(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089172
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】表示データ管理装置及び表示データ管理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204371
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 龍也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技場の店員の手を煩わせずに、自動的に遊技台に応じた表示コンテンツを遊技機情報表示装置に表示できる状態にする。
【解決手段】遊技機情報表示装置Dの表示データを管理する管理コンピュータCは、遊技機情報表示装置Dに表示させる表示候補画像Xが記憶される記憶部CSと、表示候補画像Xの中からそれぞれの遊技機情報表示装置Dに表示させる表示対象画像の指定を受け付ける受付部と、記憶部CSに格納された表示候補画像Xと、それぞれの遊技機情報表示装置Dの記憶部114に格納された表示候補画像Xとの差分である差分候補画像の有無を監視し、差分候補画像Xが発見された遊技機情報表示装置Dの記憶部114に対し、通信部CTを介して差分候補画像を新たな表示候補画像として自動的にダウンロードする処理を実行する制御部とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置される複数の遊技機のそれぞれに対応して設けられた複数の遊技機情報表示装置の表示データを管理する表示データ管理装置であって、
前記遊技機情報表示装置に表示させる表示候補画像が記憶される管理用記憶部と、
前記表示候補画像の中からそれぞれの前記遊技機情報表示装置に表示させる表示対象画像の指定を受け付ける受付部と、
前記表示対象画像を示す命令をそれぞれの前記遊技機情報表示装置に送信する通信部と、
前記管理用記憶部に格納された表示候補画像と、それぞれの前記遊技機情報表示装置の表示用記憶部に格納された表示候補画像との差分である差分候補画像の有無を監視し、前記差分候補画像が発見された前記遊技機情報表示装置の前記表示用記憶部に対して、前記差分候補画像を新たな前記表示候補画像として自動的にダウンロードする処理を実行する制御部とを備える、
ことを特徴とする表示データ管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示データ管理装置において、
前記制御部は、表示コンテンツを提供するコンテンツサーバーにアップロードされたアップロード画像と、前記管理用記憶部に格納されている表示候補画像との差分画像の有無を監視し、前記差分画像を新たな前記表示候補画像として前記管理用記憶部に自動的にダウンロードする
ことを特徴とする表示データ管理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表示データ管理装置と、
前記複数の遊技機情報表示装置とを備える、
ことを特徴とする表示データ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技機に対応して設置されて、その遊技機の情報や遊技場全体の情報等を表示する遊技機情報表示装置に表示させる表示データを管理する表示データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技場のパチンコやスロットの遊技機の上方位置には、各遊技機の出玉情報や大当たり情報、遊技場全体の情報を表示し、さらに店員の呼出し等を行う、いわゆる呼出しランプと呼ばれる、遊技機情報表示装置が設置されている。
【0003】
こうした遊技機情報表示装置では、近年、大型の液晶パネルを用いた構成が主流となっている。特許文献1及び特許文献2には、大型の液晶パネルを用いた遊技機情報表示装置が開示されている。このように表示パネルを大型化することにより、遊技機情報表示装置の装飾性を高めたり、一画面に表示させる遊技情報の項目数や情報量を増加させたりすることができ、遊技者の高揚感や満足度を高めることができる。
【0004】
一方で、新規遊技台への入れ替えにより、遊技機情報表示装置で表示される画像はその都度入れ替える必要が生じ、遊技場の店員は遊技台の入替に伴い、その都度煩わしい作業が問題となっていた。具体的に、遊技場の店員が遊技台の入れ替え時に、表示コンテンツが格納されたコンテンツサーバーを閲覧し、対象となる画像ファイルを管理装置にダウンロードし、その後、管理装置から表示対象となる画像ファイルを選択して、それぞれの遊技機情報表示装置へ個別に送信するといった作業が発生していた。
【0005】
特許文献3には、営業終了前において、入替工事の後に設置される遊技機に対応する画像を管理コンピュータから遊技機情報表示装置に送信し、例えば、営業時間が終了し、更新画像の更新画像記憶部への書き込みが完了すると、表示画像記憶部に記憶された表示画像を上記更新画像に差し替える制御をするように構成された遊技場用データ転送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-203125号公報
【特許文献2】特開2015-180436号公報
【特許文献3】特開2016-158783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献3の技術を用いることにより、遊技機の入替工事等に伴って発生していた営業時間後の画像転送に必要な時間及び遊技場の店員等が画像データ転送後の検証作業等をするための待機時間を削減することができるという効果が得られる。
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術を用いたとしても、前述の「表示候補となる画像ファイルを管理装置にダウンロードし、その後、その表示候補となる画像ファイルを選択して、それぞれの遊技機情報表示装置に送信指示する」という操作は、遊技場の店員が行う必要のある作業として残っているため改善の余地があった。
【0009】
また、新台入れ替えや遊技台の移動等に伴って、以前設置されていた機種に戻されるような場合が生じ得るが、そのような場合に、以前の画像に戻すために、画像データを管理装置から遊技機情報表示装置に再送し、登録しなおす必要があるという課題があった。
【0010】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、遊技場の店員の手を煩わせずに、自動的に、遊技台の入れ替えや設置場所の移設時に遊技台に応じた表示コンテンツを遊技機情報表示装置に表示できる状態にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
その目的を達成するために、この発明では、管理装置において、管理記憶部に遊技機情報表示装置用の新たな表示候補画像が格納された場合に、それぞれの遊技機情報表示装置の表示用記憶部に新たな表示候補画像が格納されているか否かを確認し、新たな表示コンテンツが格納されていない遊技機情報表示装置に対して、既存の表示候補画像に追加して新たな表示候補画像をダウンロードする処理を実行するようにしている。
【0012】
具体的に、本開示の第1態様では、遊技場に設置される複数の遊技機のそれぞれに対応して設けられた複数の遊技機情報表示装置の表示データを管理する表示データ管理装置を対象として、前記遊技機情報表示装置に表示させる表示候補画像が記憶される管理用記憶部と、前記表示候補画像の中からそれぞれの前記遊技機情報表示装置に表示させる表示対象画像の指定を受け付ける受付部と、前記表示対象画像を示す命令をそれぞれの前記遊技機情報表示装置に送信する通信部とを備え、前記管理用記憶部に格納された表示候補画像と、それぞれの前記遊技機情報表示装置の表示用記憶部に格納された表示候補画像との差分である差分候補画像の有無を監視し、前記差分候補画像が発見された前記遊技機情報表示装置の前記表示用記憶部に対して、前記差分候補画像を新たな前記表示候補画像として自動的にダウンロードする処理を実行する制御部とを備える構成とした。
【0013】
また、表示データ管理システムを対象として、上記第1態様に記載の表示データ管理装置と、前記複数の遊技機情報表示装置とを備える構成としてもよい。
【0014】
上記態様によると、表示データ管理装置が、管理用記憶部に格納された表示候補画像と、それぞれの遊技機情報表示装置の表示用記憶部に格納された表示候補画像との差分である差分候補画像の有無を監視し、追加の差分候補画像が発見された遊技機情報表示装置の表示用記憶部に対して、差分候補新たな前記表示候補画像として自動的にダウンロードするようにしている。これにより、「表示候補となる画像ファイルを管理装置にダウンロードし、その後、その表示候補となる画像ファイルを選択して、それぞれの遊技機情報表示装置に送信指示する」という店員による操作が不要になり、店員の煩わしさを大幅に解消することが可能となる。また、表示データ管理装置に接続されたすべての遊技機情報表示装置において、過去から最新にわたる共通の表示候補画像を保有することができるので、日々多くの遊技機の新台が発売され、遊技機の入替も頻繁に行われる状況下においても、すぐに遊技機に応じた画像を利用し、遊技機と遊技情報表示とで一体となった演出ができる。
【0015】
上記第1態様において、前記制御部は、表示コンテンツを提供するコンテンツサーバーにアップロードされたアップロード画像と、前記管理用記憶部に格納されている表示候補画像との差分画像の有無を監視し、前記差分画像を新たな前記表示候補画像として前記管理用記憶部に自動的にダウンロードする、構成としてもよい。
【0016】
このような構成にすることで、遊技場の店員がコンテンツサーバーのアップロードの状態を確認する必要がないので、店員の煩わしさを大幅に解消することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、遊技場の店員の手を煩わせずに、自動的に、遊技台の入れ替えや設置場所の移設時に遊技台に応じた表示コンテンツを遊技機情報表示装置に表示できる状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】遊技場情報管理システムの全体構成を示すイメージ図
【
図3】表示データ管理システムの構成例を示すブロック図
【
図4】表示データ管理システムの動作例を示すフローチャート
【
図5】表示データ管理システムの動作について説明するための図
【
図6】表示データ管理システムの動作について説明するための図
【
図7】表示データ管理システムの動作について説明するための図
【
図8】表示データ管理システムの動作について説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1は実施形態に係る遊技場情報管理システムの構成例を示すイメージ図である。遊技場情報管理システムは、表示データ管理システムを含む。
【0021】
表示データ管理システムは、管理コンピュータC(表示データ管理装置に相当)と、複数の遊技機情報表示装置Dとを備える。
【0022】
周知のように遊技場には、複数の島Iが設けられている。それぞれの島Iには、複数の遊技機Mが並べて設置される。
【0023】
遊技場には、遊技機情報表示装置Dの管理(表示データの管理を含む)を行う管理コンピュータC(管理装置に相当)と、管理コンピュータCと双方向通信可能に接続された中継ユニットGWとが設けられる。それぞれの島Iには、中継ユニットGWを介して管理コンピュータCと双方向通信可能に接続された島管理ユニットIUが設けられている。中継ユニットGWは、例えば、単一のハブで構成されたり、複数のハブを階層的に接続した構成になっている。
【0024】
さらに、遊技場には、遊技機Mの遊技情報を管理するホールコンピュータHが設けられている。ホールコンピュータHとそれぞれの遊技機情報表示装置Dの間には、遊技台ごとに設けられた中継ユニットQが介在している。言い換えると、遊技機情報表示装置Dは、それぞれに対応して設けられている中継ユニットQを介して、ホールコンピュータHに接続されている。遊技機情報表示装置Dは、接続対象の遊技機Mから出力信号(遊技情報を含む)を受信し、受信した遊技情報を表示パネルWに表示させるとともに、遊技機Mから受信した信号を中継ユニットQを介してホールコンピュータHに出力する。
【0025】
なお、
図1では、管理コンピュータCとホールコンピュータHとが別々に設けられた例を示しているが、管理コンピュータCとホールコンピュータHを一体的に構成してもよい。この場合、例えば、ホールコンピュータHが、管理コンピュータCとしての機能を兼ね備える。
【0026】
図2は、遊技機情報表示装置Dの設置状態を示す正面図であり、より具体的には、島Iの一部を正面から見た図である。以下の説明では、遊技機情報表示装置Dの設置状態を基準として、上下を定義する。また、遊技機情報表示装置Dが設置された状態で、遊技者P側を「前」、パチンコ台等の遊技機Mを設置する島側を「後」とし、遊技者Pの視点(正面視)を基準として左右を定義する(
図2参照)。
【0027】
島Iにおいて、複数の遊技機Mが左右方向に並べて設置されている。それぞれの遊技機Mの上部には、着席した遊技者Pからも表示パネルWが見える位置に遊技機情報表示装置Dが設置されている。具体的には、島Iの上部に設けられた幕板I1と遊技機Mの間に、左右方向に延びる梁部I2が設けられており、この梁部I2に取付部材(図示省略)を介して遊技機情報表示装置Dが取り付けられている。
【0028】
なお、説明の便宜上、複数の遊技機Mについて、M1、M2、M3、…、Mnの符号を付して区別して説明する場合がある。同様に、遊技機情報表示装置Dについて、D1、D2、D3、…、Dnの符号を付して区別して説明し、それぞれの遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnの表示パネルWについて、W1、W2、W3、…、Wnの符号を付して説明する場合がある。この場合、遊技台M1と遊技機情報表示装置D1が接続され、遊技台M2と遊技機情報表示装置D2が接続され、遊技台M3と遊技機情報表示装置D3が接続され、遊技台Mnと遊技機情報表示装置Dnが接続されているものとする。
【0029】
図3は、管理コンピュータC及び遊技機情報表示装置Dの構成例を示すブロック図である。
【0030】
管理コンピュータCは、通信部CTと、受付部CUと、制御部CPと、管理用記憶部に相当する記憶部CSとを備える。
【0031】
通信部CTは、制御部CPからの制御に基づいて、インターネット等のネットワークを介してコンテンツサーバとの間での通信を行ったり、遊技機情報表示装置Dとの間の通信を行う機能を有する。通信部CTで用いられる通信方式(通信プロトコル)は、特に限定されず、従来から知られている通信方式(通信プロトコル)を用いることができる。
【0032】
受付部CUは、後述する表示候補画像X(例えば、
図5のX1、X2参照)の中からそれぞれの遊技機情報表示装置Dに表示させる表示対象画像の指定を受け付ける機能を有する。受付部CUの具体的な構成は特に限定されない。例えば、管理コンピュータCに接続され、遊技場の店員の入力操作を受け付けるマウスやキーボード(図示省略)等などが受付部CUとして機能し得る。また、管理コンピュータCがタッチパネル式のコンピュータの場合、管理コンピュータCの表示パネル(タッチセンサ)が受付部CUとして機能し得る。さらに、遊技場の店員が端末装置などを介して入力操作をし、その入力操作の結果が無線通信等で管理コンピュータCに送られる場合、その無線信号の受信を行う通信部CTが受付部CUとしての機能を兼ねることができる。
【0033】
記憶部CSには、遊技機情報表示装置Dに表示させる表示候補画像Xや、複数の遊技情報表示装置の遊技情報バックアップデータや島Iの遊技情報表示装置の設置構成情報、制御部CPを動作させるためのプログラム等が記憶されている。記憶部CSは、単体の記憶媒体で構成されてもよいし、物理的に分離された複数の記憶媒体で構成されてもよい。また、記憶部CSとして用いる記憶媒体の種別も特に限定されず、HDD、SDカード、半導体メモリ等が好適に使用できる。
【0034】
表示候補画像Xには、静止画像と動画像とが含まれる。また、表示候補画像Xは、例えば、(1)通常遊技画像、(2)大当り等の特別遊技中に表示される特別遊技画像、(3)遊技場の広告やイベント等のお知らせをするためのお知らせ画像が含まれ得る。また、表示候補画像Xとして、通常遊技画像、特別遊技画像及び/またはお知らせ画像に用いられる画像素材が含まれていてもよい。この画像素材には、それぞれの遊技機Mに対応した画像素材が含まれ得る。例えば、画像素材として、(1)静止画または動画像として作成された背景画像素材、(2)1または複数の数字やアルファベット、漢字やひらがな等で構成された文字画像素材、(3)表示画面を区画するグリッド線等のフレーム画像素材、(4)遊技情報をグラフで表現するのに用いられるグラフ画像素材が含まれる。
図2の各遊技機情報表示装置Dの表示パネルWには、表示候補画像Xを用いた通常遊技画像の一例を示している。
【0035】
表示候補画像Xは、あらかじめ記憶部CSに格納されていてもよいし、通信部CTを介して入力されたものであってもよい。また、遊技場の店員等が管理コンピュータCを用いて作成したものであってもよい。
【0036】
制御部CPは、例えば、CPU(Central Processing Unit)で実現され、記憶部CSに格納されたプログラムや受付部CUで受け付けられた入力操作等に基づいて管理コンピュータCの動作を制御したり、各種演算を実行する。
【0037】
具体的には、制御部CPは、所定の時間毎(例えば15分毎)に、通信部CTを介して表示候補画像Xを提供するコンテンツサーバーにアップロードされた新たな表示候補画像であるアップロード画像の有無を確認する。そして、新たなアップロード画像があった場合には、新たなアップロード画像が、記憶部CSに格納されている既存の表示候補画像Xに含まれるかどうかを確認する。
【0038】
新たなアップロード画像が既存の表示候補画像Xに含まれるかどうかの確認方法は、特に限定されない。例えば、画像のファイル名を特定のルールに基づいて設定するようにし、そのファイル名同士の比較結果に基づいて、新たなアップロード画像が既存の表示候補画像Xに含まれるかどうかを確認してもよい。また、ファイルが格納された日時に基づいて確認するようにしてもよいし、プログラムや専用のアルゴリズム等を活用して画像同士を直接比較した結果等に基づいてもよい。
【0039】
そして、既存の表示候補画像Xとの差分があった場合には、通信部CTを介して、その差分画像を新たな表示候補画像Xとして記憶部CSに自動的にダウンロードする。なお、上記の所定の時間は、特に限定されず、15分より短くてもよいし、長くてもよい。
【0040】
さらに、制御部CPは、記憶部CSに新たな表示候補画像が格納された場合に、記憶部CSに格納された表示候補画像と、それぞれの遊技機情報表示装置Dの後述する記憶部114に格納された表示候補画像との差分である差分候補画像の有無を確認する。そして、制御部CPは、差分候補画像が発見された遊技機情報表示装置Dの後述する記憶部114に対して、差分候補画像を新たな表示候補画像Xとして自動的にダウンロードする処理を実行する。
【0041】
また、制御部CPは、それぞれの遊技機情報表示装置Dに表示させる表示対象表示候補画像Xの指示情報を受付部CUから取得する。そして、通信部CTを介してそれぞれの遊技機情報表示装置Dに対して、表示パネルWに表示させる表示対象画像を示す命令を送信する。具体的な制御部CPの処理内容については、後ほど具体例を交えて説明する。
【0042】
次に、遊技機情報表示装置Dの構成例について説明する。遊技機情報表示装置Dには、制御基板(図示省略)が内蔵されており、その制御基板に
図3に示す回路等が実装されたり、直接または間接的に接続されたりしている。
【0043】
遊技機情報表示装置Dは、入出力手段として、入出力部101と、外部通信部102と、外部メモリソケット103とを備え、入力手段として、リモコン受信部104と、タッチスイッチ105とを備え、出力手段として、表示パネルW及び装飾発光部3と、音声出力部106とを備える。
【0044】
入出力部101は、その遊技機情報表示装置Dに対応する遊技機Mと通信可能に構成され、遊技機Mから遊技情報を取得する。また、入出力部101は、ホールコンピュータHと通信可能に構成され、遊技機Mから取得した遊技情報をホールコンピュータHに送信する。また、入出力部101は、表示パネルWに表示された呼出しボタン(図示省略)へのタッチ操作があった場合に、そのタッチ操作に基づいて、ホールコンピュータHに呼出情報を送信する機能を有する。
【0045】
外部通信部102は、管理コンピュータC等と通信可能に構成され、管理コンピュータCから送信される音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。さらに、外部通信部102は、管理コンピュータCから表示対象画像を示す命令を受信し、後述するメイン制御回路109に送信する。
【0046】
外部通信部102と管理コンピュータCの接続に用いられる通信方式は特に限定されないが、例えば、RS485が好適に適用できる。外部通信部102は、遊技機情報表示装置Dの電源がオンされた場合に、自動的に管理コンピュータCとの通信を確立させるように動作する。
【0047】
外部メモリソケット103は、USBメモリ等の記憶媒体(図示省略)が接続可能に構成され、その記憶媒体に記録された音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。
【0048】
リモコン受信部104は、遊技場の店員等が操作するリモコン(図示省略)から送信される操作信号を受信可能に構成され、そのリモコンから受信した操作信号を後述するメイン制御回路109に送信する。
【0049】
タッチスイッチ105は、表示パネルWの前面を覆う透明のフロントプレート部材の表面(前面)から遊技者P等が操作するタッチ操作の情報(以下、「操作情報」という)を取得可能に構成されている。タッチスイッチ105で取得された操作情報は、タッチコントローラ111を介して後述するメイン制御回路109に送信される。
【0050】
さらに、遊技機情報表示装置Dは、管理コンピュータCから受信した表示対象画像を示す命令に基づいて、表示パネルWの表示を制御する演算処理部108を備える。
【0051】
演算処理部108は、メイン制御回路109と、音声画像制御回路110とを備える。
【0052】
メイン制御回路109は、記憶部112に格納されたプログラム等に基づいて、遊技機情報表示装置Dの全体を制御する機能を有する。具体的には、メイン制御回路109では、各種の演算処理を行ったり、表示パネルWの表示制御、装飾発光部3の点滅制御といった遊技機情報表示装置Dの表示制御を行ったりするように構成されている。
【0053】
音声画像制御回路110は、メイン制御回路109から出力される制御信号によって制御される。音声画像制御回路110は、メイン制御回路109の制御を受けて、画像信号変換回路115に画像信号を送信し、音声出力部106に音声情報を送信する。画像信号変換回路115には、表示パネルWが接続されており、画像信号変換回路115で生成した画像表示データが表示パネルWに表示される。
【0054】
次に、
図4から
図8を参照しつつ、表示データ管理システムの動作について説明する。
図5は、管理コンピュータCの記憶部CS、遊技機情報表示装置Dの記憶部114及びコンテンツサーバーVの初期状態を示している。
図5において、塗りつぶしている表示候補画像Xは、それぞれの遊技機情報表示装置Dの表示パネルWに表示させる表示対象画像として指定された画像を示している。なお、以下の
図5~
図8の説明では、表示候補画像Xとして4つの表示候補画像X1~X4を例示して説明する。
【0055】
図5の例では、遊技機情報表示装置D1、D2において表示候補画像X2が表示対象画像として指定され、遊技機情報表示装置D3、Dnにおいて表示候補画像X1が表示対象画像として指定されている。
図6~
図8においても、
図5と同様に表示対象画像として指定された画像を塗りつぶして示している。
【0056】
図5の初期状態において、コンテンツサーバーVには、表示候補画像X1、X2が格納されている。具体的に、例えば、コンテンツサーバーVにおいて、特定の名称(例えば、「日付+リビジョン番号」)のリンクが設定され、そのリンクを介して、対応する表示コンテンツ(表示候補画像)がダウンロードできるようになっている。
【0057】
図5の初期状態において、管理コンピュータCの記憶部CSには、コンテンツサーバーVと同じ表示候補画像X1、X2が格納されている。記憶部CSの表示候補画像X1、X2は、コンテンツサーバーVのそれぞれの表示候補画像X1、X2と同一の名称で管理されている。また、表示候補画像X1、X2の識別子が管理リストに登録されている。この例では、ファイル名F1、F2が管理リストに登録されている。このように、同一名称を用いることで、表示候補画像の差分が確認できるようにしている。ただし、同一名称を用いることに限定されず、それぞれの表示候補画像が識別できるのであれば、他の識別態様をとってもかまわない。すなわち、コンテンツサーバーVに格納された表示候補画像Xと記憶部CSに格納された表示候補画像Xとの差分が取れればよく、その具体的形態は問わない。以下の記憶部114についても同様であり、記憶部114に格納された表示候補画像Xと記憶部CSに格納された表示候補画像Xとの差分が取れればよく、その具体的形態は問わない。
【0058】
図5の初期状態において、遊技機情報表示装置D1、D2、Dnの記憶部114には、記憶部CSと同じ表示候補画像X1、X2が格納されている。遊技機情報表示装置D1、D2、Dnにおいて、表示候補画像X1、X2は、記憶部CSと同一の名称で管理されている。また、表示候補画像X1、X2の識別子(例えば、ファイル名F1、F2)が管理リストに登録されている。また、遊技機情報表示装置D3の記憶部114には、管理コンピュータCの記憶部CSと同じ表示候補画像X1が格納されている。この表示候補画像X1は、記憶部CSと同一の名称で管理されている。
【0059】
図4のフローチャートは、管理コンピュータCから見た動作の一例を記載しており、上段には、管理コンピュータCとコンテンツサーバーVとの間のやりとりに関連する動作を示し、下段には、管理コンピュータCとそれぞれの遊技機情報表示装置Dとの間のやりとりに関連する動作を示している。
図4の上段と下段の動作は、互いに独立かつ並行して実行することができ、同時に行われてもよいし、上段と下段の先後によらずに、互いに異なるタイミングで実行されてもよい。
【0060】
なお、前述のとおり、
図5~
図8において、それぞれの遊技機情報表示装置Dの表示パネルWにおいて、表示対象画像として指定された画像を塗りつぶして示している。
【0061】
ステップS11において、管理コンピュータCは、コンテンツサーバーVにアップロードされたアップロード画像と、記憶部114に格納されている表示候補画像Xとの差分画像の有無を確認する。
図5の例では、差分画像がないので、ステップS12においてNO判定となり、フローはステップS11に戻る。
【0062】
ステップS21において、管理コンピュータCは、記憶部114に格納されている表示候補画像Xと、それぞれの遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnの記憶部114に格納された表示候補画像Xとの差分である差分候補画像の有無を確認する。
図5の例では、遊技機情報表示装置D3の記憶部114に表示候補画像X2が格納されていないこと、すなわち、差分候補画像としてX2があることが認識される。
【0063】
ステップS22において、管理コンピュータCは、差分候補画像が発見された遊技機情報表示装置Dの記憶部114に対して、差分候補画像を新たな表示候補画像Xとして自動的にダウンロードする処理を実行する。
図5の例では、管理コンピュータCは、差分候補画像が発見された遊技機情報表示装置D3の記憶部114に対して、差分候補画像であるX2を新たな表示候補画像Xとして自動的にダウンロードする処理を実行する(
図5の破線参照)。差分候補画像X2のダウンロードは、例えば、遊技場の営業時間中または営業時間外において、随時に実行される。差分候補画像X2のダウンロードが終了すると、遊技場の店員は、すべての遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnにおいて、管理コンピュータCと共通の表示候補画像X1、X2を表示対象画像として指定することが可能になる。
【0064】
ステップS21とステップS22の処理は、所定の時間毎に繰り返し実行されてもよいし、記憶部CSに新たな表示候補画像Xが格納されるなどの所定の条件が満たされるごとに実行されるようにしてもよい。
【0065】
次に、
図6に示すように、コンテンツサーバーVに新たな表示候補画像であるX3、X4がアップロードされたとする。
【0066】
ステップS11において、管理コンピュータCは、コンテンツサーバーVにアップロードされたアップロード画像と、管理コンピュータCに格納されている表示候補画像との差分画像として、X3、X4があることを認識する。すなわち、
図4のステップS12でYES判定となり、フローは次のステップS13に進む。
【0067】
ステップS13において、管理コンピュータCは、ステップS11で発見された差分画像X3、X4を新たな表示候補画像Xとして管理コンピュータCに自動的にダウンロードする。この際に、コンテンツサーバーVと同一の名称で保存し、管理リストに表示候補画像X3、X4のファイル名F3、F4を登録する(
図6の破線参照)。ステップS13が終わると、フローはステップS11に戻り、所定の時間毎にステップS11~S13の処理が実行される。
【0068】
その後のステップS21において、管理コンピュータCは、それぞれの遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnの記憶部114に格納された表示候補画像Xとの差分候補画像として、X3、X4があることを認識する。
【0069】
次のステップS22において、管理コンピュータCは、差分候補画像が発見された遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnのそれぞれの記憶部114に対して、差分候補画像X3、X4を新たな表示候補画像Xとして自動的にダウンロードする処理を実行する(
図7の破線参照)。差分候補画像X3、X4のダウンロードは、例えば、遊技場の営業時間中または営業時間外において、随時に実行される。差分候補画像X3、X4のダウンロードが終了すると、遊技場の店員は、すべての遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnにおいて、共通の表示候補画像X1~X4を表示対象画像として指定することが可能になる。
【0070】
図8では、差分候補画像X3、X4のダウンロード後に、遊技場の店員から管理コンピュータCに対して、それぞれの遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnに表示させる表示対象画像の新たな指定が入力された例を示している。具体的に、
図8の例では、管理コンピュータCは、遊技機情報表示装置D1に表示対象画像X4を表示させ、遊技機情報表示装置D2に表示対象画像X3を表示させ、遊技機情報表示装置D3に表示対象画像X1を表示させ、遊技機情報表示装置Dnに表示対象画像X2を表示させる命令を受け取り、その命令をそれぞれの遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnに送信している。そして、それぞれの遊技機情報表示装置D1、D2、D3、…、Dnでは、受信した命令を即座に反映し、遊技機Mの遊技状態や店員からの指示にしたがって、表示対象画像を表示パネルWに表示することができるように切り替える。
【0071】
以上のように、本実施形態によると、管理コンピュータCがコンテンツサーバーVとの差分画像の有無を監視して、差分画像がある場合には、自動的にダウンロードするようにしている。さらに、管理コンピュータCは、それぞれの遊技機情報表示装置Dとの差分候補画像の有無を監視して、差分候補画像がある遊技機情報表示装置Dに対して、差分候補画像を新たな表示候補画像Xとして自動的にダウンロードする処理を実行するようにしている。これにより、店員の煩わしさを大幅に解消することが可能となる。また、管理コンピュータCに接続されたすべての遊技機情報表示装置Dにおいて、過去から最新にわたる共通の表示候補画像Xを保有することができるので、日々多くの遊技機Mの新台が発売され、遊技機Mの入替も頻繁に行われる状況下においても、すぐに遊技機Mに応じた画像を利用し、遊技機Mと遊技情報表示とで一体となった演出ができる。
【0072】
-その他の実施形態-
なお、本開示における技術は、上記実施形態での説明した構成に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用が可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0073】
例えば、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0074】
上記の実施形態では、表示パネルWに表示される表示画像を例に説明したが、これに限定されない。例えば、表示パネルWに表示される表示画像と組み合わせて、または、表示画像と独立して、音声出力部106から出力される音声についても同様の処理を行うことができる。この場合、前述の実施形態における画像との記載を音声に読み替えることで処理が実行でき、同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、店員の煩わしさを大幅に解消することが可能となり、日々多くの遊技機の新台が発売され、遊技機の入替も頻繁に行われる状況下においても、すぐに遊技機に応じた画像を利用することができるので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0076】
C 管理コンピュータ(表示データ管理装置)
CP 制御部
CS 記憶部(管理用記憶部)
CT 通信部
CU 受付部
D 遊技機情報表示装置
V コンテンツサーバー
X 表示候補画像
114 記憶部(表示用記憶部)