(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089046
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
B65G1/137 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204155
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河口 真佐義
(72)【発明者】
【氏名】牛居 智史
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA04
3F522BB06
3F522BB23
3F522CC05
3F522CC06
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD38
3F522EE13
3F522GG03
3F522GG07
3F522GG13
3F522GG35
3F522GG47
3F522HH02
3F522HH33
3F522KK02
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】返却物の回収者が、返却物が返却されたか否かを判断しやすくする。
【解決手段】施錠可能な扉を有する複数の収容ボックスを備え、収容ボックスに対して物品の納品と受取とが可能で、収容ボックスに対して返却物の返却と回収とが可能なストッカであって、複数の収容ボックスにそれぞれ設けられ、検知範囲内で該収容ボックス内の物体の有無を検知する検知センサと、収容ボックスとして、返却物の回収が要求されると、検知センサにより物体が検知されている場合には扉が解錠され、検知センサにより物体が検知されていない場合には扉が解錠されない第1収容ボックスと、収容ボックスとして、返却物の回収が要求されると、検知センサにより物体が検知されているか否かに拘わらず扉が解錠される第2収容ボックスと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能な扉を有する複数の収容ボックスを備え、前記収容ボックスに対して物品の納品と受取とが可能で、前記収容ボックスに対して返却物の返却と回収とが可能なストッカであって、
前記複数の収容ボックスにそれぞれ設けられ、検知範囲内で該収容ボックス内の物体の有無を検知する検知センサと、
前記収容ボックスとして、返却物の回収が要求されると、前記検知センサにより物体が検知されている場合には前記扉が解錠され、前記検知センサにより物体が検知されていない場合には前記扉が解錠されない第1収容ボックスと、
前記収容ボックスとして、返却物の回収が要求されると、前記検知センサにより物体が検知されているか否かに拘わらず前記扉が解錠される第2収容ボックスと、
を備えるストッカ。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカであって、
前記検知センサは、前記収容ボックス内の一部の領域を前記検知範囲とするように設けられている、
ストッカ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のストッカであって、
返却物の回収が要求されると、前記複数の収容ボックスのうち回収対象に設定されている収容ボックスが解錠されるものであり、
前記第1収容ボックスは、返却期間が経過する前に前記検知センサにより物体が検知されると、前記回収対象に設定され、
前記第2収容ボックスは、前記検知センサにより物体が検知されているか否かに拘わらず、所定期間が経過すると、前記回収対象に設定される、
ストッカ。
【請求項4】
請求項3に記載のストッカであって、
前記第2収容ボックスは、前記所定期間が経過するまでは、受取者または返却者の認証を伴って受取または返却が要求されると、前記扉が解錠され、前記所定期間が経過した後は、回収者の認証を伴って回収が要求されると、前記扉が解錠される、
ストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、ストッカについて開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、解錠および施錠可能な扉を有する納品庫と、扉の解錠および施錠を制御する制御装置とを備えたストッカであって、扉が施錠され、納品庫内の物品が取り出されると所定期間の間、当該納品庫を受取中状態に設定し、受取中状態の納品庫に対して、複数回にわたり扉の解錠要求を受け付けて、その都度扉が解錠するように制御するものが開示されている(例えば、特許文献1)。これにより、特許文献1に記載のストッカでは、回収を要する収容部材(例えば、保冷バッグ)に収容された状態で物品が納品庫に納品された場合に、受取者は、納品庫から物品を取り出した後、収容部材を納品庫に収納することができる。また、このストッカでは、物品の受取者から扉の解錠要求を受け付けて扉を解錠した後に扉が閉じられて施錠され、所定時間経過した後に物品検知センサにより納品庫内に物品が検知されているならば、納品庫の状態を回収待ち状態(再度、納品者による扉の解錠要求を受け付けて、扉を解錠する状態)に設定する。これにより、物品の納品者は、扉の解錠要求を行ない、収容部材を納品庫から回収することができる。また、このストッカでは、物品の受取者から扉の解錠要求を受け付けて扉を解錠した後に扉が閉じられて施錠され、所定時間経過した後に物品検知センサにより納品庫内に物品が検知されていないならば、納品庫の状態を空き状態(納品者が別の物品を納品する場合には納品者による解錠要求を受け付けるものの、それ以外の場合には納品者および受取者による解錠要求を受け付けない状態)に設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したストッカでは、納品庫に対して物品が置かれる位置によって物品検知センサが物品を検知したり、検知しなかったりする場合がある。物品検知センサによって物品が検知されていないまま所定時間経過すると、納品庫の状態が空き状態に設定されるため、回収者は、当該納品庫の扉を空けて納品庫内部に、収容部材があるか否かを確かめることができないおそれがある。すなわち、物品検知センサに検知されない状態で物品が納品庫に納品されているのか、物品が紛失したのかを確かめることができないおそれがある。
【0005】
本開示は、返却物の回収者が、返却物が返却されたか否かを判断しやすくすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカは、
施錠可能な扉を有する複数の収容ボックスを備え、前記収容ボックスに対して物品の納品と受取とが可能で、前記収容ボックスに対して返却物の返却と回収とが可能なストッカであって、
前記複数の収容ボックスにそれぞれ設けられ、検知範囲内で該収容ボックス内の物体の有無を検知する検知センサと、
前記収容ボックスとして、返却物の回収が要求されると、前記検知センサにより物体が検知されている場合には前記扉が解錠され、前記検知センサにより物体が検知されていない場合には前記扉が解錠されない第1収容ボックスと、
前記収容ボックスとして、返却物の回収が要求されると、前記検知センサにより物体が検知されているか否かに拘わらず前記扉が解錠される第2収容ボックスと、
を備えることを要旨とする。
【0008】
このストッカは、返却物の回収が要求された場合において、第1収容ボックスでは、検知センサにより物体が検知されている場合に扉が解錠されるため、検知センサにより検知されやすい物品の返却に用いることができる。一方、第2収容ボックスでは、検知センサによって物品が検知されているか否かに拘わらず扉が解錠されるため、検知センサによって検知されにくい物品を返却するのに好適である。これにより、回収者は、返却物が返却されたか否かを判断しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ストッカシステム10の構成の概略を示す構成図である。
【
図3】納品者処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図5】受取者・返却者処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【
図6】ステータス情報更新処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態について図面を用いて説明する。
図1はストッカシステム10の構成の概略を示す構成図であり、
図2は納品庫情報54の一例を示す説明図である。
【0011】
ストッカシステム10は、
図1に示すように、販売管理装置21と、複数のストッカ40と、倉庫60と、ストッカ40を管理するストッカ管理装置30とを備える。販売管理装置21とストッカ40とストッカ管理装置30は、インターネットなどのネットワーク12,13に接続されている。
【0012】
販売管理装置21は、ネットワーク12を介して、受取者14の携帯端末15などと情報のやりとりを行い、受取者14に商品に関する商品情報を提供するコンピュータである。販売管理装置21には、例えば、商品の情報を含む商品データベース(DB)や、顧客(受取者14)の情報を含む顧客DB、購入品(商品)の注文番号や商品を受け取るストッカ40の情報などを含む販売情報などが記憶されている。
【0013】
ストッカ40は、店舗20やオフィス、コンビニエンスストア、各種公共施設など様々な場所に設置され、購入した商品を受取者14に受け渡すのに用いられるものである。本実施形態では、ストッカ40の少なくとも一つは、店舗20に設置され、購入した商品を受取者14に店舗20内で受け渡すのに用いられる。
【0014】
店舗20に設置されたストッカ40を用いて受取者14に商品を受け渡す場合には、返却が必要な収容部材17(例えば保冷バッグなど)に商品を収容した状態で受け渡す場合と、返却が不要な収容部材18(例えば段ボール箱など)に商品を収容した状態で受け渡す場合と、商品は別の倉庫60に保管しつつ当該倉庫60から商品を取り出すのに必要な鍵Kを受け渡す場合とがある。保冷バッグなどの収容部材17は、例えば生鮮食品系の商品を収容するのに用いられ、受取者14は、商品を収容部材17から取り出した後、収容部材17を店舗20に返却する必要がある。一方、段ボール箱などの収容部材18は、例えば非生鮮食品系の商品を収容するのに用いられ、受取者14は、商品を受け取った後、収容部材18を店舗20に返却する必要はない。
【0015】
倉庫60は、例えばストッカ40に納品できないサイズや重さの非生鮮食品系の商品が保管されるものである。倉庫60は、店舗20内あるいは店舗20に隣接して設置される。倉庫60は、比較的大型の商品を収納可能な収納スペースを有し、当該収納スペースには、鍵Kにより解錠および施錠可能な扉が設けられている。受取者14は、ストッカ40から鍵Kを受け取り、鍵Kにより倉庫60内の扉を開けて商品を受け取ることができる。受取者14は、商品を受け取った後、鍵Kを店舗20に返却する必要がある。
【0016】
ストッカ40は、収容部材17,18や鍵Kを納品可能な複数の納品庫41(複数の第1納品庫41aおよび複数の第2納品庫41b)を有する。
【0017】
第1納品庫41aは、収容部材17,18に入った商品を収容するためのものである。第1納品庫41aは、商品を収容可能な内部空間を有しており、前面の扉44と、扉44の施錠および解錠を行なうロック機構45と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品検知センサ46と、扉44の開閉を検出する開閉センサ47とを備える。
【0018】
第2納品庫41bは、鍵Kを収容するためのものである。第2納品庫41bは、鍵Kを収容可能な内部空間を有しており、第1納品庫41aと同様に、扉44と、ロック機構45と、物品検知センサ46と、開閉センサ47とを備える。
【0019】
物品検知センサ46は、例えば、納品庫41内における中央付近を検知範囲として物品を検知可能なものである。物品検知センサ46は、内部空間の下面略中心に配置された投光素子と、内部空間の上面略中心に配置された受光素子とを有する透過型の光センサである。物品検知センサ46は、各納品庫41に設けられている。物品検知センサ46は、投光素子と受光素子との間に遮蔽物(収容部材17,18)があり、投光素子から発せられた光が受光素子によって受光さないならば、物品を検知した旨の信号を制御装置50に出力する。また、物品検知センサ46は、投光素子と受光素子との間に遮蔽物がなく、投光素子から発せられた光が受光素子によって受光されたならば、物品を検知していない旨の信号を制御装置50に出力する。
【0020】
制御装置50は、ストッカ40の全体を制御するコンピュータである。制御装置50は、ストッカ40の納品庫41の一つに収容されている。制御装置50は、制御部52と、記憶部53と、通信部56と、計時部57とを備える。制御部52は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され装置全体の制御を司る。記憶部53は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する。通信部56は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行なう。計時部57は、ネットワーク13を介して図示しない時刻サーバから現時点における時刻を取得する。なお、計時部57はリアルタイムクロック(RTC)により、現時点における時刻を取得するものとしてもよい。
【0021】
制御装置50の記憶部53には、
図2に示す納品庫情報54などが記憶される。納品庫情報54には、納品庫カテゴリ(第1納品庫41aまたは第2納品庫42b)や、納品者19ごとに割り当てられた納品者ID、納品庫41に納品された物品のカテゴリ、各納品庫41の使用状態であるステータス情報、納品庫41に納品された商品の受取期限、返却物(収容部材17)の返却期限などが納品庫番号に対応付けて記憶されている。また、納品庫情報54には、その他、販売管理装置21により設定される注文番号の情報なども納品庫番号に対応付けて登録されている。本実施形態では、注文番号は、受取者14が納品庫41の扉44を解錠する際にパスワードとして用いられるものである。なお、注文番号に代えて、納品庫情報には顧客ID等が登録されていてもよい。また、納品庫41の扉44を解錠する際のパスワードは別途生成されてもよい。
【0022】
ステータス情報には、例えば、空き状態、受取可能状態、返却可能状態、回収可能状態などが含まれる。空き状態は、第1納品庫41aおよび第2納品庫41bの使用状態として設定されるステータス情報である。空き状態は、後述する納品者処理において、納品者19からの解錠要求を受け付けて、扉44を解錠可能な状態である。受取可能状態は、第1納品庫41aおよび第2納品庫41bの使用状態として設定されるステータス情報である。受取可能状態は、受取者14(返却者)からの解錠要求を受け付けて扉44を解錠可能な状態である。返却可能状態は、第1納品庫41aの使用状態として設定されるものの、第2納品庫41bの使用状態として設定されないステータス情報である。返却可能状態は、受取可能状態と同様に受取者14(返却者)からの解錠要求を受け付けて扉44を解錠可能な状態である。回収可能状態は、第1納品庫41aおよび第2納品庫41bの使用状態として設定されるステータス情報である。回収可能状態は、納品者19(回収者)の解錠要求を受け付けて扉44を解錠可能な状態である。すなわち、回収可能状態は、商品が取り出されて納品庫41内に戻された収容部材17を回収可能な状態や、受取期限を既に経過している商品、鍵Kなどを回収可能な状態である。
【0023】
制御装置50を収容する納品庫41の扉44には、
図1に示すように、表示操作部42と、読取装置43とが配設されている。表示操作部42は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルであり、商品の納品者19および受取者14への各種情報の表示や、納品者19および受取者14からの各種操作の入力を行なう。読取装置43は、受取者14や納品者19などが納品庫41の解錠に用いる注文番号や納品者IDなどのコードを読み取るコードリーダである。
【0024】
ストッカ管理装置30は、ネットワーク12,13を介してストッカ40や販売管理装置21と情報のやりとりを行なう。ストッカ管理装置30は、制御部32と、記憶部33と、通信部38とを備える。制御部32は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され装置全体の制御を司る。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する。通信部38は、ストッカ40などの外部機器と通信を行なう。記憶部33には、ストッカ情報34などが記憶されている。ストッカ情報34は、各ストッカ40の納品庫情報54と同様の納品庫情報などを含んだ情報である。ストッカ管理装置30は、ストッカ40と通信することにより、ストッカ情報34に含まれるストッカ40の納品庫情報を更新する。
【0025】
こうして構成されたストッカシステム10の動作を説明する。まず、受取者14が、携帯端末15などを操作して、販売管理装置21から提供される商品情報から希望する商品を選択することにより、商品の発注を行った際のストッカシステム10の動作について説明する。
【0026】
携帯端末15などを介して受取者14から商品の発注を受けると、店舗20の販売管理装置21は、受取者14の情報や受取希望のストッカ40の情報に商品の注文番号を付して販売情報として記憶すると共に、ストッカ管理装置30へ送信する。ストッカ管理装置30は、ストッカ情報34に含まれる受取希望のストッカ40の納品庫情報から、ステータス情報が空き状態の納品庫41を検索すると共に検索した納品庫41を確保して納品先の納品庫41に決定する。
【0027】
そして、ストッカ管理装置30は、納品先の納品庫41の番号を販売管理装置21に送信すると共に納品先の納品庫41の番号と注文番号とを受取希望のストッカ40に送信する。ストッカ40は、受信した注文番号を納品先の納品庫41の番号に対応付けて記憶部53の納品庫情報54(
図2参照)に記憶する。なお、ストッカ管理装置30は、受取希望のストッカ40に、納品先に決定されていない空き状態の納品庫41がない場合には、空き状態の納品庫41がない旨の通知を販売管理装置21に送信する。
【0028】
空き状態の納品庫41がない旨の通知を受信すると、販売管理装置21は、受取者14の携帯端末15にその旨の通知を送信して、受取者14に受取希望のストッカ40を変更させたり、注文のキャンセルを受け付けたりする。販売管理装置21は、ストッカ管理装置30から納品先の納品庫41の番号を受信すると、納品先のストッカ40と納品庫41の番号とを指定すると共に収容部材17,18に収容した状態の商品を納品するように納品者19に対して納品指示を行なう。この納品指示に基づいて、納品者19は、納品先のストッカ40まで商品を搬送して商品の納品作業を行なう。なお、納品作業において納品する商品が、収容部材17に収容した状態の商品または収容部材18に収容した状態の商品であって納品庫41に収容可能なサイズの商品である場合には、納品者19は、収容部材17,18に収容した状態の商品をストッカ40まで搬送する。一方、納品作業において納品する商品が、収容部材18に収容した状態の商品であって納品庫41に収容不可能なサイズの商品である場合には、納品者19は、収容部材18に収容した状態の商品と共に鍵Kを搬送する。また、後述するように、納品者19は、ストッカ40から収容部材17や、鍵K、必要な商品の回収を行なう。
【0029】
次に、制御装置50の制御部52によって実行される納品者処理ルーチンの一例について
図3,4を用いて説明する。図示しない人感センサがストッカ40の利用者を検出した旨の信号を入力した場合に、制御部52は、納品者処理、受取者・返却者処理および回収者処理のいずれか1つを選択可能な図示しない処理選択画面を、表示操作部42に表示させる。利用者により、納品者処理が選択された後に、制御部52は、本ルーチンを開始する。
【0030】
この処理を開始すると、制御部52は、まず、表示操作部42や読取装置43を介して納品者19から入力された納品者IDを
図4に示す納品者情報55に記憶された納品者IDと照合することで納品者認証を行なう(S100)。ここで、納品者情報55は、納品者IDと、納品者19が納品可能な物品のカテゴリと、ストッカ40に当該物品を保管可能な期間とを対応付けて記憶したものである。次に、制御部52は、商品カテゴリの入力を受け付ける(S105)。具体的には、制御部52は、生鮮食品系、非生鮮食品系または鍵のいずれか1つを選択可能な図示しないカテゴリ選択画面を、表示操作部42に表示させる。そして、制御部52は、納品者19が選択したカテゴリを、納品庫41に納品される物品のカテゴリと認識し、
図2に示す納品庫情報54に記憶する。続いて、制御部52は、S105で入力を受け付けた物品のカテゴリが鍵であるか否かを判定する(S110)。
【0031】
入力を受け付けた物品のカテゴリが鍵でないならば、制御部52は、第1納品庫41aの扉44を解錠し、扉44を開放する(S115)。この処理は、以下のようにして実行される。すなわち、制御部52は、表示操作部42を介して納品者19が入力した注文番号を取得する。次に、制御部52は、取得した注文番号に基づいて納品すべき納品庫41(以下、対象納品庫41c)を
図2に示す納品庫情報54から選択する。そして、制御部52は、対象納品庫41cのロック機構45を制御し、扉44を解錠する。次に、制御部52は、納品が完了するまで待つ(S120)。具体的には、制御部52は、物品検知センサ46および開閉センサ47から入力される信号に基づいて、納品庫41内に物品が存在している状態で扉44が閉鎖されたことにより納品の完了を判定する。
【0032】
一方、入力を受け付けた物品のカテゴリが鍵ならば、制御部52は、S115の処理と同様の処理を実行し、対象納品庫41c(第2納品庫41b)の扉44を解錠し、扉44を開放する(S125)。次に、制御部52は、S120の処理と同様の処理を実行し、納品が完了するまで待つ(S130)。S120またはS130の後、制御部52は、対象納品庫41cのロック機構45を制御して、扉44を施錠する(S135)。なお、納品者処理ルーチンにおいて、S130の処理は省略してもよい。
【0033】
続いて、制御部52は、受取期限を設定する(S140)。具体的には、制御部52は、納品者情報55を参照して、S100で取得した物品カテゴリに対応付けられた保管可能期間を取得する。続いて、制御部52は、受取期限を決定する。この処理は、例えば、計時部57から現時点における時刻を取得すると共に現時点から保管可能期間だけ経過した時点を受取期限に決定することにより行なわれる。次に、制御部52は、
図2に示す納品庫情報54に受取期限を記憶する。そして、制御部52は、今回商品または鍵Kが納入された納品庫41について、納品庫情報54のステータス情報を受取可能状態に設定すると共に納品者IDを記憶する(S145)。
【0034】
そして、制御部52は、納品が完了した旨の情報をストッカ管理装置30へ送信する(S150)。なお、ストッカ管理装置30は、納品が完了した旨を記憶部33のストッカ情報34に記憶させると共に販売管理装置21へ送信する。販売管理装置21は、注文番号と物品(商品または鍵K)がストッカ40に納品された旨の情報とを受取者14の携帯端末15へ送信し、ストッカ40に物品が届いている旨を通知する。S150の後、制御部52は、本ルーチンを終了する。
【0035】
次に、制御部52によって実行される受取者・返却者処理ルーチンの一例について
図5を用いて説明する。この処理は、受取者14がストッカ40の納品庫41から物品(商品または鍵K)を取り出す際、または、受取者14(返却者)が収容部材17や鍵Kをストッカ40の納品庫41に返却する際に実行される処理である。上述の処理選択画面において受取者14により、受取者・返却者処理が選択された後、制御部52は、本ルーチンを開始する。
【0036】
本ルーチンを開始すると、制御部52は、表示操作部42や読取装置43を介して受取者14から入力された注文番号を、記憶部53に記憶された注文番号と照合して、注文番号認証を行なう(S200)。次に、制御部52は、
図2に示す納品庫情報54を参照して、S200で取得した注文番号に基づいて物品を受取または返却する納品庫41(以下、対象納品庫41c)を認識すると共に当該納品庫41のステータス情報を取得する(S205)。続いて、制御部52は、S205で取得した対象納品庫41cのステータス情報が、受取可能状態または返却可能状態であるか否かを判定する(S210)。
【0037】
S210で対象納品庫41cのステータス情報が受取可能状態または返却可能状態のいずれでもないと判定したならば、制御部52は、対象納品庫41cのステータス情報を空き状態または回収可能状態であると判断して、扉44を解錠することなくステータス情報を維持したまま本ルーチンを終了する。一方、S210で対象納品庫41cのステータス情報が受取可能状態または返却可能状態であると判定したならば、制御部52は、対象納品庫41cのロック機構45を制御し、扉44を解錠し、扉44を開放する(S215)。これにより、受取者14(返却者)は、対象納品庫41cの中から商品や鍵Kを取り出したり、対象納品庫41cの中に商品を取り出した後の収容部材17や鍵Kを返却したりすることができる。その後、制御部52は、開閉センサ47から入力される信号に基づいて、受取者14(返却者)によって対象納品庫41cの扉44が閉鎖されたことを確認した後(S220)、
図2に示す納品庫情報54を参照して、対象納品庫41cの納品庫カテゴリが第1納品庫41aであるか否かを判定する(S225)。
【0038】
S225で対象納品庫41cの納品庫カテゴリが第1納品庫41aでない(第2納品庫41bである)と判定したならば、制御部52は、対象納品庫41cのステータス情報を維持したまま、対象納品庫41cに設けられたロック機構45を制御して、対象納品庫41cの扉44を施錠し(S230)、本ルーチンを終了する。このときの対象納品庫41cのステータス情報は、受取可能状態である。第2納品庫41bのステータス情報は返却可能状態に設定されないためである。
【0039】
一方、S225で対象納品庫41cの納品庫カテゴリが第1納品庫41aであると判定したならば、制御部52は、S230と同様に、ロック機構45を制御し、対象納品庫41cの扉44を施錠する(S235)。次に、制御部52は、
図2に示す納品庫情報54を参照して、対象納品庫41cに納品されていた又は納品されている商品のカテゴリが要返却のカテゴリであるか否かを判定する(S240)。具体的には、その商品のカテゴリが、生鮮食品系であるか否かを判定する。生鮮食品系の商品は、収容部材17(保冷バッグ)に収容された状態で納品庫41に納品され、収容部材17は、納品者19に対して返却される必要があるからである。
【0040】
S240で対象納品庫41cに納品されていた商品または対象納品庫41cに納品されている商品のカテゴリが要返却のカテゴリではない(非生鮮食品系である)と判定したならば、制御部52は、物品検知センサ46からの入力される信号に基づいて、対象納品庫41c内に物品があるか否かを判定する(S245)。なお、このときの対象納品庫41cのステータス情報は、受取可能状態である。対象納品庫41c内に物品があると判定したならば、制御部52は、非生鮮食品系の商品が取り出されなかったと判断して、対象納品庫のステータス情報を受取可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S245で対象納品庫41c内に物品がないと判定したならば、収容部材18に入った商品が取り出されたと判断し、制御部52は、納品庫情報54から、納品者ID、物品カテゴリ、注文番号および受取期限をクリアする(S250)。そして、制御部52は、対象納品庫41cのステータス情報を空き状態に設定して(S255)、本ルーチンを終了する。
【0041】
一方、S240で対象納品庫41cに納品されていた商品または対象納品庫41cに納品されている商品のカテゴリが要返却のカテゴリである(生鮮食品系である)と判定したならば、制御部52は、S205で取得した対象納品庫41cのステータス情報が受取可能状態であるか否かを判定する(S260)。
【0042】
S260で対象納品庫41cのステータス情報が受取可能状態であると判定したならば、制御部52は、S245と同様に、対象納品庫41c内に物品があるか否かを判定する(S265)。S265で対象納品庫41c内に物品があると判定したならば、制御部52は、未だ商品が取り出されていないと判断し、対象納品庫41cのステータス情報を受取可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S265で対象納品庫41c内に物品がないと判定したならば、制御部52は、収容部材17に入った商品が取り出されたと判断し、返却期限を設定し(S270)、ステータス情報を返却可能状態に設定して(S275)、本ルーチンを終了する。生鮮食品系の商品は、返却を要する収容部材17に収容された状態で第1納品庫41aに納品されるからである。なお、返却期限は、制御部52により、現時点から所定期間(例えば、1日から数日)経過した時点に設定される。
【0043】
S275で対象納品庫41cのステータス情報が返却可能状態に設定された後、再度本ルーチンが実行された場合には、制御部52は、S260で対象納品庫41cのステータス情報が受取可能状態でないと判定する。その場合、制御部52は、S245と同様に、対象納品庫41c内に物品があるか否かを判定する(S280)。S280で対象納品庫41c内に物品がないと判定したならば、制御部52は、未だ収容部材17が返却されていないと判断し、対象納品庫41cのステータス情報を返却可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S280で対象納品庫41c内に物品があると判定したならば、制御部52は、収容部材17が返却されたと判断し、対象納品庫41cのステータス情報を回収可能状態に設定して(S285)、本ルーチンを終了する。なお、制御部52は、販売管理装置22に収容部材17を回収するよう指示する。
【0044】
次に、制御部52によって実行されるステータス情報更新処理ルーチンについて、
図6を用いて説明する。このルーチンは、所定間隔(例えば、数秒~数分)毎に、常時実行される。
【0045】
本ルーチンを開始すると、制御部52は、ステータス情報更新対象の納品庫41(以下、更新対象納品庫41d)を決定する(S300)。次に、制御部52は、
図2に示す納品庫情報54を参照して、更新対象納品庫41dのステータス情報を取得する(S305)。続いて、
図2に示す納品庫情報54を参照して、更新対象納品庫41dの納品庫カテゴリが第1納品庫41aであるか否かを判定する(S310)。S310で更新対象納品庫41dの納品庫カテゴリが第1納品庫41aであると判定したならば、制御部52は、受取者・返却者処理のS240と同様に更新対象納品庫41dに納品されていた又は納品されている商品のカテゴリが要返却のカテゴリ(生鮮食品系)であるか否かを判定する(S315)。
【0046】
S315で更新対象納品庫41dに納品されていた又は納品されている商品のカテゴリが要返却のカテゴリでない(非生鮮食品系である)と判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態であるか否かを判定する(S320)。S320で更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態でない(回収可能状態または空き状態である)と判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を回収可能状態または空き状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S320で更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態であると判定したならば、制御部52は、受取期限を経過しているか否かを判定する(S325)。具体的には、制御部52は、計時部57から現時点における時刻を取得すると共に現時点において受取期限を経過しているか否かを判定する。S325で現時点において受取期限を経過していないと判定したならば、制御部52は、ステータス情報を受取可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S325で現時点において受取期限を経過していると判定したならば、受取期限までに収容部材18に入った商品が受け取られなかったと判断し、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を回収可能状態に設定して(S330)、本ルーチンを終了する。なお、制御部52は、販売管理装置22に対して収容部材18に入った商品を回収するように指示する。
【0047】
S315で更新対象納品庫41dに納品されていた又は納品されている商品のカテゴリが要返却のカテゴリである(生鮮食品系である)と判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態であるか否かを判定する(S335)。
【0048】
S335で更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態であると判定したならば、制御部52は、S325と同様に、現時点において受取期限を経過しているか否かを判定する(S340)。S340で現時点において受取期限を経過していないと判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を受取可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S340で現時点において受取期限を経過していると判断したならば、制御部52は、受取期限までに収容部材17に入った商品が取り出されなかったと判断し更新対象納品庫41dのステータス情報を回収可能状態に設定して(S345)、本ルーチンを終了する。なお、制御部52は、販売管理装置22に対して収容部材17に入った商品を回収するように指示する。
【0049】
S335で更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態でない(返却可能状態、回収可能状態または空き状態である)と判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報が返却可能状態であるか否かを判定する(S350)。S350で更新対象納品庫41dのステータス情報が返却可能状態でない(回収可能状態または空き状態)と判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を回収可能状態または空き状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S350で更新対象納品庫41dのステータス情報が返却可能状態であると判定したならば、制御部52は、現時点において返却期限を経過しているか否かを判定する(S355)。具体的には、制御部52は、計時部57から現時点における時刻を取得すると共に現時点において返却期限を経過しているか否かを判定する。S355で現時点において返却期限を経過していないと判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を返却可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S355で現時点において返却期限を経過していると判定したならば、返却期限までに収容部材17が返却されなかったと判断し、制御部52は、納品庫情報54から、納品者ID、物品カテゴリ、注文番号、受取期限および返却期限をクリアする(S360)。そして、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を空き状態に設定して(S365)、本ルーチンを終了する。
【0050】
S310で更新対象納品庫41dの納品庫カテゴリが第1納品庫41aでない(第2納品庫41bである)と判定したならば、制御部52は、納品庫情報54を参照し、更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態であるか否かを判定する(S370)。S370で更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態でない(回収可能状態または空き状態である)と判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を回収可能状態または空き状態に維持したまま本ルーチンを終了する。一方、S370で更新対象納品庫41dのステータス情報が受取可能状態であると判定したならば、制御部52は、S325およびS340と同様に、現時点において受取期限を経過しているか否かを判定する(S375)。S375で現時点において受取期限を経過していないと判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を受取可能状態に維持したまま、本ルーチンを終了する。一方、S375で現時点において受取期限を経過していると判定したならば、制御部52は、更新対象納品庫41dのステータス情報を回収可能状態に設定して(S380)、本ルーチンを終了する。なお、制御部52は、販売管理装置22に対して鍵Kを回収するように指示する。
【0051】
ストッカ40では、第2納品庫41bのステータス情報は、物品検知センサ46が物品を検知しているか否かに拘わらず、受取期限が経過するまでは、受取可能状態に維持される。そのため、受取者14(返却者)は、受取期限内であればいつでも、注文番号を認証することにより、第2納品庫41bを解錠することができる。したがって、受取者14(返却者)は、受取期限内であれば、いつでも鍵Kを取り出したり、鍵Kを返却したりすることができる。また、第2納品庫41bは、物品検知センサ46で納品庫41内に物品を検知しているか否かに拘わらず、受取期限経過後は、ステータス情報が回収可能状態に設定される。これにより、納品者19は、第2納品庫41bを解錠することができる。納品者19に鍵Kが返却されていない場合には、第2納品庫41bを解錠して内部を探すことができる。したがって、第2納品庫41bは、鍵Kのように小さく物品検知センサ46で検知しにくい物品の使用に好適である。
【0052】
制御部52は、ストッカ40における全ての納品庫41に対してS300~S380の処理を実行することで、各納品庫41のステータス情報を更新する。
【0053】
次に、制御部52によって実行される回収者処理について説明する。本実施形態では、納品者19(回収者)がストッカ40から収容部材17や鍵Kを回収する場合について説明する。本処理は、上述した処理選択画面において利用者により、回収者処理が選択された後に、開始される。
【0054】
本処理を開始すると、制御部52は、表示操作部42を介して納品者19(回収者)から入力された納品者IDを、納品者情報55に記憶された納品者IDと照合して、納品者認証を行なう。次に、制御部52は、納品庫情報54を参照し、認証した納品者IDに対応する納品庫41のうちステータス情報が回収可能状態に設定されている納品庫41を認識する。続いて、制御部52は、ロック機構45を制御して、それらの納品庫41の扉44を解錠する。解錠した納品庫41が第1納品庫である場合には、制御部52は、物品検知センサ46および開閉センサ47からの入力信号に基づき、納品庫41内に物品がない状態で扉44が閉鎖されたことを確認した後、ロック機構45を制御して当該納品庫41を施錠する。そして、制御部52は、納品庫情報54から納品者ID、物品カテゴリ、注文番号、受取期限および返却期限をクリアすると共に当該納品庫41のステータス情報を空き状態に設定して本処理を終了する。一方、解錠した納品庫41が第2納品庫41bである場合には、制御部52は、開閉センサ47からの入力信号に基づき扉44が閉鎖されたことを確認した後、ロック機構45を制御して当該納品庫41を施錠する。そして、制御部52は、納品庫情報54から納品者ID、物品カテゴリ、注文番号および受取期限をクリアすると共に当該納品庫41のステータス情報を空き状態に設定して本処理を終了する。
【0055】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のストッカ40が本開示のストッカに相当し、物品検知センサ46が検知センサに相当し、第1納品庫41aが第1収容ボックスに相当し、第2納品庫41bが第2収容ボックスに相当する。
【0056】
以上説明したストッカ40では、第1納品庫41aでは、物品検知センサ46により物品が検知されている場合に扉44が解錠されるため、物品検知センサ46により検知されやすい物品の返却に用いることができる。一方、第2納品庫41bでは、物品検知センサ46によって物品が検知されているか否かに拘わらず扉44が解錠されるため、物品検知センサ46によって検知されにくい物品を返却するのに好適である。これにより、納品者19(回収者)は、返却物が返却されたか否かを判断しやすくなる。
【0057】
また、ストッカ40では、物品検知センサ46は、納品庫41内の一部の領域を検知範囲とするように設けられている。このような物品検知センサ46では、検知範囲外に物品(返却物)が載置された場合には、当該物品は検知されない。したがって、返却物の回収が要求されると、物品検知センサ46により物体が検知されているか否かに拘わらず扉44が解錠される第2納品庫41bが設けられることの意義が高い。
【0058】
また、ストッカ40は、返却物の回収が要求されると、複数の納品庫41のうちステータス情報が回収可能状態に設定されている納品庫41が解錠されるものであり、第1納品庫41aは、返却期限が経過する前に物品検知センサにより物体が検知されると、ステータス情報が回収可能状態に設定され、第2納品庫41bは、物品検知センサにより物体が検知されているか否かに拘わらず、返却期限が経過すると、ステータス情報が回収可能状態に設定される。これにより、第2納品庫41bでは、返却期限経過後には、納品者19(回収者)は、扉44を解錠して鍵Kの有無を確かめることができるため、鍵Kが返却されたか否かをより判断しやすくなる。
【0059】
また、ストッカ40において、第2納品庫41bは、返却期限が経過するまでは、受取者14(返却者)の認証を伴って受取または返却が要求されると、扉44が解錠され、返却期限が経過した後は、納品者19(回収者)の認証を伴って回収が要求されると、扉44が解錠される。これにより、比較的円滑に、物品を貸し出すことができると共に比較的容易に物品を回収することができる。
【0060】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0061】
上述した実施形態では、全ての納品庫41に物品検知センサ46が設けられていた。しかし、第2納品庫41bには、物品検知センサ46が設けられていなくてもよい。
【0062】
上述した実施形態では、制御部52は、納品者処理ルーチンのS130において納品庫41内に物品が存在している状態で扉44が閉鎖されたか否かにより納品が完了したか否かを判定した。しかし、上述した実施形態において、納品者処理ルーチンのS130において、物品の検知の有無に拘わらず扉44が閉鎖したか否かにより納品が完了したか否かを判定してもよい。
【0063】
上述した実施形態では、制御部52は、受取者・返却者処理ルーチンにおいて、対象納品庫41cである第2納品庫41bが解錠され、その扉44が開放された後、閉鎖されても(S225のNO)、ステータス情報を受取可能状態に維持したまま、扉44を施錠するものとした。しかし、制御部52は、第2納品庫41bが受取可能状態で1回でも解錠(開放)されると、返却期限を設定して返却可能状態に移行してもよい。この場合、ステータス情報更新処理ルーチンにおいて、制御部52は、S370で受取可能状態でないと判定すると、返却可能状態であるか否かを判定し、返却可能状態であれば、返却期限が経過したか否かを判定し、返却期限が経過していれば、ステータス情報を回収可能状態に設定する処理を追加すればよい。
【0064】
上述した実施形態では、ストッカ40は店舗20に設けられ、第2納品庫41bは、店舗20内あるいは店舗20に隣接して設けられた倉庫60の鍵Kの納品や返却に用いられるものとした。しかし、第2納品庫41bは、鍵K以外の納品や返却に用いられてもよい。例えば、第2納品庫41bは、集合住宅で用いられる共有品(掃除道具など)や、公園やキャンプ場などで用いられる貸し出し用具などの納品や返却に用いられるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、商品をストッカに配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 ストッカシステム、12 ネットワーク、13 ネットワーク、14 受取者、15 携帯端末、17 収容部材、18 収容部材、19 納品者、20 販売管理システム、21 店舗、22 販売管理装置、30 ストッカ管理装置、32 制御部、33 記憶部、34 ストッカ情報、38 通信部、40 ストッカ、41 納品庫、41a 第1納品庫、41b 第2納品庫、41c 対象納品庫、41d 更新対象納品庫、42 表示操作部、42b 第2納品庫、43 読取装置、44 扉、45 ロック機構、46 物品検知センサ、47 開閉センサ、50 制御装置、52 制御部、53 記憶部、54 納品庫情報、55 納品者情報、56 通信部、57 計時部、60 倉庫、K 鍵。