(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089300
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】ケース
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
F16J15/10 S
F16J15/10 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204576
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(74)【代理人】
【識別番号】100201710
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 佑佳
(72)【発明者】
【氏名】奥 信介
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040BA04
3J040EA16
3J040FA06
3J040FA08
3J040HA01
3J040HA05
3J040HA15
(57)【要約】
【課題】ケースとガスケットとの固定強度を向上すること。
【解決手段】本技術では、本体の開口縁にガスケットを有し、前記ガスケットの内部に、前記本体を構成する樹脂の一部からなるアンカー構造を有する、ケースを提供する。本技術において、前記ガスケットは、シリコーン系素材を含んでいてもよい。また、本技術において、前記ガスケットは、発泡体を含んでいてもよい。更に、本技術において、前記ガスケットは、互いに分離された複数の分割体を有していてもよい。加えて、本技術において、前記分割体の分離部分にシリコーン系シーリング材が充填されていてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の開口縁にガスケットを有し、
前記ガスケットの内部に、前記本体を構成する樹脂の一部からなるアンカー構造を有する、ケース。
【請求項2】
前記ガスケットは、シリコーン系素材を含む、請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記ガスケットは、発泡体を含む、請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
前記ガスケットは、互いに分離された複数の分割体を有する、請求項1又は2に記載のケース。
【請求項5】
前記分割体の分離部分にシリコーン系シーリング材が充填されている、請求項4に記載のケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ケースに関する。より詳しくは、本体の開口縁にガスケットを有するケースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子機器等を収容するケースは、気密性や液密性(防湿性)が要求され、これに対し、例えば、その筐体と蓋体との間に、固定用シール材であるガスケットが介在されていることが多い。
【0003】
従来、こうしたガスケットとしては、例えば、特許文献1に、板状のガスケット材料を打ち抜き加工することにより形成された複数の環状分割体の端部同士を互いに組付けていくことにより構成されるジョイントシートガスケットであって、前記環状分割体における一方の端部と他方の端部とを、互いに略相補的形状のあり溝として形成するとともに、これらあり溝を含む各突合せ端面は、少なくとも一方の分割体の端面が厚さ方向に向かって斜めに傾斜して形成されていることを特徴とするジョイントシートガスケットが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ガスケットを用いたシール構造体が開示されており、具体的には、シールの対象となる2つの面の間に複数の分割体として形成されたガスケットが介在されるガスケットを用いたシール構造体であって、前記シールの対象となる面の一方であって且つ、前記分割体同士の間隙にあたる部分に設けられた凹部と、前記凹部に充填されてなり、前記分割体同士の間隙の形状に応じて変形するシール部材と、を備えるガスケットを用いたシール構造体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-16812号公報
【特許文献2】特開2012-97896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した通り、ガスケット又はガスケットを有する構造体については、様々な開発が進められているが、更なる技術開発が望まれているのが実情である。
【0007】
そこで、本技術では、ケースとガスケットとの固定強度の向上を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術では、まず、本体の開口縁にガスケットを有し、前記ガスケットの内部に、前記本体を構成する樹脂の一部からなるアンカー構造を有する、ケースを提供する。
本技術において、前記ガスケットは、シリコーン系素材を含んでいてもよい。
本技術において、前記ガスケットは、発泡体を含んでいてもよい。
本技術において、前記ガスケットは、互いに分離された複数の分割体を有していてもよい。
本技術において、前記分割体の分離部分にシリコーン系シーリング材が充填されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ケース1の実施形態の一例を模式的に示す図である。
【
図2】Aは、本体11を上側から視た図であり、Bは、AのX-X線拡大断面図である。
【
図3】ケース1の、
図1とは異なる実施形態の一例を模式的に示す図である。
【
図4】
図1で示した実施形態のケース1の製造方法の一部を模式的に示す図である。
【
図5】
図4のP側から視たガスケット12(成型前)の模式図である。ただし、
図5では、ガスケット12(成型前)の上側にある本体11(成型前)は描写していない。
【
図6】本体11にガスケット12の付いていない本体13を取り付ける様態を示す図である。
【
図7】シーリング材10を用いて複数の分割体121同士を接合する様態を示す模式図である。
【
図8】強干渉構造により複数の分割体121同士を接合する様態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。
以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、いずれの実施形態も組み合わせることが可能である。また、これらにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
【0011】
1.ケース1
図1は、ケース1の実施形態の一例を模式的に示す図である。
図2のAは、本体11を上側から視た図であり、
図2のBは、AのX-X線断面の拡大図である。本技術に係るケース1は、
図2に示すように、本体11の開口縁にガスケット12を有し、前記ガスケット12の内部に、前記本体11を構成する樹脂の一部が入り込んだアンカー構造111が形成されている。また、
図1では、もう一方の、ガスケット12が付いていない本体13、収納物14を描写しているが、本技術に係るケース1には、ガスケット12が付いていない本体13及び収納物14は、本技術の範囲に必ずしも含まれない。
【0012】
図3は、ケース1の
図1とは異なる実施形態の一例を模式的に示す図である。本技術において、本体11は、内部に物を封入する際に、
図1に示すような上蓋側であってもよく、
図3に示すような下蓋側であってもよい。本明細書でいう「ガスケット(gasket)」とは、構造に気密性、液密性を持たせるために用いる固定用シール材をいう。
【0013】
本技術に係るケース1は、アンカー構造111が形成されていることで、アンカー構造111が形成されていない場合に比べて、ガスケット12との固定強度が向上している。また、従来、ガスケットを用いない方法として、液状のシーリング材をケースの開口縁に塗布し、硬化させることで、電子機器等を格納したケースに蓋をする方法もあったが、この方法では、メンテナンス時に、シーリング材を破壊や除去して再塗布することが必要であり、メンテナンス時における作業工程が複雑化するとともに、接着量の管理や硬化時間が必要となるが、本技術に係るケース1では、破壊等の必要がなく、再利用が可能であり、取り扱い性に優れる。
【0014】
本体11の形状としては、特に限定されず、例えば、略立方体状、略直方体状、略円筒体状、略多角筒体状(三角、四角或いはそれ以上)、略円錐形状、略多角錐体状(三角、四角或いはそれ以上)等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせた形状とすることも可能である。
【0015】
本体11の素材である樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることも可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせ用いることも可能である。更に、前記樹脂には、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ステンレス繊維等の繊維が含まれていてもよい。
【0016】
ガスケット12の素材としては、例えば、液晶ポリマー(LCP樹脂)、フッ素系素材、シリコーン系素材等を用いることができる。シリコーン系素材としては、例えば、メチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂等のストレートシリコーン樹脂;アルキッド変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂等の有機樹脂変性シリコーン樹脂等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることも可能である。また、本技術では、これら樹脂の発泡体を用いてもよい。
【0017】
また、その他にも、ガスケット12の素材として、ゴム、熱可塑性エラストマー等を用いてもよい。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、エチレン・酢ビゴム、クロロプレンゴム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることも可能である。また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリウレタン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、スチレン・ブタジエンエラストマーが挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることも可能である。具体的には、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。
【0018】
本技術では、前記ガスケット12は、耐熱性のある素材で形成することが好ましく、具体的には、シリコーン系素材を含むことが好ましい。シリコーン系素材には、耐熱性が高いというメリットがある。一方で、樹脂との接着性が悪いというデメリットも有するが、本技術では、前記ガスケット12の内部に、前記本体11を構成する樹脂の一部からなるアンカー構造111を有することから、該アンカー構造111によりシリコーン系素材と樹脂とを強固に固定することができる。
【0019】
また、本技術では、前記ガスケット12は、発泡体を含むことが好ましく、発泡体の中でも特に、シリコーン系素材の発泡体を含むことが好ましい。ガスケット12に発泡体を含むことで、発泡体の表面に形成される孔に本体11を構成する樹脂の一部が入り込みやすくなり、アンカー構造111を容易に形成することができる。また、ガスケット12に発泡体を含むことで、前記本体11及び前記本体13と接合する場合に、ガスケット12が潰れやすくなり、高いシーリング性を確保することができる。
【0020】
前記ガスケット12の形状としては、特に限定されないが、互いに分離された複数の分割体121(
図5参照)を有していることが好ましい。これにより、例えば、後述するように熱プレスでガスケット12を前記開口縁に一体化する場合に、一体品を使用した場合と比較すると、環状ではないため、歩留まりが良好であり、打ち抜き後の中央部を捨てなくてもよいというメリットがある。また、一体品のように、ケース1の大きさに比例して大きくなることなく、ガスケット12を保管するスペースを削減することができるとともに、ガスケット21の位置決め作業が簡略化され、作業効率の向上及び作業人員の削減が可能となる。
【0021】
また、前記複数の分割体121の成形方法としては、特に限定されないが、一定幅で巻き取られたテープ状のガスケット12を必要な長さに切断することで成形されたものであってもよい。これにより、モールド成形品を使用した場合と比較して、モールド成形型が不要であり、サイズが大きい軟体成型品を取り扱わなくて済むため、取り扱い性にも優れるというメリットがある。また、モールド成形に比べて、歩留まりが良好であり、打ち抜き後の周辺部を捨てなくてもよいというメリットもある。なお、前記複数の分割体121は、金型を必要としないシート品を打ち抜いて成形されたものであってもよい。
【0022】
なお、前記ガスケット12は、物理的に前記本体11と接合する場合、アンカー構造111を発現するための孔を有しているが、該孔の配置としては、例えば、同様の大きさの孔がガスケット12の長手方向に沿って一列に並んでいてもよいが、本技術ではこれに限定されず、例えば、前記孔の大きさが場所によって異なっていてもよいし、前記孔は一列に並んでいなくてもよい。
【0023】
一方で、前記ガスケット12は、化学的に前記本体11と接合する場合、例えば、ガスケット12側に前処理を施し、ガスケット12表面を改質した上で、熱処理、プラズマ処理、プライマー等により接合してもよい。
【0024】
本技術では、前記ガスケット12における前記分割体121の分離部分には、シーリング材10が充填されていることが好ましい。シーリング材10としては、例えば、熱硬化性シーリング材、感圧性シーリング材、熱可塑性シーリング材、UV硬化型シーリング材等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせ用いることも可能である。また、1成分形と2成分形のいずれも用いることができる。
【0025】
本技術では、シーリング材10の中でも、特に熱硬化性シーリング材が好ましく、熱硬化性シーリング材としては、例えば、シリコーン系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材、シリルアクリレート系シーリング材、アクリル樹脂エマルション系シーリング材、油性コーキング材、ブチルゴム系シーリング材、PVCプラスチゾル系シーリング材等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせ用いることも可能である。
【0026】
本技術では、熱硬化性シーリング材の中でも、特にシリコーン系シーリング材が好ましい。すなわち、前記ガスケット12における前記分割体121の分離部分には、シリコーン系シーリング材が充填されていることが好ましい。シリコーン系シーリング材は、シリコーン系素材を含むガスケット12と同一系統のシーリング材であるため、ガスケット12との馴染みがよく、シール性が向上する。
【0027】
また、本技術では、前記ガスケット12が互いに分離された複数の分割体121を有する場合において、前記分割体121の分離部分にシーリング材10が充填されていなくても、強干渉構造により、分割体121同士を接着させてもよい。具体的には、接合部位(
図5のX参照)を強干渉させると共に、搭載時に圧縮させることで、接合部位において高いシーリング性を確保することができる。
【0028】
本技術に係るケース1は、例えば、ガスケット12の付いていない本体13を取り付け、内部に収納物14(例えば、電子機器等)を収納して用いられる。本体11とガスケット12の付いていない本体13とを接合する方法は、例えば、ボルト及びナット等を用いて取り付けることにより行うことができるが、本技術ではこれに限定されない。これにより、接着剤を用いて本体11とガスケット12の付いていない本体13とを接合した場合と比較すると、ケース1を再利用することができ、メンテナンス性に優れる。なお、本技術に係るケース1を用いて収納する物自体は、本技術の範囲に含まれない。
【0029】
2.ケース1の用途
本技術に係るケース1は、自動車部品に用いる場合、例えば、ハイブリット自動車用のバッテリーケース、電気自動車用のバッテリーケース、各種コンピュータ等の電子機器等に用いられることが考えられるが、本技術ではこれらに限定されず、気密性や液密性(防湿性)が求められる用途において、特に用いることができる。
【0030】
3.ケース1の製造方法
本技術にケース1は、その構造に特徴があるため、その製造方法は特に限定されないが、以下、本技術に係るケース1の製造方法の具体例について説明する。
【0031】
(1)ケース1とガスケット12との接合
図4は、
図1で示した実施形態のケース1の製造方法の一部を模式的に示す図である。物理的接合の場合、まず、プレス下型15にガスケット12を配置し、該ガスケット12を覆うように溶融した本体11の素材である樹脂を配置する。その後、積層されたガスケット12及び該樹脂を、プレス上型16とプレス下型15との間に挟んで熱プレスすることにより、本体11の成形時にガスケット12が一体成形される。この際に、
図2のBで示したように、本体11の素材である樹脂がガスケット12に含侵し、アンカー構造111が形成される。熱プレス時の温度は、例えば、40℃~80℃とすることができる。また、熱プレス時の圧力は、例えば、100kg/cm
2~200kg/cm
2とすることができる。前記ガスケット12は、上述した通り、アンカー構造111を形成するための孔を有している。
【0032】
なお、本体11にガスケット12の付いていない本体13を取り付ける際は、
図6に示すように、本体11がガスケット12の付いていない本体13側に底付きしない程度に、アンカー構造111の高さ(深さ)を設定することが好ましい。
【0033】
化学的接合の場合、まず、ガスケット12側及び本体11側のどちらか一方、又は両方に前処理として表面改質処理を施す。次いで、熱処理、プラズマ処理、プライマー等により本体11と接合し、アンカー構造111を形成する。なお、この場合も、本体11が底付きしないアンカー構造111を設定する。
【0034】
また、本技術では、物理的接合及び化学的接合の両方を用いて、ケース1とガスケット12とを接合してもよい。
【0035】
(2)前記ガスケット12が互いに分離された複数の分割体121を有する場合の処理
図5は、
図4のP側から視たガスケット12(成型前)の模式図である。ただし、
図5では、ガスケット12(成型前)の上側にある本体11(成型前)は描写していない。ガスケット12が互いに分離されて複数の分割体121として成形された場合、例えば、
図5のような実施形態が一例として挙げられる。
【0036】
上述したような複数の分割体121において、
図7は、シーリング材10を用いて複数の分割体121同士を接合する場合を示す模式図である。接合部位に、シーリング材10を塗布し、熱プレス時の熱を利用して、シーリング材10の接着硬化を促進させる。なお、前記熱プレスは、上述した「(1)ケース1とガスケット12との接合」の物理的接合の場合の熱プレスと同時に行われてよい。
【0037】
図8は、強干渉構造により複数の分割体121同士を接合する場合を示す模式図である。前記分割体121の分離部分にシーリング材10が充填されていない場合は、強干渉構造により、分割体121同士を接着させることも可能である。具体的には、搭載時に接合部位(
図8のX参照)を強干渉させると共に、熱プレスにより圧縮させることで、接合部位において高いシーリング性を確保することができる。
【0038】
なお、本技術は、以下のように構成することも可能である。
〔1〕
本体の開口縁にガスケットを有し、
前記ガスケットの内部に、前記本体を構成する樹脂の一部からなるアンカー構造を有する、ケース。
〔2〕
前記ガスケットは、シリコーン系素材を含む、〔1〕に記載のケース。
〔3〕
前記ガスケットは、発泡体を含む、〔1〕又は〔2〕に記載のケース。
〔4〕
前記ガスケットは、互いに分離された複数の分割体を有する、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載のケース。
〔5〕
前記分割体の分離部分にシリコーン系シーリング材が充填されている、〔4〕に記載のケース。
【符号の説明】
【0039】
1:ケース
10:シーリング材
11:本体
111:アンカー構造
12:ガスケット
13:ガスケット12が付いてない本体
121:分割体
14:収納物
15:プレス下型
16:プレス上型