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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089235
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20240626BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20240626BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
F25B1/00 389A
F25B43/00 L
F25B1/00 331Z
F25B13/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204478
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河村 佳憲
【テーマコード(参考)】
3L092
【Fターム(参考)】
3L092AA01
3L092BA05
(57)【要約】
【課題】熱交換器の小型化が可能な冷凍サイクルを備える空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和装置は、室外熱交換器と第1の室内熱交換器と第2の室内熱交換器と第1の配管と第2の配管と第1のエジェクタと第2のエジェクタとを備える。第1のエジェクタは、第2の配管における上流側から冷媒が流入する第1の流入口と、第1の流入口から流入した冷媒と混合させるための冷媒が流入する第2の流入口と、混合した冷媒を第2の配管の下流側に流出させる流出口と、を備える。第2のエジェクタは、第2の四方弁を通過した冷媒が流入する第3の流入口と、第2の室内熱交換器を通過した冷媒の流入または第2の室内熱交換器を通過させる冷媒の流出が可能な第1の流出入口と、第3の流入口から流入した冷媒と第1の流出入口から流入した冷媒とを混合させた状態で流出させるか第1の流出入口から流出させる冷媒を流入させる、第2の流出入口と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外機に設けられた室外熱交換器と、
室内機に設けられた第1の室内熱交換器と、
室内機に設けられた第2の室内熱交換器と、
前記第1の室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる、第1の配管と、
前記室外熱交換器と前記第1の室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる、第2の配管と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する圧縮機と、
前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能な第1の四方弁と、
前記第2の配管に設けられ、前記第2の配管における上流側から前記冷媒が流入する第1の流入口と、前記第1の流入口から流入した前記冷媒と混合させるための前記冷媒が流入する第2の流入口と、混合した前記冷媒を前記第2の配管の下流側に流出させる流出口と、を備える、第1のエジェクタと、
前記第2の配管に設けられ、前記第1のエジェクタの第1の流入口と前記流出口とに接続され、前記流出口から流出する前記冷媒の流れる方向を変更可能な第2の四方弁と、
前記第2の四方弁と前記第1の室内熱交換器との間の前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁を通過した前記冷媒が流入する第3の流入口と、前記第2の室内熱交換器を通過した前記冷媒が流入する第1の流出入口と、前記第3の流入口から流入した前記冷媒と前記第1の流出入口から流入した前記冷媒とを混合させた状態で流出させる第2の流出入口と、を備える第2のエジェクタと、
前記第2の四方弁と前記第2のエジェクタの前記第3の流入口とを接続する前記第2の配管と前記第2の室内熱交換器と、を接続する第3の配管と、
前記第3の配管に設けられた膨張弁と、
前記第2の室内熱交換器と前記第2のエジェクタの前記第1の流出入口と、を接続する第4の配管と、
前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁と接続される第1の開口と、前記第1のエジェクタの前記流出口と接続される第2の開口と、少なくとも気体状の冷媒が流出可能な第3の開口と、が設けられた気液分離器と、
前記気液分離器の前記第3の開口と、前記第1のエジェクタの前記第1の流入口とを接続する第5の配管と、
を備える、空気調和装置。
【請求項2】
前記第3の配管を流れる前記冷媒と、前記第4の配管を流れる前記冷媒と、の間で熱交換を行う冷媒熱交換器を備える、請求項1に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンディショナのような空気調和装置は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮および蒸発により、室内の温度を調節する。暖房運転において冷媒は、室外熱交換器(蒸発器)で蒸発し、室内熱交換器(凝縮器)で凝縮する。また、冷房運転において冷媒は、室外熱交換器(凝縮器)で凝縮し、室内熱交換器(蒸発器)で蒸発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―116124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、小型化が可能であり、さらに、省エネルギー化にも寄与し得る空気調和機が望まれている。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、熱交換器の小型化が可能な冷凍サイクルを備える空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの実施形態に係る空気調和装置は、室外熱交換器と、第1の室内熱交換器と、第2の室内熱交換器と、第1の配管と、第2の配管と、圧縮機と、第1の四方弁と、第1のエジェクタと、第2の四方弁と、第2のエジェクタと、第3の配管と、膨張弁と、第4の配管と、気液分離器と、第5の配管と、を備える。室外熱交換器は、室外機に設けられる。第1の室内熱交換器と、第2の室内熱交換器は、室内機に設けられる。第1の配管は、前記第1の室内熱交換器と前記室外熱交換器とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管は、前記室外熱交換器と前記第1の室内熱交換器とを接続し、前記冷媒が流れる。圧縮機は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒を吸入する吸入口と、前記冷媒を吐出する吐出口と、を有する。第1の四方弁は、前記第1の配管に設けられ、前記冷媒が流れる方向を変更可能である。第1のエジェクタは、前記第2の配管に設けられ、前記第2の配管における上流側から前記冷媒が流入する第1の流入口と、前記第1の流入口から流入した前記冷媒と混合させるための前記冷媒が流入する第2の流入口と、混合した前記冷媒を前記第2の配管の下流側に流出させる流出口と、を備える。第2の四方弁は、前記第2の配管に設けられ、前記第1のエジェクタの第1の流入口と前記流出口とに接続され、前記流出口から流出する前記冷媒の流れる方向を変更可能である。第2のエジェクタは、前記第2の四方弁と前記第1の室内熱交換器との間の前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁を通過した前記冷媒が流入する第3の流入口と、前記第2の室内熱交換器を通過した前記冷媒が流入する第1の流出入口と、前記第3の流入口から流入した前記冷媒と前記第1の流出入口から流入した前記冷媒とを混合させた状態で流出させる第2の流出入口と、を備える。第3の配管は、前記第2の四方弁と前記第2のエジェクタの前記第3の流入口とを接続する前記第2の配管と前記第2の室内熱交換器と、を接続する。膨張弁は、第3の配管に設けられる。第4の配管は、前記第2の室内熱交換器と前記第2のエジェクタの前記第1の流出入口と、を接続する。気液分離器は、前記第2の配管に設けられ、前記第2の四方弁と接続される第1の開口と、前記第1のエジェクタの前記流出口と接続される第2の開口と、少なくとも気体状の冷媒が流出可能な第3の開口と、が設けられる。第5の配管は、前記気液分離器の前記第3の開口と、前記第1のエジェクタの前記第1の流入口とを接続する。
【0007】
また、空気調和装置は、例えば、前記第3の配管を流れる前記冷媒と、前記第4の配管を流れる前記冷媒と、の間で熱交換を行う冷媒熱交換器を備えてもよい。
【0008】
以上の空気調和装置によれば、例えば、冷凍サイクルにおける熱交換効率が向上可能となり、熱交換器の小型化が可能な空気調和装置が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、併せて冷房運転時および除湿運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
図2図2は、実施形態に係る空気調和装置の室外機(室内機)に搭載される室外エジェクタ(室内エジェクタ)の構成を説明する例示的かつ模式的な断面図である。
図3図3は、実施形態に係る空気調和装置の室内機の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図4図4は、実施形態に係る空気調和装置の制御装置およびその制御装置によって制御される構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る空気調和装置の冷媒系統図であり、併せて暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
図6図6は、実施形態に係る空気調和装置の他の構成の冷媒系統図であり、併せて冷房運転時および除湿運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、いくつかの実施形態について、図1図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素および当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素およびその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。なお、図1は、冷房運転時および除湿運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図であり、図5は、暖房運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。
【0011】
図1は、実施形態に係る空気調和装置10の冷媒系統図を示す例示的かつ模式的な図である。空気調和装置10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和装置10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和装置であってもよい。
【0012】
図1に示すように、空気調和装置10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
【0013】
空気調和装置10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
【0014】
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、第1の四方弁25と、第2の四方弁26と、第1のエジェクタとしての室外エジェクタ27と、気液分離器61等を有する。
【0015】
室内機12は、室内熱交換器41として、第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bを有する。また、室内機12は、第2のエジェクタとしての室内エジェクタ28と、室内送風ファン42と、膨張弁43と、冷媒熱交換器44等を有する。なお、後述するが、冷媒熱交換器44は省略する構成としてもよい。なお、以下の説明では、第1のエジェクタを「室外エジェクタ」と称し、第2のエジェクタを「室内エジェクタ」と称する。
【0016】
冷媒配管13は、例えば、銅またはアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1の配管51と、第2の配管52と、第3の配管53と、第4の配管54と、第5の配管55等を含む。
【0017】
第1の配管51は、第1の室内熱交換器41Aと室外熱交換器21とを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、第1の四方弁25は、第1の配管51に設けられる。第1の配管51は、第1の領域51a、第2の領域51b、第3の領域51c、第4の領域51dと、を有する。第1の領域51aは、第1の四方弁25と第1の室内熱交換器41Aとを接続する配管領域である。第2の領域51bは、第1の四方弁25とアキュムレータ24とを接続する配管領域である。第3の領域51cは、第1の四方弁25と室外熱交換器21とを接続する配管領域である。第4の領域51dは、第1の四方弁25と圧縮機23の吐出口23bとを接続する配管領域である。
【0018】
第2の配管52は、室外熱交換器21と第1の室内熱交換器41Aとを接続する。第2の四方弁26、室外エジェクタ27、室内エジェクタ28、気液分離器61は、第2の配管52に設けられる。第2の配管52は、第5の領域52a、第6の領域52b、第7の領域52c、第8の領域52d、第9の領域52e、第10の領域52fを有する。第5の領域52aは、第2の四方弁26と室外熱交換器21とを接続する配管領域である。第6の領域52bは、第2の四方弁26と室外エジェクタ27の第1の流入口27aとを接続する配管領域である。第7の領域52cは、室外エジェクタ27の流出口27cと気液分離器61の第2の開口61bとを接続する配管領域である。第8の領域52dは、気液分離器61の第1の開口61aと第2の四方弁26とを接続する配管領域である。第9の領域52eは、第2の四方弁26と室内エジェクタ28の第3の流入口28aとを接続する配管領域である。第10の領域52fは、室内エジェクタ28の第2の流出入口28cと第1の室内熱交換器41Aとを接続する配管領域である。
【0019】
第3の配管53は、第2の四方弁26と室内エジェクタ28の第3の流入口28aとを接続する第2の配管52(第9の領域52e)と第2の室内熱交換器41Bと、を接続する。膨張弁43と冷媒熱交換器44は、第3の配管53に設けられる。第3の配管53は、冷媒熱交換器44で熱交換を実行する冷媒の一方が流れる流路である。第3の配管53は、第11の領域53aと、第12の領域53bと、第13の領域53cとを有する。第11の領域53aは、第2の室内熱交換器41Bと膨張弁43とを接続する配管領域である。第12の領域53bは、膨張弁43と冷媒熱交換器44とを接続する配管領域である。第13の領域53cは、冷媒熱交換器44と第2の配管52の第9の領域52eとを接続する配管領域である。
【0020】
第4の配管54は、第2の室内熱交換器41Bと室内エジェクタ28の第1の流出入口28bと、を接続する。冷媒熱交換器44は、第4の配管54に設けられる。第4の配管54は、冷媒熱交換器44で熱交換を実行する冷媒の他方が流れる流路である。第4の配管54は、第14の領域54aと、第15の領域54bとを有する。第14の領域54aは、第2の室内熱交換器41Bと冷媒熱交換器44とを接続する配管領域である。第15の領域54bは、冷媒熱交換器44と室内エジェクタ28の第1の流出入口28bとを接続する配管領域である。
【0021】
第5の配管55は、気液分離器61の第3の開口61cと、室外エジェクタ27の第2の流入口27bとを接続する。第5の配管55は、気液分離器61で分離された気体状の冷媒が主として流れる配管領域である。なお、第5の配管55を流れる冷媒には、液体状の冷媒が含まれてもよい。
【0022】
図1に示されるように、冷房運転および除湿運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れ、第2の配管52、第3の配管53、第4の配管54を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れる。また、図5に示されるように、暖房運転において、冷媒は、第1の配管51を通って室外熱交換器21から室内熱交換器41へ流れ、第4の配管54、第3の配管53、第2の配管52を通って室内熱交換器41から室外熱交換器21へ流れる。
【0023】
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、または凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に対して送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
【0024】
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。
【0025】
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、気体状の冷媒と液状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過した気体状の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。アキュムレータ24は、圧縮機23と一体に構成されることで、圧縮機23の吸入口となることもできる。
【0026】
第1の四方弁25は、室外熱交換器21と、アキュムレータ24と、第1の室内熱交換器41Aと、圧縮機23の吐出口23bと、に接続される。第1の四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21、アキュムレータ24と、第1の室内熱交換器41Aと、圧縮機23の吐出口23bと、のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
【0027】
冷房運転時および除湿運転時において、第1の四方弁25は、圧縮機23の吐出口23bを室外熱交換器21に接続し、高温高圧の気体状の冷媒を室外熱交換器21に供給する。さらに、冷房運転時および除湿運転時において、第1の四方弁25は、第1の室内熱交換器41Aとアキュムレータ24とを接続し、低温低圧の気体状の冷媒をアキュムレータ24に戻す。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、凝縮器として機能する室外エジェクタ27を介して、蒸発器として機能する室内熱交換器41(第1の室内熱交換器41A、第2の室内熱交換器41B)に流れる。そして、室内熱交換器41(第1の室内熱交換器41A、第2の室内熱交換器41B)で熱交換が行われ、冷房運転時には、室内に向けて冷風を放出する。また、除湿運転時には結露(結露水)を発生させるとともに回収して除湿を行う。室内熱交換器41で熱交換が行われた(蒸発した)冷媒は、アキュムレータ24へ流れる。
【0028】
また、暖房運転時において、図5に示されるように、第1の四方弁25は、圧縮機23の吐出口23bと第1の室内熱交換器41Aとを接続し、高温高圧の気体状の冷媒を第1の室内熱交換器41Aに供給する。第1の室内熱交換器41Aで熱交換(凝縮)された冷媒は、室内エジェクタ28を通常の利用態様とは逆方向に第2の流出入口28cから第1の流出入口28bに通過させて(エジェクタ効果を伴わない状態で通過させて)、第2の室内熱交換器41Bに供給する。また、暖房運転時において、第1の四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24とを接続し、低温低圧の気体状の冷媒をアキュムレータ24に提供する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が凝縮器として機能する室内熱交換器41(第1の室内熱交換器41A、第2の室内熱交換器41B)へ流れ、熱交換の結果放熱して、温風を室内に向けて放出する。そして、室内熱交換器41から第2の配管52を介して室外熱交換器21に流れた冷媒は、蒸発器として機能する室外熱交換器21で熱交換が行われ(蒸発して)、アキュムレータ24へ流れる。
【0029】
第2の四方弁26は、室内熱交換器41と、室外エジェクタ27の第1の流入口27aと、気液分離器61の第1の開口61aと、第2の配管52の第9の領域52eに接続される。第2の四方弁26は、冷房運転時(除湿運転時)と暖房運転時とで、室内熱交換器41と、室外エジェクタ27の第1の流入口27aと、気液分離器61の第1の開口61aと、第2の配管52の第9の領域52eのそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。なお、第2の四方弁26としては、一般的な四方弁に限らず、冷媒の流れる方向を変更できれば、その他の構成の弁であってもよい。例えば、4つの逆止弁を環状に繋いだブリッジ回路で置き替えてもよい。なお、第2の四方弁としてブリッジ回路を採用した場合は、後述する第2の四方弁駆動回路は省略が可能である。
【0030】
冷房運転時または除湿運転時において、図1に示さるように、第2の四方弁26は、気液分離器61の第1の開口61aと第2の配管52の第9の領域52eとを接続し、気液分離器61で分離された液状の冷媒を室内機12の室内エジェクタ28に駆動流として供給するとともに、冷媒熱交換器44に供給する。また、第2の四方弁26は、室内熱交換器41と室外エジェクタ27の第1の流入口27aとを接続することにより、室外熱交換器21で熱交換された(凝縮された)中温高圧の液状の冷媒を室外エジェクタ27に供給する。なお、室外エジェクタ27は、冷房運転時と除湿運転時とで、制御状態を変化さて異なる態様で機能させることで、室外エジェクタ27の流出口27cから吐出させる冷媒の態様(温度状態、圧力状態)を異ならせる。室外エジェクタ27の冷房運転時と除湿運転時における制御状態の詳細は後述する。
【0031】
また、暖房運転時において、図5に示されるように、第2の四方弁26は、冷媒熱交換器44と室外エジェクタ27の第1の流入口27aを接続し、第1の室内熱交換器44Aおよび第2の室内熱交換器41Bで熱交換された(凝縮された)冷媒を室外エジェクタ27に供給する。冷媒は、室外エジェクタ27を介して気液分離器61に供給される。また、第2の四方弁26は、気液分離器61の第1の開口61aと室外熱交換器21とを接続する。その結果、第1の室内熱交換器44Aおよび第2の室内熱交換器41Bで熱交換された(凝縮された)冷媒は、室外エジェクタ27、気液分離器61、室外熱交換器21を介してアキュムレータ24(圧縮機23)に戻される。なお、上述したように、暖房運転時には、室内エジェクタ28は通常とは異なり使い方が行われ、第2の流出入口28cから流入した冷媒が第1の流出入口28bから流出されるので、第2の室内熱交換器41Bから室外エジェクタ27へ向かう冷媒は室内エジェクタ28の第3の流入口28aには分流しない。
【0032】
本実施形態の空気調和装置10において、室外機11は室外エジェクタ27を備え、室内機12は室内エジェクタ28を備える。室外エジェクタ27は、第2の配管52の第6の領域52bと第7の領域52cとの間に設けられる。室内エジェクタ28は、第2の配管52の第9の領域52eと第10の領域52fとの間に設けられる。室外エジェクタ27は、第1の流入口27aと第2の流入口27bと流出口27cとを備える。第1の流入口27aは、冷房運転時、除湿運転時および暖房運転時における冷媒の流れ方向に対して第2の配管52の上流側から駆動流として冷媒が流入する。第2の流入口27bは、第1の流入口27aから流入した冷媒と混合させるための冷媒が吸引流として第5の配管55を介して気液分離器61から流入する。なお、室外エジェクタ27は気液二相の冷媒を扱うことが可能なデバイスであるため、第2の流入口27bに流入する冷媒は、主として気体状の冷媒であるが、一部液体状の冷媒が含まれてもよい。流出口27cは、駆動流としての冷媒と吸引流としての冷媒とが混合された状態の冷媒を第2の配管52の下流側に流出させる。
【0033】
図2は、本実施形態の室外エジェクタ27(室内エジェクタ28)の構造を示す例示的かつ模式的に示す断面図である。なお、室外エジェクタ27と室内エジェクタ28は一部の部材名称が異なるのみで、同じ構造のものが利用可能である。したがって、図2では、室外エジェクタ27を用いて説明を行い、室内エジェクタ28の部材の符号は、室外エジェクタ27に対応する符号の横に括弧書きで示し、詳細な説明は省略する。図2に示すように、室外エジェクタ27(室内エジェクタ28)は、簡素な構造を有するため、保守及び空気調和装置10への組み込みが容易である。なお、室外エジェクタ27(室内エジェクタ28)の構造は、図2の例に限られない。室外エジェクタ27には、第1の流入口27a(第3の流入口28a)と、第2の流入口27b(第1の流出入口28b)と、流出口27c(第2の流出入口28c)と、ノズル部62と、吸引部63と、混合部64と、ディフューザ部65とが設けられる。
【0034】
室外エジェクタ27の場合、図1に示すように、第1の流入口27aは、第2の配管52の第6の領域52bを介して第2の四方弁26に接続されている。例えば、冷房運転時および除湿運転時には、第1の流入口27aには、室外熱交換器21側からの冷媒が流れ込む。また、暖房運転時には、室内熱交換器41側(第2の室内熱交換器41B側)からの冷媒が流れ込む。また、第2の流入口27bは、第5の配管55に接続される。例えば、冷房運転時、除湿運転時、および暖房運転時には、気液分離器61で分離された気体状の冷媒が流れ込む。前述したように、この場合、液状の冷媒が含まれていてもよい。流出口27cは、第2の配管52の第7の領域52cを介して気液分離器61の第2の開口61bに第1の流入口27aと第2の流入口27bとから流入した冷媒が混合された状態で吐出され、気液分離器61に供給される。
【0035】
室内エジェクタ28の場合、図1に示すように、第3の流入口28aは、第2の配管52の第9の領域52eを介して第2の四方弁26に接続されている。例えば、冷房運転時および除湿運転時には、第1の流入口27aには、気液分離器61で分離された液状の冷媒が流れ込む。なお、前述したように暖房運転時は、第3の流入口28aは基本的には不使用とされ、冷媒は流れ込まない。また、第1の流出入口28bは、第4の配管54の第15の領域54bが接続される。例えば、冷房運転時、除湿運転時には、第2の室内熱交換器41Bから気体状の冷媒が流れ込む。一方、暖房運転時には、前述したように室内エジェクタ28は、通常とは異なり態様で利用され、第1の室内熱交換器41Aから第2の流出入口28cを介して流入した高温高圧の気体状の冷媒が、第2の室内熱交換器41Bに向けて第1の流出入口28bから吐出される。この場合、高温高圧の気体状の冷媒は、室内エジェクタ28を通過するのみとなる。また、第2の流出入口28cは、第10の領域52fを介して第1の室内熱交換器41Aに接続される。例えば、冷房運転時、除湿運転時には、第3の流入口28aと第1の流出入口28bとから流入した冷媒が混合された状態で吐出され、第1の室内熱交換器41Aに供給される。冷媒は、第1の室内熱交換器41Aで熱交換により気体化され、アキュムレータ24も戻される。また、暖房運転時には、上述したように、第1の室内熱交換器41Aから高温高圧の気体状の冷媒が流れ込み、そのまま、第1の流出入口28bから吐出される。
【0036】
室外エジェクタ27(室内エジェクタ28)は、上述したように第1の流入口27a(第3の流入口28a)に供給された冷媒(駆動流、駆動冷媒ともいう)を、第2の流入口27b(第1の流出入口28b)に供給された冷媒(吸引流、吸入冷媒ともいう)と混合するとともに昇圧して流出口27c(第2の流出入口28c)から放出することができる。
【0037】
図2に示すように、ノズル部62は、第1の流入口27a(第3の流入口28a)と混合部64との間に設けられる。ノズル部62は、混合部64に向かって先細る部分と徐々に拡大する部分とを有した流路である。なお、ノズル部62の形状は、これには限らず、流入した冷媒を減圧して高速で噴射することができれば、どのような構造であってもよい。ノズル部62は、第1の流入口27a(第3の流入口28a)に流入した冷媒を、減圧膨張させて混合部64に噴出する。ノズル部62の出口近傍における圧力が低いため、ノズル部62に接続された第1の流入口27aは、冷媒を吸引できる。
【0038】
吸引部63は、第2の流入口27b(第1の流出入口28b)と混合部64との間に設けられる。吸引部63は、ノズル部62の周りに設けられ、混合部64に向かって先細る部分を有した略円筒状の流路である。吸引部63は、第2の流入口27b(第1の流出入口28b)に流入した冷媒を、減圧膨張させて混合部64に噴出する。吸引部63の出口近傍における圧力が低いため、吸引部63に接続された第2の流入口27bは、冷媒を吸引できる。
【0039】
混合部64は、ノズル部62及び吸引部63と、ディフューザ部65との間に設けられる。室外エジェクタ27は、混合部64において、吸引部63から噴出した冷媒を、ノズル部62から噴出した冷媒と混合する。
【0040】
ディフューザ部65は、混合部64と流出口27c(第2の流出入口28c)との間に設けられる。ディフューザ部65は、流出口27c(28c)に向かって拡大する部分を有した流路である。混合部64で混合された冷媒は、ディフューザ部65で減速して昇圧し、流出口27c(第2の流出入口28c)から放出される。なお、上述したように、室内エジェクタ28の第2の流出入口28cから冷媒を流入させ、第1の流出入口28bから流出させる場合は、冷媒は、室内エジェクタ28内部を通過するのみで、エジェクタ効果は発生しない。
【0041】
室外エジェクタ27(室内エジェクタ28)は、室外エジェクタ電磁弁66(室内エジェクタ電磁弁67)を有する。室外エジェクタ電磁弁66(室内エジェクタ電磁弁67)は、第1の流入口27a(第3の流入口28a)を開閉することが可能で、駆動流の流量制御が可能で、エジェクタ効果(ゼロ~最大)の調整が可能である。なお、図2において、室外エジェクタ電磁弁66(室内エジェクタ電磁弁67)はノズル部62の外部に位置する例を示しているが、室外エジェクタ電磁弁66(室内エジェクタ電磁弁67)はノズル部762内部または他の部分に設けられてもよい。例えば、ノズル部62に挿入して開度を調整するニードル状の弁であってもよい。室外エジェクタ電磁弁66(室内エジェクタ電磁弁67)は、開度を制御されることで、第1の流入口27a(第3の流入口28a)に供給される冷媒の量を調節する。なお、室外エジェクタ27(室内エジェクタ28)において、第2の流入口27b(第1の流出入口28b)に供給される冷媒の量は、第1の流入口27a(第3の流入口28a)と同様にエジェクタ電磁弁を第2の流入口27b(第1の流出入口28b)の部分または内部に設けてもよく、エジェクタ効果の調整を行うようにしてもよい。
【0042】
室内機12の室内熱交換器41は、上述したように、第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bとから構成される。第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bは、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、または凝縮器として放熱する。室内送風ファン42は、室内熱交換器41(第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41B)に向かって送風し、室内熱交換器41と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン42は、室内熱交換器41と熱交換する気流を生成する。例えば、冷房運転時または暖房運転時には、室内送風ファン42は、室内熱交換器41(第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41B)に向かって送風し、冷風または温風を室内に向けて放出する。また、本実施形態の空気調和装置10においては、除湿運転時として低負荷高効率除湿運転と再熱除湿運転とが可能である。低負荷高効率除湿運転は、室内送風ファン42は、微送風運転とするとともに、膨張弁43の膨張作用により第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bに冷房運転時より低い温度の冷媒を流し、除湿能力の向上を図ることができる。また、再熱除湿運転の場合、第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bとで温度差を設け、第1の室内熱交換器41Aの蒸発作用の吸熱で結露水を発生させ湿度を取る一方、第1の室内熱交換器41Aの蒸発作用で温度が下がった空気を第2の室内熱交換器41Bで暖める(再熱する)。つまり、室内機12から低温の空気が吹出すことを抑制する。その結果、除湿のために室内温度を低下させたくない場合、例えば、就寝時等に温度の低下を抑制しつつ、除湿を行い、室内環境の快適化に寄与することができる。低負荷高効率除湿運転と再熱除湿運転の詳細は後述する。
【0043】
図3は、実施形態に係る空気調和装置10の室内機12の構成を示す例示的かつ模式的な断面図であり、特に、第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bと室内送風ファン42の配置例を示す図である。図3に示すように、室内機12は、筐体71と、二つの風向板72(72a,72b)とを有する。風向板72は、ルーバとも称され得る。なお、室内機12は、この例に限られない。
【0044】
筐体71は、略直方体状に形成される。なお、筐体71は、他の形状に形成されても良い。筐体71は、例えば、建造物の壁に架けられる。筐体71に、通風路73、吸込み口74、及び吹出し口75(75a,75b)が設けられる。
【0045】
通風路73は、筐体71の内部に設けられる。室内機12は、通風路73に気流を通すことができる。吸込み口74は、通風路73の一方の端に設けられ、通風路73を室内機12の外部に連通する。吹出し口75は、通風路73の他方の端に設けられ、通風路73を室内機12の外部に連通する。
【0046】
第1の室内熱交換器41A、第2の室内熱交換器41B、及び室内送風ファン42は、通風路73に設けられる。室内送風ファン42は、回転することで、通風路73において吸込み口74から吹出し口75へ風を送る。これにより、室内機12は、吸込み口74から室内の空気AFを通風路73へ吸い込み、吹出し口75から通風路73の空気AFを吹き出す。
【0047】
第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bはそれぞれ、例えば冷媒配管と複数のフィンとを有する。本実施形態において、第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bは、室内送風ファン42の上流に並列に配置される。例えば、第1の室内熱交換器41Aは、第2の室内熱交換器41Bよりも大きい。また、第1の室内熱交換器41Aは、第2の室内熱交換器41Bよりも筐体71内において前方側(図3の矢印F方向)に配置される。なお、第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bは、この例に限られない。例えば、第2の室内熱交換器41Bを、第1の室内熱交換器41Aよりも大きくしてもよい。また、第2の室内熱交換器41Bを、第1の室内熱交換器41Aよりも前方側に配置してもよい。
【0048】
室内送風ファン42が気流を生じさせると、吸込み口74から吸い込まれた空気AFが第1の室内熱交換器41Aまたは第2の室内熱交換器41Bのフィンを通過する。これにより、第1の室内熱交換器41Aと熱交換した気流AF1と、第2の室内熱交換器41Bと熱交換した気流AF2とが、通風路73を流れる。
【0049】
二つの風向板72(72a,72b)は、吹出し口75(75a,75b)の近傍に設けられる。風向板72は、室内送風ファン42の下流に位置する。二つの風向板72はそれぞれ、吹出し口75を塞ぐ閉じ位置と、吹出し口75を開放する開き位置との間で回動可能である。
【0050】
共に開き位置に配置された二つの風向板72は、吹出し口75を二つの流路75a,75bに区画する。室内機12は、例えば、第1の室内熱交換器41Aと熱交換した気流AF1を流路75aから吹き出し、第2の室内熱交換器41Bと熱交換した気流AF2を流路75bから吹き出すことができる。なお、室内機12は、吹出し口75から、気流AF1と気流AF2とが混合された気流を吹出しても良い。
【0051】
図1に戻り、膨張弁43は、第3の配管53に設けられる。膨張弁43は、特に冷房運転時や除湿運転時に、気液分離器61側から供給される液状の冷媒による除湿量を得るために、冷媒をさらに膨張させ低い温度の液冷媒として第2の室内熱交換器41Bに供給する。つまり、膨張弁43の開弁量の制御により、発生させる結露水の量をコントロールし除湿効率の調整を行う。膨張弁43は、例えば、電磁膨張弁である。膨張弁43は、他の膨張弁であってもよい。
【0052】
冷媒熱交換器44は、周知の二重管式熱交換器やプレート熱交換器等が利用可能であり、互いに独立した加熱側の領域(流路、配管)と被加熱側の領域(流路、配管)を流れる温度が異なる冷媒間で熱交換を行い、例えば、低温側の液状の冷媒の温度を上昇させ、冷媒の気体化を行う。例えば、冷房運転時や除湿運転時において、室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに供給する吸引流に液状の冷媒が混じっている場合(または液状の冷媒の割合が多い場合)、エネルギーロスの原因になる場合があり、室内エジェクタ28における昇圧効率が低下する場合ある。そこで、冷媒熱交換器44に冷媒を流し完全にガス化(または、ガスの割合を多くなるように調整)して第1の流出入口28bに供給する。室内エジェクタ28におけるエネルギーロスを軽減することで、第1の室内熱交換器41A、第1の四方弁25、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻る冷媒の圧力を向上することができる。つまり、同じ冷房能力を実現する場合の圧縮機23の仕事量を軽減することが可能となり、省エネルギー化に寄与することができる。
【0053】
気液分離器61は、第2の配管52に設けられる。気液分離器61は、例えば表面張力式気液分離器である。なお、気液分離器61は、気体状態の冷媒と液体状態の冷媒とに分離できれば、レシーバータンク等の他の気液分離器であってもよい。気液分離器61に、第1の開口61a(液状冷媒出口)と、第2の開口61b(液状冷媒入口)と、第3の開口61c(気体状冷媒出口)とが設けられる。
【0054】
第1の開口61aは、冷房運転時および除湿運転時において、気液分離器61で分離された液状の冷媒を、第2の四方弁26を介して室内機12側に供給する。また、第1の開口61aは、暖房運転時において、第2の四方弁26を介して室外熱交換器21に液状の冷媒を供給する。
【0055】
第2の開口61bは、冷房運転時、除湿運転時および暖房運転時において、室外エジェクタ27の流出口27cから吐出される冷媒が流れ込む。
【0056】
第3の開口61cは、冷房運転時、除湿運転時および暖房運転時において、気液分離器61で分離された気体状の冷媒を、室外エジェクタ27の第2の流入口27bに駆動流(駆動冷媒)として供給する。
【0057】
制御装置14は、室外機11および室内機12に設けられる上述した室外送風ファン22、室内送風ファン42、圧縮機23、および各制御弁等の制御を行い、冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転制御を行う。制御装置14は、例えば、室外機11に設けられた室外制御装置14a、室内機12に設けられた室内制御装置14b等で構成される。室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、電気的に接続され相互に制御信号の送受を行い、協働して室外機11と室内機12の制御を行う。室内機12に設けられた室内制御装置14bは、例えば、利用者が操作するリモートコントローラから信号を入力されて制御されてもよいし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されて制御されてもよい。なお、室外制御装置14aと室内制御装置14bとは、まとめて一つの制御装置14としてもよい。この場合、制御装置14は、室外機11に設けても室内機12に設けてもよいが、例えば室内機12に設けることができる。
【0058】
制御装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。
【0059】
図4は、本実施形態の空気調和装置10の制御装置14およびその制御装置14によって制御される構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。図4に示すように、本実施形態の空気調和装置10は、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、第1の四方弁駆動回路84と、第2の四方弁駆動回路85、膨張弁駆動回路86、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87、室内エジェクタ電磁弁駆動回路88等とを有する。
【0060】
室外ファン駆動回路81は、室外送風ファン22の駆動回路である。室内ファン駆動回路82は、室内送風ファン42の駆動回路である。インバータ回路83は、圧縮機23をインバータ制御し、圧縮機23の周波数を変更する。インバータ回路83は、例えば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)方式のインバータ回路である。なお、インバータ回路83は、この例に限られない。
【0061】
第1の四方弁駆動回路84は、第1の四方弁25の駆動回路である。第2の四方弁駆動回路85は、第2の四方弁26の駆動回路である。膨張弁駆動回路86は、膨張弁43の駆動回路である。室外エジェクタ電磁弁駆動回路87は、室外エジェクタ電磁弁66の駆動回路である。室内エジェクタ電磁弁駆動回路88は、室内エジェクタ電磁弁67の駆動回路である。
【0062】
制御装置14は、温度センサT1~T5、および温度センサSuと、室外ファン駆動回路81と、室内ファン駆動回路82と、インバータ回路83と、第1の四方弁駆動回路84と、第2の四方弁駆動回路85、膨張弁駆動回路86、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87、室内エジェクタ電磁弁駆動回路88とに接続される。制御装置14は、温度取得部91と、運転切替部92と、室外ファン制御部93と、室内ファン制御部94と、圧縮機制御部95と、弁制御部96とを備える。
【0063】
温度取得部91は、温度センサT1~T5および温度センサSuを用いて、冷凍サイクル内の各部分の温度を測定する。例えば、温度センサT1は、室外熱交換器21の内部における冷媒の温度(T1値)を検出する。温度センサT2は、室外熱交換器21と第2の四方弁26との間で室外熱交換器21の近傍の冷媒の温度(T2値)を検出する。温度センサT3は、第2の室内熱交換器41Bの内部における冷媒の温度(T3値)を検出する。温度センサT4は、第2の室内熱交換器41B(冷媒熱交換器44)と室内エジェクタ28の第1の流出入口28bとの間で第1の流出入口28bの近傍の冷媒の温度(T4値)を検出する。温度センサT5は、第1の室内熱交換器41Aの内部における冷媒の温度(T5値)を検出する。温度センサSuは、アキュムレータの冷媒入口で冷媒の温度(Su値)を検出する。
【0064】
運転切替部92は、空気調和装置10における冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転の切り替えを行う。
【0065】
室外ファン制御部93は、室外送風ファン22を制御する。例えば、室外ファン制御部93は、室外ファン駆動回路81を制御することで、室外送風ファン22のモータの回転数を制御する。
【0066】
室内ファン制御部94は、室内送風ファン42を制御する。例えば、室内ファン制御部94は、室内ファン駆動回路82を制御することで、室内送風ファン42のモータの回転数を制御する。
【0067】
圧縮機制御部95は、圧縮機23を制御する。例えば、圧縮機制御部95は、インバータ回路83を制御することで、インバータ制御により圧縮機23の周波数(運転周波数)を制御する。
【0068】
弁制御部96は、第1の四方弁25、第2の四方弁26、膨張弁43、室外エジェクタ電磁弁66、室内エジェクタ電磁弁67を制御する。弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84を制御することで、第1の四方弁25のアクチュエータを駆動し、第1の四方弁25の冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、第2の四方弁駆動回路85を制御することで、第2の四方弁26のアクチュエータを駆動し、第2の四方弁26の冷媒が流れる方向を変更させる。弁制御部96は、膨張弁駆動回路86を制御することで、膨張弁43の開度を変更させて、媒体の膨張量を調整する。また、弁制御部96は、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87、室内エジェクタ電磁弁駆動回路88を制御することで、室外エジェクタ電磁弁66、室内エジェクタ電磁弁67の開度を変更させて、媒体の流量を調整する。
【0069】
上述のように構成される本実施形態の空気調和装置10の冷房運転、除湿運転および暖房運転について説明する。なお、空気調和装置10は、冷房運転、除湿運転および暖房運転に限らず、除霜運転および除菌運転のような他の運転を行うことができる。また、空気調和装置10の冷房運転、除湿運転および暖房運転は、以下に説明される例に限られない。
【0070】
まず、冷房運転について、図1に示される媒体の流れ態様に基づいて説明する。例えば、空気調和装置10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0071】
冷房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。
【0072】
冷房運転が開始されると、弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84、第2の四方弁駆動回路85を制御し、第1の四方弁25、第2の四方弁26において冷媒が流れる方向を冷房用に変更させる。また、弁制御部96は、膨張弁駆動回路86、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87および室内エジェクタ電磁弁駆動回路88を制御し、膨張弁43、室外エジェクタ電磁弁66および室内エジェクタ電磁弁67を冷房用に開閉弁状態を変化させる。
【0073】
具体的には、第1の四方弁25が第1の配管51の第4の領域51dと第3の領域51cとを接続し、圧縮機23の吐出口23bと室外熱交換器21とを接続する。その結果、圧縮機23から吐出された高圧高温の気体状の冷媒が室外熱交換器21に供給される。室外熱交換器21は凝縮器として機能し冷媒の熱交換が行われ、中温高圧の液状の冷媒が第2の四方弁26に向けて供給される。なお、本実施形態において、通常の冷房運転時には、室外エジェクタ27における室外エジェクタ電磁弁66は、例えば全開制御され、室外エジェクタ27を実質的には機能させることなく、中温高圧の液状の冷媒をそのまま、気液分離器61に供給する。そして、第2の四方弁26は、気液分離器61で分離された液状の中温高圧の液状の冷媒を室内機12側に供給する。つまり、本実施形態の空気調和装置10が冷房運転される場合、室外機11では、液状の冷媒を飽和状態(例えば、過冷却SC=T2値-T1値=0℃)で室外熱交換器21から吐出させる。前述したように、室外エジェクタ27はエジェクタ効果を伴うことなく冷媒を通過させるため、気液分離器61には中温高圧の液状の冷媒が供給され、室内機12側に中温高圧の液状の冷媒を供給することができる。
【0074】
本実施形態の空気調和装置10において、冷房運転が行われる場合、気液分離器61の第1の開口61aから供給される液状の中温高圧の冷媒は、第2の四方弁26を介して、室内機12側に供給された後、途中で分流する。分流した一方の冷媒は、第3の配管53に設けられた膨張弁43に流れる。また、分流した他方の冷媒は、室内エジェクタ28の第3の流入口28aに流れる。膨張弁43に供給された中温高圧の液状の冷媒は、膨張弁43で膨張され低温低圧の冷媒となる。そして、液状の低温低圧の冷媒は、蒸発器として機能する第2の室内熱交換器41Bに流れ込み熱交換により吸熱するとともに気体化されて、冷媒熱交換器44に供給される。
【0075】
図1に示されるように、冷媒熱交換器44には、膨張弁43に向かう中温高圧の液状の冷媒が流れるが、第2の室内熱交換器41Bから低温低圧の冷媒との間で熱交換が行われ、膨張弁43に供給する冷媒の低温化に寄与することができる。また、第2の室内熱交換器41Bから吐出され冷媒熱交換器44を通過した冷媒は、室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として提供されるが、吸引流に液状の冷媒が混じっているとエネルギーロスが発生し、室内エジェクタ28における昇圧効率低下させる虞がある。そこで、第2の室内熱交換器41Bから吐出される冷媒を冷媒熱交換器44で、熱交換を行わせることにより完全に気体化して室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として提供する。この場合、例えば、過熱度SH1=T4値-T3値≧2℃となるように膨張弁43の開度制御を行う。なお、第2の室内熱交換器41Bの配管を通過する冷媒は、配管の通過による圧力損失を伴う場合があるが、室内エジェクタ28の第3の流入口28aには、気液分離器61の第1の開口61aから供給され分流した他方の冷媒(中温高圧の液状の冷媒)が駆動流として供給される。その結果、圧力損失分を補い冷凍能力の確保に寄与する。
【0076】
室内エジェクタ28の第2の流出入口28cから吐出される昇圧された冷媒は、蒸発器として機能する第1の室内熱交換器41Aで気体化され、第1の配管51の第1の領域51a、第1の四方弁25、第2の領域51b、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻る。この場合、例えば、過熱度SH2=Su値-T5値≧2℃となるように室内エジェクタ28の室内エジェクタ電磁弁67開度制御を行う。
【0077】
本実施形態の空気調和装置10の場合、膨張弁43の制御で能力コントロールされる第2の室内熱交換器41Bと室内エジェクタ28の制御で能力コントロールされる第1の室内熱交換器41Aの合算で能力が決定する。この場合、第1の室内熱交換器41Aと第2の室内熱交換器41Bの熱交換器比率は1:1とすることができる。また、第2の室内熱交換器41Bと冷媒熱交換器44とで気体化された冷媒が室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として流れ込む。その結果、室内エジェクタ28の能力を増大(例えば1.5倍)させることが可能となり、室内エジェクタ28を備えない通常空調装置に対して能力増大が図れる。また、室内エジェクタ28による昇圧効果により圧縮機23に戻す気体状の冷媒の圧力の向上が図れるため、圧縮機23の仕事量の軽減が可能となり、省エネルギー化に寄与することができる。
【0078】
なお、図1に示されるように、本実施形態の空気調和装置10の場合、冷房運転時に室外熱交換器21の下流に気液分離器61と冷媒熱交換器44とが存在する。そのため、膨張弁43には、気液分離器61で分離した十分な量の液状の冷媒が供給できる。また、冷媒熱交換器44には、第2の室内熱交換器41Bから吐出される低温低圧の気体状の冷媒が供給される。このとき、気液分離器61から供給される冷媒に気体状の冷媒が混ざっていた場合でも冷媒熱交換器44における熱交換により液化が可能となる。その結果、室外機11(室外熱交換器21)であえて冷媒を完全液化する必要がなく、同じ能力を実現する場合には、室外熱交換器21の小型化に寄与することが可能になる。
【0079】
このように、冷房運転時の冷媒の循環を制御する本実施形態の空気調和装置10は、膨張弁43の制御で能力コントロールされる第2の室内熱交換器41Bと室内エジェクタ28の制御で能力コントロールされる第1の室内熱交換器41Aを備え、その合算で冷房能力を決定することができるので、冷房運転能力の向上に寄与できる。また、圧縮機23の戻す冷媒の圧力を室内エジェクタ28のエジェクタ効果によって昇圧することができるので、圧縮機23の仕事量の軽減による省エネルギー化に寄与することができる。
【0080】
続いて、除湿運転について説明する。なお、除湿運転時の冷媒の流れは、概ね冷房運転時と同じであるため、図1を流用して説明を行う。また、上述したように、本実施形態の空気調和装置10の場合、除湿運転として、低負荷高効率除湿運転と再熱除湿運転とが実現可能である。まず、低負荷高効率除湿運転について説明する。
【0081】
一般に、除湿運転の場合、冷房運転時に室内熱交換器で結露を発生させて、室内の水分を結露水として回収することで実現する場合がある。この場合、効率的な除湿を実現しようとする場合、室内温度が下がり過ぎてしまう場合がある。そこで、本実施形態の空気調和装置10の場合、低負荷高効率除湿運転では、室内熱交換器41に供給する液状の冷媒の温度を冷房運転時より下げるとともに、室内送風ファン42の風量を下げて、冷風が室内に放出され難くするように制御を行う。
【0082】
例えば、空気調和装置10の起動と低負荷高効率除湿運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0083】
低負荷高効率除湿運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を極微送風に調整する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。
【0084】
低負荷高効率除湿運転が開始されると、弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84、第2の四方弁駆動回路85を制御し、第1の四方弁25、第2の四方弁26において冷媒が流れる方向を冷房用に変更させる。また、弁制御部96は、膨張弁駆動回路86、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87および室内エジェクタ電磁弁駆動回路88を制御し、膨張弁43、室内エジェクタ電磁弁67を低負荷高効率除湿運転用(冷房用と同じ)に開閉弁状態を変化させる。
【0085】
具体的には、第1の四方弁25が第1の配管51の第4の領域51dと第3の領域51cとを接続し、圧縮機23の吐出口23bと室外熱交換器21とを接続する。その結果、圧縮機23から吐出された高圧高温の気体状の冷媒が室外熱交換器21に供給される。室外熱交換器21は凝縮器として機能し冷媒の熱交換が行われ、中温高圧の液状の冷媒が第2の四方弁26に向けて供給される。なお、本実施形態において、低負荷高効率除湿運転の場合、室外エジェクタ電磁弁66の開弁量を制御し、室外エジェクタ27でエジェクタ効果が発揮できるように調整する。室外エジェクタ27の流出口27cから例えば、12℃の低温低圧の液体状の冷媒が気液分離器61の第2の開口61bに供給されるように、室外エジェクタ電磁弁66の開弁量を制御する。そして、第2の四方弁26は、気液分離器61で分離された液状の低温低圧の液状の冷媒を室内機12側に供給する。つまり、本実施形態の空気調和装置10が低負荷高効率除湿運転される場合、室外機11では、液状の冷媒を飽和状態(例えば、過冷却SC=T2値-T1値=0℃)で室外熱交換器21から吐出させる。そして、室外エジェクタ27では、冷媒を低温低圧状態として気液分離器61に供給し、室内機12側に低温低圧の液状の冷媒を供給することができる。
【0086】
本実施形態の空気調和装置10において、低負荷高効率除湿運転が行われる場合、気液分離器61の第1の開口61aから供給される液状の低温低圧の冷媒は、第2の四方弁26を介して、室内機12側に供給された後、途中で分流する。分流した一方の冷媒は、第3の配管53に設けられた膨張弁43に流れる。また、他方の冷媒は、室内エジェクタ28の第3の流入口28aに流れる。膨張弁43に供給された低温低圧の液状の冷媒は、膨張弁43で膨張して、さらに低温化された冷媒となる。この場合、例えば、過熱度SH1=T4値-T3値≧-1℃~0℃となるように膨張弁43の開度制御を行う。そして、液状の低温低圧の冷媒は、蒸発器として機能する第2の室内熱交換器41Bに流れ込み熱交換により吸熱するとともに気体化されて、冷媒熱交換器44に供給される。
【0087】
図1に示されるように、冷媒熱交換器44には、膨張弁43に向かう低温低圧の液状の冷媒が流れるが、第2の室内熱交換器41Bから低温低圧の冷媒との間で熱交換が行われ、膨張弁43に供給する冷媒の低温化に寄与することができる。また、第2の室内熱交換器41Bから吐出され冷媒熱交換器44を通過した冷媒は、室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として提供されるが、吸引流に液状の冷媒が混じっているとエネルギーロスが発生し、室内エジェクタ28における昇圧効率低下させる虞がある。そこで、第2の室内熱交換器41Bから吐出される冷媒を冷媒熱交換器44で、熱交換を行わせることにより気体化を促進して室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として提供する。なお、室内エジェクタ28の第3の流入口28aには、気液分離器61の第1の開口61aから供給され分流した他方の冷媒(低温低圧の液状の冷媒)が駆動流として供給される。なお、この場合、室内エジェクタ28は、膨張弁として機能させることで、第1の室内熱交換器41Aに供給する冷媒の温度をさらに下げることができる。
【0088】
室内エジェクタ28の第2の流出入口28cから吐出される冷媒は、蒸発器として機能する第1の室内熱交換器41Aで気体化され、第1の配管51の第1の領域51a、第1の四方弁25、第2の領域51b、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻る。この場合、例えば、過熱度SH2=Su値-T5値≧2℃となるように室内エジェクタ28の室内エジェクタ電磁弁67開度制御を行う。
【0089】
本実施形態の空気調和装置10の低負荷高効率除湿運転の場合、第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bに通常の冷房運転時より温度の低い液状の冷媒を供給することができる。その結果、室内送風ファン42を例えば極微送風運転した場合でも第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bで結露水を発生させやすくなり、除湿量の向上に寄与することが可能になる。また、室内送風ファン42を極微送風運転することにより、室内への冷風の放出程度が軽減可能となり、除湿時に室内が冷やされ過ぎることを抑制することができる。また、第2の室内熱交換器41Bと冷媒熱交換器44とで気体化された冷媒が室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として流れ込む。その結果、室内エジェクタ28の能力を増大(例えば1.5倍)させることが可能となり、室内エジェクタ28を備えない通常空調装置に対して能力増大が図れる。また、室内エジェクタ28による昇圧効果により圧縮機23に戻す気体状の冷媒の圧力の向上が図れるため、圧縮機23の仕事量の軽減が可能となり、省エネルギー化に寄与することができる。
【0090】
なお、図1に示されるように、本実施形態の空気調和装置10の場合、低負荷高効率除湿運転時にも室外熱交換器21の下流に気液分離器61と冷媒熱交換器44とが存在する。そのため、膨張弁43には、気液分離器61で分離した十分な量の液状の冷媒が供給できる。また、冷媒熱交換器44には、第2の室内熱交換器41Bから吐出される低温低圧の気体状の冷媒が供給される。このとき、気液分離器61から供給される冷媒に気体状の冷媒が混ざっていた場合でも冷媒熱交換器44にける熱交換により液化が可能となる。その結果、室外機11(室外熱交換器21)であえて冷媒を完全液化する必要がなく、同じ能力を実現する場合には、室外熱交換器21の小型化に寄与することが可能になる。
【0091】
このように、低負荷高効率除湿運転時の冷媒の循環を制御する本実施形態の空気調和装置10は、膨張弁43の制御で能力コントロールされる第2の室内熱交換器41Bと室内エジェクタ28の制御で能力コントロールされる第1の室内熱交換器41Aを備え、その合算で除湿能力を決定することができるので、除湿運転能力の向上に寄与できる。また、圧縮機23の戻す冷媒の圧力を室内エジェクタ28のエジェクタ効果によって昇圧することができるので、圧縮機23の仕事量の軽減による省エネルギー化に寄与することができる。
【0092】
次に、再熱除湿運転について説明する。再熱除湿運転時の冷媒の流れも、概ね冷房運転時と同じであるため、図1を流用して説明を行う。再熱除湿運転は、第1の室内熱交換器41Aまたは第2の室内熱交換器41Bの一方を除湿用に用いて、他方を空気加熱用に用いる。その結果、除湿を行いながらも室内に冷風が放出され難くする運転モードである。
【0093】
図1に示される媒体の流れ態様に基づいて説明する。例えば、空気調和装置10の起動と冷房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、冷房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0094】
再熱除湿運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転等で制御する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。
【0095】
再熱除湿運転が開始されると、弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84、第2の四方弁駆動回路85を制御し、第1の四方弁25、第2の四方弁26において冷媒が流れる方向を再熱除湿用に変更させる。また、弁制御部96は、膨張弁駆動回路86、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87および室内エジェクタ電磁弁駆動回路88を制御し、膨張弁43、室外エジェクタ電磁弁66および室内エジェクタ電磁弁67を再熱除湿用に開閉弁状態を変化させる。
【0096】
具体的には、第1の四方弁25が第1の配管51の第4の領域51dと第3の領域51cとを接続し、圧縮機23の吐出口23bと室外熱交換器21とを接続する。その結果、圧縮機23から吐出された高圧高温の気体状の冷媒が室外熱交換器21に供給される。室外熱交換器21は凝縮器として機能し冷媒の熱交換が行われ、中温高圧の液状の冷媒が第2の四方弁26に向けて供給される。なお、本実施形態において、再熱除湿運転時には、冷房運転時と同様に室外エジェクタ27における室外エジェクタ電磁弁66は、例えば全開制御され、室外エジェクタ27を実質的には機能させることなく、中温高圧の液状の冷媒をそのまま、気液分離器61に供給する。そして、第2の四方弁26は、気液分離器61で分離された液状の中温高圧の液状の冷媒を室内機12側に供給する。つまり、本実施形態の空気調和装置10が再熱除湿運転される場合、室外機11では、液状の冷媒を飽和状態(例えば、過冷却SC=T2値-T1値=0℃)で室外熱交換器21から吐出させる。前述したように、室外エジェクタ27はエジェクタ効果を伴うことなく冷媒を通過させるため、気液分離器61には中温高圧の液状の冷媒が供給され、室内機12側に中温高圧の液状の冷媒を供給することができる。
【0097】
本実施形態の空気調和装置10において、冷再熱除湿運転が行われる場合、気液分離器61の第1の開口61aから供給される液状の中温高圧の冷媒は、第2の四方弁26を介して、室内機12側に供給された後、途中で分流する。分流した一方の冷媒は、第3の配管53に設けられた膨張弁43に流れる。このとき膨張弁43は全開状態に制御され、冷媒は高い温度のまま第2の室内熱交換器41Bに供給される。つまり、第2の室内熱交換器41Bには、温かい冷媒が流れ放熱することにより、図3において室内機12の通風路73を流れる空気を温める。第2の室内熱交換器41Bから吐出された冷媒は、冷媒熱交換器44を介いて室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに吸引流として供給される。また、分流した他方の冷媒は、室内エジェクタ28の第3の流入口28aに駆動流として流れる。
【0098】
室内エジェクタ28の第2の流出入口28cからは、当該室内エジェクタ28による膨張作用により温度が低下した冷媒が蒸発器として機能する第1の室内熱交換器41Aに供給され、熱交換により気体化され、その際の吸熱で結露(結露水)を発生させる。この時、第1の室内熱交換器41Aの周囲の空気は冷やされるが、第2の室内熱交換器41Bの放熱により暖められる(再熱される)。結果的に、室内機12の通風路73から冷風が放出されることが抑制され、室内機12は除湿を行いながら室内の温度が低下すること抑制することができる。
【0099】
本実施形態の空気調和装置10の再燃除湿運転の場合、上述したように第1の室内熱交換器41Aで除湿を行い第2の室内熱交換器41Bで除湿により冷えた空気を温めている。その結果、室内送風ファン42を例えば送風運転または微送風運転した場合でも良好な除湿を行いつつ、室内に冷風が放出されることを抑制することができるので、例えば就寝中等でも、快適な除湿環境を実現することができる。なお、再熱除湿運転時においても、室内エジェクタ28による昇圧効果により圧縮機23に戻す気体状の冷媒の圧力の向上が図れるため、圧縮機23の仕事量の軽減が可能となり、省エネルギー化に寄与することができる。
【0100】
また、本実施形態の空気調和装置10の場合、室外熱交換器21の下流に気液分離器61と冷媒熱交換器44とが存在する。その結果、再熱除湿運転時でも室外機11(室外熱交換器21)であえて冷媒を完全液化する必要がなく、同じ能力を実現する場合には、室外熱交換器21の小型化に寄与することが可能になる。
【0101】
次に、暖房運転について、図5に示す媒体の流れ態様に基づいて説明する。暖房運転の場合も例えば、空気調和装置10の起動と暖房運転の開始が同時である場合、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42は停止している。この場合、室外ファン制御部93、室内ファン制御部94、および圧縮機制御部95は、暖房運転の開始時に、室外送風ファン22、圧縮機23、および室内送風ファン42を起動する。
【0102】
暖房運転中において、室外ファン制御部93は、室外送風ファン22の回転数を調整する。室内ファン制御部94は、室内送風ファン42の回転数を調整する。例えば、室内ファン制御部94は、室内機12が設置された室内の気温またはリモートコントローラから入力された信号に応じて、室内送風ファン42を弱風(低速)運転ないし強風(高速)運転の間で制御する。圧縮機制御部95は、圧縮機23の周波数を調整する。
【0103】
暖房運転が開始されると、弁制御部96は、第1の四方弁駆動回路84、第2の四方弁駆動回路85を制御し、第1の四方弁25、第2の四方弁26において冷媒が流れる方向を暖房用に変更させる。また、弁制御部96は、膨張弁駆動回路86、室外エジェクタ電磁弁駆動回路87および室内エジェクタ電磁弁駆動回路88を制御し、膨張弁43、室外エジェクタ電磁弁66および室内エジェクタ電磁弁67を暖房用に開閉弁状態を変化させる。
【0104】
具体的には、第1の四方弁25が第1の配管51の第4の領域51dと第1の領域51aとを接続し、圧縮機23の吐出口23bと第1の室内熱交換器41Aとを接続する。その結果、圧縮機23から吐出された高温高圧の気体状の冷媒が第1の室内熱交換器41Aに供給される。このとき、室内エジェクタ28の室内エジェクタ電磁弁67は、全閉状態として、駆動流を供給しないようにされている。その結果、室内エジェクタ28は、第2の流出入口28cから第1の室内熱交換器41Aを通過した冷媒を受け入れ、第1の流出入口28bから吐出するのみとなる。そして、冷媒は冷媒熱交換器44を介して第2の室内熱交換器41Bに供給される。つまり、圧縮機23から供給される高温高圧の気体状の冷媒は、直列に接続された第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bに供給に流れる。その結果、第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bは凝縮器として機能し冷媒の熱交換を行い、室内に温風を放出する。
【0105】
また、膨張弁43は、全開状態に制御され、第2の室内熱交換器41Bから吐出された液体状の冷媒を冷媒熱交換器44、第2の四方弁26を介して、室外エジェクタ27の第1の流入口27aに駆動流として供給する。また、室外エジェクタ27の第2の流入口27bには、気液分離器61の第3の開口61cから気体状の冷媒が吸引流として供給される。室外エジェクタ27の流出口27cから吐出される低温低圧の気液二相の冷媒は、気液分離器61に供給され、分離された液体状の冷媒は、蒸発器として機能する室外熱交換器21に供給される。そして、室外熱交換器21で気体化された冷媒は、第1の四方弁25、アキュムレータ24を介して圧縮機23に戻る。
【0106】
このように、室内エジェクタ28をエジェクタとして機能させず、逆方向から通過させることで、圧縮機23から供給された圧力の高い状態の冷媒を室外エジェクタ27の駆動流に利用可能となる。例えば、第1の室内熱交換器41Aおよび第2の室内熱交換器41Bを通過した冷媒は、配管の通過による圧力損失の影響を受ける場合があるが、圧縮機23から圧力高い状態の冷媒を、室外エジェクタ27の駆動流として供給することができる。さらに、室外エジェクタ27の昇圧効果により、気液分離器61を介して室外熱交換器21に供給する冷媒の圧力を向上することできる。その結果、圧力が高い状態の気体状の冷媒を圧縮機23に戻すことが可能となり、圧縮機23の仕事量を軽減することが可能となり、暖房運転時にも省エネルギー化に寄与することができる。
【0107】
また、暖房運転時の冷媒の循環路中に室外エジェクタ27を設けることで、気液分離器61を通過して、室外熱交換器21へ温度の高い液状の冷媒が供給可能となる。つまり、室外熱交換器21に供給する冷媒を露点温度より高くすることが可能になる。その結果、室外熱交換器21における熱交換時に霜が付きにくくすることができる。つまり、除霜処理を行う必要がない空気調和装置10を提供することができる。また、室外熱交換器21の性能を維持しつつ小型化が可能になる。
【0108】
図6は、実施形態に係る空気調和装置10の他の構成の冷媒系統図であり、併せて冷房運転時および除湿運転時の冷媒の流れを示す例示的かつ模式的な図である。図6は、冷媒熱交換器44を削除しているのみで、他の構成は、図1と同じであり、同じ部材には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0109】
上述した図1等の例では、第3の配管53において、冷媒熱交換器44を配置して、例えば、冷房運転時に室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに供給される冷媒の液化を促進するようにして室内エジェクタ28の能力を向上するようにした。一方、室内エジェクタ28の能力を十分に確保できる場合や第2の室内熱交換器41Bにおいて、冷媒の液化が十分に行わる場合には、図6に示すように冷媒熱交換器44を省略してもよい。この場合、室内機12の構成の簡略化に寄与できるとともに、室内機12の小型化にも寄与できる。
【0110】
以上説明された実施形態に係る空気調和装置10は、室外熱交換器21と、第1の室内熱交換器41Aと、第2の室内熱交換器41Bと、第1の配管51と、第2の配管52と、圧縮機23と、第1の四方弁25と、室外エジェクタ27と、第2の四方弁26と、室内エジェクタ28と、第3の配管53と、膨張弁43と、第4の配管54と、気液分離器61と、第5の配管55と、を備える。室外熱交換器21は、室外機11に設けられる。第1の室内熱交換器41Aと、第2の室内熱交換器41Bは、室内機12に設けられる。第1の配管51は、第1の室内熱交換器41Aと室外熱交換器21とを接続し、冷媒が流れる。第2の配管52は、室外熱交換器21と第1の室内熱交換器41Aとを接続し、冷媒が流れる。圧縮機23は、第1の配管51に設けられ、冷媒を吸入する吸入口23aと、冷媒を吐出する吐出口23bと、を有する。第1の四方弁25は、第1の配管51に設けられ、冷媒が流れる方向を変更可能である。室外エジェクタ27は、第2の配管52に設けられ、第2の配管52における上流側から冷媒が流入する第1の流入口27aと、第1の流入口27aから流入した冷媒と混合させるための冷媒が流入する第2の流入口27bと、混合した冷媒を第2の配管52の下流側に流出させる流出口27cと、を備える。第2の四方弁26は、第2の配管52に設けられ、室外エジェクタ27の第1の流入口27aと流出口27cとに接続され、流出口27cから流出する冷媒の流れる方向を変更可能である。室内エジェクタ28は、第2の四方弁26と第1の室内熱交換器41Aとの間の第2の配管52に設けられ、第2の四方弁26を通過した冷媒が流入する第3の流入口28aと、第2の室内熱交換器41Bを通過した冷媒の流入または第2の室内熱交換器41Bを通過させる冷媒の流出が可能な第1の流出入口28bと、第3の流入口28aから流入した冷媒と第1の流出入口28bから流入した冷媒とを混合させた状態で流出させるか第1の流出入口28bから流出させる冷媒を流入させる、第2の流出入口28cと、を備える。第3の配管53は、第2の四方弁26と室内エジェクタ28の第3の流入口28aとを接続する第2の配管52と第2の室内熱交換器41Bと、を接続する。膨張弁43は、第3の配管53に設けられる。第4の配管54は、第2の室内熱交換器41Bと室内エジェクタ28の第1の流出入口28bと、を接続する。気液分離器61は、第2の配管52に設けられ、第2の四方弁26と接続される第1の開口61aと、室外エジェクタ27の流出口27cと接続される第2の開口61bと、少なくとも気体状の冷媒が流出可能な第3の開口61cと、が設けられる。第5の配管55は、気液分離器61の第3の開口61cと、室外エジェクタ27の第1の流入口27aとを接続する。この構成によれば、例えば、冷凍サイクルにおける熱交換効率が向上可能となり、熱交換器の小型化が可能な空気調和装置が提供可能となる。
【0111】
また、空気調和装置10は、例えば、第3の配管53を流れる冷媒と、第4の配管54を流れる冷媒と、の間で熱交換を行う冷媒熱交換器44を備えてもよい。この構成によれば、例えば、冷房運転時に室内エジェクタ28の第1の流出入口28bに供給される冷媒の液化を促進して、室内エジェクタ28の能力を向上することができる。
【0112】
なお、上述した実施形態では、第2のエジェクタを室内機12に設けられる室内エジェクタ28として説明した。別の実施形態では、第2のエジェクタを室外機11に設けてもよい。第2のエジェクタを室外機11側に設けることにより、室内機12の静音化や小型化に寄与することができる。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
10…空気調和装置、11…室外機、12…室内機、13…冷媒配管、14…制御装置、21…室外熱交換器、23…圧縮機、24…アキュムレータ、25…第1の四方弁、26…第2の四方弁、27…室外エジェクタ(第1のエジェクタ)、28…室内エジェクタ(第2のエジェクタ)、41…室内熱交換器、41A…第1の室内熱交換器、41B…第2の室内熱交換器、51…第1の配管、52…第2の配管、53…第3の配管、54…第4の配管、55…第5の配管、61…気液分離器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6