(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008894
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】中空軸モータを備えた電気機械式のリニアアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20240112BHJP
F16H 25/24 20060101ALI20240112BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F16H25/20 E
F16H25/24 A
F16H25/24 B
F16H25/24 J
F16H25/24 N
H02K7/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110654
(22)【出願日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】10 2022 206 871.8
(32)【優先日】2022-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ライナー クネル
(72)【発明者】
【氏名】マルコ クネル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ゴルトバッハ
【テーマコード(参考)】
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3J062AA01
3J062AB21
3J062AC07
3J062BA12
3J062CD02
3J062CD22
3J062CD45
3J062CD54
3J062CD58
3J062CD75
3J062CG83
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被覆管によって防護されたねじ主軸が、進出させられた状態と進入させられた状態との間の最大化された長さ比に組み合わされている電気機械式のリニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】電気機械式のリニアアクチュエータであって、ねじ伝動機構を備え、ねじ伝動機構が、ねじ主軸とねじナットとを有する、電気機械式のリニアアクチュエータが開示されている。ねじ主軸7は、相対回動不能な結合機構を介して電動モータ3の中空軸1に連結されている。ねじナット8は、線形に可動の被覆管9に取り付けられている。被覆管が最大限に引き込まれた状態で、ねじナットは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に中空軸の内部へと進入させられている。リニアアクチュエータの作動時には、ねじ主軸は、回転し、線形には運動させられない。ねじナットは、回転せず、線形に運動させられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械式のリニアアクチュエータであって、ねじ伝動機構を備え、前記ねじ伝動機構は、ねじ主軸(7)とねじナット(8)とを有し、前記ねじ主軸(7)は、相対回動不能な結合機構(14)(例えば形状接続的な連動機構)を介して電動モータ(3)の中空軸(1)に連結されており、前記ねじナット(8)は、線形に可動の被覆管(9)に取り付けられており、前記被覆管(9)が(最大限に)引き込まれた状態で、前記ねじナット(8)は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に前記中空軸(1)の内部に配置されている、電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記被覆管(9)は、引き込まれた状態では、少なくとも大部分において前記ハウジングのハウジング内に収容されている、請求項1記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記被覆管(9)の、前記ねじナット(8)とは反対側の端部は、滑り軸受(16)によって前記ハウジング内に案内されている、請求項2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記ハウジングは、第1のハウジング管(2)と第2のハウジング管(4)とを有し、前記電動モータ(3)は、前記第2のハウジング管(4)内に配置されており、前記滑り軸受(16)は、前記第1のハウジング管(2)内にまたは前記第1のハウジング管(2)に接して配置されており、前記第1のハウジング管(2)は、前記第2のハウジング管(4)に比べて縮径された直径を有する、請求項3記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項5】
前記ねじナット(8)は、オイル潤滑部を有し、周囲に対して密封されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項6】
前記相対回動不能な結合機構(14)は、前記中空軸(1)の一方の端部にて、前記被覆管(9)が進入させられた状態で、前記ねじナット(8)に隣り合って配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項7】
前記ねじ主軸(7)の、前記相対回動不能な結合機構(14)とは反対側の端部には、前記ねじ主軸(7)を前記被覆管(2)内に回転可能に支持する主軸支持体(10)が配置されており、前記被覆管(2)は、さらに、前記主軸支持体(10)を介して前記ねじ主軸(7)の前記端部に沿って線形に案内されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項8】
前記相対回動不能な結合機構(14)の、前記中空軸(1)とは反対の側には、前記ねじ主軸(7)を前記ハウジングに対して位置固定することができる保持ブレーキ(13)が配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項9】
前記相対回動不能な結合機構(14)の、前記中空軸(1)とは反対の側には、前記ねじ主軸(7)を前記ハウジング内に支持する軸受、好ましくは固定軸受が配置されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項10】
前記相対回動不能な結合機構(14)の、前記中空軸(1)とは反対の側には、前記ねじ主軸(7)に絶対ロータリエンコーダ(17)が配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項11】
前記中空軸(1)の、前記相対回動不能な結合機構(14)とは反対側の端部における前記中空軸(1)の外周面には、前記中空軸(1)を前記ハウジング内に支持する軸受、好ましくは可動軸受(5)が配置されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動シリンダと呼ばれることもある電気機械式のリニアアクチュエータであって、電動モータの回転駆動運動をねじ伝動機構によって並進被駆動運動もしくは線形被駆動運動に変換する電気機械式のリニアアクチュエータに関する。
【0002】
独国特許発明第19948265号明細書には、このような形態の電気機械式のリニアアクチュエータが示されている。この電気機械式のリニアアクチュエータの電動モータは、中空軸モータとして形成されている。軸方向で見て電動モータに並んで、この電動モータの中空軸にねじナットが取り付けられている。これによって、ねじナットが中空軸と共に回転する一方、ねじ主軸は単に線形に運動させられるにすぎず、回転しない。このような形態の電気機械式のリニアアクチュエータには、電動モータとねじナットとの、軸方向で見て隣り合った配置によって、リニアアクチュエータの、静止しているハウジングの軸方向の構成スペース需要が大きくなってしまうという欠点がある。
【0003】
独国特許発明第4300512号明細書には、燃料ポンプとして使用される電気機械式のリニアアクチュエータの2つの実施例が示されている。両方の実施例には、それぞれボールねじ伝動機構が使用されている。第2の実施例では、電動モータの、中実材料から製作されたモータ軸が、ねじナットとして働く静止しているスリーブと共にボールねじ伝動機構を形成するねじ主軸と一体に形成されている。これによって、このねじ主軸が回転し、線形に運動させられる。これと異なり、独国特許発明第4300512号明細書の第1の実施例には、主軸伝動機構の回転するねじナットを同時に成す中空軸を備えた電動モータが設けられている。これによって、ねじ主軸は単に線形に運動させられるにすぎず、回転しない。電動モータは、ねじナットの外周面に配置されているので、リニアアクチュエータの進入させられた状態と進出させられた状態との間の比が、第2の実施例および独国特許発明第19948265号明細書に比べて基本的に最大化されている。
【0004】
欧州特許第2584222号明細書には、組み込まれていない別個の電動モータに連結するように設計された電動シリンダの一部が示されている。ねじ主軸は回転するものの、線形には運動させられない。その代わりに、被覆管(Auslegerrohr)が線形に運動させられる。この被覆管を備えたリニアアクチュエータは、前述したリニアアクチュエータに比べて、機械的かつ製作技術的に手間のかかるねじ主軸が被覆管の内部に収容されていて、ひいては、汚物および機械的な損傷に対して防護されているという利点を有している。
【0005】
本発明の課題は、欧州特許第2584222号明細書の原理により被覆管によって防護されたねじ主軸が、独国特許発明第4300512号明細書の第1の実施例の、進出させられた状態と進入させられた状態との間の最大化された長さ比に組み合わされている電気機械式のリニアアクチュエータを提供することである。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する電気機械式のリニアアクチュエータによって解決される。
【0007】
有利な構成は従属請求項の対象である。
【0008】
請求対象である電気機械式のリニアアクチュエータは、ねじ伝動機構を有し、このねじ伝動機構は、ねじ主軸とねじナットとを有する。ねじ主軸は、相対回動不能な結合機構(例えば形状接続的な連動機構)を介して電動モータの中空軸に連結されている。ねじナットは、線形に可動の被覆管に取り付けられている。被覆管が(最大限に)引き込まれた状態で、ねじナットは、少なくとも部分的に、好ましくは完全に中空軸の内部に進入させられており、中空軸の外周面には、電動モータの巻線が存在している。リニアアクチュエータの作動時には、ねじ主軸は、回転し、線形には運動させられない。ねじナットは、回転せず、線形に運動させられる。ねじナットは、いわば、このねじナットに取り付けられた被覆管を進出させられた位置に向かって押し進めるか、もしくは被覆管を引き込まれた位置へと引き戻す。ねじ主軸は、被覆管によって汚物および機械的な損傷に対して防護されている。ねじナットは、引き込まれた状態で中空軸によって取り囲まれ、中空軸自体は電動モータの巻線によって取り囲まれているので、電動モータの軸方向の構成スペースは、リニアアクチュエータのストロークのために利用され、被覆管をより一層進入させることができる。これによって、リニアアクチュエータの、進出させられた状態での長さと進入させられた状態での長さとの比が最大化されている。
【0009】
ねじ伝動機構は、ねじ山付きローラねじ伝動機構またはボールねじ伝動機構または遊星歯車式(転がり)ねじ伝動機構であってよい。
【0010】
被覆管は、引き込まれた状態では、少なくとも大部分において、好ましくはほぼハウジング内に、例えば第1のハウジング管内に収容されていてよい。この場合、被覆管は、好ましくは滑り軸受によってハウジング内に案内されている。
【0011】
ハウジングは、好ましくは第1のハウジング管と第2のハウジング管とを有しており、第1のハウジング管は、第2のハウジング管に比べて縮径された直径を有している。この場合、電動モータが第2のハウジング管内に配置されており、滑り軸受が第1のハウジング管の一方の端部の内周面に配置されている。
【0012】
ねじナットは(独国特許発明第4300512号明細書の第1の実施例とは異なり)駆動されていないので、オイル潤滑と、より良好な密封法とによって、熱収支および耐用寿命を改善することができる。ねじナットの密封手段は、例えば第1のハウジング管により形成されている。
【0013】
相対回動不能な結合機構は、中空軸の、被覆管とは反対側の端部にて、被覆管が進入させられた状態で、ねじナットに隣り合って配置されている。
【0014】
好ましくは、ねじ主軸の、相対回動不能な結合機構とは反対側の端部には、ねじ主軸を被覆管内に回転可能に支持する主軸支持体が配置されている。被覆管は、さらに、この主軸支持体を介してねじ主軸の端部に沿って線形に案内されている。主軸端部支持体は、ねじ主軸の端部で、被覆管に対して回転することができるか、または回転しない。
【0015】
相対回動不能な結合機構の、中空軸とは反対の側には、ねじ主軸をハウジングに対して位置固定することができる保持ブレーキが配置されていてよい。
【0016】
相対回動不能な結合機構の、中空軸とは反対の側には、ねじ主軸をハウジング内に支持する軸受、好ましくは固定軸受、好ましくは2つの円錐ころ軸受または自動調心ころ軸受の形態の固定軸受が、背面組合せで配置されていてよい。また、相対回動不能な結合機構が機械的に安定している場合、つまり、中空軸とねじ主軸とが互いに取り付けられている場合、この軸受は、装置技術的に簡単に中空軸を支持するためにも用いられる。
【0017】
相対回動不能な結合機構の、中空軸とは反対の側には、好ましくは、ねじ主軸に絶対ロータリエンコーダが配置されている。これによって、ストローク測定システムなしで、被覆管の位置特定が可能となる。
【0018】
好ましくは、相対回動不能な結合機構の、中空軸とは反対の当該の側には、相対回動不能な結合機構に隣り合って、まずは軸受、次いで保持ブレーキ、そして最後に絶対ロータリエンコーダが設けられる。
【0019】
中空軸の、相対回動不能な結合機構とは反対側の端部における中空軸の外周面には、好ましくは、中空軸をハウジング内に支持する(別の)軸受、好ましくは可動軸受、好ましくは玉軸受または円筒ころ軸受が配置されている。また、相対回動不能な結合機構が機械的に安定している場合、つまり、中空軸とねじ主軸とが互いに取り付けられている場合、この軸受は、装置技術的に簡単にねじ主軸を支持するためにも用いられる。
【0020】
特に、電動モータ、ねじ伝動機構(ねじ主軸およびねじナット)、被覆管、および両方の軸受は、好ましくは同軸に配置されている。これによって、側方に突出する電動モータと、それにより生じる、収容部および軸受に関する不均衡もしくはトルクとが回避されている。さらに、別の構成部材、例えば両方のハウジング管および/または相対回動不能な結合機構および/または主軸支持体および/または被覆管とハウジング管との間に配置された滑り軸受および/または保持ブレーキも同軸であると有利である。これによって、収容部および軸受に関する不均衡もしくはトルクが回避されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の実施例によるリニアアクチュエータを、被覆管が引き込まれた状態で示す図である。
【
図2】
図1に示したリニアアクチュエータの実施例の断面図である。
【0022】
好適な実施例の説明
以下に、本開示の実施例を図面に基づき説明する。
【0023】
図1には、電動シリンダと呼ばれることもある電気機械式のリニアアクチュエータの実施例が斜視図で示してある。図示の引き込まれた状態では、2つのボールジョイント11の間隔は最小である。両方のボールジョイント11のうちの(
図1で見て左側の)一方のボールジョイントに固く結合されたハウジングは、互いに異なる直径を有する2つのハウジング管2,4から実質的に成っている。(
図1で見て右側の)別のボールジョイント11は、ハウジングに対して線形に可動である。
【0024】
第1のハウジング管2は、第2のハウジング管4に比べて縮径された直径および増大させられた長さを有している。第2のハウジング管4には、電気的な接続部12が形成されている。
【0025】
図2には、
図1に示したリニアアクチュエータの実施例が断面図で示してある。第2のハウジング管4内には、駆動装置の数多くの主要な構成部材が配置されているのに対して、第1のハウジング管2内には、主として、被覆管9と、この被覆管9内に、ねじ主軸7とが配置されている。回転が阻止されている被覆管9は、両方のボールジョイント11のうちの一方のボールジョイントに固く結合されていて、第1のハウジング管2から進出させることができる。このためには、ねじ主軸7が回転し、線形には運動させられない。主軸支持体10が、ねじ主軸7の(
図2で見て右側の)端部を被覆管9内に同心的に保持していて、したがって、1つには、被覆管9内でのねじ主軸7の回転を可能にしており、もう1つには、ねじ主軸7(の端部)に対する被覆管9の線形の運動(作業ストローク)を可能にしている。これによって、主軸支持体10は滑りストローク軸受と呼ばれることもある。
【0026】
さらに、静止している第1のハウジング管2の端部に対する被覆管9の(作業ストロークの)線形の運動を可能にするために、これらの構成部材の間に滑り軸受16が設けられている。
【0027】
図3には、第2のハウジング管4の内部が拡大図で示してある。第2のハウジング管4内には、中空軸モータとして形成された電動モータ3と、遊星歯車式(転がり)ねじ伝動機構として形成されたねじ伝動機構とが配置されている。より正確に言うと、半径方向で外側から内側に向かって見て、まず、電動モータ3の巻線3a、その後、電動モータ3の中空軸1、その後、ねじナット8のスリーブ状のメインボディ8b、その後、ねじナット8のローラ状の遊星歯車8a、そして、一番内側にねじ主軸7が配置されている。中空軸1とねじナット8のメインボディ8bとの間には、半径方向の間隔が設けられている。
【0028】
ねじナット8のメインボディ8bは、被覆管9の端部に固く結合されている。ねじナット8と、被覆管9と、ボールジョイント11とから成るアセンブリは、単に線形に可動でしかない。
【0029】
中空軸1の、第1のハウジング管2とは反対側の端部は、相対回動不能な結合機構14によってねじ主軸7に結合されている。相対回動不能な結合機構14の中空軸側の形状接続要素14aと主軸側の形状接続要素14bとは、中空軸1と、相対回動不能な結合機構14と、ねじ主軸7とが、曲げ剛性を有する回転可能なアセンブリを形成するように構成されていて、互いに取り付けられている。
【0030】
ねじ主軸7と、相対回動不能な結合機構14と、中空軸1とから成る回転するアセンブリの支持部は、曲げ剛性を有する構成のため、単に2つの支持箇所でハウジング内に支持することができる。このために、図示の実施例では、一方では、中空軸1の端部に配置された可動軸受5が設けられており、他方では、ねじ主軸7に配置された固定軸受が設けられている。この固定軸受は、緊締ナット15によって相対回動不能な結合機構14に対して緊締された背面組合せの2つの円錐ころ軸受6から形成されている。
【0031】
緊締ナット15に隣り合って、保持ブレーキ13が配置されている。この保持ブレーキ13によって、ねじ主軸7ひいては駆動装置全体をハウジング、より正確に言うと、第2のハウジング管4に対して位置固定することができる。
【0032】
保持ブレーキ13に隣り合って、ねじ主軸7の軸端部に絶対ロータリエンコーダ17が配置されている。これによって、ストローク測定システムなしで、被覆管7の位置特定が可能となる。
【0033】
図示の実施例の作動中には、保持ブレーキ13が解除され、電動モータ3が作動させられる。この電動モータ3の中空軸1が、ねじ主軸7を連動させる。ねじナット8の遊星歯車8aが、ねじ主軸7の外周面で転動し、相対回動不能なメインボディ8bひいてはメインボディ8bに取り付けられた被覆管9を第1のハウジング管2ひいてはハウジングに対して相対的に運動させる。
【0034】
ねじナット8の(
図2および
図3に示した)引き込まれた位置は、電動モータ3の内部に配置されているので、これらの構成部材の軸方向の構成スペース需要は最小限に抑えられている。これによって、進出させられた状態にある両方のボールジョイント11の間隔と、(
図1および
図2に示した)進入させられた状態にある両方のボールジョイント11の間隔との比が最大化されている。
【符号の説明】
【0035】
1 中空軸
2 第1のハウジング管
3 電動モータ
4 第2のハウジング管
5 可動軸受
6 円錐ころ軸受
7 ねじ主軸
8 ねじナット
8a 遊星歯車
8b メインボディ
9 被覆管
10 主軸支持体
11 ボールジョイント
12 電気的な接続部
13 保持ブレーキ
14 相対回動不能な結合機構
14a 中空軸側の形状接続要素
14b 主軸側の形状接続要素
15 緊締ナット
16 滑り軸受
17 絶対ロータリエンコーダ
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械式のリニアアクチュエータであって、ねじ伝動機構を備え、前記ねじ伝動機構は、ねじ主軸(7)とねじナット(8)とを有し、前記ねじ主軸(7)は、相対回動不能な結合機構(14)を介して電動モータ(3)の中空軸(1)に連結されており、前記ねじナット(8)は、線形に可動の被覆管(9)に取り付けられており、前記被覆管(9)が引き込まれた状態で、前記ねじナット(8)は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に前記中空軸(1)の内部に配置されている、電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項2】
前記被覆管(9)は、引き込まれた状態では、少なくとも大部分においてハウジング内に収容されている、請求項1記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項3】
前記被覆管(9)の、前記ねじナット(8)とは反対側の端部は、滑り軸受(16)によって前記ハウジング内に案内されている、請求項2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項4】
前記ハウジングは、第1のハウジング管(2)と第2のハウジング管(4)とを有し、前記電動モータ(3)は、前記第2のハウジング管(4)内に配置されており、前記滑り軸受(16)は、前記第1のハウジング管(2)内にまたは前記第1のハウジング管(2)に接して配置されており、前記第1のハウジング管(2)は、前記第2のハウジング管(4)に比べて縮径された直径を有する、請求項3記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項5】
前記ねじナット(8)は、オイル潤滑部を有し、周囲に対して密封されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項6】
前記相対回動不能な結合機構(14)は、前記中空軸(1)の一方の端部にて、前記被覆管(9)が進入させられた状態で、前記ねじナット(8)に隣り合って配置されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項7】
前記ねじ主軸(7)の、前記相対回動不能な結合機構(14)とは反対側の端部には、前記ねじ主軸(7)を前記被覆管(9)内に回転可能に支持する主軸支持体(10)が配置されており、前記被覆管(9)は、さらに、前記主軸支持体(10)を介して前記ねじ主軸(7)の前記端部に沿って線形に案内されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項8】
前記相対回動不能な結合機構(14)の、前記中空軸(1)とは反対の側には、前記ねじ主軸(7)をハウジングに対して位置固定することができる保持ブレーキ(13)が配置されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項9】
前記相対回動不能な結合機構(14)の、前記中空軸(1)とは反対の側には、前記ねじ主軸(7)をハウジング内に支持する軸受、好ましくは固定軸受が配置されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項10】
前記相対回動不能な結合機構(14)の、前記中空軸(1)とは反対の側には、前記ねじ主軸(7)に絶対ロータリエンコーダ(17)が配置されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【請求項11】
前記中空軸(1)の、前記相対回動不能な結合機構(14)とは反対側の端部における前記中空軸(1)の外周面には、前記中空軸(1)をハウジング内に支持する軸受、好ましくは可動軸受(5)が配置されている、請求項1または2記載の電気機械式のリニアアクチュエータ。
【外国語明細書】