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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089135
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】粉末消臭剤
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/014 20060101AFI20240626BHJP
   B01J 20/08 20060101ALI20240626BHJP
   B01J 20/18 20060101ALI20240626BHJP
   B01J 20/10 20060101ALI20240626BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20240626BHJP
   B01J 20/12 20060101ALI20240626BHJP
   C01F 7/021 20220101ALI20240626BHJP
   C01F 5/02 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
A61L9/014
B01J20/08 C
B01J20/18 E
B01J20/10 C
B01J20/20 D
B01J20/12 C
C01F7/021
C01F5/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204316
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】397016873
【氏名又は名称】井藤漢方製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泉谷 潤子
(72)【発明者】
【氏名】山下 敬三
【テーマコード(参考)】
4C180
4G066
4G076
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180BB02
4C180BB04
4C180BB05
4C180BB06
4C180BB07
4C180BB08
4C180BB09
4C180BB11
4C180BB12
4C180BB15
4C180CC04
4C180CC15
4C180EA14X
4C180EA22X
4C180EA23X
4C180EA24X
4C180EA25X
4C180EA26X
4C180EA27X
4C180EA29X
4C180EA30X
4C180EA33X
4C180EA34X
4C180EA35X
4C180EA36X
4C180EA37X
4C180EA39X
4C180EA40X
4C180EB05X
4C180EB06X
4C180EB15X
4C180EB21X
4C180MM03
4G066AA05D
4G066AA16B
4G066AA20B
4G066AA22D
4G066AA30D
4G066AA32B
4G066AA47B
4G066AA61D
4G066AA64D
4G066BA09
4G066BA36
4G066CA02
4G066CA29
4G066CA43
4G066CA56
4G066DA03
4G066DA20
4G066FA37
4G076AA02
4G076DA25
(57)【要約】
【課題】複合臭に対しても、消臭効果を十分に発揮することができる粉末消臭剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る粉末洗浄剤は、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、前記塩基性の吸着剤が、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、
前記塩基性の吸着剤が、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含む、粉末消臭剤。
【請求項2】
酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、
前記塩基性の吸着剤が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含む、粉末消臭剤。
【請求項3】
粉末消臭剤100重量%中、前記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が、3重量%以上20重量%以下である、請求項1に記載の粉末消臭剤。
【請求項4】
粉末消臭剤100重量%中、前記酸化マグネシウムと前記酸化アルミニウムとの合計の含有量が、3重量%以上20重量%以下である、請求項2に記載の粉末消臭剤。
【請求項5】
前記酸性の吸着剤が、ポリ塩化アルミニウム、又は硫酸アルミニウムカリウムを含む、請求項1又は2に記載の粉末消臭剤。
【請求項6】
前記塩基性の吸着剤が、金属を含むゼオライトをさらに含む、請求項1又は2に記載の粉末消臭剤。
【請求項7】
吸湿剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の粉末消臭剤。
【請求項8】
前記吸湿剤が、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、又は活性炭を含む、請求項7に記載の粉末消臭剤。
【請求項9】
靴用消臭剤である、請求項1又は2に記載の粉末消臭剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末消臭剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境を快適にするために、臭気に対する意識が高まっている。生活環境における臭気としては、例えば、汗臭、靴及び靴下の悪臭、加齢臭、たばこ臭、生ごみ臭、ペット臭、及び排泄臭等が挙げられる。
【0003】
日常生活における臭気対策として、スプレー状、又は液体状の消臭剤が用いられることがある。
【0004】
しかしながら、スプレー状、及び液体状の消臭剤では、時間が経過して乾燥状態になると消臭効果が消失するため、消臭効果が持続しないという課題がある。また、特に液体状の消臭剤では、消臭剤を大量に塗布した場合に塗布部位が湿ってしまい、塗布部位の素材を傷めてしまうことがある。
【0005】
そこで、消臭効果の持続性を高め、かつ、使用部位が濡れることを防ぐために、粉末状の消臭剤(粉末消臭剤)が用いられることがある。
【0006】
下記の特許文献1には、メントールと、消臭及び/又は抗菌作用のある柿タンニン及び酸化銀とを含有し、靴の内部に散布して使用される靴用消臭剤が開示されている。該靴用消臭剤は、粉末状(粒状)である。
【0007】
また、下記の特許文献2には、粉体で用いられる靴の消臭剤が開示されている。該靴の消臭剤は、チタニア粒子の表面に光触媒として不活性なセラミックスを島状に担持した光触媒粒子と、重炭酸ナトリウム粒子とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2018-175101号公報
【特許文献2】特開2019-162213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
生活環境における臭気の原因物質(臭気成分)としては、有機酸、アルデヒド類、アンモニア、アミン類、エステル類、硫黄系化合物、及びアルコール類等が挙げられる。一般に、酸性の臭気成分に対しては、塩基性の消臭成分を配合することにより、中和反応(化学吸着)を利用して消臭することができる。また、塩基性の臭気成分に対しては、酸性の消臭成分を配合することにより、中和反応(化学吸着)を利用して消臭することができる。
【0010】
しかしながら、生活環境における臭気は、単一臭(単一の臭気成分により発生する臭気)だけでなく、複合臭(複数の臭気成分により発生する臭気)である場合がある。臭気が複合臭である場合、特に、臭気が酸性の臭気成分と塩基性の臭気成分とを含む場合には、酸性の消臭成分と塩基性の消臭成分とを配合すると、消臭成分同士の中和反応が起こり、消臭効果を十分に発揮することが困難である。
【0011】
本発明の目的は、複合臭に対しても、消臭効果を十分に発揮することができる粉末消臭剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の広い局面によれば、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、前記塩基性の吸着剤が、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含む、粉末消臭剤が提供される。
【0013】
本発明の広い局面によれば、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、前記塩基性の吸着剤が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含む、粉末消臭剤が提供される。
【0014】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、粉末消臭剤100重量%中、前記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が、3重量%以上20重量%以下である。
【0015】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、粉末消臭剤100重量%中、前記酸化マグネシウムと前記酸化アルミニウムとの合計の含有量が、3重量%以上20重量%以下である。
【0016】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、前記酸性の吸着剤が、ポリ塩化アルミニウム、又は硫酸アルミニウムカリウムを含む。
【0017】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、前記塩基性の吸着剤が、金属を含むゼオライトをさらに含む。
【0018】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、粉末消臭剤が、吸湿剤をさらに含む。
【0019】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、前記吸湿剤が、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、又は活性炭を含む。
【0020】
本発明に係る粉末消臭剤のある特定の局面では、粉末消臭剤は、靴用消臭剤である。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る粉末消臭剤は、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、上記塩基性の吸着剤が、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含む。本発明に係る粉末消臭剤では、上記の構成が備えられているので、複合臭に対しても、消臭効果を十分に発揮することができる。
【0022】
本発明に係る粉末消臭剤は、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、上記塩基性の吸着剤が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含む。本発明に係る粉末消臭剤では、上記の構成が備えられているので、複合臭に対しても、消臭効果を十分に発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0024】
(粉末消臭剤)
本発明に係る粉末消臭剤は、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、上記塩基性の吸着剤が、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含む。また、本発明に係る粉末消臭剤は、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、上記塩基性の吸着剤が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含む。
【0025】
なお、本明細書において、「酸性の吸着剤」とは、吸着剤を25℃の水に混合して1重量%混合液を得たときに、該混合液が酸性(pH7未満)である吸着剤のことをいう。また、「塩基性の吸着剤」とは、吸着剤を25℃の水に混合して1重量%混合液を得たときに、該混合液が塩基性(pH7を超える)である吸着剤のことをいう。
【0026】
生活環境における臭気は、単一臭(単一の臭気成分により発生する臭気)だけでなく、複合臭(複数の臭気成分により発生する臭気)である場合がある。臭気が複合臭である場合、特に、臭気が酸性の臭気成分と塩基性の臭気成分とを含む場合に、酸性の消臭成分と、塩基性の消臭成分とを配合すると、消臭成分同士の中和反応が起こり、消臭効果を十分に発揮することが困難である。
【0027】
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の金属酸化物を用いることにより、上記の課題を解決することができることを見出した。
【0028】
本発明に係る粉末消臭剤では、マグネシウム・アルミニウム・酸化物(酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム)が用いられているので、酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とが、互いに中和反応を過度に起こさず、消臭効果を発揮することができる。本発明に係る粉末消臭剤では、上記の構成が備えられているので、単一臭だけでなく、複合臭に対しても、消臭効果を十分に発揮することができる。すなわち、本発明に係る粉末消臭剤では、単一臭及び複合臭に対して、消臭効果を十分に発揮することができる。また、本発明に係る粉末消臭剤では、酸性の臭気成分と塩基性の臭気成分との双方に対して、消臭効果を十分に発揮することができる。また、本発明に係る粉末消臭剤では、消臭効果の持続性を高め、かつ、使用部位が濡れることを防ぐことができる。
【0029】
汗臭、靴及び靴下の悪臭、加齢臭、及びたばこ臭等は、酸性の臭気成分と塩基性の臭気成分とを含む複合臭として知られている。上記酸性の臭気成分としては、イソ吉草酸、酢酸、硫化水素、ノルマル酪酸及びメチルメルカプタン等が挙げられる。上記塩基性の臭気成分としては、アンモニア、トリメチルアミン及びピリジン等が挙げられる。
【0030】
上記粉末消臭剤は、汗臭、靴及び靴下の悪臭、加齢臭、及びたばこ臭等の消臭に好適に用いられる。上記粉末消臭剤は、特に、靴及び靴下の悪臭の消臭に好適に用いられる。上記粉末消臭剤は、靴用消臭剤であることが好ましい。上記粉末消臭剤では、上記の構成が備えられているので、酸性の吸着剤と塩基性の吸着剤とが用いられているにもかかわらず、靴及び靴下の素材を傷めることなく、靴及び靴下の悪臭を消臭することができる。上記粉末消臭剤は、靴に振りかけて用いられることが好ましい。
【0031】
上記粉末消臭剤により消臭可能な素材(上記粉末消臭剤を使用可能な素材)としては、綿、ポリエステル、ナイロン、絹、毛、及び皮等が挙げられる。上記皮は、豚革であってもよく、牛革であってもよく、馬革であってもよく、合成皮革であってもよい。
【0032】
粉末消臭剤の流動性を高める観点からは、上記粉末消臭剤の粒子径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下である。
【0033】
上記粉末消臭剤の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、体積平均粒子径であることがより好ましい。上記粉末消臭剤の体積平均粒子径は、以下の方法で測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、乾式、及び体積濃度(測定部容積100%中の粒子容積)6%の条件で、粉末消臭剤20gについて体積平均粒子径(D50)を測定する。上記レーザー回折式粒度分布測定装置としては、ベックマンコールター社製「LS 13 320」等が挙げられる。
【0034】
以下、上記粉末消臭剤に含まれる各成分を説明する。
【0035】
(塩基性の吸着剤)
上記塩基性の吸着剤は、酸性の臭気成分を吸着可能な吸着剤である。上記塩基性の吸着剤は、化学吸着により酸性の臭気成分を良好に吸着することができる。上記塩基性の吸着剤は、塩基性の臭気成分を吸着可能な吸着剤であってもよい。上記塩基性の吸着剤は、物理吸着により塩基性の臭気成分を吸着してもよい。
【0036】
上記塩基性の吸着剤は、固体であることが好ましく、粉末状であることがより好ましい。なお、顆粒状は、粉末状に含まれることとする。
【0037】
酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高める観点からは、上記塩基性の吸着剤を25℃の水に混合して得られる1重量%混合液のpHは、好ましくは7.2以上、より好ましくは7.5以上、さらに好ましくは8.0以上、特に好ましくは9.0以上であり、好ましくは14.0以下、より好ましくは13.0以下、さらに好ましくは12.0以下、特に好ましくは11.5以下である。
【0038】
上記塩基性の吸着剤は、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含むか、又は、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含む。上記塩基性の吸着剤は、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含んでいてもよい。上記塩基性の吸着剤は、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含んでいてもよい。上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物は、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとの混合物である。酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとの混合物が、CAS番号11137-98-7における化学名又は一般名として、マグネシウム・アルミニウム・酸化物と呼ばれることがある。
【0039】
上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物において、酸化マグネシウムの含有量(重量%)の酸化アルミニウムの含有量(重量%)に対する重量比(MgO/Al)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である。上記重量比(MgO/Al)が上記下限以上及び上記上限以下であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。
【0040】
酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高める観点からは、上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の粒子径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。
【0041】
上記塩基性の吸着剤は、マグネシウム・アルミニウム・酸化物とは異なる塩基性の吸着剤(他の塩基性の吸着剤ともいう)をさらに含んでいてもよく、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムの双方と異なる塩基性の吸着剤(他の塩基性の吸着剤ともいう)をさらに含んでいてもよい。
【0042】
上記他の塩基性の吸着剤としては、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩、及びゼオライト等が挙げられる。上記他の塩基性の吸着剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0043】
上記アルミノケイ酸塩としては、アルミノケイ酸亜鉛、アルミノケイ酸銀、アルミノケイ酸ナトリウム、及びアルミノケイ酸銅等が挙げられる。
【0044】
上記ゼオライトは、アルミノケイ酸塩の結晶材料である。上記ゼオライトは、天然ゼオライトであってもよく、合成ゼオライトであってもよい。
【0045】
上記天然ゼオライトとしては、クリノプチロライト(斜プチロル沸石)、モルデナイト(モルデン沸石)、菱沸石、ナトロライト、ゴンナルダイト、エディングトナイト、アナルシム、リューサイト、ユガワラライト、ギスモンダイン、ポーリンジャイト、フィリップサイト、チャバザイト、エリオナイト、ホージャサイト、フェリエライト、ミューティナアイト、チェルニヒアイト、ヒューランダイト、スティルバイト、コウレサイト、ベリロケイ酸塩(ロギアナイト、シャンハライト等)、及びジンコケイ酸塩(ガウルタイト)等が挙げられる。
【0046】
上記合成ゼオライトとしては、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、フェリエライト、モルデナイト、オフレタイト、チャバザイト、MCM-22、ZSM-5、ZSM-11、及びSAPO-11等が挙げられる。なお、上記合成ゼオライトは、人工ゼオライトであってもよい。
【0047】
酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高める観点からは、上記ゼオライトは、金属を含むことが好ましい。上記ゼオライトが金属を含む場合に、上記金属は、イオンの形態で含まれていてもよい。金属を含むゼオライトは、金属イオンを含むゼオライトであってもよい。
【0048】
上記金属としては、亜鉛、錫、鉄、白金、パラジウム、チタン、銀、銅、マンガン、及びコバルト等が挙げられる。
【0049】
上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与したり、消臭効果をより一層効果的に高めたりする観点からは、上記ゼオライトは、銀又は亜鉛を含むことが好ましく、上記塩基性の吸着剤は、銀及び亜鉛を含むゼオライトを含むことがより好ましい。上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与したり、消臭効果をより一層効果的に高めたりする観点からは、上記塩基性の吸着剤は、銀又は亜鉛を含むゼオライトを含むことが好ましく、銀及び亜鉛を含むゼオライトを含むことがより好ましい。上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与する観点からは、上記ゼオライトは、銀を含むことが好ましく、上記塩基性の吸着剤は、銀を含むゼオライトを含むことが好ましい。消臭効果をより一層効果的に高める観点からは、上記ゼオライトは、亜鉛を含むことが好ましく、上記塩基性の吸着剤は、亜鉛を含むゼオライトを含むことが好ましい。
【0050】
酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高める観点からは、上記ゼオライトは、骨格構造中に陽イオンを含むことが好ましい。上記陽イオンとしては、水素イオン、アンモニウムイオン、アルキル置換のアンモニウムイオン、アリール又はアラルキル置換のアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、金属イオン、及びガリウムイオン等が挙げられる。上記陽イオンは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記ゼオライト中の上記陽イオンの含有量は、特に限定されない。
【0051】
上記アラルキル置換のアンモニウムイオンとしては、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0052】
上記アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、及びカリウムイオン等が挙げられる。
【0053】
上記アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びバリウムイオン等が挙げられる。
【0054】
上記金属イオンとしては、亜鉛イオン、錫イオン、鉄イオン、白金イオン、パラジウムイオン、チタンイオン、銀イオン、銅イオン、マンガンイオン、及びコバルトイオン等が挙げられる。
【0055】
消臭効果をより一層効果的に高める観点からは、上記陽イオンは、金属イオンを含むことが好ましい。消臭効果をより一層効果的に高める観点からは、上記塩基性の吸着剤は、金属イオンを含むゼオライトをさらに含むことが好ましい。上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与したり、消臭効果をより一層効果的に高めたりする観点からは、上記ゼオライトは、銀イオン又は亜鉛イオンを含むことが好ましく、上記塩基性の吸着剤は、銀イオン及び亜鉛イオンを含むゼオライトを含むことがより好ましい。上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与したり、消臭効果をより一層効果的に高めたりする観点からは、上記塩基性の吸着剤は、銀イオン又は亜鉛イオンを含むゼオライトを含むことが好ましく、銀イオン及び亜鉛イオンを含むゼオライトを含むことがより好ましい。上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与する観点からは、上記ゼオライトは、銀イオンを含むことが好ましく、上記塩基性の吸着剤は、銀イオンを含むゼオライトを含むことが好ましい。消臭効果をより一層効果的に高める観点からは、上記ゼオライトは、亜鉛イオンを含むことが好ましく、上記塩基性の吸着剤は、亜鉛イオンを含むゼオライトを含むことが好ましい。
【0056】
酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高める観点からは、上記塩基性の吸着剤は、アルミノケイ酸塩、又はゼオライトをさらに含むことが好ましい。上記粉末消臭剤に除菌抗菌効果を付与する観点からは、上記塩基性の吸着剤は、アルミノケイ酸銀、又は銀(銀イオンであってもよい)を含むゼオライトをさらに含むことが特に好ましい。
【0057】
上記粉末消臭剤は、ハイドロタルサイトを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。上記粉末消臭剤は、マグネシウム・アルミニウム・酸化物に代えて、ハイドロタルサイトを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。上記ハイドロタルサイトとしては、Mg4.5Al(OH)13(CO)・3.5HO、及びMgAl(OH)16(CO)・4HO等が挙げられる。上記粉末消臭剤は、Mg4.5Al(OH)13(CO)・3.5HOを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。上記粉末消臭剤は、MgAl(OH)16(CO)・4HOを含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
【0058】
酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果をより一層効果的に高める観点からは、上記他の塩基性の吸着剤の粒子径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下である。
【0059】
上記他の塩基性の吸着剤は、多孔質構造を有していてもよく、有していなくてもよい。臭気成分をより一層効果的に吸着する観点からは、上記他の塩基性の吸着剤は、多孔質構造を有することが好ましい。
【0060】
上記他の塩基性の吸着剤が多孔質構造を有する場合には、臭気成分をより一層効果的に吸着する観点からは、上記他の塩基性の吸着剤のBET比表面積は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは、300m/g以上、さらに好ましくは400m/g以上であり、好ましくは1000m/g以下、より好ましくは900m/g以下である。上記他の塩基性の吸着剤のBET比表面積は、ガス吸着容量測定装置を用いて、測定することができる。
【0061】
上記他の塩基性の吸着剤が多孔質構造を有する場合には、臭気成分をより一層効果的に吸着する観点からは、上記他の塩基性の吸着剤の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上、より好ましくは0.3ml/g以上であり、好ましくは1.5ml/g以下、より好ましくは1.0ml/g以下である。上記他の塩基性の吸着剤の細孔容積は、ガス吸着容量測定装置を用いて、測定することができる。
【0062】
上記粉末消臭剤100重量%中、上記塩基性の吸着剤の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。上記塩基性の吸着剤の含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記塩基性の吸着剤の含有量が上記上限以下であると、後述する他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。なお、塩基性の吸着剤の含有量は、マグネシウム・アルミニウム・酸化物と上記他の塩基性の吸着剤との合計の含有量、又は、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムと上記他の塩基性の吸着剤との合計の含有量である。上記粉末消臭剤が上記他の塩基性の吸着剤を含まない場合には、塩基性の吸着剤の含有量は、マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量、又は、酸化マグネシウムと酸化アルミニウムとの合計の含有量である。
【0063】
上記粉末消臭剤100重量%中、上記酸性の吸着剤と上記塩基性の吸着剤との合計の含有量は、好ましくは2重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下である。上記酸性の吸着剤と上記塩基性の吸着剤との合計の含有量が上記下限以上であると、複合臭の消臭効果を効果的に高めることができる。上記酸性の吸着剤と上記塩基性の吸着剤との合計の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0064】
上記酸性の吸着剤と上記塩基性の吸着剤との合計100重量%中、上記塩基性の吸着剤の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。上記塩基性の吸着剤の含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記塩基性の吸着剤の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0065】
粉末消臭剤100重量%中、上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは3.5重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは17重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下である。上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0066】
上記塩基性の吸着剤100重量%中、上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは100重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0067】
粉末消臭剤100重量%中、上記酸化マグネシウムと上記酸化アルミニウムとの合計の含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは3.5重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは17重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下である。上記酸化マグネシウムと上記酸化アルミニウムとの合計の含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記酸化マグネシウムと上記酸化アルミニウムとの合計の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0068】
上記塩基性の吸着剤100重量%中、上記酸化マグネシウムと上記酸化アルミニウムとの合計の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは100重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。上記酸化マグネシウムと上記酸化アルミニウムとの合計の含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記酸化マグネシウムと上記酸化アルミニウムとの合計の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0069】
上記塩基性の吸着剤100重量%中、上記金属(金属イオンであってもよい)を含むゼオライトの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。上記金属を含むゼオライトの含有量が上記下限以上であると、酸性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記金属を含むゼオライトの含有量が上記上限以下であると、粉末消臭剤の流動性を高めることができる。
【0070】
(酸性の吸着剤)
上記酸性の吸着剤は、塩基性の臭気成分を吸着可能な吸着剤である。上記酸性の吸着剤は、化学吸着により塩基性の臭気成分を良好に吸着することができる。上記酸性の吸着剤は、酸性の臭気成分を吸着可能な吸着剤であってもよい。上記酸性の吸着剤は、物理吸着により酸性の臭気成分を吸着してもよい。
【0071】
上記酸性の吸着剤は、固体であることが好ましく、粉末状であることがより好ましい。なお、顆粒状は、粉末状に含まれることとする。
【0072】
塩基性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高める観点からは、上記酸性の吸着剤を25℃の水に混合して得られる1重量%混合液のpHは、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2.0以上であり、好ましくは6.8以下、より好ましくは6.5以下、さらに好ましくは6.2以下、特に好ましくは5.9以下である。
【0073】
上記酸性の吸着剤としては、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸及び塩化アルミニウム等が挙げられる。上記酸性の吸着剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0074】
塩基性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果をより一層高める観点からは、上記酸性の吸着剤は、ポリ塩化アルミニウム、又は硫酸アルミニウムカリウムを含むことが好ましい。
【0075】
塩基性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果をより一層高める観点からは、上記酸性の吸着剤の粒子径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.5μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは90μm以下である。
【0076】
上記酸性の吸着剤は、多孔質構造を有していてもよく、有していなくてもよい。
【0077】
上記粉末消臭剤100重量%中、上記酸性の吸着剤の含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。上記酸性の吸着剤の含有量が上記下限以上であると、塩基性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記酸性の吸着剤の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0078】
上記塩基性の吸着剤と上記酸性の吸着剤との合計100重量%中、上記酸性の吸着剤の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。上記酸性の吸着剤の含有量が上記下限以上であると、塩基性の臭気成分をより一層効果的に吸着し、消臭効果を効果的に高めることができる。上記酸性の吸着剤の含有量が上記上限以下であると、他の成分の配合量を増やすことができ、他の成分の配合効果を高めることができる。
【0079】
(他の成分)
上記粉末消臭剤は、必要に応じて、例えば、吸湿剤、香料、流動改善剤、除菌抗菌剤、滑沢剤、結合剤、着色剤、キレート剤、pH調整剤、酵素、甘味料、発泡安定化剤、保存剤、防腐剤、増量剤、賦形剤、及び崩壊剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0080】
上記粉末消臭剤は、吸湿剤をさらに含むことが好ましい。上記粉末消臭剤が吸湿剤を含む場合には、靴や靴下に付着した汗を吸収し、蒸れを軽減し、菌の増殖を抑制することができる。これらの結果、臭気を低減し、消臭効果をより一層高めることができる。
【0081】
上記吸湿剤としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、及び活性炭等が挙げられる。上記吸湿剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0082】
消臭効果をより一層高める観点からは、上記吸湿剤は、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、又は活性炭を含むことが好ましく、シリカを含むことがより好ましい。
【0083】
上記吸湿剤は、酸性であってもよく、中性であってもよく、塩基性であってもよい。
【0084】
上記香料としては、メントール、サリチル酸、スペアミント、ペパーミント、及びハッカ油等が挙げられる。上記香料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0085】
上記流動改善剤としては、タルク、酸化亜鉛、ベントナイト、及びカオリン等が挙げられる。上記流動改善剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0086】
粉末消臭剤の流動性を高める観点からは、上記流動改善剤は、タルク、酸化亜鉛、ベントナイト、又はカオリンを含むことが好ましく、タルク、又は酸化亜鉛を含むことがより好ましい。
【0087】
上記粉末消臭剤は、除菌抗菌剤をさらに含むことが好ましい。上記粉末消臭剤が除菌抗菌剤を含む場合には、使用部位の除菌抗菌効果を高めることができ、消臭効果をより一層効果的に発揮することができる。
【0088】
上記除菌抗菌剤としては、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリニジウム、ポリリジン及び塩酸クロルヘキシジン等が挙げられる。上記除菌抗菌剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0089】
上記除菌抗菌剤は、上記銀を含むゼオライトであってもよい。
【0090】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0091】
以下の材料を用意した。
【0092】
酸性の吸着剤:
ポリ塩化アルミニウム(1重量%混合液のpH:4.0、大明化学工業社製「アルファインP」)
硫酸アルミニウムカリウム(1重量%混合液のpH:3.6、大明化学工業社製「ミョウバン」)
【0093】
塩基性の吸着剤:
マグネシウム・アルミニウム・酸化物(酸化マグネシウムと酸化アルミニウムとの混合物、1重量%混合液のpH:10.8、協和化学工業社製「KW-2100」)
亜鉛イオンを含むゼオライト(1重量%混合液のpH:9.0、シナネンゼオミック社製「ダッシュライトZH10N」)
亜鉛イオン及び銀イオンを含むゼオライト(1重量%混合液のpH:9.0、シナネンゼオミック社製「ゼオミックAJ-10N」)
【0094】
吸湿剤:
シリカ(富士シリシア化学社製「サイリシア732」)
【0095】
流動改善剤:
タルク(日本タルク社製「タルクMS」)
酸化亜鉛(堺化学工業社製「微細酸化亜鉛」)
【0096】
香料:
L-メントール(ユニオン社製「L-メントール加工品IT」)
【0097】
(実施例1~5及び比較例1~4)
下記の表1~2に示す成分を下記の表1~2に示す配合量で混合して、粉末消臭剤を得た。
【0098】
(評価)
(1)消臭効果
5Lのスマートバッグに、得られた粉末消臭剤0.5gを入れ、次いで100ppmに調整したアンモニアガス(塩基性の臭気成分)3Lを注入して、24時間後の残留濃度を、検知管により測定した。同様にして、30ppmに調整した酢酸ガス(酸性の臭気成分)3Lについても、24時間後の残留濃度を、検知管により測定した。また、三角フラスコ(500mL)に、得られた粉末消臭剤0.5gを入れ、次いでイソ吉草酸(酸性の臭気成分)の濃度が38ppmとなるように調整した水溶液5μlを注入して、24時間後の残留濃度を、ガスクロマトグラフにより測定した。粉末消臭剤を添加しなかった場合のアンモニア、酢酸、及びイソ吉草酸の各残留濃度を100%としたときの、アンモニア、酢酸、及びイソ吉草酸の残留濃度の割合(%)を求め、アンモニア、酢酸、及びイソ吉草酸に対する消臭効果を、以下の基準で判定した。
【0099】
[アンモニアに対する消臭効果の判定基準]
○○:残留濃度の割合(%)が、20%未満
○:残留濃度の割合(%)が、20%以上60%未満
×:残留濃度の割合(%)が、60%以上
【0100】
[酢酸に対する消臭効果の判定基準]
○○:残留濃度の割合(%)が、30%未満
○:残留濃度の割合(%)が、30%以上60%未満
×:残留濃度の割合(%)が、60%以上
【0101】
[イソ吉草酸に対する消臭効果の判定基準]
○○:残留濃度の割合(%)が、5%未満
○:残留濃度の割合(%)が、5%以上60%未満
×:残留濃度の割合(%)が、60%以上
【0102】
(2)抗菌効果
界面活性剤(Tween80)を0.05重量%で含み、菌濃度1.2×10CFU/mLに調整した黄色ブドウ球菌の菌液を用意した。ISO 20743:2013菌液吸収法に準拠して、綿布0.4gに得られた粉末消臭剤0.1gを添加し、その後菌液を0.2mL滴下して、37℃で18時間培養した。培養後、生理食塩水20mLを綿布に加えて洗浄し、綿布から菌を洗い出した後、生菌数を求めた。粉末消臭剤を添加しなかった綿布に菌液を滴下して培養したときの生菌数を基準として、抗菌活性値を測定した。黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果を、以下の基準で判定した。
【0103】
[抗菌効果の判定基準]
○○:抗菌活性値が2.2以上
○:抗菌活性値が1.5以上2.2未満
×:抗菌活性値が1.5未満
【0104】
(3)除菌効果
界面活性剤(Tween80)を0.05重量%で含み、菌濃度1.2×10CFU/mLに調整した黄色ブドウ球菌の菌液を用意した。ISO 20743:2013菌液吸収法に準拠して、綿布0.4gに得られた粉末消臭剤0.1gを添加し、その後菌液を0.2mL滴下して、37℃で18時間培養した。培養後、生理食塩水20mLを綿布に加えて洗浄し、綿布を取り出した後の洗い出し液について10倍希釈系列を作成し、希釈液各1mLを混釈平板培養法により37℃で18時間培養し、コロニー数を数えた。肺炎桿菌についても、同様の試験を行い、コロニー数を数えた。黄色ブドウ球菌及び肺炎桿菌に対する除菌効果を、以下の基準で判定した。
【0105】
[除菌効果の判定基準]
○○:コロニーが10個以下
○:コロニーが10個以上200個未満
×:コロニーが200個以上
【0106】
結果を下記の表1~2に示す。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、
前記酸性の吸着剤が、ポリ塩化アルミニウムを含み、
前記塩基性の吸着剤が、マグネシウム・アルミニウム・酸化物を含み、
前記塩基性の吸着剤が、亜鉛イオンを含むゼオライトをさらに含み、
前記酸性の吸着剤と前記塩基性の吸着剤との合計100重量%中、前記酸性の吸着剤の含有量が、10重量%以上80重量%以下である、粉末消臭剤。
【請求項2】
酸性の吸着剤と、塩基性の吸着剤とを含み、
前記酸性の吸着剤が、ポリ塩化アルミニウムを含み、
前記塩基性の吸着剤が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムとを含み、
前記塩基性の吸着剤が、亜鉛イオンを含むゼオライトをさらに含み、
前記酸性の吸着剤と前記塩基性の吸着剤との合計100重量%中、前記酸性の吸着剤の含有量が、10重量%以上80重量%以下である、粉末消臭剤。
【請求項3】
粉末消臭剤100重量%中、前記マグネシウム・アルミニウム・酸化物の含有量が、3重量%以上20重量%以下である、請求項1に記載の粉末消臭剤。
【請求項4】
粉末消臭剤100重量%中、前記酸化マグネシウムと前記酸化アルミニウムとの合計の含有量が、3重量%以上20重量%以下である、請求項2に記載の粉末消臭剤。
【請求項5】
吸湿剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の粉末消臭剤。
【請求項6】
前記吸湿剤が、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、又は活性炭を含む、請求項に記載の粉末消臭剤。
【請求項7】
靴用消臭剤である、請求項1又は2に記載の粉末消臭剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
(実施例1,3~5、参考例2及び比較例1~4)
下記の表1~2に示す成分を下記の表1~2に示す配合量で混合して、粉末消臭剤を得た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
【表1】