(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089287
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】建築士法に基づく重要事項説明支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240626BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204559
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】519342965
【氏名又は名称】株式会社ホリケン
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】堀 峰也
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】
建築士法に基づく重要事項説明に関わる手続きを効率的に実施する。
【解決手段】
建築士法に基づく重要事項説明に関する機密情報を、WEBサーバー、クラウドサーバー、端末によってネットワークを構成し、建築士の認証、重要事項説明書の情報を分散管理して効率的に照合、確認を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築士法に基づく重要事項説明情報のサービスを行うシステムサーバと、
建築士と建築主がそれぞれ有する端末機器と、
を有してなり、
インターネット回線により前記システムサーバと前記端末機器が接続された重要事項説明情報支援システムであって、
前記建築士の前記端末機器は、
前記重要事項説明情報を、前記システムサーバにアップロードするアップロード手段、
を備え、
前記システムサーバは、
前記建築士の会員登録の可否を判定する会員登録判定手段と、
前記アップロードされた前記重要事項説明情報を、前記建築主の前記端末機器に送信する送信手段と、
を備え、
前記建築主の前記端末機器は、
前記重要事項説明情報を、前記システムサーバから受信する受信手段と、
前記重要事項説明情報を、表示する表示手段と、
前記建築主が前記重要事項説明情報を確認した意思を示したことの証明として所定の操作を受け付ける手段と、
を備え、
前記重要事項説明情報は、
重要事項説明書類、
を含み、
前記アップロード手段は、前記重要事項説明書類から変換されたPDFデータを、前記システムサーバにアップロードする、
ことを特徴とする重要事項説明情報支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築士法に基づく重要事項説明の支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築設計においては、設計受託契約等の前に建築士から建築主に対し、重要事項説明という設計内容・図面・制限事項などの設計受託契約等に関する重要な事柄を説明する義務がある。また、この説明は建築士が建築主に対し直接対面で実施し、そして、その内容を書面にして建築主へ交付しなければならない。
【0003】
建築士法に基づく重要事項説明とは、設計受託契約等において、建築士が建築主に対して契約上重要な事項を説明することをいう。また、その際に、説明の内容を記載して建築主に交付する書面を、重要事項説明書という。建築士法に規定されている。
建築士法に基づく重要事項説明とは、概して「設計受託契約前」に行われる重要事項の説明であり、当該契約を締結するか否かを判断する為のものである。また、契約をめぐる紛争の殆どは「そんなことは聞いてない」という事から発生する。この「聞いてない」の殆どが重要事項の説明に関係する事であり、本当に「聞いてない」という場合もあれば「聞いたけど忘れた」、「聞いたかもしれないけど良く理解できなかった」など理由はさまざまである。このような「聞いてなかった」という事を原因とする紛争を防止する為に「重要事項説明書」を説明し、且つ「確かに重要事項の説明を聞いた」という意味で建築主は重要事項説明書に記名押印をする。
【0004】
重要事項説明は、設計受託契約が成立するよりも前に行なわなければならない。建築士は説明する重要事項をすべて書面に記載し、その書面(重要事項説明書)を交付する必要がある。代理・媒介などで複数の建築士が関与する契約の場合は、それぞれの建築士が、それぞれの立場から重要事項の説明をする義務を負う
【0005】
しかしながら、この重要事項説明は、建築士と建築主が直接面談し説明する義務があり、面談に際し長時間となる可能性が高い。多忙で重要事項説明を受ける余裕がない場合は、代理人を立てて説明を受けさせることや最近ではネット回線を通してオンラインで重要事項説明を受けられるようになったが、いずれにしろ対面で実施することとなり、面談の長時間化を解決する合理的な方法は開発されていない。
【0006】
上記技術分野において、特許文献1には、契約等を効率的に管理する技術が開示されている。特許文献2には、重要事項説明書データを自動的に生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-086857号公報
【特許文献2】特開2015-022652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
建築士法に規定されているように、重要事項説明は対面による面談にて行わなければならない。しかしながら、対面による面談は長時間を必要とするだけでなく、重要事項説明の誤認識や内容の未確認等のトラブルを防ぐ方法が乏しい。
設計受託契約等において、建築士と建築主は設計検討や契約書検討のため必ず一度は面会することとなる。
この面会時に、建築士は建築士法に規定されている資格証を提示し、その後の書類説明や書類郵送はオンラインシステムにより、建築士と建築主双方の時間短縮や内容理解度の向上を実現することが求められている。
【0009】
本発明の目的は、上述の課題を解決するWEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末によって登録認証、重要事項説明についての共有認知、確認などの統合システムの技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
重要事項説明に関する情報はWEBサーバー、クラウドサーバー、各種端末を統合システムによって運用する。
各種端末は携帯される情報端末であって、建築士と建築主が操作する。重要事項説明書等の機密情報はクラウドサーバーのみに保存し運用され、重要事項説明書への押印および書類郵送、書類受取後はクラウドサーバーより当該データは削除される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設計受託契約等に関する重要事項説明情報を基に、建築主と建築士との間で取引を効率的に成立させることができる重要事項説明支援システムおよびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る重要事項説明情報支援システムについて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る重要事項説明情報支援システムの全体構成図である。
図1に示すように、重要事項説明情報支援システムは、例えば、建築主端末10、建築士端末20、WEBサーバー30およびクラウドサーバーDB40を有する。
建築主端末10は、建築の設計を検討している建築主が利用する端末である。
建築士端末20は、建築士が利用する端末である。
【0014】
建築主端末10および建築士端末20は、スマートフォン等であってもよい。
WEBサーバーおよびクラウドサーバーDB40は、重要事項説明情報支援システムの運営者が運用するサーバーによって実現される。
【0015】
WEBサーバー30は、建築主端末10および建築士端末20からネットワークを介してアクセスされる。
【0016】
WEBサーバー30は、クラウドサーバーDB40にアクセスを行い、建築主端末10および建築士端末20からの表示要求に応じた情報をクラウドサーバーDB40から取得する。
【0017】
クラウドサーバーDB40への重要事項説明情報の書き込みおよび重要事項説明資料のアップロードは、建築士が行う。
【0018】
本発明は、設計受託契約等の重要事項説明で実施される。重要事項説明に関わる伝達と受理は厳正であることが求められる。
【0019】
以下は一般化された用語例にもとづいて説明する。
端末は携帯端末であることが望ましく、スマートフォン・PC他任意である。端末は当該重要事項説明情報(以下各種データを含む。)を送受信する手段(機能)を備える。例として端末を操作する者(建築士と建築主)の人的認証、重要事項説明書などの確認すべき事項を相互に送受信してチェックする。
【0020】
具体的な例として、建築士と建築主のチェックに適用され、建築士の属性(顔、氏名、年齢、資格証など)が認証される。重要事項説明情報は建築士によってサーバー(以下クラウドなどを含む。)に送信され保存される。建築士によって生成されたIDは、建築主と共通で使用する。PWは、それぞれが登録し、システムへのアクセスのログイン情報として使用する。
【0021】
機密性、資格などをID、暗証番号などを組み合わせて所定の操作、機能によって当該設備がチェックする。
【0022】
ひとつの例として、WEBサーバー(クラウドを含む。)と端末が送受信してチェックすることもできる。
【0023】
建築主が重要事項説明事項を了解し、確認した意思を示したことの証明として所定の操作を求めることがよい。携帯端末のディスプレイ上でのタップや指定番号の入力など、所定の入力や操作などによることもできる。
【0024】
動画視聴前(重要事項説明)に建築士の顔写真を表示ことによりウェブ上でのサインインだけではなく、建築主は建築士を把握確認できる。
【0025】
重要事項説明情報などを基に設計受託契約書を自動作成することもできる。また、この設計受託契約書にオンライン署名することにより契約を締結することもできる。
【0026】
重要事項説明を携帯電話(スマートフォン)等のモバイル端末で事前に行うことによって時間を短縮でき、効率よく重要事項説明を理解することができる。
【0027】
建築士は重要事項説明情報などをPDF(Portable Document Format)に変換し、そのPDFデータをアップロードすることにより、建築主に重要事項説明情報を確認させることができる。建築主はその重要事項説明情報を確認しないと終了できない。
【0028】
スマートフォン(携帯端末)等で重要事項説明動画を事前に確認する事が出来ることにより重要事項説明書の理解・確認に掛かる時間を短縮出来る。
【0029】
重要事項説明書類アップロード機能により、その書類をスマートフォン等の入力機器で閲覧することによって、重要事項説明書類のネットワーク上での入力、記入、またその確認が利用者間で可能になる。複合機器、コピー機、プリンター等印刷機器と当システムを連動することによって、アップロードされた書類(PDF)を出力することができる。
【0030】
建築主が端末等で重要事項説明動画確認済み画面を表示する事により建築士は建築主の重要事項説明完了を素早く確認する事が出来る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
設計受託契約等において、ネットワークを利用することによって、重要情報への自由なアクセスや時間の節約、重要情報の誤解によるトラブルの予防などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0032】
10 建築士端末
20 建築主端末
30 WEBサーバー
40 クラウドサーバーDB
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築士法に基づく重要事項説明情報のサービスを行うシステムサーバと、
特定の建築士と特定の建築主それぞれの端末機器と、
前記重要事項説明情報を基に設計受託契約書を自動作成する自動作成手段と、
前記設計受託契約書にオンライン署名を行うオンライン署名手段と、
を有してなり、
インターネット回線により前記システムサーバと前記端末機器が接続された重要事項説明情報支援システムであって、
前記建築士の前記端末機器は、
前記重要事項説明情報を、前記システムサーバにアップロードするアップロード手段、
を備え、
前記システムサーバは、
前記アップロード手段によりアップロードされた前記重要事項説明情報を、前記建築主の前記端末機器に送信する送信手段、
を備え、
前記建築主の前記端末機器は、
前記重要事項説明情報を、前記システムサーバから受信する受信手段と、
前記重要事項説明情報を、表示する表示手段と、
前記建築主が前記重要事項説明情報を確認した意思を示したことの証明として所定の操作を受け付ける受付手段と、
を備え、
前記重要事項説明情報は、
重要事項説明書類、
を含み、
前記アップロード手段は、前記重要事項説明書類から変換されたPDFデータを、前記システムサーバにアップロードする、
ことを特徴とする重要事項説明情報支援システム。