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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088961
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ケーブル端末構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 15/04 20060101AFI20240626BHJP
   H02G 15/02 20060101ALI20240626BHJP
   H02G 1/14 20060101ALI20240626BHJP
   H01R 4/72 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H02G15/04
H02G15/02
H02G1/14
H01R4/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204029
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000213884
【氏名又は名称】住電機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100187643
【弁理士】
【氏名又は名称】白鳥 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】永山 治希
【テーマコード(参考)】
5G355
5G375
【Fターム(参考)】
5G355AA03
5G355BA08
5G355BA09
5G355BA15
5G355CA02
5G355CA17
5G355CA26
5G375AA02
5G375BA22
5G375BB03
5G375BB05
5G375BB43
5G375CA02
5G375CA17
5G375CA19
5G375CB06
5G375CB08
5G375CB38
5G375DA32
5G375DA36
5G375DB16
5G375DB33
(57)【要約】
【課題】ケーブル端末構造の絶縁性を維持する。
【解決手段】ケーブル端末構造は、電力ケーブルと、電力ケーブルの端部が接続される端末本体部と、を備え、電力ケーブルは、導体、ケーブル絶縁層およびケーブルシースを、導体の先端からケーブル導体の軸方向に沿ってこの順で露出するように有し、端末本体部の一部の外周とケーブルシースの外周とを覆い、端末本体部の一部とケーブルシースとを繋ぐように、熱収縮チューブが設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部が接続される端末本体部と、
を備え、
前記電力ケーブルは、導体、ケーブル絶縁層およびケーブルシースを、前記導体の先端から前記導体の軸方向に沿ってこの順で露出するように有し、
前記端末本体部の一部の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記端末本体部の前記一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように、熱収縮チューブが設けられている
ケーブル端末構造。
【請求項2】
前記端末本体部は、
前記電力ケーブルの前記導体が圧縮により接続されるとともに、機器の端子に接続可能に構成された圧縮端子と、
前記圧縮端子が接続された状態の前記電力ケーブルが挿入されるケーブル挿入穴を有し、前記圧縮端子および前記電力ケーブルの外側の絶縁性を確保する絶縁筒と、
前記電力ケーブルの外周を囲むように設けられ、前記ケーブル挿入穴の内周面と前記電力ケーブルの外周面との間に介在するスペーサと、
を備え、
前記熱収縮チューブは、前記絶縁筒の一部の外周と、前記ケーブル挿入穴の外に露出した前記スペーサの後端と、前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記絶縁筒の一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように設けられている
請求項1に記載のケーブル端末構造。
【請求項3】
前記絶縁筒は、前記熱収縮チューブにより覆われる部分に設けられ、前記熱収縮チューブ内に混入した空気を逃がす空気逃がし部を有する
請求項2に記載のケーブル端末構造。
【請求項4】
前記絶縁筒は、
前記圧縮端子および前記電力ケーブルの先端の外周を囲むように配置される内部半導電層と、
前記内部半導電層の外周を覆うように設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の外周を覆うように設けられた外部半導電層と、
前記電力ケーブルが挿入される開口に近い領域に設けられ、前記電力ケーブルが挿入される方向に向けて徐々に広がる内径を有する半導電部と、
を有し、
前記空気逃がし部は、前記絶縁筒のうち前記半導電部よりも外周に近い位置に設けられている
請求項3に記載のケーブル端末構造。
【請求項5】
前記端末本体部は、
前記電力ケーブルが挿入された中空部、前記中空部の軸方向の上端に開けられた上部開口、および、前記中空部の前記上端と反対の下端に開けられた下部開口を有し、鉛直方向に沿って立設される碍管と、
前記碍管の前記上部開口を塞ぎ、前記導体を固定する上側金具と、
前記電力ケーブルの外周を囲むように設けられ、前記碍管の前記下部開口を塞ぐ金属管と、
所定の空間をあけて前記金属管を囲み、前記電力ケーブルを把持するクランプと、
を備え、
前記熱収縮チューブは、前記金属管の下端の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記金属管の前記下端と前記ケーブルシースとを繋ぐように設けられている
請求項1に記載のケーブル端末構造。
【請求項6】
前記端末本体部は、前記クランプと前記電力ケーブルとの間に介在する麻布を備え、
前記麻布は、前記クランプ内に前記熱収縮チューブが設けられた状態で、前記金属管と前記クランプとの間の前記空間に露出している
請求項5に記載のケーブル端末構造。
【請求項7】
前記熱収縮チューブは、前記クランプの下端よりも鉛直下まで延在し、前記麻布と前記電力ケーブルとの間に介在している
請求項6に記載のケーブル端末構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ケーブル端末構造に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉機器または架空線などと、電力ケーブルとを接続するため、ケーブル端末構造が設けられる(例えば、特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-289049号公報
【特許文献2】実開昭57-21220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、ケーブル端末構造の絶縁性を維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、
電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部が接続される端末本体部と、
を備え、
前記電力ケーブルは、導体、ケーブル絶縁層およびケーブルシースを、前記導体の先端から前記導体の軸方向に沿ってこの順で露出するように有し、
前記端末本体部の一部の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記端末本体部の前記一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように、熱収縮チューブが設けられている
ケーブル端末構造が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ケーブル端末構造の絶縁性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係るケーブル端末構造を示す概略断面図である。
図2図2は、図1の一部を拡大した概略断面図である。
図3図3は、本開示の第2実施形態に係るケーブル端末構造を示す概略図である。
図4図4は、図3の一部を拡大した概略図である。
図5図5は、比較例1に係るケーブル端末構造を示す概略断面図である。
図6図6は、比較例2に係るケーブル端末構造の一部を拡大した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
<発明者の得た知見>
まず、図5および図6を参照し、本発明者の得た知見について説明する。
【0009】
本発明者は、比較例1および比較例2のケーブル端末構造に関して、以下の新規課題を見出した。
【0010】
[比較例1:機器直結端末]
図5に示すように、比較例1のケーブル端末構造80は、電力ケーブル100を機器に接続する機器直結端末として構成されている。ケーブル端末構造80は、例えば、電力ケーブル100が挿入されるとともに、機器のブッシング882が嵌められる絶縁筒830を有している。絶縁筒830のケーブル挿入穴831には、例えば、円筒状のスペーサ840を嵌めた状態で、電力ケーブル100が挿入される。
【0011】
ここで、電力ケーブル100は、導体110の軸方向の先端から反対に向けて段階的に剥がされる(いわゆる“段剥ぎ”される)。
【0012】
図5に示したような比較例1では、絶縁筒830の一部、ケーブル挿入穴831の外に露出したスペーサ840の後端(基端部)、および電力ケーブル100のケーブルシース160の先端を含む外周領域を覆うように、テープ層890を設けていた。
【0013】
しかしながら、比較例1では、ケーブル挿入穴831の外に露出したスペーサ840の後端(のテーパ面)に、テープ層890の巻き付け力FAが加わるため、絶縁筒830を電力ケーブル100の軸方向に沿ってずれさせる力(以下、「絶縁筒の位置ずれ力」)FBが生じていた。このようにして生じた絶縁筒830の位置ずれ力FBにより、絶縁筒830が電力ケーブル100に対して押し上げられ、当該絶縁筒830が電力ケーブル100から抜けてしまうおそれがあった。また、絶縁筒830が電力ケーブル100に対して押し上げられるため、機器のブッシング882が絶縁筒830に当接する面圧、または絶縁栓884が絶縁筒830に当接する面圧が不均一になる可能性があった。その結果、ケーブル端末構造80の絶縁性が低下するおそれがあった。
【0014】
さらに、比較例1では、絶縁筒830の外周面における段差を滑らかにするために、テープ層890を多く巻き付けることがあった。このため、絶縁筒830の段差付近に、テープ層890の膨らみが形成されていた。その結果、ケーブル端末構造80の一部の外形が大きくなる傾向にあった。
【0015】
[比較例2:ケーブル端末構造]
図6に示すように、比較例2のケーブル端末構造90は、電力ケーブル100を架空送電線に接続する碍子型ケーブルヘッドとして構成されている。ケーブル端末構造80は、碍管920と、金属管960と、クランプ970と、を有している。
【0016】
金属管960は、電力ケーブル100が挿入された碍管920の下部開口を塞いでいる。クランプ970は、金属管960を囲んでいる。クランプ970は、麻布984が巻き付けられた電力ケーブル100を把持している。
【0017】
ここで、ケーブル端末構造90においても、電力ケーブル100は、導体110の軸方向の先端から反対に向けて段階的に剥がされる。
【0018】
図6に示したような比較例2では、金属管960の下端と、電力ケーブル100のケーブルシース160とを繋ぐように、ストッパ(シース片)とテープ巻き層とを含む複合層980を設けていた。
【0019】
上述の構成を有する通常のケーブル端末構造では、複合層980が設けられた状態であっても、クランプ970内の下部空間が確保されていた。これにより、クランプ970内に雨水が浸入したとしても、電力ケーブル100に巻き付けた麻布984を通して、水が抜けていた。
【0020】
しかしながら、比較例2のケーブル端末構造90のように、金属管960の下端を確実に保護するために、金属管960とクランプ970との間における狭い空間内に、多くの複合層980を巻き付けることがあった。この場合、クランプ970が電力ケーブル100を把持した部分、すなわち、水が抜ける経路が、複合層980により完全に塞がれていた。
【0021】
このような状態では、クランプ970内に雨水が浸入したときに、クランプ970内に水が溜まってしまっていた。そのため、冬季期間中に周囲温度が、水の凍結温度以下になったときに、クランプ970内の水が凍結していた。水が凍結すると、凍結の体積膨張に起因して、クランプ970および金属管960の少なくともいずれかが変形していた。このため、複合層980が変形したり、電力ケーブル100が過度に圧迫されたりする可能性があった。その結果、ケーブル端末構造90の絶縁性が低下するおそれがあった。
【0022】
本発明者は、上述の新規課題を解決するため、鋭意検討の結果、各ケーブル端末構造において絶縁性を維持することができる構成を見出した。
【0023】
以下の本開示は、本発明者が見出した上記知見に基づくものである。
【0024】
<本開示の実施態様>
次に、本開示の実施態様を列記して説明する。
【0025】
[1]本開示の一態様に係るケーブル端末構造は、
電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部が接続される端末本体部と、
を備え、
前記電力ケーブルは、導体、ケーブル絶縁層およびケーブルシースを、前記導体の先端から前記導体の軸方向に沿ってこの順で露出するように有し、
前記端末本体部の一部の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記端末本体部の前記一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように、熱収縮チューブが設けられている。
この構成によれば、ケーブル端末構造の絶縁性を維持することができる。
【0026】
[2]上記[1]に記載のケーブル端末構造において、
前記端末本体部は、
前記電力ケーブルの前記導体が圧縮により接続されるとともに、機器の端子に接続可能に構成された圧縮端子と、
前記圧縮端子が接続された状態の前記電力ケーブルが挿入されるケーブル挿入穴を有し、前記圧縮端子および前記電力ケーブルの外側の絶縁性を確保する絶縁筒と、
前記電力ケーブルの外周を囲むように設けられ、前記ケーブル挿入穴の内周面と前記電力ケーブルの外周面との間に介在するスペーサと、
を備え、
前記熱収縮チューブは、前記絶縁筒の一部の外周と、前記ケーブル挿入穴の外に露出した前記スペーサの後端と、前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記絶縁筒の一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように設けられている。
この構成によれば、絶縁筒の一部、スペーサおよびケーブルシースの全体にわたって均等に、熱収縮チューブの収縮力を与えることができる。
【0027】
[3]上記[2]に記載のケーブル端末構造において、
前記絶縁筒は、前記熱収縮チューブにより覆われる部分に設けられ、前記熱収縮チューブ内に混入した空気を逃がす空気逃がし部を有する。
この構成によれば、熱収縮チューブ内に混入した空気を、絶縁筒の空気逃がし部に逃がす(閉じ込める)ことができる。
【0028】
[4]上記[3]に記載のケーブル端末構造において、
前記絶縁筒は、
前記圧縮端子および前記電力ケーブルの先端の外周を囲むように配置される内部半導電層と、
前記内部半導電層の外周を覆うように設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の外周を覆うように設けられた外部半導電層と、
前記電力ケーブルが挿入される開口に近い領域に設けられ、前記電力ケーブルが挿入される方向に向けて徐々に広がる内径を有する半導電部と、
を有し、
前記空気逃がし部は、前記絶縁筒のうち前記半導電部よりも外周に近い位置に設けられている。
この構成によれば、金型の痕跡(抑え片部の痕跡)を、空気逃がし部として利用することができる。
【0029】
[5]上記[1]に記載のケーブル端末構造において、
前記端末本体部は、
前記電力ケーブルが挿入された中空部、前記中空部の軸方向の上端に開けられた上部開口、および、前記中空部の前記上端と反対の下端に開けられた下部開口を有し、鉛直方向に沿って立設される碍管と、
前記碍管の前記上部開口を塞ぎ、前記導体を固定する上側金具と、
前記電力ケーブルの外周を囲むように設けられ、前記碍管の前記下部開口を塞ぐ金属管と、
所定の空間をあけて前記金属管を囲み、前記電力ケーブルを把持するクランプと、
を備え、
前記熱収縮チューブは、前記金属管の下端の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記金属管の前記下端と前記ケーブルシースとを繋ぐように設けられている。
この構成によれば、金属管とクランプとの間における狭い空間内であっても、ケーブルシースのシュリンクバックを安定的に抑制することが可能となる。
【0030】
[6]上記[5]に記載のケーブル端末構造において、
前記端末本体部は、前記クランプと前記電力ケーブルとの間に介在する麻布を備え、
前記麻布は、前記クランプ内に前記熱収縮チューブが設けられた状態で、前記金属管と前記クランプとの間の前記空間に露出している。
この構成によれば、クランプ内から麻布を通して、水を抜くことができる。
【0031】
[7]上記[6]に記載のケーブル端末構造において、
前記熱収縮チューブは、前記クランプの下端よりも鉛直下まで延在し、前記麻布と前記電力ケーブルとの間に介在している。
この構成によれば、ケーブルシースのシュリンクバック抑制と、クランプ内からの水抜きとの両方を安定的に実現することができる。
【0032】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0033】
<本開示の第1実施形態>
(1)ケーブル端末構造
本実施形態に係るケーブル端末構造12について、図1および図2を参照して説明する。
【0034】
なお、図1および図2において、電力ケーブル100は、断面ではなく側面が示されている。図1および図2において、断面の一部のハッチングを省略している。図1において、ブッシング282および絶縁栓284の一部を省略している。
【0035】
以下の説明において、電力ケーブル100の「軸方向」とは、電力ケーブル100の中心軸の方向のことをいう。また、電力ケーブル100の「径方向」とは、電力ケーブル100の中心軸から外周に向かう方向のことをいう。なお、電力ケーブル100以外の筒状部材などについても、電力ケーブル100と同様の用語を用いることができる。
【0036】
図1および図2に示すように、本実施形態のケーブル端末構造12は、GISのような開閉機器などと電力ケーブル100とを接続する機器直結端末として構成されている。具体的には、ケーブル端末構造12は、例えば、電力ケーブル100と、端末本体部22と、を備えている。端末本体部22は、例えば、圧縮端子220と、絶縁筒230と、スペーサ240と、を備えている。
【0037】
[電力ケーブル]
図1に示すように、電力ケーブル100は、高電圧の送電ケーブルである固体絶縁ケーブルとして構成されている。電力ケーブル100としては、例えば、CVケーブル(Crosslinked polyethylene insulated PVC sheathed cable、XLPEケーブルともいう)などが挙げられる。なお、電力ケーブル100は、交流用であっても、直流用であってもよい。本実施形態では、電力ケーブル100は、例えば、交流用であるものとする。
【0038】
電力ケーブル100は、例えば、導体(ケーブル導体)110、ケーブル内部半導電層(不図示)、ケーブル絶縁層130、ケーブル外部半導電層140、ケーブル遮蔽層(ケーブル金属層、不図示)、およびケーブルシース160を、導体110の中心軸から外周に向けてこの順で有している。
【0039】
電力ケーブル100は、導体110の軸方向の先端から反対に向けて段階的に剥がされている(いわゆる“段剥ぎ”されている)。すなわち、導体110、ケーブル内部半導電層、ケーブル絶縁層130、ケーブル外部半導電層140、ケーブル遮蔽層、およびケーブルシース160は、導体110の先端から反対に向けてこの順で露出している。
【0040】
[圧縮端子]
圧縮端子220は、電力ケーブル100の導体110が圧縮により接続されるとともに、機器の端子(不図示)に接続可能に構成されている。具体的には、圧縮端子220は、例えば、筒状部222と、板状部224と、を有している。
【0041】
筒状部222は、電力ケーブル100の導体110が挿入される挿入孔(符号不図示)を有している。筒状部222は、電力ケーブル100が挿入された状態で径方向に圧縮されることで、電力ケーブル100の導体110が接続されるよう構成されている。
【0042】
板状部224は、筒状部222の開口と反対に接続され、平板状に構成されている。板状部224には、厚さ方向に貫通するネジ穴(符号不図示)が設けられている。板状部224のネジ穴には、例えば、機器の端子に接続されるスタッドボルトなどの接続端子(符号不図示)が螺合される。接続端子の雄ネジ部は、板状部224から後述の栓嵌合穴231cに向けて突出される。板状部224を挟んで接続端子と反対には、ナット(符号不図示)が設けられ、接続端子の雄ネジ部に締め付けられる。
【0043】
[絶縁筒]
絶縁筒230は、圧縮端子220および電力ケーブル100の外側の絶縁性を確保するよう構成されている。
【0044】
絶縁筒230は、例えば、T字状の外形を有するとともに、T字状の穴を有している。具体的には、絶縁筒230は、例えば、ケーブル挿入穴231aと、ブッシング嵌合穴231bと、栓嵌合穴231cと、を有している。ケーブル挿入穴231aと、ブッシング嵌合穴231bと、栓嵌合穴231cとは、互いに繋がっている。
【0045】
ケーブル挿入穴231aは、例えば、T字状の絶縁筒230において縦画部に沿って直線状に開設されている。ケーブル挿入穴231aには、圧縮端子220が接続され且つ後述のスペーサ240が嵌められた状態の電力ケーブル100が挿入される。ケーブル挿入穴231aと、ブッシング嵌合穴231bと、栓嵌合穴231cとの接続部分には、圧縮端子220の板状部224が配置されるようになっている。
【0046】
なお、絶縁筒230は、当該絶縁筒230の中央からケーブル挿入穴231aの開口に向けて徐々に小さくなる外径を有している。これにより、絶縁筒230は、ケーブル挿入穴231aの開口付近にテーパ面(符号不図示)を有している。
【0047】
ブッシング嵌合穴231bは、例えば、絶縁筒230において当該絶縁筒230の横画部の第1端から中央に向けて縮径したコーン状(円錐台形状)に開設されている。ブッシング嵌合穴231bには、機器のブッシング282が弾性的に嵌合する。これにより、機器のブッシング282内に設けられた端子が、圧縮端子220の板状部224に固定された接続端子に接続される。
【0048】
栓嵌合穴231cは、例えば、絶縁筒230において当該絶縁筒230の第2端から中央に向けて縮径したコーン状(円錐台形状)に開設されている。栓嵌合穴231cには、絶縁栓284が弾性的に嵌合する。絶縁栓284は、例えば、縮径した先端中央から後端に向けて雌ネジ部を有している。絶縁栓284の雌ネジ部は、圧縮端子220の板状部224から突出した接続端子の雄ネジ部に螺合するよう構成されている。
【0049】
絶縁筒230は、例えば、電気的特性が異なる4つの部分に分かれている。具体的には、絶縁筒230は、例えば、内部半導電層232と、絶縁層234と、外部半導電層236と、半導電部(ストレスコーン部)238と、を有している。これらは、一体としてモールド成形されている。
【0050】
内部半導電層232は、例えば、半導電性ゴムを含んでいる。内部半導電層232は、例えば、ケーブル挿入穴231aに挿入される圧縮端子220および電力ケーブル100の先端の外周を囲むように配置されている。内部半導電層232は、ケーブル挿入穴231aの一部を構成している。内部半導電層232により、圧縮端子220および導体110周辺の電界を緩和することができる。
【0051】
絶縁層234は、例えば、絶縁性ゴムを含んでいる。絶縁層234は、例えば、内部半導電層232の外周を覆うように設けられ、絶縁筒230の主要部分を構成している。絶縁層234は、例えば、内部半導電層232とともにケーブル挿入穴231aの一部を構成している。
【0052】
外部半導電層236は、例えば、半導電性ゴムを含んでいる。外部半導電層236は、例えば、絶縁層234を覆うように設けられ、絶縁筒230の外周面の少なくとも一部を構成している。外部半導電層236は、接地される。
【0053】
半導電部238は、例えば、半導電性ゴムを含んでいる。半導電部244は、電力ケーブル100が挿入されるケーブル挿入穴231aの開口に近い領域に設けられている。半導電部238は、コーン状を有しており、ケーブル挿入穴231a内に電力ケーブル100が挿入される方向に向けて徐々に広がる内径を有している。すなわち、半導電部238は、いわゆるストレスコーンを形成している。半導電部238は、後述のスペーサ240の半導電部244に電気的に接続される。
【0054】
さらに、本実施形態の絶縁筒230は、例えば、空気逃がし部239を有している。この点については、後述する。
【0055】
[スペーサ]
スペーサ240は、例えば、円筒状を有し、電力ケーブル100の外周を囲むように設けられている。スペーサ240は、例えば、ケーブル挿入穴231aの内周面と電力ケーブル100の外周面との間に介在するよう構成されている。
【0056】
スペーサ240の外径は、絶縁筒230のケーブル挿入穴231aの内径と等しいか、或いはケーブル挿入穴231aの内径よりも若干大きく設定されている。スペーサ240の内径は、電力ケーブル100のケーブル絶縁層130の外径と等しいか、或いはケーブル絶縁層130の外径よりも若干小さく設定されている。これにより、電力ケーブル100のサイズに応じて、絶縁筒230からスペーサ240を介して電力ケーブル100に対して適切な面圧を与えることができる。
【0057】
スペーサ240は、例えば、爪部410を先端に有している。爪部410は、スペーサ240の径方向の内側に向けて突出し、電力ケーブル100が挿入される部分よりも小さい内径を有している。これにより、スペーサ240の爪部410を、電力ケーブル100のケーブル絶縁層130の先端に係止させることができる。
【0058】
スペーサ240は、当該スペーサ240の軸方向の先端から後端に向けて徐々に小さくなる外径を有している。これにより、スペーサ240は、テーパ面(符号不図示)を後端に有している。
【0059】
スペーサ240は、例えば、電気的特性が異なる2つの部分に分かれている。具体的には、スペーサ240は、例えば、絶縁部242と、半導電部244と、を有している。これらは、一体として筒状にモールド成形されている。
【0060】
絶縁部242は、例えば、絶縁性ゴムを含んでいる。絶縁部242は、スペーサ240の先端を含む領域に設けられている。
【0061】
一方、半導電部244は、例えば、半導電性ゴムを含んでいる。半導電部244は、スペーサ240において絶縁部242と反対の領域に設けられている。半導電部244は、コーン状を有しており、スペーサ240の軸方向の後端から先端に向けて徐々に広がる内径を有している。すなわち、半導電部244は、いわゆるストレスコーンを形成している。
【0062】
ケーブル端末構造12では、絶縁部242は、露出したケーブル絶縁層130の外周面と接するように配置される。半導電部244は、露出したケーブル外部半導電層140の外周面と接するよう配置される。さらに、半導電部244は、上述の絶縁筒230の半導電部238の内周面と接するよう配置される。このような構成により、比較的高い電界が生じる露出したケーブル外部半導電層140の周辺において、コーン状の半導電部238およびコーン状の半導電部244により等電位線を均等に分布させ、電界集中を抑制することができる。
【0063】
(2)ケーブル端末構造の下端付近の構成について
図1および図2を参照し、本実施形態のケーブル端末構造12の下端付近の構成について説明する。
【0064】
ここで、電力ケーブル100のケーブルシース160は、導体110の先端から中心軸に沿って離れる方向に収縮しうる。このようなケーブルシース160の軸方向の収縮は、「シュリンクバック」と呼ばれる。ケーブルシース160のシュリンクバックは、ケーブルシース160が押出時に引き伸ばされた応力が経時的に解放されることで生じるものと考えられている。
【0065】
そこで、図1および図2に示すように、本実施形態では、端末本体部22の一部の外周とケーブルシース160の外周とを覆い、端末本体部22の一部とケーブルシース160とを繋ぐように、熱収縮チューブ280が設けられている。熱収縮チューブ280は、加熱により径方向に収縮する弾性材料を含むチューブ状部材のことを意味する。熱収縮チューブ280は、例えば、ポリオレフィン樹脂を含んでいる。具体的な樹脂としては、電子架橋軟質ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。当該熱収縮チューブ280が設けられていることにより、ケーブルシース160のシュリンクバックを抑制することができる。
【0066】
本実施形態では、熱収縮チューブ280は、例えば、絶縁筒230の一部の外周と、ケーブル挿入穴231aの外に露出したスペーサ240の後端(基端部)と、ケーブルシース160の外周とを覆い、絶縁筒230の一部とケーブルシース160とを繋ぐように設けられている。
【0067】
すなわち、熱収縮チューブ280は加熱により収縮している。これにより、絶縁筒230の一部、ケーブル挿入穴231aの外に露出したスペーサ240の後端(基端部)、および電力ケーブル100のケーブルシース160の先端を含む外周領域を、熱収縮チューブ280により当該熱収縮チューブ280の径方向に締め付けている。その結果、熱収縮チューブ280により、絶縁筒230の一部とケーブルシース160とを繋ぎ止めることができる。
【0068】
なお、熱収縮チューブ280の内周に接着層(不図示)が設けられていてもよい。これにより、例えば、絶縁筒230、スペーサ240およびケーブルシース160を含む外周領域と、熱収縮チューブ280との密着性(接着性)を向上させることができる。
【0069】
ここで、本実施形態のように、絶縁筒230の一部の外周とケーブルシース160の外周とを覆うように、熱収縮チューブ280が設けられていると、熱収縮チューブ280内に空気が混入する可能性がある。
【0070】
そこで、本実施形態では、絶縁筒230は、例えば、空気逃がし部(空気閉じ込め部)239を有している。空気逃がし部239は、絶縁筒230のうち、熱収縮チューブ280により覆われる部分に設けられている。空気逃がし部239は、熱収縮チューブ280内に混入した空気を逃がす(閉じ込める)よう構成されている。
【0071】
本実施形態では、空気逃がし部239は、例えば、絶縁筒230のうち半導電部238よりも外周に近い位置に設けられている。
【0072】
具体的には、空気逃がし部239は、例えば、絶縁筒230をモールド成型する金型において、絶縁筒230の外周に向けた半導電部238の立ち上がり(変形、湾曲)を抑制する抑え片部の痕跡である(抑え片部の痕跡を兼ねている)。すなわち、空気逃がし部239は、絶縁筒230の後端面からケーブル挿入穴231aの軸方向に沿って延在する円筒状の穴となっている。
【0073】
このような構成により、熱収縮チューブ280内に混入した空気を、空気逃がし部239に逃がす(閉じ込める)ことができる。
【0074】
(3)ケーブル端末構造の製造方法
次に、本実施形態に係るケーブル端末構造の製造方法について説明する。
【0075】
本実施形態のケーブル端末構造12の製造方法は、例えば、準備工程S10と、端末本体部接続工程S20と、を備えている。
【0076】
[S10:準備工程]
まず、電力ケーブル100を準備する。
【0077】
電力ケーブル100を導体110の先端から軸方向に段階的に剥がし、導体110、ケーブル絶縁層130およびケーブル外部半導電層140をこの順で露出させる。
【0078】
[S20:端末本体部接続工程]
電力ケーブル100を準備したら、電力ケーブル100の端部を端末本体部22に接続する端末本体部接続工程S20を行う。
【0079】
本実施形態の端末本体部接続工程S20は、例えば、スペーサ配置工程S21と、圧縮接続工程S22と、絶縁筒内挿入工程S23と、熱収縮チューブ配置工程S24と、端子接続工程S25と、絶縁栓嵌合工程S26と、を有している。
【0080】
(S21:スペーサ配置工程)
電力ケーブル100を段階的に剥がした後、電力ケーブル100の外周を囲むようにスペーサ240を配置する。このとき、スペーサ240の先端まで電力ケーブル100を挿入させる。これにより、スペーサ240の爪部410を、電力ケーブル100のケーブル絶縁層130の先端に係止させる。
【0081】
(S22:圧縮接続工程)
スペーサ240を配置したら、圧縮端子220を、電力ケーブル100の導体110に圧縮により接続する。
【0082】
(S23:絶縁筒内挿入工程)
圧縮接続工程S22が完了したら、絶縁筒230のケーブル挿入穴231a内に、スペーサ240が嵌められ且つ圧縮端子220が接続された状態の電力ケーブル100を挿入する。ケーブル挿入穴231aの内周面と電力ケーブル100の外周面との間に、スペーサ240を介在させる。
【0083】
(S24:熱収縮チューブ配置工程)
絶縁筒内挿入工程S23が完了したら、絶縁筒230の一部の外周と、ケーブル挿入穴231aの外に露出したスペーサ240の後端と、ケーブルシース160の外周とを覆うように、熱収縮チューブ280を配置する。この状態で、熱収縮チューブ280を加熱により収縮させる。これにより、熱収縮チューブ280により、当該熱収縮チューブ280の径方向に上述の外周領域を締め付ける。これにより、絶縁筒230の一部とケーブルシース160とを熱収縮チューブ280により繋ぎ止めることができる。
【0084】
このとき、熱収縮チューブ280内に混入した空気を、空気逃がし部239に逃がす(閉じ込める)。
【0085】
(S25:端子接続工程)
熱収縮チューブ配置工程S24が完了したら、機器のブッシング282に、スタッドボルトなどの接続端子を取り付ける。接続端子が取り付けられた状態の機器のブッシング282を、絶縁筒230のブッシング嵌合穴231bに、機器のブッシング282を弾性的に嵌合させる。このとき、接続端子の雄ネジ部を、板状部224から栓嵌合穴231cに向けて突出させる。その後、接続端子を、ナットにより圧縮端子220の板状部224に固定する。
【0086】
(S26:絶縁栓嵌合工程)
端子接続工程S25が完了したら、絶縁筒230の栓嵌合穴231cに、絶縁栓284を弾性的に嵌合させる。このとき、絶縁栓284を栓嵌合穴231cにねじ込むことで、絶縁栓284に設けられた雌ネジ部を、圧縮端子220の板状部224から突出した接続端子の雄ネジ部に螺合させる。これにより、絶縁栓284の縮径した先端を圧縮端子220の板状部224に接触させる。
【0087】
以上により、本実施形態のケーブル端末構造12が製造される。
【0088】
(4)本実施形態のまとめ
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0089】
(a)本実施形態では、端末本体部22の一部の外周とケーブルシース160の外周とを覆い、端末本体部22の一部とケーブルシース160とを繋ぐように、熱収縮チューブ280が設けられている。これにより、ケーブルシース160のシュリンクバックを抑制することができる。ケーブルシース160のシュリンクバック抑制により、例えば、銅テープからなるケーブル遮蔽層の破れの発生を抑制することができる。その結果、ケーブル端末構造12の絶縁性を維持することが可能となる。
【0090】
(b)本実施形態では、熱収縮チューブ280を用いることで、絶縁筒230の外側における過度な膨らみを生じさせずに、ケーブルシース160のシュリンクバックを抑制することができる。これにより、ケーブル端末構造12をスリムにすることができる。
【0091】
(c)本実施形態では、熱収縮チューブ280は、絶縁筒230の一部の外周と、ケーブル挿入穴231aの外に露出したスペーサ240の後端と、ケーブルシース160の外周とを覆い、絶縁筒230の一部とケーブルシース160とを繋ぐように設けられている。これにより、絶縁筒230の一部、スペーサ240およびケーブルシース160の全体にわたって均等に、熱収縮チューブ280の収縮力を与えることができる。
【0092】
このような構成により、絶縁筒230の一部とケーブルシース160とを繋ぎ止めつつ、絶縁筒230を電力ケーブル100の軸方向に沿ってずれさせる位置ずれ力の発生を抑制することができる。これにより、電力ケーブル100に対する絶縁筒230の押し上げを抑制し、電力ケーブル100からの当該絶縁筒230の抜け出しを抑制することができる。また、電力ケーブル100に対する絶縁筒230の押し上げを抑制することで、機器のブッシング282がブッシング嵌合穴231bの内周面に当接する面圧、または絶縁栓284が栓嵌合穴231cの内周面に当接する面圧が不均一になることを抑制することができる。
【0093】
(d)本実施形態では、絶縁筒230は、例えば、空気逃がし部239を有している。
【0094】
ここで、熱収縮チューブ280が設けられている場合では、上述のように、熱収縮チューブ280内に空気が混入する可能性がある。この状態で電力ケーブル100が通電されると、通電の再加熱により、熱収縮チューブ280内に混入した空気が局所的に集中し、大きな空気層を形成する。大きな空気層が形成されると、熱収縮チューブ280に外傷が生じやすくなったり、熱収縮チューブ280が熱によって割れたりする可能性がある。このような外傷または割れが生じると、それらの不良箇所から熱収縮チューブ280内に水が浸入する。その結果、ケーブル端末構造12の絶縁性が低下するおそれがある。
【0095】
これに対し、本実施形態では、絶縁筒230が空気逃がし部239を有していることで、熱収縮チューブ280内に混入した空気を、絶縁筒230の空気逃がし部239に逃がす(閉じ込める)ことができる。すなわち、熱収縮チューブ280内に混入した空気の局所的な集中を抑制することができる。これにより、熱収縮チューブ280の外傷または割れを抑制することができ、それらの不良箇所から熱収縮チューブ280内への水の浸入を抑制することができる。その結果、ケーブル端末構造12の絶縁性の低下を抑制することが可能となる。
【0096】
(e)本実施形態では、空気逃がし部239は、絶縁筒230のうち半導電部238よりも外周に近い位置に設けられている。これにより、絶縁筒230をモールド成型する金型において、絶縁筒230の外周に向けた半導電部238の立ち上がり(変形、湾曲)を抑制する抑え片部の痕跡を、空気逃がし部239として利用することができる。その結果、空気逃がし部239を容易に実現することが可能となる。
【0097】
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0098】
(1)ケーブル端末構造
本実施形態に係るケーブル端末構造14について、図3および図4を参照して説明する。図3および図4において、電力ケーブル100は、断面ではなく側面が示されている。また、図3および図4において、断面の一部のハッチングを省略している。
【0099】
図3および図4に示すように、本実施形態のケーブル端末構造14は、電力ケーブル100と架空送電線(不図示)等とを接続する碍子型ケーブルヘッド(気中終端接続部、気中終端接続箱、EB-A)として構成されている。具体的には、ケーブル端末構造14は、例えば、電力ケーブル100と、端末本体部24と、を備えている。端末本体部24は、例えば、碍管420と、上側金具432と、下側金具450と、金属管460と、クランプ470と、を備えている。
【0100】
[電力ケーブル]
図3および図4に示すように、電力ケーブル100は、上述の第1実施形態と同様に、導体110の軸方向の先端から反対に向けて段階的に剥がされている。
【0101】
[電力ケーブル付属部材]
段階的に剥がされた電力ケーブル100には、例えば、導体引出棒431と、絶縁筒(ゴムユニット、ストレスリリーフコーン、プレモールド絶縁体、絶縁ゴムブロック)440と、が装着されている。電力ケーブル100は、ケーブル端末構造14において、鉛直方向に沿って立ち上げられた状態で固定される。
【0102】
(導体引出棒)
導体引出棒431は、先端に架空送電線等が接続されるよう構成されている。導体引出棒431の先端と反対の基端には、露出した導体110の先端が圧縮により接続されている。導体引出棒431と導体110の先端との接続部の周囲には、シール部(符号不図示)が設けられている。
【0103】
(絶縁筒)
絶縁筒440は、碍管420の中空部420h内で電力ケーブル100の外周を囲むように筒状に設けられている。絶縁筒440は、段階的に剥がされた電力ケーブル100の周囲の電界を緩和するよう構成されている。
【0104】
具体的には、絶縁筒440は、例えば、絶縁部442と、半導電部444と、を有している。これらは、一体として筒状にモールド成形されている。絶縁部442は、例えば、絶縁性ゴムを含んでいる。一方、半導電部444は、例えば、半導電性ゴムを含んでいる。また、半導電部444は、コーン状を有しており、絶縁筒440の軸方向の下端から上端に向けて徐々に広がる内径を有している。すなわち、半導電部444は、いわゆるストレスコーンを形成している。
【0105】
絶縁筒440は、碍管420の中空部420h内に配置される。絶縁部442は、露出したケーブル絶縁層130の外周面と接するように配置される。半導電部444は、露出したケーブル外部半導電層140の外周面と接するよう配置される。このような構成により、露出したケーブル外部半導電層140の周辺において、コーン状の半導電部444により等電位線を均等に分布させ、電界集中を抑制することができる。
【0106】
(その他付属部材)
さらに、電力ケーブル100の導体110から絶縁筒440までの領域の外周を覆うように、保護テープ448が設けられている。また、電力ケーブル100のケーブル外部半導電層140から電力ケーブル100の先端と反対に向けて接地線462が引き出されている。
【0107】
[碍管]
碍管420は、電力ケーブル100の外周を囲むように設けられ、段階的に剥がされた電力ケーブル100の周辺の絶縁性を確保するよう筒状に構成されている。碍管420は、例えば、磁器またはポリマにより構成されている。
【0108】
碍管420は、鉛直方向に沿って立設され、架台(不図示)等に固定されている。碍管420は、例えば、中空部420hと、上部開口420uと、下部開口420dと、を有している。
【0109】
碍管420の中空部420h内には、導体引出棒431の一部と、段階的に剥がされた電力ケーブル100と、絶縁筒440と、が挿入されている。電力ケーブル100は、碍管420の中空部420hの中心軸に沿って直線状に配置されている。
【0110】
碍管420の上部開口420uは、中空部420hの軸方向の上端に開けられている。一方で、碍管420の下部開口420dは、中空部420hの上端と反対の下端に開けられている。
【0111】
碍管420は、当該碍管420の外側に拡径した複数の鍔部(ひだ部)210を有している。複数の鍔部421は、碍管420の軸方向に所定の間隔で配置されている。これにより、導体引出棒431とアースとの間の絶縁距離(沿面距離)が確保されている。
【0112】
電力ケーブル100を除く碍管420の中空部420h内には、絶縁混和物422が充填されている。
【0113】
[上側金具]
上側金具432は、例えば、円盤状に構成され、碍管420の軸方向の上端における上部開口420uを塞ぐよう構成されている。
【0114】
上側金具432は、導体110を固定するよう構成されている。具体的には、上側金具432には、導体引出棒431が挿通されている。導体引出棒431は、所定の治具により、上側金具432に固定されている。
【0115】
[金属管]
金属管460は、例えば、碍管420の下側において、電力ケーブル100の外周を囲むように設けられている。金属管460は、例えば、碍管420の軸方向の下端における下部開口420dを塞ぐよう構成されている。金属管460は、例えば、鉛を含んでいる。
【0116】
金属管460の下部は、例えば、金属管460の軸方向の上側から下側に向けて徐々に狭くなっている。金属管460の下部は、例えば、ストッパ(符号不図示)および接地線462を挟んで、ケーブルシース160の外周に取り付けられている。金属管460の下部には、接地線462が電気的に接続されている。
【0117】
なお、金属管460の下部と接地線462との接続箇所は、絶縁テープ(符号不図示)により被覆されていてもよい。
【0118】
金属管460の上部は、例えば、円盤状の下側金具450に接続されている。下側金具450は、架台(不図示)などに固定される。これにより、金属管460は、下側金具450とともに接地されている。
【0119】
[クランプ]
クランプ470は、例えば、所定の空間をあけて金属管460を囲んでいる。これにより、クランプ470内の金属管460などを保護することができる。
【0120】
クランプ470(の下部)は、例えば、電力ケーブル100を把持している。具体的には、クランプ470の下部付近において、麻布484は、例えば、電力ケーブル100のケーブルシース160の外周を囲むように設けられている。麻布484は、例えば、クランプ470(の下部)と電力ケーブル100との間に介在している。これにより、クランプ470は、例えば、麻布484を挟んで、電力ケーブル100のケーブルシース160を把持している。麻布484については、熱収縮チューブ482と自身との関係も含めて、後述する。
【0121】
クランプ470の上部は、例えば、上述の下側金具450に接続されている。
【0122】
(2)ケーブルシースのシュリンクバックを抑制する構成について
図3および図4を参照し、本実施形態のケーブル端末構造14において、ケーブルシース160のシュリンクバックを抑制する構成について説明する。
【0123】
図3および図4に示すように、本実施形態では、熱収縮チューブ482は、例えば、金属管460の下端の外周と、ケーブルシース160の外周とを覆い、金属管460の下端とケーブルシース160とを繋ぐように設けられている。
【0124】
すなわち、熱収縮チューブ482は加熱により収縮している。これにより、金属管460の下端、および電力ケーブル100のケーブルシース160の一部を含む外周領域を、熱収縮チューブ482により当該熱収縮チューブ482の径方向に締め付けている。その結果、熱収縮チューブ482により、金属管460の下端とケーブルシース160とを繋ぎ止めることができる。
【0125】
なお、熱収縮チューブ482の内周に接着層(不図示)が設けられていてもよい。これにより、例えば、金属管460の下端、および電力ケーブル100のケーブルシース160の一部を含む外周領域と、熱収縮チューブ482との密着性(接着性)を向上させることができる。
【0126】
本実施形態では、熱収縮チューブ482は、例えば、クランプ470の下部を完全には塞いでいない。これにより、麻布484は、クランプ470内に熱収縮チューブ482が設けられた状態で、金属管460とクランプ470との間の空間に露出している。その結果、クランプ470内に水が浸入したときに、クランプ470内から麻布484を通して、水を抜くことができる(図4太線矢印)。
【0127】
本実施形態では、熱収縮チューブ482は、例えば、クランプ470の下端よりも鉛直下まで延在している。熱収縮チューブ482は、例えば、麻布484と電力ケーブル100との間に介在している。これにより、ケーブルシース160のシュリンクバック抑制と、クランプ470からの水抜きとの両方を安定的に実現することができる。
【0128】
(3)ケーブル端末構造の製造方法
次に、本実施形態に係るケーブル端末構造の製造方法について説明する。
【0129】
[S10:準備工程]
まず、本実施形態のケーブル端末構造14を取り付けるための架台を設置する。ケーブル端末構造14を構成する各部を準備する。
【0130】
次に、終端接続する電力ケーブル100を準備する。該電力ケーブル100を架台から鉛直方向に沿って立設させる。金属管460およびクランプ470を電力ケーブル100に通し、鉛直下に逃がしておく。
【0131】
次に、電力ケーブル100を導体110の先端から軸方向に段階的に剥がし、導体110、ケーブル絶縁層130およびケーブル外部半導電層140をこの順で露出させる。
【0132】
[S40:端末本体部接続工程]
電力ケーブル100を準備したら、電力ケーブル100の端部を端末本体部22に接続する端末本体部接続工程S40を行う。
【0133】
本実施形態の端末本体部接続工程S40は、例えば、絶縁筒配置工程S41と、導体引出棒接続工程S42と、金属管取付工程S43と、碍管内挿入工程S44と、金属管配置工程S45と、熱収縮チューブ配置工程S46と、クランプ配置工程S47と、絶縁混和物充填工程S48と、上側金具配置工程S49と、を有している。
【0134】
(S41:絶縁筒配置工程)
電力ケーブル100を準備したら、電力ケーブル100の外周に絶縁筒440を外嵌させ、絶縁筒440をケーブル外部半導電層140の先端付近に配置する。
【0135】
(S42:導体引出棒接続工程)
次に、導体110の軸方向の先端を導体引出棒431の基端に圧縮により接続する。
【0136】
導体引出棒431を接続したら、電力ケーブル100の導体110から絶縁筒440までの領域の外周を覆うように、保護テープ448を巻き付ける。
【0137】
(S43:金属管取付工程)
さらに、予め電力ケーブル100に通しておいた金属管460を移動させ、露出したケーブル外部半導電層140の先端よりも下の部分において、電力ケーブル100の外周を囲むように、金属管460を取り付ける。
【0138】
(S44:碍管内挿入工程)
次に、碍管420を用い、碍管420の中空部420h内に電力ケーブルを挿入し、碍管420を鉛直方向に沿って立設させる。
【0139】
(S45:金属管配置工程)
碍管420を立設したら、碍管420の下部開口420dを塞ぐように、金属管460を配置する。
【0140】
(S46:熱収縮チューブ配置工程)
金属管460を配置したら、金属管460の下端の外周と、ケーブルシース160の外周とを覆うように、熱収縮チューブ280を配置する。この状態で、熱収縮チューブ280を加熱により収縮させる。これにより、熱収縮チューブ280により、当該熱収縮チューブ280の径方向に上述の外周領域を締め付ける。これにより、金属管460の下端とケーブルシース160とを熱収縮チューブ280により繋ぎ止めることができる。
【0141】
このとき、熱収縮チューブ482を、後工程で配置されるクランプ470の下端よりも鉛直下まで延在するように配置する。
【0142】
(S47:クランプ配置工程)
熱収縮チューブ482を配置したら、電力ケーブル100のケーブルシース160の外側で、熱収縮チューブ482の外周を囲むように、麻布484を巻き付ける。
【0143】
麻布484を巻き付けたら、予め電力ケーブル100に通しておいたクランプ470を移動させる。所定の空間をあけて金属管460を囲み、電力ケーブル100を把持するように、クランプ470を配置する。これにより、クランプ470により、麻布484および熱収縮チューブ482を挟んで、電力ケーブル100のケーブルシース160を把持する。
【0144】
このとき、クランプ470内に熱収縮チューブ482が設けられた状態で、金属管460とクランプ470との間の空間に麻布484を露出させる。
【0145】
(S48:絶縁混和物充填工程)
クランプ配置工程S47が完了したら、電力ケーブル100を除く碍管420の中空部420h内に、絶縁混和物422を充填する。
【0146】
(S49:上側金具配置工程)
絶縁混和物充填工程S48が完了したら、導体110を上側金具432に固定し、碍管420の下端と反対の上端における上部開口420uを上側金具432により塞ぐ。
【0147】
以上により、本実施形態のケーブル端末構造14が製造される。
【0148】
(4)本実施形態のまとめ
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0149】
(a)本実施形態では、熱収縮チューブ482は、金属管460の下端の外周と、ケーブルシース160の外周とを覆い、金属管460の下端とケーブルシース160とを繋ぐように設けられている。これにより、熱収縮チューブ482の過度な膨らみを生じさせずに、熱収縮チューブ482の収縮力により、金属管460の下端とケーブルシース160とを安定的に繋ぎ止めることができる。その結果、金属管460とクランプ470との間における狭い空間内であっても、ケーブルシース160のシュリンクバックを安定的に抑制することが可能となる。
【0150】
(b)本実施形態では、クランプ470内において熱収縮チューブ482の過度な膨らみを生じさせないことで、熱収縮チューブ482は、クランプ470の下部を完全には塞いでいない。これにより、クランプ470内に熱収縮チューブ482が設けられた状態で、金属管460とクランプ470との間の空間に、麻布484を露出させることができる。その結果、クランプ470内に雨水が浸入したときに、クランプ470内から麻布484を通して、水を抜くことができる(図4太線矢印)。
【0151】
このような構成により、クランプ470内に雨水が浸入したとしても、クランプ470内に水が溜まることを抑制することができ、クランプ470内での水の凍結を抑制することができる。水の凍結を抑制することで、凍結の体積膨張に起因した、クランプ470および金属管460の少なくともいずれかの変形を抑制することができる。これにより、電力ケーブル100の過度の圧迫を抑制することができる。その結果、ケーブル端末構造90の絶縁性の低下を抑制することが可能となる。
【0152】
(c)本実施形態では、熱収縮チューブ482は、クランプ470の下端よりも鉛直下まで延在している。熱収縮チューブ482は、麻布484と電力ケーブル100との間に介在している。これにより、金属管460とクランプ470との間の空間に麻布484を露出させた状態で、ケーブルシース160の長い範囲にわたってケーブルシース160を熱収縮チューブ482により把持させることができる。その結果、ケーブルシース160のシュリンクバック抑制と、クランプ470内からの水抜きとの両方を安定的に実現することができる。
【0153】
<付記>
以下、本開示の態様を付記する。
【0154】
(付記1)
電力ケーブルと、
前記電力ケーブルの端部が接続される端末本体部と、
を備え、
前記電力ケーブルは、導体、ケーブル絶縁層およびケーブルシースを、前記導体の先端から前記導体の軸方向に沿ってこの順で露出するように有し、
前記端末本体部の一部の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記端末本体部の前記一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように、熱収縮チューブが設けられている
ケーブル端末構造。
【0155】
(付記2)
前記端末本体部は、
前記電力ケーブルの前記導体が圧縮により接続されるとともに、機器の端子に接続可能に構成された圧縮端子と、
前記圧縮端子が接続された状態の前記電力ケーブルが挿入されるケーブル挿入穴を有し、前記圧縮端子および前記電力ケーブルの外側の絶縁性を確保する絶縁筒と、
前記電力ケーブルの外周を囲むように設けられ、前記ケーブル挿入穴の内周面と前記電力ケーブルの外周面との間に介在するスペーサと、
を備え、
前記熱収縮チューブは、前記絶縁筒の一部の外周と、前記ケーブル挿入穴の外に露出した前記スペーサの後端と、前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記絶縁筒の一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように設けられている
付記1に記載のケーブル端末構造。
【0156】
(付記3)
前記絶縁筒は、前記熱収縮チューブにより覆われる部分に設けられ、前記熱収縮チューブ内に混入した空気を逃がす空気逃がし部を有する
付記2に記載のケーブル端末構造。
【0157】
(付記4)
前記絶縁筒は、
前記圧縮端子および前記電力ケーブルの先端の外周を囲むように配置される内部半導電層と、
前記内部半導電層の外周を覆うように設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の外周を覆うように設けられた外部半導電層と、
前記電力ケーブルが挿入される開口に近い領域に設けられ、前記電力ケーブルが挿入される方向に向けて徐々に広がる内径を有する半導電部と、
を有し、
前記空気逃がし部は、前記絶縁筒のうち前記半導電部よりも外周に近い位置に設けられている
付記3に記載のケーブル端末構造。
【0158】
(付記5)
前記空気逃がし部は、前記絶縁筒をモールド成型する金型において、前記絶縁筒の外周に向けた前記半導電部の立ち上がりを抑制する抑え片部の痕跡として構成されている
付記4に記載のケーブル端末構造。
【0159】
(付記6)
前記端末本体部は、
前記電力ケーブルが挿入された中空部、前記中空部の軸方向の上端に開けられた上部開口、および、前記中空部の前記上端と反対の下端に開けられた下部開口を有し、鉛直方向に沿って立設される碍管と、
前記碍管の前記上部開口を塞ぎ、前記導体を固定する上側金具と、
前記電力ケーブルの外周を囲むように設けられ、前記碍管の前記下部開口を塞ぐ金属管と、
所定の空間をあけて前記金属管を囲み、前記電力ケーブルを把持するクランプと、
を備え、
前記熱収縮チューブは、前記金属管の下端の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記金属管の前記下端と前記ケーブルシースとを繋ぐように設けられている
付記1に記載のケーブル端末構造。
【0160】
(付記7)
前記端末本体部は、前記クランプと前記電力ケーブルとの間に介在する麻布を備え、
前記麻布は、前記クランプ内に前記熱収縮チューブが設けられた状態で、前記金属管と前記クランプとの間の前記空間に露出している
付記6に記載のケーブル端末構造。
【0161】
(付記8)
前記熱収縮チューブは、前記クランプの下部を完全には塞いでいない
付記7に記載のケーブル端末構造。
【0162】
(付記9)
前記熱収縮チューブは、前記クランプの下端よりも鉛直下まで延在し、前記麻布と前記電力ケーブルとの間に介在している
付記7または付記8に記載のケーブル端末構造。
【0163】
(付記10)
電力ケーブルを準備する工程と、
前記電力ケーブルの端部を端末本体部に接続する工程と、
を備え、
前記電力ケーブルを準備する工程では、
導体、ケーブル絶縁層およびケーブルシースを、前記導体の先端から前記導体の軸方向に沿ってこの順で露出させ、
前記端末本体部に接続する工程は、
前記端末本体部の一部の外周と前記ケーブルシースの外周とを覆い、前記端末本体部の前記一部と前記ケーブルシースとを繋ぐように、熱収縮チューブを配置する工程を有する
ケーブル端末構造の製造方法。
【符号の説明】
【0164】
12 ケーブル端末構造
14 ケーブル端末構造
22 端末本体部
24 端末本体部
80 ケーブル端末構造
90 ケーブル端末構造
100 電力ケーブル
110 導体
130 ケーブル絶縁層
140 ケーブル外部半導電層
160 ケーブルシース
210 碍管
220 圧縮端子
222 筒状部
224 板状部
230 絶縁筒
231a ケーブル挿入穴
231b ブッシング嵌合穴
231c 栓嵌合穴
232 内部半導電層
234 絶縁層
236 外部半導電層
238 半導電部
239 空気逃がし部
240 スペーサ
242 絶縁部
244 半導電部
280 熱収縮チューブ
282 ブッシング
284 絶縁栓
410 爪部
420 碍管
420d 下部開口
420h 中空部
420u 上部開口
421 鍔部
422 絶縁混和物
431 導体引出棒
432 上側金具
440 絶縁筒
442 絶縁部
444 半導電部
448 保護テープ
450 下側金具
460 金属管
462 接地線
470 クランプ
480 保護テープ
482 熱収縮チューブ
484 麻布
820 圧縮端子
830 絶縁筒
831 ケーブル挿入穴
840 スペーサ
882 ブッシング
884 絶縁栓
890 絶縁テープ
920 碍管
960 金属管
970 クランプ
980 保護テープ
984 麻布
図1
図2
図3
図4
図5
図6