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  • 特開-流量センサ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089195
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】流量センサ
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/684 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
G01F1/684 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204402
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】池 信一
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035EA05
2F035EA08
(57)【要約】
【課題】流量センサの流路部分を小型化する。
【解決手段】流量センサ10は、複数の電極38A等を備え、被測定流体の流量を測定するためのセンサチップ30と、被測定流体の流路Rを形成する流路内面と流路内面に開口しセンサチップ30を収容する収容孔21Bとを備えるセンサパッケージ21と、を備える。流量センサ10は、流路内面に設けられた複数の電極パッド51等と、複数の電極38A等の各表面と複数の電極パッド51等の各表面とをそれぞれ電気的に接続する複数のボンディングワイヤ41等と、センサパッケージ21内を通り、複数の電極パッド51等の各裏面にそれぞれ接続され、複数の電極パッド51等と処理回路70とを電気的に接続する複数の導体61等と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極を備え、被測定流体の流量を測定するためのセンサチップと、
前記被測定流体の流路を形成する流路内面と前記流路内面に開口し前記センサチップを収容する収容孔とを備えるセンサパッケージと、
前記流路内面の前記収容孔の周囲に設けられた複数の電極パッドと、
前記複数の電極の各表面と前記複数の電極パッドの各表面とをそれぞれ電気的に接続する複数のボンディングワイヤと、
前記センサパッケージ内を通り、前記複数の電極パッドの各裏面にそれぞれ接続され、前記複数の電極パッドと処理回路とを電気的に接続する複数の導体と、
を備える流量センサ。
【請求項2】
前記センサチップは、前記流路内面と面一の表面を備える、
請求項1に記載の流量センサ。
【請求項3】
前記センサパッケージは、前記流路内面を内面とする流路凹部を備え、
前記ボンディングワイヤは、前記流路凹部内に配置されている、
請求項1に記載の流量センサ。
【請求項4】
前記センサチップは、前記被測定流体の流量をセンシングするセンシング領域を備え、
前記複数の電極パッドは、前記流路の前記センサチップよりも上流側に配置された一以上の上流側電極パッドを含み、
前記複数のボンディングワイヤのうち前記一以上の上流側電極パッドに接続された一以上のボンディングワイヤは、前記センシング領域の前記被測定流体の流れ方向に沿った上流領域から外れた位置に配置されている、
請求項1に記載の流量センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定流体の流量を測定するための流量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被測定流体の流路を形成する流路部材と、流路の内面上に配置されたセンサチップ及び複数の電極パッドと、センサチップの複数の電極と複数の電極パッドとをそれぞれ接続する複数のボンディングワイヤとを備える流量センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-68645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の流量センサでは、センサチップ上を流れる被測定流体の流量を確保するため、被測定流体の流路の高さ(センサチップが設けられた第1面とこの第1面に対向する第2面との間の距離)を、センサチップの厚さ分余計に確保する必要がある。従って、その分、流量センサの流路部分の小型化が難しい。
【0005】
本発明は、流量センサの流路部分を小型化することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る流量センサは、複数の電極を備え、被測定流体の流量を測定するためのセンサチップと、前記被測定流体の流路を形成する流路内面と前記流路内面に開口し前記センサチップを収容する収容孔とを備えるセンサパッケージと、前記流路内面の前記収容孔の周囲に設けられた複数の電極パッドと、前記複数の電極の各表面と前記複数の電極パッドの各表面とをそれぞれ電気的に接続する複数のボンディングワイヤと、前記センサパッケージ内を通り、前記複数の電極パッドの各裏面にそれぞれ接続され、前記複数の電極パッドと処理回路とを電気的に接続する複数の導体と、を備える。
【0007】
一例として、前記センサチップは、前記流路内面と面一の表面を備えてもよい。
【0008】
一例として、前記センサパッケージは、前記流路内面を内面とする流路凹部を備え、前記ボンディングワイヤは、前記流路凹部内に配置されていてもよい。
【0009】
一例として、前記センサチップは、前記被測定流体の流量をセンシングするセンシング領域を備え、前記複数の電極パッドは、前記流路の前記センサチップよりも上流側に配置された一以上の上流側電極パッドを含み、前記複数のボンディングワイヤのうち前記一以上の上流側電極パッドに接続された一以上のボンディングワイヤは、前記センシング領域の前記被測定流体の流れ方向に沿った上流領域から外れた位置に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る流量センサによれば、流路部分が小型化される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る流量センサを断面図である。
図2図2は、図1のセンサチップ、ワイヤボンディング、及び、電極パッドが設けられた部位を下方から見た図である。
図3図3は、変形例に係る流量センサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態及びその変形例について、図面を参照して説明する。各図では、同様の要素には同じ符号を付している。
【0013】
(実施形態)
図1及び図2に示す本実施形態に係る流量センサ10は、流路部材20と、センサチップ30と、ボンディングワイヤ41~46と、電極パッド51~56と、導体61~66と、処理回路70と、を備える。流量センサ10は、被測定流体の流量を熱式で測定するように構成されている。なお、流量は、流速の形で測定されてもよい。
【0014】
流路部材20は、流路R1~R3からなる被測定流体の流路Rを形成する部材である。流路部材20は、センサパッケージ21と、流路筐体22と、シール部材23と、を備える。
【0015】
センサパッケージ21は、その下面に開口し、中間流路R2を形成する直方体形状の流路凹部21Aを備える。センサパッケージ21は、中間流路R2を形成する流路内面つまり収容凹部21Aの内面のうちの底面に開口してセンサチップ30を収容する直方体形状の収容孔21Bをさらに備える。収容孔21Bは、ここでは、凹部状の有底孔として形成されているが、貫通孔であってもよい。センサパッケージ21は、流路筐体22の上面に、不図示のボルトなどにより取り付けられる。
【0016】
流路筐体22にセンサパッケージ21が取り付けられたとき、流路筐体22の上面がセンサパッケージ21の流路凹部21Aを下側から覆う。流路凹部21Aの内面、流路筐体22の上面、及び、センサチップ30の表面により中間流路R2が形成される。流路筐体22は、その上面の上流側位置及び下流側位置にそれぞれ開口して中間流路R2と連通する断面L字状の上流流路R1及び下流流路R3を備える。
【0017】
被測定流体は、流量センサ10の外部(上流配管等)から、上流路R1、中間流路R2、下流流路R3を流れ、流量センサ10の外部(下流配管等)に流出する。
【0018】
流路筐体22は、その上面に開口し、上方から見たときに中間流路R2を取り囲む環状の溝22Aを備える。溝22A内には、Oリングなどのシール部材23が収容される。シール部材23は、センサパッケージ21の下面と、溝22Aの内面とに挟み込まれ、センサパッケージ21と流路筐体22との間をシールする。これにより、被測定流体が、流路部材20の外部に漏れることが防止される。
【0019】
センサチップ30は、被測定流体の流量を検出するチップである。センサチップ30は、被測定流体の流量を熱式で検出するように構成されている。センサチップ30は、センサパッケージ21の収容孔21Bに収容された状態で、センサパッケージ21に接着剤、ボルトなどにより固定される。センサチップ30の表面は、流路凹部21Aの底面と面一に構成され、センサチップ30の表面(図1では下面)は、流路凹部21Aの底面とともに、流路R2を形成している。
【0020】
センサチップ30は、被測定流体の流量の測定に使用されるように構成されている。センサチップ30は、基板31と、絶縁層32と、発熱抵抗体33と、測温抵抗体34~36と、導電パターン37A及び37Bと、電極38A~38Fと、を備える。
【0021】
基板31は、中央にキャビティ31Aを備える。基板31上に、絶縁層32が形成されている。絶縁層32は、キャビティ31Aを覆っている。図示はしていないが、絶縁層32は、複数の層からなる積層構造となっている。抵抗体33~36及び導電パターン37A及び37Bは、絶縁層32を構成する層と層の間に形成され、絶縁層32により保護される。電極38A~38Fは、絶縁層32から露出した状態で設けられる。絶縁層32のキャビティ31Aを覆う部分は、ダイアフラム32Aとなっており、当該ダイアフラム32Aに抵抗体33~35が設けられている。ダイアフラム32Aには、キャビティ31Aに被測定流体を流す複数のスリットSが設けられている。
【0022】
発熱抵抗体33は、被測定流体を加熱するヒータとして機能する。測温抵抗体34及び35は、発熱抵抗体33の上流及び下流の位置にそれぞれ配置されている。測温抵抗体34及び35は、その温度により抵抗値が変化するように構成されている。測温抵抗体34及び35の各抵抗値は、発熱抵抗体33により加熱された被測定流体の熱分布を示す。測温抵抗体36は、その温度により抵抗値が変化する、温度補償用の周囲温度センサとして設けられている。抵抗体33~36のそれぞれは、図面では帯状に描かれているが、実際は、長さを稼ぐために蛇行した線状の導体からなる。発熱抵抗体33は、電流が流れることで発熱しやすい任意の材料により形成されている。測温抵抗体34~36は、白金などの任意の材料により形成されている。発熱抵抗体33も白金から形成されてもよい。
【0023】
導電パターン37A及び37Bのそれぞれは、複数の配線からなる。導電パターン37Aは、発熱抵抗体33及び測温抵抗体36と、電極38A~38Cとを電気的に接続する。導電パターン37Bは、測温抵抗体34及び35と、電極38D~38Fとを電気的に接続する。導電パターン37A及び37B、電極38A~38Fは、所定のプロセスにより、一括でパターニングされてもよい。
【0024】
電極38A~38Fは、抵抗体33~35の上流又は下流に位置せずに、抵抗体33~35から、被測定流体の流れ方向に直交する方向(流路Rの幅方向)に離れた位置に配置されている。電極38A~38Fは、ボンディングワイヤ41~46を介して電極パッド51~56とそれぞれ電気的に接続されている。ここでは、ボンディングワイヤ41~46の各一端が、電極38A~38Fの各表面にそれぞれ固定され、各他端が、電極パッド51~56の各表面にそれぞれ固定されている。電極パッド51~56は、流路凹部21Aの底面上の収容孔21Bの周囲の位置に設けられている。電極パッド51~56は、センサパッケージ21内を通って、導体61~66とそれぞれ電気的に接続されている。導体61~66の下端が、電極パッド51~56の各裏面(各上側の面)とそれぞれ接触することで、両者が電気的に接続されている。導体61~66は、センサパッケージ21を貫通する貫通孔内を通っている。導体61~66と貫通孔の内壁との間は、所定のシール部材でシールされてもよい。
【0025】
導体61~66は、電極パッド51~56と、図1においてブロックとして描かれている、センサチップ30により流量を測定するための処理を行う処理回路70と、を所定の配線を介して電気的に接続している。導体61及び64は、処理回路70の基準電位に接続される。処理回路70は、導体62などを介して発熱抵抗体33に電流を流す。これにより発熱抵抗体33が発熱し、被測定流体が加熱される。処理回路70は、導体65など、導体66など、及び、導体63などを介して、測温抵抗体34~36の各抵抗値(例えば、基準電位を基準とした抵抗体34~36の各一端の電圧値など)を取り出す。測温抵抗体34及び35の各抵抗値により、被測定流体の熱分布が示される。測温抵抗体36の抵抗値により温度補償の値が示される。処理回路70は、取り出した各抵抗値に基づいて、被測定流体の流量(流速で表されてもよい)を導出する。この導出により、流量が測定される。処理回路70は、導出した流量を上位装置などの流量センサ10の外部装置、又は、流量センサ10に設けられた表示部などに出力する。処理回路70は、センサチップ30により流量を測定するための処理を行えばよく、当該処理として、上記各抵抗値を上位装置などに送信し、上位装置にて流量を導出させる処理を行ってもよい。処理回路70は、マイクロコンピュータなどから構成されればよい。
【0026】
この実施の形態では、上述のように、センサチップ30が、流路凹部21Aの底面に開口した収容孔21Bに収容されている。これにより、センサチップ30が収容孔21Bに収容された分だけ、中間流路R1の高さH(流路凹部21Aの底面と流路筐体22の上面との距離)を、センサチップ30を流路凹部21Aの底面にそのまま設置した従来構造よりも、低くすることができる。従って、流量センサ10のうち、中間流路R2が設けられた流路部分が小型化され、結果として流量センサ10も小型化される。また、このような小型化により、流量センサ10内を流れる被測定流体の全体流量を少なくすることができ、微小な量の被測定流体の流量も測定可能となる。
【0027】
この実施の形態では、センサチップ30の表面(下面)が、センサパッケージ21の流路凹部21Aの底面と面一となっている。これにより、センサチップ30の、流路凹部21Aの底面から突出した部分が無くなり、中間流路R2の高さHを最大限低くできる。
【0028】
上記面一により、センサチップ30の外縁部分と流路凹部21Aの底面との間に段差が形成されることが防止され、当該段差によって被測定流体の流れが乱れるなどの不都合が抑制される。これにより、流量の測定精度が高くなる。なお、面一は、実質的な面一、つまり、寸法誤差などがあるが完全な面一と略同様の効果を得ることができる面一といえる範囲を含む。実質的な面一は、センサチップ30の表面の高さ(下側に向く高さ)が、電極パッド51~56の高さ以下であることを含む。この程度の高さであれば、電極パッド51~56と同様にセンサチップ30も被測定流体の流れを乱さないと考えられる。
【0029】
なお、収容孔21Bをより浅くすることで、センサチップ30の表面部(下部)を流路凹部21Aの底面から突出させてもよい。これによっても、上記面一ほどではないが、中間流路R2の高さHを低くできる。収容孔21Bをより深くすることで、センサチップ30の表面を流路凹部21Aの底面よりも引っ込んだ状態としてもよい。
【0030】
さらに、この実施の形態では、図1に示すように、電極パッド51~56のうちの電極パッド53及び55がセンサチップ30の上流側に配置されている。ここで、流量センサ10の表面のうち、被測定流体の流量をセンシングする抵抗体33~35が設けられた領域をセンシング領域P1とする。さらに、センシング領域P1の、被測定流体の流れ方向つまり上下流方向に沿った上流の領域を上流領域P2とする。このとき、電極パッド53及び55にそれぞれ接続されたボンディングワイヤ43及び45が上流領域P2から外れた位置に配置される。これにより、センシング領域P1上(図1では、センシング領域P1の下方領域)を通過する被測定流体の流れがボンディングワイヤによって乱されることが抑制され、流量の測定精度が高くなる。なお、測温抵抗体36をさらに含んだ領域をセンシング領域P1として考えてもよい。これにより、測温抵抗体36の周囲の被測定流体の流れの乱れも抑制でき、温度補償のための温度測定の精度ないし流量の測定精度が向上することがある。
【0031】
電極パッド51~56のうちセンサチップ30よりも下流側の電極パッド51、52、54、及び56にそれぞれ接続されるボンディングワイヤ41、42、44、及び46は、センシング領域P1の、上下流方向に沿った下流の領域である下流領域P3に入り込んでもよい。図2の例では、ボンディングワイヤ42が下流領域P3に入り込んでいる。このような下流領域P3への入り込みが許容されるのは、センシング領域P1上を通過する被測定流体の流れへの影響が限定的であるためである。これにより、流量センサ10の設計時における、センサチップ30の下流側に配置される電極パッドの配置の自由度が確保される。電極パッド51~56のすべてを下流側に設けることも可能であるが、この場合、設計時における電極パッドの配置の自由度が低くなるため、一部の電極パッドについては、センサチップ30の上流側に配置するとよい。
【0032】
ボンディングワイヤ43及び45が上流領域P2から外れた位置に配置されるのは、電極38C及び38Eが、少なくとも上流領域P2から外れた位置にあることにも起因している。ボンディングワイヤ41などが下流領域P3に入り込むことが許容される電極38Aなどは、例えば、下流領域P3に形成されてもよい。
【0033】
図1に示すように、ボンディングワイヤ41~46は、センサチップ30及び電極パッド51~56に対向する流路筐体22の上面に接触しない高さに設けられる。つまり、流路凹部21A内にボンディングワイヤ41~46が配置される。なお、ボンディングワイヤ41~46のいずれかが流路筐体22の上面に接触してもいいように、流路筐体22は、絶縁体とすることができる。流路凹部21A内にボンディングワイヤ41~46が配置されることで、ボンディングワイヤ41~46は、センサパッケージ21のうち、流路凹部21Aを形成している側壁で保護される。これにより、センサパッケージ21を流路筐体22に取り付けるときに、ボンディングワイヤ41~46が流路筐体22に接触して断線するといった不都合が生じ難い。
【0034】
(変形例1)
センサパッケージ21は、半田、接着剤などで流路筐体22に取り付けられてもよい。この場合、センサパッケージ21と流路筐体22との間を半田、接着剤などによりシールできる場合、シール部材23は不要である。
【0035】
(変形例2)
流量センサ10は、流路部材20のうちのセンサパッケージ21のみを有し、流路筐体22は、流量センサ10の外部の要素であってもよい。
【0036】
(変形例3)
流量センサ10を構成する各要素の形状などは任意である。その一例を図3に示す。図3の本変形例に係る流量センサ110は、流路部材20の代わりに流路部材120を備える。流路部材120は、センサパッケージ21に対応するセンサパッケージ121と、流路筐体22に対応する流路筐体122と、を備える。
【0037】
センサパッケージ121は、流路凹部21Aの代わりに、下方に突出した凸部121Aを備える。センサチップ30を収容する収容孔21Bは、凸部121Aの下面に開口している。
【0038】
流路筐体122は、直線状の流路Rを備える。また、流路筐体122は、当該流路筐体122の上方空間と、流路Rとを連通させる貫通孔122Aを備える。流路筐体122の上面には、センサパッケージ121が、その凸部121Aが貫通孔122Aに挿入された状態でボルトなどにより固定される。
【0039】
凸部121Aの下面は、流路筐体122の流路Rを形成している天井面と面一となっており、流路Rの一部を形成する流路内面となっている。センサチップ30の表面は、凸部121Aの下面と面一に形成されている。
【0040】
他の部材の説明については、上記実施形態の説明に準じる。本変形例においても、上記実施形態と同様の効果が適宜得られる。ただし、上記実施形態のように流路凹部21A内にボンディングワイヤ41~46が配置された方が、センサパッケージ21を流路筐体22に固定するときに、ボンディングワイヤ41~46が流路筐体22に接触して断線するといった不都合が生じ難い。
【0041】
(本発明の範囲)
以上、実施形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記実施形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0042】
10…流量センサ、20…流路部材、21…センサパッケージ、21A…流路凹部、21B…収容孔、22…流路筐体、22A…溝、23…シール部材、30…センサチップ、31…基板、31A…キャビティ、32…絶縁層、32A…ダイアフラム、33…発熱抵抗体、34~36…測温抵抗体、37A,37A…導電パターン、38A~38F…電極、41~46…ボンディングワイヤ、51~56…電極パッド、61~66…導体、70…処理回路、110…流量センサ、120…流路部材、121…センサパッケージ、121A…凸部、122…流路筐体、122A…貫通孔。
図1
図2
図3