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特開2024-89070コンテンツを管理するためのシステム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089070
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】コンテンツを管理するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240626BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204200
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】石岡 伸晴
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 コンテンツの取引を促進する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係るサービス提供サーバ10は、通信ネットワーク20を介して通信可能に接続されたユーザ端末30を操作するユーザに対して、コンテンツが用いられる所定サービスを提供する。当該サーバ10は、コンテンツに関連付けられたNFTの取引情報をブロックチェーンプラットフォーム22から取得し、当該取引情報に基づいて、当該コンテンツの効果を決定するから、コンテンツの取引が当該コンテンツの効果に影響することを可能とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備えるシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、
ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するステップと、
前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定するステップと、を実行する、
システム。
【請求項2】
前記コンテンツの効果を決定するステップは、前記取引情報に基づいて前記コンテンツの現時点までの所有者の数を特定し、前記現時点までの所有者の数に基づいて、前記コンテンツの効果を決定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記コンテンツの効果を決定するステップは、前記現時点までの所有者の数が多いほど、前記ユーザにとって有利となるように、前記コンテンツの効果を決定することを含む、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記コンテンツの効果を決定するステップは、前記取引情報に基づいて前記コンテンツの現時点までの取引の数を特定し、前記現時点までの取引の数に基づいて、前記コンテンツの効果を決定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記コンテンツの効果を決定するステップは、前記現時点までの取引の数が多いほど、前記ユーザにとって有利となるように、前記コンテンツの効果を決定することを含む、
請求項4のシステム。
【請求項6】
前記コンテンツの効果を決定するステップは、最新の取引の前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項7】
前記取引情報は、取引を識別する取引識別情報であって、文字列を含む前記取引識別情報を含み、
前記コンテンツの効果を決定するステップは、前記取引識別情報に含まれる文字列に基づいて、前記コンテンツの効果を決定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項8】
前記コンテンツの効果を決定するステップは、前記取引識別情報に含まれる第1文字列に基づいて前記コンテンツの第1効果を決定すると共に、前記取引識別情報に含まれる第2文字列に基づいて前記コンテンツの第2効果を決定することを含む、
請求項7のシステム。
【請求項9】
前記コンテンツは、ブロックチェーンのプラットフォームにおいて管理される非代替性のトークンに関連付けられており、
前記取引情報は、前記ブロックチェーンのプラットフォームにおいて管理される前記トークンの取引情報である、
請求項1のシステム。
【請求項10】
前記コンテンツは、ゲームで用いられるコンテンツである、
請求項1のシステム。
【請求項11】
1又は複数のコンピュータによって実行される方法であって、
ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するステップと、
前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定するステップと、を備える、
方法。
【請求項12】
1又は複数のコンピュータに、
ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するステップと、
前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定するステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを管理するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オンラインゲーム等において、アイテム等のデジタルコンテンツのユーザ間での取引が行われている(例えば、下記特許文献1を参照)。例えば、ゲームアイテムの取引は、使用されていないアイテムの有効活用を促し、ユーザの満足度を向上させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-118103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の仕組みでは、コンテンツの有効活用が促進され得るが、コンテンツの取引に関する情報が十分に活用されているとは言えなかった。例えば、過去の取引がコンテンツに対して影響するような仕組みは、活発な取引を促進し得ると考えられる。
【0005】
本発明の実施形態は、コンテンツの取引を促進することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備えるシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するステップと、前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定するステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行される方法であって、ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するステップと、前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定するステップと、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、1又は複数のコンピュータに、ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するステップと、前記取引情報に基づいて、前記コンテンツの効果を決定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、コンテンツの取引を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るサービス提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
図2】ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
図3】コンテンツ管理テーブル153が管理する情報を例示する図。
図4】NFTキャラクタがプレイヤに対して付与される際に、サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
図5】第1進化型の特定の種類のキャラクタについて、進化に必要な所有者の数を例示する図。
図6】NFTキャラクタ獲得画面50を例示する図。
図7】第2進化型の特定の種類のキャラクタについて、進化段階と各種パラメータの基準値との対応関係を例示する図。
図8】NFTキャラクタのパラメータ補正の内容及び進化の有無を判断する方法を説明するための図。
図9】NFTポイントカードがユーザに対して付与される際に、サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
図10】NFTの所有者数と対応するNFTポイントカードに適用される割引率との対応関係を例示する図。
図11】NFTポイントカード画面60を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るサービス提供サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介して、ブロックチェーンのプラットフォームであるブロックチェーンプラットフォーム22、及び、ユーザ端末30と通信可能に接続されている。図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。サーバ10は、ユーザ端末30を操作するユーザに対して所定サービスを提供する。サービス提供サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
本実施形態において、サーバ10が提供する所定サービスは、電子的及び仮想的なコンテンツが用いられる様々なサービスを含み、これらに限定されないが、例えば、ゲーム、電子商取引、ポイントカード管理サービス、SNS、又は、様々なメディア(例えば、動画及び音楽等)の配信等を含む。
【0014】
また、本実施形態におけるコンテンツは、ブロックチェーンプラットフォーム22において管理される非代替性のトークン(Non-Fungible Token:NFT)に関連付けられている。こうしたトークンの取引に関する情報は、ブロックチェーンプラットフォーム22のブロックチェーン上に記録される。
【0015】
まず、サービス提供サーバ10のハードウェア構成について説明する。サービス提供サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0016】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0017】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0018】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0019】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、図1に示すように、所定サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル151と、所定サービスにおいて用いられるコンテンツに関する情報を管理するコンテンツ管理テーブル153とを有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、サービス提供サーバ10を、所定サービスを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介して、ユーザ端末30において実行されるように構成され得る。
【0020】
本実施形態において、サービス提供サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0021】
このように構成されたサービス提供サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、ユーザ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0022】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0023】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0024】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0025】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0026】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、本実施形態における所定サービス用の端末側アプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0027】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、又は、ゲーム専用端末等として構成され得る。
【0028】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされている端末側プログラム42を介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供する所定サービスを利用することができる。
【0029】
次に、このように構成されたサービス提供サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部111、及び、サービス提供制御部113として機能するように構成されている。
【0030】
管理機能制御部111は、サーバ10が提供する所定サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部111は、当該管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。管理機能制御部111によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザアカウントの管理等を含む。
【0031】
サービス提供制御部113は、本実施形態における所定サービスの提供を制御するための様々な処理を実行するように構成されている。例えば、サービス提供制御部113は、当該サービスを提供するための様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30で出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0032】
本実施形態において、サービス提供制御部113は、ユーザに関連付けられたコンテンツの1又は複数の取引の各々に関する取引情報を取得するように構成されている。本実施形態において、こうした取引情報は、コンテンツに関連付けられたNFTの取引情報として、ブロックチェーンプラットフォーム22において管理されており、サービス提供制御部113は、対応する取引情報を当該ブロックチェーンプラットフォーム22から取得する。
【0033】
また、サービス提供制御部113は、取得した取引情報に基づいて、コンテンツの効果を決定するように構成されている。コンテンツの効果は、例えば、当該コンテンツが有する1又は複数のパラメータとして実装され、サービス提供制御部113は、取引情報に基づいて、これらのパラメータの値を決定する。
【0034】
このように、本実施形態におけるサービス提供サーバ10は、コンテンツに関連付けられたNFTの取引情報をブロックチェーンプラットフォーム22から取得し、当該取引情報に基づいて、当該コンテンツの効果を決定するから、コンテンツの取引が当該コンテンツの効果に影響することを可能とする。つまり、サーバ10は、コンテンツの取引を促進する。
【0035】
本実施形態において、取引情報に基づくコンテンツの効果の決定は、様々な態様及び方法で実現され得る。例えば、サービス提供制御部113は、取得した取引情報に基づいて、対応するコンテンツの現時点までの所有者の数を特定し、当該所有者の数に基づいて、コンテンツの効果を決定するように構成され得る。この場合、例えば、現時点までの所有者の数が多いほど、ユーザにとって有利となるように、コンテンツの効果が決定される。こうした構成は、現時点までの所有者の数に基づいてコンテンツの効果が決定されるから、コンテンツの取引(所有者の変更)が促進される。
【0036】
また、例えば、サービス提供制御部113は、取得した取引情報に基づいて、対応するコンテンツの現時点までの取引の数を特定し、当該取引の数に基づいて、コンテンツの効果を決定するように構成され得る。この場合、例えば、現時点までの取引の数が多いほど、ユーザにとって有利となるように、コンテンツの効果が決定される。こうした構成は、現時点までの取引の数に基づいてコンテンツの効果が決定されるから、コンテンツの取引が促進される。
【0037】
また、サービス提供制御部113は、コンテンツの1又は複数の取引のうち、最新の取引の取引情報に基づいて、当該コンテンツの効果を決定するように構成され得る。例えば、サービス提供制御部113は、コンテンツの取引の発生に応じて、当該取引の取引情報に基づいて、当該コンテンツの効果を決定する。こうした構成は、直近の取引情報に基づくコンテンツの効果の決定を可能とする。
【0038】
本実施形態において、取引情報は、取引を識別する取引識別情報を含み、サービス提供制御部113は、当該取引識別情報に含まれる文字列に基づいて、コンテンツの効果を決定するように構成され得る。例えば、サービス提供制御部113は、複数の取引にそれぞれ対応する複数の取引識別情報の各々に含まれる文字列に基づいてコンテンツの効果を決定し、又は、これらの複数の取引識別情報のうちの1の取引識別情報(例えば、最新の取引の取引識別情報等)に含まれる文字列に基づいてコンテンツの効果を決定する。取引識別情報は、例えば、ブロックチェーン上に記録されるトランザクションハッシュ(トランザクションID)である。こうした構成は、取引識別情報に含まれる文字列に基づいてコンテンツの効果を決定することを可能とする。
【0039】
この場合、1の取引識別情報に含まれる複数の文字列に基づいて、コンテンツの複数の効果がそれぞれ決定されるようにしてもよい。つまり、サービス提供制御部113は、取引識別情報に含まれる第1文字列に基づいてコンテンツの第1効果を決定すると共に、当該取引識別情報に含まれる第2文字列に基づいて当該コンテンツの第2効果を決定するように構成され得る。こうした構成は、取引識別情報に含まれる複数の文字列に基づいてコンテンツの複数の効果をそれぞれ決定することを可能とする。
【0040】
本実施形態において、コンテンツは、所定サービスにおいて用いられる様々な種類の電子的及び仮想的なコンテンツを含み、これに限定されないが、例えば、ゲームにおいて用いられるゲームコンテンツ(例えば、アイテム、カード、及び、キャラクタ等を含む。)を含む。こうした構成は、ゲームコンテンツの取引を促進する。
【0041】
次に、このような機能を有する本実施形態のサービス提供サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例において、サービス提供サーバ10は、所定サービスとして、プレイヤキャラクタが用いられるゲームを提供する。こうしたゲームは、これらに限定されないが、RPG、アクションゲーム、パズルゲーム、及び、カードゲーム等を含む。
【0042】
まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。図2は、この例において、ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ情報テーブル151は、ゲームのプレイヤに関する情報を管理し、図示するように、個別のプレイヤを識別する「プレイヤアカウント」に対応付けて、ニックネーム、及び、生年月日等を含む「基本情報」、「イーサリアムアドレス」等の情報を管理する。
【0043】
この例では、ブロックチェーンプラットフォーム22は、イーサリアムであり、イーサリアムアドレスは、当該イーサリアム上で用いられるアドレスである。この例では、プレイヤキャラクタとして利用可能なキャラクタとして、NFTが関連付けられたNFTキャラクタが提供されており、当該NFTは、イーサリアムにおいて、その所有者のイーサリアムアドレスに関連付けられている。
【0044】
図3は、この例において、コンテンツ管理テーブル153が管理する情報を例示する。この例におけるコンテンツ管理テーブル153は、プレイヤキャラクタとして利用可能なNFTキャラクタに関する情報を管理し、図示するように、個別のNFTキャラクタを識別する「トークンID」に対応付けて、キャラクタの種類を示す「キャラクタ種別」、保有するプレイヤを識別する「保有プレイヤアカウント」、キャラクタの進化段階を示す「進化段階」、キャラクタが有する各種パラメータの補正に関する情報である「各種パラメータ補正情報」等の情報を管理する。
【0045】
トークンIDは、NFTキャラクタに関連付けられているNFTをイーサリアムにおいて識別するためのIDであって、当該NFTの発行に応じて付与される。つまり、この例では、NFTを識別するためのトークンIDが、対応するNFTキャラクタを識別するための情報として使用される。なお、トークンIDに加えて、NFTキャラクタをゲーム内で識別するための専用のIDを発行するようにしてもよい。
【0046】
この例において、コンテンツ管理テーブル153において管理されるNFTキャラクタは、ゲームの運営者によって予め設定される。各NFTキャラクタに関連付けられるNFTは、サーバ10又は他のサーバによって予め発行されており、具体的には、ゲームの運営者のイーサリアムアドレスが所有するNFTとして発行されている。詳しくは後述するが、その後、NFTキャラクタがプレイヤに対して付与されると、コンテンツ管理テーブル153の保有プレイヤアカウントは、対応するプレイヤを識別するプレイヤアカウントによって更新される。
【0047】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、サービス提供サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において出力される画面等について説明する。
【0048】
この例において、NFTキャラクタは、様々なタイミングでプレイヤに対して付与され、例えば、抽選(ガチャ)を介して、各種の報酬として、及び、プレイヤによる購入に応じて、プレイヤに対して付与される。プレイヤがNFTキャラクタを購入する場合、ゲームの運営者によって提供されるキャラクタを販売する一次流通市場からの購入に加えて、他のプレイヤによって出品されるキャラクタを販売する二次流通市場からの購入も可能である。NFTキャラクタの付与の際には、対応するNFTの取引情報に基づいて、キャラクタの進化及びパラメータ補正が行われる。詳しくは後述するが、この例では、キャラクタの進化の方法が相互に異なる第1及び第2進化型のキャラクタが存在する。
【0049】
図4は、この例において、NFTキャラクタがプレイヤに対して付与される際に、サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、対象のNFTキャラクタの保有者を変更する(ステップS100)。具体的には、コンテンツ管理テーブル153において、対応するNFTキャラクタの保有プレイヤアカウントに対して、当該NFTキャラクタが付与されるプレイヤを識別するプレイヤアカウントが設定される。
【0050】
続いて、サーバ10は、対応するNFTの所有者を変更する(ステップS110)。具体的には、サービス提供サーバ10によって、対応するNFTの所有者(イーサリアムアドレス)を、対応するプレイヤに変更するための取引が、ブロックチェーンプラットフォーム22(イーサリアム)のブロックチェーン上に記録される。こうした取引の記録は、対応するスマートコントラクトを介して行われる。
【0051】
次に、サーバ10は、対応するNFTの取引履歴を取得する(ステップS120)。具体的には、ブロックチェーンプラットフォーム22から、対応するNFTの取引履歴(1又は複数の取引情報)が取得される。
【0052】
そして、付与されたNFTキャラクタの種類が第1進化型のキャラクタである場合(ステップS130においてYES)、サーバ10は、さらに、対応するNFTのこれまでの所有者の数が閾値である場合に(ステップS140においてYES)、NFTキャラクタを進化させる(ステップS150)。これまでの所有者の数は、NFTの取引履歴に基づいて特定される。また、この例では、所有者の数が増加するに従って、NFTキャラクタが進化するように構成されている。
【0053】
図5は、第1進化型の特定の種類のキャラクタについて、進化に必要な所有者の数を例示する。なお、この例では、キャラクタの種類によって、進化に必要な所有者の数が異なっている。図示するように、この種類のキャラクタは、初期状態では、卵の外観を有する進化段階(1)であり、これまでの所有者数が3人になると、幼虫の外観を有する進化段階(2)へと進化し、当該所有者数が5人になると、竜の外観を有する進化段階(3)へと進化する。キャラクタは、進化段階が上がるほど、HP、攻撃力、及び、防御力等のパラメータの基準値が増加し、プレイヤにとって有利となる。
【0054】
例えば、抽選を介して、各種の報酬として、及び、一次流通市場からの購入に応じてNFTキャラクタがプレイヤに対して付与された場合、これまでの所有者の数は2人(ゲームの運営者、及び、対応するプレイヤ)であり、図5に例示される種類のキャラクタの進化段階は、(1)のままである。その後、このNFTキャラクタの二次流通市場での販売が行われ、所有者の数が3人に到達すると、当該キャラクタは、進化段階(2)へと進化する。
【0055】
図6は、NFTキャラクタの付与に応じてユーザ端末30において出力される、NFTキャラクタ獲得画面50を例示する。当該画面50は、図示するように、対応するプレイヤがNFTキャラクタの何人目の保有者であることを示す情報(図6の例では、4人目)を表示する。この例では、NFTキャラクタの保有者は、ゲームの運営者は考慮されず、例えば、対応するNFTの所有者数が5人である場合、NFTキャラクタの保有者数は4人となる。また、NFTキャラクタ獲得画面50は、図示するように、今回の取引(二次流通市場からの購入)によってNFTキャラクタが進化する場合には、その旨を示す情報を表示する。
【0056】
NFTキャラクタが進化すると、コンテンツ管理テーブル153において、対応するNFTキャラクタの進化段階が更新(1加算)される。このように、第1進化型のNFTキャラクタは、対応するNFTのこれまでの所有者の数に基づいて進化する。
【0057】
図4のフローチャートに戻り、一方、付与されたNFTキャラクタの種類が第2進化型である場合(ステップS130においてNO)、サーバ10は、今回のNFTの取引のトランザクションハッシュに基づいて、NFTキャラクタのパラメータ補正及び進化を行う(ステップS160)。
【0058】
図7は、第2進化型の特定の種類のキャラクタについて、進化段階と各種パラメータ(HP、攻撃力(ATK)、及び、防御力(DEF))の基準値との対応関係を例示する。図示するように、キャラクタは、進化段階が上がるほど、各種パラメータの基準値が増加する。
【0059】
この例では、NFTの取引を識別するトランザクションハッシュに含まれる文字列に基づいて、パラメータ補正の内容及び進化の有無が判断される。図8は、NFTキャラクタのパラメータ補正の内容及び進化の有無を判断する方法を説明するための図である。トランザクションハッシュは、64桁の16進数の文字列として構成されており、この例では、図示するように、左から1~12桁目の範囲P1に含まれる文字列に基づいて、NFTキャラクタのHPの補正値が算出され、左から17~28桁目の範囲P2に含まれる文字列に基づいて、NFTキャラクタの攻撃力(ATK)の補正値が算出され、左から33~44桁目の範囲P3に含まれる文字列に基づいて、NFTキャラクタの防御力(DEF)の補正値が算出される。こうした補正値の算出は、様々な計算式を適用して行うことができる。また、算出される補正値は、対応するパラメータの増減の幅(例えば、+10、又は、-5等)であり、コンテンツ管理テーブル153において、対応するNFTキャラクタの各種パラメータ補正情報に反映される。各種パラメータの補正値は、NFTキャラクタの各種パラメータを基準値から増減させる。
【0060】
また、この例では、図示するように、トランザクションハッシュの右から1~2桁目の範囲P4の文字列に基づいて、NFTキャラクタの進化の有無が判断される。具体的には、この2桁の16進数の文字列を10進数に変換した数値が100以上である場合に「進化する」と判断され、当該変換した数値が100未満である場合に「進化しない」と判断される。進化すると判断されると、コンテンツ管理テーブル153において、対応するNFTキャラクタの進化段階が更新(1加算)される。このように、第2進化型のNFTキャラクタは、対応するNFTの最新の取引におけるトランザクションハッシュに含まれる文字列に基づいて、パラメータ補正の内容及び進化の有無が判断される。なお、対応するNFTの過去の複数の取引の各々のトランザクションハッシュに基づいて、パラメータ補正の内容及び進化の有無が判断されるようにしてもよい。
【0061】
上述した例では、対応するNFTのこれまでの所有者の数に基づいて、第1進化型のNFTキャラクタの進化の有無が判断されるようにしたが、所有者の数は、取引情報の一例であって、本実施形態の他の例では、それ以外の取引情報(例えば、取引の数等)に基づいて、NFTキャラクタの進化の有無が判断される。
【0062】
上述した例では、トランザクションハッシュに基づいて、第2進化型のNFTキャラクタのパラメータ補正の内容及び進化の有無が判断されるようにしたが、トランザクションハッシュは、取引情報の一例であって、本実施形態の他の例では、それ以外の取引情報(例えば、タイムスタンプ等)に基づいて、NFTキャラクタのパラメータ補正の内容及び進化の有無が判断される。
【0063】
上述した例では、対応するNFTの取引情報に基づいて、NFTキャラクタのパラメータ補正及び進化が行われるようにしたが、パラメータ補正及び進化は、NFTキャラクタに対する効果の一例であって、本実施形態の他の例では、これら以外の様々な効果が、対応する取引情報に基づいて決定される。
【0064】
上述した例では、コンテンツとしてゲームで用いられるNFTキャラクタを例示したが、本実施形態の他の例では、ゲームで用いられる他のコンテンツ(アイテム等)、又は、他のサービスで用いられる様々なコンテンツが適用される。
【0065】
例えば、本実施形態の他の例では、ポイントカード管理サービスにおけるポイントカードが、NFTに関連付けられたNFTコンテンツとして適用される。図9は、この例において、NFTポイントカードがユーザに対して付与される際に、サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、図4に例示した、NFTキャラクタを付与する際に実行される処理と同様に、対象のNFTポイントカードの保有者を変更し(ステップS200)、対応するNFTの所有者を変更し(ステップS210)、及び、対応するNFTの取引履歴を取得する(ステップS220)。
【0066】
そして、サーバ10は、対応するNFTのこれまでの所有者の数に基づいて、NFTポイントカードに適用される割引率を設定する(ステップS230)。図10は、この例において、これまでのNFTの所有者数と、NFTポイントカードに適用される割引率との対応関係を例示する。図示するように、この例では、これまでのNFTの所有者数が2人以下である場合、割引率は10%であり、当該所有者数が3~5人である場合、割引率は20%であり、所有者数が6人以上である場合、割引率は30%である。NFTポイントカードに対して設定された割引率は、例えば、コンテンツ管理テーブル153において管理される。
【0067】
図11は、NFTポイントカードを使用する際に、ユーザによる指示に応じてユーザ端末30において出力されるNFTポイントカード画面60を例示する。当該画面60は、図示するように、ユーザがNFTポイントカードの何人目の保有者であるかを示す情報(図11の例では、4人目)、及び、NFTポイントカードに適用されている割引率(図11の例では、20%)を表示する。また、当該画面60の右下隅には、二次元コード62が配置されており、当該コード62には、対応するNFTポイントカードを識別する情報(例えば、トークンID)が埋め込まれている。例えば、NFTポイントカードを利用可能な店舗のレジ端末としてのユーザ端末30を介して、当該コード62が読み取られると、対応するNFTポイントカードに設定されている割引率がサーバ10(例えば、コンテンツ管理テーブル153)から取得され、当該割引率が適用される。
【0068】
以上説明した本実施形態に係るサービス提供サーバ10は、コンテンツに関連付けられたNFTの取引情報(例えば、NFTキャラクタに対応するNFTの取引履歴)をブロックチェーンプラットフォーム22(例えば、イーサリアム)から取得し、当該取引情報に基づいて当該コンテンツの効果を決定する(例えば、パラメータ補正及び進化を行う)から、コンテンツの取引が当該コンテンツの効果に影響することを可能とする。つまり、サーバ10は、コンテンツの取引を促進する。
【0069】
本発明の他の実施形態において、コンテンツは、NFTとの関連付けが行われないようにしてもよい。この場合、コンテンツの取引情報は、ブロックチェーンプラットフォーム22に代えて、サービス提供サーバ10のストレージ15等が有するテーブル等によって管理され、こうした取引情報に基づいて、コンテンツの効果が決定される。
【0070】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるサービス提供サーバ10が有する機能の一部又は全部は、サービス提供サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。つまり、本発明のシステムは、サービス提供サーバ10によって構成される他、サービス提供サーバ10及びユーザ端末30によって構成され、又は、ユーザ端末30によって構成され得る。
【0071】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0072】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0073】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 サービス提供サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 管理機能制御部
113 サービス提供制御部
15 ストレージ
151 ユーザ情報テーブル
153 コンテンツ管理テーブル
22 ブロックチェーンプラットフォーム
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
50 NFTキャラクタ獲得画面
60 NFTポイントカード画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11