(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088957
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A61H7/00 323R
A61H7/00 323K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204022
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 彰
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD17
4C100AD23
4C100BA03
4C100BC04
4C100CA06
4C100CA07
4C100CA08
4C100DA04
4C100DA05
4C100DA08
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】施療時間を短縮できるマッサージ機を提供する。
【解決手段】マッサージ機のガイドレールは、左右方向から見て背凭れ部の後側上部にある一端部から座部の下側にある他端部に向かって延びる。施療ユニットは、ガイドレールに沿って昇降可能であって、被施療者の胴部、臀部を施療する。施療ユニットの第2施療子は、第1施療子よりもガイドレール側において、左右方向から見て第1施療子よりもガイドレールの近くに配置される。座部に面したガイドレールの下端部は、前方に向かうほど座部の座面に近付くように傾斜する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の臀部を支持する座部と、
前記座部と接続され、被施療者の胴部を支持する背凭れ部と、
前記背凭れ部の後側上部にある一端部から前記座部の下側にある他端部に向かって延びるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って昇降可能であって、被施療者の胴部、臀部を施療する施療ユニットと、
を備え、
前記施療ユニットは、
左右一対の第1施療子と、
前記第1施療子よりも前記ガイドレール側に配置される左右一対の第2施療子と、
を有し、
左右方向から見て、
前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレールの近くに配置され、
前記座部に面した前記ガイドレールの下端部は、前方に向かうほど前記座部の座面に近付くように傾斜する、マッサージ機。
【請求項2】
前記背凭れ部に前記施療ユニットが配置された際に、被施療者の背中に対して、前記第1施療子が押圧するとともに前記第2施療子が非押圧であり、
前記座部に前記施療ユニットが配置された際に、被施療者の臀部に対して前記第1施療子及び前記第2施療子が同時に押圧する、請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記背凭れ部に前記施療ユニットが配置された際に、前記背凭れ部の前面のカバーに対して、前記第1施療子が当接するとともに前記第2施療子が離れ、
前記座部に前記施療ユニットが配置された際に、前記座部の座面のカバーに対して前記第1施療子及び前記第2施療子が同時に当接する、請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記施療ユニットは、前記ガイドレールのラックと噛み合うピニオンギヤを有し、
前記第1施療子及び前記第2施療子はそれぞれ、前記ピニオンギヤの回転により、前記ガイドレールに対して近接又は離間する方向に移動し、
前記施療ユニットが前記背凭れ部に位置する際、左右方向から見て、
前記施療ユニットが上昇するほど、前記第1施療子が前記ガイドレールから離れる方向に移動するとともに、前記第2施療子が前記ガイドレールに近付く方向に移動する、請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記施療ユニットは、前記ガイドレールのラックと噛み合うピニオンギヤを有し、
前記第1施療子及び前記第2施療子はそれぞれ、前記ピニオンギヤの回転により、前記ガイドレールに対して近接又は離間する方向に移動し、
前記施療ユニットが前記座部に位置する際、左右方向から見て、
前記施療ユニットが前方に移動するほど、前記第1施療子が前記ガイドレールに近付く方向に移動するとともに、前記第2施療子が前記ガイドレールから離れる方向に移動する、請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記背凭れ部は、前記座部及び前記ガイドレールとともに、左右方向に延びる回転軸回りに回動可能である、請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項7】
被施療者の臀部を支持する座部と、
前記座部の内部に配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って移動可能であって、被施療者の臀部を施療する施療ユニットと、
を備え、
前記施療ユニットは、
左右一対の第1施療子と、
前記第1施療子よりも前記ガイドレール側に配置される左右一対の第2施療子と、
を有し、
左右方向から見て、
前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレールの近くに配置され、
前記座部に面した前記ガイドレールの下端部は、前方に向かうほど前記座部の座面に近付くように傾斜する、マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、左右一対の上側施療子と左右一対の下側施療子とで被施療者を施療するマッサージ機が知られている。たとえば、特許文献1のマッサージ機では、マッサージユニットは、左右一対の第1施療子と、第1施療子よりも下方に配置される左右一対の第2施療子を有する。マッサージユニットは、ガイドレールに沿って、背凭れ部の後方から座部の下側まで昇降する。左右方向から見て、ガイドレールは、座部の下側において、座部の座面と平行に延びる。また、第1施療子及び第2施療子は、くの字状のアームの端部にそれぞれ配置される。アームは、左右方向に延びる軸回りに電動で回動可能である。これにより、背凭れ部の後方において第1施療子のみを用いた施療が行われ、座部の下側において、第2施療子のみを用いた施療が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-12735号公報(特に
図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、マッサージ機は、施療動作(揉み、押圧、叩き等)が複雑化して施療時間が長くなってきており、施療時間の短縮が望まれている。
【0005】
本発明は、上記の状況を鑑みて、施療時間を短縮できるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の一の態様によるマッサージ機は、座部と、背凭れ部と、ガイドレールと、施療ユニットと、を備える。前記座部は、被施療者の臀部を支持する。前記背凭れ部は、前記座部と接続され、被施療者の胴部を支持する。前記ガイドレールは、前記背凭れ部の後側上部から前記座部の下側に向かって延びる。前記施療ユニットは、前記ガイドレールに沿って昇降可能であって、被施療者の胴部、臀部を施療する。前記施療ユニットは、左右一対の第1施療子と、左右一対の第2施療子と、を有する。前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレール側に配置される。左右方向から見て、前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレールの近くに配置される。前記ガイドレールの下端部は、前方に向かうほど前記座部の座面に近付くように傾斜する。
【0007】
また、上記目的を達成するために本発明の一の態様によるマッサージ機は、座部と、ガイドレールと、施療ユニットと、を備える。前記座部は、被施療者の臀部を支持する。前記ガイドレールは、前記座部の内部に配置される。前記施療ユニットは、前記ガイドレールに沿って移動可能であって、被施療者の臀部を施療する。前記施療ユニットは、左右一対の第1施療子と、左右一対の第2施療子と、を有する。前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレール側に配置される。左右方向から見て、前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレールの近くに配置される。前記座部に面した前記ガイドレールの下端部は、前方に向かうほど前記座部の座面に近付くように傾斜する。
【0008】
本発明の更なる特徴や利点は、以下に示す実施形態によって一層明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、施療時間を短縮できるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図1のII-II線に沿うマッサージ機の概略的な断面図
【
図3】マッサージ機の動作を制御する制御系を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を説明する。
図1は、マッサージ機100の構成例を示す概略的な斜視図である。
図2は、
図1のII-II線に沿うマッサージ機100の概略的な断面図である。
【0012】
以下の説明において、後述する背凭れ部102が起立した状態のマッサージ機100に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前方」といい、後側(背面側)を「後方」という。なお、背凭れ部102、及び、背凭れ部102に凭れる被施療者に関して、背凭れ部102が傾倒した状態においても、背凭れ部102の被施療者側、及び、被施療者の胴部の正面側を「前方」ということがある。また、背凭れ部102の被施療者とは反対側、及び、被施療者の胴部の背面側を「後方」ということがある。また、背凭れ部102が起立した状態のマッサージ機100に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上方」といい、下側(脚側)を「下方」という。また、背凭れ部102が起立した状態のマッサージ機100に着座した被施療者から見て右側を「右方」といい、左側を「左方」という。
【0013】
また、本明細書において、「胴部」は、被施療者の腰部よりも上方且つ首部よりも下方の部分を指す。「脚」は、股関節よりも下側(つまり足指の爪先)までを指す。「大腿部」は、股関節から膝までの部分を指す。「臀部」は、腰部よりも下側且つ大腿部よりも上側の部分を指す。
【0014】
<1.実施形態>
マッサージ機100は、座部101と、背凭れ部102と、左右一対の立設部104と、左右一対の肘掛け部105と、オットマン106と、を備える。
【0015】
座部101には、被施療者が着座する。座部101は、被施療者の臀部及び太腿部を支持する。
【0016】
背凭れ部102は、座部101の後端部と接続され、被施療者の頭、胴部(たとえば肩部、腰部、及び背中)などを支持する。背凭れ部102は、座部101及び後述するガイドレール1とともに、左右方向に延びる軸J回りに回動可能である。たとえば、背凭れ部102は、軸J回りの回動により、起立状態から後方に回動して傾倒したり、後傾状態から前方に回動したりすることが可能である。こうすれば、背凭れ部102を座部101及びガイドレール1とともに傾倒又は起立させることができる。従って、着座した被施療者は揺り籠に乗ったような感覚で施療を受けることができる。
【0017】
また、背凭れ部102は、
図1に示すように、枕部1021を有する。枕部1021は、背凭れ部102の上端部に配置され、被施療者の頭部、首部などを支持する。背凭れ部102の前面1022は、背凭れ部102に凭れ掛かる被施療者の胴部、頭などと接する。
【0018】
立設部104は、座部101の左右方向の両側に立設して設けられ、肘掛け部105を支持する。
【0019】
肘掛け部105は、立設部104の上部に配置される。一対の肘掛け部105は、座部101の左右方向における両側に配置され、被施療者の前腕部及び手を支持する。左右一対の肘掛け部105は、互いに左右対称の形状である。
【0020】
オットマン106は、座部101の前端部に対して回動可能に接続される。オットマン106は、被施療者の少なくとも下腿部を収容する。
【0021】
また、
図2に示すように、マッサージ機100は、ガイドレール1と、施療ユニット2と、をさらに備える。
【0022】
ガイドレール1は、背凭れ部102の後側上部の一端部から座部101の下側の他端部に向かって延びる。ガイドレール1の一端部は背もたれ部102の後側上部に配置され、他端部は座部101の下側に配置される。たとえば、
図2に示すように、ガイドレール1の背凭れ部102よりも後方にある部分は、背凭れ部102の長手方向に沿って延びる。背凭れ部102の長手方向は、背凭れ部102に凭れ掛かる被施療者の臀部(又は腰部)及び頭部の一方から他方に向かう方向であり、左右方向と垂直である。上述の部分の下方は、下方に向かうにつれて前方に延びるように湾曲する湾曲部(符号省略)を形成する。ガイドレール1の下端部1aは、上述の湾曲部の前端部から前方に延び、座部101よりも下方に配置される。また、ガイドレール1の下端部1aは、前方に向かうほど座部101の座面1011に近付く。ここで、ガイドレールの下端部1aは、座部の下部に配置されたガイドレールのうちの先端(座部の下側にある他端部)を含む前方部分であり、
図2では一点鎖線で囲まれている。
【0023】
なお、座部101と背凭れ102の境界が無いタイプの椅子の場合であっても本発明は適用される。上記のような座部101と背凭れ102の境界が無いタイプの椅子の場合、被施療者が通常の状態で座るときに、被施療者の臀部が支持される領域を座部101とし、この座部の下側に上記ガイドレール102の他端部が配置される。
【0024】
施療ユニット2は、ガイドレール1に沿って昇降可能であり、被施療者の首部、胴部、臀部、大腿部などの後部を施療する。詳細には、施療ユニット2は、昇降機構25を有する。施療ユニット2の昇降機構25は、ガイドレール1のラック11と噛み合うピニオンギヤ251を有し、ガイドレール1に沿って昇降する。すなわち、ピニオンギヤ251の回転駆動により、施療ユニット2の昇降機構25は、ガイドレール1に案内されながら昇降できる。
【0025】
また、施療ユニット2は、左右一対の第1施療子21と、左右一対の第2施療子22と、左右一対のアーム23と、駆動部24と、をさらに有する。第2施療子22は、第1施療子21よりもガイドレール1側に配置される。
【0026】
マッサージ機100では、左右方向から見て、第2施療子22は、第1施療子21よりもガイドレール1の近くに配置される。背凭れ部102の後側に施療ユニット2が配置された際に、第1施療子21は、第2施療子22よりも被施療者の近くに配置される。そのため、背凭れ部102の後側に施療ユニット2が配置された際に、被施療者の背中に対して、第1施療子21が押圧するとともに第2施療子22が非押圧である。言い換えると、背凭れ部102の後側に施療ユニット2が配置された際に、背凭れ部102の前面のカバー(緩衝材及び表面の被覆材など)に対して、第1施療子21が当接するとともに第2施療子22が離れる。
【0027】
こうすれば、左右方向から見て第2施療子22が第1施療子21よりもガイドレール1の近くに配置されるので、施療ユニット2が背凭れ部102の後方に位置する際、第1施療子21のみで被施療者を施療できる。従って、左右方向に並ぶ2つの第1施療子21のみを用いた施療技術のノウハウを十分に活用できる。
【0028】
また、左右方向から見て、座部101に面したガイドレール1の下端部1aは、前方に向かうほど座部101の座面1011に近付くように傾斜する。そのため、ガイドレール1の下端部1aは、水平面から傾いて延び、前方に向かうほど上方に延びる。これにより、座部101の下側に施療ユニット2が配置された際に、第2施療子22が座面1011の近くに配置される。従って、座部101の下側に施療ユニット2が配置された際に、被施療者の臀部及び大腿部に対して、第1施療子21及び第2施療子22が同時に押圧する。言い換えると、座部101の下側に施療ユニット2が配置された際に、座部101の座面1011のカバー(緩衝材及び表面の被覆材など)に対して、第1施療子21及び第2施療子22が同時に当接する。
【0029】
こうすれば、左右方向から見てガイドレール1の下端部が前方に向かうほど座部101の座面1011に近付くように傾斜するので、第2施療子22は、第1施療子21よりもガイドレール1の近くに配置されていても、前方に向かうほど上方に移動する。従って、施療ユニット2が座部101の下方に位置する際、第1施療子21及び第2施療子22の両方で被施療者を施療できる。さらに、第2施療子22は第1施療子21よりも前方にあるため、第2施療子22で被施療者の膝の近くまで施療できる。従って、4つの施療子21、22を用いて、前後方向の広範囲にわたって臀部及び大腿部を十分に施療できる。
【0030】
マッサージ機100は、胴部に対しては複雑な施療動作が必要であるが、臀部及び大腿部は胴部に比して施療動作を簡単にできる。そのため、第1施療子21及び第2施療子22で同時に押圧して施療することで施療時間を短縮することができる。
【0031】
また、上述の第1施療子21及び第2施療子22の配置と座部101の下側におけるガイドレール1の形状により、電動での各々の施療子21、22の移動を必須とすることなく、被施療者の胴部を左右に並ぶ2つの第1施療子21で施療し、臀部及び大腿部を4つの施療子21、22で施療できる。
【0032】
アーム23は、略L字形状であって、第1施療子21及び第2施療子22を支持する。左右各々のアーム23の一端部側には第1施療子21が配置され、他端部側には第2施療子22が配置される。すなわち、左側のアーム23の一端部には左側の第1施療子21が配置され、他端部には左側の第2施療子22が配置される。右側のアーム23の一端部には右側の第1施療子21が配置され、他端部には右側の第2施療子22が配置される。
【0033】
なお、本実施形態では、第1施療子21及び第2施療子22は、同じアーム23に支持される。但し、この例示に限定されず、第1施療子21及び第2施療子22はそれぞれ、異なるアーム23に支持されてもよい。
【0034】
駆動部24は、昇降機構25(特に、ピニオンギヤ251)の昇降を行う。昇降機構25は、施療ユニット2を上下方向に移動させる。昇降機構2に設けたピニオンギヤを背凭れ部102のガイドレール1に噛合させることによって、施療ユニット2ごと第1施療子21及び第2施療子22をガイドレール1に沿って上下に移動させるようにしている。また、駆動部24は、第1施療子21及び第2施療子22を移動させる。第1施療子21及び第2施療子22は、ピニオンギヤ251と同軸で回動可能である。好ましくは、駆動部24により、第1施療子21及び第2施療子22はそれぞれ、ピニオンギヤ251の回転と連動して、ガイドレール1に対して近接又は離間する方向に移動する。
【0035】
好ましくは、施療ユニット2が背凭れ部102の後方に位置する際、左右方向から見て、施療ユニット2が上昇するほど、第1施療子21がガイドレール1から離れる方向に移動する。さらに、第2施療子22がガイドレール1に近付く方向に移動する。こうすれば、被施療者の胴部を施療する際、第1施療子21を前方に突出させ、第2施療子22を後方に移動させることができる。従って、より確実に第1施療子21のみで被施療者の胴部を施療できる。
【0036】
また、好ましくは、施療ユニット2が座部101の下方に位置する際、左右方向から見て、施療ユニット2が前方に移動するほど、第1施療子21がガイドレール1に近付く方向に移動する。さらに、第2施療子22がガイドレール1から離れる方向に移動する。
【0037】
こうすれば、被施療者の臀部及び大腿部を施療する際、第1施療子21を下方に移動させるとともに第2施療子22を上方に突出させることができる。これにより、左右方向から見てガイドレール1の下端部が前方に向かうほど上方に向かうように傾いていても、2つの第1施療子21及び2つの第2施療子22を上方に突出させることができる。従って、より確実に4つの施療子21、22で被施療者の臀部及び大腿部を施療できる。
【0038】
また、施療ユニット2が座部101の下方に位置する際、第2施療子22は、第1施療子21よりも前方に位置する。さらに、施療ユニット2が前方に移動するほど、第2施療子22は、上方に移動するので、膝の近くまで十分に大腿部を施療できる。従って、広範囲にわたって大腿部を十分に施療できる。
【0039】
なお、上述の例示に限定されず、第1施療子21及び第2施療子22はそれぞれガイドレール1に対して近接又は離間する方向に移動不能であってもよい。
【0040】
次に、
図3を参照して、マッサージ機100の制御系の構成例を説明する。
図3は、マッサージ機100の動作を制御する制御系を示すブロック図である。
【0041】
図3に示すように、マッサージ機100は、操作部1071と、記憶部1072と、制御部108と、アクチュエータ群1091と、をさらに備える。
【0042】
操作部1071は、被施療者などの入力操作を受け付け、入力操作に基づく信号を制御部108に出力する。入力操作は、施療パターンの選択、施療の強弱調整などを含む。操作部1071はコード線を介して制御部108に接続される。操作部1071は、スタンド(符号省略)に対して装着及び取り外しが可能である。スタンドは、座部101の左側に配置された肘掛け部105に固定される。
【0043】
記憶部1072は、電力供給が停止しても記憶した情報を保持する非一過性の記憶媒体である。記憶部1072は、たとえば、制御部108がマッサージ機100の動作を制御するために必要なプログラム及びデータを記憶している。
【0044】
制御部108は、たとえば座部101の下側に配置され、操作部1071から出力される信号などに基づいて、マッサージ機100の各部を制御する。たとえば、制御部108は、施療ユニット2(特に、駆動部24、昇降機構25)及び昇降及びアクチュエータ群1091などを制御する。
【0045】
アクチュエータ群109は、複数のアクチュエータを含む。たとえば、アクチュエータ群1091は、背凭れ部102を回動させる背凭れ部用のアクチュエータ(図示省略)、オットマン106を回動させるオットマン用のアクチュエータ(図示省略)を含んでいてもよい。
【0046】
<2.備考>
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0047】
たとえば本実施形態では、被施療者が着座する座部101と、被施療者の胴部を支持すると共に座部101の後方に向かってリクライニング可能となるように座部101に連結される背凭れ部102と、被施療者の施療部位を施療可能とするマッサージ機構(たとえば施療ユニット2)と、を備え、背凭れ部102に上記構成のガイドレール1を備えた椅子式のマッサージ機100に、本発明が適用される。但し、この例示に限定されず、背凭れ部102を備えず、座部101内に上記構成のガイドレール1を備えたマッサージ機100a(
図4参照)にも、本発明は適用可能である。
【0048】
その他の実施例として、被施療者使用者が着座する座部101と、被施療者の背部を支持すると共に座部101の後方に向かってリクライニング可能となるように座部101に連結される背凭れ部102と、被施療者の施療部部を施療可能とするマッサージ機構とを備え、背凭れ部102に上記構成のガイドレール1を備えたシート型マッサージ機にも、本発明に適用可能である。
【0049】
<3.総括>
以下では、これまでに説明してきた実施形態について総括的に述べる。
【0050】
例えば、本明細書中に開示されているマッサージ機は、
被施療者の臀部を支持する座部と、
前記座部と接続され、被施療者の胴部を支持する背凭れ部と、
前記背凭れ部の後側上部にある一端部から前記座部の下側にある他端部に向かって延びるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って昇降可能であって、被施療者の胴部、臀部を施療する施療ユニットと、
を備え、
前記施療ユニットは、
左右一対の第1施療子と、
前記第1施療子よりも前記ガイドレール側に配置される左右一対の第2施療子と、
を有し、
左右方向から見て、
前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレールの近くに配置され、
前記座部に面した前記ガイドレールの下端部は、前方に向かうほど前記座部の座面に近付くように傾斜する構成(第1の構成)とされる。
【0051】
なお、上記第1の構成のマッサージ機は、
前記背凭れ部に前記施療ユニットが配置された際に、被施療者の背中に対して、前記第1施療子が押圧するとともに前記第2施療子が非押圧であり、
前記座部に前記施療ユニットが配置された際に、被施療者の臀部に対して前記第1施療子及び前記第2施療子が同時に押圧する構成(第2の構成)であってもよい。
【0052】
また、上記第2の構成のマッサージ機は、
前記背凭れ部に前記施療ユニットが配置された際に、前記背凭れ部の前面のカバーに対して、前記第1施療子が当接するとともに前記第2施療子が離れ、
前記座部に前記施療ユニットが配置された際に、前記座部の座面のカバーに対して前記第1施療子及び前記第2施療子が同時に当接する構成(第3の構成)であってもよい。
【0053】
また、上記第1~第3のいずれかの構成のマッサージ機は、
前記施療ユニットは、前記ガイドレールのラックと噛み合うピニオンギヤを有し、
前記第1施療子及び前記第2施療子はそれぞれ、前記ピニオンギヤの回転により、前記ガイドレールに対して近接又は離間する方向に移動し、
前記施療ユニットが前記背凭れ部に位置する際、左右方向から見て、
前記施療ユニットが上昇するほど、前記第1施療子が前記ガイドレールから離れる方向に移動するとともに、前記第2施療子が前記ガイドレールに近付く方向に移動する構成(第4の構成)であってもよい。
【0054】
また、上記第1~第4のいずれかの構成のマッサージ機は、
前記施療ユニットは、前記ガイドレールのラックと噛み合うピニオンギヤを有し、
前記第1施療子及び前記第2施療子はそれぞれ、前記ピニオンギヤの回転により、前記ガイドレールに対して近接又は離間する方向に移動し、
前記施療ユニットが前記座部に位置する際、左右方向から見て、
前記施療ユニットが前方に移動するほど、前記第1施療子が前記ガイドレールに近付く方向に移動するとともに、前記第2施療子が前記ガイドレールから離れる方向に移動する構成(第5の構成)であってもよい。
【0055】
また、上記第1から第5のいずれかの構成のマッサージ機は、前記背凭れ部は、前記座部及び前記ガイドレールとともに、左右方向に延びる回転軸回りに回動可能である構成(第6の構成)であってもよい。
【0056】
或いは、本明細書中に開示されているマッサージ機は、
被施療者の臀部を支持する座部と、
前記座部の内部に配置されるガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って移動可能であって、被施療者の臀部を施療する施療ユニットと、
を備え、
前記施療ユニットは、
左右一対の第1施療子と、
前記第1施療子よりも前記ガイドレール側に配置される左右一対の第2施療子と、
を有し、
左右方向から見て、
前記第2施療子は、前記第1施療子よりも前記ガイドレールの近くに配置され、
前記座部に面した前記ガイドレールの下端部は、前方に向かうほど前記座部の座面に近付くように傾斜する構成(第7の構成)とされる。
【符号の説明】
【0057】
100,100a マッサージ機
101 座部
1011 座面
102 背凭れ部
1021 枕部
1022 前面
104 立設部
105 肘掛け部
106 オットマン
1071 操作部
1072 記憶部
108 制御部
109 アクチュエータ群
1 ガイドレール
1a 下端部
11 ラック
2 施療ユニット
21 第1施療子
22 第2施療子
23 アーム
24 駆動部
25 昇降機構
251 ピニオンギヤ
J 軸