(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088943
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】撮影制御装置、撮影画像記録システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B61L 25/04 20060101AFI20240626BHJP
H04N 5/77 20060101ALI20240626BHJP
H04N 21/238 20110101ALI20240626BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240626BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240626BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
B61L25/04
H04N5/77
H04N21/238
H04N21/24
H04N23/60 300
G07C5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022203997
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 智也
(72)【発明者】
【氏名】土山 啓之
【テーマコード(参考)】
3E138
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
3E138AA20
3E138MA01
3E138MB08
3E138MC20
3E138MD10
5C122DA14
5C122EA07
5C122FJ04
5C122FK23
5C122FK24
5C122FK28
5C122FK37
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5C122FL08
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5C122HB05
5C164FA07
5C164MB44S
5C164SA25S
5C164SB29S
5C164SB36P
5C164SB41P
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】異常発生時に撮影された動画像データを好適に管理することができる撮影制御装置、撮影画像記録システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】撮影制御装置100は、移動体(列車2)に配置された撮像部19により当該移動体の外部が撮影された動画像データを取得する第1取得部(制御部11)と、移動体または移動体の近傍における異常を検知する検知部(制御部11)と、検知部により異常が検知された場合、第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する設定部(制御部11)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に配置された撮像部により当該移動体の外部が撮影された動画像データを取得する第1取得部と、
前記移動体または前記移動体の近傍における異常を検知する検知部と、
前記検知部により異常が検知された場合、前記第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも前記異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する設定部と、
を備える撮影制御装置。
【請求項2】
前記検知部は、所定の音に基づいて異常を検知する請求項1に記載の撮影制御装置。
【請求項3】
前記所定の音は、前記移動体が備える防護無線装置が発する警報音である請求項2に記載の撮影制御装置。
【請求項4】
前記移動体の位置情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記移動体の位置情報に基づいて前記移動体が移動を開始したと判断した場合に、前記撮像部による撮影を開始し、前記第2取得部により取得された前記移動体の位置情報に基づいて前記移動体が移動を停止したと判断した場合に、前記撮像部による撮影を停止する撮影制御部と、
を備える請求項1に記載の撮影制御装置。
【請求項5】
前記第1取得部により取得された動画像データを前記移動体が移動する所定の区間ごとに分割する分割部を備え、
前記設定部は、前記検知部により異常が検知された区間、又は、当該区間及び前記区間の前後の区間において撮影された動画像データに閲覧制限を設定する請求項4に記載の撮影制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の撮影制御装置と、
前記撮影制御装置に通信接続される情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記第1取得部により取得された前記動画像データの指定を受け付ける受付部と、
前記受付部により指定を受け付けた前記動画像データを表示部に表示する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記設定部により設定された閲覧制限に基づいて前記動画像データの表示を制限する撮影画像記録システム。
【請求項7】
前記受付部は、前記動画像データの位置の指定を受け付け、
前記表示制御部は、前記受付部により指定を受け付けた位置を含んで、前記動画像データとは異なる撮影期間において撮影された動画像データを前記表示部に表示する請求項6記載の撮影画像記録システム。
【請求項8】
撮影制御装置のコンピューターを、
移動体に配置された撮像部により当該移動体の外部が撮影された動画像データを取得する第1取得部、
前記移動体または前記移動体の近傍における異常を検知する検知部、
前記検知部により異常が検知された場合、前記第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも前記異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する設定部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影制御装置、撮影画像記録システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、移動体に搭載したカメラにより特定の対象物を撮影して記録するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、対象物近傍に設置された被検知物(磁石等)に基づいて、移動体が撮影開始位置に達したことを判断して撮影・記録を開始し、所定の条件(所定時間経過または所定距離移動)に基づいて、撮影・記録を停止する撮影・記録システムが記載されている。
【0004】
一方で、撮影・記録の目的が列車(移動体)の電力系統における異常の有無の確認等である場合には、移動体が移動を開始してから停止するまでの区間の全てを撮影・記録したいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、移動体が移動を開始してから停止するまでの区間の全てを撮影・記録した場合、例えば、人身事故発生等の異常発生時の動画のような公開すべきではない動画を撮影・記録してしまう可能性があった。
特許文献1の発明は、異常が発生した場合について想定されていないため、上記問題は解決できない。
【0007】
本発明の課題は、異常発生時に撮影された動画像データを好適に管理することができる撮影制御装置、撮影画像記録システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の撮影制御装置は、
移動体に配置された撮像部により当該移動体の外部が撮影された動画像データを取得する第1取得部と、
前記移動体または前記移動体の近傍における異常を検知する検知部と、
前記検知部により異常が検知された場合、前記第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも前記異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する設定部と、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮影制御装置において、
前記検知部は、所定の音に基づいて異常を検知する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮影制御装置において、
前記所定の音は、前記移動体が備える防護無線装置が発する警報音である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の撮影制御装置において、
前記移動体の位置情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部により取得された前記移動体の位置情報に基づいて前記移動体が移動を開始したと判断した場合に、前記撮像部による撮影を開始し、前記第2取得部により取得された前記移動体の位置情報に基づいて前記移動体が移動を停止したと判断した場合に、前記撮像部による撮影を停止する撮影制御部と、
を備える。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の撮影制御装置において、
前記第1取得部により取得された動画像データを前記移動体が移動する所定の区間ごとに分割する分割部を備え、
前記設定部は、前記検知部により異常が検知された区間、又は、当該区間及び前記区間の前後の区間において撮影された動画像データに閲覧制限を設定する。
【0013】
請求項6に記載の撮影画像記録システムは、
請求項1に記載の撮影制御装置と、
前記撮影制御装置に通信接続される情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記第1取得部により取得された前記動画像データの指定を受け付ける受付部と、
前記受付部により指定を受け付けた前記動画像データを表示部に表示する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記設定部により設定された閲覧制限に基づいて前記動画像データの表示を制限する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の撮影画像記録システムにおいて、
前記受付部は、前記動画像データの位置の指定を受け付け、
前記表示制御部は、前記受付部により指定を受け付けた位置を含んで、前記動画像データとは異なる撮影期間において撮影された動画像データを前記表示部に表示する。
【0015】
請求項8に記載のプログラムは、
撮影制御装置のコンピューターを、
移動体に配置された撮像部により当該移動体の外部が撮影された動画像データを取得する第1取得部、
前記移動体または前記移動体の近傍における異常を検知する検知部、
前記検知部により異常が検知された場合、前記第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも前記異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する設定部、
として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、異常発生時に撮影された動画像データを好適に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】撮影画像記録システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】撮影制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】異常検知処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】管理者用画像閲覧画面の一例を示す図である。
【
図10】閲覧制限無し過去画像一覧画面の一例を示す図である。
【
図11】一般用画像閲覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1から
図15に基づいて、本発明の実施形態である撮影画像記録システム1について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
[1.構成の説明]
[1-1.システム構成の説明]
図1に、撮影画像記録システム1の構成を示すブロック図を示す。
撮影画像記録システム1は、移動体である列車2において動画像を撮影し、撮影された動画像データの記録及び管理を行うシステムである。
撮影画像記録システム1は、撮影制御装置100と、情報処理装置200と、防護無線装置300と、を備える。
【0020】
[1-2.撮影制御装置の説明]
次に、撮影制御装置100の構成について説明する。
撮影制御装置100は、
図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、位置情報取得部16と、時刻情報取得部17と、音声入出力部18と、撮像部19と、を備える。
なお、撮像部19は、撮影制御装置100内に備えられなくともよい。撮影制御装置100と通信可能に構成された外部装置が備えるカメラを撮像部として用いてもよい。
撮影制御装置100としては、専用の装置を用いる必要はなく、スマートフォン、タブレット端末等の汎用の携帯端末を使用することができる。撮影制御装置100は、列車2の乗務員や設備関係者等により列車2内で使用される。また、撮影制御装置100には、撮影アプリケーションプログラム(以下、撮影アプリと表記する)121が搭載されている。
【0021】
制御部11は、撮影制御装置100の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、撮影制御装置100の各部を統括制御する。
【0022】
記憶部12は、撮影制御装置100の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等の撮影制御装置100の運用に必要となるデータを、制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0023】
また、記憶部12は、撮影アプリ121を記憶する。撮影アプリ121は、制御部11が後述する撮影制御処理及び異常検知処理を実行するためのアプリケーションプログラムである。
また、記憶部12は、キロ程データ122を記憶する。
キロ程データ122は、撮影制御装置100を使用して撮影を行う各路線のキロ程についての情報であり、起点となる地点から所定の距離(100m等)毎の各地点の位置に係る情報(経緯度)を含む。
【0024】
通信部13は、撮影制御装置100と、情報処理装置200等の外部装置との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタ等を有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0025】
表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を当該ディスプレイに表示する。
【0026】
操作部15は、例えば、表示部14と一体的に形成されたタッチパネル等を備え、撮影制御装置100を使用する列車2の乗務員等からの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。操作部15は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等であってもよい。
【0027】
位置情報取得部16は、撮影制御装置100の所在位置に関する情報を取得する部分であり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機が用いられる。GPS受信機は、GPSを構成する複数のGPS衛星から提供される測位用電波であるGPS信号を受信し、これを用いて、撮影制御装置100の位置情報を取得する。
なお、位置情報取得部16は、撮影制御装置100の位置情報を取得可能なものであればよく、GPS受信機には限られない。例えば、その他の衛星測位システムに係る信号の受信機等を使用してもよい。
【0028】
時刻情報取得部17は、時刻に関する情報を取得する部分であり、一般的な時計機能から構成されている。
【0029】
音声入出力部18は、マイクなどの音声入力部と、アンプ、スピーカー等の音声出力部とを有する。
音声入出力部18は、音声入力部により、防護無線装置300からの警報音等の音声信号を取得して音声データに変換して制御部11に出力する。
【0030】
撮像部19は、光学系と、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子と、を有するデジタルカメラ部であり、被写体を撮像して、静止画や動画の画像データを生成して制御部11に出力する。
撮像部19は、例えば、被写体として、列車2の前方に存在する線路、列車2の後方に存在する線路、列車2に設けられた架線、列車2や列車2付近に設けられた電力系統・信号通信系統等を撮像する。
【0031】
[1-3.情報処理装置の説明]
次に、情報処理装置200の構成について説明する。
情報処理装置200は、
図1に示すように、制御部21と、記憶部22と、通信部23を備える。
情報処理装置200は、列車2の外部(例えば、鉄道事業者の事務所等)に備えられる。
【0032】
制御部21は、情報処理装置200の動作を制御する部分であり、例えば、CPU、ROM、RAM等を備えて構成され、記憶部22に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、情報処理装置200の各部を統括制御する。
【0033】
記憶部22は、情報処理装置200の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等の情報処理装置200の運用に必要となるデータを、制御部21から読み書き可能に記憶する。
また、記憶部22には、情報処理装置200と通信可能に構成された外部装置(例えば、パーソナルコンピューターや携帯端末等)に搭載されたWebブラウザとHTTPプロトコルによる通信を行ってWebブラウザに各種Web画面を提供するWebサーバーとしての機能を実現させるためのWebサーバープログラムや、Webサーバー上で動作するアプリケーションプログラム等が記憶されている。
【0034】
また、記憶部22は、動画像データベース(動画像DB221)、及びユーザーデータベース(ユーザーDB222)を備える。
動画像DB221は、撮影制御装置100により撮影された動画像データ、及び当該動画像データに紐づけられる画像関連情報(後述)を記憶する。
ユーザーDB222は、撮影制御装置100により撮影された動画像データの閲覧を許可するユーザーのユーザー情報(ユーザーID、認証情報であるパスワード、管理者情報等)を記憶する。当該管理者情報は、ユーザーが管理者であることを示す情報である。
【0035】
通信部23は、情報処理装置200と、撮影制御装置100等の外部装置との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC及び通信コネクタ等を有する通信インターフェイスであり、制御部21の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0036】
[1-4.防護無線装置の説明]
次に、防護無線装置300について説明する。
防護無線装置300は、列車2内に備えられる。
列車2の乗務員は、列車2の走行中、何らかの異常状態(列車の故障や事故、落石の発見等)を認識すると、防護無線装置300が有するスイッチを押下する。
防護無線装置300は、スイッチが押下されると警報音を出力し、近隣(例えば、2km圏内)を走行する他の列車に防護発報の信号を送信する。
また、防護無線装置300は、近隣を走行する他の列車からの防護発報の信号を受信すると、当該防護発報の信号に応じて警報音を出力する。
【0037】
[2.動作の説明]
[2-1.撮影制御装置の動作の説明]
次に、本実施形態に係る撮影制御装置100の動作について説明する。
【0038】
列車2の乗務員等は列車2に乗車すると、撮影制御装置100の操作部15を介して、撮影アプリ121の起動操作を入力する。
撮影制御装置100の制御部11は、起動操作を検出すると撮影アプリ121を起動し、
図2に示す情報入力画面141を表示部14に表示する。
そして、制御部11は、情報入力画面141において、乗務員等による撮影情報の入力を受け付ける。
撮影情報は、列車2(乗務列車)の列車番号、乗務列車が走行する線区名、撮影開始駅、撮影終了駅、乗務列車の走行方向、対象物情報等を含む。対象物情報は、撮影制御装置100により撮影を行う被写体の情報であり、例えば電力系統、信号通信系統等である。
【0039】
なお、情報入力画面141において、乗務員等は、線区名、撮影開始駅、撮影終了駅、及び走行方向の入力を省いてもよい。この場合、制御部11は、撮影制御処理(
図3)において、位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、線区名、撮影開始駅、撮影終了駅、及び走行方向を判定する。
また、情報入力画面141において、乗務員等は、列車番号、及び対象物情報の入力を省いてもよい。この場合、制御部11は、撮影制御処理(
図3)において、列車番号及び対象物情報を含まない画像関連情報を動画像データに紐づけて情報処理装置200に送信する。
【0040】
また、撮影情報(列車2(乗務列車)の列車番号、乗務列車が走行する線区名、撮影開始駅、撮影終了駅、乗務列車の走行方向、及び対象物情報)が予め記憶部12に、列車2の位置情報に対応付けられて記憶されている場合、上記情報入力画面141を表示して撮影情報の入力を受け付ける処理を省いてもよい。
この場合、制御部11は、撮影制御処理(
図3)において取得した列車2の走行時における位置情報に基づいて、記憶部12より撮影情報を取得する。
【0041】
その後、乗務員等は対象物を撮影できるように撮影制御装置100を列車2内に設置し、情報入力画面141内の撮影制御処理及び異常検知処理(
図4)の開始を指示する開始ボタン141aを押下する。
【0042】
制御部11は、撮影制御処理及び異常検知処理を実行することによって、所定の区間ごとに分割した撮影動画の動画像データを情報処理装置200に送信する。また、制御部11は、異常が発生した区間、及びその前後の区間の動画を管理者のみが閲覧できるようにする等の閲覧制限を設定する閲覧制限設定情報を情報処理装置200に送信する。
【0043】
(撮影制御処理)
図3に、撮影制御処理の流れを示すフローチャートを示す。
乗務員等により撮影制御処理の開始が指示されると、まず、制御部11は、位置情報取得部16を制御し、撮影制御装置100(列車2)の所在位置に関する情報(撮影制御装置100の位置情報)の取得を開始する(ステップA1)。つまり、制御部11は、列車2(移動体)の位置情報を取得する。ここで、制御部11は第2取得部として機能する。
制御部11は、所定の間隔毎(例えば1秒毎)に撮影制御装置100の位置情報を取得する。
次に、制御部11は、ステップA1において取得を開始した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、列車2は移動を開始したか否かを判断する(ステップA2)。
列車2が移動を開始していない場合(ステップA2;NO)、制御部11は、本処理をステップA2に移行し、撮影制御装置100の位置情報の取得を継続したまま待機する。
【0044】
また、列車2が移動を開始した場合(ステップA2;YES)、制御部11は、列車2が移動を開始した時点から所定時間(例えば、5秒)後に、撮像部19を制御して動画の画像データ(動画像データ)の取得を開始し、時刻情報取得部17を制御して現在の時刻情報の取得を開始する(ステップA3)。つまり、制御部11は、列車2(移動体)に配置された撮像部19により当該列車2(移動体)の外部が撮影された動画像データを取得する。ここで、制御部11は第1取得部として機能する。
【0045】
なお、
図2に示す情報入力画面141において、乗務員等が、線区名、撮影開始駅、及び走行方向の入力を省いた場合、制御部11は、列車2が移動を開始した時点からの位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、線区名、撮影開始駅、及び走行方向を判定する。
【0046】
また、記憶部12に予め撮影情報(列車2(乗務列車)の列車番号、乗務列車が走行する線区名、撮影開始駅、撮影終了駅、乗務列車の走行方向、及び対象物情報)が記憶されている場合、制御部11は、列車2が移動を開始した時点からの位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、記憶部12より撮影情報を取得する。
【0047】
次に、制御部11は、位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、撮影制御装置100は(列車2は)移動を開始した地点から所定の区間を移動したか否かを判断する(ステップA4)。
当該所定の区間とは、キロ程データ122において予め設定された区間である。
また、当該所定の区間は、例えば、所定の駅の中心から、当該駅の次駅の中心までの区間である。
また、当該所定の区間は、例えば、所定の駅の中心から所定距離(例えば、300m)ずらした位置から、当該駅の次駅の中心から所定距離(例えば、300m)ずらした位置までの区間である。
また、当該所定の区間は、上記した例に限られず、列車2が走行する路線の形状や運行形態等に基づいて設定されてもよい。
【0048】
列車2が所定の区間を移動した場合(ステップA4;YES)、例えば、列車2が次駅の中心に到達した場合、制御部11は、列車2が所定の区間を移動した地点において、ステップA3において取得を開始した動画像データを分割する(ステップA5)。つまり、制御部11は、第1取得部により取得された動画像データを列車2(移動体)が移動する所定の区間ごとに分割する。ここで、制御部11は分割部として機能する。
上記所定の区間が所定の駅の中心から、当該駅の次駅の中心までの区間である場合、制御部11は、動画像データを駅ごとに分割する。
また、上記所定の区間が所定の駅の中心から所定距離(例えば、300m)ずらした位置から、当該駅の次駅の中心から所定距離(例えば、300m)ずらした位置までの区間である場合においても、制御部11は、動画像データを駅ごとに分割する。
【0049】
次に、制御部11は、ステップA5において分割した動画像データに紐づけられる異常検知位置情報を取得したか否かを判断する(ステップA6)。当該異常検知位置情報は、後述する異常検知処理において、異常を検知した場合に取得される。つまり、制御部11は、ステップA5において分割した動画像データが撮影された区間において異常が発生したか否かを判断する。
異常検知位置情報が取得された場合(ステップA6;YES)、つまり、ステップA5において分割した動画像データが撮影された区間において異常が発生した場合である。この場合、制御部11は、ステップA5において分割した動画像データに、異常検知位置情報及び閲覧制限設定情報を含む画像関連情報を紐づけて情報処理装置200に送信する(ステップA7)。当該閲覧制限設定情報は、後述する異常検知処理において異常を検知した場合、異常を検知した区間、及びその前後の区間の動画像データを閲覧制限するための情報である。つまり、制御部11は、検知部により異常が検知された場合、第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する。ここで、制御部11は設定部として機能する。
この場合(ステップA6;YES)の画像関連情報は、乗務員等により入力された撮影情報、送信する動画像データが撮影された区間に対応するキロ程の情報、及び動画像データ撮影時の時刻情報、異常検知位置情報、及び閲覧制限設定情報を含む。
【0050】
また、ステップA5において分割した動画像データが撮影された区間において異常検知位置情報が取得されない場合(ステップA6;NO)、つまり、ステップA5において分割した動画像データが撮影された区間において異常が発生していない場合である。この場合、制御部11は、ステップA5において分割した動画像データに、異常検知位置情報及び閲覧制限設定情報を含まない画像関連情報を紐づけて情報処理装置200に送信する(ステップA8)。
この場合(ステップA6;NO)の画像関連情報は、乗務員等により入力された撮影情報、送信する画像データの区間に対応するキロ程の情報、及び画像データ撮影時の時刻情報を含む。
【0051】
また、列車2が所定の区間を移動していない場合(ステップA4;NO)、制御部11は、本処理をステップA9に移行する。
【0052】
次に、制御部11は、位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、列車2は移動を所定時間(例えば、5分間)停止したか否かを判断する(ステップA9)。
列車2が移動を所定時間停止していない場合(ステップA9;NO)、制御部11は、本処理をステップA4に移行し、動画像データ及び時刻情報の取得を継続する。
2回目以降のステップA4において、制御部11は、列車2は前回動画像データを分割した地点から所定の区間を移動したか否かを判断する。
そして、2回目以降のステップA5において、制御部11は、列車2が前回動画像データを分割した地点から所定の区間を移動した地点において、前回動画像データを分割した地点からの動画像データを分割する。
【0053】
また、列車2が移動を所定時間停止した場合(ステップA9;YES)、制御部11は、動画像データの取得、時刻情報の取得、及び撮影制御装置100の位置情報の取得を停止する(ステップA10)。つまり、制御部11は、ステップA3、A10を実行することにより、第2取得部により取得された列車2(移動体)の位置情報に基づいて移動体が移動を開始したと判断した場合に、撮像部19による撮影を開始し、第2取得部により取得された移動体の位置情報に基づいて移動体が移動を停止したと判断した場合に、撮像部19による撮影を停止する。ここで、制御部11は撮影制御部として機能する。
なお、
図2に示す情報入力画面141において、乗務員等が、撮影終了駅の入力を省いた場合、制御部11は、列車2が移動を所定時間停止した地点(停止地点)における位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、撮影終了駅を判定する。
【0054】
次に、制御部11は、前回動画像データを分割した地点から停止地点までの区間(停止前の区間)で撮影された動画像データに紐づけられる異常検知位置情報は、異常検知処理において取得されたか否かを判断する(ステップA11)。
異常検知位置情報が取得された場合(ステップA11;YES)、つまり、停止前の区間において異常が発生した場合である。この場合、制御部11は、停止前の区間で撮影された動画像データに、異常検知位置情報及び閲覧制限設定情報を含む画像関連情報を紐づけて情報処理装置200に送信し(ステップA12)、本処理を終了する。
なお、停止前の区間の後の区間において撮影された動画像データは存在しないため、この場合の閲覧制限設定情報は、異常を検知した区間、及びその前の区間の動画像データを閲覧制限するための情報である。
この場合(ステップA11;YES)の画像関連情報は、乗務員等により入力された撮影情報、送信する画像データの区間に対応するキロ程の情報、及び画像データ撮影時の時刻情報、異常検知位置情報、及び閲覧制限設定情報を含む。
【0055】
また、停止前の区間で撮影された動画像データに紐づけられる異常検知位置情報が取得されない場合(ステップA11;NO)、つまり、停止前の区間において異常が発生していない場合である。この場合、制御部11は、停止前の区間で撮影された動画像データに、異常検知位置情報及び閲覧制限設定情報を含まない画像関連情報を紐づけて情報処理装置200に送信し(ステップA13)、本処理を終了する。
この場合(ステップA11;NO)の画像関連情報は、乗務員等により入力された撮影情報、送信する画像データの区間に対応するキロ程の情報、及び画像データ撮影時の時刻情報を含む。
【0056】
情報処理装置200の制御部21は、通信部23を介して、撮影制御装置100より送信された動画像データ、及び当該動画像データに紐づけられている画像関連情報を受信し、記憶部22の動画像DB221に保存する。
【0057】
また、制御部11は、上記撮影制御処理と並行して
図4に示す異常検知処理を実行する。
【0058】
(異常検知処理)
まず、制御部11は、上記撮影制御処理において動画像データの取得を開始したか否かを判断する(ステップB1)。
動画像データの取得を開始していない場合(ステップB1;NO)、制御部11は、本処理をステップB1に移行し、動画像データの取得が開始されるまで待機する。
【0059】
また、動画像データの取得を開始した場合(ステップB1;YES)、制御部11は、音声入出力部18を制御して、撮影制御装置100付近の音声の取得を開始する(ステップB2)。
次に、制御部11は、ステップB2において取得を開始した音声の音声データに基づいて、防護無線装置300からの警報音を検知したか、つまり、異常を検知したか(異常が発生したか)否かを判断する(ステップB3)。つまり、制御部11は、列車2(移動体)が備える防護無線装置300が発する警報音に基づいて移動体または移動体の近傍における異常を検知する。ここで、制御部11は検知部として機能する。
具体的には、制御部11は、防護無線装置300からの警報音を事前に機械学習したデータ等に基づいて警報音を検知したか否かを判断する。
【0060】
異常を検知した場合(ステップB3;YES)、制御部11は、位置情報取得部16により取得した撮影制御装置100の位置情報に基づいて、異常を検知した地点の位置情報を異常検知位置情報として取得する(ステップB4)。
【0061】
一方、異常を検知していない場合(ステップB3;NO)、制御部11は、本処理をステップB5に移行する。
【0062】
次に、制御部11は、上記撮影制御処理において動画像データの取得を停止したか否かを判断する(ステップB5)。
動画像データの取得を停止していない場合(ステップB5;NO)、制御部11は、本処理をステップB3に移行する。
【0063】
また、画像データの取得を停止した場合(ステップB5;YES)、制御部11は、撮影制御装置100付近の音声の取得を停止し(ステップB6)、本処理を終了する。
【0064】
[2-2.情報処理装置の動作の説明]
次に、情報処理装置200と通信可能に構成された外部装置に搭載され、当該外部装置が備える表示部において表示されるWebブラウザにおける制御部21による表示制御処理を説明する。
図5に、表示制御処理の流れを示すフローチャートを示す。
なお、情報処理装置200が表示部を備える場合、制御部21は、情報処理装置200の表示部において表示制御処理を行ってもよい。
【0065】
(表示制御処理)
まず、制御部21は、外部装置に搭載されたWebブラウザにログイン画面を表示し、当該ログイン画面においてユーザーによりユーザーID及びパスワードが入力されたか否かを判断する(ステップC1)。
ユーザーID及びパスワードが入力されない場合(ステップC1;NO)、制御部21は、本処理をステップC1に戻し、ユーザーID及びパスワードが入力されるまで待機する。
【0066】
一方、ユーザーID及びパスワードが入力された場合(ステップC1;YES)、制御部21は、ユーザーにより入力されたユーザーID及びパスワードを、ユーザーDB222に記憶されたユーザー情報と照合し、当該ユーザー情報と一致するか否かを判断する(ステップC2)。
ユーザーにより入力されたユーザーID及びパスワードが、ユーザーDB222に記憶されたユーザー情報と一致しない場合(ステップC2;NO)、制御部21は、本処理をステップC1に移行する。
【0067】
一方、ユーザーにより入力されたユーザーID及びパスワードが、ユーザーDB222に記憶されたユーザー情報と一致する場合(ステップC2;YES)、制御部21は、
図6に示すメイン画面301をWebブラウザに表示する(ステップC3)。
【0068】
次に、制御部21は、メイン画面301において、ユーザーにより過去画像一覧ボタン301aが押下されたか否かを判断する(ステップC4)。
ユーザーにより過去画像一覧ボタン301aが押下された場合(ステップC4;YES)、制御部21は、ユーザーにより入力されたユーザーID及びパスワードと一致したユーザー情報に管理者情報が含まれるか否か、つまり、ユーザーは管理者であるか否かを判断する(ステップC5)。
ユーザーが管理者である場合(ステップC5;YES)、制御部21は、
図7に示す全ての過去画像の一覧を表示する全過去画像一覧画面302をWebブラウザに表示する(ステップC6)。
【0069】
(全過去画像一覧画面)
制御部21は、
図7に示すように、全過去画像一覧画面302の過去画像一覧302bに、動画像DB221に記憶された全ての動画像データの一覧を表示する。
また、制御部21は、過去画像一覧302bにおいて表示項目として、それぞれの動画像データに紐づけられた閲覧制限有無、異常検知有無、撮影の対象物、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、動画像データ撮影時の時刻情報に基づく撮影期間、及びキロ程を表示する。当該閲覧制限有無は、動画像データに紐づけられた閲覧制限設定情報に基づいて判定される。
また、制御部21は、閲覧制限有りの画像データについて、
図7に示すように、閲覧制限無しの画像データとは異なる色等で表示する。
また、制御部21は、画像関連情報に異常検知位置情報が含まれる画像データ(異常検知有りの画像データ)について、
図7に示すように、異常検知無しの画像データとは異なる色等で表示する。
【0070】
また、制御部21は、ユーザー操作に基づいて、過去画像一覧302bにおける動画像データの表示順番を、撮影期間の新しい順、または古い順に並べ替える。
また、制御部21は、条件入力欄302aにおいて、ユーザーにより線区名、対象物、撮影開始駅、撮影終了駅、キロ程、走行方向、撮影期間、閲覧制限の有無、及び異常検知の有無のうちの少なくともいずれかが入力され、検索ボタンが押下された場合、動画像DB221に記憶された動画像データの中から、ユーザーにより入力された条件に該当する動画像データを検索する。そして、制御部21は、検索結果として、ユーザーにより入力された条件に該当する動画像データの一覧を全過去画像一覧画面302内に表示する。
【0071】
また、過去画像一覧302bのチェックボックス302cにおいて、ユーザーにより複数、または一の動画像データが選択されると、制御部21は、
図8に示すように、選択された動画像データを削除することを指示する削除ボタン302e、及び選択をキャンセルするキャンセルボタン302fを全過去画像一覧画面302内に表示する。ユーザーにより削除ボタン302eが押下されると、制御部21は、チェックボックス302cにおいて選択された動画像データを過去画像一覧302b及び動画像DB221から削除する。
なお、ユーザーは、
図7、
図8に示す一括選択ボックス302dを選択することにより、過去画像一覧302bに表示された全ての動画像データのチェックボックス302cを選択することができる。
【0072】
次に、制御部21は、過去画像一覧302bにおいて、ユーザーによりいずれかの動画像データの閲覧が指示されたか否かを判断する(ステップC7)。つまり、制御部21は、第1取得部により取得された動画像データの指定を受け付ける。ここで、制御部21は受付部として機能する。
動画像データの閲覧が指示されない場合(ステップC7;NO)、制御部21は、本処理をステップC7に戻す。
【0073】
一方、ユーザーによりいずれかの動画像データの閲覧が指示された場合(ステップC7;YES)、制御部21は、閲覧を指示された動画像データを閲覧するための
図9に示す管理者用画像閲覧画面303をWebブラウザに表示し(ステップC8)、処理を終了する。
【0074】
(管理者用画像閲覧画面)
制御部21は、
図9に示すように、管理者用画像閲覧画面303の表示領域303aにおいて、閲覧を指示された動画像データに紐づけられた撮影の対象物、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、動画像データ撮影時の時刻情報に基づく撮影期間、列車番号の情報、閲覧制限有無、及び異常検知有無を表示する。
また、閲覧を指示された動画像データが異常検知有りの動画像データである場合、制御部21は、再生開始入力欄303bにおいて、管理者により駅名またはキロ程が指定された位置から、動画像データを再生する。また、再生開始入力欄303bにおいて、位置が指定されない場合、制御部11は、動画像データを最初から再生する。なお、閲覧を指示された動画像データが異常検知無しの動画像データである場合、制御部21は、動画像データを最初から再生する。
また、制御部21は、管理者により画像遷移ボタン303dが押下された場合、現在、管理者用画像閲覧画面303において表示している動画像データの、過去画像一覧302bにおける前の動画像データ、または次の動画像データを閲覧するための管理者用画像閲覧画面303に遷移する。
【0075】
また、制御部21は、表示領域303eにおいて、閲覧を指示された動画像データを表示し、再生する。つまり、制御部21は、受付部により指定を受け付けた動画像データを表示部に表示する。ここで、制御部21は表示制御部として機能する。
また、制御部21は、管理者により一時停止ボタン303fが押下されると、表示領域303eにおいて再生している動画像データを一時停止する。
また、制御部21は、管理者によりシークバー303gで指定された時点から動画像データを再生(見返し再生)する。
また、制御部21は、管理者により全画面ボタン303hが押下されると、表示領域303eに表示した動画像データを全画面で表示する。
【0076】
また、制御部21は、表示領域303eにおいて表示している動画像データが閲覧制限有りの動画像データである場合、管理者用画像閲覧画面303に閲覧制限解除ボタン303iを表示する。
制御部21は、管理者により閲覧制限解除ボタン303i押下されると、表示領域303eにおいて表示している動画像データに設定された閲覧制限を解除する。
【0077】
一方、ユーザーが管理者でない場合(ステップC5;NO)、つまり、ユーザーが一般ユーザーである場合、制御部21は、
図10に示す閲覧制限が無い過去画像の一覧を表示する閲覧制限無し過去画像一覧画面304をWebブラウザに表示する(ステップC9)。
【0078】
(閲覧制限無し過去画像一覧画面)
制御部21は、
図10に示すように、閲覧制限無し過去画像一覧画面304の過去画像一覧304bに、動画像DB221に記憶された動画像データのうち、閲覧制限が無い動画像データの一覧を表示する。
また、制御部21は、過去画像一覧304bにおいて表示項目として、それぞれの動画像データに紐づけられた異常検知有無、撮影の対象物、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、動画像データ撮影時の時刻情報に基づく撮影期間、及びキロ程を表示する。
また、制御部21は、画像関連情報に異常検知位置情報が含まれる画像データ(異常検知有りの画像データ)について、
図10に示すように、異常検知無しの画像データとは異なる色等で表示する。
【0079】
また、制御部21は、全過去画像一覧画面302における制御と同様に、過去画像一覧304bにおける動画像データの表示順番を並べ替える。また、制御部21は、条件入力欄304aにおける入力に基づいて、動画像DB221に記憶された閲覧制限が無い動画像データの中から、条件に該当する動画像データを検索する。そして、制御部21は、検索結果として、ユーザーにより入力された条件に該当する動画像データの一覧を閲覧制限無し過去画像一覧画面304内に表示する。
【0080】
また、チェックボックス304c及び一括選択ボックス304dにおける制御は、全過去画像一覧画面302のチェックボックス302c及び一括選択ボックス302dにおける制御と同様である。
【0081】
次に、制御部21は、過去画像一覧304bにおいて、ユーザーによりいずれかの動画像データの閲覧が指示されたか否かを判断する(ステップC10)。つまり、制御部21は、第1取得部により取得された動画像データの指定を受け付ける。ここで、制御部21は受付部として機能する。
動画像データの閲覧が指示されない場合(ステップC10;NO)、制御部21は、本処理をステップC10に戻す。
【0082】
一方、ユーザーによりいずれかの動画像データの閲覧が指示された場合(ステップC10;YES)、制御部21は、閲覧を指示された動画像データを閲覧するための
図11に示す一般用画像閲覧画面305をWebブラウザに表示する(ステップC11)。
【0083】
(一般用画像閲覧画面)
制御部21は、
図11に示すように、一般用画像閲覧画面305の表示領域305aにおいて、閲覧を指示された動画像データに紐づけられた撮影の対象物、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、動画像データ撮影時の時刻情報に基づく撮影期間、列車番号の情報、及び異常検知有無を表示する。
また、再生開始入力欄305bにおける制御は、管理者用画像閲覧画面303の再生開始入力欄303bにおける制御と同様である。
また、制御部21は、ユーザーにより画像遷移ボタン305dが押下された場合、現在、一般用画像閲覧画面305において表示している動画像データの、過去画像一覧304bにおける前の動画像データ、または次の動画像データを閲覧するための一般用画像閲覧画面305に遷移する。
【0084】
また、制御部21は、表示領域305eにおいて、閲覧を指示された動画像データを、管理者用画像閲覧画面303と同様に、表示し再生する。
以上のように、閲覧制限有りの動画像データは、一般用画像閲覧画面305では表示することができない。つまり、表示制御部としての制御部21は、設定部により設定された閲覧制限に基づいて動画像データの表示を制限する。
【0085】
また、制御部21は、表示領域305eにおいて表示している動画像データが異常検知有りの動画像データである場合、当該動画像データに紐づけられた画像関連情報に含まれる異常検知位置情報を異常個所として、異常個所一覧305iに表示する。
制御部21は、ユーザーにより異常個所一覧305iにおけるいずれかの異常個所が選択されると、選択された異常個所(異常検知位置)から動画像データを表示領域305eにおいて再生する。
【0086】
また、制御部21は、ユーザーにより異常個所一覧305iにおける削除ボタン305kが押下されると、当該削除ボタン305kが押下された異常個所を異常個所一覧305i及び異常個所一覧308b(
図14)から削除し、動画像DB221から当該異常個所(異常検知位置情報)を削除する。
【0087】
また、制御部21は、ユーザーにより異常追加ボタン305lが押下されると、表示領域305eにおいて表示している動画像データに、異常追加ボタン305lが押下された時点で表示していた位置において、異常個所を追加する。また、制御部21は、ユーザーにより追加された異常個所についてのコメントや異常レベルを指定することを受け付ける。当該異常レベルは、異常の具合を示す指標であり、それぞれの異常個所は、例えばレベル1~3に指定される。また、管理者は、異常個所についてのコメントにおいて、例えば、異常の種類や異常原因を入力する。
【0088】
次に、制御部21は、ユーザーにより異常個所一覧305iにおけるいずれかの異常個所に対応する編集ボタン305jが押下されたか否かを判断する(ステップC12)。
編集ボタン305jが押下されない場合(ステップC12;NO)、制御部21は、本処理をステップC14に移行する。
【0089】
一方、ユーザーにより編集ボタン305jが押下された場合(ステップC12;YES)、制御部21は、
図12に示す異常編集画面306をWebブラウザに表示する(ステップC13)。
【0090】
(異常編集画面)
制御部21は、
図12に示すように、異常編集画面306の表示領域306aにおいて、編集を指示された異常個所を含む動画像データに紐づけられた対象物情報、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、撮影期間、列車番号、及び異常個所の異常レベル、処置状態を表示する。
当該処置状態は、未処置及び処置済のいずれかであり、処置状態が未処置である場合、異常個所がユーザーにより未確認であることを示す。また、当該処置状態が処置済である場合、異常個所がユーザーにより確認され、
図12に示す処置完了ボタン306eが押下されたことを示す。
【0091】
また、制御部21は、表示領域306bにおいて、編集を指示された異常個所において撮影された画像データを表示する。
また、制御部21は、表示領域306cにおいて、編集を指示された異常個所に対してユーザーが入力したコメントを表示する。
【0092】
また、制御部21は、ユーザーにより異常レベル変更ボタン306dが押下されると、表示領域306bにおいて表示している異常個所の異常レベルの変更を受け付ける。また、制御部21は、ユーザーにより異常レベルが変更される際に、異常個所についてのコメントの入力を受け付ける。ユーザーは、異常個所についてのコメントにおいて、例えば、異常の種類や異常原因を入力する。
【0093】
また、制御部21は、ユーザーにより処置完了ボタン306eが押下されると、表示領域306bにおいて表示している異常個所の処置状態を未処置から処置済に変更する。なお、異常個所の処置状態が既に処置済である場合、制御部21は、異常編集画面306に処置完了ボタン306eを表示しない。
【0094】
次に、制御部21は、一般用画像閲覧画面305において動画像データを再生中に、ユーザーにより過去比較ボタン305cが押下されたか否かを判断する(ステップC14)。
過去比較ボタン305cが押下されない場合(ステップC14;NO)、制御部21は、本処理を終了する。
【0095】
一方、動画像データを再生中に、ユーザーにより過去比較ボタン305cが押下された場合(ステップC14;YES)、制御部21は、過去比較ボタン305cが押下された時点で表示していた動画像データのスクリーンショットを行って比較画像を生成し、過去比較画面307(
図13)に遷移する(ステップC15)。つまり、ユーザーは、過去比較ボタン305cを押下することで、表示された動画像データにおける位置を指定する。受付部としての制御部21は、表示された動画像データにおける位置の指定を受け付ける。
【0096】
(過去比較画面)
制御部21は、
図13に示すように、過去比較画面307の表示領域307aにおいて、生成した比較画像を表示する。
また、制御部21は、表示領域307bにおいて、表示領域307aに表示している比較画像の元の動画像データ(表示領域305eにおいて表示していた動画像データ)に紐づけられた対象物情報、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、及び列車番号、元の動画像データにおいて比較画像が示す位置が撮影された時刻(撮影時刻)を表示する。
【0097】
また、制御部21は、過去比較画面307に同キロ程画像一覧307cを表示する。
制御部21は、同キロ程画像一覧307cにおいて、表示領域307aに表示している比較画像が示す位置(キロ程)を含んで、他の撮影期間において撮影された動画像データの撮影期間及び対象物情報を表示する。当該他の撮影期間において撮影された動画像データは、比較画像の元の動画像データの撮影時から過去の所定期間(例えば1年)以内に撮影された動画像データとする。
制御部21は、同キロ程画像一覧307cにおいて、ユーザーによりいずれかの動画像データが選択されると、選択された動画像データを表示領域307dにおいて表示し、再生する。つまり、表示制御部としての制御部21は、受付部により指定を受け付けた位置を含んで、比較画像の元の動画像データとは異なる撮影期間において撮影された動画像データを表示部に表示する。
これにより、ユーザーは、表示領域307aに表示されている比較画像と、表示領域307dに表示されている他の撮影期間において撮影された動画像データと、を比較することができる。
また、制御部21は、表示領域307dに表示している動画像データにおいて、ユーザー操作に基づいて、上記表示領域305eで表示する動画像データと同様に、一時停止、見返し再生、全画面表示をする。
そして、制御部21は、本処理を終了する。
【0098】
また、ユーザーにより過去画像一覧が選択されない場合(ステップC4;NO)、制御部21は、
図6に示すメイン画面301において、ユーザーにより異常個所一覧301bが選択されたか否かを判断する(ステップC16)。
異常個所一覧301bが選択されない場合(ステップC16;NO)、制御部21は、本処理をステップC4に移行する。
【0099】
一方、ユーザーにより異常個所一覧301bが選択された場合(ステップC16;YES)、制御部21は、
図14に示す異常個所一覧画面308をWebブラウザに表示する(ステップC17)。
【0100】
(異常個所一覧画面)
制御部21は、
図14に示すように、異常個所一覧画面308の異常個所一覧308bに、動画像DB221に記憶された動画像データに紐づけられた異常検知位置情報を異常個所として表示する。
制御部21は、異常個所一覧308bにおいて表示項目として、それぞれの異常個所の異常レベル、処置状態、及び当該異常個所を含む動画像データに紐づけられた対象物、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、撮影期間、及びキロ程の情報を表示する。
【0101】
また、制御部21は、ユーザーによる操作に基づいて、異常個所一覧308bにおける異常個所の表示順番を、撮影期間の新しい順、または古い順に並べ替える。
また、制御部21は、条件入力欄308aにおいて、ユーザーにより線区名、対象物、撮影開始駅、撮影終了駅、キロ程、走行方向、撮影期間、異常レベル、及び処置状態のうちの少なくともいずれかが入力され、検索ボタンが押下された場合、動画像DB221に記憶された異常検知位置情報(異常個所)の中から、ユーザーにより入力された条件に該当する異常個所を検索する。そして、制御部21は、検索結果として、ユーザーにより入力された条件に該当する異常個所の一覧を異常個所一覧画面308内に表示する。
【0102】
また、制御部21は、異常個所一覧308bのチェックボックス308cにおいて、ユーザーにより複数、または一の異常個所が選択されると、
図15に示すように、選択された異常個所を削除することを指示する削除ボタン308f、選択された異常個所を出力することを指示する出力ボタン308g、及び選択をキャンセルするキャンセルボタン308hを異常個所一覧画面308内に表示する。
制御部21は、ユーザーにより削除ボタン308fが押下されると、チェックボックス308cにおいて選択された異常個所(異常検知位置情報)を、異常個所一覧305i(
図11)、異常個所一覧308b及び動画像DB221から削除する。
また、制御部21は、ユーザーにより出力ボタン308gが押下されると、チェックボックス308cにおいて選択された異常個所の出力用一覧を予め設定された形式で作成し、当該出力用一覧を出力する。また、制御部21は、異常個所に関する情報をそれぞれの異常個所ごとに出力する。当該異常個所に関する情報は、異常個所を含む動画像データに紐づけられた対象物情報、線区名、走行方向、撮影開始駅、撮影終了駅、撮影期間、キロ程、列車番号、及び異常個所の異常レベル、処置状態を含む。
なお、ユーザーは、
図14、
図15に示す一括選択ボックス308dを選択することにより、異常個所一覧308bに表示された全ての異常個所のチェックボックス308cを選択することができる。
【0103】
次に、制御部21は、ユーザーにより異常個所一覧308bにおけるいずれかの異常個所に対応する編集ボタン308eが押下されたか否かを判断する(ステップC18)。
編集ボタン308eが押下されない場合(ステップC18;NO)、制御部21は、本処理を終了する。
【0104】
一方、ユーザーにより編集ボタン308eが押下された場合(ステップC18;YES)、制御部21は、
図12に示す異常編集画面306をWebブラウザに表示し、当該異常個所の編集を受け付ける(ステップC19)。
そして、制御部21は、本処理を終了する。
【0105】
(その他)
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述したものに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態において、異常の種類や異常原因は、ユーザーにより異常個所についてのコメントにおいて入力されるとしたがこれに限らない。制御部21は、異常個所を含む動画像データに、機械学習や深層学習技術に基づくAI(Artificial Intelligence)解析等のコンピューター処理を実行することで、異常の種類や異常原因を判定してもよい。
さらに、制御部21は、判定された異常の種類や異常原因ごとに動画像データを分類してもよい。
【0106】
また、上記実施形態において、制御部21は、管理者により閲覧制限解除ボタン303iが押下されると、動画像データに設定された閲覧制限を解除するとしたがこれに限らない。制御部21は、閲覧制限が設定された動画像データに、機械学習や深層学習技術に基づくAI解析等のコンピューター処理を実行することで、閲覧制限が必要か否かを判断し、閲覧制限が不要であると判断した場合に、動画像データに設定された閲覧制限を解除するとしてもよい。閲覧制限が必要である異常とは、例えば、人身事故、及び踏切における物体や車との衝突等の異常である。
【0107】
また、上記実施形態において、制御部11は、異常検知処理において異常を検知した場合、異常を検知した区間、及びその前後の区間の動画像データに閲覧制限を設定するとしたがこれに限らない。制御部11は、異常検知処理において異常を検知した場合、異常を検知した区間の動画像データのみに閲覧制限を設定するとしてもよい。
また、制御部21は、上記コンピューター処理の実行により判定した異常の種類や異常原因に基づいて、異常を検知した区間の動画像データのみに閲覧制限を設定するか、または異常を検知した区間、及びその前後の区間の動画像データに閲覧制限を設定するかを判断してもよい。
【0108】
[3.効果の説明]
本実施形態に係る撮影制御装置100は、移動体(列車2)に配置された撮像部19により当該移動体の外部が撮影された動画像データを取得する第1取得部(制御部11)と、移動体または移動体の近傍における異常を検知する検知部(制御部11)と、検知部により異常が検知された場合、第1取得部により取得された動画像データのうち、少なくとも異常が検出されたタイミングを含む前後の所定期間の動画像データに閲覧制限を設定する設定部(制御部11)と、を備える。
したがって、例えば、人身事故発生等の異常発生時に撮影された動画像データのような公開すべきではない動画像データに閲覧制限を設定することができるため、異常発生時に撮影された動画像データを好適に管理することができる。
【0109】
また、本実施形態に係る撮影制御装置100において、検知部は、所定の音に基づいて異常を検知する。
したがって、検知部は、所定の音に基づいて、移動体または移動体の近傍における異常を容易に検知することができる。
【0110】
また、本実施形態に係る撮影制御装置100において、所定の音は、移動体が備える防護無線装置300が発する警報音である。
したがって、検知部は、警報音に基づいて、移動体または移動体の近傍における異常を容易に検知することができる。
【0111】
また、本実施形態に係る撮影制御装置100は、移動体の位置情報を取得する第2取得部(制御部11)と、第2取得部により取得された移動体の位置情報に基づいて移動体が移動を開始したと判断した場合に、撮像部19による撮影を開始し、第2取得部により取得された移動体の位置情報に基づいて移動体が移動を停止したと判断した場合に、撮像部19による撮影を停止する撮影制御部(制御部11)と、を備える。
したがって、列車2が移動している間の動画像データを自動で(制御部11の制御により)撮影することができる。
【0112】
また、本実施形態に係る撮影制御装置100は、第1取得部により取得された動画像データを移動体が移動する所定の区間ごとに分割する分割部(制御部11)を備え、設定部は、検知部により異常が検知された区間、又は、当該区間及び前記区間の前後の区間において撮影された動画像データに閲覧制限を設定する。
したがって、分割部により分割される地点において異常が発生した場合においても、異常が検知された区間、及び当該区間の前後の区間の画像データに閲覧制限を設定することで、異常が検知された地点において撮影された動画像データに確実に閲覧制限を設定することができる。
【0113】
また、本実施形態に係る撮影画像記録システム1は、撮影制御装置100と、撮影制御装置100に通信接続される情報処理装置200と、を備え、情報処理装置200は、第1取得部により取得された動画像データの指定を受け付ける受付部(制御部21)と、受付部により指定を受け付けた動画像データを表示部に表示する表示制御部(制御部21)と、を備え、表示制御部は、設定部により設定された閲覧制限に基づいて動画像データの表示を制限する。
したがって、人身事故発生等の異常発生時に撮影された動画像データのような公開すべきではない動画像データの閲覧を制限することができる。
【0114】
また、本実施形態に係る撮影画像記録システム1において、受付部は、動画像データの位置の指定を受け付け、表示制御部は、受付部により指定を受け付けた位置を含んで、前記動画像データとは異なる撮影期間において撮影された動画像データを表示部に表示する。
したがって、ユーザーは、表示領域307aに表示されている比較画像(受付部により指定を受け付けた位置において撮影された画像データ)と、表示領域307dに表示されている他の撮影期間において撮影された動画像データ(受付部により指定を受け付けた位置を含んで、異なる撮影期間において撮影された動画像データ)と、を比較することができる。
【0115】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述したものに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態の異常検知処理において、制御部11は、防護無線装置300からの警報音に基づいて、異常を検知したか否かを判断するとしたがこれに限らない。制御部11は、防護無線装置300からの警報音以外の音(例えば、所定の携帯端末からの警報音)に基づいて、異常を検知したか否かを判断してもよい。
また、制御部11は、撮像部19により撮影された動画像データを解析して、当該動画像データにおいて異常物を認識する等により、異常を検知したか否かを判断してもよい。
また、撮影制御装置100が防護無線装置300と通信可能に構成されている場合、制御部11は、防護無線装置300が送受信する防護発報の信号に基づいて、異常を検知したか否かを判断してもよい。
また、列車2が異常を検知する検知部を備え、制御部11は当該検知部の検知結果を取得する構成である場合、制御部11は、当該検知部の検知結果に基づいて、異常を検知したか否かを判断してもよい。
【0116】
また、制御部11は、上記実施形態の撮影制御処理のステップA5において分割した動画像データを記憶部12に記憶し、当該記憶した動画像データの後の区間において撮影された動画像データを分割後に、当該記憶した動画像データを情報処理装置200に送信するとしてもよい。なお、当該記憶した動画像データの後の区間において異常が発生した場合、制御部21は、当該記憶した動画像データに閲覧制限を設定する情報を紐づけて情報処理装置200に送信する。
【0117】
また、制御部11は、上記実施形態の異常検知処理において以下のようにして異常を検知してもよい。制御部11は、表示部14に、ユーザーによる異常の記録の指示を受け付ける異常記録ボタン(図示無し)を表示させる。そして、制御部11は、ステップB3において、ユーザーにより異常記録ボタンが押下された否かを判断することにより、異常を検知したか否かを判断する。
【符号の説明】
【0118】
1 撮影画像記録システム
100 撮影制御装置
11 制御部(第1取得部、検知部、設定部、第2取得部、撮影制御部、分割部)
12 記憶部
121 撮影アプリ
122 キロ程データ
13 通信部
14 表示部
15 操作部
16 位置情報取得部
17 時刻情報取得部
18 音声入出力部
19 撮像部
200 情報処理装置
21 制御部(受付部、表示制御部)
22 記憶部
23 通信部
300 防護無線装置
N 通信ネットワーク