IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アズビル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図1
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図2
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図3
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図4
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図5
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図6
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図7
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図8
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図9
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図10
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図11
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図12
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図13
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図14
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図15
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図16
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図17
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図18
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図19
  • 特開-パラメータ探索装置および方法 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089189
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】パラメータ探索装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 13/02 20060101AFI20240626BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20240626BHJP
【FI】
G05B13/02 J
G06N20/00 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204395
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅人
【テーマコード(参考)】
5H004
【Fターム(参考)】
5H004GA30
5H004KC08
(57)【要約】
【課題】実対象での繰り返し試行でパラメータの最適化を行なうケースについて効率を改善する。
【解決手段】パラメータ探索装置は、複数の入力パラメータを実対象に入力したときに実対象から評価値を取得する評価値検出部4と、複数の入力パラメータのうち特定の入力パラメータのみを変化させたときに評価値が単調増減ではなくなる条件として、複数の入力パラメータと評価値との組み合わせを最低3点取得する非単調増減条件検出部5と、複数の入力パラメータのそれぞれを特定の入力パラメータとしたときの条件を取得し終えた後に、条件記憶部6に記憶された条件を参照して、入力パラメータを説明変数とし、評価値を目的変数とする評価関数式を推定する評価関数式推定部8と、評価関数式を用いて、評価値が極小または極大になる複数の入力パラメータの最適解を探索する最適解探索部9を備える。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力パラメータのうち特定の1つの入力パラメータ以外のパラメータを固定値とし、前記特定の入力パラメータのみを変化させるように構成された入力パラメータ数値指示部と、
前記複数の入力パラメータを実対象に入力したときに前記実対象から得られる評価値、または前記評価値を求めるために必要な情報を検出するように構成された実対象動作検出部と、
前記実対象動作検出部による検出結果に基づいて前記評価値を取得するように構成された評価値検出部と、
前記特定の入力パラメータを変化させたときに前記評価値が単調増減ではなくなる条件として、前記複数の入力パラメータと前記評価値との組み合わせを最低3点取得するように構成された非単調増減条件検出部と、
前記非単調増減条件検出部が取得した条件を記憶するように構成された第1の記憶部と、
前記特定の入力パラメータと数値を固定する入力パラメータとの組み合わせを順次変更しながら、前記入力パラメータ数値指示部と前記実対象動作検出部と前記評価値検出部と前記非単調増減条件検出部とに処理を実行させ、前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得させるように構成された順次処理実行部と、
前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記第1の記憶部に記憶された条件を参照して、前記入力パラメータを説明変数とし、前記評価値を目的変数とする評価関数式を推定するように構成された評価関数式推定部と、
前記評価関数式を用いて、前記評価値が極小または極大になる前記複数の入力パラメータの最適解を探索するように構成された最適解探索部と、
前記最適解を提示するように構成された最適解提示部とを備えることを特徴とするパラメータ探索装置。
【請求項2】
請求項1記載のパラメータ探索装置において、
前記特定の入力パラメータの初期値と、前記特定の入力パラメータの変化幅と、前記特定の入力パラメータ以外のパラメータとするときの固定値とが前記複数の入力パラメータのそれぞれについて前記入力パラメータ数値指示部に予め設定されていることを特徴とするパラメータ探索装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のパラメータ探索装置において、
前記最適解を、2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとするときの初期値とし、前記入力パラメータ数値指示部と前記実対象動作検出部と前記評価値検出部と前記非単調増減条件検出部と前記順次処理実行部とによる1回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅よりも小さい値を、2回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅とする設定を、前記入力パラメータ数値指示部に対して行なうように構成された詳細探索指示部と、
前記詳細探索指示部による設定後の前記入力パラメータ数値指示部と前記実対象動作検出部と前記評価値検出部と前記非単調増減条件検出部と前記順次処理実行部とによる前記2回目の条件検出処理において前記非単調増減条件検出部が取得した条件を記憶するように構成された第2の記憶部と、
前記2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記評価関数式推定部と前記最適解探索部と前記最適解提示部とに対し、前記第2の記憶部の記憶内容のみで処理を実行させると共に、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容の両方を併せた内容で処理を実行させるように構成された詳細探索処理部とをさらに備えることを特徴とするパラメータ探索装置。
【請求項4】
複数の入力パラメータのうち特定の1つの入力パラメータ以外のパラメータを固定値とし、前記特定の入力パラメータのみを変化させる第1のステップと、
前記複数の入力パラメータを実対象に入力したときに前記実対象から得られる評価値、または前記評価値を求めるために必要な情報を検出する第2のステップと、
前記第2のステップの検出結果に基づいて前記評価値を取得する第3のステップと、
前記特定の入力パラメータを変化させたときに前記評価値が単調増減ではなくなる条件として、前記複数の入力パラメータと前記評価値との組み合わせを最低3点取得して第1の記憶部に記憶させる第4のステップと、
前記特定の入力パラメータと数値を固定する入力パラメータとの組み合わせを順次変更しながら、前記第1のステップと前記第2のステップと前記第3のステップと前記第4のステップの処理を実行し、前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得する第5のステップと、
前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記第1の記憶部に記憶された条件を参照して、前記入力パラメータを説明変数とし、前記評価値を目的変数とする評価関数式を推定する第6のステップと、
前記評価関数式を用いて、前記評価値が極小または極大になる前記複数の入力パラメータの最適解を探索する第7のステップと、
前記最適解を提示する第8のステップとを含むことを特徴とするパラメータ探索方法。
【請求項5】
請求項4記載のパラメータ探索方法において、
前記特定の入力パラメータの初期値と、前記特定の入力パラメータの変化幅と、前記特定の入力パラメータ以外のパラメータとするときの固定値とが前記複数の入力パラメータのそれぞれについて予め設定されていることを特徴とするパラメータ探索方法。
【請求項6】
請求項4または5記載のパラメータ探索方法において、
前記最適解を、2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとするときの初期値とし、前記第1のステップと前記第2のステップと前記第3のステップと前記第4のステップと前記第5のステップとによる1回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅よりも小さい値を、2回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅とする設定を行なう第9のステップと、
前記第9のステップによる設定後の前記第1のステップと前記第2のステップと前記第3のステップと前記第4のステップと前記第5のステップとによる前記2回目の条件検出処理において前記第4のステップで取得した条件を第2の記憶部に記憶させる第10のステップと、
前記2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記第2の記憶部の記憶内容のみで前記第6のステップと前記第7のステップと前記第8のステップの処理を実行すると共に、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容の両方を併せた内容で前記第6のステップと前記第7のステップと前記第8のステップの処理を実行する第11のステップとをさらに含むことを特徴とするパラメータ探索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実対象にパラメータを入力してパラメータの最適解を探索する技術に係り、特に最適化の効率を改善することができるパラメータ探索装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的なフィードバック制御であるPID制御のPIDパラメータの調整を想定し、制御対象モデル生成方法および制御パラメータ調整方法が提案されている(特許文献1)。そのモデル生成処理においては、Powell法の最適解探索アルゴリズムが具体例として示されている。この最適解探索アルゴリズムを採用する場合、時系列データからのモデリングは1回の実験的試行で済み、生成したモデルを利用してPIDパラメータを調整(最適化)する。つまり、実験的試行自体は1回で済み、繰り返し行うべき試行錯誤はコンピュータ上での処理だけになるので、効率的な調整(最適化)が可能になる。
【0003】
しかしながら、モデル生成が困難な対象、あるいはモデル生成のためのデータ収集が困難な対象では、実対象での繰り返し試行で最適化を行なわざるを得ない。すなわち、実験的試行が1回では済ませられないケースもある。そして、そのような実対象での繰り返し試行で最適化を行なうケースであっても、手順が簡易であること、すなわち効率が良いことが好ましいので、改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-38428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、実対象での繰り返し試行でパラメータの最適化を行なうケースについて最適化の効率を改善するためのパラメータ探索装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のパラメータ探索装置は、複数の入力パラメータのうち特定の1つの入力パラメータ以外のパラメータを固定値とし、前記特定の入力パラメータのみを変化させるように構成された入力パラメータ数値指示部と、前記複数の入力パラメータを実対象に入力したときに前記実対象から得られる評価値、または前記評価値を求めるために必要な情報を検出するように構成された実対象動作検出部と、前記実対象動作検出部による検出結果に基づいて前記評価値を取得するように構成された評価値検出部と、前記特定の入力パラメータを変化させたときに前記評価値が単調増減ではなくなる条件として、前記複数の入力パラメータと前記評価値との組み合わせを最低3点取得するように構成された非単調増減条件検出部と、前記非単調増減条件検出部が取得した条件を記憶するように構成された第1の記憶部と、前記特定の入力パラメータと数値を固定する入力パラメータとの組み合わせを順次変更しながら、前記入力パラメータ数値指示部と前記実対象動作検出部と前記評価値検出部と前記非単調増減条件検出部とに処理を実行させ、前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得させるように構成された順次処理実行部と、前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記第1の記憶部に記憶された条件を参照して、前記入力パラメータを説明変数とし、前記評価値を目的変数とする評価関数式を推定するように構成された評価関数式推定部と、前記評価関数式を用いて、前記評価値が極小または極大になる前記複数の入力パラメータの最適解を探索するように構成された最適解探索部と、前記最適解を提示するように構成された最適解提示部とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明のパラメータ探索装置の1構成例は、前記特定の入力パラメータの初期値と、前記特定の入力パラメータの変化幅と、前記特定の入力パラメータ以外のパラメータとするときの固定値とが前記複数の入力パラメータのそれぞれについて前記入力パラメータ数値指示部に予め設定されていることを特徴とするものである。
また、本発明のパラメータ探索装置の1構成例は、前記最適解を、2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとするときの初期値とし、前記入力パラメータ数値指示部と前記実対象動作検出部と前記評価値検出部と前記非単調増減条件検出部と前記順次処理実行部とによる1回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅よりも小さい値を、2回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅とする設定を、前記入力パラメータ数値指示部に対して行なうように構成された詳細探索指示部と、前記詳細探索指示部による設定後の前記入力パラメータ数値指示部と前記実対象動作検出部と前記評価値検出部と前記非単調増減条件検出部と前記順次処理実行部とによる前記2回目の条件検出処理において前記非単調増減条件検出部が取得した条件を記憶するように構成された第2の記憶部と、前記2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記評価関数式推定部と前記最適解探索部と前記最適解提示部とに対し、前記第2の記憶部の記憶内容のみで処理を実行させると共に、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容の両方を併せた内容で処理を実行させるように構成された詳細探索処理部とをさらに備えることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のパラメータ探索方法は、複数の入力パラメータのうち特定の1つの入力パラメータ以外のパラメータを固定値とし、前記特定の入力パラメータのみを変化させる第1のステップと、前記複数の入力パラメータを実対象に入力したときに前記実対象から得られる評価値、または前記評価値を求めるために必要な情報を検出する第2のステップと、前記第2のステップの検出結果に基づいて前記評価値を取得する第3のステップと、前記特定の入力パラメータを変化させたときに前記評価値が単調増減ではなくなる条件として、前記複数の入力パラメータと前記評価値との組み合わせを最低3点取得して第1の記憶部に記憶させる第4のステップと、前記特定の入力パラメータと数値を固定する入力パラメータとの組み合わせを順次変更しながら、前記第1のステップと前記第2のステップと前記第3のステップと前記第4のステップの処理を実行し、前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得する第5のステップと、前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記第1の記憶部に記憶された条件を参照して、前記入力パラメータを説明変数とし、前記評価値を目的変数とする評価関数式を推定する第6のステップと、前記評価関数式を用いて、前記評価値が極小または極大になる前記複数の入力パラメータの最適解を探索する第7のステップと、前記最適解を提示する第8のステップとを含むことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のパラメータ探索方法の1構成例は、前記特定の入力パラメータの初期値と、前記特定の入力パラメータの変化幅と、前記特定の入力パラメータ以外のパラメータとするときの固定値とが前記複数の入力パラメータのそれぞれについて予め設定されていることを特徴とするものである。
また、本発明のパラメータ探索方法の1構成例は、前記最適解を、2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとするときの初期値とし、前記第1のステップと前記第2のステップと前記第3のステップと前記第4のステップと前記第5のステップとによる1回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅よりも小さい値を、2回目の条件検出処理における前記特定の入力パラメータの変化幅とする設定を行なう第9のステップと、前記第9のステップによる設定後の前記第1のステップと前記第2のステップと前記第3のステップと前記第4のステップと前記第5のステップとによる前記2回目の条件検出処理において前記第4のステップで取得した条件を第2の記憶部に記憶させる第10のステップと、前記2回目の条件検出処理において前記複数の入力パラメータのそれぞれを前記特定の入力パラメータとしたときの前記条件を取得し終えた後に、前記第2の記憶部の記憶内容のみで前記第6のステップと前記第7のステップと前記第8のステップの処理を実行すると共に、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容の両方を併せた内容で前記第6のステップと前記第7のステップと前記第8のステップの処理を実行する第11のステップとをさらに含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力パラメータ数値指示部と実対象動作検出部と評価値検出部と非単調増減条件検出部と第1の記憶部と順次処理実行部と評価関数式推定部と最適解探索部と最適解提示部とを設けることにより、ローカルミニマムが存在しない形状の評価関数が設計可能なケースであれば、入力パラメータの最適解を探索する効率を改善することができる。
【0011】
また、本発明では、詳細探索指示部と第2の記憶部と詳細探索処理部とを設けることにより、入力パラメータの最適化の精度をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、入力パラメータと評価値との関係を示す評価関数の1例を示す図である。
図2図2は、本発明の条件検出処理を説明する図である。
図3図3は、本発明の最適解探索処理を説明する図である。
図4図4は、本発明の第1の実施例に係るパラメータ探索装置の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の第1の実施例に係るパラメータ探索装置の動作を説明するフローチャートである。
図6図6は、4つのゾーンの温度制御系を備える加熱装置の構成例を示す図である。
図7図7は、温度設定値を同一にして4つのゾーンの温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図8図8は、最適解の探索結果を示す図である。
図9図9は、最適解の探索結果を示す図である。
図10図10は、最適解の探索結果を適用して4つのゾーンの温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図11図11は、本発明の第2の実施例に係るパラメータ探索装置の構成を示すブロック図である。
図12図12は、本発明の第2の実施例に係るパラメータ探索装置の動作を説明するフローチャートである。
図13図13は、本発明の第2の実施例に係るパラメータ探索装置の動作を説明するフローチャートである。
図14図14は、詳細条件記憶部の記憶内容のみによる最適解の探索結果を示す図である。
図15図15は、詳細条件記憶部の記憶内容のみによる最適解の探索結果を示す図である。
図16図16は、詳細条件記憶部の記憶内容のみによる最適解の探索結果を適用して4つのゾーンの温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図17図17は、条件記憶部の記憶内容と詳細条件記憶部の記憶内容とによる最適解の探索結果を示す図である。
図18図18は、条件記憶部の記憶内容と詳細条件記憶部の記憶内容とによる最適解の探索結果を示す図である。
図19図19は、条件記憶部の記憶内容と詳細条件記憶部の記憶内容とによる最適解の探索結果を適用して4つのゾーンの温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を示す図である。
図20図20は、本発明の第1、第2の実施例に係るパラメータ探索装置を実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[発明の原理1]
本発明では、ローカルミニマムが存在しない形状(単峰性と言うべき形状)の評価関数(例えば図1のような下に凸の評価関数)Xs=f(Pr1,Pr2,・・・,Pri)を設計可能であることを前提とする。fは関数を意味する記号であり、Xsは評価値(目的変数)、Pr1,Pr2,・・・,Pri(iは2以上の整数)は入力パラメータ(説明変数)である。ただし、真の評価関数式(すなわち図1のようなパラメータ空間における評価関数の全体像)は言うまでもなく未知である。
【0014】
図1のような評価関数が存在していることを前提として、任意の1入力パラメータ(例えばPr1以外の入力パラメータPr2~Pri)の数値を固定し、入力パラメータPr1のみを変化させる。これにより、評価値Xs(実測値そのもの、あるいは上記評価関数とは別の評価値算出式などによる実測値)が単調増減ではなくなる最低3点の条件(入力パラメータと評価値との組み合わせ)を検出する処理を、自動あるいはオペレータが介在する形の半自動で行なう。図2の例では、入力パラメータPr2を一定値Pr2_cに固定し、入力パラメータPr1のみを変化させて、評価値Xsが単調増減ではなくなる3点A,B,Cを検出した結果を示している。
【0015】
さらに、入力パラメータPr2のみを変化させるケース、入力パラメータPriのみを変化させるケースなどについても、上記の入力パラメータPr1のケースと同様に評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を検出する処理を自動で行なう。
【0016】
次に、評価関数が単峰性と言うべき形状であるという前提に基づき、2次の回帰関数により、未知の評価関数式を推定する処理を行なう。前述の処理により、各入力パラメータPr1~Priについて、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件が検出できているので、評価関数式Xs=fs(Pr1,Pr2,・・・,Pri)を推定することができる。
【0017】
そして、推定した評価関数式を用いて、評価値Xsが最適解(極小または極大)になる入力パラメータPr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sを探索する。図3の例では、評価値Xsが極小になる入力パラメータPr1_s,Pr2_sを検出した結果を示している。
【0018】
本発明では、やや粗い最適化ではあるが、実対象での繰り返し試行での試行回数を低減できる確率は高くなる。すなわち、図3において入力パラメータPr1_s,Pr2_sの値と、図3に示す真の評価関数式Xs=f(Pr1,Pr2,・・・,Pri)において評価値Xsが極小になる入力パラメータPr1,Pr2の値とは、概ね近い数値になり、精密な探索を省略することができる。
【0019】
[発明の原理2]
前述の発明の原理1の処理(1回目の条件検出処理と最適解探索処理)は、やや粗い最適化である。そこで、もう少し手順を煩雑にすることにはなるが、1回目の最適解探索処理で求めた最適解の周辺で、発明の原理1の処理と同じことを繰り返してもよい(2回目の条件検出処理と最適解探索処理)。その場合、一度は最適解を推定しているので、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を検出するための試行回数は、確率的には発明の原理1のときよりも少なくなることが期待できる。
【0020】
しかし、2回目の条件検出処理において新たに検出した最低3点の条件(データ)のみを用いるのが得策なのか、あるいは1回目と2回目の条件検出処理において検出した条件(データ)を併せて用いるのが得策なのかは、パラメータ空間における評価関数の全体像が未知なので判断できない。
【0021】
そこで、発明者は、2回目の条件検出処理において新たに検出した最低3点の条件(データ)のみを用いて、評価関数式Xs=fs(Pr1,Pr2,・・・,Pri)を再度推定して、評価値Xsが最適(極小または極大)になる入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priを探索した結果と、1回目と2回目の条件検出処理において検出した条件(データ)を併せて用いて、評価関数式Xs=fs(Pr1,Pr2,・・・,Pri)を再度推定して、評価値Xsが最適(極小または極大)になる入力パラメータPr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sを探索した結果とを提示するのが得策であることに想到した。オペレータは、前者と後者のどちらか、あるいは両方を実対象に適用して、好ましい結果を採用すればよい。発明の原理2においても、トータルで見れば効率改善の効果は少なからず得られる。
【0022】
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。本実施例は、発明の原理1に対応する例である。図4は本実施例のパラメータ探索装置の構成を示すブロック図である。パラメータ探索装置は、複数の入力パラメータのうち特定の1つの入力パラメータ以外のパラメータを固定値とし、特定の入力パラメータのみを変化させる入力パラメータ数値指示部1と、複数の入力パラメータを実対象に入力する入力パラメータ数値入力部2と、複数の入力パラメータを実対象に入力したときに実対象から得られる評価値、または評価値を求めるために必要な情報を検出する実対象動作検出部3と、実対象動作検出部3よる検出結果に基づいて評価値を取得する評価値検出部4と、特定の入力パラメータを変化させたときに評価値が単調増減ではなくなる条件として、複数の入力パラメータと評価値との組み合わせを最低3点取得する非単調増減条件検出部5と、非単調増減条件検出部5が取得した条件を記憶する条件記憶部6と、特定の入力パラメータと数値を固定する入力パラメータとの組み合わせを順次変更しながら、入力パラメータ数値指示部1と入力パラメータ数値入力部2と実対象動作検出部3と評価値検出部4と非単調増減条件検出部5とに処理を実行させ、複数の入力パラメータのそれぞれを特定の入力パラメータとしたときの条件を取得させる順次処理実行部7と、複数の入力パラメータのそれぞれを特定の入力パラメータとしたときの条件を取得し終えた後に、条件記憶部6に記憶された条件を参照して、入力パラメータを説明変数とし、評価値を目的変数とする評価関数式を推定する評価関数式推定部8と、評価関数式を用いて、評価値が極小または極大になる複数の入力パラメータの最適解を探索する最適解探索部9と、最適解を提示する最適解提示部10とを備えている。
【0023】
図5は本実施例のパラメータ探索装置の動作を説明するフローチャートである。入力パラメータ数値指示部1は、任意の1入力パラメータ(例えばPr1)以外の入力パラメータ(例えばPr2~Pri)の値を固定し、入力パラメータPr1のみを変化させる指示を出力する(図5ステップS100)。
【0024】
入力パラメータを変化させる処理については、オペレータの知見などに基づき、最適値が含まれ得る範囲で変化させる必要がある。入力パラメータ数値指示部1には、入力パラメータPr1について基準値Pr1_x(探索の初期値)と、変化幅ΔPr1と、探索の終了閾値Pr1_endとが例えばオペレータによって予め設定され、さらにPr1以外の入力パラメータPr2~Priの固定値Pr2_c~Pri_cが予め設定されている。
【0025】
入力パラメータ数値指示部1は、入力パラメータPr1の初期値Pr1_xと変化幅ΔPr1と終了閾値Pr1_endと入力パラメータPr2~Priの固定値Pr2_c~Pri_cとを入力パラメータ数値入力部2への指示情報として出力する。
【0026】
入力パラメータ数値入力部2は、入力パラメータ数値指示部1の指示に従って、入力パラメータPr1の初期値Pr1_xを実対象に入力すると同時に、入力パラメータPr2~Priの固定値Pr2_c~Pri_cを実対象に入力する(図5ステップS101)。
【0027】
入力パラメータ数値入力部2と実対象とが通信などで繋がっていない場合は、入力パラメータ数値入力部2が入力パラメータPr1~Priの数値を提示することにより、数値を見たオペレータが手動で入力することになる。入力パラメータ数値入力部2と実対象とが通信などで繋がっている場合は、入力パラメータ数値入力部2が自動的に入力するので、オペレータが数値を確認しなくても済む。
【0028】
実対象動作検出部3は、入力パラメータPr1~Priが入力されたときに実対象から得られる評価値Xsまたは評価値Xsを求めるために必要な情報(状態量)を検出する(図5ステップS102)。実対象動作検出部3と実対象とが通信などで繋がっていない場合は、実対象に設置されたセンサなどからの出力値をオペレータが確認して、実対象動作検出部3に手動で入力する必要がある。実対象動作検出部3と実対象とが通信などで繋がっている場合は、センサなどからの出力値を自動で取得することが可能である。
【0029】
評価値検出部4は、実対象動作検出部3による検出結果に基づいて、評価値Xsを取得する(図5ステップS103)。実対象動作検出部3が評価値Xsそのものを検出する場合は、実対象動作検出部3の出力値を取得するだけでよい。実対象動作検出部3から評価値Xsを求めるために必要な情報(状態量)が出力される場合には、評価値検出部4は、所定の評価値算出式などにより評価値Xsを求めるようにすればよい。
【0030】
非単調増減条件検出部5は、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件(入力パラメータPr1~Priと評価値Xsとの組み合わせ)を取得できたかどうかを判定する(図5ステップS104)。取得を終えていない場合にはステップS105に進む。ここで、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件とは、特定の入力パラメータ以外のパラメータを固定値とし、特定の入力パラメータのみを変化させたときに、最低3点の範囲内で評価値Xsが極小または極大になる条件のことを言う。
【0031】
入力パラメータ数値入力部2は、入力パラメータPr1が探索の終了閾値Pr1_end以上でない場合(図5ステップS105においてNO)、入力パラメータPr1を変化させ、変化後の入力パラメータPr1を実対象に入力すると同時に、入力パラメータPr2~Priの固定値Pr2_c~Pri_cを実対象に入力する(図5ステップS106)。変化後の値をPr1’とすれば、入力パラメータ数値入力部2は、例えば式(1)または式(2)により、入力パラメータPr1を変化させる。
Pr1’=Pr1+ΔPr1 ・・・(1)
Pr1’=Pr1+2×ΔPr1 ・・・(2)
【0032】
こうして、入力パラメータPr1~Priのうち入力パラメータPr1のみを変化させながら、ステップS102~S105の処理を繰り返し実施する。入力パラメータ数値入力部2は、一定時間が経過する度に入力パラメータPr1を変化させてもよいし、評価値検出部4が評価値Xsを取得できたことを確認した後に入力パラメータPr1を変化させるようにしてもよい。
【0033】
非単調増減条件検出部5は、評価値検出部4が評価値Xsを取得する度に1回前の評価値Xsに対する最新の評価値Xsの増減の方向を確認する。非単調増減条件検出部5は、2回前の評価値Xsに対する1回前の評価値Xsの増減の方向と、1回前の評価値Xsに対する最新の評価値Xsの増減の方向とが異なる場合、評価値Xsが単調増減ではなくなったと判定する。そして、非単調増減条件検出部5は、2回前の入力パラメータPr1~Priと2回前の評価値Xsとの組み合わせと、1回前の入力パラメータPr1~Priと1回前の評価値Xsとの組み合わせと、最新の入力パラメータPr1~Priと最新の評価値Xsとの組み合わせとを、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件として取得する。これにより、ステップS104において判定YESとなる。
【0034】
なお、本発明では、実対象での繰り返し試行で最適化を行なう場合の効率改善を目的としているので、3点の条件で済ませることが理想的である。ただし、効率だけではなく、精度も考慮する必要がある場合は、3点よりも多く検出するようにしてもよい。
【0035】
例えば非単調増減条件検出部5は、評価値Xsが単調増減ではなくなったと判定したときに、評価値Xsがさらに1回分多く得られるまで待ち、3回前の入力パラメータPr1~Priと3回前の評価値Xsとの組み合わせと、2回前の入力パラメータPr1~Priと2回前の評価値Xsとの組み合わせと、1回前の入力パラメータPr1~Priと1回前の評価値Xs(単調増減ではなくなったと判定したときの評価値Xs)との組み合わせと、最新の入力パラメータPr1~Priと最新の評価値Xsとの組み合わせとを、評価値Xsが単調増減ではなくなる4点の条件として取得してもよい。
【0036】
非単調増減条件検出部5が取得した最低3点の条件は、条件記憶部6に格納される。なお、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を取得できないまま入力パラメータPr1が探索の終了閾値Pr1_end以上になってしまった場合(ステップS105においてYES)、入力パラメータPr1~Priの設定が適切でなかったことになるので、処理を一旦終えて、入力パラメータPr1~Priを設定し直す必要がある。
【0037】
次に、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を取得できたときに(ステップS104においてYES)、順次処理実行部7は、全ての入力パラメータを変化させたかどうかを判定する(図5ステップS107)。順次処理実行部7は、全ての入力パラメータを変化させていない場合(ステップS107においてNO)、変化させる入力パラメータと固定する入力パラメータとの組み合わせを変更するよう入力パラメータ数値指示部1に対して指示する(図5ステップS108)。
【0038】
入力パラメータ数値指示部1は、順次処理実行部7の指示に従って、Pr2以外の入力パラメータPr1,Pr3~Priの値を固定し、入力パラメータPr2のみを変化させる指示を出力する(ステップS100)。入力パラメータPr1と同様に、入力パラメータ数値指示部1には、入力パラメータPr2について初期値Pr2_xと、変化幅ΔPr2と、探索の終了閾値Pr2_endとが予め設定され、さらにPr2以外の入力パラメータPr1,Pr3~Priの固定値Pr1_c,Pr3_c~Pri_cが予め設定されている。
【0039】
入力パラメータ数値指示部1は、入力パラメータPr2の初期値Pr2_xと変化幅ΔPr2と終了閾値Pr2_endと入力パラメータPr1,Pr3~Priの固定値Pr1_c,Pr3_c~Pri_cとを入力パラメータ数値入力部2への指示情報として出力する。
【0040】
こうして、入力パラメータPr1の場合と同様に、入力パラメータPr2のみを変化させながら、ステップS102~S105の処理を繰り返し実施する。
順次処理実行部7は、入力パラメータPr2のみを変化させて、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を取得できたときに(ステップS104においてYES)、全ての入力パラメータを変化させていない場合には(ステップS107においてNO)、変化させる入力パラメータと固定する入力パラメータとの組み合わせを変更するよう入力パラメータ数値指示部1に対して指示する(ステップS108)。
【0041】
入力パラメータ数値指示部1は、順次処理実行部7の指示に従って、Pri以外の入力パラメータPr1~Pr(i-1)の値を固定し、入力パラメータPriのみを変化させる指示を出力する(ステップS100)。入力パラメータPr1,Pr2と同様に、入力パラメータ数値指示部1には、入力パラメータPriについて初期値Pri_xと、変化幅ΔPriと、探索の終了閾値Pri_endとが予め設定され、さらにPri以外の入力パラメータPr1~Pr(i-1)の固定値Pr1_c~Pr(i-1)_cが予め設定されている。
【0042】
入力パラメータ数値指示部1は、入力パラメータPriの初期値Pri_xと変化幅ΔPriと終了閾値Pri_endと入力パラメータPr1~Pr(i-1)の固定値Pr1_c~Pr(i-1)_cとを入力パラメータ数値入力部2への指示情報として出力する。
【0043】
こうして、入力パラメータPr1,Pr2の場合と同様に、入力パラメータPriのみを変化させながら、ステップS102~S105の処理を繰り返し実施する。
順次処理実行部7は、入力パラメータPriのみを変化させて、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を取得できたときに(ステップS104においてYES)、全ての入力パラメータを変化させたと判定する(ステップS107においてYES)。
【0044】
次に、評価関数式推定部8は、条件記憶部6に記憶された条件を参照して、入力パラメータPr(Pr1~Pri)を説明変数とし、評価値Xsを目的変数とする評価関数式(2次の回帰関数式)を推定する(図5ステップS109)。2次の回帰関数式を推定する方法としては、重回帰分析、SVR(Support Vector Regression)、ファジィ数量化理論2類応用(特許第2643699号公報)などの一般的な方法がある。
【0045】
なお、2次の回帰関数式が入力パラメータPr(Pr1~Pri)毎に独立になるように、すなわちPr1×Pr2のような2次の項が存在しないように、入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priに加えて、入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priを加工したPr1,Pr2,・・・,Priを説明変数として、回帰分析自体は1次の回帰式を生成する処理となるようにすることが好ましい。
【0046】
最適解探索部9は、評価関数式推定部8が推定した評価関数式を用いて、評価値Xsの最適化(極小または極大)を達成できる入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sを探索する(図5ステップS110)。探索方法については、Powell法の最適解探索アルゴリズムなどの一般的な方法を適用すればよい。
【0047】
最適解提示部10は、最適解探索部9が探索した入力パラメータの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sをオペレータに対して提示する(図5ステップS111)。オペレータは、提示された最適解を用いて実対象を動作させることにより、最適解の妥当性を確認できる。
【0048】
以下、本実施例の適用例について説明する。ここでは、図6に示すような4つのゾーンZ1~Z4の温度制御系を実対象とする。加熱装置は、例えばガラス基盤などの大型のワーク100を加熱するための加熱処理炉101と、加熱処理炉101の内部に設置されたヒータ102-1~102-4と、加熱処理炉101内のゾーンZ1~Z4の温度PV1~PV4を計測する温度センサ103-1~103-4(例えば非接触の放射温度計など)と、ヒータ102-1~102-4に出力する操作量MV1~MV4を算出するPIDコントローラ104-1~104-4と、上位コントローラ105とから構成される。PIDコントローラ104-1~104-4は、温度センサ103-1~103-4が計測した温度PV1~PV4が温度設定値SP1~SP4と一致するように操作量MV1~MV4を算出する。
【0049】
ここでは、ワーク100の代表点温度Ts1~Ts4を整定時に均一化することを考える。その場合、各PIDコントローラ104-1~104-4に与える温度設定値SP1~SP4を適宜調整することで達成可能である。そこで、温度設定値SP1~SP4を入力パラメータPr1~Pr4とし、均一化の目標温度(例えば300℃)からの各代表点温度Ts1~Ts4の偏差絶対値の総和Ex=Σ|300-Tsi|(i=1~4)を評価値Xsとする。
【0050】
図7は、低温度(150℃付近)から4つのゾーンZ1~Z4の温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を示す図である。図7の例では、単純に温度設定値をSP1=SP2=SP3=SP4=330℃に設定している。PIDコントローラ104-1~104-4がフィードバック制御するヒータ付近の温度PV1~PV4は、同一の温度に収束するが、例えば非接触の放射温度計などで計測できるワーク100の整定時の代表点温度Ts1~Ts4は、均一化できない。このときの評価値Exは32.41になる。そこで、この温度設定値SP1=SP2=SP3=SP4=330℃を入力パラメータPr1~Pr4の基準値(初期値)とする。
【0051】
【表1】
【0052】
入力パラメータ数値指示部1は、表1に示すように、まず入力パラメータPr1(ゾーンZ1の温度設定値SP1)以外の入力パラメータPr2~Pr4(ゾーンZ2~Z4の温度設定値SP2~SP4)の固定値Pr2_c~Pr4_cを330℃とし、入力パラメータPr1の初期値Pr1_xを330℃とし、入力パラメータPr1の変化幅をΔPr1=ΔSP1=20℃とする指示を入力パラメータ数値入力部2に対して出力する。
【0053】
最初はPr1=Pr2=Pr3=Pr4=330℃(SP1=SP2=SP3=SP4=330℃)の指示が入力パラメータ数値入力部2からPIDコントローラ104-1~104-4に与えられることにより、ゾーンZ1~Z4の温度制御が行なわれ、評価値検出部4が評価値Xs=Ex=32.41を取得する。
【0054】
次に、入力パラメータ数値入力部2が入力パラメータPr1を変化幅ΔPr1=20℃だけ変化させて、Pr1=350℃,Pr2=Pr3=Pr4=330℃(SP1=350℃,SP2=SP3=SP4=330℃)の指示をPIDコントローラ104-1~104-4に与えることにより、ゾーンZ1~Z4の温度制御が行なわれ、評価値検出部4が評価値Xs=Ex=41.21を取得する。
【0055】
そして、入力パラメータPr1=SP1を350℃に増加させたことで、評価値Exが増大したので、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を検出するために、非単調増減条件検出部5は、入力パラメータPr1=SP1を減少させるよう入力パラメータ数値指示部1に対して指示する。
【0056】
入力パラメータ数値入力部2は、入力パラメータ数値指示部1を介して非単調増減条件検出部5からの指示を受けて、1回前の入力パラメータPr1=SP1=330℃を変化幅ΔPr1=20℃だけ変化させて、Pr1=310℃,Pr2=Pr3=Pr4=330℃(SP1=310℃,SP2=SP3=SP4=330℃)の指示をPIDコントローラ104-1~104-4に与えることにより、評価値検出部4が評価値Xs=Ex=43.63を取得する。この時点で、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を検出できたことになる。
【0057】
さらに、入力パラメータPr2=SP2のみを変化させた場合、入力パラメータPr3=SP3のみを変化させた場合、入力パラメータPr4=SP4のみを変化させた場合のそれぞれについて同様に評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を検出すると、表1のような結果が得られる。この結果は条件記憶部6に格納される。
【0058】
評価関数式推定部8は、条件記憶部6に記憶された条件を参照して、入力パラメータPr(Pr1~Pr4)を説明変数とし、評価値Xs=Exを目的変数とする評価関数式を推定する。ただし、入力パラメータPr1,Pr2,Pr3,Pr4に加えて、Pr1,Pr2,Pr3,Priを説明変数として、回帰分析自体は1次の回帰式を生成する処理(例えばファジィ数量化理論2類応用)を採用する。これにより、以下に示す評価関数式が得られる。Sはサンプリングスコアである。
S=-0.0545(Pr1-300)+0.000874(Pr1-300)
-0.0614(Pr2-300)+0.000890(Pr2-300)
-0.0824(Pr3-300)+0.000855(Pr3-300)
-0.0858(Pr4-300)+0.000767(Pr4-300)
+4.57 ・・・(3)
Ex=28.6S+58.4 ・・・(4)
【0059】
最適解探索部9は、式(3)、式(4)の評価関数式を用いて、評価値Xs=Exが極小になる入力パラメータの最適解Pr1_s=SP1,Pr2_s=SP2,Pr3_s=SP3,Pr4_s=SP4を探索する。ここでは、SP1=331℃,SP2=335℃,SP3=348℃,SP4=356℃という結果が得られた。図5のフローによる処理の結果を図8(A)、図8(B)、図9(A)、図9(B)に示す。これらの図は図2図3に対応するものである。
【0060】
最適解の探索結果SP1=331℃,SP2=335℃,SP3=348℃,SP4=356℃を適用して4つのゾーンZ1~Z4の温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を図10に示す。このときの評価値Xs=Exは18.36になる。図7の結果と比較すると、ワーク100の整定時の代表点温度Ts1~Ts4の均一化について、改善効果が得られていることが分かる。
【0061】
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例は、発明の原理2に対応する例である。第1の実施例の処理(1回目の関数生成)では、やや粗い最適化になっていることを想定し、2回目の関数生成(詳細探索)を実行する。図11は本実施例のパラメータ探索装置の構成を示すブロック図である。
【0062】
本実施例のパラメータ探索装置は、入力パラメータ数値指示部1と、入力パラメータ数値入力部2と、実対象動作検出部3と、評価値検出部4と、非単調増減条件検出部5と、条件記憶部6と、順次処理実行部7と、評価関数式推定部8aと、最適解探索部9aと、最適解提示部10aと、最適解を、2回目の条件検出処理において複数の入力パラメータのそれぞれを特定の入力パラメータとするときの初期値とし、入力パラメータ数値指示部1と入力パラメータ数値入力部2と実対象動作検出部3と評価値検出部4と非単調増減条件検出部5と順次処理実行部7とによる1回目の条件検出処理における特定の入力パラメータの変化幅よりも小さい値を、2回目の条件検出処理における特定の入力パラメータの変化幅とする設定を、入力パラメータ数値指示部1に対して行なう詳細探索指示部11と、詳細探索指示部11による設定後の入力パラメータ数値指示部1と入力パラメータ数値入力部2と実対象動作検出部3と評価値検出部4と非単調増減条件検出部5と順次処理実行部7とによる2回目の条件検出処理において非単調増減条件検出部5が取得した条件を記憶する詳細条件記憶部12と、2回目の条件検出処理において複数の入力パラメータのそれぞれを特定の入力パラメータとしたときの条件を取得し終えた後に、評価関数式推定部8aと最適解探索部9aと最適解提示部10aとに対し、詳細条件記憶部12の記憶部の記憶内容のみで処理を実行させると共に、条件記憶部6の記憶内容と詳細条件記憶部12の記憶内容の両方を併せた内容で処理を実行させる詳細探索処理部13とを備えている。
【0063】
図12図13は本実施例のパラメータ探索装置の動作を説明するフローチャートである。1回目の条件検出処理と最適解探索処理(図12のステップS100~S110)は、第1の実施例で説明したとおりである。
【0064】
次に、詳細探索指示部11は、1回目の条件検出処理と最適解探索処理の終了後、最適解探索部9が探索した入力パラメータの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sを2回目の条件検出処理における入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの初期値とし、1回目の条件検出処理における変化幅ΔPr1,ΔPr2,・・・,ΔPriよりも所定のルールで規定された分だけ小さい値を2回目の条件検出処理における入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの変化幅とする設定を、入力パラメータ数値指示部1に対して行なう(図13ステップS112)。変化幅を小さく設定するルールとしては、例えば変化幅ΔPr1,ΔPr2,・・・,ΔPriのそれぞれ1/2の値を2回目の条件検出処理における入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの変化幅とする、というルールが考えられる。
【0065】
詳細探索指示部11による設定の後、入力パラメータ数値指示部1と入力パラメータ数値入力部2と実対象動作検出部3と評価値検出部4と非単調増減条件検出部5と順次処理実行部7とは、入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priのうち1つのみを変化させて、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を検出する2回目の条件検出処理を入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priのそれぞれについて行なう(図13ステップS113~S121)。この処理は、入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの初期値と変化幅が1回目と異なる点以外は、1回目の条件検出処理(ステップS100~S108)と同様である。
【0066】
2回目の条件検出処理において非単調増減条件検出部5が取得した最低3点の条件は、詳細条件記憶部12に格納される。
次に、詳細探索処理部13は、評価関数式推定部8aに対し、詳細条件記憶部12の記憶内容のみで処理を実行させると共に、条件記憶部6の記憶内容と詳細条件記憶部12の記憶内容の両方を併せた内容で処理を実行させる。
【0067】
詳細探索処理部13からの指示に応じて、評価関数式推定部8aは、詳細条件記憶部12に記憶された条件を参照して、入力パラメータPr(Pr1~Pri)を説明変数とし、評価値Xsを目的変数とする評価関数式(2次の回帰関数式)を推定する。さらに、評価関数式推定部8aは、条件記憶部6に記憶された条件と詳細条件記憶部12に記憶された条件とを参照して、入力パラメータPr(Pr1~Pri)を説明変数とし、評価値Xsを目的変数とする評価関数式(2次の回帰関数式)を推定する(図13ステップS122)。
【0068】
次に、詳細探索処理部13は、最適解探索部9aに対し、詳細条件記憶部12の記憶内容のみで処理を実行させると共に、条件記憶部6の記憶内容と詳細条件記憶部12の記憶内容の両方を併せた内容で処理を実行させる。
【0069】
詳細探索処理部13からの指示に応じて、最適解探索部9aは、詳細条件記憶部12に記憶された条件を参照して評価関数式推定部8aが推定した評価関数式を用いて、評価値Xsの最適化(極小または極大)を達成できる入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sを探索する。さらに、最適解探索部9aは、条件記憶部6と詳細条件記憶部12とに記憶された条件を参照して評価関数式推定部8aが推定した評価関数式を用いて、評価値Xsの最適化(極小または極大)を達成できる入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sを探索する(図13ステップS123)。
【0070】
最適解提示部10aは、詳細条件記憶部12の記憶内容のみによる入力パラメータの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sと、条件記憶部6の記憶内容と詳細条件記憶部12の記憶内容の両方による入力パラメータの最適解Pr1_s,Pr2_s,・・・,Pri_sとをオペレータに対して提示する(図13ステップS124)。
オペレータは、提示された2種類の最適解のどちらか、あるいは両方を実対象に適用して、好ましい結果を採用すればよい。
【0071】
以下、本実施例の適用例について説明する。本実施例においても、図6に示した温度制御系を実対象とする。
詳細探索指示部11は、1回目の条件検出処理と最適解探索処理で得られた最適解SP1=331℃,SP2=335℃,SP3=348℃,SP4=356℃を、2回目の条件検出処理における入力パラメータPr1~Pr4(SP1~SP4)の初期値とする。また、詳細探索指示部11は、1回目の条件検出処理における入力パラメータPr1~Pr4(SP1~SP4)の変化幅ΔPr1=ΔPr2=ΔPr3=ΔPr4=20℃のそれぞれ1/2の値ΔPr1=ΔPr2=ΔPr3=ΔPr4=10℃を、2回目の条件検出処理における入力パラメータPr1,Pr2,・・・,Priの変化幅とする。
【0072】
詳細探索指示部11による設定後の入力パラメータ数値指示部1と入力パラメータ数値入力部2と実対象動作検出部3と評価値検出部4と非単調増減条件検出部5と順次処理実行部7の動作は、1回目の条件検出処理と同様である。2回目の条件検出処理により、表2に示す結果が得られる。この結果は詳細条件記憶部12に格納される。
【0073】
【表2】
【0074】
詳細探索処理部13からの指示に応じて、評価関数式推定部8aは、詳細条件記憶部12に記憶された条件を参照して、入力パラメータPr(Pr1~Pri)を説明変数とし、評価値Xs=Exを目的変数とする評価関数式を推定する。これにより、以下に示す評価関数式が得られる。
S=-0.0446(SP1-300)+0.00147(SP1-300)
-0.0828(SP2-300)+0.00154(SP2-300)
-0.118(SP3-300)+0.00139(SP3-300)
-0.200(SP4-300)+0.00185(SP4-300)
+8.46 ・・・(5)
Ex=18.7S+23.2 ・・・(6)
【0075】
最適解探索部9aは、式(5)、式(6)の評価関数式を用いて、評価値Xs=Exが極小になる入力パラメータの最適解Pr1_s=SP1,Pr2_s=SP2,Pr3_s=SP3,Pr4_s=SP4を探索する。ここでは、SP1=315℃,SP2=327℃,SP3=342℃,SP4=354℃という結果が得られた。詳細条件記憶部12の記憶内容のみによる処理の結果を図14(A)、図14(B)、図15(A)、図15(B)に示す。これらの図は図2図3に対応するものである。
【0076】
最適解の探索結果SP1=315℃,SP2=327℃,SP3=342℃,SP4=354℃を適用して4つのゾーンZ1~Z4の温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を図16に示す。このときの評価値Xs=Exは10.53になる。図10の結果と比較すると、ワーク100の整定時の代表点温度Ts1~Ts4の均一化について、さらに改善効果が得られていることが分かる。
【0077】
次に、詳細探索処理部13からの指示に応じて、評価関数式推定部8aは、条件記憶部6と詳細条件記憶部12とに記憶された両方の条件を参照して、入力パラメータPr(Pr1~Pri)を説明変数とし、評価値Xs=Exを目的変数とする評価関数式を推定する。これにより、以下に示す評価関数式が得られる。
S=-0.0189(SP1-300)+0.000409(SP1-300)
-0.0282(SP2-300)+0.000466(SP2-300)
-0.0377(SP3-300)+0.000396(SP3-300)
-0.00476(SP4-300)+0.000429(SP4-300)
+2.20 ・・・(7)
Ex=52.3S+45.2 ・・・(8)
【0078】
最適解探索部9aは、式(7)、式(8)の評価関数式を用いて、評価値Xs=Exが極小になる入力パラメータの最適解Pr1_s=SP1,Pr2_s=SP2,Pr3_s=SP3,Pr4_s=SP4を探索する。ここでは、SP1=323℃,SP2=330℃,SP3=348℃,SP4=356℃という結果が得られた。条件記憶部6の記憶内容と詳細条件記憶部12の記憶内容とによる処理の結果を図17(A)、図17(B)、図18(A)、図18(B)に示す。これらの図は図2図3に対応するものである。
【0079】
最適解の探索結果SP1=323℃,SP2=330℃,SP3=348℃,SP4=356℃を適用して4つのゾーンZ1~Z4の温度を上昇させた場合のシミュレーション結果を図19に示す。このときの評価値Xs=Exは6.63になる。図16の結果と比較すると、ワーク100の整定時の代表点温度Ts1~Ts4の均一化について、さらに改善効果が得られていることが分かる。オペレータは、好ましい結果を採用すればよいので、図19の結果が得られた温度設定値SP1~SP4を採用できる。
【0080】
なお、第1、第2の実施例では、評価値Xsが極小になる入力パラメータの最適解を求める例について具体的に説明しているが、最適解探索部9,9aは、評価値Xsが極大になる入力パラメータの最適解を求めるようにしてもよい。極小と極大のどちらを最適とするかは例えば実対象に応じて決まることは言うまでもない。
【0081】
また、第1、第2の実施例では、特定の入力パラメータを一律に増加させて、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を取得しているが、これに限るものではなく、特定の入力パラメータを一律に減少させて、評価値Xsが単調増減ではなくなる最低3点の条件を取得するようにしてもよい。
【0082】
また、特定の入力パラメータを一律に増加または減少させるのではなく、特定の入力パラメータを増加の方向に変化させたときに、評価値Xsが増大したら、特定の入力パラメータを初期値から減少させて、特定の入力パラメータが減少するに従って評価値Xsが増大する箇所を探索してもよい。表1、表2の適用例で説明した方法は、このような探索方法によるものである。評価値Xsが極大になる入力パラメータの最適解を求める場合は、特定の入力パラメータを増加の方向に変化させたときに、評価値Xsが減少したら、特定の入力パラメータを初期値から減少させて、特定の入力パラメータが減少するに従って評価値Xsが減少する箇所を探索すればよい。
【0083】
第1、第2の実施例で説明したパラメータ探索装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図20に示す。
【0084】
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インタフェース装置(I/F)202とを備えている。I/F202には、実対象に設置されたセンサやディスプレイ装置等が接続される。このようなコンピュータにおいて、本発明のパラメータ探索方法を実現させるためのプログラムは記憶装置201に格納される。CPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1、第2の実施例で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、実対象にパラメータを入力してパラメータの最適解を探索する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1…入力パラメータ数値指示部、2…入力パラメータ数値入力部、3…実対象動作検出部、4…評価値検出部、5…非単調増減条件検出部、6…条件記憶部、7…順次処理実行部、8,8a…評価関数式推定部、9,9a…最適解探索部、10,10a…最適解提示部、11…詳細探索指示部、12…詳細条件記憶部、13…詳細探索処理部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20