▶ 江崎 由隆の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089302
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】盗難防止用アンカー
(51)【国際特許分類】
E05B 71/00 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
E05B71/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204578
(22)【出願日】2022-12-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】522496091
【氏名又は名称】江崎 由隆
(74)【代理人】
【識別番号】100190160
【弁理士】
【氏名又は名称】隅田 俊隆
(72)【発明者】
【氏名】江崎 由隆
(57)【要約】
【課題】
車両が施錠されているときに地面や壁面から取り外すことができない一方、撤去が必要となった場合には容易に取り外すことが可能な盗難防止用アンカーを提供すること。
【解決手段】
地面GにアンカーボルトBを用いて固定される台座110と、台座110の上面110aに設けられるシャックル120と、台座110の上面を覆う被覆部131と、シャックル120を貫通させる開口部133を有し蝶番132によって台座110に回動自在に取り付けられるカバー130とを備え、カバー130を台座110と当接させた状態でロックRがシャックル120に挿通されると、ロックRがカバー130の回動を規制する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面又は壁面にネジを用いて固定される台座と、
前記台座の上面に設けられるシャックルと、
前記ネジの頭部が露出しないように前記台座部の上面を覆う被覆部と、前記シャックルを貫通させる開口部を有するカバーとを備えており、
前記カバーは、前記台座の前記上面の被覆と露出とを交互に行えるように、その一端が前記台座に回動自在に取り付けられることを特徴とする盗難防止用アンカー。
【請求項2】
前記カバー部は、回動操作のときに把持されるノブを備えることを特徴とする請求項1記載の盗難防止用アンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートバイや自転車といった車両や、屋外に設置される物品を所定の場所から移動できないように施錠するロックを固定する盗難防止用アンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
オートバイや自転車等の車両を屋外に駐輪するときには、車両の盗難を防止するためロックを車輪に取り付けることが行われている。こうした車輪取付け型のロックには種々のタイプが存在するが、車輪の内側に通して施錠するチェーンやワイヤからなるものや、U字型に屈曲されたバー型のものが広く用いられている。このようなロックが車輪に装着されると、車輪の回転が阻止されて乗車ができなくなるので、盗難防止に一定の効果がある。しかしながら、車両盗難の手口はますます巧妙化してきており、車両がロックごと持ち去られてしまう事案も多く報告されている。このため、単に車輪にロックを装着しただけでは盗難を十分に防止することが難しくなってきている。
【0003】
そこで、駐輪場所の地面や壁面にアンカーを設置しておき、このアンカーに車輪に装着されたロックを固定させることが行われている。このようなアンカーとしては、例えば、本体を筒状のパイプで構成し、その内側固定物側にネジ穴を、反対側に作業用のアンカー工具差込穴を設けた係留アンカーを固定物にネジ止めし、これにループ鍵を通して二輪車および電動三輪車等の車輪に施錠することにより係留アンカーの取り外しを不可能にして、施錠してある二輪車、電動三輪車等の盗難を防止する二輪車盗難防止用係留アンカーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、固定物(地面)にネジ止めされた係留アンカーにループ錠(ロック)を挿通させて車両を固定できるので、盗難防止に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の係留アンカーは、地面や壁面に固定するのに用いられるネジが常に露出した状態で設置されるため、施錠されているときでもネジが緩められて、係留アンカーとロックもろとも車両が盗難されてしまう虞がある。一方、取り外しが容易にできないよう係留アンカーをコンクリートに埋設してしまうと、係留アンカーが不要となったときの取り外しが困難となり、撤去作業が極めて煩雑となる。
【0006】
本発明は、上記問題を解消すべく、車両が施錠されているときには地面や壁面から取り外すことができない一方、撤去が必要となったときには容易に取り外すことが可能な盗難防止用アンカーを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が採った手段は、地面又は壁面にネジを用いて固定される台座と、前記台座の上面に設けられるシャックルと、前記ネジの頭部が露出しないように前記台座の上面を覆う被覆部と、前記シャックルを貫通させる開口部を有するカバーとを備えており、前記カバーは、前記台座の前記上面の被覆と露出とを交互に行えるように、その一端が前記台座に回動自在に取り付けられることを特徴とする盗難防止用アンカー、である。
【0008】
本発明にかかる盗難防止用アンカーは、ネジ止めによって地面又は壁面に着脱可能に設置できる一方、車両を施錠するロックがシャックルに挿通された状態では取り外しができないようにするものである。すなわち、地面又は壁面から取り外すときには、台座の上面からカバーを外してネジの頭部を露出できるようにし、車両を施錠するロックがシャックルに挿通されたときには、カバーの被覆部がネジの頭部を隠すとともに、ロックがカバーの回動を規制するようにしている。こうすることで、車両の施錠時に盗難防止用アンカーの取り外しができなくなり、その後に撤去が必要となったときには、ネジを緩めて容易に取り外しできるようになる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「ネジ」の語はボルト、ビスを含む円筒形の細い棒に螺旋状の溝が切られているもの全般をいう。
【0009】
また、前記カバー部は、回動操作のときに把持されるノブを備えてもよい。こうすることで、カバー部の回動操作が行いやすくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる盗難防止用アンカーによれば、台座の上面をカバーの被覆部で被覆してからシャックルにロックを挿通させて施錠することによって、台座を固定するネジの頭部を隠すことができ、同時にカバーの回動が規制される。これにより、施錠中は地面又は壁面からアンカーを取り外せなくなるので、車両の盗難を強固に防止することができる。一方、ロックがシャックルに挿通されていないときには、カバーを自在に回動させることができるので、ネジの頭部を露出させてからネジを緩めるだけで容易に取り外すことができる。これにより、盗難防止用アンカーが不要になった場合には、撤去を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例にかかる盗難防止用アンカーの斜視図である。
【
図2】実施例にかかる盗難防止用アンカーであって、カバーを開いた状態の斜視図である。
【
図3】実施例にかかる盗難防止用アンカーであって、カバーを開いた状態の設置状態を示す側面図である。
【
図4】実施例にかかる盗難防止用アンカーであって、カバーを閉じた状態の設置状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明にかかる盗難防止用アンカーは、地面又は壁面にネジを用いて固定される台座と、オートバイ等の車両の車輪を施錠するロックが挿通されるシャックルと、台座の上面を覆うカバーとを備える。
【0013】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【実施例0014】
図1及び
図2には、本実施例にかかる盗難防止用アンカー100が示されている。盗難防止用アンカー100は、台座110と、シャックル120と、カバー130とを備えている。
【0015】
台座110は、盗難防止用アンカー100を地面や壁面等に固定させる部材であり、ステンレス製の板材から矩形に作製されている。台座100には、長手方向の左右両側に複数穿設されて皿ネジの頭部を受容する第一ボルト穴111と、略中央に穿設される第二ボルト穴112とが穿設されている。
【0016】
シャックル120は、ステンレス製の棒材をU字型に屈曲形成されてなり、両端が台座110の上面に溶接されて逆U字型となって設けられている。
【0017】
カバー130は、台座110と同型同寸に作製されるステンレス製の板状部材であり、被覆部131と、開口部133とを備える。カバー130は、その一端130aと台座110の一端110bとにネジ止めされる蝶番132によって、台座110に対して回動自在に設けられている。これにより、カバー130は、台座110の上面110aを覆う閉状態と、上面110aを露出させた開状態の2つの配置を採ることができる。
【0018】
また、カバー130には、細長の開口部133が形成されている。開口部133は、被覆部131が台座を覆う閉状態のときに、シャックル120をカバー130から逃がすために形成される。このため、開口部133の形状、大きさ及び位置は、シャックル120の形状、大きさ及び位置に合わせて設定される。また、カバー130の上面130bには、略円筒形状のノブ134が設けられている。ノブ134は、ステンレス材を略円筒形状に成形してなり、カバー130の上面130bに溶接されている。なお、カバー130において、ノブ134が配置される部分は切除されており、カバー130の裏面130c側からはノブ134の円筒形状の内部を見ることができる。
【0019】
図3及び
図4には、盗難防止用アンカー100が地面Bに設置された状態が示されている。盗難防止用アンカー100は、台座110に穿設された第二ボルト穴112に挿通されるアンカーボルトBを地面Gに螺挿して固定される。なお、地面Gは、アンカーボルトBによる固定が可能なものであればコンクリート、アスファルト等の種類を問わない。このとき、
図3に示すように、カバー130はノブ134を把持して回動操作され、被覆部131が台座110の上面110aを被覆しない開状態に配置される。
【0020】
図4には、地面Gに固定された盗難防止用アンカー100を用いて、オートバイMをU字型のロックRで施錠した状態が示されている。オートバイMを施錠するとき、カバー130は、ノブ134を把持して回動操作されて、被覆部131が台座110の上面を被覆する閉状態に配置される。このとき、シャックル120がカバー130に形成された開口部133を貫通するとともに、アンカーボルトBの頭部がノブ134の内部に収容されるので、カバー130の裏面130cの先端部分は台座110の上面110aに当接する。こうしてカバー130を閉状態としてから、車輪Wの内側に通されたロックRをシャックル120に挿通させて施錠を行う。施錠が完了した後は、シャックル120に挿通されたロックRが、カバー130が開状態となるのを阻止するので、カバー130は常に台座110の上面110aを被覆した状態で保持される。すなわち、盗難防止用アンカー100にオートバイMが施錠されている間は、台座110を地面Gに固定するアンカーボルトBの頭部はカバー130で隠された状態となるので、アンカーボルトBを緩めて台座110を地面Gから取り外すことができない。こうすることで、オートバイMの施錠中に盗難防止用アンカー100を地面Gから取り外して、盗難防止用アンカー100とロックRもろともオートバイMが持ち去られるのを防止することができる。
【0021】
一方、盗難防止用アンカー100を撤去する場合には、カバー130を開状態に回動操作して台座110の上面110aを露出させてアンカーボルトBを緩めれば地面Gから簡単に取り外すことができる。こうすることで、盗難防止用アンカー100の撤去を簡単に行うことができる。
【0022】
本実施例にかかる盗難防止用アンカー100によれば、台座110の上面110aをカバー130の被覆部131で被覆してから、シャックル120にロックRを挿通させて施錠することによって、台座110を地面Gに固定させるアンカーボルトBの頭部を隠すことができる。同時に、カバー130が開状態となるのをシャックル120に挿通されたロックRにより規制することができる。これによって、オートバイMが施錠されているときは、盗難防止用アンカー100を地面Gから取り外せなくなるので、車両の盗難を強固に防止することができる。一方、ロックRがシャックル120に挿通されていないときは、カバー130を開状態にしてアンカーボルトBの頭部を露出させてから、アンカーボルトBを緩めることで地面Gから簡単に取り外すことができる。
【0023】
本発明は、上記実施例の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも権利範囲に含むものである。
【0024】
例えば、カバー130に設けたノブ133は省略してもよいし、地面Gの状態によって台座110の固定を第二ボルト穴112に挿通されるアンカーボルトBで行うことができないときには、これに代えて又は追加して、複数の第一ボルト穴111に皿ネジを挿通させて固定してもよい。
【0025】
さらに、シャックル120に挿通されるロックはU字型のロックRに限定されるものではなく、シャックル120に挿通して施錠可能なチェーン型やワイヤ型等のロックを用いることができる。
【0026】
また、上記実施例では、盗難防止用アンカー100をオートバイMの施錠に用いているが、この用途に限定されるものではなく、自転車等のオートバイ以外の車両や、自動販売機やごみ箱等の屋外に設置される物品の盗難防止にも用いることができる。さらに、盗難防止用アンカー100の設置場所は、地面Gに限定されるものではなく、建物の外壁や塀等の壁面に設置してもよい。
【符号の説明】
【0027】
100 盗難防止用アンカー
110 台座
120 シャックル
130 カバー
131 被覆部
133 開口部
134 ノブ
【手続補正書】
【提出日】2023-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面又は壁面にネジを用いて固定される台座と、
前記台座の上面に設けられるシャックルと、
前記ネジの頭部が露出しないように前記台座部の上面を覆う被覆部と、前記シャックルを貫通させる開口部とを有するカバーと、を備えており、
前記カバーは、前記台座の前記上面の被覆と露出とを交互に行えるように、その一端が前記台座に回動自在に取り付けられることを特徴とする盗難防止用アンカー。
【請求項2】
前記カバーは、回動操作のときに把持されるノブを備えることを特徴とする請求項1記載の盗難防止用アンカー。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートバイや自転車といった車両や、屋外に設置される物品を所定の場所から移動できないように施錠するロックを固定する盗難防止用アンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
オートバイや自転車等の車両を屋外に駐輪するときには、車両の盗難を防止するためロックを車輪に取り付けることが行われている。こうした車輪取付け型のロックには種々のタイプが存在するが、車輪の内側に通して施錠するチェーンやワイヤからなるものや、U字型に屈曲されたバー型のものが広く用いられている。このようなロックが車輪に装着されると、車輪の回転が阻止されて乗車ができなくなるので、盗難防止に一定の効果がある。しかしながら、車両盗難の手口はますます巧妙化してきており、車両がロックごと持ち去られてしまう事案も多く報告されている。このため、単に車輪にロックを装着しただけでは盗難を十分に防止することが難しくなってきている。
【0003】
そこで、駐輪場所の地面や壁面にアンカーを設置しておき、このアンカーに車輪に装着されたロックを固定させることが行われている。このようなアンカーとしては、例えば、本体を筒状のパイプで構成し、その内側固定物側にネジ穴を、反対側に作業用のアンカー工具差込穴を設けた係留アンカーを固定物にネジ止めし、これにループ鍵を通して二輪車および電動三輪車等の車輪に施錠することにより係留アンカーの取り外しを不可能にして、施錠してある二輪車、電動三輪車等の盗難を防止する二輪車盗難防止用係留アンカーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これによれば、固定物(地面)にネジ止めされた係留アンカーにループ錠(ロック)を挿通させて車両を固定できるので、盗難防止に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の係留アンカーは、地面や壁面に固定するのに用いられるネジが常に露出した状態で設置されるため、施錠されているときでもネジが緩められて、係留アンカーとロックもろとも車両が盗難されてしまう虞がある。一方、取り外しが容易にできないよう係留アンカーをコンクリートに埋設してしまうと、係留アンカーが不要となったときの取り外しが困難となり、撤去作業が極めて煩雑となる。
【0006】
本発明は、上記問題を解消すべく、車両が施錠されているときには地面や壁面から取り外すことができない一方、撤去が必要となったときには容易に取り外すことが可能な盗難防止用アンカーを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明が採った手段は、地面又は壁面にネジを用いて固定される台座と、前記台座の上面に設けられるシャックルと、前記ネジの頭部が露出しないように前記台座の上面を覆う被覆部と、前記シャックルを貫通させる開口部とを有するカバーと、を備えており、前記カバーは、前記台座の前記上面の被覆と露出とを交互に行えるように、その一端が前記台座に回動自在に取り付けられることを特徴とする盗難防止用アンカー、である。
【0008】
本発明にかかる盗難防止用アンカーは、ネジ止めによって地面又は壁面に着脱可能に設置できる一方、車両を施錠するロックがシャックルに挿通された状態では取り外しができないようにするものである。すなわち、地面又は壁面から取り外すときには、台座の上面からカバーを外してネジの頭部を露出できるようにし、車両を施錠するロックがシャックルに挿通されたときには、カバーの被覆部がネジの頭部を隠すとともに、ロックがカバーの回動を規制するようにしている。こうすることで、車両の施錠時に盗難防止用アンカーの取り外しができなくなり、その後に撤去が必要となったときには、ネジを緩めて容易に取り外しできるようになる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「ネジ」の語はボルト、ビスを含む円筒形の細い棒に螺旋状の溝が切られているもの全般をいう。
【0009】
また、前記カバーは、回動操作のときに把持されるノブを備えてもよい。こうすることで、カバーの回動操作が行いやすくなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる盗難防止用アンカーによれば、台座の上面をカバーの被覆部で被覆してからシャックルにロックを挿通させて施錠することによって、台座を固定するネジの頭部を隠すことができ、同時にカバーの回動が規制される。これにより、施錠中は地面又は壁面からアンカーを取り外せなくなるので、車両の盗難を強固に防止することができる。一方、ロックがシャックルに挿通されていないときには、カバーを自在に回動させることができるので、ネジの頭部を露出させてからネジを緩めるだけで容易に取り外すことができる。これにより、盗難防止用アンカーが不要になった場合には、撤去を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例にかかる盗難防止用アンカーの斜視図である。
【
図2】実施例にかかる盗難防止用アンカーであって、カバーを開いた状態の斜視図である。
【
図3】実施例にかかる盗難防止用アンカーであって、カバーを開いた状態の設置状態を示す側面図である。
【
図4】実施例にかかる盗難防止用アンカーであって、カバーを閉じた状態の設置状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明にかかる盗難防止用アンカーは、地面又は壁面にネジを用いて固定される台座と、オートバイ等の車両の車輪を施錠するロックが挿通されるシャックルと、台座の上面を覆うカバーとを備える。
【0013】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【実施例0014】
図1及び
図2には、本実施例にかかる盗難防止用アンカー100が示されている。盗難防止用アンカー100は、台座110と、シャックル120と、カバー130とを備えている。
【0015】
台座110は、盗難防止用アンカー100を地面や壁面等に固定させる部材であり、ステンレス製の板材から矩形に作製されている。台座100には、長手方向の左右両側に複数穿設されて皿ネジの頭部を受容する第一ボルト穴111と、略中央に穿設される第二ボルト穴112とが穿設されている。
【0016】
シャックル120は、ステンレス製の棒材をU字型に屈曲形成されてなり、両端が台座110の上面に溶接されて逆U字型となって設けられている。
【0017】
カバー130は、台座110と同型同寸に作製されるステンレス製の板状部材であり、被覆部131と、開口部133とを備える。カバー130は、その一端130aと台座110の一端110bとにネジ止めされる蝶番132によって、台座110に対して回動自在に設けられている。これにより、カバー130は、台座110の上面110aを覆う閉状態と、上面110aを露出させた開状態の2つの配置を採ることができる。
【0018】
また、カバー130には、細長の開口部133が形成されている。開口部133は、被覆部131が台座を覆う閉状態のときに、シャックル120をカバー130から逃がすために形成される。このため、開口部133の形状、大きさ及び位置は、シャックル120の形状、大きさ及び位置に合わせて設定される。また、カバー130の上面130bには、略円筒形状のノブ134が設けられている。ノブ134は、ステンレス材を略円筒形状に成形してなり、カバー130の上面130bに溶接されている。なお、カバー130において、ノブ134が配置される部分は切除されており、カバー130の裏面130c側からはノブ134の円筒形状の内部を見ることができる。
【0019】
図3及び
図4には、盗難防止用アンカー100が地面Bに設置された状態が示されている。盗難防止用アンカー100は、台座110に穿設された第二ボルト穴112に挿通されるアンカーボルトBを地面Gに螺挿して固定される。なお、地面Gは、アンカーボルトBによる固定が可能なものであればコンクリート、アスファルト等の種類を問わない。このとき、
図3に示すように、カバー130はノブ134を把持して回動操作され、被覆部131が台座110の上面110aを被覆しない開状態に配置される。
【0020】
図4には、地面Gに固定された盗難防止用アンカー100を用いて、オートバイMをU字型のロックRで施錠した状態が示されている。オートバイMを施錠するとき、カバー130は、ノブ134を把持して回動操作されて、被覆部131が台座110の上面を被覆する閉状態に配置される。このとき、シャックル120がカバー130に形成された開口部133を貫通するとともに、アンカーボルトBの頭部がノブ134の内部に収容されるので、カバー130の裏面130cの先端部分は台座110の上面110aに当接する。こうしてカバー130を閉状態としてから、車輪Wの内側に通されたロックRをシャックル120に挿通させて施錠を行う。施錠が完了した後は、シャックル120に挿通されたロックRが、カバー130が開状態となるのを阻止するので、カバー130は常に台座110の上面110aを被覆した状態で保持される。すなわち、盗難防止用アンカー100にオートバイMが施錠されている間は、台座110を地面Gに固定するアンカーボルトBの頭部はカバー130で隠された状態となるので、アンカーボルトBを緩めて台座110を地面Gから取り外すことができない。こうすることで、オートバイMの施錠中に盗難防止用アンカー100を地面Gから取り外して、盗難防止用アンカー100とロックRもろともオートバイMが持ち去られるのを防止することができる。
【0021】
一方、盗難防止用アンカー100を撤去する場合には、カバー130を開状態に回動操作して台座110の上面110aを露出させてアンカーボルトBを緩めれば地面Gから簡単に取り外すことができる。こうすることで、盗難防止用アンカー100の撤去を簡単に行うことができる。
【0022】
本実施例にかかる盗難防止用アンカー100によれば、台座110の上面110aをカバー130の被覆部131で被覆してから、シャックル120にロックRを挿通させて施錠することによって、台座110を地面Gに固定させるアンカーボルトBの頭部を隠すことができる。同時に、カバー130が開状態となるのをシャックル120に挿通されたロックRにより規制することができる。これによって、オートバイMが施錠されているときは、盗難防止用アンカー100を地面Gから取り外せなくなるので、車両の盗難を強固に防止することができる。一方、ロックRがシャックル120に挿通されていないときは、カバー130を開状態にしてアンカーボルトBの頭部を露出させてから、アンカーボルトBを緩めることで地面Gから簡単に取り外すことができる。
【0023】
本発明は、上記実施例の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも権利範囲に含むものである。
【0024】
例えば、カバー130に設けたノブ134は省略してもよいし、地面Gの状態によって台座110の固定を第二ボルト穴112に挿通されるアンカーボルトBで行うことができないときには、これに代えて又は追加して、複数の第一ボルト穴111に皿ネジを挿通させて固定してもよい。
【0025】
さらに、シャックル120に挿通されるロックはU字型のロックRに限定されるものではなく、シャックル120に挿通して施錠可能なチェーン型やワイヤ型等のロックを用いることができる。
【0026】
また、上記実施例では、盗難防止用アンカー100をオートバイMの施錠に用いているが、この用途に限定されるものではなく、自転車等のオートバイ以外の車両や、自動販売機やごみ箱等の屋外に設置される物品の盗難防止にも用いることができる。さらに、盗難防止用アンカー100の設置場所は、地面Gに限定されるものではなく、建物の外壁や塀等の壁面に設置してもよい。