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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024088965
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】紙葉類取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20240626BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20240626BHJP
   G07D 11/235 20190101ALI20240626BHJP
   G07D 11/12 20190101ALI20240626BHJP
【FI】
G07D11/26
B65H5/00 B
G07D11/235
G07D11/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204033
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】半澤 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】江崎 勇
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 智之
(72)【発明者】
【氏名】山田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】石井 信彦
【テーマコード(参考)】
3E141
3F101
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA05
3E141AA06
3E141AA07
3E141BA07
3E141CA07
3E141DA06
3E141FC07
3E141FC10
3E141FC15
3E141FG12
3F101AB06
3F101AB09
3F101LA08
3F101LB04
(57)【要約】
【課題】紙葉類収納装置において、紙葉類の通過を検知するために配置される複数のプリズムの清掃を簡素な構成で行う。
【解決手段】紙葉類収納装置(紙幣収納装置1)は、発光センサ10と、受光センサ20と、収納庫30とを備える。収納庫30は、開口部33を開閉するシャッタ31,32と、発光センサ10に対向する第1面34aを含む第1プリズム34と、受光センサ20に対向する第1面35aを含む第2プリズム35とを有し、紙葉類(紙幣B)を収納する。シャッタ31,32は、収納庫30が紙葉類収納装置に装着された状態で開口部33を開き、収納庫30が紙葉類収納装置から取り出された状態で開口部33を閉じ、シャッタ31,32は、開閉時に第1プリズム34の第1面34aを清掃する第1清掃部材31aと、開閉時に第2プリズム35の第1面35aを清掃する第2清掃部材32aとを含む。
【選択図】図13

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光センサと、
受光センサと、
開口部を開閉するシャッタと、前記発光センサに対向する第1面を含む第1プリズムと、前記受光センサに対向する第1面を含む第2プリズムとを有し、紙葉類を収納する収納庫と
を備える紙葉類収納装置であって、
前記シャッタは、前記収納庫が前記紙葉類収納装置に装着された状態で前記開口部を開き、前記収納庫が前記紙葉類収納装置から取り出された状態で前記開口部を閉じ、
前記シャッタは、開閉時に前記第1プリズムの前記第1面を清掃する第1清掃部材と、開閉時に前記第2プリズムの前記第1面を清掃する第2清掃部材とを含む
ことを特徴とする紙葉類収納装置。
【請求項2】
前記紙葉類を前記開口部から前記収納庫の内部に押し込むプッシャを更に備え、
前記第1プリズム及び前記第2プリズムのそれぞれは、前記第1面に直交し前記開口部を挟んで互いに対向する第2面を含み、
前記プッシャは、前記第1プリズムの前記第2面を清掃する第3清掃部材と、前記第2プリズムの前記第2面を清掃する第4清掃部材とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類収納装置。
【請求項3】
前記第1プリズム及び前記第2プリズムのそれぞれは、前記第1面に直交し前記開口部を挟んで互いに対向する第2面を含み、
前記第1プリズム及び前記第2プリズムは、前記第2面が前記開口部に突出するように配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類収納装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類を収納する収納庫を備える紙葉類収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサやプリズムの表面をブラシ等により清掃する手法が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-125871号公報
【特許文献2】特開2017-168022号公報
【特許文献3】特開2015-184803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ATM(Automated Teller Machine)等の紙幣取扱装置には、着脱可能に収納庫が配置される。この収納庫は、紙幣取扱装置に装着された状態では、紙幣を出し入れするための開口部がシャッタにより開かれる。一方、紙幣取扱装置から取り出された状態では、収納庫が紙幣を収納するものであり容易に紙幣を取り出せないように、開口部がシャッタにより閉じられる。
【0005】
上記の収納庫において、収納庫の外部に配置されたセンサ(発光センサ及び受光センサ)によって開口部における紙幣の通過を検知する場合などには、収納庫の開口部を挟んだ左右両側にプリズムが配置される。
【0006】
しかしながら、収納庫の開口部は、上述のように、収納庫が紙幣取扱装置から取り出された状態ではシャッタにより閉じられるため、保守員がプリズムの清掃を行うのが困難である。また、保守員がプリズムの清掃を行うことができる構成であっても、保守員による清掃は、保守員の手間や人件費がかかる。
【0007】
本発明の目的は、紙葉類の通過を検知するために配置される複数のプリズムの清掃を簡素な構成で行うことができる紙葉類収納装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、紙葉類収納装置は、発光センサと、受光センサと、開口部を開閉するシャッタと、前記発光センサに対向する第1面を含む第1プリズムと、前記受光センサに対向する第1面を含む第2プリズムとを有し、紙葉類を収納する収納庫とを備える紙葉類収納装置であって、前記シャッタは、前記収納庫が前記紙葉類収納装置に装着された状態で前記開口部を開き、前記収納庫が前記紙葉類収納装置から取り出された状態で前記開口部を閉じ、前記シャッタは、開閉時に前記第1プリズムの前記第1面を清掃する第1清掃部材と、開閉時に前記第2プリズムの前記第1面を清掃する第2清掃部材とを含む。
【発明の効果】
【0009】
前記態様によれば、紙葉類の通過を検知するために配置される複数のプリズムの清掃を簡素な構成で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】紙幣収納装置の内部構造を示す右側面図である。
図2】シャッタが閉じた状態の収納庫を示す斜視図である。
図3】シャッタが開いた状態の収納庫を示す斜視図である。
図4】第1プリズムを示す斜視図である。
図5】シャッタを省略した状態の収納庫を示す背面図である。
図6図5のVI部拡大図である。
図7】シャッタの裏面を示す斜視図である。
図8図7のVIII部拡大図である。
図9】収納庫及びプッシャを示す斜視図(その1)である。
図10】収納庫及びプッシャを示す斜視図(その2)である。
図11A】紙幣の収納の流れを説明するための説明図(その1)である。
図11B】紙幣の収納の流れを説明するための説明図(その2)である。
図11C】紙幣の収納の流れを説明するための説明図(その3)である。
図11D】紙幣の収納の流れを説明するための説明図(その4)である。
図11E】紙幣の収納の流れを説明するための説明図(その5)である。
図11F】紙幣の収納の流れを説明するための説明図(その6)である。
図12】紙幣の通過検知を説明するための平面図である。
図13】第2プリズムの第1面の清掃を説明するための平面図である。
図14】第1及び第2プリズムの第2面の清掃を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態に係る紙葉類収納装置について、紙幣収納装置1を一例として、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、紙幣取扱装置100の内部構造を示す右側面図である。
【0013】
なお、図1及び後述する図2図14に示す前後、左右、上下の各方向は、紙幣取扱装置100の顧客側を前方とした場合の一例にすぎないが、例えば、前後方向及び左右方向が水平方向であり、上下方向が鉛直方向である。
【0014】
図1に示す紙幣取扱装置100は、紙葉類取扱装置の一例であり、上から順に、入出金部101及び鑑別部102、還流部103、一時収納部104、出金紙幣収納部105、及び紙幣収納装置1を備える。これらの各部は、上下方向に積層され、後述する図11Aに示す紙幣B(紙葉類の一例)を他の各部に受け渡すように搬送することが可能である。
【0015】
紙幣取扱装置100は、例えば、紙幣Bの入出金を行うATMである。そのため、紙幣取扱装置100は、紙幣入出金機ともいえる。なお、紙幣Bを一例とする紙葉類としては、帳票、伝票などの他の紙葉類(シート状媒体)であってもよい。また、紙葉類としては、通帳などの複数枚の紙葉類分の厚さを有するものであってもよい。
【0016】
入出金部101は、紙幣取扱装置100の最上段の前部に配置されている。入出金部101は、顧客から紙幣Bが入金される入金部101aと、この入金部101aの下方に配置され、顧客へ向けて紙幣Bを出金する出金部101bとを有する。
【0017】
鑑別部102は、入出金部101の後方に配置され、入金部101aから入金された紙幣Bの鑑別を行う。
【0018】
還流部103は、後述する一時収納部104に一時的に収納された紙幣Bを還流させる。
【0019】
一時収納部104は、鑑別部102から搬送された紙幣Bを一時的に収納する。
【0020】
出金紙幣収納部105は、出金用の紙幣Bを収納する。
【0021】
次に、紙幣収納装置1について説明する。なお、紙幣収納装置1は、ATM等の図1に示す紙幣取扱装置100に配置される場合に限られず、BRU(Bill Recycle Unit)、CD(Cash Dispenser)、TCR(Teller Cash Recycler)などの他の紙幣取扱装置に配置されてもよく、紙葉類を収納するものであれば配置場所は制限されない。
【0022】
図2は、シャッタ31,32が閉じた状態の収納庫30を示す斜視図である。
【0023】
図3は、シャッタ31,32が開いた状態の収納庫30を示す斜視図である。
【0024】
図4は、第1プリズム34を示す斜視図である。
【0025】
図5は、シャッタ31,32を省略した状態の収納庫30を示す背面図である。図6は、図5のVI部拡大図である。
【0026】
図7は、シャッタ31,32の裏面を示す斜視図である。図8は、図7のVIII部拡大図である。
【0027】
図9及び図10は、収納庫30及びプッシャ40を示す斜視図である。
【0028】
図1に示す紙幣収納装置1は、発光センサ10及び受光センサ20(図12参照)と、収納庫30と、プッシャ40とを備える。
【0029】
図2及び図3に示す収納庫30は、シャッタ31,32と、第1プリズム34及び第2プリズム35(図3参照)と、押さえ板36(図11A参照)とを有し、紙幣Bを収納する。
【0030】
図3に示すように、シャッタ31,32は、紙幣Bを出し入れするための開口部33を開閉する。この開口部33は、例えば、左右方向よりも上下方向に長い矩形状に設けられている。なお、開口部33は、前後方向にも所定の長さを有し、紙幣Bの進入経路として機能する。
【0031】
シャッタ31,32は、収納庫30が紙幣収納装置1(紙幣取扱装置100)に装着された状態で図3に示すように開口部33を開き、収納庫30が紙幣収納装置1(紙幣取扱装置100)から取り出された状態で図2に示すように開口部33を閉じる。例えば、図2及び図3に示すように、左側のシャッタ31は、開くときに左側に移動し、右側のシャッタ32は、開くときに右側に移動する。なお、シャッタ31,32を開閉する機構は、例えば、収納庫30の出し入れ時に収納庫30に噛み合って開口部33を移動させるラックアンドピニオンなどの機構を採用することができる。
【0032】
図3に示すように、シャッタ31,32には、窓31b,32bが設けられている。一方のシャッタ31の窓31bは、開口部33を開いた状態で第1プリズム34に対向し、第1プリズム34を収納庫30の外部(後方)に露出させる。他方のシャッタ32の窓32bは、開口部33を開いた状態で第2プリズム35に対向し、第2プリズム35を収納庫30の外部(後方)に露出させる。
【0033】
図7に示すように、一方のシャッタ31の裏面(収納庫30の内部側である前方側の面)には、窓31bの左側に第1清掃部材31aが配置されている。図7及び図8に示すように、他方のシャッタ32の裏面には、窓32bの右側に第2清掃部材32aが配置されている。第1清掃部材31a及び第2清掃部材32aは、例えば、不織布、クリーニングシートなどであり、面状に配置されている。なお、第1清掃部材31a及び第2清掃部材32aは、面状の部材に限られず、例えば、ブラシなどの他の部材であってもよい。詳しくは後述するが、第1清掃部材31aは、シャッタ31の開閉時に図3に示す第1プリズム34の第1面34aを清掃し、第2清掃部材32aは、シャッタ32の開閉時に第2プリズム35の第1面35aを清掃する。
【0034】
図4に示す第1プリズム34は、発光センサ10(図12参照)に対向する第1面34aと、この第1面34aに直交する第2面34bと、上突出部分34cと、下突出部分34dとを含む。
【0035】
第2プリズム35は、第1プリズム34と左右対称の形状を呈し、受光センサ20(図12参照)に対向する第1面35aと、この第1面35aに直交する第2面35bと、上突出部分35c及び下突出部分35d(図6参照)とを含む。
【0036】
図3及び図5に示すように、第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bは、開口部33を挟んで互いに対向する。また、第2プリズム35についてのみ図6で拡大して示すが、第1プリズム34及び第2プリズム35の両方は、第2面34b,35bが開口部33に突出するように配置されている。第2面34b,35bの開口部33への突出量は、一例であるが、1mm以下である。
【0037】
図9及び図10に示すプッシャ40は、紙幣Bを開口部33から収納庫30の内部に押し込む。プッシャ40は、紙幣Bに接触する側(前方側)が開口部33と同様に左右方向よりも上下方向に長い矩形板状を呈する。
【0038】
図10に示すように、プッシャ40は、第1プリズム34の第2面34bを清掃する第3清掃部材41と、第2プリズム35の第2面35bを清掃する第4清掃部材42とを有する。
【0039】
第3清掃部材41及び第4清掃部材42は、例えば、プッシャ40の左右両側に突出するように配置されたブラシである。ただし、第3清掃部材41及び第4清掃部材42は、ブラシ以外の他の部材であってもよい。
【0040】
次に、図11A図11Fを参照しながら、収納庫30への紙幣Bの収納の流れを説明する。
【0041】
図11A図11Fは、紙幣Bの収納の流れを説明するための説明図である。
【0042】
紙幣収納装置1は、図1に示す紙幣取扱装置100において上方から搬送されてきた紙幣B(例えば出金に使用されない紙幣B)を収納する。
【0043】
図11Aに示すように、紙幣Bが紙幣収納装置1に搬送される直前には、プッシャ40は、収納庫30の後方に待機している。
【0044】
そして、図11Bに示すように、紙幣Bは、プッシャ40と収納庫30との間に搬送される。
【0045】
次に、図11Cに示すように、プッシャ40が収納庫30側へ前方に紙幣Bを押し込む。
【0046】
これにより、図11Dに示すように、紙幣Bは、プッシャ40によって、上述の開口部33を通って収納庫30の内部に押し込まれる。このとき、収納庫30の内部の押さえ板36も、紙幣Bによって内部(前方)へ押し込まれる。なお、押さえ板36は、紙幣Bの収納枚数が増えるほど、前方へ移動するものであり、例えば、図示しないバネなどの弾性体によって後方側に付勢されている。
【0047】
その後、図11Eに示すように、プッシャ40は、図11Aに示す初期位置(待機位置)に戻る。一方、プッシャ40によって押し込まれた紙幣Bは、例えば、開口部33よりも左右方向の幅が広いことで、収納庫30の外部には戻らない。
【0048】
そして、上述の図11A図11Eに示すプッシャ40の動作の繰り返しによって1枚ずつ紙幣Bが収納庫30の内部に収納されていき、図11Fに示すように、収納庫30に収納される紙幣Bの枚数が増えていく。
【0049】
次に、図12を参照しながら紙幣Bの通過検知について説明する。
【0050】
図12は、紙幣Bの通過検知を説明するための平面図である。
【0051】
図12に示すように、発光センサ10は、検知光Lを前方に第1プリズム34へ照射する。第1プリズム34の内部で垂直に屈曲した検知光Lは、第1プリズム34から上述の開口部33を通って第2プリズム35へ入射し、第2プリズム35の内部で垂直に屈曲した検知光L(破線で図示)は、受光センサ20によって受光される。検知光Lが紙幣Bによって遮蔽され、検知光Lが受光センサ20によって受光されないときには、紙幣Bが通過したことを判別することができる。紙幣Bの前後方向の厚さは薄いため、紙幣Bによる検知光Lの遮蔽が検知されなくとも、プッシャ40によって検知光Lが遮蔽されることで、紙幣Bの通過を検知することができる。なお、発光センサ10及び受光センサ20は、例えば、プッシャ40よりも後方に位置する。そのため、プッシャ40には、検知光Lを透過させる孔が設けられているとよい。また、第2プリズム35の第1面35a及び第2面35bに付着しているゴミDは、例えば、塵、埃、紙粉等である。図示はしないが、第1プリズム34の第1面34a及び第2面34bにも同様にゴミDが付着する。
【0052】
図13は、第2プリズム35の第1面35aの清掃を説明するための平面図である。なお、第1プリズム34の第1面34aは、シャッタ31の第1清掃部材31aを用いて、第2プリズム35の第1面35aの清掃と左右対称に同様に行うことができるため、説明を省略する。
【0053】
図13(a)に示すように、シャッタ32が開いた状態では、第2清掃部材32aは、第2プリズム35と離隔して位置する。
【0054】
図13(b)に示すように、シャッタ32が閉じている途中に、第2清掃部材32aが第2プリズム35の第1面35aに接触し、第1面35aに付着したゴミDが除去される。
【0055】
図13(c)に示すように、シャッタ32が閉じた状態では、第2清掃部材32aは、第2プリズム35の第1面35aに接触したままとなっている。なお、図13(a)~(c)の例では、シャッタ32が閉じる途中に第2プリズム35の第1面35aの清掃を行うが、シャッタ32が開く途中に第2プリズム35の第1面35aの清掃を行う構成が採用されてもよい。
【0056】
図14は、第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bの清掃を説明するための平面図である。
【0057】
上述の図11C及び図11Dに示すように、プッシャ40が紙幣Bを収納庫30の内部へ前方に押し込む途中で、図14(a)に示すように、紙幣Bが第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bに接触し、この第2面34b,35bに付着したゴミDが除去される。
【0058】
また、図14(b)に示すように、プッシャ40が紙幣Bを収納庫30の内部へ前方に押し込む途中及び後方に戻る途中で、プッシャ40の第3清掃部材41が第1プリズム34の第2面34bを清掃し、第4清掃部材42が第2プリズム35の第2面35bを清掃する。なお、第3清掃部材41及び第4清掃部材42は、プッシャ40の後部側に配置されているが、プッシャ40の前部側に配置されている場合などには、図14(a)に示すようにプッシャ40が紙幣Bを収納庫30の内部へ前方に押し込む途中で、第3清掃部材41及び第4清掃部材42が紙幣Bを介して第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bに接触することで、第3清掃部材41及び第4清掃部材42が直接的に第2面34b,35bに接触しない態様もあり得る。しかしながら、このような場合でも、第3清掃部材41及び第4清掃部材42が紙幣Bを介して第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bに接触することで、紙幣Bによる第2面34b,35bの清掃をより確実に行うことができる。なお、第3清掃部材41及び第4清掃部材42が第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bを清掃することで、紙幣Bがプッシャ40と開口部33との隙間から収納庫30の外部に抜け出てしまうのを防止し得る。
【0059】
以上説明した本実施の形態では、紙葉類収納装置の一例である紙幣収納装置1は、発光センサ10と、受光センサ20と、収納庫30とを備える。収納庫30は、開口部33を開閉するシャッタ31,32と、発光センサ10に対向する第1面34aを含む第1プリズム34と、受光センサ20に対向する第1面35aを含む第2プリズム35とを有し、紙葉類の一例である紙幣Bを収納する。シャッタ31,32は、収納庫30が紙幣収納装置1に装着された状態で開口部33を開き、収納庫30が紙幣収納装置1から取り出された状態で開口部33を閉じ、シャッタ31,32は、開閉時に第1プリズム34の第1面34aを清掃する第1清掃部材31aと、開閉時に第2プリズム35の第1面35aを清掃する第2清掃部材32aとを含む。
【0060】
ところで、収納庫30が、紙幣収納装置1から取り出された状態でシャッタ31,32によって開口部33が閉じ、第1プリズム34及び第2プリズム35が外部に露出しなくなると、保守員が第1プリズム34及び第2プリズム35の清掃を行うことができなくなる。この点、本実施の形態では、シャッタ31,32の開閉時に第1清掃部材31aが第1プリズム34の第1面34aを清掃し、第2清掃部材32aが第2プリズム35の第1面35aを清掃することができる。そのため、保守員による手作業の清掃を省略することができるとともに、第1プリズム34及び第2プリズム35の第1面34a,35aを清掃するための動力をシャッタ31,32の開閉から得ることができる。よって、本実施の形態によれば、紙幣B(紙葉類)の通過を検知するために配置される第1プリズム34及び第2プリズム35(複数のプリズム)の清掃を簡素な構成で行うことができる。
【0061】
また、本実施の形態では、紙幣収納装置1は、紙幣Bを開口部33から収納庫30の内部に押し込むプッシャ40を更に備え、第1プリズム34及び第2プリズム35のそれぞれは、第1面34a,35aに直交し開口部33を挟んで互いに対向する第2面34b,35bを含む。プッシャ40は、第1プリズム34の第2面34bを清掃する第3清掃部材41と、第2プリズム35の第2面35bを清掃する第4清掃部材42とを有する。
【0062】
これにより、入射面(第1面34a,35a及び第2面34b,35b)が垂直な複雑な形状を有する第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bも、プッシャ40が紙幣Bを開口部33から収納庫30の内部に押し込むときや、プッシャ40が初期位置に戻るときに清掃することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、第1プリズム34及び第2プリズム35は、第2面34b,35bが開口部33に突出するように配置されている。
【0064】
これにより、開口部33を通って収納庫30の内部に押し込まれる紙幣Bによって第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bを清掃しやすくすることができるとともに(図14(a)参照)、プッシャ40によって第1プリズム34及び第2プリズム35の第2面34b,35bを清掃しやすくすることができる(図14(b)参照)。
【0065】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において発明の種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 紙幣収納装置
10 発光センサ
20 受光センサ
30 収納庫
31,32 シャッタ
31a 第1清掃部材
31b 窓
32a 第2清掃部材
32b 窓
33 開口部
34 第1プリズム
34a 第1面
34b 第2面
34c 上突出部分
34d 下突出部分
35 第2プリズム
35a 第1面
35b 第2面
35c 上突出部分
35d 下突出部分
36 押さえ板
40 プッシャ
41 第3清掃部材
42 第4清掃部材
100 紙幣取扱装置
101 入出金部
101a 入金部
101b 出金部
102 鑑別部
103 還流部
104 一時収納部
105 出金紙幣収納部
B 紙幣
D ゴミ
L 検知光

図1
図2
図3
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図5
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図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図12
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図14