(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089027
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】印刷装置、及び、印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/46 20060101AFI20240626BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20240626BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240626BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20240626BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
B41J29/46 Z
B41J3/36 T
B41J29/38 104
B41J29/38 206
G07G1/06 F
G07G1/12 361C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204120
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】戸▲高▼ 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】近藤 僚太
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
3E142
【Fターム(参考)】
2C055CC00
2C061AP01
2C061AQ04
2C061AS05
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
3E142AA01
3E142AA02
3E142AA03
3E142AA04
3E142AA07
3E142DA02
3E142GA32
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】高価で大きな電源が必要となるおそれがある。
【解決手段】印刷装置は、外部装置と通信可能な通信部と、第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、記録紙に印刷する印刷部と、印刷部を制御する制御部と、を備え、制御部は、通信部により第1コマンドを受信すると、印刷部による印刷中であっても、コネクターを介して第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、通信部により第2コマンドを受信すると、印刷部が印刷していないときに、コネクターを介して第2周辺装置へ駆動信号を送信して駆動させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と通信可能な通信部と、
第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、
記録紙に印刷する印刷部と、
前記印刷部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記通信部により第1コマンドを受信すると、前記印刷部による印刷中であっても、前記コネクターを介して前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、
前記通信部により第2コマンドを受信すると、前記印刷部が印刷していないときに、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ駆動信号を送信して駆動させる、印刷装置。
【請求項2】
前記記録紙を切断するカッターを備え、
前記制御部は、
前記カッターを制御可能であり、
前記通信部により前記第1コマンドを受信すると、前記カッターによる切断中であっても、前記コネクターを介して前記第1周辺装置へ前記駆動命令を送信して駆動させ、
前記通信部により前記第2コマンドを受信すると、前記カッターが切断していないときに、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ前記駆動信号を送信して駆動させる、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1周辺装置は鳴動装置であり、
前記駆動命令は、鳴動に係る音階情報、及び、時間情報を含む、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記第1周辺装置は鳴動装置であり、
前記駆動命令は、鳴動に係るメロディー情報を含む、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第2周辺装置はキャッシュドロワーである、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記コネクターは、
接続された前記第1周辺装置、又は、前記第2周辺装置に対して、前記印刷部を駆動可能な電圧を供給可能であり、
前記電圧を用いて、前記駆動命令、又は、前記駆動信号を送信可能である、請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
外部装置と通信可能な通信部と、第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、記録紙に印刷する印刷部と、を備える印刷装置の制御方法であって、
前記通信部により第1コマンドを受信すると、前記印刷部による印刷中であっても、前記コネクターを介して前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、
前記通信部により第2コマンドを受信すると、前記印刷部が印刷していないときに、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ駆動信号を送信して駆動させる、印刷装置の制御方法。
【請求項8】
前記印刷装置は、前記記録紙をカットするカッターを備え、
前記通信部により前記第1コマンドを受信すると、前記カッターによる切断中であっても、前記コネクターを介して前記第1周辺装置へ前記駆動命令を送信して駆動させ、
前記通信部により前記第2コマンドを受信すると、前記カッターが切断していないときに、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ前記駆動信号を送信して駆動させる、請求項7に記載の印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、及び、印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝票などを発行すると共に、ドロワーの開放を指示する信号を出力するプリンターが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のプリンターは、電源について考慮されておらず、高価で大きな電源が必要となるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
印刷装置は、外部装置と通信可能な通信部と、第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、記録紙に印刷する印刷部と、前記印刷部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により第1コマンドを受信すると、前記印刷部による印刷中であっても、前記コネクターを介して前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、前記通信部により第2コマンドを受信すると、前記印刷部が印刷していないときに、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ駆動信号を送信して駆動させる。
【0006】
外部装置と通信可能な通信部と、第1周辺装置、及び、第2周辺装置のいずれかと接続可能なコネクターと、記録紙に印刷する印刷部と、を備える印刷装置の制御方法であって、前記通信部により第1コマンドを受信すると、前記印刷部による印刷中であっても、前記コネクターを介して前記第1周辺装置へ駆動命令を送信して駆動させ、前記通信部により第2コマンドを受信すると、前記印刷部が印刷していないときに、前記コネクターを介して前記第2周辺装置へ駆動信号を送信して駆動させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1周辺装置を接続した印刷装置の構成を示すブロック図。
【
図2】第1周辺装置を接続したときの第1周辺装置、及び、印刷装置の主要部を示す回路図。
【
図3】第1周辺装置を接続したときの印刷装置の制御方法を示す状態遷移図。
【
図4】第2周辺装置を接続した印刷装置の構成を示すブロック図。
【
図5】第2周辺装置を接続したときの第2周辺装置、及び、印刷装置の主要部を示す回路図。
【
図6】第2周辺装置を接続したときの印刷装置の制御方法を示す状態遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1-1.第1周辺装置が接続された印刷装置
図1に示すように、印刷装置1は、第1制御部11、第1記憶部12、通信部13、印刷部14、カッター16、駆動回路17、コネクターCN18、電源19を含んで構成される。なお、以下では、コネクターCN18を、単にCN18と称する。
印刷装置1は、CN18を介して第1周辺装置2と接続可能であり、通信部13を介して外部装置4と通信可能である。実施形態に係る印刷装置1は、例えば、POS(Point Of Sale)システムに使用される。
【0009】
第1制御部11は、印刷装置1の各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)、入出力を管理するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、論理回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)などを含んで構成されている。CPUはプロセッサーともいう。
第1記憶部12は、書き換え可能な不揮発性メモリーであるフラッシュROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)、揮発性メモリーであるRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されている。
第1制御部11のCPUは、第1記憶部12の不揮発性メモリーに記憶されたファームウェアなどのプログラム及び設定情報を読み出し、第1記憶部12のRAMを作業領域として用いて実行する。
【0010】
印刷部14は、ヘッド15a、ローラー15bを含んで構成されている。記録紙は、例えば長尺状の感熱紙である。ヘッド15aは、例えばラインサーマルヘッドである。第1制御部11は、ローラー15bを回転して感熱紙を搬送させ、ヘッド15aを駆動して、感熱紙に印刷させる。
カッター16は移動可能な切断刃を有する。第1制御部11は、切断刃を移動して感熱紙を切断させる。印刷され、切断された感熱紙は、店舗で顧客に渡すレシートや、レストランの調理場で調理を指示する伝票などとして発行される。
【0011】
なお、第1制御部11は、カッター16の切断刃の可動範囲に対して、移動させる距離を調整することが可能である。これにより、第1制御部11は、切断刃を可動範囲に対して十分に移動させ、感熱紙を完全に切断して切り離す、いわゆるフルカットが可能である。また、第1制御部11は、切断刃を可動範囲に対して途中まで移動させ、感熱紙を部分的に切断する、いわゆるパーシャルカットが可能である。
フルカットされたレシートは、スタッフが顧客に渡し易い形態となっている。一方、パーシャルカットされた伝票は部分的に長尺状の感熱紙に繋がっているので、印刷装置1から落下せず、仮に調理人が取らなくても、調理場の床に落ちて散乱することがない。
【0012】
通信部13は、コンピューターやタブレット端末等の外部装置4と通信可能な回路や基板等を含んでいる。通信部13は、例えば、コネクターを有し、有線のシリアル通信方式であるUSB(Universal Serial Bus)に対応するものでもよい。また、通信部13は、例えば、アンテナを有し、無線のネットワーク通信方式であるイーサネット(Ethernet(登録商標)、IEEE802.3)などに対応するものでもよい。
【0013】
後述のように、第1制御部11は、通信部13を介して印刷データを受信すると、印刷部14のヘッド15a及びローラー15bを制御して、記録紙に印刷をする。
また、第1制御部11は、通信部13を介してカットコマンドを受信すると、カッター16を制御して、記録紙を切断する。
【0014】
CN18は、例えば、6極を有するモジュラージャックであり、いわゆるRJ-11と称されるコネクターである。CN18は、第1周辺装置2、及び、後述の第2周辺装置3のいずれかと接続可能である。
後述のように、駆動回路17は、第1周辺装置2に対し、CN18を介して、所定の情報又は信号の送受信が可能である。また、駆動回路17は、第2周辺装置3に対しても同様である。
第1周辺装置2は、CN18を介して、印刷装置1から電力の供給を受けて動作することができる。また、第2周辺装置3も同様である。
【0015】
電源19は、例えば、約+24V、約+3.3Vの電圧を生成し、出力可能である。なお、以下では、+24Vを単に24Vと称し、+3.3Vを単に3.3Vと称する。さらに、電流、電圧を表す際、「約」を付すことを省略する。
電源19は、外部からACアダプターにより直流電圧を供給されるように構成されてもよい。又は、電源19は、外部からAC100Vなどの交流電圧を供給され、内部で直流電圧に変換するように構成されてもよい。
電源19は、ヘッド15a、ローラー15bを含む印刷部14、カッター16、駆動回路17などのいわゆるアクチュエーターを駆動するように、24Vを供給可能である。また、電源19は、第1制御部11、第1記憶部12、通信部13などのロジック回路に、3.3Vを供給可能である。さらに、電源19は、CN18を介して、第1周辺装置2、第2周辺装置3に24Vを供給可能である。
【0016】
印刷部14は、特に消費電流が大きいときであって、例えば印刷デューティーの高いロゴなどのグラフィックを印刷するとき、24Vで、1.8A程度の電流を消費する。また、カッター16は、特に消費電流が大きいときであって、例えば切断を開始するとき、24V、1.0A程度の電流を消費する。
電源19は、最も消費電流が大きいときである、上述の印刷部14が印刷するときの消費電流に対し、例えば、1割程度の余裕を持たせた電流を供給可能に構成されている。このように、電源19は、必要最低限の電力容量で構成されている。電源19は、例えば、24V、2.0Aの電力容量を有する。なお、ロジック回路は、3.3Vで、0.08Aの電流を消費するので、上述の1割程度の余裕があれば、十分に供給可能である。
このように、電源19は、必要最低限の電力容量を有し、安価で小さな電源にすることができる。この結果、電源19を備える印刷装置1も、安価で小型にすることができる。印刷装置1の価格や設置場所が限定される店舗や調理場などでも、導入され易くなる。
【0017】
後述のように第1周辺装置2が鳴動装置である場合、消費電流が大きい鳴動時、例えば、24Vで、0.03Aの電流を消費する。すなわち、各部の消費電流の例を比較すると、24Vで、印刷部14(1.8A)>カッター16(1.0A)>>第1周辺装置2(0.03A)、となる。
【0018】
同時に印刷部14及び第1周辺装置2を駆動させたときの消費電流、同時にカッター16及び第1周辺装置2を駆動させたときの消費電流は、24Vで、それぞれ、1.83A、1.03Aとなる。電源19は、24V、2.0Aの電力容量である。従って、電源19は、同時に印刷部14及び第1周辺装置2を、駆動させる電力を供給することができる。また、電源19は、同時にカッター16及び第1周辺装置2を、駆動させる電力を供給することができる。
なお、電源19は、同時に印刷部14及びカッター16を駆動させる電力を供給することができない。このときの消費電流は、2.8Aとなり、上述の電源19の供給能力を超えてしまうからである。
【0019】
印刷装置1の第1記憶部12には、電源19の供給能力に対し、印刷部14、カッター16、第1周辺装置2のうち、いずれの組み合せまで同時に駆動可能かに係る情報が記憶されている。以下では、この情報を組み合せ情報と称する。
第1制御部11は、印刷部14、カッター16、第1周辺装置2を駆動させようとする際、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出して判断し、同時に駆動可能な組み合せに基づき、それぞれを動作させる。また、後述の第2周辺装置3の場合も同様である。
【0020】
ところで、
図1に示す例では、印刷装置1は、調理場において、調理を指示する伝票を発行するように構成される。この場合、第1周辺装置2は、例えば、鳴動する機能を有する鳴動装置であることが好ましい。印刷装置1は、第1周辺装置2に対し、駆動である鳴動をさせることができる。
第1周辺装置2の鳴動により、印刷装置1が伝票を発行したことを調理人に知らせることができる。このように、伝票を発行する印刷装置1を利用して第1周辺装置2も鳴動するように構成すると、伝票を発行したことを調理人が気付き易く、すぐに伝票を取って調理することができる。
【0021】
次に、
図2を参照しながら、印刷装置1が、第1周辺装置2を駆動させる構成について、説明する。なお、説明の便宜上、印刷装置1側は、駆動回路17及びCN18を中心に示している。
印刷装置1は、CN18を介して、モジュラーケーブルなどにより、第1周辺装置2と接続される。
【0022】
第1周辺装置2は、第2制御部21、第2記憶部22、ブザー23、電圧変換器24を含んで構成される。第2制御部21は、第1制御部11と同様に、CPU等を含んで構成され、第2記憶部22は、第1記憶部12と同様に、不揮発性メモリー、揮発性メモリー等を含んで構成される。
なお、第2記憶部22は第2制御部21に内蔵されていてもよい。また、ブザー23は第2制御部21に内蔵されていてもよい。
【0023】
第1周辺装置2の電圧変換器24は、印刷装置1から供給される24Vを3.3Vに変換し、ロジック回路である第2制御部21、及び、第2記憶部22等へ供給することが可能である。
なお、ブザー23が3.3Vで駆動される構成の場合には、電圧変換器24から3.3Vの供給を受けるように構成される。また、ブザー23が24Vで駆動される構成の場合には、印刷装置1からの24Vの供給を受けるように構成される。第2制御部21、及び、第2記憶部22等も24Vで駆動される場合には、電圧変換器24はなくてもよい。
このように、第1周辺装置2は、印刷装置1から電力の供給を受けて駆動することができる。
【0024】
印刷装置1の第1制御部11は、出力ポートP1,P2を有し、入力ポートINを有している。
第1周辺装置2の第2制御部21は、出力ポートOUT,Sを有し、入力ポートR,CLKを有している。第2制御部21は、出力ポートOUTからブザー23へ鳴動信号を出力し、鳴動させることができる。
【0025】
印刷装置1の駆動回路17は、トランジスターTR1,TR2を有する。トランジスターTR1,TR2は、印刷部14等を駆動可能な電圧である24Vを用いて駆動可能である。
トランジスターTR1のベース、トランジスターTR2のベースは、それぞれ、第1制御部11の出力ポートP1,P2に接続される。第1制御部11は、出力ポートP2からClock信号を出力し、このClock信号に同期させて、所定の情報をData信号として出力ポートP1から出力する。
トランジスターTR1のベース、トランジスターTR2のベースにそれぞれ入力された、Data信号、Clock信号は、24Vを用いて増幅されて、それぞれのコレクターからCN18を介して、第1周辺装置2へ送信される。
なお、このData信号には駆動命令が含まれ、第1周辺装置2が鳴動装置である場合には、鳴動命令が含まれる。
【0026】
CN18は、6極の端子を有するコネクターであり、各端子には番号1~6が付される。
CN18の端子1は、印刷装置1及び第1周辺装置2のそれぞれのアースを接続し、電位を合わせる。
CN18の端子2は、印刷装置1から第1周辺装置2へ、増幅されたData信号を送信する。このとき、CN18の端子5は、Data信号と同期する増幅されたClock信号を、印刷装置1から第1周辺装置2へ送信する。
【0027】
CN18の端子3は、第1周辺装置2の出力ポートSから印刷装置1へ、ステータス信号を送信する。ステータス信号は、第1制御部11の入力ポートINに入力される。
CN18の端子4は、印刷装置1から第1周辺装置2へ24Vを供給する。CN18の端子6は、印刷装置1のグランドと、第1周辺装置2の第2制御部21のグランドポートGを接続して、双方のグランドレベルを合わせる。
【0028】
このように、CN18の端子4は、印刷部14、カッター16等を駆動可能な電圧である24Vを、第1周辺装置2へ供給可能である。
また、CN18の端子2、端子5は、駆動命令を、Data信号及びClock信号として、それぞれ、トランジスターTR1,TR2により24Vを用いて増幅し、第1周辺装置2へ送信可能である。
なお、トランジスターTR1,TR2は、Data信号及びClock信号を、3.3Vを用いて第1周辺装置2へ送信するようにしてもよい。
【0029】
第1周辺装置2の第2制御部21は、印刷装置1から送信されたData信号、Clock信号を、入力ポートR,CLKから受信する。第2制御部21は、入力ポートCLKから受信したClock信号のタイミングに合わせて、入力ポートRから受信したData信号から鳴動命令を取得することができる。このように、印刷装置1及び第1周辺装置2は、Clock信号に同期させながら通信をする、いわゆるシリアル通信が可能である。
第2制御部21は、取得した鳴動命令に基づき鳴動信号を生成し、出力ポートOUTからをブザー23へ出力して鳴動させることができる。
なお、第1周辺装置2は、Data信号及びClock信号を、電圧変換器24を用いて、3.3Vに変換するようにしてもよい。
【0030】
1-2.第1周辺装置が接続された印刷装置の制御方法
次に、
図3を参照しながら、印刷装置1が第1周辺装置2を駆動させる制御方法について、説明する。第1周辺装置2は例えば鳴動装置である。
まず、外部装置4が、印刷データA、及び、カットコマンドを生成して印刷装置1へ送信する(S101)。印刷装置1は、通信部13を介して印刷データA、及び、カットコマンドを受信する(S102)。
印刷装置1の第1制御部11は、印刷部14により印刷データAを記録紙に印刷する印刷Aを実行し、カットコマンドに基づきカッター16により記録紙の切断を実行する(S103)。なお、以下では、説明の便宜上、カットコマンドに合わせて、切断をカットと称する。
【0031】
第1制御部11が印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S103)に、外部装置4が、第1周辺装置2の駆動である鳴動を指示する情報を含む第1コマンドを生成して、印刷装置1へ送信したとする(S104)。印刷装置1は、通信部13を介して第1コマンドを受信する(S105)。
第1制御部11は、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出し、同時に印刷部14及び第1周辺装置2を駆動可能であると判断することができ、同時にカッター16及び第1周辺装置2を駆動可能であると判断することができる。
第1制御部11は、印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S103)であっても、受信した第1コマンドに基づき鳴動命令を生成し、CN18を介して第1周辺装置2へ送信する(S106)。
【0032】
具体的には、第1制御部11は、上述のように、出力ポートP2からClock信号を出力しながら、このClock信号に同期させて、鳴動命令をData信号として、出力ポートP1から出力する。
Data信号及びClock信号は、それぞれ、トランジスターTR1,TR2により増幅されて、CN18の端子2,5から第1周辺装置2へ送信される。
【0033】
第1周辺装置2は、CN18を介して鳴動命令を受信する(S109)。具体的には、第1周辺装置2の第2制御部21は、CN18の端子5からのClock信号を入力ポートCLKにより受信し、このClock信号に同期させてCN18の端子2からのData信号を入力ポートRにより受信する。
第2制御部21は、受信したData信号に基づき鳴動命令を取得し、出力ポートOUTからブザー23へ鳴動信号を生成して出力し、鳴動させることができる(S110)。
【0034】
なお、第1周辺装置2の第2制御部21は、ブザー23の鳴動に係る情報としてステータス信号を、出力ポートSからCN18の端子3を介して、印刷装置1へ送信することができる。
印刷装置1の第1制御部11は、入力ポートINに入力されたステータス信号に基づき、第1周辺装置2のブザー23の鳴動状態を判断することができる。
【0035】
具体的には、例えば、第1周辺装置2の第2制御部21は、ステータス信号を、ブザー23を鳴動しているときはHighレベルの電圧、ブザー23を鳴動していないときはLowレベルの電圧として送信する。Highレベルの電圧は、例えば3.3Vであり、Lowレベルの電圧は、グランドレベルである。
印刷装置1の第1制御部11は、受信したステータス信号が、Highレベルの電圧のときは第1周辺装置2がブザー23を鳴動していると判断することができ、Lowレベルの電圧のときはブザー23を鳴動していないと判断することができる。第1制御部11は、ブザー23が鳴動していないときに、鳴動命令を第1周辺装置2へ送信することができる。
【0036】
次に、外部装置4は、印刷データB、及び、カットコマンドを生成して印刷装置1へ送信する(S107)。印刷装置1は、通信部13を介して印刷データB、及び、カットコマンドを受信する(S108)。
このとき、第1制御部11は、印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S103)であり、さらに、鳴動命令を第1周辺装置2へ送信して(S106)、第1周辺装置2を鳴動中である(S110)とする。
第1制御部11は、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出し、同時に印刷部14及びカッター16を駆動可能ではないと判断する。
【0037】
第1制御部11は、印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S103)であるので、受信した印刷データB、及び、カットコマンドを一旦保留し、同時には実行しない。
なお、このとき、第1周辺装置2の第2制御部21は、ブザー23を鳴動している場合、ステータス信号を印刷装置1へ送信するので、印刷装置1の第1制御部11は、第1周辺装置2がブザー23を鳴動していると判断することができる。
【0038】
第1制御部11は、印刷A、及び、カットの実行を終了する(S111)。第1制御部11は、保留していた印刷データBに基づき、印刷部14により記録紙に印刷する印刷Bを実行し、続いて、保留していたカットコマンドに基づきカッター16により記録紙のカットを実行する(S112)。
なお、このとき、第1周辺装置2は鳴動中である(S110)である。予め、第1制御部11は、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出し、同時に印刷部14及び第1周辺装置2を駆動可能であると判断し、同時にカッター16及び第1周辺装置2を駆動可能であると判断している。
次に、第1周辺装置2は鳴動を終了する(S113)。そして、第1制御部11は、印刷B、及び、カットの実行を終了する(S114)。
【0039】
上述のように、印刷装置1の電源19は、同時に印刷部14及び第1周辺装置2を動作させる電力を供給することができ、同時にカッター16及び第1周辺装置2を動作させる電力を供給することができる。
従って、印刷装置1の第1制御部11は、印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S103)であっても、鳴動命令を第1周辺装置2へ送信し、鳴動させることができる(S110)。
また、第1制御部11は、鳴動命令を第1周辺装置2へ送信し、第1周辺装置2が鳴動中であっても(S110)、印刷B、又は、カットのいずれかを実行(S112)することができる。
【0040】
なお、上述の例では、外部装置4が、印刷データA、及び、カットコマンドの両方を印刷装置1へ送信し、印刷装置1が、印刷A、及び、カットを実行した。この場合、外部装置4は、印刷データA、及び、カットコマンドのいずれか一方のみ送信してもよい。
また、外部装置4が、印刷データB、及び、カットコマンドの両方を印刷装置1へ送信し、印刷装置1が、印刷B、及び、カットを実行した。この場合も、外部装置4は、印刷データB、及び、カットコマンドのいずれか一方のみ送信してもよい。
【0041】
ここで、第1コマンドの態様について説明する。第1コマンドの1つ目の例として、第1周辺装置2のブザー23を鳴動させる鳴動信号の波形を指定する態様がある。具体的には、第1コマンドは、ブザー23を鳴動させるON時間、及び、OFF時間を指定する情報を含む。この場合、第1コマンドには、ON時間、及び、OFF時間を繰り返す回数を指定する情報が含まれていてもよい。
印刷装置1の第1制御部11は、第1コマンドに基づき、ブザー23を鳴動させるON時間、及び、OFF時間に係る波形を、鳴動命令であるData信号として生成し、第1周辺装置2へ送信する。この場合、第1制御部11はClock信号を出力しなくてもよい。
第1周辺装置2は、受信したData信号である波形により、ブザー23を直接ON、OFFさせて駆動し、鳴動させることができる。この場合、第1周辺装置2の第2制御部21は、鳴動信号を生成する処理をしなくてもよい。さらには、第1周辺装置2は、第2制御部21を備えなくてもよい。
なお、第1コマンドの1つ目の例では、OFF時間を固定とし、OFF時間を含めないような態様としてもよい。
【0042】
第1コマンドの2つ目の例として、第1周辺装置2のブザー23の鳴動に係る音階情報、及び、鳴動に係る時間情報を含む態様がある。
印刷装置1の第1制御部11は、第1コマンドに基づき、音階情報、及び、時間情報を、鳴動命令であるData信号として生成し、Clock信号と同期させて、第1周辺装置2へ送信する。
この場合、第1周辺装置2の第2記憶部22には、ブザー23の鳴動に係る音階情報に対応する駆動信号の情報が予め記憶されている。第2制御部21は、受信した鳴動命令に基づき、第2記憶部22から指定された音階情報に対応する駆動信号の情報を読み出して駆動信号を生成し、指定された時間情報の期間に従ってブザー23を鳴動させることができる。
【0043】
第1コマンドの2つ目の例では、第1コマンドの1つ目の例と比べ、印刷装置1の第1制御部11は、ブザー23を鳴動させるため、複雑な波形の情報を生成しなくて済む。さらに、第1制御部11は、ブザー23を鳴動させる間、鳴動命令を送信し続ける必要がない。第1制御部11は、鳴動に係る処理を早急に終了し、次の処理を実行することができる。
【0044】
第1コマンドの3つ目の例として、第1周辺装置2のブザー23の鳴動に係るメロディー情報を含む態様がある。例えば、メロディー情報は、メロディーを指定する情報を含む。
印刷装置1の第1制御部11は、第1コマンドに基づき、メロディー情報を鳴動命令であるData信号として生成し、Clock信号と同期させて、第1周辺装置2へ送信する。
この場合、第1周辺装置2の第2記憶部22には、メロディー情報に対応するもので、ブザー23を指定されたメロディーとして鳴動させる一連の音階や時間等の詳細情報が予め記憶されている。
第2制御部21は、受信した鳴動命令に基づき、第2記憶部22から指定されたメロディーに対応する詳細情報を読み出し、駆動信号を生成し、ブザー23を鳴動させることができる。
【0045】
第1コマンドの3つ目の例では、第1コマンドの1つ目の例と比べ、印刷装置1の第1制御部11は、ブザー23を鳴動させるため、複雑な波形の情報を生成しなくて済む。さらに、第1制御部11は、ブザー23を鳴動させる間、鳴動命令を送信し続ける必要がない。第1制御部11は、鳴動に係る処理を早急に終了し、次の処理を実行することができる。
【0046】
また、第1コマンドの2つ目の例では、印刷装置1の第1制御部11は、ブザー23にメロディーを鳴動させようとする場合、印刷装置1の第1制御部11は、メロディーに係る一連の音階及び長さを指定する情報を生成して第1周辺装置2へ送信する必要がある。
第1コマンドの3つ目の例では、第1制御部11は、メロディーを指定すればよく、メロディーに係る一連の音階や時間の情報を送信する必要がない。第1制御部11は、鳴動に係る処理を早急に終了し、次の処理を実行することができる。
【0047】
1-3.第2周辺装置が接続された印刷装置
POSシステムには、金銭等を収納する引き出しであり、キャッシュドロワーである第2周辺装置3が備えられる場合がある。
図4に示すように、印刷装置1は、CN18を介して第2周辺装置3が接続可能であり、通信部13を介して外部装置4と通信可能である。なお、印刷装置1の構成は、上述と同様であるので、説明を省略する。
【0048】
図5を参照しながら、印刷装置1が、第2周辺装置3を駆動させる構成について、説明する。印刷装置1は、CN18を介して、モジュラーケーブルなどにより、第2周辺装置3と接続される。
第2周辺装置3は、引き出し(図示省略)、プランジャーL1,L2、フック(図示省略)、バネ(図示省略)、スイッチSWを有する。プランジャーL1,L2は、電磁石を含むアクチュエーターであり、フックに接続される。引き出しは、閉時、フックによりロックされている。スタッフが引き出しを閉じるように押し込むと、引き出しはフックによりロックされるように構成される。このとき、閉じた引き出しにより、バネは圧縮される。
【0049】
第2周辺装置3のプランジャーL1,L2が駆動されると、対応する引き出しをロックしていたフックが外れ、バネが伸長する力により引き出しが開くように構成される。なお、以下では、プランジャーL1,L2を駆動することを、第2周辺装置3を駆動するとも称する。
ところで、店舗では、同じ第2周辺装置3において、スタッフ2名がそれぞれ個別の引き出しを使用し、管理することがある。このため、この例では、第2周辺装置3は、2台の引き出しを有しており、それぞれに対応するようにプランジャーL1,L2を有している。
【0050】
プランジャーL1,L2の駆動には、例えば24V、1A程度の電力の印加が必要である。印刷装置1の電源19は、プランジャーL1,L2を駆動可能な電力を有している。このため、POSシステムでは、印刷装置1に第2周辺装置3が接続される。
また、印刷装置1の近くに第2周辺装置3が配置されるので、店舗のスタッフが、印刷装置1が発行したレシートを顧客に渡すと共に、第2周辺装置3の引き出しを開閉し、顧客と現金の授受をすることができる。
【0051】
印刷装置1の第1制御部11は、出力ポートP1,P2から、プランジャーL1,L2を駆動するための駆動信号T1,T2を出力する。駆動信号T1,T2は、それぞれ、Highレベルの電圧の期間T1,T2を有する信号である。なお、第1制御部11は、駆動信号T1,T2を同時には出力せず、いずれか一方を出力する。期間T1,T2は、例えば、100msec~200msecである。
第1制御部11から出力された駆動信号T1,T2は、それぞれ、24Vを用いてトランジスターTR1,TR2により増幅されて、それぞれのコレクターからCN18の端子2,5を介して第2周辺装置3へ送信される。
【0052】
CN18の端子2,5は、プランジャーL1,L2のそれぞれの一方の端に接続される。プランジャーL1,L2のそれぞれの他方の端は、CN18の端子4に接続され、印刷装置1から24Vが供給される。
プランジャーL1,L2は、駆動信号T1,T2により駆動され、対応する引き出しを開けることができる。このとき、プランジャーL1,L2には、例えば、24Vで、1Aの電流が、100msec~200msecの期間に亘って流される。
なお、CN18の端子1は、印刷装置1及び第2周辺装置3のそれぞれのアースを接続し、電位を合わせる。
【0053】
このように、CN18の端子4は、印刷部14、カッター16を駆動可能な電圧である24Vを、第2周辺装置3へ供給可能である。
また、CN18の端子2、端子5は、駆動信号T1,T2を、それぞれ、トランジスターTR1,TR2により24Vを用いて増幅し、第2周辺装置3へ送信可能である。
【0054】
スイッチSWは、2台の引き出しのうちいずれかが開くと開状態となり、2台の引き出しのいずれもが閉まると閉状態となるように構成されている。
スイッチSWの一方の端は、CN18の端子6を介して、印刷装置1のグランドレベルに接続されている。スイッチSWの他方の端は、CN18の端子3を介して、印刷装置1の第1制御部11の入力ポートINに接続される。
【0055】
入力ポートINは、3.3Vにプルアップされる。従って、第1制御部11は、入力ポートINによりHighレベルの電圧である3.3Vを検出すると、スイッチSWが開状態であると判断できる。すなわち、第1制御部11は、2台の引き出しのうちいずれかが開いていると判断できる。
一方、第1制御部11は、入力ポートINがLowレベルの電圧であるグランドレベルを検出すると、スイッチSWが閉状態であると判断できる。すなわち、第1制御部11は、2台の引き出しのいずれもが閉じていると判断できる。
【0056】
1-4.第2周辺装置が接続された印刷装置の制御方法
次に、
図6を参照しながら、印刷装置1が第2周辺装置3を駆動させる制御方法について、説明する。
まず、外部装置4が、印刷データA、及び、カットコマンドを生成して印刷装置1へ送信する(S201)。印刷装置1は、通信部13を介して印刷データA、及び、カットコマンドを受信する(S202)。
印刷装置1の第1制御部11は、印刷部14により記録紙に印刷データAを印刷する印刷Aを実行し、カットコマンドに基づきカッター16により記録紙のカットを実行する(S203)。
【0057】
第1制御部11が印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S203)に、外部装置4が、第2周辺装置3の駆動を指示する情報を含む第2コマンドを生成して、印刷装置1へ送信したとする(S204)。印刷装置1は、通信部13を介して第2コマンドを受信する(S205)。
第1制御部11は、印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S203)であるので、受信した第2コマンドを一旦保留し、すぐには実行しない。
なお、後述のように、第2コマンドは、第2周辺装置3のプランジャーL1,L2のいずれかを指定する情報を含むので、第1制御部11は、駆動信号T1、及び、駆動信号T2の両方を生成し、第2周辺装置3へ送信することはない。
【0058】
ところで、上述のように、印刷部14、カッター16を、動作させたときの消費電流は、それぞれ、1.8A、1.0Aである。また、第2周辺装置3を駆動させたときの消費電流は、24Vで、1.0Aとなる。この値は、第2周辺装置3のプランジャーL1、及び、プランジャーL2のいずれか一方を駆動させたときの消費電流である。仮に、両方を駆動させると、電源19が供給可能な2.0A以上となってしまい、電源19は供給できなくなってしまう。また、実使用上、及び、上述の第2コマンドの構成のように、両方を駆動させることもない。
電源19は、24V、2.0Aの電力容量であるので、同時に印刷部14及び第2周辺装置3を動作させる電力を供給することができない。また、電源19は、同時にカッター16及び第2周辺装置3を動作させる電力を供給することができない。前者の消費電流が2.8Aであり、後者の消費電流が2.0Aであり、電源19が供給可能な2.0A以上となってしまうからである。
【0059】
第1周辺装置2の場合と同様に、印刷装置1の第1記憶部12には、電源19の供給能力に対し、印刷部14、カッター16、第2周辺装置3のいずれかの組み合せまで同時に駆動可能かに係る組み合せ情報が記憶されている。
第1制御部11は、印刷部14、カッター16、第2周辺装置3を駆動させようとする際、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出して判断し、同時に駆動可能な組み合せに基づき、それぞれを動作させる。
この場合、第1制御部11は、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出し、同時に印刷部14及び第2周辺装置3を駆動可能ではないと判断することができ、同時にカッター16及び第2周辺装置3を駆動可能ではないと判断することができる。
そこで、第1制御部11は、印刷A、又は、カットのいずれかを実行中(S203)には、第2コマンドを受信しても、第2周辺装置3の駆動を実行しない。第1制御部11は、印刷A、及び、カットが終了するまで待つ。
【0060】
第1制御部11は、印刷A、及び、カットの実行を終了する(S206)。第1制御部11は、保留していた第2コマンドに基づき、駆動信号T1、又は、駆動信号T2を生成し、第2周辺装置3へ送信する(S207)。
第2周辺装置3は、駆動信号T1、又は、駆動信号T2を受信し(S208)、対応するプランジャーL1、又は、プランジャーL2を駆動し(S209)、対応する引き出しを開けることができる。なお、駆動信号T1、又は、駆動信号T2を受信すると同時に、プランジャーL1、又は、プランジャーL2は駆動される。
このように、第1制御部11は、印刷部14及びカッター16が、印刷A及びカットの実行をしていないとき、第2周辺装置3へ、駆動信号T1又は駆動信号T2を送信して駆動させる。
【0061】
次に、第1制御部11が駆動信号T1、又は、駆動信号T2を送信中であって(S207)、第2周辺装置3を駆動中に(S209)、外部装置4が、印刷データB、及び、カットコマンドを生成して印刷装置1へ送信したとする(S210)。印刷装置1は、通信部13を介して印刷データB、及び、カットコマンドを受信する(S211)。
【0062】
上述のように、電源19は、同時に印刷部14及び第2周辺装置3を駆動させる電力を供給することができない。また、電源19は、同時にカッター16及び第2周辺装置3を駆動させる電力を供給することができない。
第1制御部11は、第1記憶部12から組み合せ情報を読み出し、同時に印刷部14及び第2周辺装置3を駆動可能ではないと判断し、同時にカッター16及び第2周辺装置3を駆動可能ではないと判断する。
そこで、第1制御部11は、第2周辺装置3を駆動中(S209)には、印刷データB、及び、カットコマンドを受信しても、一旦保留し、すぐには実行しない。
すなわち、第1制御部11は、第2周辺装置3の駆動中(S209)には、印刷データB、及び、カットコマンドを受信しても、印刷B、及び、カットを実行しない。第1制御部11は、駆動信号T1、又は、駆動信号T2の送信を終了するまで待つ。
【0063】
駆動信号T1、又は、駆動信号T2の送信を終了し(S212)、第2周辺装置3の駆動を終了する(S213)。なお、これらは同時に終了する。
その後、第1制御部11は、保留していた印刷データBに基づき、印刷部14により記録紙に印刷する印刷Bを実行し、続いて、保留していたカットコマンドに基づきカッター16により記録紙のカットを実行し(S214)、終了する(S215)。
【0064】
なお、上述の例では、外部装置4が、印刷データA、及び、カットコマンドの両方を印刷装置1へ送信し、印刷装置1が、印刷A、及び、カットを実行した。この場合、外部装置4は、印刷データA、及び、カットコマンドのいずれか一方のみ送信してもよい。
また、外部装置4が、印刷データB、及び、カットコマンドの両方を印刷装置1へ送信し、印刷装置1が、印刷B、及び、カットを実行した。この場合も、外部装置4は、印刷データB、及び、カットコマンドのいずれか一方のみ送信してもよい。
【0065】
ここで、第2コマンドについて説明する。第2コマンドの例として、第2周辺装置3を駆動させる駆動信号の波形を指定する態様がある。具体的には、第2コマンドは、第2周辺装置3のプランジャーL1,L2のいずれかを指定する情報、及び、駆動させるON時間を指定する情報を含む。
印刷装置1の第1制御部11は、受信した第2コマンドに基づき、指定されたプランジャーL1,L2のいずれかに対応する出力ポートP1,P2から、指定されたON時間に対応する駆動信号T1、又は、駆動信号T2を生成して出力する。駆動信号T1、又は、駆動信号T2は、トランジスターTR1、又は、トランジスターTR2により24Vを用いて増幅されて、第2周辺装置3へ送信され、対応するプランジャーL1、又は、プランジャーL2を駆動する。
【0066】
上述の本実施形態によれば、印刷装置1は、通信部13により第1コマンドを受信すると、印刷部14による印刷中であっても、CN18を介して第1周辺装置2へ駆動命令を送信して駆動させることができる。また、印刷装置1は、通信部13により第2コマンドを受信すると、印刷部14が印刷していないときに、CN18を介して第2周辺装置3へ駆動信号を送信して駆動させることができる。
【0067】
また、印刷装置1は、通信部13により第1コマンドを受信すると、カッター16によるカット中であっても、CN18を介して第1周辺装置2へ駆動命令を送信して駆動させることができる。また、印刷装置1は、通信部13により第2コマンドを受信すると、カッター16がカットしていないときに、CN18を介して第2周辺装置3へ駆動信号を送信して駆動させることができる。
このような構成により、印刷装置1の電源19は、必要最低限の電力容量を有し、安価で小さな電源にすることができる。電源19を備える印刷装置1も、安価で小型にすることができる。
【0068】
以上、本実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0069】
ヘッド15aは、ラインサーマルヘッドの例で説明したが、印刷方式は問わない。例えば、インクジェットヘッドでもよい。
第1周辺装置2は、ブザー23の鳴動を、自励方式で構成してもよく、他励方式で構成してもよい。
第1周辺装置2は鳴動装置の例で説明したが、表示装置であってもよい。また、第2周辺装置3はキャッシュドロワーの例で説明したが、釣銭機であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…印刷装置、2…第1周辺装置、3…第2周辺装置、4…外部装置、11…第1制御部、12…第1記憶部、13…通信部、14…印刷部、16…カッター、17…駆動回路、19…電源、21…第2制御部、22…第2記憶部、23…ブザー、24…電圧変換器、CN18…コネクター、L1,L2…プランジャー、P1,P2…出力ポート、T1,T2…駆動信号。