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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089225
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】昇降黒板装置
(51)【国際特許分類】
   B43L 1/04 20060101AFI20240626BHJP
   A47B 97/06 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
B43L1/04 H
A47B97/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204461
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000147589
【氏名又は名称】株式会社青井黒板製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 隆一
【テーマコード(参考)】
2C071
【Fターム(参考)】
2C071CA01
2C071CB02
(57)【要約】
【課題】バランススプリングの緊張状態(テンション)を調整する部材の構成を簡便にすることができる昇降黒板装置を提供することを目的としている。
【解決手段】固定枠体4には、バランススプリング13が配置されている。そして、バランススプリング13には、スプリング取付部12が取り付けられている。このスプリング取付部12には、枠体用索体14の一端部14aが取り付けられ、他端部14bがスライド部材16に取り付けられている。このスライド部材16は、調整ガイド部19の開口孔に挿入できると共に、スライド自在で且つ回転不能に移動することができるようになっている。そして、このようなスライド部材16の他端に固定されているナット17は、調整用ボルト18が螺合されるようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒板を昇降可能に保持する固定枠体と、
前記固定枠体に配置されるバランススプリングと、
前記バランススプリングが取り付けられている取付部と、
一端が前記取付部に取り付けられている索体と、
前記索体の他端が取り付けられているスライド部と、
前記スライド部が挿入できると共に、前記スライド部がスライド自在で且つ回転不能に移動することができる開口孔が設けられている前記固定枠体に取り付けられている調整ガイド部と、
前記スライド部の他端に固定されているナットに螺合可能な調整用ボルトと、を有してなる昇降黒板装置。
【請求項2】
前記スライド部の他端側には、被当接部が設けられ、
前記調整ガイド部には、前記開口孔の両端部に、前記被当接部が当接可能な当接部が設けられてなる請求項1に記載の昇降黒板装置。
【請求項3】
前記取付部は、
前記固定枠体に取り付けられている取付部本体と、
前記取付部本体に設けられている長孔と、
前記長孔内に挿入可能で、該長孔内をスライド自在に移動することができると共に、前記バランススプリングが引っ掛けられて取り付けられる取付部材と、を有してなる請求項1に記載の昇降黒板装置。
【請求項4】
前記黒板には、前記固定枠体に昇降自在に設けられている昇降ガイド支柱が取り付けられており、
前記固定枠体内には、ガイドローラが設けられ、
前記昇降ガイド支柱には、前記ガイドローラに沿って該昇降ガイド支柱が昇降できるように第1ガイド溝が設けられてなる請求項1に記載の昇降黒板装置。
【請求項5】
前記昇降ガイド支柱に取り付けられる調整部材をさらに有し、
前記調整部材は、戸当たりが取り付けられていると共に、ナットが挿入されたボルトが取り付けられ、
前記昇降ガイド支柱には、前記ナットがスライド移動可能なように挿入可能な第2ガイド溝が設けられ、
前記調整部材が、前記昇降ガイド支柱に沿って移動すると、それに合わせて、前記第2ガイド溝内を前記ナットが移動し、所定位置で前記ボルトを締め付けると、前記第2ガイド溝内に前記ナットが固定配置されてなる請求項4に記載の昇降黒板装置。
【請求項6】
前記第1ガイド溝と、前記第2ガイド溝とは、別の位置に設けられている請求項5に記載の昇降黒板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白板、掲示板等を含む黒板を昇降させる昇降黒板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の昇降黒板装置として、特許文献1に記載のような昇降黒板装置が知られている。この昇降黒板装置は、黒板の左右のレベル調整作業を簡単容易に、しかも、安全に行うことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-124405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような昇降黒板装置は、バランススプリングの緊張状態(テンション)を調整する部材が複雑な構成であったことから、改善の余地があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、バランススプリングの緊張状態(テンション)を調整する部材の構成を簡便にすることができる昇降黒板装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明によれば、黒板(2)を昇降可能に保持する固定枠体(4)と、
前記固定枠体(4)に配置されるバランススプリング(13)と、
前記バランススプリング(13)が取り付けられている取付部(スプリング取付部12)と、
一端(一端部14a)が前記取付部(スプリング取付部12)に取り付けられている索体(枠体用索体14)と、
前記索体(枠体用索体14)の他端(他端部14b)が取り付けられているスライド部(スライド部材16)と、
前記スライド部(スライド部材16)が挿入できると共に、前記スライド部(スライド部材16)がスライド自在で且つ回転不能に移動することができる開口孔(第2開口孔19b2)が設けられている前記固定枠体(4)に取り付けられている調整ガイド部(19)と、
前記スライド部(スライド部材16)の他端に固定されているナット(17)に螺合可能な調整用ボルト(18)と、を有してなることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載の昇降黒板装置において、前記スライド部(スライド部材16)の他端側には、被当接部(左フランジ部16e,右フランジ部16f)が設けられ、
前記調整ガイド部(19)には、前記開口孔(第2開口孔19b2)の両端部に、前記被当接部(左フランジ部16e,右フランジ部16f)が当接可能な当接部(保持板19bの左側面19b3側、保持板19bの右側面19b4側)が設けられてなることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明によれば、上記請求項1に記載の昇降黒板装置において、前記取付部(スプリング取付部12)は、
前記固定枠体(4)に取り付けられている取付部本体(取付固定板122)と、
前記取付部本体(取付固定板122)に設けられている長孔(122c)と、
前記長孔(122c)内に挿入可能で、該長孔(122c)内をスライド自在に移動することができると共に、前記バランススプリング(13)が引っ掛けられて取り付けられる取付部材(第2取付板121)と、を有してなることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明によれば、上記請求項1に記載の昇降黒板装置において、前記黒板(2)には、前記固定枠体(4)に昇降自在に設けられている昇降ガイド支柱(3)が取り付けられており、
前記固定枠体(4)内には、ガイドローラ(40)が設けられ、
前記昇降ガイド支柱(3)には、前記ガイドローラ(40)に沿って該昇降ガイド支柱(3)が昇降できるように第1ガイド溝(3a1)が設けられてなることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明によれば、上記請求項4に記載の昇降黒板装置において、前記昇降ガイド支柱(3)に取り付けられる調整部材(25)をさらに有し、
前記調整部材(25)は、戸当たり(24)が取り付けられていると共に、ナット(N1)が挿入されたボルト(B2)が取り付けられ、
前記昇降ガイド支柱(3)には、前記ナット(N1)がスライド移動可能なように挿入可能な第2ガイド溝(3b)が設けられ、
前記調整部材(25)が、前記昇降ガイド支柱(3)に沿って移動すると、それに合わせて、前記第2ガイド溝(3b)内を前記ナット(N1)が移動し、所定位置で前記ボルト(B2)を締め付けると、前記第2ガイド溝(3b)内に前記ナット(N1)が固定配置されてなることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明によれば、上記請求項5に記載の昇降黒板装置において、前記第1ガイド溝(3a1)と、前記第2ガイド溝(3b)とは、別の位置に設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】
請求項1に係る発明によれば、調整ガイド部(19)の開口孔(第2開口孔19b2)内にスライド部(スライド部材16)を挿入すれば、調整用ボルト(18)を回転させるだけで、スライド自在で且つ回転不能にスライド部(スライド部材16)を移動させることができる。これにより、バランススプリング(13)の緊張状態(テンション)を調整することができることとなる。
【0015】
したがって、本発明によれば、バランススプリングの緊張状態(テンション)を調整する部材の構成を簡便にすることができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、例え、ナット(17)内から調整用ボルト(18)を誤って完全に取り外してしまったとしても、調整用ボルト(18)を再びナット(17)内へ挿入する作業を簡便に行う事ができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、長孔(122c)内を、取付部材(第2取付板121)にてスライド移動させるだけで良いため、バランススプリング(13)の緊張状態(テンション)の調整が容易となる。さらには、取付部材(第2取付板121)を長孔(122c)内から簡単容易に取り外すことができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、従来のように摩擦力で上下動させる必要が無くなるため、黒板(2)をスムーズに昇降させることができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、黒板(2)の昇降範囲を任意に調整することが可能となる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、ガイドローラ(40)が上手く転がらず、黒板(2)をスムーズに昇降させることができなくなる等の不具合を生じさせる事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る昇降黒板装置のうち、黒板の上フレームと下フレームとを残した状態で黒板を取り外した状態を示すと共に、主に固定枠体の内部構造を示す正面図である。
図2】同実施形態に係る昇降黒板装置の固定枠体が壁面に取り付けられた状態を示す側面図である。
図3】(a)は、固定枠体の構造を示す正面図、(b)は、固定枠体内のガイドローラの位置関係を示す側面図、(c)は、昇降ガイド支柱の横断面図である。
図4】(a)は、図3(a)に示すX1-X1線断面図、(b)は、図3(a)に示すX2-X2線断面図である。
図5】(a)は、同実施形態に係る第2取付板の側面図、(b)は、同実施形態に係る第2取付板の平面図、(c)は、同実施形態に係る第2取付板の正面図である。
図6】同実施形態に係るスライド部材の正面図である。
図7】(a)は、同実施形態に係る調整ガイド部の平面図、(b)は、同実施形態に係る調整ガイド部の正面図、(c)は、同実施形態に係る調整ガイド部の縦断面である。
図8】戸当たりを昇降ガイド支柱の任意の位置に配置できることを説明する説明図である。
図9】(a)は、調整部材の断面図を示すと共に、この調整部材に戸当たり及びボルト並びにナットを取り付けた状態を示し、(b)は、(a)に示す状態の調整部材を昇降ガイド支柱に取り付けた状態を示し、(c)は、(b)に示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る昇降黒板装置の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0023】
本実施形態に係る昇降黒板装置は、上記特許文献1に記載の動きと同様である。この動きを簡潔に記載すると、図1に示す昇降黒板装置1は、図2に示す黒板2を、実線と仮想線で示すように、上下方向に昇降できるようになっている。この黒板2は、図1及び図2に示すように、黒板上フレーム2aと、黒板下フレーム2bと、を有し、図2に示すように、黒板上フレーム2aと、黒板下フレーム2bに、図示しないビス等によって、下部に粉受け2c1を備えた黒板本体2cが取り付けられているものである。この黒板上フレーム2aと、黒板下フレーム2bには、図1に示すように、黒板上フレーム2a、黒板下フレーム2bに亘って、その両端部に昇降ガイド支柱3がそれぞれ取り付けられている。そして、この昇降ガイド支柱3は、固定枠体4に昇降自在に設けられている。これにより、黒板2は、固定枠体4に保持されて昇降自在となっている。
【0024】
ここで、黒板2が固定枠体4に保持されて昇降自在となっている点について、より詳しく説明すると、昇降ガイド支柱3は、アルミフレーム等で形成されており、図3(c)に示すように、断面視略コ字状に形成されている。図3(c)に示すように、このような昇降ガイド支柱3の左側面3aには、略コ字状の第1ガイド溝3a1が、図1に示す上下方向に沿って設けられている。そしてさらに、図3(c)に示すように、第1ガイド溝3a1の右側壁面3a2側には、第1ガイド溝3a1よりも小径で、且つ、第1ガイド溝3a1内に連通されている略コ字状の第2ガイド溝3bが、図1に示す上下方向に沿って設けられている。
【0025】
ところで、図3(a)に示すように固定枠体4の両側面側には、図3(b)に示すように、互い違いとなるように軸をずらして千鳥状に配置されているガイドローラ40が複数上下方向に沿って設けられている。そして、このガイドローラ40は、図3(c)に示す第1ガイド溝3a1内に挿入できるようになっている。これにより、昇降ガイド支柱3を、図1に示す上下方向に昇降させる際、図3(c)に示すように、昇降ガイド支柱3の第1ガイド溝3a1内にガイドローラ40が挿入されることとなるから、昇降ガイド支柱3を、ガイドローラ40に沿って、昇降させることができる。したがって、このようにすれば、従来のように摩擦力で上下動させる必要が無くなるため、黒板2をスムーズに昇降させることができる。
【0026】
他方、上記のような固定枠体4は、図2及び図3(b)に示すように、側面視略矩形状に形成されており、建物壁面Wに図示しないビス等によって取付け固定されている。そして、図3(a)に示すように、この固定枠体4の上方には、固定枠体上フレーム4aが設けられ、この固定枠体4の下方には、固定枠体下フレーム4bが設けられている。そして、図3(a)に示すように、この固定枠体上フレーム4aと、固定枠体下フレーム4bとの間を掛け渡すように、中央部よりやや右側面側に、第1縦フレーム4cが取り付けられている。この第1縦フレーム4cには、ドラム5が設けられている。このドラム5は、図1に示すように、円板状ドラム50と、カム状ドラム51と、ブレーキドラム52とで構成されている。この円板状ドラム50と、カム状ドラム51と、ブレーキドラム52とは、黒板2の面と直交する回転軸5aに、同心状に一体回転可能にして且つ軸方向に順次ずらして固定されている。
【0027】
一方、円板状ドラム50の外周面には、図1に示すように、ワイヤー等からなる黒板用右索体6と、黒板用左索体7とのそれぞれの一端部が止着され、当該一端部側が円板状ドラム50の外周面に互いに同じ方向に巻き付けられるようになっている。そして、図1に示すように、黒板用右索体6の他端部6aは、右ガイドプーリ8を経由して下方に延出され、黒板下フレーム2bにボルト6a1にて固定されている。そしてさらに、図1に示すように、黒板用左索体7の他端部7aは、左ガイドプーリ9を経由して下方に延出され、黒板下フレーム2bにボルト7a1にて固定されている。これにより、円板状ドラム50が反時計方向に回転すれば、黒板用右索体6及び黒板用左索体7は、それぞれ下方に向かって引き出され、これによって、黒板2は、下降方向に動作することとなる。
【0028】
ところで、右ガイドプーリ8は、図3(a)に示す正面視略L字状の右支持片4dに回転可能に取り付けられている。具体的には、この右支持片4dは、固定枠体上フレーム4aと、固定枠体下フレーム4bとの間を掛け渡すように、第1縦フレーム4cよりも右側面側に取り付けられている第2縦フレーム4eに取り付けられている。さらには、この右支持片4dは、図4(a)に示すように、第2縦フレーム4eに一対設けられている。かくして、右ガイドプーリ8は、このような一対の右支持片4d間に位置するように回転可能に取り付けられている。これにより、右ガイドプーリ8は、片持ち状態ではなく、両側面側が一対の右支持片4dに保持されているから、安定して回転可能に保持されることとなる。
【0029】
一方、左ガイドプーリ9は、図3(a)に示す正面視略L字状の左支持片4fに回転可能に取り付けられている。具体的には、この左支持片4fは、固定枠体上フレーム4aと、固定枠体下フレーム4bとの間を掛け渡すように、固定枠体4の左側面側に取り付けられている第3縦フレーム4gに取り付けられている。さらには、この左支持片4fは、図4(a)に示すように、第3縦フレーム4gに一対設けられている。かくして、左ガイドプーリ9は、このような一対の左支持片4f間に位置するように回転可能に取り付けられている。これにより、左ガイドプーリ9は、片持ち状態ではなく、両側面側が一対の左支持片4fに保持されているから、安定して回転可能に保持されることとなる。
【0030】
ところで、カム状ドラム51の外周には、図1に示すように、チェーン等からなるカム用索体10の一端部が止着されて、該一端部側が黒板用右索体6及び黒板用左索体7とは逆方向に巻き付けられるようになっている。そして、図1に示すように、カム用索体10の他端部10aは、スプロケット11を経由して、スプリング取付部12に取り付けられている。
【0031】
ところで、このスプロケット11は、図3(a)に示す正面視略横長矩形状の支持片4iに回転可能に取り付けられている。具体的には、この支持片4iは、固定枠体上フレーム4aと、固定枠体下フレーム4bとの間を掛け渡すように、第2縦フレーム4eよりも右側面側に取り付けられている第4縦フレーム4hに取り付けられている。さらには、この支持片4iは、図4(b)に示すように、第4縦フレーム4hに一対設けられている。かくして、スプロケット11は、このような一対の支持片4i間に位置するように回転可能に取り付けられている。これにより、スプロケット11は、片持ち状態ではなく、両側面側が一対の支持片4iに保持されているから、安定して回転可能に保持されることとなる。
【0032】
なお、本実施形態においては、上記特許文献1とは異なり、スプロケット11を、ドラム5よりも、図1に示す右方向に離して配置するようにしている。これは、上記特許文献1に記載のような配置にすると、スペースの関係上、スプロケット11のサイズを小さくしなければならず、これによって、スムーズな動きとならない可能性があるためである。そのため、本実施形態においては、スプロケット11を、ドラム5よりも、図1に示す右方向に離して配置するようにすることで、スプロケット11のサイズを上記特許文献1よりも大きくし、これによって、スムーズな動きとならない可能性を低減させるようにしている。
【0033】
一方、スプリング取付部12は、図1に示すように、第1取付板120と、第2取付板121と、取付固定板122と、で構成されている。具体的に説明すると、第1取付板120は、図1に示すように、正面視略縦長台形状に形成され、上下方向に沿って、複数の取付孔120a(図示では、5個)が一定間隔置きに貫通して設けられている。
【0034】
第2取付板121は、図5(a)に示すように、側面視略コ字状の本体121aを有しており、この本体121aには、左側面121a1の下面121a2側に外方向に突出するように側面視略横長矩形状の左取付片121bが一体的に取り付けられている。この左取付片121bは、図5(b)に示すように、本体121aの左側面121a1略中央部分に取り付けられている。そして、図5(a)及び図5(b)に示すように、この左取付片121bの左側面121ba側には、上下方向に向かって単数の取付孔121ba1が貫通して設けられている。
【0035】
一方、図5(a)に示すように、本体121aには、右側面121a3の下面121a2側に外方向に突出するように側面視略横長矩形状の右取付片121cが一体的に取り付けられている。この右取付片121cは、図5(b)に示すように、右側面121ca側に、上下方向に向かって複数の取付孔121ca1(図示では、5個)が貫通して設けられている。
【0036】
また一方、図5(a)に示すように、本体121aの上面121a4には、側面視略T字状のガイドピン121dが外方向に突出して一体的に設けられている。このガイドピン121dは、図5(a)に示すように、円形状のガイドピン本体121daと、このガイドピン本体121daの中央部分に取り付けられているガイドピン本体121daの径よりも小径な軸部121dbと、で構成されている。そして、このように構成されるガイドピン121dは、図5(b)及び図5(c)に示すように、上下方向に、一対設けられている。なお、図5(a)に示すように、本体121aの下面121a2には、左側面121a1から右側面121a3に向かって、側面視横長矩形状の補強板121eが取り付け固定されている。
【0037】
他方、取付固定板122は、図3(a)に示すように、正面視略矩形状に形成されており、取付固定板122の左側面122a側が、固定枠体上フレーム4aと、固定枠体下フレーム4bとの間を掛け渡すように、第3縦フレーム4gよりも左側面側に取り付けられている第5縦フレーム4jに取り付けられている。そして、図3(a)に示すように、取付固定板122の右側面122b側には、上下方向に間隔を開けて一対の正面視略L字状の長孔122cが貫通して設けられている。この長孔122cは、基端部122caが他の部分の径より径大に形成されており、この基端部122caの径は、図5に示すガイドピン本体121daの径よりも若干径大に形成されている。そしてそれ以外の径は、図5に示すガイドピン本体121daの径よりも小さく、軸部121dbの径よりも若干径大に形成されている。
【0038】
かくして、このように構成されるスプリング取付部12は、図3(a)に示す取付固定板122の一対の基端部122caに、それぞれ、図5(c)に示すように、上下方向に、一対設けられているガイドピン121dが挿入される。そして、図5(c)に示すガイドピン121dの軸部121dbを、基端部122ca以外の長孔122cにスライド移動させれば(図3(a)に示す左右方向)、ガイドピン121dが長孔122cから抜け出すことなく、図3(a)に示す左右方向にスライド移動することとなる。そして、このような取付固定板122の右取付片121cの複数の取付孔121ca1(図5(b)参照)に、図1に示す複数のバランススプリング13の一端部13aをそれぞれ引っ掛けるようにして取り付ける。そしてさらに、図1に示す複数のバランススプリング13の他端部13bを第1取付板120の複数の取付孔120aに、それぞれ引っ掛けるようにして取り付ける。なお、第1取付板120には、図1に示すように、カム用索体10の他端部10aが取り付けられている。
【0039】
かくして、このようにして、カム用索体10の他端部10aは、スプロケット11を経由して、スプリング取付部12に取り付けられることとなる。
【0040】
したがって、スプリング取付部12を上記のような構成にすれば、長孔122c内をガイドピン121dにてスライド移動させるだけで良いため、複数のバランススプリング13の緊張状態(テンション)の調整が容易となる。さらには、ガイドピン121dを長孔122cから取り外すだけで、簡単容易に、第2取付板121を取り外すことができる。
【0041】
ところで、上記のように構成されるスプリング取付部12における第2取付板121の左取付片121bの取付孔121ba1(図5(b)参照)には、図1に示す枠体用索体14の一端部14aが取り付けられている。そして、図1に示すように、この枠体用索体14の他端部14bは、ガイドプーリ15を経由してスライド部材16に取り付けられている。なお、このガイドプーリ15は、図3(a)に示す第3縦フレーム4gに取り付けられている正面視略矩形状の支持片4kと、取付固定板122とによって、両側面側が、回転可能に取り付けられている。これにより、ガイドプーリ15は、片持ち状態ではなく、両側面側が支持片4kと取付固定板122とに保持されているから、安定して回転可能に保持されることとなる。
【0042】
スライド部材16は、図6に示すように、縦長弾頭形状に形成されているスライド部材本体16aを有している。このスライド部材本体16aは、図6に示すように、下面16a1中央部分に開口部16bが設けられており、この開口部16bは、スライド部材本体16aの上面16a2に向かって設けられている縦長半楕円状の中空孔16cと連通されている。一方、この中空孔16cには、図6に示すように、スライド部材本体16aの開口部16b側に、中空状のナット17が取り付け固定されている。さらに、図6に示すように、スライド部材本体16aの上面16a2側には、円形状の取付孔16dが貫通して設けられている。なお、図6に示すように、スライド部材本体16aの下面16a1左側面16a3から外方向に向かって左フランジ部16eが突出して設けられ、スライド部材本体16aの下面16a1右側面16a4から外方向に向かって右フランジ部16fが突出して設けられている。
【0043】
かくして、このようなスライド部材16の取付孔16d(図6参照)には、図1に示す枠体用索体14の他端部14bが取り付けられている。そして、図1に示す固定枠体下フレーム4bに連結されている調整用ボルト18を、図6に示すナット17内に挿入する。これにより、調整用ボルト18を図6に示す中空孔16cに入れ込むように、調整用ボルト18をナット17内に締め込む方向に回転するようにすれば、それに合わせて、図1に示すスライド部材16は、図1に示す下方向に移動することとなる。それゆえ、図5に示すように左取付片121bが図1に示す左方向に移動しようとするから、図5に示すガイドピン121dが図3(a)に示す長孔122c内を、図1に示す左方向に移動することとなる。一方、調整用ボルト18を図6に示す中空孔16cから取り外すように、調整用ボルト18をナット17内から取り外す方向に回転するようにすれば、それに合わせて、図1に示すスライド部材16は、上方向に移動することとなる。これにより、図5に示すように左取付片121bが図1に示す右方向に移動しようとするから、図5に示すガイドピン121dが図3(a)に示す長孔122c内を、図1に示す右方向に移動することとなる。
【0044】
したがって、このようにすれば、調整用ボルト18を回転させるだけで、複数のバランススプリング13の緊張状態(テンション)の調整ができることとなる。
【0045】
ところで、上記のままでは、調整用ボルト18を回転させると、スライド部材16も回転してしまう(共回りしてしまう)可能性があり、これによって、複数のバランススプリング13の緊張状態(テンション)の調整ができない可能性がある。そのため、本実施形態においては、図3(a)に示す調整ガイド部19に、スライド部材16を挿入するようにしている。具体的には、調整ガイド部19は、図7(a)に示すように、平面視細横長矩形状の調整ガイド部本体19aと、調整ガイド部本体19aの下面19a1側、略中央部分から一体的に突出して設けられてる平面視略コ字状の保持板19bと、で構成されている。この調整ガイド部本体19aは、図7(b)に示すように、横幅の長さL1が、保持板19bの横幅の長さL2よりも長くなるように形成されている。そして、図7(b)に示すように、この調整ガイド部本体19aの下面19a1側中央部分には、正面視かまぼこ形状の第1開口孔19a2が貫通して設けられている。そしてさらに、図7(a)に示すように、保持板19bの上面19b1側中央部分には、平面視矩形状の第2開口孔19b2が貫通して設けられている。なお、この第1開口孔19a2と、第2開口孔19b2とは、図7(c)に示すように、連通して設けられている。
【0046】
ところで、この第1開口孔19a2と、第2開口孔19b2との開口幅は、同一幅に形成されており、図6に示すスライド部材本体16aの横幅(左側面16a3から右側面16a4までの横幅)よりも若干大きく形成されている。そのため、この第1開口孔19a2内及び第2開口孔19b2内には、図6に示すスライド部材本体16aが挿入できるようになっている。しかしながら、第1開口孔19a2と、第2開口孔19b2との開口幅は、図6に示す左フランジ部16e及び右フランジ部16fを合わせたスライド部材16の横幅よりは小さく形成されているから、図6に示す左フランジ部16e及び右フランジ部16fは、この第1開口孔19a2内及び第2開口孔19b2内には、挿入できないようになっている。
【0047】
かくして、このように構成される調整ガイド部19は、図3(a)に示す調整ガイド部本体19aの左側面19a3側が、第5縦フレーム4jに取り付け固定され、調整ガイド部本体19aの右側面19a4側が、第3縦フレーム4gに取り付け固定されている。
【0048】
したがって、このような調整ガイド部19に、スライド部材16を挿入するにあたっては、図7(c)に示す調整ガイド部本体19aの第1開口孔19a2の背面側(図示右側)より、図6に示すスライド部材16を傾斜させて(図7(c)参照)、スライド部材本体16aの上面16a2を挿入する。そしてこの状態で、図7(c)に示すように、スライド部材16を起立状態にすれば、スライド部材16、すなわち、スライド部材本体16aは、第2開口孔19b2内に挿入されることとなる。そしてその後、スライド部材16の取付孔16d(図6参照)に、図1に示す枠体用索体14の他端部14bを取り付け、図1に示す調整用ボルト18を、図6に示すナット17内に挿入する。これにより、調整用ボルト18を図6に示す中空孔16cに入れ込むように、調整用ボルト18をナット17内に締め込む方向に回転するようにすれば、それに合わせて、図1に示すスライド部材16は、下方向に移動することとなる。この際、スライド部材本体16aは、図7(c)に示す保持板19bの第2開口孔19b2内を図示下方向に移動することとなるから、スライド部材本体16aの下方向の移動を調整ガイド部本体19aがガイドすると共に、保持板19bにて、スライド部材16の回転(共回り)を阻止することができる。一方、調整用ボルト18を図6に示す中空孔16cから取り外すように、調整用ボルト18をナット17内から取り外す方向に回転するようにすれば、それに合わせて、図1に示すスライド部材16は、上方向に移動することとなる。この際、スライド部材本体16aは、図7(c)に示す保持板19bの第2開口孔19b2内を図示上方向に移動することとなるから、スライド部材本体16aの上方向の移動を調整ガイド部本体19aがガイドすると共に、保持板19bにて、スライド部材16の回転(共回り)を阻止することができる。
【0049】
かくして、上記説明した調整ガイド部19は、非常に簡便な構造であるにも関わらず、スライド部材16への上下方向への移動をガイドすることができると共に、スライド部材16の回転(共回り)を阻止することができる。それゆえ、本実施形態によれば、バランススプリングの緊張状態(テンション)を調整する部材の構成を簡便にすることができる。
【0050】
ところで、調整用ボルト18を図6に示す中空孔16cから取り外すように、調整用ボルト18をナット17内から取り外す方向に回転させた際、誤って、ナット17内から調整用ボルト18を完全に取り外してしまう可能性がある。この場合、調整用ボルト18の支えを失ったスライド部材16は、図1に示す枠体用索体14が取り付けられていることから、複数のバランススプリング13の付勢力によって、図1に示す上方向に移動してしまうこととなる。しかしながら、この際、図6に示すスライド部材16の左フランジ部16eが、上記説明したように、第2開口孔19b2内に挿入されないようになっているから、左フランジ部16eは、図7(a),(b)に示す保持板19bの左側面19b3側に当接することとなる。さらに、図6に示すスライド部材16の右フランジ部16fが、上記説明したように、第2開口孔19b2内に挿入されないようになっているから、右フランジ部16fは、図7(a),(b)に示す保持板19bの右側面19b4側に当接することとなる。これにより、スライド部材16は、ナット17内から調整用ボルト18が完全に取り外されたとしても、保持板19bよりも上方向に移動できないようになっている。それゆえ、例え、ナット17内から調整用ボルト18を誤って完全に取り外してしまったとしても、改めてナット17内に調整用ボルト18を入れ込むだけで良くなる。したがって、上記のような構成にすれば、例え、ナット17内から調整用ボルト18を誤って完全に取り外してしまったとしても、調整用ボルト18を再びナット17内へ挿入する作業を簡便に行う事ができる。
【0051】
かくして、上記説明したように緊張状態(テンション)が調整される複数のバランススプリング13は、合計の付勢力が、黒板2の重量と力学的平衡を得る付勢力に調整されている。すなわち、黒板2を下降させるに伴って回転する円板状ドラム50によって順次増大する複数のバランススプリング13の付勢力によるカム状ドラム51の回転トルクが、黒板2の重量による円板状ドラム50の回転トルクと常に一致するように、カム状ドラム51のカム面を半径方向で順次小さくなるように形成する。これにより、黒板2をその重力に抗する複数のバランススプリング13の付勢力によって吊り下げ保持して力学的平衡を得て、上下任意の位置に停止可能とすると共に、その停止位置でブレーキドラム52によって規制され、その停止状態が維持されるようになっている。
【0052】
一方、ブレーキドラム52には、その外周に、図3(a)に示すように、第1縦フレーム4cに取り付けられているブレーキバンド52aが取り付けられ、図1に示すように、その一端部にブレーキばね20とブレーキ解除テコ21が取り付けられている。このブレーキ解除テコ21は、図1に示すように、プッシュプル操作紐22にその一端部が取り付けら固定され、このプッシュプル操作紐22の他端部は、黒板下フレーム2bの中央部分に取り付けられているブレーキ解除レバー23に連結されている。
【0053】
したがって、常時はブレーキばね20の付勢力によるブレーキバンド52aの摩擦力によって円板状ドラム50の回転が規制されて黒板2の上下動が規制される。そして、ブレーキ解除レバー23の解除操作によって、プッシュプル操作紐22を介して伝達されるブレーキ解除テコ21が軸を中心にブレーキばね20の付勢力に抗する方向にブレーキバンド52aを弛緩移動させる。これにより、ブレーキを解除して円板状ドラム50の回転を自由にし、これによって、これに連動する黒板2は、複数のバランススプリング13による力学的平衡を保って、固定枠体4に昇降自在に設けられている昇降ガイド支柱3に案内されて軽く上下動することができることとなる。
【0054】
なお、図1に示すように、固定枠体4の固定枠体上フレーム4a及び固定枠体下フレーム4bには、それぞれ、黒板2を昇降させた際、黒板上フレーム2a、又は、黒板下フレーム2bが固定枠体4に直接接触しないようにするクッション材の役割を行うゴムからなる戸当たり24が取り付けられている。上記特許文献1では、バネを使用していたが、ゴムからなる戸当たり24を使用することにより、黒板上フレーム2a、又は、黒板下フレーム2bに戸当たり24が接触した際の音を軽減することができる。
【0055】
したがって、上記説明してきた本実施形態によれば、バランススプリングの緊張状態(テンション)を調整する部材の構成を簡便にすることができる。
【0056】
なお、本実施形態において示した昇降黒板装置1は、あくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、固定枠体4の固定枠体上フレーム4a及び固定枠体下フレーム4bに、それぞれ、戸当たり24を取り付ける例を示したが、それに限らず、昇降ガイド支柱3に取り付けるようにしても良い。すなわち、図8に示すように、昇降ガイド支柱3の上部側及び下部側に、戸当たり24を取り付けるようにしても良い。この点、具体的に説明すると、図9(a)に示すように、戸当たり24は、断面視略L字状の調整部材25に取り付けられている。この調整部材25は、図9(a)に示すように、図示左右方向に延びる断面視矩形状の水平部25aと、図示上下方向に延びる断面視略矩形状の垂直部25bと、で構成されている。そして、図9(a)に示すように、この水平部25aの上面25a1には、ボルトB1によって、戸当たり24が取り付け固定されている。そしてさらに、垂直部25bには、図9(a)に示すように、図示左右方向に座金組み込み六角穴付きのボルトB2が取り付けられており、このボルトB2の先端部には、ナットN1が取り付けられている。なお、図9(a)に示すように、垂直部25bには、ボルトB2よりも下部側に、図示左右方向に貫通して設けられている貫通孔25b1が設けられている。
【0057】
かくして、このような調整部材25は、図9(c)に示すように、ナットN1が、上記説明した第2ガイド溝3b内に挿入できるようになっている。この状態で、図9(b)に示す矢印Y1方向(上下方向)に調整部材25を移動させれば、第2ガイド溝3b内をナットN1が移動することとなる。そして、このように移動させた後、所望の位置で、ボルトB2をナットN1に捻じ込むように回転させるようにすれば、ナットN1が第2ガイド溝3b内で回転し、これによって、ナットN1が第2ガイド溝3bの壁面に引っ掛かることとなる。これにより、調整部材25が、その位置で固定されることとなるから、戸当たり24を、図8に示すように、昇降ガイド支柱3の下端部、中央部など、様々な位置に配置させることができる。なお、位置ずれなどが発生しないように確実にその場所に固定させたい場合には、図9(a)に示す貫通孔25b1内に、図9(b)に示すビスB3を挿入して、調整部材25を昇降ガイド支柱3に取り付け固定するようにすれば良い。
【0058】
したがって、上記のような調整部材25を用いれば、戸当たり24が固定枠体4に接触することで、黒板2はそれ以上昇降できなくなることから、黒板2の昇降範囲を任意に調整することが可能となる。
【0059】
また、ナットN1が挿入される第2ガイド溝3bが、図3(c)に示すガイドローラ40が挿入される第1ガイド溝3a1とは別に設けられているから、仮に、ナットN1によって第2ガイド溝3bの壁面に傷がついたとしても、第1ガイド溝3a1には何ら影響しない。そのため、その傷によって、ガイドローラ40が上手く転がらず、黒板2をスムーズに昇降させることができなくなる等の不具合を生じさせる事態を防止することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 昇降黒板装置
2 黒板
3 昇降ガイド支柱
3a1 第1ガイド溝
3b 第2ガイド溝
4 固定枠体
40 ガイドローラ
12 スプリング取付部(取付部)
13 バランススプリング
14 枠体用索体(索体)
14a 一端部(一端)
14b 他端部(他端)
16 スライド部材(スライド部)
16e 左フランジ部(被当接部)
16f 右フランジ部(被当接部)
17 ナット
18 調整用ボルト
19 調整ガイド部
19a 調整ガイド部本体
19a3 左側面
19a4 右側面
19b2 第2開口孔(開口孔)
19b3 左側面
19b4 右側面
24 戸当たり
25 調整部材
121 第2取付板(取付部材)
122 取付固定板(取付部本体)
122c 長孔
B2 ボルト
N1 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
黒板を昇降可能に保持する固定枠体と、
前記固定枠体に配置されるバランススプリングと、
前記バランススプリングが取り付けられている取付部と、
一端が前記取付部に取り付けられている索体と、
前記索体の他端が取り付けられているスライド部と、
前記スライド部が挿入できると共に、前記スライド部がスライド自在で且つ回転不能に移動することができる開口孔が設けられている前記固定枠体に取り付けられている調整ガイド部と、
前記スライド部の他端に固定されているナットに螺合可能な調整用ボルトと、を有し
前記調整用ボルトを前記ナット内に締め込む方向又は前記ナット内から取り外す方向に回転させると、前記調整ガイド部に設けられている前記開口孔内を前記スライド部がスライドし、もって、前記索体と前記取付部が移動し、これによって、前記バランススプリングの緊張状態を調整してなる昇降黒板装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項1の発明によれば、黒板(2)を昇降可能に保持する固定枠体(4)と、
前記固定枠体(4)に配置されるバランススプリング(13)と、
前記バランススプリング(13)が取り付けられている取付部(スプリング取付部12)と、
一端(一端部14a)が前記取付部(スプリング取付部12)に取り付けられている索体(枠体用索体14)と、
前記索体(枠体用索体14)の他端(他端部14b)が取り付けられているスライド部(スライド部材16)と、
前記スライド部(スライド部材16)が挿入できると共に、前記スライド部(スライド部材16)がスライド自在で且つ回転不能に移動することができる開口孔(第2開口孔19b2)が設けられている前記固定枠体(4)に取り付けられている調整ガイド部(19)と、
前記スライド部(スライド部材16)の他端に固定されているナット(17)に螺合可能な調整用ボルト(18)と、を有し
前記調整用ボルト(18)を前記ナット(17)内に締め込む方向又は前記ナット(17)内から取り外す方向に回転させると、前記調整ガイド部(19)に設けられている前記開口孔(第2開口孔19b2)内を前記スライド部(スライド部材16)がスライドし、もって、前記索体(枠体用索体14)と前記取付部(スプリング取付部12)が移動し、これによって、前記バランススプリング(13)の緊張状態を調整してなることを特徴としている。