(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089356
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】自律走行台車
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240626BHJP
【FI】
G05D1/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204669
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】徳田 貴司
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301HH10
5H301HH19
5H301LL11
5H301LL14
(57)【要約】
【課題】物体検知部に関し、ユーザにわかりやすく報知できる自律走行台車を提供する。
【解決手段】自律走行台車は、周囲の物体を検知するための物体検知部と、物体検知部による物体の検知に基づいて報知を行う報知部と、を備える。物体検知部の検知状況に応じて報知部による報知態様を異ならせる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行台車であって、
周囲の物体を検知するための物体検知部と、
前記物体検知部による物体の検知に基づいて報知を行う報知部と、を備え、
前記物体検知部の検知状況に応じて前記報知部による報知態様を異ならせる自律走行台車。
【請求項2】
複数の物体検知部を備え、
前記複数の物体検知部の検知状況に応じて前記報知部による報知態様を異ならせる請求項1に記載の自律走行台車。
【請求項3】
前記複数の物体検知部のうちのいずれの物体検知部が検知しているかに応じて前記報知部による報知態様を異ならせる請求項2に記載の自律走行台車。
【請求項4】
前記物体検知部と物体との距離に応じて前記報知部による報知態様を異ならせる請求項1に記載の自律走行台車。
【請求項5】
前記複数の物体検知部それぞれに対して、別々の報知部を備える請求項2に記載の自律走行台車。
【請求項6】
通常モードとは別の特別モードの実行指示を受け付けることにより、物体検知部の検知状況に応じて前記報知部による報知態様を異ならせる請求項1に記載の自律走行台車。
【請求項7】
前記報知部は、本自律走行台車の動作状態の報知も行う請求項1に記載の自律走行台車。
【請求項8】
前記物体検知部が物体を検知した方向に応じて前記報知部による報知態様を異ならせる請求項1に記載の自律走行台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行台車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、自律走行台車の異常状態、特に周囲の障害物位置情報を取得するための物体検知部に関連する異常状態を検出可能な技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の自律走行台車は、例えば物体検知部の動作確認において物体検知部の異常状態を検知した場合など、ユーザにわかりやすい報知をする観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、物体検知部に関し、ユーザにわかりやすく報知できる自律走行台車の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自律走行台車は、自律走行台車であって、周囲の物体を検知するための物体検知部と、物体検知部による物体の検知に基づいて報知を行う報知部と、を備える。物体検知部の検知状況に応じて報知部による報知態様を異ならせる。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラム等の間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物体検知部に関し、ユーザにわかりやすく報知できる自律走行台車を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図6】AMRの天板を取り外した状態を示す平面図である。
【
図8】
図8(a)~(c)は、障害物センサの動作確認の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
【0011】
自律走行台車(以下、AMR(autonomous mobile robot)という)では、定期または不定期に、障害物センサ(物体検知センサ)の動作確認(異常の有無の確認)が必要である。従来の動作確認は、センサの出力を外部装置にデジタルデータなどで表示し、センサとそれに近づけた物体との距離と、そのときのセンサの出力とを見比べることで行っていた。したがって、従来の動作確認では、センサに異常が発生しているか否か直感的に把握しにくい。また、センサの出力を表示するための外部装置を準備したり、センサの出力を表示するためのアプリケーションを起動したりする必要があり、煩わしかった。本実施の形態は、このような知見に基づき、センサの動作確認を簡単にするためになされた。
【0012】
図1~
図7を参照する。なお
図7では突起52、くぼみ54および取付用タップ穴56の表示を省略している。
【0013】
AMR10は、目的とする場所まで自律移動するタイプの物流ロボット(自律移動ロボット)であり、無人搬送車の一種でもある。AMR10は、本体12、複数の車輪14A~14D、モータ16、バッテリー18、天板20、周囲検出センサ24、障害物センサ26で総称される複数の障害物センサ26a~26e、カメラ28、操作ボタン30、ディスプレイ32、複数のランプ(第1報知部)46、スピーカ40(第2報知部)、制御装置50を備える。AMR10は、例えば、平面視で1辺が500mm以下の正方形状である。ここでの正方形は、隣り合う辺の長さの比が1:1.1以下の範囲内の形状をいう。
【0014】
本体12は、下向きに開放する箱状をなす。本体12の上面部にはヒートシンク38が設けられる。ヒートシンク38は、本体12と天板20との間に露出する。制御装置50で発生した熱は、ヒートシンク38を介して放熱される。本体12の上面部にはスピーカ40が設けられる。スピーカ40は、本体12と天板20との間の隙間空間に配置される。本体12の上面部は、真ん中に上向きに凸となるなだらかな山状となっている。これにより防水効果を発揮できる。本体12の上面部には天板20を支持する複数の柱42が設けられる。
【0015】
複数の車輪14A~14Dはそれぞれ、その一部が本体12から下側にはみ出るように本体12に取り付けられる。複数の複数の車輪14A~14Dは、左右二つの複合車輪44を構成する。二つの複合車輪44は、不図示のサスペンションを介して、本体12に取り付けられる。二つの複合車輪44はそれぞれ、駆動輪14Aと、駆動輪14Aの前側に配置される前従動輪14Bと、駆動輪14Aの後ろ側に配置される後ろ従動輪14Cと、前従動輪14Bの左右方向内側に配置される補助輪14Dと、を含む。AMR10は、平坦な接地面の走行時、左右二つの駆動輪14Aと、左右四つの従動輪14B、14Cを用いて走行する六輪構造である。駆動輪14Aの外径は大きく、従動輪14B、14Cの外径は駆動輪14Aの外径より小さい。従動輪14B、14Cは鉛直軸周りに回転可能に設けられる。これにより、AMR10の本体12はその場で容易に旋回できる。
【0016】
モータ16は本体12の内部に配置され、本体12に取り付けられる。モータ16は、左右の駆動輪14Aのそれぞれの左右方向内側に対となって個別に設けられる。モータ16が出力する回転は、図示しない減速機で減速されたうえで駆動輪14Aに出力される。
【0017】
バッテリー18は、一対のモータ16の間に配置される。バッテリー18は、モータ16、周囲検出センサ24、障害物センサ-26、カメラ28、ディスプレイ32および制御装置50などの各電気機器の電源となる。
【0018】
天板20は、荷物を載せる場所である。天板20には複数の突起52がある。これにより荷物がすべりにくくなっている。天板29には四つのくぼみ54がある。くぼみ54には不図示のクッションゴムを装着できる。これにより、荷物に対するグリップを向上させることができる。天板20には複数(図では8個)の取付用タップ穴56があり、アルミフレーム等の各種フレームを簡単に取り付けることができる。
【0019】
天板20の裏側には障害物検知および崖検知用のセンサ58が設置される。本体12の前面部の上寄りの部分には、上方に向かって後方に凹む凹部60が設けられ、その凹部60には操作ボタン30およびディスプレイ32を配置したパネル部62が設けられる。天板20の裏側のセンサ58は、光学センサであり、凹部60によって凹んだ箇所を通るように検知光を投射する。これにより、より近くを検知できる。
【0020】
本体12の中央部には周囲検出センサ24が搭載される。周囲検出センサ24は、例えば、LiDAR(Light Detection And Ranging)である。周囲検出センサ24は、マップを作成するときや、自動運転するときに用いられる。周囲検出センサ24は、例えば、自身が投射した検出光の反射光を受光することで検出範囲内の被検知物を検知可能である。周囲検出センサ24は、本体12と天板20との間の隙間空間において、周囲検出センサ24を中心として放射状に広がる範囲(柱42によって隠れる範囲は除く)に検出光を投射する。これにより、本体12の周囲のできるだけ広い範囲を検出範囲とすることができる。
【0021】
本体12の前面部には、3つの障害物センサ26a~26cが配置される。障害物センサ26a、26b、26cは、左右方向にこの順に等間隔に並び、障害物センサ26bは左右方向における中央に位置する。本体12の左側面部の前よりの部分に1つの障害物センサ26dが配置され、本体12の右側面部の前よりの部分に1つの障害物センサ26eが配置される。障害物センサ26a~26eは、周囲検出センサ24と合わせて、自動運転時に障害物を回避するために用いられる。なお、前面部、左側面部、右側面部に配置される障害物センサの数や配置位置は特に限定されないし、後面部など他の箇所に障害物センサを配置してもよい。障害物センサ26a~26eは、障害物との距離を計測可能なセンサであれば特に限定されないが、例えば赤外線などの参照光を使ってTOF(Time of Flight)方式で距離を計測するセンサであってもよいし、超音波を使って距離を計測するセンサであってもよい。
【0022】
カメラ28は、本体12の前面部に配置される。カメラ28は、ライントレースや2次元マーカーを検知するために使用される。ライントレースをする場合、床のラインをカメラ28によって読み取ってトレースする。例えば、AMR10に読み込んだマップを参照しつつ移動した際に、ラインを読み取ることを契機として、ライントレースを開始してもよい。2次元マーカーを検知する場合、床、壁等の他、棚等の什器、備品等にある2次元マーカー(2次元コード)をカメラ28によって読み取る。カメラ28の撮像素子への光の入射経路には偏光フィルム(不図示)が配置される。偏光フィルムは、水平方向を吸収軸とする。これにより、日光が差し込む環境でもラインの認識率が向上する。
【0023】
操作ボタン30は、本体12の前面部に配置される。操作ボタン30は、エラー解除や再起動のために使用される。
【0024】
ディスプレイ32は、本体12の前面部に配置される。ディスプレイ32は、本体12のステータス表示、バッテリー残量表示などに使用される。
【0025】
複数のランプ46は、下向きに光を照射するように天板20の下面部に搭載される。複数のランプ46は、本体12の外周に沿ってライン状に配置される。
図7の例では、前面部に沿って12個のランプ46が配置され、左側面部および右側面部に沿ってそれぞれ9個のランプ46が配置される。
【0026】
制御装置50は、バッテリー18の上に積み上げられる。制御装置50は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やメモリをはじめとする素子や回路を利用できる。ソフトウェア資源として、オペレーティングシステム、アプリケーション等のプログラムを利用できる。
【0027】
制御装置50は、AMR10を統括的に制御する。例えば制御装置50は、モータ16を制御してAMR10を走行させる。また制御装置50は、AMR10が走行しているときに周囲検出センサ24によりAMR10の周囲をスキャンしてマップを作成する。
【0028】
制御装置50は、複数のランプ46およびスピーカ40を制御し、複数のランプ46およびスピーカ40による報知を制御する。
【0029】
制御装置50は、複数のランプ46による報知について、通常モードと、通常モードとは別のモードである特別モードとを実行可能である。制御装置50は、基本的には通常モードでの報知を実行し、特別モードの実行指示を受け付けると特別モードでの報知を実行し、特別モードの解除指示を受け付けると通常モードでの報知に戻る。制御装置50は、ネットワークを介して接続されたスマートフォン、タブレット、PC等の図示しない外部の操作端末から送信される特別モードの実行指示を受け付けてもよいし、本体12に直接入力された、例えば操作ボタン30を操作して入力された特別モードの実行指示を受け付けてもよい。
【0030】
通常モードは、AMR10の動作ステータス(動作状態)をランプ46の点灯により報知するモードである。例えば通常モードにおいて制御装置50は、動作ステータスごとでランプ46を異なる色に点灯させることで、AMR10の動作ステータスを報知する。例えば制御装置50は、運転待機中は緑色、走行中は水色、マップの作成中は青色、エラー発生中は赤色、ライントレース中は黄色にランプ46を点灯させる
【0031】
特別モードは、障害物センサ26の動作確認に使用されるモードであって、障害物センサ26による物体の検知状況をランプ46の点灯によって報知するモードである。特別モードでは、障害物センサ26による物体の検知状況によってランプ46による報知態様(点灯態様)を異ならせることで、障害物センサ26による物体の検知状況を報知する。
【0032】
詳しくは、本実施の形態では、特別モードにおいて制御装置50は、(1)複数の障害物センサ26a~26eのうちのいずれの障害物センサ26が物体を検知しているかに応じて、ランプ46による報知態様を異ならせる。また、特別モードにおいて制御装置50は、(2)障害物センサ26が検知する物体までの距離に応じてランプ46による報知態様を異ならせる。
【0033】
(1)について説明する。制御装置50は、複数の障害物センサ26a~26eのうちのいずれの障害物センサ26が物体を検知しているかに応じて、点灯するランプ46を異ならせる。例えば、制御装置50は、物体を検知している障害物センサ26に対応する位置(例えば真上近傍)にある1つまたは複数のランプ46を点灯させる。
【0034】
具体的には、障害物センサ26aが物体を検知している場合は、障害物センサ26aの真上近傍に位置する複数のランプ46(
図7において破線70で囲まれた3つのランプ46)を点灯する。障害物センサ26bが物体を検知している場合は、障害物センサ26bの真上近傍に位置する複数のランプ46(
図7において破線72で囲まれた4つのランプ46)を点灯する。障害物センサ26cが物体を検知している場合は、障害物センサ26cの真上近傍に位置する複数のランプ46(
図7において破線74で囲まれた3つのランプ46)を点灯する。障害物センサ26dが物体を検知している場合は、障害物センサ26dの真上近傍に位置する複数のランプ46(
図7において破線76で囲まれた3つのランプ46)を点灯する。障害物センサ26e(
図7では不図示)が物体を検知している場合は、障害物センサ26eの真上近傍に位置する複数のランプ46(
図7において破線78で囲まれた3つのランプ46)を点灯する。
【0035】
(1)によれば、いずれの障害物センサ26による物体の検知状況を報知しているか容易に把握できる。
【0036】
また、1つの障害物センサ26に複数のランプ46を対応づけることにより、障害物センサ26に対応する或るランプ46が故障しても、当該障害物センサ26に対応する他のランプ46によって当該障害物センサ26による物体の検知状況を報知できる。
【0037】
なお(1)の変形例として、制御装置50は、複数の障害物センサ26a~26eのうちのいずれの障害物センサ26が検知しているかに応じてランプ46が点灯する色を変えてもよい。
【0038】
続いて(2)について説明する。制御装置50は、障害物センサ26が物体を検知している場合にランプ46を点灯する輝度を、障害物センサ26から物体までの距離に応じて変化させてもよく、例えば物体までの距離が短いほどランプ46を点灯する輝度を高くしてもよい。また、制御装置50は、障害物センサ26が物体を検知している場合にランプ46を点灯する色を、障害物センサ26から物体までの距離に応じて変化させてもよく、例えば物体までの距離が短いほど赤色で点灯し、物体までの距離が長いほど白色で点灯してもよい。いずれにせよ(2)によれば、障害物センサ26が物体までの距離を計測できているか容易に把握できる。
【0039】
以上がAMR10の基本構成である。続いてその動作について説明する。
【0040】
図8を参照する。ここでは、ランプ46は、障害物センサ26aから検知される物体までの距離が短いほど高い輝度で点灯するものとする。
【0041】
図8(a)~(c)では、障害物センサ26aの正面、すなわち障害物センサ26aの検知範囲に手を差し出している。
図8(a)、
図8(b)、
図8(c)の順に、ユーザの手は障害物センサ26aの近くにある。ユーザは、
図8(a)→
図8(b)→
図8(c)の順に手を移動させて手を障害物センサ26aから遠ざけたり、
図8(c)→
図8(b)→
図8(a)の順に手を移動させて手を障害物センサ26aに近づけたりし、そのときに点灯するランプ46の輝度を確認する。
【0042】
図8(a)~(c)のように手を差し出した場合において、障害物センサ26aに対応するランプ46(破線で囲んだランプ46)が点灯し、さらに
図8(a)、
図8(b)、
図8(c)の順に高い輝度でランプが点灯している場合、障害物センサ26aに異常がないことが確認できる。
【0043】
一方、
図8(a)~(c)のように手を差し出した場合において、障害物センサ26aに対応するランプ46(破線で囲んだランプ46)が点灯しない場合、あるいは
図8(a)、
図8(b)、
図8(c)の順に高い輝度でランプが点灯していない場合、障害物センサ26aに異常が発生していることが確認できる。
【0044】
ユーザは、障害物センサ26b~26eについても同様の動作確認を順番に行う。
【0045】
本実施の形態によれば、障害物センサ26の動作確認として、障害物センサ26の前に手を差し出して遠ざけたり近づけたりしたときのランプ46の輝度を確認すればよく、障害物センサ26に異常が発生しているか否かを直感的に把握できる。また、センサの出力を表示するための外部装置を準備する必要もなく、極めて容易に障害物センサ26の動作確認を行うことができる。
【0046】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0047】
(変形例1)
報知部はランプに限定されるものではなく、ユーザに報知を行えるものであればよく、例えば、実施の形態とは異なり、特別モードにおいて制御装置50は、障害物センサ26による物体の検知に基づいて所定の情報をスピーカ40から音声出力することで、障害物センサ26による物体の検知状況を報知してもよい。例えば制御装置50は、所定の周期(例えば5秒)で、物体(例えばユーザの手)を検知している障害物センサ26を一意に識別する識別情報とともに、当該障害物センサ26から物体までの距離を、スピーカ40から音声出力してもよい。本変形例によれば、実施の形態と同様の作用効果をそうすることができる。
【0048】
(変形例2)
実施の形態とは異なり、特別モードにおいて制御装置50は、ランプ46による報知に変えて、またはランプ46による報知に加えて、物体(例えばユーザの手)を検知している障害物センサ26を一意に識別する識別情報とともに、当該障害物センサ26から物体までの距離をディスプレイ32に表示してもよい。
【0049】
(変形例3)
実施の形態および上述の変形例では、特別モードにおいて、障害物センサ26による物体の検知状況をランプ46の点灯あるいはスピーカ40からの音声出力によって報知する場合について説明したが、これには限定されず、物体を検知するための他のセンサによる物体の検知状況をランプ46の点灯あるいはスピーカ40からの音声出力によって報知してもよい。この場合、当該他のセンサの動作確認を容易に行うことができる。
【0050】
例えば、特別モードにおいて、周囲検出センサ24による物体の検知状況をランプ46の点灯によって報知してもよい。周囲検出センサ24がLiDARである場合、周囲検出センサ24から物体までの距離に応じてランプ46による報知態様を異ならせるとともに、物体を検知した方向に応じてランプ46による報知態様を異ならせればよい。例えば、周囲検出センサ24から物体までの距離に応じてランプ46を点灯する輝度を変化させ、周囲検出センサ24が物体を検知した方向に応じてランプ46が点灯する色を変化させてもよい。
【0051】
(変形例4)
また、実施の形態においては、通常モードとは異なる特別モード(障害物センサ26の動作確認モード)において、物体検知部の検知状況に応じて報知部による報知態様を異ならせていたが、「物体検知部の検知状況に応じて報知部による報知態様を異ならせる」状況は特に限定されない。例えば、通常モードにおいてAMR10が走行中に障害物センサ26が物体を検知した場合に、検知状況(どの障害物センサが物体を検知したか、物体までの距離など)に応じて報知部(ランプ46)の報知態様を異ならせて(物体を検知した障害物センサに応じて光らせるランプ46を異ならせたり、物体との距離に応じて輝度を変化させたりして)もよい。この場合にも、ユーザに物体(障害物)の検知状況をわかりやすく報知できる。
【符号の説明】
【0052】
10 AMR、 24 周囲検出センサ、 26 障害物センサ、 40 スピーカ、 46 ランプ、 50 制御装置。