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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089036
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】レモン果汁を含有するヨーグルト
(51)【国際特許分類】
   A23C 9/133 20060101AFI20240626BHJP
   A23C 9/13 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
A23C9/133
A23C9/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204140
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006884
【氏名又は名称】株式会社ヤクルト本社
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】弁理士法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】富永 裕恵
(72)【発明者】
【氏名】川成 聖奈
【テーマコード(参考)】
4B001
【Fターム(参考)】
4B001AC06
4B001AC21
4B001AC31
4B001AC45
4B001BC03
4B001BC13
4B001BC14
4B001EC01
(57)【要約】
【課題】レモン果汁を含有するヨーグルトにおいて、レモンの風味が際立ち、保存後のレモンの光劣化臭も防止できる技術を提供する。
【解決手段】レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加せしめたことを特徴とするヨーグルトおよびレモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加したことを特徴とするレモン果汁を含有するヨーグルトの光劣化臭防止方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加せしめたことを特徴とするヨーグルト。
【請求項2】
ヨーグルトの酸度が、9.5~12である請求項1記載のヨーグルト。
【請求項3】
更に、レモン香料を含有する請求項1記載のヨーグルト。
【請求項4】
固形タイプである請求項1記載のヨーグルト。
【請求項5】
レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加したことを特徴とするレモン果汁を含有するヨーグルトの光劣化臭防止方法。
【請求項6】
ヨーグルトの酸度が、9.5~12である請求項5記載のレモン果汁を含有するヨーグルトの光劣化臭防止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光劣化臭が防止されたレモン果汁を含有するヨーグルトに関する。
【背景技術】
【0002】
レモン果汁は、飲食品に爽やかな酸味や刺激等の風味を付与するために用いられている。レモン果汁が添加されている飲食品としては、例えば、レモン果汁を添加したチューハイ等の飲料があり、これは酸度が高くなると酸味の刺激が強くなるため、刺激を抑制するために果汁の量で酸度を調整する技術が知られている(特許文献1)。
【0003】
レモン果汁が添加されている別の飲食品としては、発酵乳であるヨーグルトも知られているが、ヨーグルトの独特の風味によりレモンの酸味がまろやかになるため、レモンの風味を際立たせるためにはレモン果汁の含有量を増やす必要があると考えられた。
【0004】
しかしながら、単にレモン果汁の含有量を増やした場合、保存後にレモンの光劣化臭が強くなることが分かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-54352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明者らは、レモン果汁を含有するヨーグルトにおいて、レモンの風味が際立ち、保存後のレモンの光劣化臭も防止できる技術を開発することを目的とした。ここでいう防止とは、光劣化臭が全く発生しない場合だけでなく光劣化臭を抑制する場合も含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、レモン果汁を含有するヨーグルトにおいて、レモン果汁を大量に含有させるのではなく、レモン果汁とリンゴ酸を特定の量で組み合わせることにより、他の酸味料と比較してレモンの風味が際立ち、保存後の光劣化臭も抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加せしめたことを特徴とするヨーグルトである。
【0009】
また、本発明は、レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加したことを特徴とするレモン果汁を含有するヨーグルトの光劣化臭防止方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のヨーグルトは、レモンの風味が際立ち、保存後のレモンの光劣化臭も防止されたものである。
【0011】
そのため、本発明のヨーグルトは、流通時および保存時に品質の劣化がなく、優れたものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のヨーグルトは、レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加せしめたものである。なお、本発明においては、クエン酸相当酸度とは、果汁中に含まれる全ての酸をクエン酸と仮定した場合のクエン酸の質量パーセント濃度を指し、例えば、果汁10gを0.1規定の水酸化ナトリウムを用いてpHが8となるまで滴定し、その滴定量から計算することができる。計算式は次の通りである。
【0013】
【数1】
【0014】
*:ファクターの算出方法は下記の通りである。
(a)水酸化ナトリウム4.00gを秤量し水に溶かしてメスフラスコに入れ、水を加えて1000mLにする。
(b)0.05mol/Lシュウ酸水溶液を、3つのコニカルビーカーにホールピペットを用いて10mLずつ入れフェノールフタレイン溶液を、2~3滴たらす。
(c)以下の要領で滴定を行い、水酸化ナトリウム水溶液のファクターを求める。
(i)ビュレットのコックを閉め、漏斗を用いて(a)で作った水酸化ナトリウム水溶液をビュレットの目盛り0付近まで入れる。ビュレットの下にビーカーを置き、コックを開いて2~3mLの液を流し出す。
(ii)ビュレット内の液面の目盛りを最小目盛りの1/10まで読み、記録する。コックを開いて水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ滴下し、コニカルビーカーを軽く振って液がよく混ざるようにする。
(iii)水酸化ナトリウム水溶液の滴下を続けていると、コニカルビーカー内の溶液の微紅色が消えなくなる。ここが滴定の終了点であるから滴定を止め、液面の目盛りを読み、記録する。
(iv)第1回の滴定が終わったらビュレット内の液を少量流しだし、新しい目盛りを読み、以上のような操作を2回繰り返す。
(v)シュウ酸水溶液の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の量の平均値(αmL)を算出し、2×0.05mol/L×10mL=0.1mol/L×f×αmLから、ファクター(f)を算出する。
【0015】
本発明のヨーグルトに含有されるレモン果汁の量は、特に限定されないが、例えば、1~5質量%、好ましくは2~4質量%、より好ましくは2.5~3.5質量%である。この含有量はストレート果汁に換算した量である。また、使用されるレモン果汁には特に限定はなく、ストレート果汁、濃縮果汁、濃縮還元果汁等の何れでもよい。
【0016】
本発明のヨーグルトにはリンゴ酸を、レモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%、好ましくは30%~100%、特に好ましくは30%~80%で添加する。このリンゴ酸を添加するとは、レモン果汁とは別にヨーグルトに新たに含有させることを指す。
【0017】
本発明のヨーグルトの酸度は特に限定されないが、9.5~12、好ましくは10~11.5である。ここで言う酸度とは、ヨーグルト9gに40gのイオン交換水を加え、pHが8.5となるよう0.1N水酸化ナトリウムで中和滴定したときの滴定値(単位:ml)である。また、この酸度は製造直後に測定されるものである。
【0018】
本発明のヨーグルトには、更に、レモン香料を含有させることが好ましい。レモン香料の含有量は特に限定されないが、例えば0.05~0.45質量%、好ましくは0.15~0.45質量%、特に好ましくは0.2~0.35質量%である。
【0019】
本発明のヨーグルトには、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、蔗糖、異性化糖、グルコース、フラクトース、ガラクトオリゴ糖、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、パラチニット、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の甘味料、スクラロース、アスパルテーム、ソーマチン、アセスルファムK、ステビア等の高甘味度甘味料、大豆多糖類、寒天、澱粉、ゼラチン、ペクチン、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム等の他の粘度調整剤、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤等を添加してもよい。
【0020】
本発明のヨーグルトは、通常のヨーグルトと同様に、発酵乳をベースに用いる。発酵乳は、牛乳、山羊乳などの生乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、生クリーム等の乳製品からなる獣乳培地をそのまま又は必要に応じて希釈した溶液を原料乳とし、原料乳中で乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌等の微生物を1種または適宜組み合わせて培養して得られる培養物である。また、植物性乳、例えば豆乳等の培養物を用いたヨーグルトも包含する。
【0021】
発酵乳の調製に用いられる微生物としては、通常、食品製造に使用されるものであれば特に限定されず、乳酸菌やビフィドバクテリウム属細菌を使用することができる。乳酸菌としては、例えば、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ等のラクチカゼイバチルス属細菌、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・マリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ユーグルティ、ラクトバチルス・デルブルッキィサブスピーシーズ.ブルガリカス、ラクトバチルス・ジョンソニー等のラクトバチルス属細菌、ストレプトコッカス・サーモフィルス等のストレプトコッカス属細菌、ラクトコッカス・ラクチスサブスピーシーズ.ラクチス、ラクトコッカス・ラクチスサブスピーシーズ.クレモリス、ラクトコッカス・プランタラム、ラクトコッカス・ラフィノラクチス等のラクトコッカス属細菌、エンテロコッカス・フェカーリス、エンテロコッカス・フェシウム等のエンテロコッカス属細菌等が挙げられる。また、ビフィドバクテリウム属細菌としては、例えば、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム、ビフィドバクテリウム・シュードカテヌラータム、ビフィドバクテリウム・アングラータム、ビフィドバクテリウム・ラクチス、ビフィドバクテリウム・アニマリス等が挙げられる。これらの乳酸菌やビフィドバクテリウム属細菌は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0022】
上記微生物の中でもラクチカゼイバチルス属細菌と、ストレプトコッカス属細菌を組み合わせて用いることが好ましく、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイとストレプトコッカス・サーモフィルスがより好ましく、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ YIT 9029株とストレプトコッカス・サーモフィルス YIT 2001株が特に好ましい。
【0023】
上記したラクチカゼイバチルス・パラカゼイYIT 9029は、ラクトバチルス・カゼイYIT 9029(FERM BP-1366、受託日:昭和56年5月1日)としてブダペスト条約の国際寄託当局である独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(〒292-0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に国際寄託されている。なお、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ YIT 9029は以前の分類ではラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)とされていたが、近年ラクトバチルス属の再分類がなされ、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ(Lacticaseibacillus paracasei)に分類された(Zheng et al., A taxonomic note on the genus Lactobacillus : Description of 23 novel genera, emended description of the genus Lactobacillus Beijerinck 1901, and union of Lactobacillaceae and Leuconostocaceae. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 2020 Apr; 70(4):2782-2858 DOI 10.1099/ijsem.0.004107)。本明細書では、乳酸菌の分類について、上記文献に基づいて分類された新分類で表記している。
【0024】
上記した乳酸菌のうち、ストレプトコッカス・サーモフィルス YIT 2001は、ストレプトコッカス・サーモフィルス YIT 2001(FERM BP-7538、受託日:2001年4月5日)としてブダペスト条約の国際寄託当局である独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター(〒292-0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)に国際寄託されている。
【0025】
上記微生物を原料乳に接種し、発酵する条件及び方法としては、通常の発酵乳の製造に使用される条件および方法を適用すればよく、特に限定されない。例えば、発酵条件としては、30~40℃の温度で、pHが3.0~5.0になるまで発酵させればよく、発酵方法としては、静置発酵、攪拌発酵、振盪発酵、通気発酵等から適宜選択して発酵に用いる微生物に適した方法を用いればよい。また、発酵後は適宜均質化等をしてもよい。
【0026】
本発明のヨーグルトの形態としては特に限定されず、例えば、ハードタイプあるいはソフトタイプ等の固形タイプ、ドリンクタイプ、フローズンタイプが挙げられ、固形タイプがより好ましい。また、風味や他の食品素材との組み合わせも制限されず、例えば、プレーンタイプ、甘味タイプ、フルーツタイプなどが挙げられる。
【0027】
本発明のヨーグルトは、上記した発酵乳ベースに、レモン果汁とリンゴ酸、更に必要により、レモン香料、甘味料、粘度調整剤等を添加し、混合することにより製造することができる。
【0028】
上記のようにして製造した本発明のヨーグルトは容器に充填されて製品となる。本発明のヨーグルトは上記のように劣化が抑制されているため、容器の種類は特に限定されないが、緑色、黒色、褐色といった遮光度の高い容器あるいは遮光度の高い素材の容器を使用してもよい。
【0029】
以上説明した本発明のヨーグルトは、レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%で添加することによりレモンの風味が際立ち、光照射保存後の光劣化臭も抑制されたものとなる。ここで光照射保存とは、1,200Lux、10℃、21日間の条件、あるいはそれと同等の条件で保存することをいう。
【実施例0030】
以下、本発明を本発明の実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0031】
実 施 例 1
ヨーグルトの調製:
殺菌された25質量%脱脂粉乳溶液にストレプトコッカス・サーモフィルス YIT 2001株のシードスターターを0.2質量%となるように接種し、更に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ YIT 9029株のシードスターターを0.1質量%となるように接種して37℃でpH4.5まで培養し、均質化機を用いて15MPaで均質化し、発酵乳ベース1000gを調製した。この発酵乳ベース380gに、ブドウ糖果糖液糖95g、蔗糖型液糖(ファインリカー:ショ糖含量67質量%)40g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、表1に記載の量(ストレート換算)でレモン果汁、リンゴ酸を加え、水を添加し1000gとし、混合した後、白色の紙製容器に入れて冷却して固形タイプのヨーグルトを製造した。製造直後のヨーグルトと遮光後(容器をアルミホイルで包み、10℃、21日間)の酸度を測定し、ヨーグルトの風味を自由評価した。また、光照射後(1,200Lux、10℃、21日間)のヨーグルトの光劣化臭の評価を下記基準で評価した。なお、これらの評価は4名のパネラーで行った。それらの結果も表1に示した。
【0032】
<風味評価基準>
(点数)(内容)
5:レモンの風味が非常に強い
4:レモンの風味が強い
3:レモンの風味がある
2:レモンの風味が弱い
1:レモンの風味が非常に弱い
【0033】
<光劣化臭評価基準>
(点数)(内容)
5:光劣化臭がない
4:光劣化臭がわずかにある
3:光劣化臭がややある
2:光劣化臭がある
1:光劣化臭が非常にある
【0034】
<酸度測定方法>
ヨーグルト9gに40gのイオン交換水を加え、pHが8.5となるよう0.1N水酸化ナトリウムで中和滴定したときの滴定値(単位:ml)を酸度とした。
【0035】
【表1】
【0036】
以上の結果から、レモン果汁を含有するヨーグルトに、リンゴ酸をレモン果汁由来のクエン酸相当酸度の20%~100%、特に30~100%で添加することによりヨーグルトのレモンの風味が際立ち、また、光照射保存後の光劣化臭が抑制されることが分かった。また、レモンの風味(酸味)とヨーグルトの風味のバランスから、特に30~80%が好ましいことも分かった。
【0037】
実 施 例 2
ヨーグルトの調製:
殺菌された25質量%脱脂粉乳溶液にストレプトコッカス・サーモフィルス YIT 2001株のシードスターターを0.2質量%となるように接種し、更に、ラクチカゼイバチルス・パラカゼイ YIT 9029株のシードスターターを0.1質量%となるように接種して37℃でpH4.5まで培養し、均質化機を用いて15MPaで均質化し、発酵乳ベース1000gを調製した。この発酵乳ベース380gに、ブドウ糖果糖液糖95g、蔗糖型液糖(ファインリカー:ショ糖含量67質量%)40g、レモン香料3g、粉ゼラチン5g、粉末寒天1.4g、表2に記載の量(ストレート換算)でレモン果汁、酸味料(リンゴ酸、クエン酸またはビタミンC(アスコルビン酸))を加え、水を添加し1000gとし、混合した後、白色の紙製容器に入れて冷却して固形タイプのヨーグルトを製造した。製造直後のヨーグルトの酸度を測定し、風味を自由評価した。また、光照射後(12,000Lux、30℃、30時間(1,200Lux、10℃、21日間と同等))のヨーグルトの光劣化臭を実施例1と同様の基準で評価した。それらの結果も表2に示した。
【0038】
【表2】
【0039】
以上の結果から、レモン果汁と組み合わせる酸味料の種類はどれでも良いわけではなく、リンゴ酸をレモン果汁と組み合わせることによりヨーグルトのレモンの風味が際立ち、光照射時の保存後の光劣化臭が抑制されることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のヨーグルトは、長期間風味が劣化しないためレモン果汁を含有するヨーグルトのロングライフ化に役立つ。