(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088939
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】移動体搭載バッテリの系統連系支援システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240626BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240626BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240626BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
B60L50/60
B60L53/14
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203993
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳樂 晃良
(72)【発明者】
【氏名】前原 利彦
(72)【発明者】
【氏名】槙野 智之
(72)【発明者】
【氏名】山田 憲司
(72)【発明者】
【氏名】田畑 智広
(72)【発明者】
【氏名】河岡 雄輝
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC01
5G064AC06
5G064AC10
5G064CB07
5G064CB11
5G064DA03
5G064DA11
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CC02
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD05
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BE01
5H125CC04
5H125CC07
5H125DD02
(57)【要約】
【課題】移動体に搭載されているバッテリを移動先のAC接続部に充放電ケーブルを介して系統連系して電力の充放電を可能とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システムに関する。
【解決手段】車両3には、双方向インバータ7と、双方向インバータの充放電を制御すると共に保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置8と、車載ゲートウェイ9と、を備え、移動先のACコンセント2又はその近傍に引込元識別情報を含む接続ポイント情報が記録された電子タグ23を設ける。車載ゲートウェイ9は、読取機器(リーダ13)によって電子タグから読み取った接続ポイント情報を管理サーバ(事業者用管理サーバ32)に送信し、管理サーバは、接続ポイント情報に基づき整定値格納データベース33から抽出したリレー整定値を車載ゲートウェイ9に通知する。制御装置8は、保護リレーのリレー整定値を車載ゲートウェイに通知されたリレー整定値に置き換える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動先に設けられたAC接続部に充放電ケーブルを介して移動体に搭載されている移動体搭載バッテリとの間で電力の充放電を可能とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システムであって、
前記移動体には、前記移動体搭載バッテリと充放電口との間に接続された双方向インバータと、前記双方向インバータの充放電を制御すると共に、保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置と、移動体内外の通信やデータ交換を行うための移動体ゲートウェイと、を備え、
前記AC接続部又はその近傍に、該AC接続部に対して電気を引き込むための引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報を含む接続ポイント情報が記録された接続ポイント情報記録媒体を設け、
それぞれの前記引込元識別情報に対応したリレー整定値が格納された整定値格納部を有する管理サーバと、
前記接続ポイント情報記録媒体に記録された前記接続ポイント情報を読取り可能であると共に、前記移動体ゲートウェイと通信可能な読取機器と、を備え、
前記移動体ゲートウェイは、前記読取機器によって読み取られた接続ポイント情報を受信すると、前記接続ポイント情報を前記管理サーバへ送信する接続ポイント情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、前記移動体ゲートウェイから送信された前記接続ポイント情報に基づき、その接続ポイント情報の前記引込元識別情報に対応するリレー整定値を前記整定値格納部を参照して抽出し前記移動体ゲートウェイへ通知するリレー整定値通知手段を備え、
前記制御装置は、前記保護リレーのリレー整定値を前記移動体ゲートウェイに通知されたリレー整定値に置き換える整定値置き換え手段と、
を有することを特徴とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システム。
【請求項2】
前記読取機器は、前記移動体の充放電口と前記AC接続部を接続する充放電ケーブルの前記AC接続部に接続するACプラグに一体に設けられたリーダであり、前記リーダで読み取った前記接続ポイント情報を無線または有線で前記移動体ゲートウェイに送信することを特徴とする請求項1記載の移動体搭載バッテリの系統連系支援システム。
【請求項3】
前記読取機器は、携帯端末であり、前記携帯端末で読み取った前記接続ポイント情報を無線で前記移動体ゲートウェイに送信することを特徴とする請求項1記載の移動体搭載バッテリの系統連系支援システム。
【請求項4】
移動先に設けられたAC接続部に充放電ケーブルを介して移動体に搭載されている移動体搭載バッテリとの間で電力の充放電を可能とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システムであって、
前記移動体には、前記移動体搭載バッテリと充放電口との間に接続された双方向インバータと、前記双方向インバータの充放電を制御すると共に、保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置と、移動体内外の通信やデータ交換を行うための移動体ゲートウェイと、を備え、
前記AC接続部又はその近傍に、該AC接続部に対して電気を引き込む引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報を含む接続ポイント情報が記録された接続ポイント情報記録媒体を設け、
それぞれの前記引込元識別情報に対応したリレー整定値を予め格納する整定値格納部を備えた管理サーバと、
前記接続ポイント情報記録媒体に記録された前記接続ポイント情報を読み取り可能な読取機器と、を備え、
記読取機器は、前記接続ポイント情報記録媒体に記録された前記接続ポイント情報を読取り可能であると共に、前記移動体ゲートウェイ及び前記管理サーバと通信可能な携帯端末であり、
前記携帯端末は、前記接続ポイント情報記録媒体から読み取った前記接続ポイント情報を前記管理サーバへ送信する接続ポイント情報送信手段を備え
前記管理サーバは、前記携帯端末から送信された前記接続ポイント情報に基づき、その接続ポイント情報の前記引込元識別情報に対応するリレー整定値を前記整定値格納部を参照して抽出し前記携帯端末に通知するリレー整定値通知手段を備え、
前記携帯端末は、前記管理サーバから通知されたリレー整定値を前記移動体ゲートウェイに送信するリレー整定値送信手段を更に備え、
前記制御装置は、前記保護リレーのリレー整定値を前記移動体ゲートウェイに送信されたリレー整定値に置き換える整定値置き換え手段と、
を有することを特徴とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システム。
【請求項5】
前記接続ポイント情報記録媒体は、前記AC接続部に埋設された、若しくは、前記AC接続部の近傍に設置された電子タグ、又は、前記AC接続部の表面若しくはその近傍に表示されたコード画像であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の移動体搭載バッテリの系統連系支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体であるEVやPHEV等に搭載されたバッテリを、移動先において系統連系することでバッテリの電力を移動体の走行以外にも利用可能にするための移動体搭載バッテリの系統連系支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来においては、車載バッテリを商用電力によって充電する視点で標準化が進められてきたが、昨今においては、車載バッテリの電力を車両の走行以外の用途に利用するV2X(Vehicle to X)という概念が注目を集めている。
そこで、V2Xの実現に向けて、特許文献1や非特許文献1に示されるように、車両に双方向インバータ、保護リレー、充放電制御装置を搭載し、車載バッテリと系統との間で交流電力(AC電力)を充放電可能とすれば、場所を選ばずに移動先の一般のAC差込口を利用して車載バッテリの充放電が可能となり、需要家宅に大掛かりな設備の設置が不要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】泉達也、他5名、““V2X”に対応した双方向充電ユニット”,SEIテクニカルレビュー、2014年7月、第185号、P34-37
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両の車載バッテリを移動先で系統連系(需要家設備を介して接続する場合を含む)する場合、例えば、V2H(Vehicle to Home)やV2G(Vehicle to Grid)のように、需要家設備の電源確保や電力需給のピークシフト、再生可能エネルギーの安定化等を目的として系統連系する場合には、保護リレーの整定値を接続先系統の電圧等の状態を踏まえた整定値に変更し、送配電事業者の接続認証を得た上で系統連系する必要がある。
このため、双方向充電ユニットを備えた車両のバッテリを任意の移動先で系統連系させる場合には、需要家に負担をかけない簡易な構成で適切に系統連系する必要がある。
【0006】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、需要家宅の設備に大掛かりな設備変更をする必要がなく、移動体であるEV等に搭載されたバッテリが任意の移動先において容易に系統連系することができ、且つ、そのようなインフラを構築する場合に多くのコストや時間を必要としない移動体搭載バッテリの系統連系支援システムを提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムは、移動先に設けられたAC接続部に充放電ケーブルを介して移動体(例えば、車両)に搭載されている移動体搭載バッテリとの間で電力の充放電を可能とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システムであって、
前記移動体には、前記移動体搭載バッテリと充放電口との間に接続された双方向インバータと、前記双方向インバータの充放電を制御すると共に、保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置と、移動体内外の通信やデータ交換を行うための移動体ゲートウェイと、を備え、
前記AC接続部又はその近傍に、該AC接続部に対して電気を引き込むための引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報(例えば、引込柱番号)を含む接続ポイント情報が記録された接続ポイント情報記録媒体(例えば、電子タグやコード画像等)を設け、
それぞれの前記引込元識別情報に対応したリレー整定値が格納された整定値格納部(整定値格納データベース)を有する管理サーバと、
前記接続ポイント情報記録媒体に記録された前記接続ポイント情報を読取り可能であると共に、前記移動体ゲートウェイと通信可能な読取機器(例えば、リーダや携帯端末)と、を備え、
前記移動体ゲートウェイは、前記読取機器によって読み取られた接続ポイント情報を受信すると、前記接続ポイント情報を前記管理サーバへ送信する接続ポイント情報送信手段を備え、
前記管理サーバは、前記移動体ゲートウェイから送信された前記接続ポイント情報に基づき、その接続ポイント情報の前記引込元識別情報に対応するリレー整定値を前記整定値格納部を参照して抽出し前記移動体ゲートウェイへ通知するリレー整定値通知手段を備え、
前記制御装置は、前記保護リレーのリレー整定値を前記移動体ゲートウェイに通知されたリレー整定値に置き換える整定値置き換え手段と、
を有することを特徴としている。
【0008】
ここで、AC接続部は、充放電ケーブルが差し込まれる移動先に設けられたAC差込口であっても、充放電ケーブルが予め一体に接続されている移動先のケーブル接続箇所であってもよい。すなわち、充放電ケーブルは、移動先のAC接続部に差し込んで接続するものであっても、移動先のAC接続部に予め一体に設けられるものであってもよい。
また、接続ポイント情報記録媒体は、AC接続部に埋設された、若しくは、AC接続部の近傍に設置された電子タグ(例えば、ICタグ)、又は、AC接続部の表面若しくはその近傍に表示されたコード画像(バーコード等の一次元コード画像、QRコード等の二次元コード画像など)としてもよい。
なお、電子タグやコード画像を他の場所に移設すると、誤情報に基づき系統連系することになるため、好ましくは、AC接続部に直接設けることが好ましい。特に電子タグにあっては、AC接続部に内蔵させることが好ましくAC接続部に内蔵させる場合においても、より好ましくは、ネジ部等に封印を施し、持ち出しできないようにすることが好ましい。
【0009】
したがって、移動体が任意の移動先において需要家のAC接続部に対して系統連系する場合には、保護リレーのリレー整定値を接続先系統の電圧等の状態を踏まえた整定値に変更する必要があるが、上述の系統連系支援システムによれば、移動先のAC接続部又はその近傍に、AC接続部に対して電気を引き込むための引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報を含む接続ポイント情報が記録された接続ポイント情報記録媒体(例えば、電子タグやコード画像等)が設けられているので、この接続ポイント情報記録媒体に記録されている接続ポイント情報を読取機器によって読み取れば、読み取られた接続ポイント情報が移動体ゲートウェイから送配電事業者などが管理する管理サーバへ送信される。その後、管理サーバは、整定値格納部を参照して、受信した接続ポイント情報に基づき、その引込元識別情報に対応するリレー整定値(接続しようとしているAC接続部に対応したリレー整定値)を抽出し、移動体ゲートウェイに通知する。
そして、リレー整定値が移動体ゲートウェイに通知されると、制御装置は、保護リレーのリレー整定値を移動体ゲートウェイに通知されたリレー整定値に置き換えるので、系統連系が適切かつ瞬時に行われることになる。
【0010】
ここで、読取機器としては、前記移動体の充放電口と前記AC接続部を接続するAC充放電ケーブルの前記AC接続部に接続するACプラグに一体に設けられたリーダとし、このリーダで読み取った前記接続ポイント情報を無線または有線で前記移動体ゲートウェイに送信するようにしてもよい。
このような構成によれば、充放電ケーブルを移動先のAC接続部に接続するだけで、リーダによって接続ポイント情報が読み取り可能となるので、AC接続部に充放電ケーブルを接続する操作が完了すれば、適切な系統連系が完了した状態、即ち、移動体搭載バッテリと移動先の需要家との間でバッテリの充放電が可能になる接続状態を形成することが可能となる。
【0011】
また、読取機器としては、携帯端末を用い、この携帯端末で読み取った接続ポイント情報を無線で移動体ゲートウェイに送信するようにしてもよい。
このような構成においては、充放電ケーブルを通常のACケーブルを用いて対応することが可能となり、携帯端末を用いて読み取った接続ポイント情報を移動体ゲートウェイに送信するだけで、保護リレーのリレー整定値を、接続しようとしているAC接続部に対応したリレー整定値に変更可能となる。
【0012】
また、他の例に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムは、
移動先に設けられたAC接続部に充放電ケーブルを介して移動体(例えば、車両)に搭載されている移動体搭載バッテリとの間で電力の充放電を可能とする移動体搭載バッテリの系統連系支援システムであって、
前記移動体には、前記移動体搭載バッテリと充放電口との間に接続された双方向インバータと、前記双方向インバータの充放電を制御すると共に、保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置と、移動体内外の通信やデータ交換を行うための移動体ゲートウェイと、を備え、
前記AC接続部又はその近傍に、該AC接続部に対して電気を引き込む引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報(例えば、引込柱番号)を含む接続ポイント情報が記録された接続ポイント情報記録媒体(例えば、電子タグやコード画像等)を設け、
それぞれの前記引込元識別情報に対応したリレー整定値を予め格納する整定値格納部(整定値格納データベース)を備えた管理サーバと、
前記接続ポイント情報記録媒体に記録された前記接続ポイント情報を読み取り可能な読取機器と、を備え、
記読取機器は、前記接続ポイント情報記録媒体に記録された前記接続ポイント情報を読取り可能であると共に、前記移動体ゲートウェイ及び前記管理サーバと通信可能な携帯端末であり、
前記携帯端末は、前記接続ポイント情報記録媒体から読み取った前記接続ポイント情報を前記管理サーバへ送信する接続ポイント情報送信手段を備え
前記管理サーバは、前記携帯端末から送信された前記接続ポイント情報に基づき、その接続ポイント情報の前記引込元識別情報に対応するリレー整定値を前記整定値格納部を参照して抽出し前記携帯端末に通知するリレー整定値通知手段を備え、
前記携帯端末は、前記管理サーバから通知されたリレー整定値を前記移動体ゲートウェイに送信するリレー整定値送信手段を更に備え、
前記制御装置は、前記保護リレーのリレー整定値を前記移動体ゲートウェイに送信されたリレー整定値に置き換える整定値置き換え手段と、
を有するものとしてもよい。
【0013】
このような構成においては、充放電ケーブルを通常のACケーブルを用いて対応することが可能となり、また、接続しようとしているAC接続部に対応した保護リレーのリレー整定値を、携帯端末のネットワークのみを用いて入手した上で変更することが可能となる。
【0014】
なお、保護リレーのリレー整定値が変更された後に、移動体搭載バッテリとAC接続部との間で電力放電を実行する場合には、管理サーバがリレー整定値の変更を確認した後に移動体搭載バッテリとAC接続部との接続許可を移動体ゲートウェイに通知し、制御装置は、移動体ゲートウェイから接続許可の通知を受けた後に、管理サーバからの要請に基づき、移動体搭載バッテリとAC接続部との間の電力放電を実行するとよい。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムによれば、移動先に設けられたAC接続部を介して移動体(車両)に搭載されている移動体搭載バッテリ(車載バッテリ)との間で電力の充放電を行うに当たり、移動体(車両)に、双方向インバータと、双方向インバータの充放電を制御すると共に保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置と、移動体ゲートウェイ(車載ゲートウェイ)と、を設け、AC接続部又はその近傍に、引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報を含む接続ポイント情報が記録された接続ポイント情報記録媒体(電子タグやコード画像等)を設け、読取機器で接続ポイント情報記録媒体に記録されている接続ポイント情報を読取り、その接続ポイント情報に基づき、管理サーバの整定値格納部を参照して接続先に対応したリレー整定値を入手し、制御装置により、保護リレーのリレー整定値を入手したリレー整定値に置き換えるようにしたので、移動体搭載バッテリを系統連系する場合に需要家宅の設備に大掛かりな設備の設置や設備変更の必要がなく、移動体搭載バッテリを任意の移動先において容易にかつ瞬時に系統連系することが可能となる。
また、移動体の移動先で必要となるインフラも、接続ポイント情報記録媒体を内蔵したAC接続部に置き換えるか、接続ポイント情報記録媒体を別途設置するだけで済むため、インフラを整備する上でも多くのコストや時間を必要とすることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第1の実施形態を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第2の実施形態を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2で示す本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの動作例を説明するフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第3の実施形態を示す図である。
【
図5】
図5は、
図4で示す本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの動作例を説明するフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第4の実施形態を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第5の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面により説明する。
【0018】
図1において、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第1の実施形態が示されている。なお、以下においては、移動体として車両3を用いた場合について説明する。
この移動体搭載バッテリの系統連系支援システム1は、移動先の需要家に設けられたACコンセント2を介して車両(移動体)3に搭載されている車載バッテリ(移動体搭載バッテリ)4を系統連系する場合のリレー整定値を自動調整するためのシステムである。
【0019】
車両3は、車両駆動用として用いられる車載バッテリ4が搭載されたBEV、HEV、PHEV、FCEVなどのEV車を想定しており、車両3には、車載バッテリ4に加えて、車載バッテリ4と充放電ケーブル5を接続する充放電口6との間に接続された双方向インバータ7と、双方向インバータ7による充放電を制御すると共に、保護リレーのリレー整定値を調整可能とする制御装置8と、車両内外の通信やデータ交換のために異なるドメイン間やプロトコル間で中継を行うための車載ゲートウェイ9と、を備えている。
【0020】
ここで、保護リレーは、制御装置8の内部に組み込まれているもので(図において保護リレー管理部8aとして示す)、リレー整定値は保護リレーが動作する限界値(閾値)であり、保護リレーは、設定されているリレー整定値を逸脱した場合に、充放電口6と双方向インバータ7との間に配置されている電磁接触器等の遮断器10をOFFするようにしている。保護リレーとしては、例えば、過電流継電器(OCR)、過電圧継電器(OVR)、不足電圧継電器(UVR)、不足電力継電器(UPR)、短絡方向継電器(DSR)、周波数上昇継電器(OFR)、周波数低下継電器(UFR)、逆電力継電器(RPR)、単独運転検出、自動電圧調整装置の出力電圧、設定力率等があり、整定値は、これら保護リレーの過電圧、過電流、周波数等の上下限値として設定される。
【0021】
双方向インバータ7は、制御装置8からの指令により車載バッテリ4を充電する場合には、充放電ケーブル5を介して外部から供給されるAC電力をDC電力に変換して車載バッテリ4に供給するコンバータとして動作し、車載バッテリ4に蓄積された電力を放電する場合には、制御装置8からの指令により車載バッテリ4に蓄積されたDC電力をAC電力に変換して充放電ケーブル5を介して外部のAC系統へ供給するインバータとして動作する。
【0022】
この例において、需要家側のACコンセント2は、充放電ケーブルの先端部に設けられたACプラグ11が接続可能な差込口21が設けられたプラグ差込部22と、このプラグ差込部22の下方に配置され、ICタグ等の電子タグ23が取り付けられたタグ取付部24が一体に形成されている。電子タグ23は、ACコンセント2の前端面に表出させるように取り付けてもよいが、この例では、ACコンセント2に埋設され、電子タグ23を保護すると共に容易に移動できないようにしている。
また、電子タグ23は、ACコンセント2とは別体としてACコンセントの近傍に配置してもよいが、取付位置が定まっていない場合には、読取機器による読取りに支障が生じたり、電子タグの設置箇所を新たに確保したりする必要があるため、ACコンセントと一体化して読取機器のアクセスを容易にすると共にコンセント周りをすっきりさせるようにするとよい。
【0023】
車両の充放電口6に接続される充放電ケーブル5のACコンセント2に接続される端部には前記ACプラグ11が設けられ、この例においてACプラグ11は、縦長の直方体状に形成されている。ACプラグのACコンセント2と対峙する端面の上部には、差し込み口21に挿着可能なプラグピン12が設けられ、ACコンセント2と対峙する端面の下部には、ACプラグ11をACコンセント2に接続した状態で電子タグ23に近接し、電子タグ23に記録されている接続ポイント情報を読取り可能なリーダ13が設けられている。
【0024】
この例において、リーダ13は、ACコンセント2に対峙させる端面に先端面を表出させた状態でACプラグ11に一体化されている。リーダ13は、電子タグ23に近接させると、電子タグ23に記録されている接続ポイント情報を読み取るもので、リーダ13で読み取られた接続ポイント情報は、無線又は有線によって車載ゲートウェイ9に送信されるようになっている(
図1では有線によって接続ポイント情報を送信する例が示されている)。リーダ13に接続されているリード線5aは、電源ケーブル5bに沿って充放電口6まで導かれ、充放電口6に接続された車両側の通信ケーブルを介して車載ゲートウェイ9に電気的に接続されている。
【0025】
車載ゲートウェイ9は、車両外部のネットワークを介して自動車メーカのメーカ用管理サーバ31に接続され、このメーカ用管理サーバ31は、ネットワークを介して送配電事業者の事業者用管理サーバ32に接続され、車載ゲートウェイ9は、メーカ用管理サーバ31を経由して事業者用管理サーバ32とデータの送受信が行えるようになっている。
【0026】
ここで、事業者用管理サーバ32は、それぞれの引込元識別情報(例えば、引込柱番号)に対応させたリレー整定値が格納されている整定値格納データベース(整定値格納部)33を有しており、接続ポイント情報を受信すると、その情報の中の引込元識別情報(例えば、引込柱番号)に基づき、引込元の配電線系統に連系させるためのリレー整定値が抽出可能となっている。
【0027】
以上の構成においては、充放電ケーブル5のACコンセント2に接続されるACプラグ11にリーダ13を設け、このリーダ13によって電子タグ23に記録されている接続ポイント情報を読み取る例を示したが、
図2の第2の実施形態に示されるように、リーダ13の代わりにスマートフォンなどの携帯端末30を用い、この携帯端末30のNFC機能を利用して、携帯端末30を電子タグ23に近づけることで電子タグ23に記録されている接続ポイント情報を携帯端末30で読取り、携帯端末30の通信機能を利用して、携帯端末30で読み取った接続ポイント情報を車載ゲートウェイ9に送信するようにしてもよい。
なお、
図2で示される第2の実施形態においては、リーダ13の代わりに携帯端末30が用いられている点を除いて、ハードウェア構成は
図1で示す第1の実施形態と同様であるので、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
また、上述の例では、電子タグ23に接続ポイント情報を記録させた例について説明したが、接続ポイント情報を記録させたバーコードやQRコード(登録商標)等のコード画像をACコンセント2又はその近傍に表示させておき、これを携帯端末30のカメラ機能を利用して読み取るようにしてもよい。
【0029】
以上の構成において、次に車載バッテリ4を系統連系させる動作例について、
図3で示すフローチャートに基づき説明する。
先ず、充放電ケーブル5のACプラグ11を移動先のACコンセント2の差し込み口21に差し込み、このACコンセント2に設けられたリーダ13(第1の実施形態)、又は、携帯端末30(第2の実施形態)を用い、需要家のACコンセント2又はその近傍に設けられた電子タグ23、又は、コード画像に記録された接続ポイント情報を読み取る(S01)。即ち、車載バッテリ4を接続しようとする移動先のACコンセント2対して電気を引き込むための引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報(例えば、引込柱番号)を少なくとも読み取る。
そして、読み取った接続ポイント情報を車載ゲートウェイ9に有線または無線で送信する(S02)。
【0030】
車載ゲートウェイ9は、接続ポイント情報を受信すると、この接続ポイント情報を自動車メーカのメーカ用管理サーバ31に送信し(S03)、メーカ用管理サーバ31は、受信した接続ポイント情報を送配電事業者の事業者用管理サーバ32に転送する(S04)。
事業者用管理サーバ32は、接続ポイント情報を受信すると(S05)、整定値格納データベース33を参照して、受信した接続ポイント情報からその接続ポイント情報の引込元識別情報に対応するリレー整定値を抽出し、このリレー整定値をメーカ用管理サーバ31を介して車載ゲートウェイ9へ通知する(S06,S07)。そして、車載ゲートウェイ9は、これを受けて受信したリレー整定値を書き込む(S08)。
【0031】
その後、車載ゲートウェイ9は、制御装置8に対してリレー整定値の設定変更を要求する(S09)。制御装置8は、これを受けて保護リレーのリレー整定値を車載ゲートウェイ9が受信したリレー整定値に変更する(S10)。
制御装置8によるリレー整定値の設定変更が完了すると、制御装置8はリレー整定値の設定変更の完了を車載ゲートウェイ9に報告する(S11)。
車載ゲートウェイ9は、これを受けて、リレー整定値の設定変更完了報告をメーカ用管理サーバ31に転送し(S12)、メーカ用管理サーバ31は、これを受けて、リレー整定値の設定変更完了報告を事業者用管理サーバ32に転送する(S13)。
【0032】
その後、事業者用管理サーバ32は、設定変更完了報告を受領すると、リレー整定値の設定変更を確認し(S14)、問題がなければ、車載バッテリ4とACコンセント2との接続許可を通知する(S15)。
メーカ用管理サーバ31は、事業者用管理サーバ32からの接続許可の通知を受信すると、これを車載ゲートウェイ9に転送し(S16)、車載ゲートウェイは、接続許可通知を受信すると、これを制御装置に転送する(S17)。
制御装置8は、接続許可通知を受信すると、車載バッテリ4とACコンセント2との間で放電できる状態とし(S18)、その後配電事業者からの要請に基づき(事業者用管理サーバ32からの指令に基づき)、双方向インバータ7に放電指示を出す(S19)。
【0033】
したがって、上述構成においては、ACコンセント2に設けられた電子タグ23やコード画像に記録された接続ポイント情報をリーダ13や携帯端末等30の読取機器によって読取り、その情報を車載ゲートウェイ9に送信することで、事業者用管理サーバ32から接続しようとしているACコンセント2に対応するリレー整定値が通知され、制御装置8は、保護リレーのリレー整定値を、車載ゲートウェイ9に通知されたリレー整定値に置き換えるので、車載バッテリ4の系統連系を大掛かりな設備を用いることなく、適切に且つ瞬時に行うことが可能となる。
【0034】
なお、上述の例では、車載バッテリ4から放電する例を示したが、車載バッテリ4を充電する場合にも同様の処理を行えばよい。
また、充電と放電の切替は、送配電事業者のニーズによって切り替えるようにしてもよい。例えば、電力系統において、総量として再エネ電気(再生可能エネルギー由来の電気)が余っている場合や配電線系統において電圧が上昇している場合(太陽光発電が増え、局所的に再エネが余っている状態の場合)は充電を指令し、夕方の点灯時間帯などで、電力系統の電気が不足する場合には、放電を指令する。また、配電線系統において、EVが一斉に充電するなどにより電圧が低下する場合は、充電を抑制したり、充電時間をシフトさせたりするようにしてもよい。
【0035】
図4に、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第3の実施携形態が示されている。
図1,
図2の例では、車載ゲートウェイ9に接続ポイント情報を送り、この車載ゲートウェイ9からリレー整定値を得るようにしたが、
図4に示される例では、接続ポイント情報を読み取った携帯端末30と事業者用管理サーバ32との間で直接交信し、携帯端末30によって事業者用管理サーバ32からリレー整定値を得るようにし、携帯端末30で得られたリレー整定値を車載ゲートウェイ9に通知するようにしている。
なお、ハードウェア構成については、
図2で示す構成と同様であるので、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
この第3の実施形態について、車載バッテリ4を系統連系させるための具体的な動作処理例について、
図5で示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、車両の移動先において、車載バッテリ4をACコンセント2を介して系統連系するために、携帯端末30のNFC機能を利用して、携帯端末30をACコンセント2(電子タグ23)に近づけることで電子タグ23に記録されている接続ポイント情報を携帯端末30で読取るか、携帯端末30のカメラ機能を利用して、ACコンセント2(又は、その近傍)に設けられたコード画像を認識させることでコード画像に記録されている接続ポイント情報を携帯端末30で読み取る(S21)。そして、携帯端末30は、自身の通信機能を利用して、携帯端末30で読み取った接続ポイント情報を事業者用管理サーバ32に携帯端末のネットワークを利用して無線で送信する(S22)。
【0037】
事業者用管理サーバ32は、携帯端末30から送信された接続ポイント情報を受信すると(S23)、整定値格納データベース33を参照して、受信した接続ポイント情報の引込元識別情報に対応するリレー整定値を抽出し、このリレー整定値を携帯端末30へ通知する(S24)。
携帯端末30は、リレー整定値を受信すると(S25)、これを車載ゲートウェイ9に転送し(S26)、車載ゲートウェイ9は、受信したリレー整定値を書き込む(S27)。
【0038】
その後、
図3と同様の処理が行われ、車載ゲートウェイ9は、制御装置8に対してリレー整定値の設定変更を要求する(S09)。制御装置8は、これを受けて保護リレーのリレー整定値を車載ゲートウェイ9が受信したリレー整定値に変更する(S10)。
制御装置8によるリレー整定値の設定変更が完了すると、制御装置8は整定値の設定変更の完了を車載ゲートウェイ9に報告する(S11)。
車載ゲートウェイ9は、これを受けて、リレー整定値の設定変更完了報告をメーカ用管理サーバ31に転送し(S12)、メーカ用管理サーバ31は、これを受けて、リレー整定値の設定変更完了報告を事業者用管理サーバ32に転送する(S13)。
【0039】
その後、事業者用管理サーバ32は、設定変更完了報告を受領すると、リレー整定値の設定変更を確認し(S14)、問題がなければ、車載バッテリ4とACコンセント2との接続許可を通知する(S15)。
メーカ用管理サーバ31は、事業者用管理サーバ32からの接続許可の通知を受信すると、これを車載ゲートウェイ9に転送し(S16)、車載ゲートウェイは、接続許可通知を受信すると、これを制御装置に転送する(S17)。
制御装置8は、接続許可通知を受信すると、車載バッテリ4とACコンセント2との間で放電できる状態とし(S18)、その後配電事業者からの要請に基づき、双方向インバータ7に放電指示を出す(S19)。
【0040】
したがって、上述の構成においては、ACコンセント2に設けられた電子タグやコード画像に記録された接続ポイント情報を携帯端末30によって読取り、その情報を直接事業者用管理サーバ32に送信することで、接続しようとしているACコンセント2に対応するリレー整定値を携帯端末30によって入手することが可能となり、これを車載ゲートウェイ9に送信することで、制御装置8によって保護リレーのリレー整定値が携帯端末30に通知されたリレー整定値に置き換えられる。このため、車載バッテリ4の系統連系を大掛かりな設備を用いることなく、適切かつ迅速に行うことが可能となる。
【0041】
なお、上述の例では、車載バッテリ4を、移動先の需要家のACコンセント2を介して系統連系した後に、車載バッテリ4に蓄積されている直流電力を双方向インバータ7を介してAC電力に変換して需要家に供給(放電)する場合について説明したが、車載バッテリ4を、移動先の需要家のACコンセント2を介して系統連系し、需要家のACコンセント2から双方向インバータ7を介して車載バッテリ4にDC電力を供給し、車載バッテリ4を充電する場合においても、同様の手法にて制御装置による保護リレーのリレー整定値の書き換えを行うようにすればよい。
【0042】
また、上述の例では、車載ゲートウェイ9と事業者用管理サーバ32とを接続するためにメーカ用管理サーバ31を介在させるようにしたが、車載バッテリ4を系統連系させるためにリレー整定値を変更させるためだけであれば、メーカ用管理サーバ31を経由しなくてもよい。また、メーカ用管理サーバ31をアグリゲータによって代行するようにしてもよく、さらに、メーカ用管理サーバ31と事業者用管理サーバ32との間にアグリゲータの管理サーバを介在させるようにしてもよい。
【0043】
さらに、以上の例では、移動体として車両3を用いた例を示したが、これに限定されるものではなく、バッテリを搭載した移動体であれば、同様の構成が採用可能である。
また、上述の例では、需要家の設けられたACコンセント2に接続する例を示したが、ACコンセントの代わりに需要家側もEV側と同様の差込口を設けて対応するようにしてもよい。このため、上述したACコンセント2は、AC電力を充放電するために利用するAC差込口であればよい。
【0044】
さらにまた、上述の例では、ACコンセント2等のAC差込口21をAC接続部とし、このAC接続部に着脱可能に接続された充放電ケーブル5を介して車両に搭載されている車載バッテリ4との間で電力の充放電を可能とする例を示したが、
図6及び
図7に示されるように、移動先に設置された屋外電源コンセント支柱25等のAC接続部に充放電ケーブル5を予め一体に設けておき、この充放電ケーブル5を介して車両に搭載されている車載バッテリ4との間で電力の充放電を可能とする構成にしてもよい。
【0045】
このうち、
図6は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第4の実施形態である。この実施形態においては、充放電ケーブル5を車両の充放電口6に接続したことを認識した場合に、屋外電源コンセント支柱25等のAC接続部に取付けられた接続ポイント情報記録媒体23’からこのAC接続部の電気の引込元の配電線系統を識別する引込元識別情報を含む接続ポイント情報を読み出し送信する制御部26を備え、この制御部26から送信された接続ポイント情報を充放電ケーブル5に設けられた図示しない制御線を介して充放電口6に送信し、充放電口6に接続された車両側の通信ケーブルを介して車載ゲートウェイ9に送るようにしてもよい。
したがって、この例では、リーダや携帯端末をかざして接続ポイント情報を読み取る作業が不要であるため、接続ポイント情報記録媒体は、電子タグ23である必要はなく、制御部26によって他の記録媒体(ROMやRAM等のメモリ等)から読み取るものであってもよい。なお、
図6に示す例では、制御部26が車載ゲートウェイ9と通信可能な読取機器に相当する。また、
図6において、他の構成は、
図1と同様の構成であるので、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
また、
図7は、本発明に係る移動体搭載バッテリの系統連系支援システムの第5の実施形態である。この実施形態においては、
図2や
図4で示す充放電ケール5を屋外電源コンセント支柱25等のAC接続部に一体に設けたものである。なお、他の構成は
図2や
図4と同様の構成であるので、同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。
このような構成においても、
図3や
図5と同様の処理を行うことで、同様の作用効果を奏する。
【0047】
なお、
図6や
図7の構成においては、充放電ケーブル5が設けられた電源コンセント支柱25を移動先に設ける必要があるが、ACコセントに代えて、又は、ACコンセントと共に充放電ケーブル5を有する電源コンセント支柱25を設けるだけであるので、需要家宅の設備に大掛かりな設備変更を伴うものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 移動体搭載バッテリの系統連系支援システム
2 ACコンセント
3 車両
4 車載バッテリ
5 充放電ケーブル
6 充放電口
7 双方向インバータ
8 制御装置
9 車載ゲートウェイ
11 ACプラグ
13 リーダ
23 電子タグ
26 制御部
30 携帯端末