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特開2024-8915無はんだ電気コネクタを有する窓アセンブリの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008915
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】無はんだ電気コネクタを有する窓アセンブリの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/84 20060101AFI20240112BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20240112BHJP
   C03C 17/06 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H05B3/84
H05B3/20 326A
H05B3/20 327
C03C17/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023112011
(22)【出願日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】17/860296
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519196036
【氏名又は名称】エージーシー オートモーティヴ アメリカズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エー. イメソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル スミス
(72)【発明者】
【氏名】マリナ リン ギアハルト
(72)【発明者】
【氏名】ジャンピン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ディー.ペック
【テーマコード(参考)】
3K034
4G059
【Fターム(参考)】
3K034AA02
3K034AA06
3K034AA10
3K034AA16
3K034AA34
3K034BB05
3K034BB14
3K034BC14
3K034CA26
3K034FA33
3K034GA14
3K034JA01
3K034JA10
4G059AA01
4G059AC11
4G059DA01
4G059DB08
(57)【要約】
【課題】改良された無はんだ電気コネクタ及び無はんだコネクタを形成する方法を提供する。
【解決手段】 無はんだ電気コネクタを有する窓アセンブリを製造する方法は、湾曲した透明基板を形成するステップと、熱劣化温度を有する導電性インクを湾曲した透明基板の表面上に塗布するステップとを含む。この方法はさらに、導電性インクに隣接する湾曲した透明基板の表面上に、及びオプションで塗布した導電性インク上に接着剤を塗布するステップと、導電性インクの熱劣化温度より低い温度で接着剤を硬化させて、無はんだ電気コネクタを形成するステップとを含み、無はんだ電気コネクタは、塗布した導電性インクと電気的に接触している。
【選択図】図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無はんだ電気コネクタを有する窓アセンブリを製造する製造方法であって、当該製造方法は、
湾曲した透明基板を形成するステップと、
該湾曲した透明基板の表面上に導電性インクを塗布して、前記透明基板の表面に塗布した導電性インクを形成するステップであって、該塗布した導電性インクは熱劣化温度を有する、ステップと、
前記塗布した導電性インクに隣接する前記湾曲した透明基板の前記表面に接着剤を塗布するステップと、
前記塗布した導電性インクの前記熱劣化温度より低い温度で前記接着剤を硬化させて、前記塗布した導電性インクと電気的に接触する前記無はんだ電気コネクタを形成するステップと、を含む、
製造方法。
【請求項2】
前記接着剤を硬化させるステップは、該接着剤を、前記接着剤の熱硬化温度以上であるが、前記塗布した導電性インクの前記熱劣化温度より低い温度に加熱するステップを含む、及び/又は
前記接着剤を硬化させるステップは、該接着剤を、前記塗布した導電性インクの前記熱劣化温度より低い温度で光硬化するステップを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記接着剤は反応性接着剤であり、前記接着剤を硬化させるステップは、前記塗布した導電性インクの前記熱劣化温度より低い温度で行われる、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記接着剤は、前記塗布した導電性インク上に塗布される導電性接着剤であり、前記無はんだ電気コネクタは、前記導電性接着剤を介して前記塗布した導電性インクと電気的に接続する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記湾曲した透明基板の表面上に導電性インクを塗布するステップは、マスクを使用せずに前記湾曲した透明基板の表面上に前記導電性インクをデジタル的に塗布するステップを含む、及び/又は
前記透明基板の前記表面上に導電性インクを塗布するステップは、前記塗布した導電性インクを光硬化して前記透明基板の前記表面に硬化した導電性インクを形成するステップをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記塗布した導電性インクは、前記湾曲した透明基板の前記表面上で10マイクロメートル~1ミリメートルの線幅を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記透明基板が、内面及び反対側の外面を有する第1の透明基板と、内面及び反対側の外面を有する第2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板それぞれの前記内面に接触して配置されたポリマー中間層と、を含み、
前記湾曲した透明基板の表面上に導電性インクを塗布し硬化させて前記表面に導電性インクを形成するステップは、前記第1の透明基板の前記内面及び反対側の外面の一方又は両方に導電性インクを塗布して硬化させて、前記第1の透明基板の前記内面及び反対側の外面の一方又は両方に導電性インクを形成するステップを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記接着剤は接着テープを含み、前記接着剤を硬化させて前記無はんだ電気コネクタを形成するステップは、前記導電性インクの前記熱劣化温度より低い温度で前記湾曲した透明基板の前記表面に塗布された前記接着テープに圧力を加えて、前記無はんだ電気コネクタを形成するステップを含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記塗布した導電性インクと電気的に接続している電気接続部品を前記無はんだ電気コネクタに結合するステップをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
成形絶縁カバーと、該成形絶縁カバーに結合された付勢部材とを提供するステップであって、該付勢部材は第1の端部と反対側の第2の端部とを有する、ステップと、
前記付勢部材の前記第1の端部が前記塗布した導電性インクと電気的に接続され、前記付勢部材が前記成形絶縁カバーと前記塗布した導電性インクとの間で弾性的に圧縮された状態で、前記成形絶縁カバーを前記接着剤に結合するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
電気接続部品を前記付勢部材の前記第2の端部に結合するステップであって、前記電気接続部品が前記付勢部材を介して前記塗布した導電性インクと電気的に接続される、ステップをさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の製造方法に従って形成された窓アセンブリ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2022年7月8日に出願した米国特許出願第17/860,296号に対する優先権を主張するものであり、その米国出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して窓アセンブリに関し、より具体的には、電気的に絶縁された無はんだ電気コネクタを有する窓アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
車両用の窓アセンブリは、透明基板上に配置された1つ又は複数の導電性特徴を含むように機能化されることが多い。一般に、これらの導電性特徴は、大抵の場合銀を含む導電性インクを、大抵の場合ガラスで構成される透明基板上に堆積することによって形成されるプリント回路である。これらの導電性特徴には、例えば、アンテナ及び加熱素子が含まれ得る。これらの導電性特徴に電力を供給するには、典型的に、ワイヤハーネスが電気コネクタを介してこれらの導電性特徴に接続される。典型的な用途では、電気コネクタは、電気コネクタと導電性特徴との間に形成されるはんだ接合を介して、導電性特徴及びその下の透明基板に機械的及び電気的に接合される。
【0004】
典型的な導電性インクは、従来のはんだ付け用途に必要な温度に対して十分な耐熱性がなく、はんだ/インク界面で150℃~330℃のピーク温度を示す可能性がある。従って、従来のはんだ付け用途により、導電性インクと透明基板との間の接合界面が損なわれることが多い。
【0005】
さらに、セラミックフリットを含まず、その代わりに有機化合物を含む導電性インクは、典型的に、これらの透明基板に対する接着力がはるかに低く、こうして従来のはんだ付け用途をサポートできない。導電性インクの接合性能はプライマーによって改良できると考えられているが、導電性インクの有機的な性質及びフリットの欠如により、はんだ付けに耐えられる十分な接合性能を提供するのに十分な接着力を向上させるのは困難であることが示唆される。従って、改良された無はんだ電気コネクタ及び無はんだコネクタを形成する方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、無はんだ電気コネクタを有するガラスアセンブリを製造する方法を提供する。この方法は、湾曲したガラス基板を形成するステップを含む。この方法はまた、熱劣化温度(thermal degradation temperature)を有する導電性インクを湾曲したガラス基板の表面上に塗布して、ガラス基板の表面上に塗布した導電性インクを形成するステップを含む。この方法はまた、塗布した導電性インクに隣接する湾曲したガラス基板の表面上に接着剤を塗布するステップを含む。この方法はさらに、塗布した導電性インクの熱劣化温度より低い温度で接着剤を硬化させて、塗布した導電性インクと電気的に接触する無はんだ電気コネクタを形成するステップを含む。
【0007】
本明細書で提供する方法によって、導電性インクを損なうことなく、無はんだ電気コネクタを介して塗布した導電性インクの帯電を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の利点は、添付の図面と関連させて考慮するときに、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるので、容易に理解されよう。
図1】本開示に従って形成されたリアウィンドウアセンブリを含む車両の後方斜視図である。
図2】例示的な一実施形態による、単一のガラス板とこれに塗布した導電性インクとを含む、図1の線2-2に沿った切り取られた窓アセンブリの断面概略図である。
図3】別の例示的な実施形態による、単一のガラス板とこれに塗布した導電性インクとを含む、図1の線3-3に沿って切り取られた窓アセンブリの断面概略図である。
図4】別の例示的な実施形態による、導電性インクが塗布された合わせ窓アセンブリを含む、図1の線4-4に沿って切り取られた窓アセンブリの断面概略図である。
図5】別の例示的な実施形態による、導電性インクが塗布された合わせ窓アセンブリを含む、図1の線5-5に沿って切り取られた窓アセンブリの断面概略図である。
図6】別の例示的な実施形態による、導電性インクが塗布された合わせ窓アセンブリを含む、図1の線6-6に沿って切り取られた窓アセンブリの断面概略図である。
図7】別の例示的な実施形態による、導電性インクが塗布された合わせ窓アセンブリを含む、図1の線7-7に沿って切り取られた窓アセンブリの断面概略図である。
図8】例示的な実施形態による、導電性インクが塗布され、導電性インクに電気的に接続された無はんだ電気コネクタをさらに含む図3の窓アセンブリの一部の斜視図である。
図9】別の例示的な実施形態による、外側透明基板及び中間層が波形になっていて、導電性インクが塗布された内側透明基板の内向き面が露出している図4の合わせ窓アセンブリの一部の分解図である。
図10図9の組立図である。
図11】別の例示的な実施形態による、内側透明基板の反対側の導電性インクに電気的に接続された無はんだ電気コネクタをさらに含む、図10の合わせ窓アセンブリの斜視図である。
図12】別の例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタの底面斜視図である。
図13図12の上面斜視図である。
図14図12の無はんだ電気コネクタの一構成による正面図である。
図15図12の無はんだ電気コネクタの別の構成による部分正面図である。
図16】無はんだ電気コネクタの例示的な一実施形態による、図14の線14-14に沿って切り取られた断面概略図である。
図17】導電性インクが塗布され、さらにそれぞれの電気接続部品及び導電性インクに電気的に接続される図12図14の無はんだ電気コネクタを含む図3の窓アセンブリの一部の斜視図である。
図18】それぞれの電気接続部品と、内側透明基板の内面に塗布した導電性インクとに電気的に接続される図12図14の無はんだ電気コネクタをさらに含む、図9の透明合わせ窓アセンブリの一部の斜視図である。
図19】それぞれの電気接続部品と、内側透明基板の内面に塗布した導電性インクとに電気的に接続される無はんだ電気コネクタをさらに含む、図5の合わせ窓アセンブリの一部の概略断面図である。
図20】例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタを有するガラスアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図21】関連する別の例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタを有するガラスアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図22】関連するさらに別の例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタを有するガラスアセンブリを製造する方法を示すフローチャートである。
図23】関連するさらに別の例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタを有するガラスアセンブリの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照すると、様々な図において同様の又は同一の構成要素を識別するために同様の参照符号が使用される。図1は、透明基板18上に形成された導電性特徴16を有する窓アセンブリ10を概略的に示す。必須ではないが、窓アセンブリ10は、車両20等の自動車関連で使用することができ、導電性特徴16は、透明基板18の一部に沿って電気経路を提供するように機能することができる。当然のことながら、窓アセンブリ10は自動車関連以外でも使用できることを理解されたい。
【0010】
本明細書で規定する場合に、「透明」という用語は、基板に関して使用される場合に、「実質的に透明」とも呼ばれ、予め規定した可視光範囲の70%以上の光がその基板を通過するのを可能にする透過率を有する材料を指す。特に指示がない限り、予め規定した可視光範囲は、人間の目で見ることができる電磁スペクトルのセグメントである。より簡潔に言うと、この波長範囲は可視光と呼ばれる。典型的に、人間の目は380~780ナノメートルの波長を検出できるため、本明細書で規定する予め規定した可視光範囲は、特に指示がない限り、380~780ナノメートルの光の波長を指す。
【0011】
導電性特徴16は、以下の様々な例示的な実施形態で説明するように、透明基板18の1つ又は複数の表面に塗布される導電性インク52(例えば、図2図3を参照)又は導電性インク104(例えば、図4図7を参照)によって規定される。導電性特徴16は、1つ又は複数のバスバー(bus bars)、アンテナ、又は加熱素子を規定することができる。さらに、導電性特徴16は、導電性特徴16内に一体化されるか、又は導電性特徴16に直接結合される1つ又は複数の電気部品22とともに使用され得る。例えば、1つ又は複数の電気部品22は、透明基板18の一部を局所的に加熱及び霜取りするように動作する回路抵抗ヒータを含み得る。さらに又は代わりに、1つ又は複数の電気部品22は、1つ又は複数のアンテナ、LEDライト、カメラモジュール、又は他のそのような電気装置を含み得る。様々な実施形態においてワイヤハーネス14として示される電気接続部品14は、別個の電源から導電性特徴16及び関連する1つ又は複数の電気部品22に電力を伝達できることを理解されたい。これ以降、提供される場合に、電気接続部品14及びワイヤハーネス14という用語は、互換的に使用され得る。
【0012】
特定の実施形態では、導電性特徴16はまた、基板18の外層に接合されるか、又は基板18の外層として一体的に形成される1つ又は複数の導電体24又はワイヤを含み得る。1つ又は複数の導電体24は、例えば、銀の導電層を含んでもよい。他の実施形態では、導電体24は、銀に加えて、又は銀の代わりに、他の導電性金属で作製してもよい。導電体24は、フィルム、コーティングであってもよく、及び/又は導電体24が、導電性であり、そのような導電体に関して当技術分野で知られている機能を果たす限り、他の形態であってもよい。導電体24は、多孔質及び/又は非多孔質であってもよい。様々な実施形態において、導電体24は多孔質銀フィルムである。特定の実施形態では、導電体24は、電気部品22及び/又は導電性特徴16の電気的延長部である。他の実施形態では、導電体24は、基板18に個別に適用され、電気部品22及び/又は導電性特徴16と電気的に結合される。
【0013】
代替実施形態では、窓アセンブリ10はまた、本明細書に示されるワイヤハーネス14等の電気接続部品14を導電性特徴16と機械的且つ電気的に結合又は接続する無はんだ電気コネクタ12(図8及び図11を参照)又は300(図15及び図16を参照)を有する。
【0014】
図2及び図3に示されるような特定の実施形態では、透明基板18は、外向き面50A(「P1面」とも呼ばれる)及び反対側の内向き面50B(「P2面」とも呼ばれる)を含むガラス板50(ここでは単一のガラス板50として示される)を含むことができる。換言すれば、ガラス基板50は、第1及び第2の対向面50A及び50Bを含む。内向き面50Bは、車両20の開口部25に設置されるときに、車両20の乗員区画27とも呼ばれる車両20の内部領域27に隣接して位置付けされる一方、外向き面50Aは、車両20の外部29に向けて位置付けされる。
【0015】
湾曲した透明基板18を形成する一例では、湾曲した透明基板18は、最初に平坦なガラスシートとして形成される。平坦なガラスシートは、フロートプロセスを含むがこれに限定されない任意の適切な平板ガラス製造プロセスを使用して製造することができる。平坦なガラスシートは、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウ素-アルミノケイ酸ガラス等を含むがこれらに限定されない任意の適切なガラス組成物から構成され得る。平坦なガラスシートを形成した後に、平坦なガラスシートを曲げて、湾曲した透明基板18を形成する。平坦なガラスシートは、プレス曲げ、重力曲げ(すなわち、垂れ曲げ(sag bending)、ロール形成、又は冷間曲げを含むがこれらに限定されない任意の適切なガラス曲げプロセスを使用して曲げることができる。平坦なガラスシートは、所望の用途に適した任意の形状に曲げることができる。
【0016】
他の例では、湾曲した透明基板18は、平坦なガラスシートを製造してその後曲げるのとは対照的に、最初に湾曲した基板として形成される。湾曲した透明基板は、ガラスブロー成形を含むがこれに限定されない任意の適切な湾曲ガラス製造プロセスを使用して製造することができる。上述の平坦なガラスシートと同様に、湾曲した透明基板18が最初に形成されるこの例では、湾曲した透明基板18は、ソーダ石灰ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウ素-アルミノケイ酸ガラス等を含むがこれらに限定されない任意の適切なガラス組成物から構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、透明基板18は、依然として上述したように透明基板18を「透明」又は「実質的に透明」として維持しながら、例えば、様々なレベルの色合い又は着色を提供するために透明基板18の透過率を変更するための様々な添加剤を含むことができる。
【0018】
他の実施形態では、透明基板18は、代替的に、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、又はポリビニルブチラール等の透明高分子材料から完全に作製された単一の高分子基板であってもよい。
【0019】
さらに別の実施形態では、図4図7に示されるように、透明基板18は、単一のガラス板50又は単一の高分子基板の形態であるのとは対照的に、内側透明基板106と、外側透明基板100と、内側透明基板106と外側透明基板100との間に配置された中間層102とを含む合わせ窓(laminated window)アセンブリの形態である。特定の実施形態では、中間層102は内側透明基板106及び外側透明基板100を接合し、合わせ窓アセンブリ90が衝撃又は破損を受ける際に内側透明基板106及び外側透明基板100の一部を保持できるようにする。内側透明基板106は、車両20の開口部25に設置されるときに、車両20の乗員区画27とも呼ばれる内部領域27に隣接して位置付けされる一方、外側透明基板100は、車両20の外部29に向けて位置付けされる。
【0020】
これらの実施形態では、内側透明基板106は、対向する外向き面106A及び内向き面106B(すなわち、第1及び第2の対向面106A及び106B)を含み、外側透明基板100は、対向する外向き面100A及び内向き面100B(すなわち、第1及び第2の対向面100A及び100B)を含む。同様に、中間層102は、対向する外向き面102A及び内向き面102B(すなわち、第1及び第2の対向面102A及び102B)を含む。本明細書で説明するように、外向き面100AはP1と呼ばれることがある一方、内向き面100BはP2と呼ばれることがある。同様に、内向き面106AはP3と呼ばれることがある一方、外向き面106BはP4と呼ばれることがある。
【0021】
特定の実施形態では、内側透明基板106及び外側透明基板100のそれぞれは、透明基板18に関して上述したのと同じ材料(例えば、単一のガラス板又は単一の高分子基板)から形成される。内側透明基板106及び外側透明基板100は、同じ材料又は異なる材料で構成してもよい。特定の実施形態では、例えば、内側透明基板106及び外側透明基板100は、実質的に透明なガラス板である。しかしながら、他の実施形態では、内側透明基板106及び/又は外側透明基板100は、プラスチック、ガラス繊維、又は上述したような任意の他の適切な実質的に透明な高分子材料であってもよい。他の実施形態では、内側透明基板106及び外側透明基板100は、透明度が低いガラス板である。例えば、合わせ窓アセンブリ90がプライバシーガラスである場合に、合わせ窓アセンブリ90の透明性は大幅に低下し、こうして、予め規定した波長範囲での0%を超えて70%までの光の透過率等、予め規定した波長範囲において70%未満の光透過を可能にする。
【0022】
典型的には、中間層102は、光に対して実質的に透明であり、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリマー又は熱可塑性樹脂を含む。しかしながら、中間層102を実現するために他の適切な材料を利用してもよい。内側透明基板106及び外側透明基板100と同様に、中間層102も実質的に透明であるか、又はそうでなければ光に対して透明である。従って、内側透明基板106と外側透明基板100との間に中間層102を含む合わせ窓アセンブリ90も、実質的に透明であるか、又はそうでなければ光に対して透明であり得る。
【0023】
図示した各実施形態において、窓アセンブリ10は、単一の透明基板18の形態であっても、合わせ窓アセンブリ90の形態であっても、窓アセンブリ10の各構成要素が内側湾曲面(図2図3の単一のガラス板50の50B、又は図4図7の合わせ窓アセンブリ90の106B等)及び外側湾曲面(図2図3の単一のガラス板50の50A、又は図4図7の合わせ窓アセンブリ90の100A)を含むように湾曲している。従って、図示した各実施形態において、湾曲した透明基板18のそれぞれの構成要素は、それぞれ湾曲した外向き面及び反対側の内向き面を規定する。
【0024】
また、図1に示される車両20では、透明基板18の内側湾曲面は、内部領域27の境界をさらに規定するように車両20の内部領域27に向けて位置付けされ、外側湾曲面は車両20の外部29に向けて位置付けされる。
【0025】
図2図3に示される実施形態等の特定の実施形態では、以下に説明するように、導電性特徴16は、湾曲した透明基板18の外向き面及び内向き面(単一のガラス板50の50A、50B等)の一方又は両方に塗布される導電性インク52を含む。一例では、導電性インク52は、導電性粒子及びセラミックフリットを含む。別の例では、導電性インク52は、熱硬化性有機モノマーと、有機モノマー中に分散した導電性粒子(例えば、銀ナノ粒子等)とを含む。他の例では、有機モノマーは、オリゴマー、又はモノマーとオリゴマーとの組合せであってもよいことを理解されたい。さらに別の例では、導電性インク52は、有機銀化合物を含む有機金属錯体、又は有機銅化合物等の有機成分及び導電性金属成分を含む他の任意の適切な有機金属錯体を含む。
【0026】
特定の実施形態では、塗布した導電性インク52は、光硬化及び/又は熱硬化されて硬化した導電性インク52を形成するか、又は焼結されて、湾曲した透明基板18の外向き面及び内向き面(単一のガラス板50の50A、50B等)の一方又は両方に焼結した導電性インクを形成する。
【0027】
より具体的には、導電性インク52を硬化させる一例には、導電性インク52を熱硬化させることが含まれる。導電性インク52を熱硬化させるために、オーブン、ヒートガン、又はIRヒータを含むがこれらに限定されない任意の適切な熱硬化装置が企図される。本開示の文脈における熱硬化には、湾曲した透明基板18の表面上の導電性インク52を硬化するのに十分な温度に湾曲した透明基板18をさらすことが含まれる。
【0028】
いくつかの例では、導電性インク52を硬化させるための硬化温度は、導電性インク52の熱劣化温度を考慮して選択される。より具体的には、導電性インク52の熱劣化温度よりも低い硬化温度が選択され、導電性インク52は、導電性インク52が湾曲した透明基板18から焼き切れるのを防止し、湾曲した透明基板18の光学的歪みを最小限に抑えるために、透明基板18上に塗布される。例えば、導電性インク52は、210℃の透明基板18上に塗布されると、熱劣化温度になることがある。従って、硬化温度には、210℃未満、例えば200℃が選択され得る。
【0029】
別の例では、導電性インク52は、熱硬化される金属有機錯体を含む。有機金属錯体は、銀有機化合物、又は有機銅化合物等の有機成分及び導電性金属成分を含む任意の他の適切な有機金属錯体を含んでもよい。この例では、有機金属錯体を含む導電性インク52が湾曲した透明基板18の表面に塗布された後に、導電性インク52は、有機金属錯体の有機成分を揮発させるのに十分な温度にさらしてもよく、それによって金属粒子(例えば、銀粒子)のみが湾曲した透明基板18の表面に残る。
【0030】
導電性インク52を硬化する別の例には、UV硬化装置を用いて導電性インク52を光硬化することが含まれる。この例では、導電性インク52は、光硬化性導電性インク52である。光硬化性導電性インク52は、光開始剤、有機モノマー、及び有機モノマー中に分散した導電性粒子(例えば、銀ナノ粒子等)を含むことができる。他の例では、有機モノマーは、オリゴマー、又はモノマーとオリゴマーとの組合せであってもよいことを理解されたい。光開始剤には、UV光への曝露に応答して、有機モノマーの重合を開始する任意の適切な化合物が含まれ得る。例えば、光開始剤は、有機モノマー及び/又はオリゴマーの重合を開始するUV光に曝露されると、反応種(例えば、フリーラジカル、カチオン、又はアニオン)を生成する化合物であり得る。従って、本例では、導電性インク52を硬化することには、導電性インク52をUV硬化装置に曝露して光開始剤を活性化し、有機モノマーの重合を開始して導電性インクを硬化することが含まれる。
【0031】
一例では、UV硬化装置は、UV光を放射するUV発光ダイオードである。例えば、UV硬化装置は、315ナノメートル~400ナノメートルの波長(一般にUV-Aスペクトルとして知られる)を有するUV光を放射することができる。UV発光ダイオードは、実質的に385ナノメートルの波長を有するUV光を放射する等、より狭いスペクトルを有するUV光を放射することができる。UVスペクトル内の任意の波長が企図される。
【0032】
特定の実施形態では、導電性インク52の硬化は、導電性インク52のにじみ及び汚れを防ぐために、導電性インク52を塗布した直後に開始してもよい。例えば、導電性インク52の硬化は、導電性インク52の塗布後ゼロ秒~5秒の時間内に開始してもよい。あるいはまた、硬化は、導電性インク52の塗布後5秒未満、導電性インク52の塗布後4秒未満、導電性インク52の塗布後3秒未満、導電性インク52の塗布後2秒未満、又は導電性インク52の塗布後1秒未満に開始してもよい。
【0033】
さらに別の実施形態では、導電性インク52は塗布後に焼結される。焼結プロセスは、塗布した導電性インク52を、液化点まで溶融することなく、熱又は圧力を使用して圧縮して固体の塊に形成するプロセスであるが、導電性インク52の粒子が合体して、前述の固体の塊を形成することがある。従って、焼結プロセス中に、塗布した導電性インク52は、塗布した導電性インク52を溶融することなく、塗布した導電性インク52を焼結するのに十分な温度まで加熱され得る(以下、焼結温度に加熱されると称する)。あるいはまた、焼結プロセス中に、塗布した導電性インク52は、塗布した導電性インク52を溶融することなく、塗布した導電性インク52を焼結するのに十分な圧力を受ける(以下、焼結圧力まで加圧されると称する)。さらに別の実施形態では、焼結プロセスは、塗布した導電性インク52を焼結するのに十分な加熱と、塗布した導電性インク52に対する圧力の印加との組合せであってもよく、湾曲した基板の表面上に焼結された導電性インクが形成される。
【0034】
さらに別の実施形態では、導電性インク52は、銀ナノ粒子を含む導電性銀インク52であってもよい。特定の実施形態では、導電性銀インク52の銀ナノ粒子は、1~100ナノメートルの平均粒径を有し得る。使用され得る1つの非限定的な導電性銀インク52、104は、富士フィルムから市販される80℃で5分間の焼結温度を有する銀ナノ粒子インクである。これらの実施形態では、導電性インク52、104は、上述したように、塗布後に光硬化、熱硬化、焼結、又は乾燥される。例えば、導電性銀インク52は、湾曲した透明基板18の表面上に10マイクロメートル(μm)~1ミリメートル(mm)の線幅で塗布され、焼結してもよい。
【0035】
あるいはまた、他の実施形態では、湾曲した透明基板18の1つ又は複数の外向き面及び内向き面(単一のガラス板50の50A、50B等)に塗布される導電性インク52は、未硬化及び未焼結のままであり、単純に乾燥されるか、さもなければ外向き面及び/又は内向き面にそれぞれ接着される。
【0036】
以下の説明を容易にするため、導電性インク52の説明は、単に湾曲した透明基板18に塗布されることを参照するか、又は図2図16のいずれかに関して単に導電性インク52を参照すると、塗布した導電性インク52は、特に明記しない限り、湾曲した透明基板18上でその後硬化、焼結、又は単に乾燥される塗布した導電性インク52を特に含むことが理解される。
【0037】
図2図3は、湾曲した透明基板18に塗布される導電性インクの例を示す。これらの例では、湾曲した透明基板18は単一のガラス板50である。図2に示される例では、導電性インク52は、湾曲したガラス板50の内向き面50Bに塗布される。なお、図3の例では、導電性インク52は、湾曲したガラス板50の外向き面50Aに塗布される。導電性インク52は、湾曲した透明基板18の外向き面と内向き面との両方に塗布され得ることが企図される。
【0038】
図4図7に示される実施形態等の特定の代替実施形態、及び透明基板18が合わせ窓アセンブリ90の形態である以下に説明する実施形態では、導電性特徴16は、合わせ窓アセンブリ90の内側透明基板106及び外側透明基板100それぞれの外向き又は内向き面100A、106A、100B、106Bの1つに塗布される導電性インク104を含む。これらの実施形態では、中間層102を内側透明基板106及び外側透明基板100のそれぞれに積層するステップは、導電性インク104を塗布及び/又は硬化するステップの後に行われる。導電性インク104は、導電性インク52と同じ組成を有してもよく、又は異なる組成を有してもよい。
【0039】
まず図4を参照すると、一実施形態では、導電性インク104は、内側透明基板106の外向き面106Aに塗布され、こうして内側透明基板100と中間層102との間に配置される。
【0040】
図5において、別の実施形態では、導電性インク104は、外側透明基板100の内向き面100Bに塗布され、こうして外側透明基板100と中間層102との間に配置される。
【0041】
図6において、別の実施形態では、導電性インク104は外側透明基板100の外向き面100Aに塗布され、こうして外側透明基板100は中間層102と導電性インク104との間に配置される。
【0042】
図7において、別の実施形態では、導電性インク104は内側透明基板106の内向き面106Bに塗布され、こうして内側透明基板106は中間層102と導電性インク104との間に配置される。
【0043】
さらに別の実施形態では、合わせ窓アセンブリ90の内側透明基板106及び外側透明基板100それぞれの外向き又は内向き面100A、106A、100B、及び106Bのうちの1つ(すなわち、P1、P2、P3、又はP4の1つ)に適用されるのとは対照的に、導電性インク104は、合わせ窓アセンブリ90の内側透明基板106及び外側透明基板100それぞれの外向き面又は内向き面100A、106A、100B及び106Bのうちの2つ以上に塗布することができる。例えば、導電性インク104は、外側透明基板100の表面100A、100Bの両方(すなわち、P1とP2の両方)に、内側透明基板106の表面106A、106Bの両方(すなわち、P3とP4の両方)に、合わせ窓アセンブリ90の内側透明基板106及び外側透明基板100それぞれの外向き面106A、100A(すなわち、P1及びP4)の両方に、又は、合わせ窓アセンブリ90の内側透明基板106及び外側透明基板100それぞれの内向き面106B、100B(すなわち、P2及びP3)の両方に塗布することができる。
【0044】
特定の実施形態では、任意の1つの塗布層の導電性インク52、104の組成は、導電性インク52、104の他の塗布層の組成と同じであるか、又は異なり、塗布方法又は場所等の様々な要因に基づいて組成が変化してもよい。
【0045】
特定の実施形態では、塗布前の導電性インク52の組成物は、結合剤、顔料、及び水等の溶媒を含み、特定の実施形態では、オプションで有機溶媒等の別の溶媒を含む。これらの実施形態では、結合剤及び顔料の一方又は両方が、塗布した導電性インク52に所望のレベルの導電性を提供することができる。塗布した導電性インク52が光硬化される実施形態では、結合剤材料は、アクリルモノマー及び/又はオリゴマー及びそれらの混合物等の、光硬化可能な有機モノマー/オリゴマーを含む。使用できる代表的な顔料としては、カーボンブラック、例えばC.Iブラック7カーボンブラック等の導電性顔料が挙げられる。塗布した導電性インク52に所望の色の外観を与える他の顔料は、上述した導電性顔料と併せて使用される他の様々な非導電性黒色顔料等を含んでもよい。
【0046】
導電性インク52、104は、スクリーン印刷、及びマスクを用いたスプレー印刷等のアナログ印刷プロセスを使用して、湾曲した透明基板に塗布することができる。例えば、導電性インク52、104をスクリーン印刷するには、印刷すべき所望の領域に対応する空隙(voids)を規定するマスク(すなわち「スクリーン」)が透明基板18の上に配置される。導電性インク52、104は、ローラ、スキージ、ブラシ、スプレー等を用いた手動プロセスでマスクの上に堆積され、導電性インク52、104を所望のパターンで透明基板18に塗布する。導電性インク52、104を塗布する任意の方法が企図される。
【0047】
特定の実施形態では、導電性インク52、104を塗布することは、導電性インク52、104を基板18にデジタル的に(digitally)塗布することを含む。デジタル的に塗布するという用語は、導電性インク52の塗布がデジタルベースの画像に従って導電性インク52を基板上に堆積させるようにデジタル的に制御される任意の適切な塗布プロセスを指す。導電性インク52をデジタル的に塗布するプロセスの例としては、インクジェット印刷、電気流体力学印刷、及びレーザ印刷等が挙げられるが、これらに限定されない。特に、導電性インク52をデジタル的に塗布することによってもたらされる正確な制御により、導電性インク52は、アナログ印刷プロセスよりもかなり高い解像度で堆積され得る。例えば、導電性インク52は、200ドット/インチを超える、300ドット/インチを超える、400ドット/インチを超える、500ドット/インチを超える、600ドット/インチを超える、700ドット/インチを超える、800ドット/インチを超える、900ドット/インチを超える、1000ドット/インチを超える、1100ドット/インチを超える、1200ドット/インチを超える、1300ドット/インチを超える、1400ドット/インチを超える、1500ドット/インチを超える、1600ドット/インチを超える、1700ドット/インチを超える、1800ドット/インチを超える、1900ドット/インチを超える、2000ドット/インチを超える、2100ドット/インチを超える、2200ドット/インチを超える、2300ドット/インチを超える、2400ドット/インチを超える、2500ドット/インチを超える、又は2600ドット/インチを超える解像度で、湾曲した透明基板18の表面上にデジタル的に塗布され得る。アナログ印刷プロセスでは典型的に必要とされるが、導電性インク52をデジタル的に塗布する場合にはマスクが必要ないことは注目に値する。その代わりに、導電性インク52は、デジタルベースの画像に従って湾曲した透明基板18の表面上に直接堆積され、マスクの必要性がなくなる。
【0048】
一例では、導電性インク52をデジタル的に塗布することは、湾曲した透明基板18の表面上に導電性インクをインクジェット印刷することを含む。一般に、「インクジェット印刷」という用語は、デジタル制御されたプリントヘッドがデジタルベースの画像に従ってインクの液滴を基板上に噴射する印刷プロセスを指す。インクジェット印刷プロセスの例としては、連続インクジェット印刷、サーマルインクジェット印刷、ピエゾインクジェット印刷、及びドロップオンデマンドインクジェット印刷等が挙げられるが、これらに限定されない。湾曲した透明基板18の表面上への導電性インク52のインクジェット印刷は、200ドット/インチを超える、300ドット/インチを超える、400ドット/インチを超える、500ドット/インチを超える、600ドット/インチを超える、700ドット/インチを超える、800ドット/インチを超える、900ドット/インチを超える、1000ドット/インチを超える、1100ドット/インチを超える、1200ドット/インチを超える、1300ドット/インチを超える、1400ドット/インチを超える、1500ドット/インチを超える、1600ドット/インチを超える、1700ドット/インチを超える、1800ドット/インチを超える、1900ドット/インチを超える、2000ドット/インチを超える、2100ドット/インチを超える、2200ドット/インチを超える、2300ドット/インチを超える、2400ドット/インチを超える、2500ドット/インチを超える、又は2600ドット/インチを超える解像度で実施することができる。
【0049】
別の例では、導電性インク52をデジタル的に塗布することは、湾曲した透明基板18の表面上に導電性インク52を電気流体力学的に印刷することを含む。一般に、「電気流体力学的印刷」という用語は、デジタル的に制御され帯電したプリントヘッドが、デジタルベースの画像に従ってノズルを通してインクを基板上に向ける印刷プロセスを指す。いくつかの例では、ノズルの幅は、塗布される導電性インク52の線幅が同様に10μmとなるように、10μmほど小さくてもよい。当然のことながら、10μmよりも広い線幅Wを有する導電性特徴16を形成するために、10μmよりも広いノズルの幅を選択してもよいことを理解されたい。さらに、湾曲した透明基板18の表面上に導電性インク52を電気流体力学的に印刷することは、200ドット/インチを超える、300ドット/インチを超える、400ドット/インチを超えるインチ、500ドット/インチを超える、600ドット/インチを超える、700ドット/インチを超える、800ドット/インチを超える、900ドット/インチを超える、1000ドット/インチを超える、1100ドット/インチを超える、1200ドット/インチを超える、1300ドット/インチを超える、1400ドット/インチを超える、1500ドット/インチを超える、1600ドット/インチを超える、1700ドット/インチを超える、1800ドット/インチを超える、1900ドット/インチを超える、2000ドット/インチを超える、2100ドット/インチを超える、2200ドット/インチを超える、2300ドット/インチを超える、2400ドット/インチを超える、2500ドット/インチを超える、又は2600ドット/インチを超える解像度で実施され得ることが企図される。導電性インク52、104がインクジェット印刷プロセス等を通じてデジタル的に塗布される実施形態では、導電性インク52、104は、10μm~1mmの間の線幅を有し得る。
【0050】
特に、デジタル塗布後に、塗布した導電性インク52が硬化する前に、塗布した導電性インク52は、湾曲した透明基板18の表面上に広がるか、又は分散し得る。例えば、導電性インク52は、400ドット/インチの解像度でデジタル的に塗布することができる。しかしながら、硬化前に、400ドット/インチでデジタル的に塗布した導電性インク52は、湾曲した透明基板18の表面に広がる可能性があり、硬化すると、導電性特徴16は、最初のデジタルアプリケーション(塗布)の解像度よりも、例えば200ドット/インチ解像度が低くなる。さらに、硬化プロセス自体が、導電性特徴16の解像度に影響を与える可能性がある。例えば、導電性インク52は、硬化ステップ中に膨張又は収縮し、導電性特徴16の解像度に影響を与える可能性がある。
【0051】
従って、デジタル的に塗布されたときの導電性インク52の解像度は、デジタル的に塗布した導電性インク52を硬化した後の導電性特徴16の解像度とは異なる場合がある。こうして、デジタル的に塗布した導電性インク52を硬化すると、導電性特徴16は、200ドット/インチを超える解像度を有し得る。特に、導電性特徴は、200ドット/インチを超える、300ドット/インチを超える、400ドット/インチを超える、500ドット/インチを超える、600ドット/インチを超える、700ドット/インチを超える、800ドット/インチを超える、900ドット/インチを超える、1000ドット/インチを超える、1100ドット/インチを超える、1200ドット/インチを超える、1300ドット/インチを超える、1400ドット/インチを超える、1500ドット/インチを超える、1600ドット/インチを超える、1700ドット/インチを超える、1800ドット/インチを超える、1900ドット/インチを超える、2000ドット/インチを超える、2100ドット/インチを超える、2200ドット/インチを超える、2300ドット/インチを超える、2400ドット/インチを超える、2500ドット/インチを超える、又は2600ドット/インチを超える解像度を有し得ることが企図される。
【0052】
図8及び図11は、ワイヤハーネス14を導電性特徴16に電気的及び機械的に結合又は接続するための無はんだ電気コネクタ12の実施形態を概略的に示す。特定の実施形態では、無はんだ電気コネクタ12は、ワイヤハーネス14を基板18上に配置された導電性特徴16に機械的に接続する接着剤150を含む。特定の実施形態では、接着剤150は導電性であるため、導電性接着剤150とも呼ばれ得、導電性接着剤150は、ワイヤハーネス14を基板18上に配置された導電性特徴16にも電気的に接続する電気接続の一部である。他の実施形態では、接着剤150は非導電性であり、非導電性接着剤150は、透明基板18上に配置された導電性特徴16にワイヤハーネス14を電気的に接続する電気接続の一部ではなく、単にワイヤハーネス14を透明基板18に機械的に接続する役割を果たすだけである。
【0053】
図8は、図2と同様に導電性インク52が内向き面50Bに塗布された湾曲したガラス板50とともに使用される例示的な一実施形態による無はんだ電気コネクタ12を示す。一方、図11は、内側透明基板106の外向き面106Aに導電性インク104が塗布された図4の合わせ窓アセンブリ90とともに使用される別の例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタ12を示す。
【0054】
代替実施形態では、図15及び図16に示されるように、別の代替実施形態による無はんだ電気コネクタ300(図12図14を参照)が提供される。図15は、図2と同様に導電性インク52が内向き面50Bに塗布された湾曲したガラス板50とともに使用される無はんだ電気コネクタ300を示す。一方、図16は、外側透明基板100の内向き面100Bに導電性インク104が塗布された図15の合わせ窓アセンブリ90に使用される無はんだ電気コネクタ300を示す。
【0055】
図8図11図15、及び図16は平坦な透明基板18を示しているが、これらの基板18は説明を容易にするために平坦として示されるだけである。実際に、図8及び図15のガラス板50、及び図11及び図16の基板100、102、及び106は、平坦に描かれているが、図示及び上述したように、図2図7に示したものに対応する湾曲した基板/パネルである。
【0056】
まず図8及び図11を参照すると、特定の例示的な実施形態による無はんだ電気コネクタ12は、単一のガラス板50又は合わせ窓アセンブリ90の外側基板100又は内側基板106に塗布した導電性インク52、104にワイヤハーネス14を機械的に接続するために使用される接着剤150を含む。
【0057】
特定の実施形態では、選択された接着剤150は、電気エネルギーをワイヤハーネス14から導電性特徴16に伝達するために導電性であるため、導電性接着剤である。従って、導電性接着剤150は、単一のガラス板50又は合わせ窓アセンブリ90の外側基板100又は内側基板106に塗布した導電性インク52、104にワイヤハーネス14を機械的及び電気的に接続するように機能する。
【0058】
さらに、透明基板18及び/又は塗布した導電性インク52、104に塗布された接着剤150は、塗布した導電性インク52、104の熱劣化温度よりも低い温度で硬化される。導電性特徴16の一部又は全体に沿った、特に塗布した導電性インク52、104内の導電性の損失を防ぐことが望ましい。この硬化は、光硬化プロセス、熱硬化プロセス、又はそれらの組合せを介して行うことができる。
【0059】
特定の実施形態では、接着剤150は、無はんだ電気コネクタ12を透明基板18及び/又は導電性インク52、104と封止及び接合した状態に維持するのに十分なグリーン強度(すなわち、初期接触接合強度)を有し、導電性インク52、104は、硬化プロセス中に外部固定を必要とせずに使用中に透明基板18に塗布される。
【0060】
図8及び図11にも示されるように、特定の例示的な実施形態では、無はんだ電気コネクタ12は、ワイヤハーネス14の電気接続取付点として使用される端子アセンブリ160も含み、こうして、無はんだ電気コネクタ12を介してワイヤハーネス14を導電性インク52、104に電気的に接続する。
【0061】
端子アセンブリ160は、下面164及び上面166と、下面164を上面166に接続する外周エッジ168とを有するベースプレート部分162を含む。下面164は、接着剤150上に配置され、接着剤150に接触している。端子アセンブリ160はまた、外周エッジ168の一部に結合され、外周エッジ168の一部から延びるフランジ部分170を含む。図8及び図11では、フランジ部分170は、L字形であり、上面166に対して横方向に延びる第1の部分172と、第1の部分172に対して横方向に延びる第2の部分174とを含む。図8及び図11の実施形態では、第2の部分174は、ワイヤハーネス14の電気的結合点を提供する(図8及び図11では、第2の部分174から切り離されて示される)。
【0062】
特定の実施形態では、ベースプレート部分162とフランジ部分170との両方が、金属又は金属合金等の導電性材料から形成され、こうして、ワイヤハーネス14がフランジ部分170に結合されると、無はんだ電気コネクタ12のフランジ部分170及びベースプレート部分162を介して、ワイヤハーネス14と導電性インク52、104との間に電気接続が形成される。いくつかの例では、ベースプレート部分162及びフランジ部分170は、一体的に形成されるが、一体構造を形成するために(ベースプレート部分162及びフランジ部分170のそれぞれが導電性材料から形成される場合)互いに貼り付けられ、電気的に接続される2つの別個の構成要素として形成してもよい。
【0063】
代替実施形態では、ベースプレート部分162は、非導電性ポリマー材料等の非導電性材料又は絶縁体材料から形成され、フランジ部分170は、上述したように導電性材料から形成される。特定の実施形態では、ポリマー材料は、ナイロン等の耐久性のあるプラスチック材料であってもよい。これらの実施形態では、フランジ部分170は、射出成形等の成形作業を通じてベースプレート部分162に結合され、一体構造を形成することができる。電気接続を提供するために、接着剤150が、導電性接着剤であるか、又は導電性インク52、104と電気的に接触している透明基板18と接触している実施形態では、フランジ部分170の第1の部分172の下面は、第1の部分172が導電性インク52、104と電気的に接触している接着剤150と電気的に接触するように位置付けされる。
【0064】
導電性接着剤150を含む図8及び図11の各実施形態において、導電性接着剤150は、導電性インク52、106が塗布されるガラス板50、106の表面50B、106Bとは反対側の導電性インク52、104の外面53、105に塗布される。そうでなく、非導電性接着剤150が利用される場合に、非導電性接着剤150は、ガラス板50、106の導電性インク52、104の外面53、105に隣接するか、又はそうでなければその近傍に直接塗布してもよい。
【0065】
特に、導電性接着剤150を含む図8の代表的な実施形態では、導電性接着剤150は、単一のガラス板50の内向き面50Bとは反対側の導電性インク52の外面53に塗布される。図8に示されるように、導電性インク52は、図2で上述した実施形態に従って内向き面50Bに塗布される。しかしながら、代替実施形態では、導電性インク52は、図3で上述した実施形態に従って、外向き面50Aに塗布することができ、又は内向き面50Bと外向き面50Aとの両方に塗布することができる。
【0066】
導電性接着剤150を含む図11の代表的な実施形態では、導電性接着剤150は、図4で上述した実施形態に従って、内側基板106の外向き面106Aとは反対側の導電性インク104の外面105に塗布される。
【0067】
より具体的には、図5で上述した実施形態に従って、内側基板106の外向き面106Aとは反対側の導電性インク104の外面105に導電性接着剤150を塗布するために、そのような塗布のために外側透明基板100及び中間層102の部分を切断又はそうでなければ除去する必要なく、導電性インク104にアクセスできることが望ましい。
【0068】
従って、図9及び図10に最も良く示されるように、図11に関連して、合わせ窓アセンブリ90の外側透明基板100及び中間層102は、導電性インク104を有する外側基板100の一部の内向き面106Bをあらわにするそれぞれの形成プロセス中に波形になる(すなわち、外側透明基板100及び中間層102のそれぞれのエッジが波形エッジ領域100C、102Cを含む)。好ましくは、この波形加工は、外側透明基板100及び中間層102の初期形成中に行われる。
【0069】
合わせ窓アセンブリ90が積層方法によって組み立てられるが、図10に示されるように、波形エッジ領域100C、102Cは、同一の広がりを有する波形エッジ107を形成するように位置合わせされ、内側基板106の外向き面106Aの一部と導電性インク104の一部は覆われておらず、導電性接着剤150を波形加工によって除去された領域に対応する個所の塗布に利用できる。
【0070】
図示の実施形態では、波形エッジ領域100C、102Cは、合わせ窓アセンブリ90の外周に沿って配置される。しかしながら、他の実施形態では、波形エッジ領域100C、102Cは、それぞれの外側基板100及び中間層102に対して内側にあってもよく、こうして、波形エッジ領域100C、102Cは、外側基板100及び中間層102それぞれによって囲まれた開口部を規定する。
【0071】
特定の実施形態では、導電性接着剤150を、導電性インク52、104の周辺エッジ部分52A、104A上に、及び導電性インク52、104の周辺エッジ部分52A、104Aに隣接する湾曲した透明基板18の表面50A、106A上に塗布することもできる。こうして、導電性接着剤150は、導電性インク52、104の周辺エッジ部分52Aに隣接する周辺シールを形成することができる。
【0072】
導電性接着剤150の塗布後に、ベースプレート部分162の下面164は、透明基板18とは反対側の導電性接着剤150上に配置され、導電性接着剤150と接触する。
【0073】
次に、導電性接着剤150を硬化させて、ベースプレート部分162を導電性インク52、104に、及びオプションで透明基板18に貼り付ける(実施形態では、上述したように、熱伝導性接着剤150が、導電性インク52、104の周辺エッジ部分52A、104Aに隣接する湾曲した透明基板18の表面50A、106A上に塗布される)。
【0074】
例示的な実施形態では、上述したように、接着剤150は、塗布した導電性インク52、104の熱劣化温度よりも低い温度で硬化される。これは、導電性特徴16の塗布した導電性インク52、104の一部又は全体に沿った導電率の損失を防ぐために望ましい。
【0075】
特定の実施形態では、接着剤150は、導電性インク52、104の熱劣化温度よりも低い温度で光硬化される。特定の他の実施形態では、接着剤150は、塗布した導電性インク52、104の熱劣化温度よりも低い温度で熱硬化される。さらに別の実施形態では、塗布した接着剤150は、光硬化されるとともに、導電性インク52、104の熱劣化温度よりも低い温度で熱硬化される。
【0076】
使用できる例示的な導電性接着剤150には、アクリレートポリマー、エポキシポリマー、又はアクリレート及びエポキシコポリマー、又はポリウレタン接着剤が含まれるが、これらに限定されない。導電性接着剤150は、反応性接着剤(すなわち、光、熱、湿気、又は他の開始化学物質への暴露等の外部刺激に応答して硬化を開始する接着剤)であってもよい。いくつかの例では、導電性接着剤150は、UV光への曝露に応答して接着剤の重合を開始する光開始剤を含んでもよい。これらの導電性接着剤150の導電性は、ポリマー自体(すなわち、本質的に導電性のポリマー)によって、又はポリマー中に分散した金属又はカーボンフィラー(粉末又は繊維)等の導電性フィラーによって提供され得る。
【0077】
図11の代替実施形態では、接着剤150は、塗布した導電性インク104の外面105に塗布され、図5図6、及び図7それぞれに示される合わせ窓アセンブリ90の実施形態に従って塗布される。
【0078】
図5の実施形態では、内側透明基板106(外側透明基板100の反対側)及び中間層102が波形加工され、及び接着剤150が、外側透明基板100の内向き面100Bに予め塗布した導電性インク104の外面105に塗布されることを除いて、図11と同じ手順に一般的に従う。
【0079】
図6及び図7の実施形態について、図8と同じ手順に一般的に従い、内側透明基板100又は外側透明基板106のいずれも(中間層102とともに)波形になっていないが、その代わりに、接着剤150は、外側透明基板100の外向き面100Aに予め塗布された(図6のような)、又は内側透明基板106の内向き面106Bに塗布された導電性インク104の外面105に塗布される。
【0080】
ここで図12図18を参照すると、図8及び図11のように、導電性インク52をワイヤハーネス14に電気的に接続するために、接着剤150及び端子アセンブリ160を無はんだ電気コネクタ12として利用するのとは対照的に、代替の無はんだコネクタ300を利用することもできる。
【0081】
まず図12図16を参照すると、代替実施形態による無はんだコネクタ300は、主要な構成要素として、絶縁カバー302、付勢部材320、及びカバー302を透明基板18に接着するための接着剤350を含む。
【0082】
絶縁カバー302は、ナイロン等の耐久性のあるポリマー材料から形成することができ、一般に、内面306、外面308、及び端面310内に規定されるプレート(板)の形態であり、端面310は、内面306と外面308との間に延びており、内面306と外面308とを接続する。
【0083】
付勢部材320は、一対の離間した板ばね320の形態であってもよい。各付勢部材/板ばね320は、第1の端部322と、反対側の第2の端部324と、第1の端部322と第2の端部324との間に延び第1の端部322と第2の端部324とを結合する中央領域326とを含む。各付勢部材/板ばね320の第2の端部324は、ワイヤハーネス14のワイヤの結合点として使用される開口部328を規定する。付勢部材/板ばね320は、以下にさらに説明するように、無はんだコネクタ300を透明基板18に結合して組み立て、ワイヤハーネス14を付勢部材320に組立て状態で接続するときに、ワイヤハーネス14から塗布した導電性インク52、104に電気が流れるのを可能にする金属又は金属合金等の導電性材料から形成される。
【0084】
図12図16の実施形態に示されるように、各付勢部材/板ばね320の第2の端部324は、その長さに沿って湾曲し、絶縁カバーの外面308から外向き且つ横方向に離れるように延びることができ、付勢部材/板ばね320のそれぞれの第2の端部324の終端部324aが、絶縁カバー302の外面308から最も遠く離れて配置される。いくつかの例では、それぞれの第2の端部324の終端部324aは、相対的にそれぞれの第2の端部324の長さの残りの部分(例えば、中央領域326に隣接する第2の端部324の部分)よりも互いに近くに位置付けされる。さらに代替的な実施形態では、第2の端部324は、中央領域とそれぞれの終端部324aとの間でその長さに沿って外面308に略直交して延び、終端部324aは絶縁カバー302の外面308から最も遠く離れて配置され得る。
【0085】
図12図16の実施形態に示されるように、各付勢部材/板ばね320の第1の端部322は、その長さに沿って直線又は湾曲し、絶縁カバー302の内面から外向き且つ横方向に離れるように延びることができ、付勢部材/板ばね320のそれぞれの第2の端部322の終端部322aが、絶縁カバー302の内面306から最も遠く離れて配置される。好ましくは、図に示されるように、それぞれの第1の端部322の終端部322aは、相対的にそれぞれの第1の端部322の長さの残りの部分(例えば、中央領域326に隣接する第1の端部322の部分)よりも互いに近くに位置付けされる。
【0086】
特定の実施形態では、終端部322aは、透明基板18に結合するための追加の表面積を提供するために、第1の端部322の残りの長さに対して湾曲している。
【0087】
図15に示されるようなさらに別の実施形態では、付勢部材/板ばね320の第1の端部322は、中央部分326に隣接する段部323を含む。絶縁カバー302が無はんだ電気コネクタ300の形成の一部としてガラス板50に結合されるときに、この段部323により、付勢部材/板ばね320の第1の端部322の追加の長さを絶縁カバー302の内面306と接触させて配置することができる。
【0088】
図12図16のいずれかで使用される付勢部材/板ばね320は、中央領域326が絶縁カバー302を通って延びて絶縁カバー302に固定されるように、成形絶縁カバー302内に成形されるか、又は他の方法で成形絶縁カバー302に結合することができ、第1の端部322は内面306から外向きに延び、第2の端部324は外面308から外向きに延びている。
【0089】
特定の実施形態では、付勢部材/板ばね320は、時間の経過とともに圧縮永久歪みが生じにくい金属(アルミニウム等)又は金属合金(アルミニウム合金等)及び/又はポリマー材料及び/又はエラストマー材料の形態であり、約-40℃~約120℃の範囲の温度で時間の経過に対してある程度の機能的弾性を維持する。
【0090】
他の代替実施形態では、付勢部材/板ばね320のポリマー材料は、連続気泡又は独立気泡発泡体等の発泡体を含んでもよい。特定の実施形態では、付勢部材/板ばね320のポリマー材料及び/又はエラストマー材料は、例えば、ポリウレタン、ゴム(エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)から形成されたゴム等)、又はポリスチレンを含み得る。
【0091】
導電性特徴16との接続を容易にするために、付勢部材/板ばね320は導電性であってもよい。導電性は、ポリマー自体(すなわち、本質的に導電性のポリマー)によって、ポリマー中に分散した金属又はカーボンフィラー(粉末又は繊維)等の導電性フィラーによって、及び/又はポリマー上に配置された金属又は金属合金箔等の導電性スキン(skin)の使用によって提供され得る。
【0092】
図16に示されるようなさらに別の実施形態では、付勢部材/板ばね320の中央領域326は、その長さに沿って一対の切り欠き領域327を規定する。これらの切り欠き領域327は、使用中にカバー302内に成形された付勢部材/板ばね320の引っ張り強度を高めるように機能する。切り欠き領域327は、任意の適切な幾何学的形状を規定してもよく、いくつかの例では、対向していてもよい。
【0093】
接着剤350は、内面306と端面308との交差部309に隣接する絶縁カバー302の内面306に塗布してもよい。また、接着剤350は、付勢部材/板ばね320の第2の端部324に関連していない領域の内面306に塗布してもよい。
【0094】
特定の実施形態では、接着剤350は、内面306に接着されるテープ(すなわち、粘着テープ)の形態である。特定の実施形態では、テープ350に使用される接着剤350は非導電性であるが、他の実施形態では、接着剤350及び/又はテープ接着剤350は、図8図11に関して上述した接着剤150と同様の接着剤であってもよい。内面に塗布する前に、テープ接着剤350は、テープ接着剤350を内面306に塗布する前に除去されるキャリア層(すなわち、ライナー)を含んでもよい。以下に説明するように、テープ接着剤350を透明基板18に塗布する前に、その後除去される別個の反対側のキャリア層を提供してもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、選択された接着剤350は、絶縁カバー302の内面306に対して絶縁カバー302を維持し、その後、使用する場合に、硬化プロセス中に外部固定を必要とせずに、使用中に透明基板18の表面を封止及び結合した状態に維持するのに十分なグリーン(生)強度(すなわち、初期接触結合強度)を有していなければならない。
【0096】
使用できる例示的な接着剤350には、アクリレートポリマー、エポキシポリマー、アクリレート及びエポキシコポリマー、及びポリウレタン接着剤が含まれるが、これらに限定されない。接着剤350は、反応性接着剤(すなわち、光、熱、湿気、又は他の開始化学物質への曝露等の外部刺激に応答して硬化を開始する接着剤)であってもよい。いくつかの例では、接着剤350は、UV光への曝露に応答して接着剤の重合を開始する光開始剤を含んでもよい。アクリレート及びエポキシコポリマーをベースとするテープ接着剤の一例は、ミネソタ州セントポールの3M(登録商標)から市販される構造結合テープ9550である。エポキシ樹脂化学物質に基づく別の例示的なテープ接着剤は、ドイツ、ノイヴィートのLohmann GmbH & Co.KGから市販されるUV-LUX(登録商標)である。
【0097】
特定の実施形態では、接着テープ350は、圧力をテープ350に加えてテープ350と透明基板18、100との間の気泡を除去してテープ350と透明基板18、100との密接な接触を保証することによって透明基板18、100に接着できる固体感圧接着剤(PSA)テープ350である。特定の実施形態では、PSAテープ350に加えられる圧力により、PSAテープ350内の硬化プロセスが開始され、硬化は、上述したように、導電性インク104の熱劣化温度より低い温度で起こる。さらに別の実施形態では、圧力を利用してPSAテープ350内で硬化プロセスを開始することに加えて、PSAテープを光硬化及び/又は熱硬化することができ、硬化は、上述したように導電性インク104の熱劣化温度よりも低い温度で起こる。
【0098】
特定の実施形態では、接着剤350は、導電性であり、導電性接着剤350である。導電性接着剤350の導電性は、ポリマー自体(すなわち、本質的に導電性のポリマー)によって、又はポリマー中に分散した金属又はカーボンフィラー(粉末又は繊維)等の導電性フィラーによって提供され得る。
【0099】
図17及び図18の2つの例示的な実施形態に最もよく示される組み立て状態では(及び以下でさらに詳細に説明するように)、第1の端部322は、導電性インク104と電気的に接触するように位置付けされ、成形絶縁カバー302と導電性インク104との間で弾性的に圧縮される。接着剤350がテープの形態である実施形態では、任意のキャリア層がテープ接着剤350から除去され、次に、テープ接着剤の光硬化が開始され、その後、テープ接着剤350が透明基板18上又は塗布した導電性インク52、104の外面53、105上に押し付けられ、絶縁カバー302を透明基板18に直接接着するか、又は導電性インク52、104を介して透明基板18に間接的に接着し、それによって付勢部材/板ばね320の第1の端部322はまた、接着剤350と、絶縁カバー302の内面306と、塗布した導電性インク52、104の上面との間に密封して配置される。接着剤350がテープの形態でない場合に、キャリア除去ステップは不要であり、接着剤350は、代わりに、透明基板18上、又は塗布した導電性インク52、104の外面53、105上に塗布され、絶縁カバー302を透明基板18に直接接着するか、又は導電性インク52、104を介して透明基板18に間接的に接着し、それによって付勢部材/板ばね320の第1の端部322はまた、接着剤350と、絶縁カバー302の内面306と、導電性インク52、104の上面との間に密封して配置される。さらに、付勢部材/板ばね320の第2の端部324は、透明基板18及び導電性インク52、104から離れる方向に、絶縁カバー302の外面308から外向きに延びており、そして、第2の端部324の開口部328を介してワイヤハーネス14のワイヤと結合するように構成される。
【0100】
図15及び図16は、ワイヤハーネス14を透明基板18上に配置した導電性特徴16に機械的及び電気的に接続する、組み立て状態の無はんだ電気コネクタ300の実施形態を概略的に示す。図15は、図2と同様に導電性インク52が内向き面50Bに塗布された湾曲したガラス板50とともに使用される無はんだ電気コネクタ300を示す一方、図16は、導電性インク104が外側透明基板100の内向き面100Bに塗布された、図5の合わせ窓アセンブリ90に使用される無はんだ電気コネクタ12を示す。
【0101】
図8に関する上記の説明と同様に、図15に関連して、本開示は、図3に示す実施形態に従って導電性インク104が外向き面50Aに塗布された、又は外向き面50Aと内向き面50Bとの両方に塗布された湾曲したガラス板50とともに無はんだ電気コネクタ300が使用される代替実施形態も企図する。
【0102】
さらに、図11に関する上記の説明と同様に、図16に関連して、本開示は、図5図6、及び図7それぞれに示される合わせ窓アセンブリ90の実施形態に従って導電性インク104が塗布された無はんだ電気コネクタ300が使用される代替実施形態も企図する。
【0103】
内側透明基板106(外側透明基板100とは対照的に)及び中間層102が波形であり、導電性インク104が外側透明基板の内向き面100Bに予め塗布されている実施形態では、無はんだ電気コネクタ300は、図16において上で議論したのと実質的に同じ手順によって導入される。
【0104】
代替実施形態では、内側透明基板100又は外側透明基板106のいずれも(中間層102とともに)波状ではなく、その代わりに、導電性インク104が透明基板100の外向き面100Aに予め塗布されている(図6のような)、又は内側透明基板106の内向き面106Bに塗布されている場合に、無はんだ電気コネクタ300は、図15で上述したのと実質的に同じ手順によって単一のガラス板50に関して導入される。
【0105】
次に図19を参照すると、図17の無はんだ電気コネクタ300を含む合わせ窓アセンブリ90のさらに別の代替実施形態が示される。この実施形態では、導電性箔111(すなわち、導電性リボン111)を利用して、外側透明基板100の内向き面100B(P2)に塗布した導電性インク層104及び/又は内側透明基板106の内向き面106Aに塗布した導電性インク層104への電気接続を形成する。この実施形態では、電気接続部品14は、外側透明基板100の外側、又は内側透明基板106の内側に配置され、図18のような波形配置を必要としない。
【0106】
説明及び図示を容易にするために、図19の実施形態における導電性インク104は、外側透明基板100の内向き面100B(すなわち、P2)に塗布されており、こうして、外側透明基板100と中間層102との間に配置される。
【0107】
図19を参照すると、導電性箔111(ここではアルミニウム箔111として示す)は、その外縁で導電性インク104に電気的に結合又は接続され、特定の実施形態では物理的に接続される。導電性箔111は、外側基板100の外向き面100Aの縁に沿って(すなわち、P1に沿って)延び、以下のように絶縁カバー302、付勢部材320、及び接着剤350を含む無はんだ電気コネクタ300に結合される。
【0108】
図19にも示されるように、組み立て状態では、付勢部材320の第1の端部322は、外側基板100の外向き面100Aに沿って延びる導電性箔111と電気的に接触するように位置付けされ、成形絶縁カバー302と導電性箔111との間で弾性的に圧縮される。接着剤350がテープの形態である実施形態では、任意のキャリア層がテープ接着剤350から除去され、次に、テープ接着剤350の光硬化が開始され、その後、テープ接着剤350が外向き面100Aに押し付けられ、オプションで導電性箔111の上面に沿って押し付けられて、絶縁カバー302を基板100の外向き面100Aに直接接着、及び/又は導電性箔111を介して基板100の外向き面100Aに間接的に接着し、それによって、付勢部材/板ばね320の第1の端部322はまた、接着剤350と、絶縁カバー302の内面306と、導電性箔111の上面との間に密封して配置される。接着剤350がテープの形状でないため、キャリア除去ステップは必要ない。さらに、付勢部材/板ばね320の第2の端部324は、基板100及び導電性箔111の外向き面100Aから離れる方向に絶縁カバー302の外面308から外向きに延びており、図17で上述したのと同じ方法で、第2の端部324の開口部328を介してワイヤハーネス14のワイヤと結合するように構成される。従って、P2(又は、図4のように導電性インク104が内向き面106A上に塗布される代替実施形態ではP3)上の導電性インク104の通電は、電気接続部品14の作動によって生じ、電荷は導電性箔を通って導電性インク104まで広がる。
【0109】
上述したように、本開示はまた、接着剤150を利用する無はんだ電気コネクタ12と、単一のガラス板50(図8に対応する図20のフローチャートを参照)又は合わせ窓アセンブリ90(図11に対応する図21のフローチャートを参照)のいずれか、及び上述した特定の例示的な実施形態による接着剤150を用いた端子アセンブリ160とを有するガラスアセンブリを製造する関連方法も対象としている。本開示はまた、単一のガラス板50上又は合わせ窓アセンブリ90のいずれかに代替の無はんだ電気コネクタ300を有するガラスアセンブリを製造するための関連方法も対象としている(図15及び図16に対応する図21及び図22のフローチャートを参照)。
【0110】
図20を参照すると、無はんだ電気コネクタ12を含むガラスアセンブリ10を単一のガラス板50に形成するための方法500の例示的な一実施形態が提供される。説明を容易にするために、図20のフローチャートは、図8の実施形態に関して説明しており、この方法では、無はんだ電気コネクタ12が単一のガラス板50の内向き面50Bに配置される。しかしながら、図20のフローチャートに従って無はんだ電気コネクタ12が単一のガラス板50の外向き面50A上に配置される同じ手順を利用することもできる。ただし、以下のステップ504で説明する手順に若干の違いがある。
【0111】
まずステップ502を参照すると、湾曲した透明基板18は、上述したように、内向き面50B及び外向き面50Aを有する単一のガラス板50として形成される。
【0112】
次に、ステップ504において、導電性インク52が、内向き面50B及び外向き面50Aの一方又は両方に塗布される(図8では、図2と同様に内向き面50Bに塗布されるように示される)。導電性インク52を塗布する適切な方法については上述した。特定の実施形態では、ステップ504の一部として、導電性インク52の塗布後に、導電性インク52は、上述したように、湾曲したガラス基板50上で光硬化、熱硬化、焼結、又はそうでなければ乾燥される。
【0113】
ステップ506において、接着剤150は、導電性インク52の一部上に塗布され、オプションで、導電性インク52に隣接する湾曲した透明基板18の表面上(すなわち、導電性インク52の縁に隣接する内向き面50Bの一部上)に塗布される。
【0114】
ステップ508において、端子アセンブリ160は、導電性インク52とは反対側の接着剤150上に位置付けされる。特に、ベースプレート部分162の下面164は、接着剤150の上面に配置され、上面と接触する。より具体的には、ベースプレート部分162の下面164が接着剤150の上面に押し込まれる。
【0115】
ベースプレート部分162が非導電性材料から形成される実施形態では、フランジ部分170の第2の部分174も、ステップ508中に接着剤150の上面と接触する。ベースプレート部分162が導電性材料から形成されるさらに別の実施形態では、フランジ部分170の第2の部分174も、ステップ508中に接着剤150の上面と接触する。
【0116】
ベースプレート部分162及びフランジ部分170が別個の構成要素である実施形態では、ステップ508は、接着剤の上に配置される前に又は後に、ベースプレート部分162及びフランジ部分170を互いに貼り付けて一体構造を形成するサブステップも含み得る。
【0117】
次に、ステップ510において、接着剤150を硬化させて、無はんだ電気コネクタ12を形成する。ステップ510において、接着剤150の硬化は、塗布した導電性インク52の熱劣化温度よりも低い温度で硬化される。これは、熱劣化温度を超える温度にさらされた場合に、塗布した導電性インク52の一部又は全体、ひいては塗布した導電性インク52の劣化から生じる導電性特徴16に沿った導電性の損失を防ぐために望ましい。
【0118】
特定の実施形態では、接着剤150は、塗布した導電性インク52の熱劣化温度よりも低い温度で光硬化される。特定の他の実施形態では、接着剤150は、塗布した導電性インク52の熱劣化温度よりも低い温度で熱硬化される。さらに別の実施形態では、接着剤150は、塗布した導電性インク52の熱劣化温度よりも低い温度で光硬化と熱硬化との両方が行われる。
【0119】
図20の方法の代替実施形態では、ステップ510で説明した接着剤150を硬化するステップ、特にステップ510で接着剤150を光硬化するステップは、ステップ508と同様に導電性インク52の反対側の接着剤150に端子アセンブリ160を位置付けする前に開始される。
【0120】
ステップ512では、ワイヤハーネス14は端子アセンブリ160に結合される。特に図8に示されるように、ワイヤハーネス14のワイヤは、フランジ部分170の第2の部分174に電気的に接続される。
【0121】
次に図21を参照すると、はんだ電気コネクタ12を含むガラスアセンブリ10を合わせ窓アセンブリ90に形成するための方法600の例示的な一実施形態が提供される。説明を容易にするために、図21のフローチャートは、図11の実施形態に関して説明しており、この実施形態では、無はんだ電気コネクタ12が内側透明基板106の外向き面106Aに配置される。しかしながら、無はんだ電気コネクタ12が、図21のフローチャートに従って外側透明基板100の内向き面100Bに配置される同じ手順を利用することもできる。ただし、以下のステップ604で説明する手順に若干の違いがある。
【0122】
まずステップ602を参照すると、図9に最もよく示されるように、外側透明基板100、中間層102、及び内側透明基板106が形成され、外側透明シート100及び中間層102には、上述したように波形エッジ100C、102Cが形成される。図9には示されていないが、外側透明基板100、中間層102、及び内側透明基板106は、これらの形成ステップの一部として、湾曲した外側透明基板100、湾曲した中間層102、及び内側透明基板106として形成される。
【0123】
次に、ステップ604において、導電性インク104が、外側透明基板100及び内側透明基板106の一方又は両方の少なくとも一方の表面100B、106Aに塗布される(図11では、内側透明基板106の外向き面106Aに塗布されるように示される)。導電性インク104を塗布する方法は、上で議論した方法と同じであり、簡潔にするためにここでは繰り返さない。オプションで、ステップ604の一部として、塗布した導電性インク104は、光硬化及び/又は熱硬化されて硬化した導電性インクを形成するか、又は焼結されて焼結した導電性インク104を形成するか、又はそうでなければ上述したように乾燥される。
【0124】
次に、ステップ605において、中間層102が外側透明基板100と内側透明基板106との間に配置され、図10に示されるように、導電性インク104が中間層102と内側透明シート106との間に配置される、合わせ窓アセンブリ90が形成される。ステップ605の一部として、中間層102が外側透明基板100と導電性インク104との両方に接着される積層体を形成するのに十分であるが、導電性インク104を劣化させるには不十分である熱及び圧力が加えられる。また、ステップ605の一部として、波形エッジ領域100C、102Cは、同一の広がりを持つ波形エッジ107を形成するように位置合わせされ、内側透明基板106の外向き面106Aの一部と導電性インク104の一部とが覆われないままである。
【0125】
次に、ステップ606において、接着剤150は、導電性インク104の一部に、そしてオプションで、導電性インク104に隣接する内側透明基板106の外向き面106A(すなわち、導電性インク104の縁に隣接する内向き面106Aの一部)に塗布される。
【0126】
ステップ608において、端子アセンブリ160は、導電性インク104とは反対側の接着剤150上に位置付けされる。特に、ベースプレート部分162の下面164は、接着剤150の上面に配置され、上面と接触する。より具体的には、ベースプレート部分162の下面164は、接着剤150の上面に押し込まれる。
【0127】
ベースプレート部分162が非導電性材料から形成される実施形態では、フランジ部分170の第2の部分174も、ステップ608中に接着剤150の上面と接触する。ベースプレート部分162が導電性材料から形成されるさらに別の代替実施形態では、フランジ部分170の第2の部分174も、ステップ608中に接着剤150の上面と接触する。
【0128】
ベースプレート部分162及びフランジ部分170が別個の構成要素である実施形態では、ステップ608は、接着剤150上に配置される前又は後に、ベースプレート部分162及びフランジ部分170が互いに貼り付けられて一体構造を形成するサブステップも含み得る。
【0129】
次に、ステップ610において、上述した方法により接着剤150を硬化させて無はんだ電気コネクタ12を形成するが、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0130】
ステップ612では、ワイヤハーネス14が端子アセンブリ160に結合される。特に、図11に示されるように、ワイヤハーネス14のワイヤは、フランジ部分170の第2の部分174に電気的に結合される。
【0131】
次に図22を参照すると、無はんだ電気コネクタ300を含むガラスアセンブリ10を単一のガラス板50上に形成するための方法700の例示的な一実施形態が提供される。説明を容易にするために、フローチャートは図15の実施形態に関して説明したものであり、この実施形態では、無はんだ電気コネクタ300が単一のガラス板50の内向き面50B上に配置される。しかしながら、図22のフローチャートに従って、無はんだ電気コネクタ300が単一のガラス板50の外向き面50A上に配置される同じ手順を利用することもできる。ただし、以下のステップ704で説明する手順に若干の違いがある。
【0132】
まずステップ702を参照すると、単一のガラス板50は、上述したように、内向き面50B及び外向き面50Aを有する湾曲したガラス片として形成される。
【0133】
次に、ステップ704において、図17のステップ504で上述したのと同じ手順により、導電性インク52が、内向き面50B及び外向き面50Aの一方又は両方に塗布され(図8では、図2と同様に内向き面50Bに塗布されるように示される)、その手順は、ここでは繰り返さない。導電性インク104を塗布する方法は、上で論じた方法と同じであり、簡潔にするためにここでは繰り返さない。オプションで、ステップ704の一部として、塗布した導電性インク52は、光硬化及び/又は熱硬化されて硬化した導電性インクを形成するか、又は焼結されて焼結した導電性インク52を形成するか、又はそうでなければ上述したように乾燥される。
【0134】
ステップ706では、代替実施形態による無はんだ電気コネクタ300が形成されるか、又は別の方法で提供される。
【0135】
無はんだコネクタが形成される特定の実施形態では、上述したように、付勢部材/板ばね320は、中央領域326が絶縁カバー302を貫通して延びるように、成形絶縁カバー302内に成形されるか、又はそうでなければ成形絶縁カバー302に結合され得、そして、第1の端部322が内面306から離れる方向に外側に延び、第2の端部324が外面308から離れる方向に外側に延びる状態で、絶縁カバー302に取り付けられる。次に、接着剤350が、内面306及び端面308の交差部309に隣接した絶縁カバーの内面306に塗布される。さらに、特定の実施形態では、接着剤350は、付勢部材/板ばね320の第2の端部324と関連しない領域の内面306に塗布してもよい。
【0136】
図12図16のような例示的な実施形態では、接着剤350は、内面306に接着されるテープの形態であり、非導電性であっても導電性であってもよい。
【0137】
次に、ステップ708において、無はんだコネクタ300が導電性インク52上に結合される。特に、各付勢部材320の第1の端部322は、導電性インク52と電気的に接触するように位置付けされ、成形絶縁カバー302と導電性インク52との間で弾性的に圧縮される。接着剤350は、透明基板18上、特に単一のガラス板50の外向き面50B上、又は導電性インク52の外面53上に押し付けられ、絶縁カバー302を、透明基板18/単一のガラス板50に直接接着するか、又は導電性インク52を介して透明基板18/単一のガラス板50に間接的に接着し、それによって、付勢部材/板ばね320の第1の端部322はまた、接着剤350と、絶縁カバー302の内面306と、導電性インク52の上面との間に密封して配置される。さらに、付勢部材/板ばね320の第2の端部324は、透明基板18/単一のガラス板50及び導電性インク52から離れる方向に、絶縁カバー302の外面308から外側に延びる。
【0138】
次に、ステップ710において、接着剤350が硬化されて、無はんだ電気コネクタ12が形成される。ステップ710において、刺激を加えることによって接着剤350の硬化が開始される。特に、接着剤350の硬化は、導電性インク52の熱劣化温度よりも低い温度で行われる。これは、導電性インク52がその熱劣化温度を超える温度にさらされると、導電性インク52の劣化によって生じる導電性特徴16の一部又は全体に沿った導電性の損失を防ぐために望ましい。
【0139】
特定の実施形態では、接着剤350は、導電性インク52の熱劣化温度より低い温度で光硬化/光開始される。例えば、接着剤350は、接着剤を紫外線光源に瞬間的に曝露することによって光硬化/光開始される。このような実施形態では、硬化プロセスは、外部から開始されると自己持続するが、ユーザーが残りのステップを実行できるように、最小限の時間(例えば、約20秒を超える)を提供するのに十分に遅いものであってもよい。一例では、自己持続硬化は、紫外線ランプ等の光源に曝露されると触媒及び/又は開始剤を放出し得る複数のマイクロカプセルを有する触媒及び開始剤のうちの1つ又は複数を提供することによって促進され得る。
【0140】
他の特定の実施形態では、接着剤350は、導電性インク52の熱劣化温度より低い温度で熱硬化される。これらの実施形態では、塗布された接着剤350は、オーブン内で硬化するか、又は他の熱手段によって硬化するか、又は周囲環境で硬化することができる。ただし、この硬化は、上述したように、導電性インク52、104の熱劣化温度よりも低い温度で行われるものとする。さらに別の実施形態では、接着剤350は、上述した方法によって光硬化され、且つ導電性インク52の熱劣化温度より低い温度で熱硬化される。
【0141】
接着剤350が光で活性化されるテープ接着剤350である場合に、テープ接着剤350を透明基板18上に、特に単一のガラス板50の外向き面50B上又は導電性インク52の外面53上に塗布する前に、キャリア材料が接着剤350から除去され、テープ接着剤350に光が当てられ、絶縁カバー302を透明基板18/単一のガラス板50に直接接着するか、又はステップ708と同様に、透明基板18/単一のガラス板50に接着する。
【0142】
ステップ712において、ワイヤハーネス14は、各付勢部材320の第2の端部324に結合される。特に、図15に示されるように、ワイヤハーネス14のワイヤは、付勢部材320の開口部を介して各付勢部材320の第2の端部324に電気的に結合される。
【0143】
次に図23を参照すると、無はんだ電気コネクタ300を含むガラスアセンブリ10を合わせ窓アセンブリ90上に形成するための方法800の例示的な一実施形態が提供される。説明を容易にするために、フローチャートは図16の実施形態に関して説明しており、この実施形態では、無はんだ電気コネクタ300が内側透明基板106の外向き面106A上に配置される。しかしながら、フローチャートに従って、無はんだ電気コネクタ300が外側透明基板106の内向き面100B上に配置される同じ手順を利用することもできる。ただし、以下のステップ804で説明する手順が若干異なる。
【0144】
まずステップ802を参照すると、図9に最もよく示されるように、外側透明基板100、中間層102、及び内側透明基板106は上述したように形成されるので、ここでは繰り返さない。
【0145】
次に、ステップ804において、導電性インク104が、外側透明基板100及び内側透明基板106の一方又は両方の少なくとも1つの表面100B、106Aに塗布される(図16では、内側透明基板106の外向き面106Aに塗布されるように示される)。
【0146】
導電性インク104の塗布方法は、導電性インク52の塗布に関して図17のステップ504で説明した方法と同様であり、簡潔にするためにここでは繰り返さない。オプションで、ステップ804の一部として、塗布した導電性インク52は、光硬化及び/又は熱硬化されて硬化した導電性インクを形成するか、又は焼結されて焼結した導電性インク52を形成するか、又はそうでなければ上述したように乾燥される。
【0147】
次に、ステップ805において、中間層102が外側透明基板100と内側透明基板106の間に配置され、図16に示されるように上述したのと同じ方法によって中間層102と内側透明シートとの間に導電性インク104が配置された、合わせ窓アセンブリ90が形成されるが、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0148】
ステップ806では、代替実施形態による無はんだ電気コネクタ300が、上述した方法に従って形成される又はそうでなければ提供されるが、簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0149】
次に、ステップ808において、無はんだコネクタ300は導電性インク104上に結合される。特に、各付勢部材320の第1の端部322は、導電性インク104と電気的に接触するように位置付けされ、成形絶縁カバー302と導電性インク104との間で弾性的に圧縮される。接着剤350は、透明基板18上、特に内側透明シート106の外向き面106B上又は導電性インク104の外面105上に押し付けられて、絶縁カバー302を透明基板18/内側透明シート106に直接接着するか、又は導電性インク104を介して透明基板18/内側透明シート106に間接的に接着し、それによって、付勢部材/板ばね320の第1の端部322はまた、接着剤350と、絶縁カバー302の内面306と、導電性インク104の上面105との間に密封して配置される。さらに、付勢部材/板ばね320の第2の端部324は、透明基板18/内側透明シート106及び導電性インク104から離れる方向に、絶縁カバー302の外面308から外側に延びる。
【0150】
次に、ステップ810において、図20のステップ710で上述したのと実質的に同じ方法で、接着剤350を硬化させて無はんだ電気コネクタ300を形成する。簡潔にするためにここでは繰り返さない。
【0151】
ステップ812において、ワイヤハーネス14は、各付勢部材320の第2の端部324に結合される。特に、図16に示されるように、ワイヤハーネス14のワイヤは、付勢部材320の開口部を介して各付勢部材320の第2の端部324に電気的に結合される。
【0152】
前述の説明では、いくつかの実施形態について説明してきた。しかしながら、本明細書で説明した実施形態は、網羅的であること、又は本発明を特定の形態に限定することを意図したものではない。使用した用語は、限定を目的とするものではなく、むしろ説明を目的としたものである。上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能であり、本発明は、具体的に説明した以外の方法で実施することもできる。
【0153】
本明細書で既に述べたものを超える様々な追加の交替及び変更を、上述した実施形態に対して行うことができる。この開示は、例示を目的として提示しており、全ての実施形態の網羅的な説明として解釈すべきではなく、また、特許請求の範囲をこれらの実施形態に関連して図示又は説明した特定の要素に限定するものとして解釈すべきではない。例えば、限定しないが、説明した実施形態の任意の個々の要素は、実質的に同様の機能を提供する、又はそうでなければ適切な動作を提供する代替要素によって置き換えることができる。これには、例えば、現在当業者に知られている可能性があるもの等、現在知られている代替要素、及び当業者が開発時に行う、代替として認識する可能性があるもの等、将来開発される可能性のある代替要素が含まれる。例えば、冠詞「1つの(a、an)」、「その(the、said)」を使用して単数形で特許請求の範囲の要素に言及する場合に、その要素を単数形に限定するものとして解釈すべきではない。さらに、用語「含む(include、includes、inclduing」は、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」と同じ意味を有することが理解されよう。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【外国語明細書】