(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089177
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】遊技機情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204377
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC23
2C088BC53
2C088CA28
2C088CA31
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】遊技場に並べて設置された多数の遊技機情報表示装置の中から故障又は設備不良等を早期に発見できるようにする。
【解決手段】遊技機情報表示装置Dは、遊技機の遊技情報を表示する表示パネル部2と、管理コンピュータCと通信をする通信部102と、表示パネル部2の表示を制御する演算処理部108とを備える。演算処理部108は、遊技機情報表示装置Dの電源がオンされているにもかかわらず、管理コンピュータCとの通信が確立されていない場合、表示パネル部2に接続エラー表示画面を表示させるとともに通常の遊技機情報表示装置Dとしての機能を働かせない通信エラーモードに移行する処理を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の周辺に設置される遊技機情報表示装置であって、
前記遊技機の遊技情報を表示する表示パネル部と、
前記遊技機情報表示装置の管理をする管理コンピュータと通信をする通信部と、
前記表示パネル部の表示を制御する演算処理部とを備え、
前記通信部は、前記遊技機情報表示装置の電源がオンされた場合に、自動的に前記管理コンピュータとの通信を確立させるように動作し、
前記演算処理部は、前記遊技機情報表示装置の電源がオンされているにもかかわらず、前記管理コンピュータとの通信が確立されない場合、前記表示パネル部に通信エラーが発生していることを示す通信エラー画像を表示させるとともに通常の前記遊技機情報表示装置としての機能を働かせない通信エラーモードに移行する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記演算処理部は、前記通信エラーモードにおいて、模擬的に前記遊技機の遊技情報を表示するデモ画面を表示させるデモ表示モードに移行する操作を受け付けるデモ表示モード設定ボタンを前記表示パネル部に表示させ、前記デモ表示モード設定ボタンへの操作入力が検知された場合に、前記通信エラーモードから前記デモ表示モードに移行する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記演算処理部は、前記遊技機情報表示装置の電源がオンされているにもかかわらず、前記管理コンピュータとの通信が確立されない場合、前記遊技情報表示装置単独での通常動作を開始し、その後に設定された回数を超えて使用されたときに前記通信エラーモードに移行する処理を実行する
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【請求項4】
請求項1記載の遊技機情報表示装置において、
前記通信エラー画像は、前記遊技情報を表示した画面の一部または全部を覆うように配置される
ことを特徴とする遊技機情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技機の上方位置に設置されて、その遊技機の情報や遊技場全体の情報等を表示することができる遊技機情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技場のパチンコやスロットの遊技機の上方位置には、各遊技機の出玉情報や大当たり情報、遊技場全体の情報を表示し、さらに店員の呼出し等を行う、いわゆる呼出しランプと呼ばれる、遊技機情報表示装置が設置されている。
【0003】
こうした遊技機情報表示装置では、近年、大型の液晶パネルを用いた構成が主流となっている。特許文献1及び特許文献2には、大型の液晶パネルを用いた遊技機情報表示装置が開示されている。このように表示パネルを大型化することにより、遊技機情報表示装置の装飾性を高めたり、一画面に表示させる遊技情報の項目数や情報量を増加させたりすることができ、遊技者の高揚感や満足度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-203125号公報
【特許文献2】特開2015-180436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来型の遊技機情報表示装置では、遊技機情報表示装置単独での動作が可能に構成されており、それぞれの遊技機情報表示装置にあらかじめ記憶された画像等を表示パネルに表示させるように構成されている。
【0006】
しかしながら、表示パネルが大型化かつ高精細化し、表示パネルにおいて表示・伝達可能な情報量が多くなったことで、これまでのように遊技機情報表示装置のそれぞれが独自に画像情報及び遊技情報を表示するだけでは、多彩な表示を行うのに限界があり、表示内容が粗末になるという問題があった。また、近年では、従来と比較して遊技機の入れ替えの頻度が高くなっているので、遊技機に応じた表示をさせようとした場合、遊技機の入れ替えのたびに遊技機情報表示装置に新しい画像情報を記憶させる必要がある。そのような背景から、遊技機情報表示装置の管理を行う管理装置が必要になってきた。
【0007】
現在、遊技場に設置される遊技機情報表示装置の数は、一店舗あたり数百台程度が通常であり、遊技機情報表示装置と管理装置との通信が確立されていない場合に、故障又は設備不良等が生じている遊技機情報表示装置を個別に容易に判断することができないという問題があった。
【0008】
また、従来型の遊技機情報表示装置では、中古品が転売等されて、対応する管理装置が設置されていない店舗等で使用された場合に、管理装置との接続が前提となる一部機能が使えない等の理由での問い合わせを受けることがあり、アフターサポートの工数増加が生じていた。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、遊技場に並べて設置された多数の遊技機情報表示装置の中から故障又は設備不良等が発生している遊技機情報表示装置を早期に発見できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的を達成するために、この発明では、遊技機情報表示装置において、遊技機情報表示装置の電源がオンされているにもかかわらず、管理コンピュータとの通信が確立されていない場合、表示パネル部に通信エラー画像を表示させるとともに通常の遊技機情報表示装置としての機能を働かせない通信エラーモードに移行する処理を実行するようにしている。
【0011】
具体的に、本開示の第1態様では、遊技機の周辺に設置される遊技機情報表示装置を対象として、前記遊技機の遊技情報を表示する表示パネル部と、前記遊技機情報表示装置の管理をする管理コンピュータと通信をする通信部と、前記表示パネル部の表示を制御する演算処理部とを備え、前記通信部は、前記遊技機情報表示装置の電源がオンされた場合に、自動的に前記管理コンピュータとの通信を確立させるように動作し、前記演算処理部は、前記遊技機情報表示装置の電源がオンされているにもかかわらず、前記管理コンピュータとの通信が確立されない場合、前記表示パネル部に通信エラーが発生していることを示す通信エラー画像を表示させるとともに通常の前記遊技機情報表示装置としての機能を働かせない通信エラーモードに移行する処理を実行する構成とした。
【0012】
この構成によれば、遊技機情報表示装置の電源がオンされた場合に、自動的に管理コンピュータとの通信を確立させるように動作し、管理コンピュータとの通信が確立されない場合、表示パネル部に通信エラーが発生していることを示す通信エラー画像を表示させるようにしている。これにより、正常動作においては、遊技機情報表示装置の電源を投入するだけで、管理コンピュータとの接続がされるので、遊技場の店員の手間を省くことができる。また、自動的に管理コンピュータとの通信が確立されない場合に、通信エラー画像を表示させるので、多数の遊技機情報表示装置の中から故障又は設備不良等が発生している遊技機情報表示装置を早期に発見できる。
【0013】
さらに、前記管理コンピュータとの通信が確立されない場合には、通常の遊技機情報表示装置としての機能を働かせない通信エラーモードに移行するようにしているので、管理コンピュータが設置されていない店舗等での営業時間中の使用(サポート範囲外での使用)を防止することができる。
【0014】
上記第1態様において、前記演算処理部は、前記通信エラーモードにおいて、模擬的に前記遊技機の遊技情報を表示するデモ画面を表示させるデモ表示モードに移行する操作を受け付けるデモ表示モード設定ボタンを前記表示パネル部に表示させ、前記デモ表示モード設定ボタンへの操作入力が検知された場合に、前記通信エラーモードから前記デモ表示モードに移行する処理を実行してもよい。
【0015】
このような構成にすることで、管理コンピュータとの通信が確立されない場合においても、管理コンピュータに依存しない動作(例えば、遊技機との接続動作チェック等)について、遊技機情報表示装置単独または遊技機情報表示装置と遊技機との接続状態での動作チェックを行うことができる。
【0016】
上記第1態様において、前記演算処理部は、前記遊技機情報表示装置の電源がオンされているにもかかわらず、前記管理コンピュータとの通信が確立されない場合、前記遊技情報表示装置独自での通常動作を継続し、設定された回数または設定された期間を超えて使用されたときに前記通信エラーモードに移行する処理を実行してもよい。
【0017】
このような構成にすることで、管理コンピュータとの通信が確立されない場合においても、管理コンピュータに依存しない動作(例えば、遊技機との接続動作チェック等)について、一定期間の遊技機情報表示装置単独または遊技機情報表示装置と遊技機との接続状態での動作チェックを行うことができる。また、設定回数または設定期間の経過後は通信エラーモードに移行するので、管理コンピュータが設置されていない店舗等での営業時間中の使用(サポート範囲外での利用)を防止することができる。
【0018】
上記第1態様において、前記通信エラー画像は、前記遊技情報を表示した画面の一部または全部を覆うように配置される、ように構成してもよい。
【0019】
このような構成にすることで、多数の遊技機情報表示装置の中から故障又は設備不良等が発生している遊技機情報表示装置を発見しやすくなる。また、エラー画像が表示されているのにも関わらず使用を継続する行為を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、遊技場に並べて設置された多数の遊技機情報表示装置の中から故障又は設備不良等が発生している遊技機情報表示装置を早期に発見できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】遊技機情報表示管理システムの全体構成を示すイメージ図
【
図3】遊技機情報表示装置の構成例を示すブロック図
【
図5】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示画面に通常遊技状態の表示例を示す図
【
図6】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示画面に通信エラー画面が表示された例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0023】
<遊技機情報表示システムの構成>
図1は実施形態に係る遊技機情報表示システムを含む全体構成のイメージ図である。周知のように遊技場には、それぞれに複数の遊技機Mが並べて設置される複数の島Iが設けられている。また、遊技場には、遊技機情報表示装置Dの管理を行う管理コンピュータCと、管理コンピュータCと双方向通信可能に接続された中継ユニットGWとが設けられる。それぞれの島Iには、中継ユニットGWを介して管理コンピュータCと双方向通信可能に接続された島管理ユニットIUとが設けられている。中継ユニットGWは、例えば、単一のハブで構成されたり、複数のハブを階層的に接続した構成になっている。
【0024】
さらに、遊技場には、遊技機Mの遊技情報を管理するホールコンピュータHが設けられている。ホールコンピュータHとそれぞれの遊技機情報表示装置Dの間には、遊技台ごとに設けられた中継ユニットQが介在している。言い換えると、遊技機情報表示装置Dは、それぞれに対応して設けられている中継ユニットQを介して、ホールコンピュータHに接続されている。遊技機情報表示装置Dは、接続対象の遊技機Mから出力信号(遊技情報を含む)を受信し、受信した遊技情報を表示パネルWに表示させるとともに、遊技機Mから受信した信号を中継ユニットQを介してホールコンピュータHに出力する。
【0025】
なお、
図1では、管理コンピュータCとホールコンピュータHとが別々に設けられた例を示しているが、管理コンピュータCとホールコンピュータHを一体的に構成してもよい。この場合、例えば、ホールコンピュータHが、管理コンピュータCとしての機能を兼ね備える。
【0026】
図2は、遊技機情報表示装置Dの設置状態を示す側面図であり、島Iを側面から見た図である。島Iにおいて、上部に設けられた幕板I1と遊技機Mの間には、左右方向に延びる梁部I2が設けられており、取付部材Tを介して遊技機情報表示装置Dが設置されている。以下の説明では、遊技機情報表示装置Dの設置状態を基準として、上下を定義する。また、遊技機情報表示装置Dが設置された状態で、ユーザーX側を「前」、パチンコ台等の遊技機Mを設置する島側を「後」とし、ユーザーXの視点(正面視)を基準として左右を定義する(
図2及び
図5参照)。
【0027】
図3は、遊技機情報表示装置Dの構成例を示すブロック図である。遊技機情報表示装置Dには、制御基板(図示省略)が内蔵されており、その制御基板に
図3に示す回路等が実装されたり、直接または間接的に接続されたりしている。
【0028】
遊技機情報表示装置Dは、入出力手段として、入出力部101と、外部通信部102と、外部メモリソケット103とを備え、入力手段として、リモコン受信部104と、タッチスイッチ105とを備え、出力手段として、表示パネル部2及び装飾発光部3と、音声出力部106とを備える。
【0029】
入出力部101は、その遊技機情報表示装置Dに対応する遊技機M(以下、「遊技機M1」という)と通信可能に構成され、遊技機M1から遊技情報を取得する。また、入出力部101は、ホールコンピュータHと通信可能に構成され、遊技機M1から取得した遊技情報をホールコンピュータHに送信する。また、入出力部101は、呼出しボタンP1へのタッチ操作があった場合に、そのタッチ操作に基づいて、ホールコンピュータHに呼出情報を送信する機能を有する。
【0030】
外部通信部102は、管理コンピュータC等と通信可能に構成され、管理コンピュータC等から送信される音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。外部通信部102と管理コンピュータCの接続に用いられる通信方式は特に限定されないが、例えば、RS485が好適に適用できる。
【0031】
外部通信部102は、遊技機情報表示装置Dの電源がオンされた場合に、自動的に管理コンピュータCとの通信を確立させるように動作するように構成されている。外部通信部102と管理コンピュータCとの通信が確立されたかどうかの情報(以下、「通信確立情報」という)は、演算処理部108によって監視されており、表示パネル部2の表示制御等に用いられる。
【0032】
外部メモリソケット103は、USBメモリ等の記憶媒体(図示省略)が接続可能に構成され、その記憶媒体に記録された音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。
【0033】
リモコン受信部104は、遊技場の店員等が操作するリモコン(図示省略)から送信される操作信号を受信可能に構成され、そのリモコンから受信した操作信号を後述するメイン制御回路109に送信する。
【0034】
タッチスイッチ105は、フロントプレート部材1(
図2参照)の表面(前面)から遊技者等が操作するタッチ操作の情報(以下、「操作情報」という)を取得可能に構成されている。タッチスイッチ105で取得された操作情報は、タッチコントローラ111を介して後述するメイン制御回路109に送信される。
【0035】
さらに、遊技機情報表示装置Dは、遊技機M1から通知される遊技状態に応じて、記憶部114に記憶された画像情報を用いて表示パネル部2の表示を制御する演算処理部108を備える。記憶部114には、表示画面の表示を構成するための画像素材が記憶されている。演算処理部108は、メイン制御回路109と、音声画像制御回路110とを備える。
【0036】
演算処理部108は、表示パネル部2の表示を制御する。遊技機情報表示装置Dには、動作モードとして、管理コンピュータCとの通信が正常に確立されている通常動作モードと、遊技機情報表示装置の電源がオンされているにもかかわらず、管理コンピュータCとの通信が正常に確立されていない通信エラーモードとを含む。
【0037】
メイン制御回路109は、記憶部112に格納されたプログラム等に基づいて、遊技機情報表示装置Dの全体を制御する機能を有する。具体的には、メイン制御回路109では、各種の演算処理を行ったり、表示パネル部2の表示制御、装飾発光部3の点滅制御といった遊技機情報表示装置Dの表示制御を行ったりするように構成されている。
【0038】
音声画像制御回路110は、メイン制御回路109から出力される制御信号によって制御される。音声画像制御回路110は、メイン制御回路109の制御を受けて、画像信号変換回路115に画像信号を送信し、音声出力部106に音声情報を送信する。画像信号変換回路115には、表示パネル部2が接続されており、画像信号変換回路115で生成した画像表示データが表示パネル部2の表示画面Wに表示される。
【0039】
以下では、通常動作モード時の表示パネル部2の表示例と通信エラーモード時の表示パネル部2の表示例について説明する。
【0040】
-通常動作モード-
通常表示モードにおいて、演算処理部108は、表示パネル部2に通常遊技画面VNが表示されるように制御する。
【0041】
【0042】
図5に例示する通常遊技画面VNでは、表示画面Wの上端において左右に延びる上側表示領域RU、表示画面Wの下端において左右に延びる下側表示領域RL、上側表示領域RUと下側表示領域RLの間に配置された中間表示領域RMに分かれている。
【0043】
上側表示領域RUには、台番号Z1及び機種名(ここでは「ワンエー物語」)が左右に並べて配置されている。
【0044】
下側表示領域RLには、タッチスイッチ105として、店員の呼び出しに用いる呼出しボタンP1と、呼出しボタンP1の右側において右方向に一列に並べて配置され、表示内容や表示項目などの各種設定をするための複数の設定ボタンP2~P8が配置(表示)されている。
【0045】
図5の例では、設定ボタンP2~P8として、各種メニューを表示させる「メニューボタンP2」、シンプル表示に切り替える「シンプル表示ボタンP3」、休憩中であることを示す「休憩ボタンP4」、機種情報を表示させる「機種情報ボタンP5」、データの表示モードを切り替える「最高データボタンP6」及び「過去データボタンP7」並びに過去の履歴を表示させる「履歴ボタンP8」を例示している。
【0046】
中間表示領域RMには、遊技機M1の遊技情報が表示される。
図5の例では、遊技機M1の遊技情報として、遊技機M1の当日及び過去数日間の出玉情報Z3や大当たり情報Z4等が表示された例を示している。遊技機M1での遊技が開始されると、遊技機M1から取得される遊技情報に応じて、対応する項目の表示内容が適宜更新される。
【0047】
-通信エラーモード-
通信エラーモードにおいて、演算処理部108は、表示パネル部2に通信エラーが発生していることを示す通信エラー画像ZEを表示させるとともに、通常の遊技機情報表示装置Dとしての機能を働かせないようにする処理を実行する。通常の遊技機情報表示装置Dとしての機能とは、遊技機M1の遊技情報を表示させる機能を含む。なお、通常の遊技機情報表示装置Dとしての機能に呼出しボタンP1による店員の呼出機能を含めてもよい。
【0048】
図6には、通信エラーモード時の表示画面(以下、「通信エラー表示画面VE」という)の一例を示している。
【0049】
図6の例では、通信エラー表示画面VEとして、
図5の通常遊技画面VNの前面中央において、中間表示領域RMに表示された遊技情報を覆うように、通信エラー画像ZEが表示された例を示している。このように、画面中央に通信エラー画像ZEを表示させることにより、遊技機M1の遊技情報を表示させる機能が発揮されないようにするとともに、遊技場の従業員等に通信エラーが発生していることをわかりやすく示すことができる。
【0050】
また、下側表示領域RLにおいて、店員の呼び出しに用いる呼出しボタンP1及び設定ボタンP2~P8が表示されないようにしている。すなわち、呼出しボタンP1による店員の呼出機能についても機能しないようにしている。一方で、下側表示領域RLには、デモ画面を表示させるデモ表示モードへの移行を設定するデモ表示モード設定ボタンP10が表示される。
【0051】
<遊技機情報表示装置の動作>
次に、遊技機情報表示装置Dの動作について、
図4を参照しつつ具体的に説明する。
【0052】
ステップS1において、遊技機情報表示装置Dの電源がONされると外部通信部102が、自動的に前記管理コンピュータとの通信を確立させるように動作する。そして、遊技機情報表示装置Dと管理コンピュータCとの通信が確立されると(ステップS2でYES)、演算処理部108は通常動作モードの処理を実行する。
【0053】
通常動作モードにおいて、演算処理部108は、前述のとおり、表示パネル部2に通常遊技画面VNを表示させる処理を実行する。そして、遊技機M1での遊技が開始されると、演算処理部108は、遊技機M1から受信される遊技状態に応じて、記憶部114に記憶された画像情報を用いて表示パネル部2の表示を制御する。
【0054】
一方で、遊技機情報表示装置Dの電源がオンされているにもかかわらず、所定の時間が経過しても管理コンピュータCとの通信が確立されない場合(ステップS2でNO)、遊技機情報表示装置Dは通信エラーモードに移行する。この場合、
図4のフロー図では、ステップS4に進む。
【0055】
通信エラーモードに移行すると、演算処理部108は、最初に、前述の通信エラー表示画面VEを表示パネル部2に表示させる処理を実行する(ステップS4)。通信エラーモードでは、遊技機M1から遊技状態が受信された場合であっても、通常遊技画面VNの遊技情報は更新されない。
【0056】
ステップS4での通信エラー表示画面VEを表示させているときに、デモ表示モード設定ボタンP10の操作が検知されると(ステップS5でYES)、演算処理部108は、通信エラー表示画面VEからデモ画面を表示させるデモ表示モードに移行する処理を実行する(ステップS6)。
【0057】
ステップS6のデモ表示モードでは、通信エラー画像ZEが削除され、表示フォーマットが通常遊技画面VNに戻される(例えば
図5参照)。デモ表示モードでは、遊技機M1の遊技情報を表示させる機能としてデモ動作(模擬動作)ができるようになっている。具体的には、遊技情報としてあらかじめ設定された遊技途中の情報が表示され、その遊技途中の状態から、遊技機M1の遊技情報を追加で反映するようになっている。これにより、遊技場の店員は、遊技機M1の遊技情報がきちんと反映されることを遊技機M1ごとに、単独で(管理コンピュータCとの接続がない状態でも)確認することができる。
【0058】
また、ステップS4での通信エラー表示画面VEを表示させているときに(ステップS5でNO)、管理コンピュータCとの通信が確立された場合にも(ステップS2でYES)、演算処理部108は通常動作モードへ移行する処理を実行する。
【0059】
以上のように、本実施形態によると、遊技機情報表示装置Dは、遊技機の遊技情報を表示する表示パネル部2と、管理コンピュータCと通信をする外部通信部102と、表示パネル部2の表示を制御する演算処理部108とを備えている。そして、遊技機情報表示装置Dの電源がオンされているにもかかわらず、管理コンピュータCとの通信が確立されていない場合、通信エラーモードに移行するようにしている。通信エラーモードでは、演算処理部108が、表示パネル部2に接続エラー表示画面を表示させ、通常の遊技機情報表示装置Dとしての機能を働かせない処理を実行する。
【0060】
これにより、正常動作においては、遊技機情報表示装置Dの電源を投入するだけで、管理コンピュータCとの接続がされるので、遊技場の店員の手間を省くことができる。また、自動的に管理コンピュータCとの通信が確立されない場合に、通信エラー画像を表示させるので、多数の遊技機情報表示装置Dの中から故障又は設備不良等が発生している遊技機情報表示装置Dを早期に発見できる。
【0061】
-その他の実施形態-
なお、本開示における技術は、上記実施形態での説明した構成に限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用が可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0062】
例えば、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0063】
上記の実施形態では、表示パネル部2がタッチパネル式の表示パネルであり、呼出しボタンP1がタッチセンサで構成されている例を示したが、これに限定されない。例えば、呼出しボタンP1が従来から知られている機械式スイッチで構成されていてもよい。この場合には、通信エラーモードに移行したときに、呼出しボタンP1が押されても反応しないように構成されていればよく、同様の効果が得られる。
【0064】
また、例えば、
図4のステップS2において、所定の時間が経過しても管理コンピュータCとの通信が確立されない場合でも(ステップS2でNO)、遊技情報表示装置独自での通常動作を継続してもよい。そして、設定された回数または設定された期間を超えて使用されたときに、通信エラーモードに移行する処理(ステップS4の処理)を実行するとしてもよい。
【0065】
具体的には、例えば、使用開始から30日カウントされるまでは、遊技情報表示装置独自での通常動作を継続できるようにし、それでも管理コンピュータCとの接続が確立されない場合に、通信エラーモードに移行する処理を実行するようにしてもよい。例えば、この30日カウントは一定時間の通電後に電源を切り、その後電源を入れると1カウントとカウントするようにしてもよい。この場合、30回の電源の入り切りを行うと通信エラーモードに移行する処理が実行され、通信エラー表示画面VEが表示される。例えば、この30日の期間は、任意に設定することができる。
【0066】
このような構成にすることで、管理コンピュータとの通信が確立されない場合においても、管理コンピュータに依存しない動作(例えば、遊技機との接続動作チェック等)について、一定期間の遊技機情報表示装置単独または遊技機情報表示装置と遊技機との接続状態での動作チェックを行うことができる。また、設定回数の経過後は通信エラーモードに移行するので、管理コンピュータが設置されていない店舗等での営業時間中の使用(サポート範囲外での利用)を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、遊技場に並べて設置された多数の遊技機情報表示装置の中から故障又は設備不良等が発生している遊技機情報表示装置を早期に発見できるので、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0068】
D 遊技機情報表示装置
2 表示パネル部
102 外部通信部(通信部)
108 演算処理部
C 管理コンピュータ