(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088955
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】検証システム、検証方法、及び検証プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20240626BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204016
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】川口 将司
(72)【発明者】
【氏名】吉村 慧
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】正当なユーザであることを簡易に検証することができる。
【解決手段】検証システムは、コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得するコンテンツ取得部と、環境における、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す関係情報を、コンテンツデータと対応付けてユーザ端末から取得する関係情報取得部と、関係情報に基づいて、ユーザが、コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する検証部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得するコンテンツ取得部と、
前記環境における、前記ユーザと前記コンテンツデータとの関係を示す関係情報を、前記コンテンツデータと対応付けて前記ユーザ端末から取得する関係情報取得部と、
前記関係情報に基づいて、前記ユーザが、前記コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する検証部と、
を備える検証システム。
【請求項2】
前記関係情報は、前記環境における前記ユーザの属性に関するユーザ属性情報を含む、請求項1に記載の検証システム。
【請求項3】
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザに対する、前記ユーザ以外のユーザからの前記環境における評価に関するユーザ評価情報を含む、請求項2に記載の検証システム。
【請求項4】
所定の情報処理システムから取得される前記ユーザに関するユーザ情報に基づいて、前記検証部における検証の基準を決定する検証基準決定部をさらに備え、
前記検証部は、前記決定される基準にさらに基づいて、前記ユーザが、前記コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の検証システム。
【請求項5】
前記検証部による検証結果に応じて、前記検証部による検証に必要な前記関係情報を前記ユーザ端末に要求する追加要求部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の検証システム。
【請求項6】
コンピュータが、
コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得し、
前記環境における、前記ユーザと前記コンテンツデータとの関係を示す関係情報を、前記コンテンツデータと対応付けて前記ユーザ端末から取得し、
前記関係情報に基づいて、前記ユーザが、前記コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する、
検証方法。
【請求項7】
コンピュータに、
コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得するコンテンツ取得部と、
前記環境における、前記ユーザと前記コンテンツデータとの関係を示す関係情報を、前記コンテンツデータと対応付けて前記ユーザ端末から取得する関係情報取得部と、
前記関係情報に基づいて、前記ユーザが、前記コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する検証部と、
を実現させるための検証プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検証システム、検証方法、及び検証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サービスの提供に際して、正当な権利者からのサービス提供要求であるか否かを検証するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されているID連携型認証システムは、互いに通信網に接続された、利用者端末、サービスサーバ、及び認証代行サーバを含み、サービスサーバは、利用者端末からサービス要求を受信して、認証代行サーバに、シングルサインオン要求を送信する。認証代行サーバは、受信したシングルサインオン要求の結果として、取得したサービスサーバ用IDと認証済みであることを記載した認証結果情報をサービスサーバに送信する。サービスサーバは、認証結果情報に基づいてサービスを実行し、実行したサービスの結果を利用者端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、複数のサービスサーバが存在し、当該複数のサービスサーバがそれぞれ独立にユーザのIDを管理している。そのため、ユーザを認証しようとするシステムが、ユーザが利用している他のサービスサーバにおける認証情報に基づいてユーザを認証する場合、他のサービスサーバと連携可能なシステムを備える必要がある。そして、当該システムが多くのユーザを取り込む際には、より多くの他のサービスサーバと連携可能なシステムを備える必要がある。
【0006】
認証情報に基づく連携の必要性の例として、NFTを発行可能なプラットフォーム上で、デジタル作品の権利者以外の者が、同作品を用いてNFTを発行し、利益を得られる状況を防止するために必要とされる。
【0007】
また別の例として、デジタル作品を入力値としたAI(学習済みモデル)を作成可能なプラットフォーム上で、権利者以外の者がデジタル作品を用いた学習や推論を行い、利益を得られる状況を防止するために必要とされる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載されているID連携型認証システムでは、サービスサーバごとに、認証処理を行う必要があり、ユーザとサービスサーバの組み合わせが増大した場合には、処理が煩雑になる。
【0009】
そこで、本発明は、正当なユーザであることを簡易に検証することが可能な検証システム、検証方法、及び検証プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る検証システムは、コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得するコンテンツ取得部と、環境における、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す関係情報を、コンテンツデータと対応付けてユーザ端末から取得する関係情報取得部と、関係情報に基づいて、ユーザが、コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する検証部と、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る検証方法は、コンピュータが、コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得し、環境における、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す関係情報を、コンテンツデータと対応付けてユーザ端末から取得し、関係情報に基づいて、ユーザが、コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する。
する。
【0012】
本発明の一態様に係る検証プログラムは、コンピュータに、コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムに提供されたコンテンツデータを、ユーザのユーザ端末から取得するコンテンツ取得部と、環境における、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す関係情報を、コンテンツデータと対応付けてユーザ端末から取得する関係情報取得部と、関係情報に基づいて、ユーザが、コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する検証部と、を実現させる。
【0013】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」又は装置が有する機能が2つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」又は装置の機能が1つの物理的手段、装置、又はソフトウェアにより実現されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、正当なユーザであることを簡易に検証することが可能な検証システム、検証方法、及び検証プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態である検証システム100における処理の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態である検証システム100の構成を示す図である。
【
図3】記憶部110に記憶されるコンテンツ登録情報の例を示す図である。
【
図4】記憶部110に記憶される関係情報の例を示す図である。
【
図5】記憶部110に記憶されるユーザ情報の例を示す図である。
【
図6】記憶部110に記憶される検証結果情報の例を示す図である。
【
図7】検証システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である検証システム100における処理の概要を示す図である。
【0017】
検証システム100は、検証プログラムによって実現される情報処理システムであり、ユーザからコンテンツデータ及び関係情報を取得して、関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証する情報処理システムである。
【0018】
まず、ユーザは、コンテンツを利用可能な環境を提供する利用環境提供システムに、コンテンツを提供する(S101)。ユーザは、利用環境提供システムに対し、関係情報の生成を要求する(S102)。利用環境提供システムは、関係情報を生成して、ユーザに提供する(S103)。なお、ユーザは、ユーザ端末を利用して、関係情報を生成してもよい。
【0019】
次に、ユーザは、コンテンツデータ及び関係情報を検証システム100に提供する(S104)。検証システム100は、関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証する検証処理を行う(S105)。
【0020】
ユーザは、所定の情報処理システム(例えば、トークン発行システム、学習システム)を利用して、コンテンツデータに基づいて、トークン(例えば、NFT(Non-Fungible Token))を発行したり、コンテンツデータを学習データに加えた学習結果を取得したりする場合がある。その際、当該所定の情報処理システムは、提供するユーザが当該コンテンツデータの正当な権利者でない場合、当該コンテンツデータの不正利用について正当な権利者から責任を追求される場合がある。そこで、検証システム100は、コンテンツデータを提供するユーザが当該コンテンツデータの正当な権利者であることを検証する。
【0021】
この点、利用環境提供システムにおけるユーザのアカウント情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証するアカウント情報検証システムを用いることが考えられる。しかしながら、このようなアカウント情報検証システムは、ユーザが利用する利用環境提供システムごとに、アカウント情報の検証処理機能を備える必要があるため、ユーザが利用する利用環境提供システムが多数想定される場合には、アカウント情報検証システムの設計及び保守に多大な作業が発生することが想定される。
【0022】
そこで、本発明の一実施形態である検証システム100は、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証する。すなわち、検証システム100は、いわば、ユーザとコンテンツとのつながりを検証するため分散型ID(DID(Decentralized IDentification))の実現に、関係情報を用いている。
【0023】
なお、検証システム100は、ユーザが、コンテンツデータに基づいて、トークン(例えば、NFT(Non-Fungible Token))を発行したり、当該コンテンツデータを学習データに加えた学習結果を取得したりする場合に用いられる情報処理システム(例えば、トークン発行システム、学習システム)に組み込まれる情報処理システムであってもよい。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態である検証システム100の構成を示す図である。検証システム100は、ユーザ端末200、利用環境提供システム300、及びユーザ情報管理システム400とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。検証システム100の詳細については、後述する。
【0025】
ユーザ端末200は、ユーザが利用するコンピュータであり、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。
【0026】
ユーザは、ユーザ端末200を利用して、検証システム100に、コンテンツデータ及び関係情報を提供する。
【0027】
また、ユーザは、ユーザ端末200を利用して、利用環境提供システム300に、コンテンツデータを提供することができる。また、ユーザは、ユーザ端末200を利用して、利用環境提供システム300に、関係情報の提供を要求し、利用環境提供システム300から、関係情報を取得することができる。
【0028】
利用環境提供システム300は、コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システムである。利用環境提供システム300は、例えば、ユーザが提供(アップロード)したコンテンツデータを、当該提供したユーザ又は当該提供したユーザ以外のユーザが利用可能なファイルストレージに格納する。すなわち、利用環境提供システム300は、ユーザによって提供されたコンテンツデータをユーザ同士で利用可能なプラットフォームを提供する情報処理システムであってもよい。
【0029】
ユーザ情報管理システム400は、ユーザに関するユーザ情報を管理し、検証システム100に提供する情報処理システムである。
【0030】
ユーザ情報管理システム400は、例えば、ユーザの決済履歴に関する決済履歴情報を管理する情報処理システムであってもよい。ユーザ情報管理システム400が決済履歴情報を管理する情報処理システムである場合、ユーザ情報管理システム400は、例えば、ユーザが決済に用いる決済手段(例えば、クレジットカード、電子マネー)を管理する事業者(例えば、クレジットカード発行会社、資金移動業者)の情報処理システムであってもよい。
【0031】
なお、
図2において、ユーザ端末200、利用環境提供システム300、及びユーザ情報管理システム400は、それぞれ1つずつ示されているが、それぞれ複数のユーザ端末200、利用環境提供システム300、及びユーザ情報管理システム400であってもよい。
【0032】
続いて、検証システム100の詳細について説明する。検証システム100は、記憶部110、コンテンツ取得部120、関係情報取得部130、ユーザ情報取得部140、検証基準決定部150、検証部160、追加要求部170を備える。
図2に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0033】
記憶部110は、検証システム100において処理される情報を記憶する。記憶部110は、例えば、後述する、コンテンツ登録情報、関係情報、ユーザ情報、検証結果情報を記憶することができる。
【0034】
コンテンツ取得部120は、コンテンツを利用可能な環境を提供する外部の情報処理システム(例えば、利用環境提供システム300)に提供されたコンテンツデータを、ユーザ端末200から取得し、コンテンツ登録情報を記憶部110に格納する。
【0035】
このとき、コンテンツ取得部120は、コンテンツデータの取得に応じて、当該コンテンツデータの登録を受け付け、当該コンテンツデータの登録に関するコンテンツ登録情報を生成してもよい。そして、コンテンツ取得部120は、コンテンツ登録情報を記憶部110に格納する。
【0036】
コンテンツ取得部120が取得するコンテンツデータは、任意のコンテンツに関するデータであってもよい。すなわち、コンテンツデータは、例えば、画像又は動画、音楽、ソフトウェア、モデルデータ、アクセストークン(バーチャルキー)等のデジタル著作物に関するデータであってもよい。
【0037】
画像は、例えば、写真又はイラストであってもよい。画像は、電子的に作成された画像であってもよく、また、現像された写真又は手書き若しくはプリントアウトされたイラストを、所定の方法(例えば、スキャン)により電子化された画像であってもよい。
【0038】
動画は、例えば、ビデオ映像、アニメーション映像、コンピュータグラフィックス映像であってもよい。音楽は、例えば、楽曲や会話、物音などを収録した音声データであってもよい。
【0039】
ソフトウェアは、例えば、コンテンツ制作のためのアプリケーション、又はその他の目的を果たす一連の処理を行うプログラムであってもよい。モデルデータは、例えば、ある人物や問題に特化したモデルデータや数理モデル、又は特定の人格や傾向を備える人工知能の学習済みモデルであってもよい。
【0040】
コンテンツデータは、その他、サブスクリプション形式で配信提供される一切のデータであってもよい。
【0041】
図3は、記憶部110に記憶されるコンテンツ登録情報の例を示す図である。記憶部110に記憶されるコンテンツ登録情報は、例えば、コンテンツID、コンテンツ内容情報を含む。
【0042】
コンテンツIDは、コンテンツデータを識別するコンテンツデータ識別情報である。
【0043】
コンテンツ内容情報は、コンテンツデータの内容(すなわち、データ実体)に関する情報である。コンテンツデータの内容は、例えばbase64エンコードされた文字列が該当しうる。
【0044】
なお、コンテンツ登録情報は、コンテンツ内容情報の代わりに、コンテンツデータが保存されている保存場所を示す保存場所情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator))を含んでもよい。
【0045】
関係情報取得部130は、利用環境提供システム300が提供する環境(以下、「コンテンツ利用環境」という。)における、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す関係情報を、コンテンツデータと対応付けてユーザ端末200から取得し、記憶部110に格納する。
【0046】
まず、ユーザは、ユーザ端末200を通じて、利用環境提供システム300に対し、関係情報の提供を要求する。利用環境提供システム300は、ユーザからの提供要求に応じて、関係情報を生成し、ユーザ端末200に提供する。そして、ユーザ端末200は、利用環境提供システム300から取得した関係情報を、検証システム100に提供する。関係情報取得部130は、ユーザ端末200から、関係情報を取得する。
【0047】
なお、コンテンツデータが複数の利用環境提供システム300に提供されている場合、ユーザは、ユーザ端末200を通じて、当該複数の利用環境提供システム300に対し、関係情報の提供を要求し、当該複数の利用環境提供システム300から複数の関係情報を取得してもよい。そして、関係情報取得部130は、当該複数の関係情報を取得してもよい。
【0048】
ここで、関係情報は、ユーザとコンテンツデータとの関係を示す情報であり、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証する際に用いられる情報である。
【0049】
関係情報は、例えば、コンテンツ利用環境における、ユーザの属性に関するユーザ属性情報を含んでもよい。ユーザ属性情報は、例えば、利用環境提供システム300に登録されているユーザの識別情報、又は性別若しくは住所等に関する情報を含んでもよい。
【0050】
また、ユーザ属性情報は、コンテンツ利用環境における、当該ユーザに対する、当該ユーザ以外のユーザからの評価に関するユーザ評価情報を含んでもよい。
【0051】
ユーザ評価情報は、例えば、コンテンツ利用環境において、当該ユーザが登録(例えば、お気に入り登録、チャンネル登録、フォロー等)されている数(すなわち、例えば、登録者数、フォロワー数)に関する情報を含んでもよい。また、ユーザ評価情報は、コンテンツ利用環境において、当該ユーザ又は当該ユーザが提供したコンテンツが受けた評価(例えば、「いいね」)の数に関する情報を含んでもよい。
【0052】
なお、関係情報は、所定の暗号化処理により暗号化された情報であってもよく、また、所定の方法によりユーザ又は利用環境提供システム300の署名情報又は電子透かし情報が付加された情報であってもよい。これにより、関係情報が漏洩した場合であっても、正当なユーザのみが関係情報を利用することができ、また、検証システム100は、悪意のあるユーザによる不正なコンテンツの利用を防止することができる。
【0053】
ユーザは、コンテンツデータ及び関係情報を対応付けて、検証システム100に提供する。このとき、ユーザは、コンテンツデータ及び関係情報を一連の操作で検証システム100に提供してもよい。また、ユーザは、先にコンテンツデータを検証システム100に提供し、その後、提供済みのコンテンツデータに対応する関係情報であることを示す情報(例えば、コンテンツID)に対応付けて関係情報を提供してもよい。なお、ユーザによるコンテンツデータ及び関係情報の提供の先後は、問わない。
【0054】
なお、関係情報取得部130は、ユーザ端末200から、利用環境提供システム300によって生成された関係情報を取得してもよく、また、ユーザ端末200において生成された関係情報を取得してもよい。
【0055】
関係情報がユーザ端末200において生成される場合、当該関係情報は、例えば、ブロックチェーン技術を用いて、正当な関係情報であることが検証可能な関係情報であってもよい。これにより、ユーザによる関係情報の不正な生成を回避することができる。
【0056】
図4は、記憶部110に記憶される関係情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される関係情報は、例えば、関係情報ID、ユーザ評価情報、コンテンツ日時情報を含む。
【0057】
関係情報IDは、記憶部110に記憶される関係情報を識別する情報である。
【0058】
ユーザ評価情報は、例えば、登録数情報、評価件数情報を含む。
【0059】
登録数情報は、例えば、当該ユーザが登録(例えば、お気に入り登録、チャンネル登録、フォロー等)されている数(すなわち、例えば、登録者数、フォロワー数)に関する情報である。
【0060】
評価件数情報は、例えば、当該ユーザ又は当該ユーザが提供したコンテンツが受けた評価(例えば、「いいね」)の数に関する情報である。
【0061】
コンテンツ日時情報は、例えば、対応するコンテンツデータが利用環境提供システム300に提供された日時に関する情報である。
【0062】
また、関係情報は、さらに、利用頻度情報、繋がり数情報を含んでもよい。
【0063】
利用頻度情報は、例えば、利用環境提供システム300における当該ユーザの利用頻度を示す情報である。
【0064】
繋がり数情報は、例えば、利用環境提供システム300において当該ユーザが繋がっている他のユーザ(例えば、「友達」、「フレンド」等)の数に関する情報である。
【0065】
ユーザ情報取得部140は、所定の情報処理システム(例えば、ユーザ情報管理システム400)からユーザ情報を取得し、記憶部110に格納する。
【0066】
ここで、ユーザ情報は、ユーザに関する情報であり、例えば、ユーザの信用度を示す情報である。ユーザ情報は、例えば、ユーザの決済履歴に関する決済履歴情報を含んでもよく、また、その他の情報を含んでもよい。
【0067】
図5は、記憶部110に記憶されるユーザ情報の例を示す図である。記憶部110に記憶されるユーザ情報は、例えば、ユーザ情報ID、決済履歴情報を含む。ユーザ情報IDは、記憶部110に記憶されるユーザ情報を識別する情報である。
【0068】
検証基準決定部150は、所定の情報処理システム(例えば、ユーザ情報管理システム400)から取得されるユーザ情報に基づいて、後述する検証部160における検証の基準を決定する。
【0069】
検証基準決定部150は、ユーザ情報に基づいて、当該ユーザの信用度を評価する。そして、検証基準決定部150は、評価されるユーザの信用度に応じて、検証部160における検証の基準を決定する。
【0070】
検証基準決定部150は、ユーザ情報に含まれる決済履歴情報に基づいて、例えば、当該ユーザに支払の遅延の履歴がある場合に、当該ユーザの信用度を低く評価してもよい。
【0071】
検証部160は、関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証し、検証の結果を示す検証結果情報を記憶部110に格納する。
【0072】
検証部160は、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証する際、例えば、ユーザがコンテンツデータの著作者(例えば、制作者、撮影者等)であることを検証してもよい。
【0073】
検証部160は、関係情報に含まれる登録数情報に基づいて、例えば、登録数情報が示す登録数が多い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証してもよい。また、検証部160は、関係情報に含まれる評価件数情報が示す評価件数情報に基づいて、例えば、評価件数が多い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証してもよい。
【0074】
登録数情報が示す登録数が多い場合や評価件数情報が示す評価件数が多い場合、コンテンツ利用環境において、当該ユーザが一定の信用を得ていることを示す場合がある。そこで、検証部160は、登録数情報が示す登録数が多い場合や評価件数情報が示す評価件数が多い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると評価する。これにより、悪意のあるユーザによる、不正なコンテンツの利用を防止することができる。
【0075】
検証部160は、関係情報に含まれるコンテンツ日時情報に基づいて、例えば、検証する日時から十分に過去にコンテンツが登録されている場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証し、また、検証する日時の直前にコンテンツが登録されている場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者でないと検証してもよい。
【0076】
悪意のあるユーザが不正にコンテンツを利用しようとする場合、当該悪意のあるユーザは、不正に取得したコンテンツデータを利用環境提供システム300に提供した直後に、検証システム100を利用する場合がある。そこで、検証部160は、検証する日時から十分に過去にコンテンツが登録されている場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると評価し、また、検証する日時の直前にコンテンツが登録されている場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者でないと評価する。これにより、悪意のあるユーザによる、不正なコンテンツの利用を防止することができる。
【0077】
検証部160は、関係情報に含まれる利用頻度情報に基づいて、例えば、利用頻度情報が示す利用頻度が高い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証してもよい。
【0078】
利用環境提供システム300の利用頻度が高いユーザほど、高い信用を得ているユーザと評価できる場合がある。そこで、検証部160は、利用頻度情報が示す利用頻度が高い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証する。これにより、悪意のあるユーザによる、不正なコンテンツの利用を防止することができる。
【0079】
検証部160は、関係情報に含まれる繋がり数情報に基づいて、例えば、繋がり数情報が示す繋がり数が多い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証してもよい。
【0080】
利用環境提供システム300において繋がり数が多いユーザほど、高い信用を得ているユーザと評価できる場合がある。そこで、検証部160は、繋がり数情報が示す繋がり数が多い場合に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証する。これにより、悪意のあるユーザによる、不正なコンテンツの利用を防止することができる。
【0081】
また、検証部160は、検証基準決定部150によって決定される基準にさらに基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証してもよい。なお、繋がり数情報はフォロー数、いい評価数等対象ユーザと繋がっている数を単純に計数する方法でもよいし、対象ユーザと繋がっている各ユーザの繋がり数情報を加味して計数する方法でもよい。具体的には、繋がり数情報が大きいユーザと対象ユーザが繋がりをもっている場合には、繋がり数情報が小さいユーザと繋がっている場合と比して大きく計数する方法である。
【0082】
また、検証部160は、互いに矛盾する複数の関係情報に基づいて検証を行う場合、例えば、生成日時が古い関係情報を正しい関係情報と認識して、検証を行ってもよい。
【0083】
コンテンツデータの生成当初の権利者は、当該コンテンツデータの権利者(例えば、著作者)であると考えられる。そこで、検証部160は、より古い関係情報を正しい関係情報と認識することにより、より正確に、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者(例えば、著作者)であることを検証することができる。
【0084】
図6は、記憶部110に記憶される検証結果情報の例を示す図である。記憶部110に記憶される検証結果情報は、例えば、検証結果ID、検証結果内容情報を含む。
【0085】
検証結果IDは、記憶部110に記憶される検証結果情報を識別する情報である。
【0086】
検証結果内容情報は、検証結果の内容を示す情報である。検証結果内容情報は、例えば、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証したことを示す「検証成功」、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であると検証できなかったことを示す「検証失敗」を含んでもよい。なお、検証結果内容情報の形式は、これに限られない。
【0087】
追加要求部170は、検証部160による検証結果に基づいて、検証部160による検証に必要な関係情報をユーザ端末200に要求する。
【0088】
検証部160において「検証失敗」となった場合であっても、検証部160は、ユーザ端末200から追加的に提供される関係情報にさらに基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証し、「検証成功」となる場合がある。そこで、追加要求部170は、検証部160による検証結果に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証するために追加的に必要な関係情報を抽出し、当該関係情報の提供をユーザ端末200に要求することができる。ここで、ユーザが主体的に追加的に必要な関係情報を抽出するとしたが、ユーザ端末200が定期的に関係情報又は追加的に必要な関係情報を抽出して検証システム100に提供する構成であってもよい。
【0089】
このとき、検証システム100は、ユーザ端末200から提供されうる関係情報の種類の一覧を示す一覧情報を保持し、追加要求部170は、当該一覧情報を参照して、当該一覧情報に記載の関係情報のうち、ユーザ端末200から提供を受けていない関係情報を、追加的に必要な関係情報として抽出してもよい。
【0090】
なお、一覧情報は、検証システム100の管理者において事前に設定される情報であってもよく、また、ユーザ端末200から提供された関係情報を集計して生成される情報であってもよい。
【0091】
図7は、検証システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【0092】
まず、コンテンツ取得部120が、ユーザ端末200から、コンテンツデータを取得する(S701)。関係情報取得部130が、ユーザ端末200から、コンテンツデータと対応付けて関係情報を取得する(S702)。
【0093】
ユーザ情報取得部140が、所定の情報処理システム(例えば、ユーザ情報管理システム400)から、ユーザ情報を取得する(S703)。検証基準決定部150が、ユーザ情報に基づいて、検証の基準を決定する(S704)。
【0094】
検証部160が、関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証する(S705)。このとき、検証部160は、検証基準決定部150によって決定された検証の基準にさらに基づいて、検証を行ってもよい。そして、追加要求部170が、検証部160による検証結果に基づいて、検証部160による検証に必要な関係情報をユーザ端末200に要求し、検証部160が、追加的に取得した関係情報にさらに基づいて、検証を行う(S706)。
【0095】
なお、ユーザ情報取得部140によるユーザ情報取得処理及び検証基準決定部150による検証基準決定処理は、行われなくてもよい。この場合、検証部160は、関係情報に基づいて、検証処理を行えばよい。
【0096】
また、追加要求部170による追加要求処理は、行われなくてもよい。この場合、検証部160が、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証することができなかった場合、検証システムの管理者又はユーザに、検証することができなかった旨を通知してもよい。
【0097】
以上、本発明の一実施形態について説明した。検証システム100は、ユーザ端末200からコンテンツデータ及び関係情報を取得し、関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証することができる。これにより、検証システム100は、コンテンツデータを提供するユーザが、正当なユーザであることを簡易に検証することができる。
【0098】
また、検証システム100は、ユーザ属性情報を含む関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証することができる。また、検証システム100は、ユーザ評価情報を含む関係情報に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証することができる。これにより、検証システム100は、悪意のあるユーザによる、不正なコンテンツの利用を防止することができる。
【0099】
また、検証システム100は、所定の情報処理システムから取得されるユーザ情報に基づいて、検証の基準を決定し、当該決定された検証の基準にさらに基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証することができる。これにより、ユーザに応じた適切な基準に基づいて、ユーザがコンテンツデータの正当な権利者であることを検証することができる。
【0100】
また、検証システム100は、検証結果に応じて、検証に必要な関係情報をユーザ端末200に要求することができる。これにより、ユーザは、コンテンツデータの正当な権利者であると検証されなかった場合であっても、必要な関係情報をさらに提供して、コンテンツデータの正当な権利者であるとの検証を求めることができる。
【0101】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0102】
100 検証システム、110 記憶部、120 コンテンツ取得部、130 関係情報取得部、140 ユーザ情報取得部、150 検証基準決定部、160 検証部、170 追加要求部、200 ユーザ端末、300 利用環境提供システム、400 ユーザ情報管理システム