議を実施することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の情報通信技術の進展等に伴って、コンピュータ資源を用いたオンライン上での会議や会合等が実施される機会が増大しており、会議等の実施を検討するに際しては、実際に参加者同士が対面する会議等に対してオンライン上での会議等の実施が優先されるようになっている。
【0003】
特許文献1には、オンライン上での会議に参加する参加者の映像や音声あるいは参加者が入力するテキストメッセージを送受信する機能、参加者が閲覧している資料等を他の参加者に閲覧させる画面共有機能等が実装された技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-117997公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、時間的な制約が存在する中で仕事の質を向上させるための対策を検討して、検討した対策を具体的な行動として実践する取り組みであるいわゆる働き方改革が提唱されている。
【0006】
働き方改革が提唱される中で実施される会議では、参加者が主体性をもって参加できる状態が形成されており、限られた会議時間において参加者による多様な発言が促されて活発な議論がなされることが好ましい。
【0007】
このような会議の実施を実現する観点からは、会議に参加する参加者が安心して発言や行動をすることができる、いわゆる心理的安全性が高められる状態が形成されることが必要である。
【0008】
特に、オンライン上で実施される会議では、参加者同士が実際に対面していないことから、参加者それぞれが他の参加者のそのときの感情や雰囲気を把握しにくいであろうことが想定され、心理的安全性が高められる状態が形成されるような入念な対策が必要である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、質の高い会議を実現することができる情報処理システム、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理システムは、会議の議題の入力及び会議が実施される会議時間内において議題を検討する検討時間の入力を受け付けて会議を設定する会議設定処理と、会議設定処理に基づいて実施される会議に参加する参加者が会議の進行中に入力した議題に対する意見を、意見を入力した参加者が判明しないように匿名で参加者の端末に表示する会議進行処理とを実行するものである。
【0011】
これによれば、会議の設定の際に会議の議題が入力されて、議題が参加者に事前に周知されることから、質の高い活発な議論が行われることが想定され、かつ会議の設定の際に議題を検討する検討時間が入力されることから、限られた会議時間において効率的でかつ集中した議論が行われることが想定される。
【0012】
しかも、議題に対する意見を、意見を入力した参加者が判明しないように匿名で端末に表示することから、参加者は、自らの立場(例えば職位等)に関わらずに、かつ他者の意見に左右されないで、安心して自由に意見を書き込むことがでる。したがって、参加者の心理的安全性が高められることから、参加者による多様な意見が促されることが想定される。
【0013】
その結果、心理的安全性が高められた質の高い会議が実現されて、いわゆる働き方改革の促進に貢献することが期待される。
【0014】
この情報処理システムの会議設定処理は、会議の進行担当者、議事録担当者及び時間管理担当者を少なくとも含む役割を参加者に設定する入力を受け付けて会議を設定するものである。
【0015】
一方、情報処理システムの会議進行処理は、意見に対して同調する旨の同調アイコンを参加者の操作に基づいて参加者の端末に表示するものであり、議題において決定した意見に対して決定した旨の決定アイコンを参加者の操作に基づいて参加者の端末に表示するものである。
【0016】
情報処理システムの会議進行処理は、意見に対して同調する旨の同調アイコンを参加者の操作に基づいて参加者の端末に表示するとともに、議題において決定した意見に対して決定した旨の決定アイコンを参加者の操作に基づいて参加者の端末に表示し、同調アイコンあるいは決定アイコンに基づいて意見を分類して参加者の端末に表示するものである。
【0017】
さらに、情報処理システムは、議題において決定した意見に対して決定した旨の決定アイコンを参加者の操作に基づいて参加者の端末に表示する会議進行処理に続いて、決定アイコンに基づいて意見をタスクとして管理するタスク管理処理を実行するものである。
【0018】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理装置は、プロセッサと、プログラムが記憶されたメモリと、を備える情報処理装置であって、プロセッサによりプログラムが実行されることによって、会議の議題の入力及び会議が実施される会議時間内において議題を検討する検討時間の入力を受け付けて会議を設定する会議設定処理、会議設定処理に基づいて実施される会議に参加する参加者が会議の進行中に入力した議題に対する意見を、意見を入力した参加者が判明しないように匿名で参加者の端末に表示する会議進行処理を実行するものである。
【0019】
上記目的を達成するための本発明に係るプログラムは、コンピュータによって実装される情報処理装置に、会議の議題の入力及び会議が実施される会議時間内において議題を検討する検討時間の入力を受け付けて会議を設定する会議設定処理と、会議設定処理に基づいて実施される会議に参加する参加者が会議の進行中に入力した議題に対する意見を、意見を入力した参加者が判明しないように匿名で参加者の端末に表示する会議進行処理とを実行させるものである。
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係る情報処理方法は、コンピュータによって実装される情報処理装置を用いて、会議の議題の入力及び会議が実施される会議時間内において議題を検討する検討時間の入力を受け付けて会議を設定する会議設定処理と、会議設定処理に基づいて実施される会議に参加する参加者が会議の進行中に入力した議題に対する意見を、意見を入力した参加者が判明しないように匿名で参加者の端末に表示する会議進行処理とを実行するものである。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、心理的安全性が高められた質の高い会議が実現されて、いわゆる働き方改革の促進に貢献することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である
図2】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置及び参加者端末が実装されるコンピュータのハードウェア構成の概略を説明するブロック図である。
図3】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの情報処理装置の機能の概略を説明するブロック図である。
図4】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される会議予約情報の概略を説明するブロック図である。
図5】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される会議予約情報の役割データの概略を説明するブロック図である。
図6】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムで処理される会議記録情報の概略を説明するブロック図である。
図7】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの会議設定処理部の処理の概略を説明するブロック図である。
図8】同じく、本実施の形態に係る情報処理システムの会議進行処理部の処理の概略を説明するブロック図である。
図9】同じく、本実施の形態の情報処理システムの画面インターフェースの一例を示す図である。
図10】同じく、本実施の形態の情報処理システムの画面インターフェースの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、図1図10に基づいて、本発明の実施の形態に係るスケジュール管理システムについて説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理システム10は、情報処理装置20及び端末である複数の参加者端末30a~30nを主要構成として備え、これらがインターネット網等のネットワークNを介して互いにアクセス可能に接続される。
【0025】
情報処理装置20は、本実施の形態では情報処理システム10を用いたサービスを提供する事業者1に配備され、参加者端末30a~30nは、事業者1が提供するサービスを利用する複数の参加者2a~2nに配備される。
【0026】
事業者1が提供するサービスは、本実施の形態では、参加者端末30a~30nを介した参加者2a~2n間の会議をオンライン上で実施させるサービスであり、参加者2a~2nは、同じ事業体(例えば企業)に従事する者であってもよいし、それぞれが別の事業体に従事するものであってもよい。
【0027】
次に、情報処理システム10の各部の具体的な構成について説明する。
【0028】
情報処理装置20及び参加者端末30a~30nは、本実施の形態では、ほぼ同様のハードウェア構成を具備するコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0029】
図2は、コンピュータのハードウェア構成の概略を説明するブロック図である。
【0030】
図示のように、コンピュータは、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104、及び入出力部105を主要構成として備え、これらが互いにバス106を介して電気的に接続される。
【0031】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0032】
このプロセッサ101は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ103に格納されてメモリ102に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0033】
メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置によって実装される。
【0034】
このメモリ102は、プロセッサ101の作業領域として使用される一方、コンピュータの起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0035】
ストレージ103は、アプリケーションプログラム等による各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。
【0036】
送受信部104は、コンピュータをネットワークNに接続する。この送受信部104は、Wi-Fi等の無線通信規格に対応するものであってもよいし、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0037】
入出力部105には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。本実施の形態では、キーボード、マウス及びディスプレイがそれぞれ接続される。
【0038】
バス106は、接続したプロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0039】
図3は、情報処理装置20の機能の概略を説明するブロック図である。図示のように、情報処理装置20は、記憶部21、会議設定処理部22、会議進行処理部23、タスク管理処理部24及び会議管理部25を備える。
【0040】
記憶部21は、ストレージ103の記憶領域が区画されることによって実現される。この記憶部21には、本実施の形態では、会議予約情報D1及び会議記録情報D2が格納される。
【0041】
図4は、会議予約情報D1の概略を説明するブロック図である。会議予約情報D1は、今後、実施される予定の会議の詳細を設定するための情報であって、図示のように、会議日データd1a、参加者データd1b、会議時間データd1c、議題データd1d、議題検討時間データd1e、役割データd1f等によって構成される。
【0042】
会議日データd1aは、会議を実施する日を設定するデータであり、参加者データd1bは、会議に参加する参加者2a~2nを設定するデータであり、会議時間データd1cは、会議を実施する時間(例えば13時から14時の1時間等)を設定するデータである。
【0043】
議題データd1dは、本実施の形態では、例えば「チームワークについて」、「生産性の向上について」等といった会議における議題を設定するデータである。議題が予め設定されて参加者2a~2nに事前に周知されることから、質の高い活発な議論が行われることが想定される。
【0044】
議題検討時間データd1eは、本実施の形態では、議題を検討する検討時間(例えば3分間)を設定するデータである。議題を検討する検討時間が設定されて時間的な制約が課されることによって、効率的でかつ集中した議論が行われることが想定される。
【0045】
役割データd1fは、本実施の形態では、会議に参加する参加者2a~2nが会議内で果たすべき役割を参加者2a~2nに設定するデータである。
【0046】
図5は、役割データd1fの概略を説明するブロック図である。図示のように、役割データd1fは、本実施の形態では、進行担当者r1、時間管理担当者r2、並び替え担当者r3、議事録担当者r4、反応促進担当者r5及び決定事項確認担当者r6といった役割を、参加者2a~2nに設定するデータである。
【0047】
進行担当者r1は、会議における参加者2a~2nの反応をみながら会議の進行をしていく役割であり、時間管理担当者r2は、会議時間データd1c及び議題検討時間データd1eで設定した時間を管理する役割である。
【0048】
並び替え担当者r3は、本実施の形態では、議題データd1dで設定した議題に対して参加者2a~2nが入力する後述の意見データに基づいて参加者端末30a~30nに表示される意見を、任意の基準に基づいて並び替える(分類する)役割である。
【0049】
議事録担当者r4は、参加者端末30a~30nを介して会議の議事録を書き込む役割であり、反応促進担当者r5は、本実施の形態では、参加者端末30a~30nに表示される参加者2a~2nの意見に対する後述の同調アイコンを入力するように促す役割である。
【0050】
決定事項確認担当者r6は、本実施の形態では、議題で決定した参加者2a~2nの意見を決定事項として把握して、その決定事項と把握した参加者2a~2nの意見に後述の決定アイコンを入力する役割である。
【0051】
このように、参加者2a~2nに役割が設定されることによって、参加者2a~2nに会議への参画意識が醸成されて主体性をもって会議に参加することが想定されることから、質の高いスムーズな会議が実施されることが想定される。
【0052】
図6は、会議記録情報D2の概略を説明するブロック図である。会議記録情報D2は、会議の内容が記録された情報であって、図示のように、意見データd2a及び議事録データd2b等によって構成される。
【0053】
意見データd2aは、本実施の形態では、議題データd1dで設定した会議における議題に対する参加者2a~2nの意見に関するテキストデータであり、例えば「チームワークについて」という議題であれば、「助け合いながら高め合えるチームにしたい」等の意見が記録されるテキストデータである。
【0054】
本実施の形態では、この意見データd2aには、意見データd2aに基づいて参加者端末30a~30nに表示される意見に参加者2a~2nが同調して、参加者2a~2nの操作に基づいて後述の同調アイコンが入力されると、同調フラグF1が関連づけられる。
【0055】
更に、意見データd2aには、参加者端末30a~30nに表示される、決定事項と把握した参加者2a~2nの意見に、参加者2a~2nの操作に基づいて後述の決定アイコンが入力されると、決定フラグF2が関連づけられる。
【0056】
議事録データd2bは、本実施の形態では、会議の議事録に関するテキストデータである。
【0057】
図3で示す会議設定処理部22、会議進行処理部23、タスク管理処理部24及び会議管理部25は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101で実行することによって実現される。
【0058】
会議設定処理部22は、参加者端末30a~30nを介した参加者2a~2nによる会議予約情報D1の入力を受け付けて会議を設定する処理を実行するものである。
【0059】
図7は、会議設定処理部22の処理の概略を説明するブロック図である。図示のように、会議設定処理部22は、会議日設定受付処理S1、参加者設定受付処理S2、会議時間設定受付処理S3、議題設定受付処理S4、検討時間設定受付処理S5及び役割設定受付処理S6を実行するものである。
【0060】
本実施の形態では、会議日設定受付処理S1は、会議日データd1aの入力を受け付け、参加者設定受付処理S2は、参加者データd1bの入力を受け付け、会議時間設定受付処理S3は、会議時間データd1cの入力を受け付ける。
【0061】
会議日設定受付処理S1で会議日データd1aの入力を受け付けると、会議日が近づいたとき、あるいは会議日が到来したときに、参加者端末30a~30nにアラームが通知されるように設定されてもよい。
【0062】
同様に、会議時間設定受付処理S3で会議時間データd1cの入力を受け付けると、会議時間が近づいたとき、あるいは会議時間が到来したときに、参加者端末30a~30nにアラームが通知されるように設定されてもよい。
【0063】
議題設定受付処理S4は、議題データd1dの入力を受け付け、検討時間設定受付処理S5は、議題検討時間データd1eの入力を受け付け、役割設定受付処理S6は、役割データd1fの入力を受け付ける。
【0064】
検討時間設定受付処理S5で議題検討時間データd1eの入力を受け付けると、議題検討時間の終了時刻が近づいたとき、あるいは議題検討時間の終了時刻が到来したときに、参加者端末30a~30nにアラームが通知されるように設定されてもよい。
【0065】
これらのデータの入力を受け付けると、会議が設定される。
【0066】
図8は、会議進行処理部23の処理の概略を説明するブロック図であり、図9は、情報処理システム10の画面インターフェースの一例を示す図である。
【0067】
図8で示すように、会議進行処理部23は、意見処理S10、同調アイコン処理S11、決定アイコン処理S12、会議時間管理S13、議題検討時間管理S14、議事録処理S15及び意見分類処理S16を実行するものである。
【0068】
意見処理S10は、図9で示す画面インターフェースif1に表示される議題aに対して、参加者端末30a~30nを介して参加者2a~2nが入力した意見データd2aを受け付けて、参加者端末30a~30nに表示される画面インターフェースif1に意見oとして表示する処理を実行する。
【0069】
この意見処理S10は、本実施の形態では、画面インターフェースif1に意見oを表示する際に、表示する意見oの基礎となる意見データd2aを入力した参加者2a~2nが誰であるのか判明しないように、匿名で意見oを表示する処理を実行する。
【0070】
匿名で表示する処理は、例えば、参加者2a~2nに予め割り当てられたIDを暗号化する処理等が考えられるが、これに限られるものではなく、種々の匿名化処理技術を用いて実現することができる。
【0071】
このように、画面インターフェースif1に匿名で意見oが表示されることから、参加者2a~2nは安心して自由に意見を書き込むことがでる。したがって、参加者2a~2nの心理的安全性が高められることから、参加者2a~2nによる多様な意見が促されることが想定される。
【0072】
同調アイコン処理S11は、図9で示す画面インターフェースif1に表示される意見oに対する、参加者端末30a~30nを介した参加者2a~2nによる同調アイコンyの入力を受け付けて、参加者端末30a~30nに表示される画面インターフェースif1に表示する処理を実行する。
【0073】
同調アイコンyの表示は、本実施の形態では、例えば線図で表示されるハート型のアイコンを着色させたり、着色を変更させたり、あるいは点滅させたりする等といった種々の手法で表示させることができる。
【0074】
決定アイコン処理S12は、図9で示す画面インターフェースif1に表示される意見oに対する、参加者端末30a~30nを介した参加者2a~2nによる決定アイコンdの入力を受け付けて、参加者端末30a~30nに表示される画面インターフェースif1に表示する処理を実行する。
【0075】
決定アイコンdの表示は、本実施の形態では、例えば線図で表示されるレ点型のアイコンを着色させたり、着色を変更させたり、あるいは点滅させたりする等といった種々の手法で表示させることができる。
【0076】
会議時間管理S13は、会議設定処理部22の会議時間設定受付処理S3で設定された会議を実施する時間(会議時間)を管理するものであって、図9で示す画面インターフェースif1に、時間の経過とともに残時間を計数して表示する残時間表示部t1を表示することによって、会議時間を管理する。
【0077】
議題検討時間管理S14は、会議設定処理部22の検討時間設定受付処理S5で設定された議題を検討する検討時間(議題検討時間)を管理するものであって、図9で示す画面インターフェースif1に、時間の経過とともに残時間を計数して表示する残時間表示部t2を表示することによって、議題検討時間を管理する。
【0078】
このように、会議時間及び議題検討時間が管理されて時間的な制約が課されることによって、効率的でかつ集中した議論が行われることが想定される。
【0079】
議事録処理S15は、参加者端末30a~30nを介して参加者2a~2nが入力した議事録データd2bを受け付けて、参加者端末30a~30nに表示される任意の画面インターフェースに議事録として表示する処理を実行する。
【0080】
意見分類処理S16は、参加者端末30a~30nを介した参加者2a~2nの任意の操作に基づいて、画面インターフェースif1に表示される意見oを、同調アイコンyが入力された意見o、決定アイコンdが入力された意見o、あるいは内容が近似する意見oごとに分類して表示する処理を実行する。
【0081】
同調アイコンyが入力された意見oごとに分類する場合は、意見データd2aに関連づけられた同調フラグF1に基づいて分類し、決定アイコンdが入力された意見oごとに分類する場合は、意見データd2aに関連づけられた決定フラグF2に基づいて分類する。
【0082】
一方、内容が近似する意見oごとに分類する場合は、例えば、意見データd2aのベクトル化を行い、ベクトルの類似度を算出する類似文書検索の手法を用いた自然言語処理等を用いて分類することができるが、これに限られるものではなく、種々の言語処理技術を用いることができる。
【0083】
図3で示すタスク管理処理部24は、本実施の形態では、決定アイコンdが入力された意見oを抽出して、抽出した意見oをタスクとして管理する処理を実行する。
【0084】
具体的には、例えば、タスクの実行期限の設定、タスクの進捗状況の確認期限の設定、タスクを実行する担当者の設定等といったタスクの実行に関する種々の機能を管理する。
【0085】
会議管理部25は、本実施の形態では、参加者端末30a~30nを介した操作に基づいて、これまでに実施された過去の会議を一覧で任意の画面インターフェースに表示したり、過去に実施された任意の会議を検索したり、あるいはこれから実施される予定の任意の会議を検索したりする処理を実行するものである。
【0086】
これによって、過去に実施された会議の議題、議事録あるいは参加者等を確認したり、これから実施される予定の会議の議題や参加者等を確認したりすることができる。
【0087】
図10は、情報処理システム10を用いたサービスで提供される画面インターフェースの一例を示す図である。
【0088】
図示のように、画面インターフェースIFは、本実施の形態では、例えば第1画面if1、第2画面if2及び第3画面if3の3画面によって構成される。
【0089】
第1画面if1は、本実施の形態では、図9で示した画面インターフェースif1と同じ画面であり、会議進行処理部23による処理が実行される、会議を実施する際の主要画面である。
【0090】
第2画面if2は、本実施の形態では、会議が実施されている際に入力される議事録データd2bに基づいた議事録が実時間で表示される画面であり、第3画面if3は、本実施の形態では、会議設定処理部22による処理が実行されるとともに、会議管理部25による処理が実行される画面である。
【0091】
次に、本実施の形態に係る情報処理システム10を使用する手順について説明する。
【0092】
なお、本実施の形態では、情報処理システム10が、同じ事業体に所属する従業者の間で使用される場合について説明する。
【0093】
ある従業者が任意の議題についてその従業者が所属する部署内で会議を実施したいと考えた場合に、まず、その従業者は、例えば参加者2aとして自らの端末である参加者端末30aを介して会議を設定する(会議設定処理)。
【0094】
具体的には、会議日データd1aを入力して会議を実施する日時を設定し、参加者データd1bを入力して会議に参加する参加者2a~2n(例えば参加者2a~2f)を設定し、会議時間データd1cを入力して会議を実施する時間を設定する。
【0095】
同様に、議題データd1dを入力して会議における議題を設定し、議題検討時間データd1eを入力して議題を検討する検討時間を設定し、役割データd1fを入力して会議に参加する参加者2a~2fが会議内で果たすべき役割を参加者2a~2fに設定する。
【0096】
役割の設定は、本実施の形態では、例えば参加者2aが、参加者2a自らを進行担当者r1に設定し、参加者2bを時間管理担当者r2に設定し、参加者2cを並び替え担当者r3に設定し、参加者2dを議事録担当者r4に設定し、参加者2eを反応促進担当者r5に設定し、かつ参加者2fを決定事項確認担当者r6に設定する。
【0097】
その後、会議設定処理で設定した会議の日時が近づいたとき、あるいは到来したときに、本実施の形態では、参加者端末30a~30fにアラームが通知され、参加者2a~2fが参加者端末30a~30fを介して会議を実施し、会議設定処理での設定に基づいて会議を進行する(会議進行処理)。
【0098】
具体的には、参加者2a~2fは、設定された議題を検討して、議題に対する意見oを、意見データd2aを入力することによって書き込む。意見oの書き込みが積極的になされないような場合は、参加者端末30aを介して進行担当者r1である参加者2aが意見oの書き込みを参加者2b~2fに促す。
【0099】
書き込まれた意見oは、本実施の形態では、参加者端末30a~30fに表示される図9で示した画面インターフェースif1に匿名で表示されることから、参加者2a~2fは安心して自由に意見を書き込むことがでる。
【0100】
書き込まれた意見oについて、参加者2a~2nが同調する場合は、その意見oに対して同調アイコンyの入力を行う。同調アイコンyの入力を受け付けると、参加者端末30a~30fに表示される画面インターフェースif1に表示する処理を実行する。
【0101】
この同調アイコンyは、本実施の形態では、参加者2a~2fの間において、例えば「いいね!」や「スキ!」等といった意味合いを含むものであると認識されることから、参加者2a~2fの間の信頼関係が構築されることが想定される。
【0102】
同調アイコンyの入力の入力が積極的になされないような場合は、反応促進担当者r5である参加者2eが、参加者端末30eを介して同調アイコンyの入力を参加者2a~2d及び2fに促す。
【0103】
会議時間や議題検討時間はそれぞれ、画面インターフェースif1に表示される残時間表示部t1及び残時間表示部t2に基づいて、時間管理担当者r2である参加者2bが参加者端末30bを介して管理し、会議の経緯や内容は、議事録担当者r2である参加者2dが参加者端末30dを介して議事録データd2bを入力することによって議事録を書き込む。
【0104】
議題の検討の結果、議題に対する決定事項であると参加者2a~2fが把握した意見oについては、決定事項確認担当者r6である参加者2fが参加者端末30fを介して決定アイコンdを入力する。決定アイコンdの入力を受け付けると、参加者端末30a~30fに表示される画面インターフェースif1に表示する処理を実行する。
【0105】
一方、議題の検討に際して、意見oの並び替えが必要であると参加者2a~2fが判断した場合は、並び替え担当者r3である参加者2cが参加者端末30cを介して、同調アイコンyが入力された意見o、決定アイコンdが入力された意見o、あるいは内容が近似する意見oごとに分類して並び替えて表示する処理を実行する。
【0106】
このように、会議の設定の際に会議の議題が入力されて、議題が参加者2a~2nに事前に周知されることから、質の高い活発な議論が行われることが想定され、かつ会議の設定の際に議題を検討する検討時間が入力されることから、効率的でかつ集中した議論が行われることが想定される。
【0107】
しかも、議題に対する意見oを、意見データd2aを入力した参加者2a~2nが判明しないように匿名で参加者端末30a~30nに表示されることから、参加者2a~2nは安心して自由に意見を書き込むことがでる。したがって、参加者2a~2nの心理的安全性が高められることから、参加者2a~2nによる多様な意見が促されることが想定される。
【0108】
その結果、心理的安全性が高められた質の高い会議が実現されて、いわゆる働き方改革の促進に貢献することが期待される。
【0109】
さらに、本実施の形態では、会議の設定の際に参加者2a~2nに役割が設定されることによって、参加者2a~2nに会議への参画意識が醸成されて主体性をもって会議に参加することが想定されることから、質の高いスムーズな会議が実施されることが想定される。
【0110】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0111】
上記実施の形態では、参加者2a~2nに設定される役割が進行担当者r1、時間管理担当者r2、並び替え担当者r3、議事録担当者r4、反応促進担当者r5及び決定事項確認担当者r6である場合を説明したが、これらに限られるものでなく、例えば、オブザーバ担当者や資料を共有する共有担当者等、会議の性質等に応じた種々の役割が設定されるものであってもよい。
【0112】
上記実施の形態では、参加者端末30a~30nがデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される場合を説明したが、携帯型情報端末であるスマートフォンやタブレット型のコンピュータで実装されるものであってもよい。
【0113】
上記実施の形態では、情報処理装置20が事業者1に配備される場合を説明したが、情報処理装置20はクラウド環境で実装される装置であってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1 事業者
2a~2n 参加者
10 情報処理システム
20 情報処理装置
30a~30n 参加者端末(端末)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10