(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089266
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ケーブル
(51)【国際特許分類】
H01B 7/08 20060101AFI20240626BHJP
H01B 7/295 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
H01B7/08
H01B7/295
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204529
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000238049
【氏名又は名称】冨士電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂木 淑豪
(72)【発明者】
【氏名】中川 諒
【テーマコード(参考)】
5G311
5G315
【Fターム(参考)】
5G311CA01
5G311CB02
5G311CC01
5G311CD05
5G315CA01
5G315CB01
(57)【要約】
【課題】耐延焼性能の改善が期待できるケーブルを提供すること。
【解決手段】導体(11)と、前記導体(11)の周りに配置された絶縁体層(12)とをそれぞれ含む複数の絶縁線心(10)が並列配置されており、その周りに共通の外被(20)が被覆されているケーブルであって、前記絶縁線心(10)間の一方の前記外被(20)の表面に、下記要件i)およびii)を満たす断面V字状の溝(21)が設けられており、他方の前記外被(20)の表面には溝が設けられていないことを特徴とする、ケーブル。i)前記絶縁体層(13)の外径(D
1)と前記溝の幅(w)が0.85D
1≦w≦1.20D
1の関係を有する。ii)前記絶縁線心(10)間の部分から離れた位置での前記外被(20)の厚さ(t)と前記溝(21)の深さ(d)が0.30t≦d≦0.60tの関係を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体と、前記導体の周りに配置された絶縁体層とをそれぞれ含む複数の絶縁線心が並列配置されており、その周りに共通の外被が被覆されているケーブルであって、
前記絶縁線心間の一方の前記外被の表面に、下記要件i)およびii)を満たす断面V字状の溝が設けられており、他方の前記外被の表面には溝が設けられていないことを特徴とする、ケーブル。
i)前記絶縁体層の外径(D1)と前記溝の幅(w)が次の関係を有する。
0.85D1≦w≦1.20D1
ii)前記絶縁線心間の部分から離れた位置での前記外被の厚さ(t)と前記溝の深さ(d)が次の関係を有する。
0.30t≦d≦0.60t
【請求項2】
請求項1に記載のケーブルにおいて、
前記ケーブルを直線状に配置したとき、前記他方の前記外被の表面のうち前記溝の反対側に位置する部分は平面であることを特徴とするケーブル。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のケーブルにおいて、
前記複数の絶縁線心は、当接するように並列配置されていることを特徴とするケーブル。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のケーブルにおいて、
耐火ケーブル、低圧電力ケーブル、VVFケーブル、EEFケーブル、またはキャブタイヤケーブルであることを特徴とするケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
建屋や電気機器などへの給電には、多種多様な電力ケーブル、例えば一般の電気配線に用いる600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVFケーブル)や、工業用仮設電源や移動式クレーンに用いるゴム・ビニル系のキャブタイヤケーブル、防災設備の電気配線として、火災環境下でも一定時間の通電を可能とした耐火ケーブルなどが用いられる。
【0003】
しかし、ケーブルを構成する外被材料や絶縁材料は基本的にビニルやポリエチレンなどの可燃物で構成されている為、火災発生時には配線されたケーブルが導火線の役割を果たし、延焼の拡大に繋がる恐れがある。この問題に対し、各種ケーブルにはその性能において難燃性や延焼距離に関する評価試験方法や規格値が定められている事が多い。各種ケーブルはその要求性能を満足する為に、ハロゲン化物を有する塩化ビニルの使用や、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水和物により難燃化したポリエチレンなどを使用する事で、延焼を広げにくくする試みがされている。
【0004】
昨今では、建屋や電気機器の大型化に伴いケーブルの配線本数は増加の傾向にある事から、ケーブルの耐延焼性能(火災範囲を抑制する性能)は重要視されているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1は、導体上に耐火層および絶縁体層を順に備える耐火絶縁線心を複数本有し、その外周に外被が被覆され、絶縁線心間の両側の外被表面に溝を有する耐火ケーブルを開示している。
【0007】
このような耐火ケーブルは、耐延焼性能を有する。しかし、絶縁線心間の両側の外被表面に溝は、壁面に設置した際にケーブルと壁面との間の空隙となり、この空隙は空気の通り道となる可能性がある。したがって、このような耐火ケーブルは、耐延焼性能を改善できる余地がある可能性がある。
【0008】
本発明は、耐延焼性能の改善が期待できるケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
導体と、前記導体の周りに配置された絶縁体層とをそれぞれ含む複数の絶縁線心が並列配置されており、その周りに共通の外被が被覆されているケーブルであって、
前記絶縁線心間の一方の前記外被の表面に、下記要件i)およびii)を満たす断面V字状の溝が設けられており、他方の前記外被の表面には溝が設けられていないことを特徴とする、ケーブルが提供される。
i)前記絶縁体層の外径(D1)と前記溝の幅(w)が次の関係を有する。
0.85D1≦w≦1.20D1
ii)前記絶縁線心間の部分から離れた位置での前記外被の厚さ(t)と前記溝の深さ(d)が次の関係を有する。
0.30t≦d≦0.60t
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐延焼性能の改善が期待できるケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るケーブルの横断面図である。
【
図2】
図2Aは、従来の耐火ケーブルの一例を示す横断面図であり、
図2Bは、従来のケーブルおよび本発明の実施の形態に係るケーブルを壁に配線した状態を示す横断面図である。
【
図3】
図3A、Bは、本発明の実施の形態に係るケーブルの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係るケーブルについて説明する。説明は図面に基づいて行うが、図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。また、以下の説明において、同一もしくは略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は本発明のケーブルの一例である耐火ケーブル1を示す。耐火ケーブル1は、
図1に示されるように、導体11と、導体11の周りに配置された耐火層12と、絶縁体層13とを順にそれぞれ含む複数の絶縁線心10が並列配置されており、その周りに共通の外被20が被覆されている。
なお、複数の絶縁線心10は、当接するように並列配置されていても、離間して並列配置されていてもよい。本実施の形態においては、
図1に示されるように複数の絶縁線心10は当接するように並列配置されている。以下、各構成要素について説明する。
【0014】
導体11の構成は、電気を通すことができれば特に制限されない。導体11の材料の例には、銅などが含まれる。
【0015】
耐火層12の構成は、所期の耐火性能を有すれば特に制限されない。耐火層12は、例えば、ガラスクロスにマイカを接着したガラスマイカテープ、ポリエチレンなどからなるプラスチックフィルムにマイカを接着したプラスチックマイカテープなどの耐火テープを巻き付け、その外周をガラスヤーンなどで押え巻することにより形成される。巻き付け方法は、縦添えおよび重ね巻きのいずれであってもよい。耐火層12は、導体11の周りに断面円形状に形成され、その厚さは、通常、0.1~0.6mmの範囲である。また、本実施の形態において、耐火層12は導体11と絶縁体層13との間に配置されており、導体11および絶縁体層13に接触している。
【0016】
絶縁体層13の構成は、所期の絶縁性を有すれば特に制限されない。絶縁体層13は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンなどの樹脂の押出しにより形成される。ポリオレフィンの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エチレン・ブテン共重合体などが含まれる。また、メタロセン触媒によりエチレンにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα-オレフィンや環状オレフィンなどを共重合させたものなども使用することができる。これらは単独または混合して使用される。これらのうち、耐火性能、環境保全性などの観点からは、低密度ポリエチレン(LDPE)の使用が好ましく、低密度ポリエチレン(LDPE)の単独使用が特に好ましい。
【0017】
絶縁体層13を形成するポリエチレンなどの絶縁材料には、酸化防止剤、紫外線安定剤などの添加剤が必要に応じて添加されていてもよい。ただし、難燃剤は電気特性、耐水性などを低下させることからその使用は好ましくない。絶縁体層13は、導体11の周りに配置されていればよく、導体11に接触していても接触していなくてもよい。本実施の形態において、絶縁体層13は、
図1に示されるように、耐火層12に接触しており、導体11に接触していない。また、絶縁体層13の厚さは、通常、0.8~1.0mmの範囲である。
【0018】
外被20は、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンなどの樹脂の押出しにより形成される。当該樹脂は、難燃剤が配合されて難燃性を付与された難燃性ポリマーであってもよい。ポリオレフィンの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体、エチレン・ブテン共重合体などが含まれる。また、メタロセン触媒によりエチレンにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα-オレフィンや環状オレフィンなどを共重合させたものなども使用することができる。これらは単独または混合して使用される。また、難燃性ポリマーに配合される難燃剤の例には、酸化アンチモン、酸化モリブデンなどの金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物、ハロゲン系難燃剤、赤リンなどのリン系難燃剤が含まれる。
【0019】
外被20を形成する材料(外被材料)としては、なかでも、ポリ塩化ビニル、難燃性ポリエチレン、ポリエチレンとエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)などのエチレン系コポリマーとの混合ポリマーに難燃剤を配合したものが、難燃性、耐火性能、耐外傷性、耐候性などの観点から、好ましい。また、環境保全性の観点からは、ノンハロゲン系難燃剤、例えば、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水和物により難燃化したポリエチレンまたはポリエチレンとエチレン系コポリマーとの混合ポリマーがより好ましい。さらに、端末処理の際の被覆(外被20)除去性の観点からは、難燃性ポリエチレンが好ましい。
外被20の材料には、必要に応じて、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、滑材などが添加されていてもよい。また、外被20の材料は、電子線や有機過酸化物などで架橋してもよい。
【0020】
本実施の形態において、外被20は、当接するように並列配置されている複数の絶縁線心10の間の凹部を埋めるように被覆されている。すなわち、本実施の形態において外被20は絶縁線心10(絶縁体層13)に接触している。
【0021】
絶縁線心10間にある外被20の一方(例えば
図1において上方)の表面および他方(例えば
図1において下方)の表面のうち、一方の外被20の表面には、下記要件i)およびii)を満たす断面V字状の溝21が設けられている。
i)絶縁体層13の外径(D
1)と溝21の幅(w)が次の関係を有する。
0.85D
1≦w≦1.20D
1
ii)絶縁線心10間の部分から離れた位置での外被20の厚さ(t)と溝21の深さ(d)が次の関係を有する。
0.30t≦d≦0.60t
なお、上記要件ii)の「絶縁線心10間の部分から離れた位置での外被20」とは、外被20のうち、一方の表面側で溝21が形成されている部分と、他方の表面側で絶縁線心10間に対応する部分(周囲よりも厚くなっている部分)とを除く部分を意味する。
図1に示されるように、絶縁線心10間の部分から離れた位置では、外被20は、均一な厚さに形成されている。
【0022】
上記要件i)について、溝21の幅(w)は、0.90D
1≦w≦1.15D
1を満たすことが好ましく、0.95D
1≦w≦1.05D
1を満たすことがより好ましく、0.98D
1≦w≦1.02D
1であることがより一層好ましい。溝21の幅(w)が、絶縁体層13の外径(D
1)と同じか、略同じであると特に好ましい。
また、上記要件ii)について、溝21の深さ(d)は、0.40t≦d≦0.50tを満たすことが好ましい。
なお、上記の様に絶縁線心10間の一方(
図1では上方)の外被20の表面には溝21が設けられているが、他方(
図1では下方)の外被20の表面には溝21が設けられていない。より具体的には、本実施の形態において、ケーブル1を直線状に配置したとき、他方の外被20の表面のうち溝21の反対側に位置する部分は平面であることが好ましい。
【0023】
このように構成される耐火ケーブル1においては、上記要件i)およびii)を満たす断面V字状の溝21が設けられたことによって、従来の、例えば、
図2Aに示すような、絶縁線心10間の両側の外被20の表面が平坦な平面で形成されている耐火ケーブルに比べ、低摩擦化が図ることができるとともに、可撓性を向上させることができ、さらに、捩じれなどの発生も抑制できる。したがって、配線時の作業性を改善し、作業時間を短縮することができる。しかも、上記要件i)およびii)を満たす溝21は、耐火ケーブル1の耐火性能、電気特性、機械的特性を損なうことがない。
【0024】
また、上記耐火ケーブル1においては、断面V字状の溝21が設けられているため、端末処理の際、外被を容易に除去することができる。すなわち、従来、耐火ケーブルの端末処理の際には、カッターで外被を切り裂いて、内部の耐火絶縁線心を取り出していたが、カッターの挿入位置(切り込み位置)が安定せず、絶縁体を損傷させることがあった。本実施形態においては、断面V字状の溝21が、いわゆる引き裂きノッチとしての機能を併せ持ち、カッターの挿入位置を安定化させることができ、カッターによる絶縁体の損傷を防止することができる。
【0025】
また、本実施の形態に係る耐火ケーブル1においては、一方の外被20の表面のみに溝21が設けられ、他方の外被20の表面には溝が設けられていない。これにより、両方の外被20の表面に溝が設けられている耐火ケーブルより耐延焼性の向上が期待できる。すなわち、
図2Bに示されるように、ケーブルを直線状に壁30などに配置したとき、両方の外被20に溝21が設けられている左側のケーブルは、ケーブルと壁30との間に空隙40が生じる。このような空隙40は空気の通り道となり、火災時にケーブルの延焼を拡大してしまう懸念がある。これに対して、
図2Bの右側に示されているように、一方の外被20のみに溝21が設けられている本実施の形態に係る耐火ケーブル1においては、溝21の反対側に位置する他方の外被20の表面は平面であり、この平面を壁30に対して配置することができる。これにより空隙40が生じず火災時にケーブルの延焼が拡大してしまうことを防ぐことが期待できる。また、他方の外被20の表面が平面であることで両側に溝を有するケーブルと比較して難燃剤の量をケーブルの長さ方向に増やせるので耐延焼性能が上がり、延焼が拡大してしまうことを防ぐことが期待できる。
また、両側に溝21があると印字が難しいところ、片側を平面にすると当該平面に印字がしやすい。また、壁30に本実施の形態に係る耐火ケーブル1を設置するときに溝21を壁側に向けることもでき、このようにすれば外観がよくなる。
【0026】
また、断面V字状の溝21は、側面が絶縁線心10に沿うように、内側に膨らむ湾曲面で形成されていることが好ましい。これにより、耐延焼性能、電気特性、機械的特性の低下をより抑制することができる。
【0027】
本実施形態においては、断面V字状の溝21は、外被20の一方の表面側の全体が均一な厚さとなるように設けられていることが、耐延焼性能、電気特性、機械的特性の低下を抑制し、かつ配線時の作業性を改善する観点から特に好ましい。
上記「外被の一方の表面側の全体が均一な厚さとなる」とは、外被20の一方の表面側の表面の任意の位置から絶縁体層13外周までの距離を測定したとき同じ値となることを意味する。なお、本明細書において、ケーブルの外径や被覆の厚さなどに関して記載する数値や用語は、本発明が属する技術分野において許容される誤差または範囲を含むものとする。上記の「均一な」や「同じ値」などの用語についても同様である。
【0028】
なお、本実施の形態において、並列させる絶縁線心10の数は、特に限定されるものではないが、絶縁線心数が、2本または3本の場合に、配線作業性に関し、特に顕著な効果が得られる。
図3Aに、絶縁線心10が3本の場合の耐火ケーブル2の構成例を示す。
図3Aに示すように、耐火ケーブル2は、導体11の周りに、耐火層12および絶縁体層13を順に被覆した絶縁線心10が3本、絶縁線心10(絶縁体層13)を当接させて並列配置されており、その外周に共通の外被20が一括被覆されている。そして外被20の一方の表面には、前述したような断面V字状の溝21が設けられている。
また、
図3Bに、耐火層12を有さない本発明に係るケーブル3を示す。ケーブル3は、耐火層12を有さず、導体11の周りに絶縁体層13を有する絶縁線心10を有し、絶縁体層13は導体11に接触している。このようなケーブル3は、例えば、耐火ケーブル1と同様に電気用品安全法の適用を受けるケーブルであり、本発明のケーブルに含まれる。具体的には、本発明のケーブルの一例であるケーブル3は、例えば、低圧電力ケーブル、VVFケーブル、EEFケーブル、またはキャブタイヤケーブルである。
【0029】
以上、本発明の実施形態およびその変形例について説明してきたが、本発明はそのような実施形態およびその変形例に何ら限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。また、これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のケーブルは、耐延焼性能が求められる環境下の配線に有用である。
【符号の説明】
【0031】
1、2 耐火ケーブル
3 ケーブル
10 絶縁線心
11 導体
12 耐火層
13 絶縁体層
20 外被
21 溝
30 壁
40 空隙