(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089368
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】感光性着色組成物、それを用いた膜、カラーフィルタ、及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240626BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
G03F7/004 501
G03F7/004 504
G03F7/004 505
G02B5/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204694
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横田 洋一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛之
【テーマコード(参考)】
2H148
2H225
【Fターム(参考)】
2H148BE03
2H148BE12
2H148BE39
2H148BF07
2H148BF12
2H148BF16
2H148BF18
2H148BF20
2H148BG02
2H148BH02
2H148BH18
2H148BH22
2H225AC31
2H225AC33
2H225AC35
2H225AC36
2H225AC37
2H225AC44
2H225AC46
2H225AC49
2H225AC58
2H225AC63
2H225AC72
2H225AD06
2H225AE06P
2H225AM22P
2H225AM23P
2H225AM25P
2H225AM26P
2H225AM32P
2H225AM66P
2H225AM86P
2H225AM95P
2H225AM96P
2H225AN11P
2H225AN31P
2H225AN36P
2H225AN37P
2H225AN39P
2H225AN42P
2H225AN56P
2H225AN58P
2H225AN59P
2H225AN94P
2H225AN95P
2H225AN96P
2H225AN97P
2H225AN98P
2H225BA01P
2H225BA02P
2H225BA22P
2H225BA33P
2H225BA35P
2H225CA16
2H225CA21
2H225CB05
2H225CC01
2H225CC13
(57)【要約】
【課題】積層フォトスペーサーの乗り上げ性を制御し、かつ、表面の欠陥が少なく、現像性、密着性、及びパターン形状に優れる膜を形成できる感光性着色組成物。
【解決手段】着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含み、前記有機溶剤(E)として、沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、0.1質量%以上10質量%未満含み、沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、10質量%以上40質量%以下含み、沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、55質量%以上85質量%以下含む感光性着色組成物。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含む感光性着色組成物であって、
前記有機溶剤(E)として、
沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、0.1質量%以上10質量%未満含み、
沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、10質量%以上40質量%以下含み、
沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、55質量%以上85質量%以下含む感光性着色組成物。
【請求項2】
前記有機溶剤(E)の含有量が、感光性着色組成物100質量%中、60質量%以上90質量%以下である請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項3】
前記バインダ樹脂(B)が、重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1)を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項4】
前記重合性化合物(C)が、25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1)を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項5】
前記25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1)が、前記重合性化合物(C)100質量%中、5質量%以上70質量%以下含む請求項4に記載の感光性着色組成物。
【請求項6】
前記重合開始剤(D)が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中での波長365nmの光の吸光係数が5.0×103L/mol・cm以上の化合物を含む請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項7】
更に、分散樹脂(F)を含む請求項1に感光性着色組成物。
【請求項8】
着色画素、及び積層フォトスペーサーを同時に形成するための請求項1に記載の感光性着色組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性着色組成物から形成されてなる膜。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性着色組成物から形成された着色画素、及び積層フォトスペーサーを有するカラーフィルタ。
【請求項11】
請求項10に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性着色組成物、及びその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子を用いた画像表示装置は、小型、薄型、軽量及び低消費電力から様々な装置に用いられている。このような画像表示装置は、カラーフィルタ基板とアクティブ素子を形成した基板(以下、TFT基板という)との間に液晶層が配置されている。カラーフィルタ基板とTFT基板との間隔を正確に保持しないと、液晶層の厚みに差が生じ、正しく画像が表示されなくなるという現象が発生する。そのため、カラーフィルタ基板とTFT基板との間に均一なセルギャップを確保するために、スペーサーが配置されている。スペーサーの形成は、フォトリソグラフィー法によりブラックマトリックス上に、柱状の樹脂製スペーサー(以下、フォトスペーサーという)を形成する方法が提案されている(特許文献1及び2)。
【0003】
また、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)等のそれぞれの着色画素を形成すると同時に、複数の着色層を積層させて形成する方法が提案されている(特許文献3~5)。この方法は、フォトスペーサーを形成するための工程を減らせるという利点がある。しかしながら、着色画素の形成と同時に着色層の積層によるスペーサー(以下、積層フォトスペーサーという)を形成する方法は、基板に感光性着色組成物を塗工・乾燥する工程で、積層フォトスペーサーの高さが、低くなりすぎることや高くなりすぎる(以下、乗り上げ性ともいう)という問題があった。
【0004】
積層フォトスペーサーの乗り上げ性の制御方法としては、例えば、特許文献6には、全不揮発分中に1~30質量%の透明体質顔料を含む感光性着色組成物が開示されている。また、特許文献7には、全不揮発分中に1~10質量%の透明体質顔料、分子量が1,000~1,500の範囲にある光重合性モノマーを含む感光性着色組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-91954号公報
【特許文献2】特開2001-92128号公報
【特許文献3】特開平04-18443号公報
【特許文献4】特開平11-344700号公報
【特許文献5】特開2011-209618号公報
【特許文献6】特開2011-158537号公報
【特許文献7】特開2013-097235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献6、7のいずれも乗り上げ性を制御するには十分ではなかった。また、表面の欠陥、現像性、密着性、及びパターン形状が満足できるものではなかった。
【0007】
本発明は、積層フォトスペーサーの乗り上げ性を制御し、かつ、表面の欠陥が少なく、現像性、密着性、及びパターン形状に優れる膜を形成できる感光性着色組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含む感光性着色組成物であって、
前記有機溶剤(E)として、
沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、0.1質量%以上10質量%未満含み、
沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、10質量%以上40質量%以下含み、
沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、55質量%以上85質量%以下含む感光性着色組成物に関する。
【発明の効果】
【0009】
上記の本発明によれば、積層フォトスペーサーの乗り上げ性を制御し、かつ、表面の欠陥が少なく、現像性、密着性、及びパターン形状に優れる膜を形成できる感光性着色組成物を提供できる。また、本発明は、膜、カラーフィルタ、及び画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明のカラーフィルタの構成例を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、実施例の乗り上げ性評価(1)で使用する評価用基板の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の感光性着色組成物を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、課題を解決可能な範囲内で変形して実施できる。
【0012】
本明細書では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」とは、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタアクリロイル」、「アクリル及び/又はメタアクリル」、「アクリル酸及び/又はメタアクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタアクリルアミド」を意味する。また、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists発行)を意味する。重合性不飽和基は、エチレン性不飽和二重結合である。
また、本発明における化合物の分子量に関しては、分子量が特定できる低分子化合物については、計算により算出した値、若しくはESI-MS(エレクトロスプレーイオン化質量分析法)により測定した分子量であり、分子量の分布を持つ化合物については、テトラヒドロフランを溶剤とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
単量体は、重合により樹脂を形成する化合物である。単量体は、未反応状態であり、単量体単位は、単量体が重合後に樹脂を形成している状態である。
【0013】
<感光性着色組成物>
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含む感光性着色組成物であって、
前記有機溶剤(E)は、沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、0.1質量%以上10質量%未満含み、
沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、10質量%以上40質量%以下含み、
沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3)を、前記有機溶剤(E)100質量%中、55質量%以上85質量%以下含むことを特徴とする。
【0014】
上記構成の感光性着色組成物が上記課題を解決できるメカニズムは明らかではないが、以下のように推測している。
【0015】
沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1)(以下、有機溶剤(E1)ともいう)は、塗工・乾燥工程で蒸発し難く、長く膜中に残存する。そのため、乾燥工程で膜中の不揮発分が高くなっても膜が流動性を有し、膜が均一に拡がる時間を与え、乗り上げ性が良好になると推測する。しかし、含有量が多くなると、膜中に多く残存してしまい、密着性、パターン形状が悪化しやすくなる。また、着色剤(A)由来の凝集異物が発生しやすく、表面に欠陥が生じやすい。
一方、沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3)(以下、有機溶剤(E3)ともいう)は、塗工・乾燥工程で蒸発しやすい。そのため、膜中に残存せず、密着性、パターン形状に影響を与えない。しかし、急速に乾燥するため、膜の流動性がなくなり、乗り上げ性が悪化しやすい。また、膜の表面にクレータ上の凹み等などが発生しやすく、表面に欠陥が生じやすい。
そこで、有機溶剤(E1)、有機溶剤(E3)、及び有機溶剤(E1)と有機溶剤(E3)の中間の乾燥スピードを有する沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2)(以下、有機溶剤(E2)ともいう)を特定の比率で組み合わせることで、塗工から乾燥工程での膜の流動性を維持することができ、乗り上げ性を制御しながらも、表面の欠陥が少なく、現像性、密着性、及びパターン形状に優れる膜を形成できる感光性着色組成物が得られると推測する。
【0016】
[着色剤(A)]
本発明の感光性着色組成物は、着色剤(A)を含む。
【0017】
着色剤(A)は、特に限定されるものではなく、顔料及び染料のいずれでもよく、併用できる。顔料は、有機顔料及び無機顔料があり、カラーフィルタ用途には耐光性、耐熱性、及び耐溶剤性の面で顔料を含むことが好ましい。
【0018】
(顔料)
顔料としては、特に限定されず、例えば、カラーインデックスにおいてピグメントに分類されている化合物が挙げられる。
【0019】
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,12,14,15,16,17,21,22,23,31,32,37,38,41,47,48,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53,53:1,53:2,53:3,57,57:1,57:2,58:4,60,63,63:1,63:2,64,64:1,68,69,81,81:1,81:2,81:3,81:4,83,88,90:1,101,101:1,104,108,108:1,109,112,113,114,122,123,144,146,147,149,151,166,168,169,170,172,173,174,175,176,177,178,179,181,184,185,187,188,190,193,194,200,202,206,207,208,209,210,214,216,220,221,224,230,231,232,233,235,236,237,238,239,242,243,245,247,249,250,251,253,254,255,256,257,258,259,260,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,291,295,296、特開2014-134712号公報に記載された顔料、特許第6368844号公報に記載された顔料等が挙げられる。
【0020】
橙色顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ36,38,43,64,71,73等が挙げられる。
【0021】
黄色顔料は、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,126,127,128,129,138,139,147,150,151,152、153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,192,193,194,196,198,199,213,214,231,233、特開2012-226110号公報に記載された顔料が挙げられる。
【0022】
また、黄色顔料としては、下記一般式(1)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のモノ、ジ、トリ及びテトラアニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンと、Cd,Co,Al,Cr,Sn,Pb,Zn,Fe,Ni,Cu及びMnから選ばれる少なくとも2種の金属イオンと、下記一般式(2)で表される化合物を含む顔料が挙げられる。
【0023】
【0024】
一般式(1)中、2つのR1は、それぞれ独立して-OH、-NH2、-NH-CN、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、又はアリールアミノ基を表し、2つのR2は、それぞれ独立して-OH、又は-NH2を表す。
【0025】
【0026】
一般式(2)中、3つのR3は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基を表す。
【0027】
緑色顔料は、例えば、C.I.ピグメントグリーン1,2,4,7,8,10,13,14,15,17,18,19,26,36,37,45,48,50,51,54,55,58,59,62,63等が挙げられる。
【0028】
青色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー1,1:2,9,14,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,19,25,27,28,29,33,35,36,56,56:1,60,61,61:1,62,63,66,67,68,71,72,73,74,75,76,78,79等が挙げられる。
【0029】
紫色顔料は、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1,1:1,2,2:2,3,3:1,3:3,5,5:1,14,15,16,19,23,25,27,29,31,32,37,39,42,44,47,49,50等が挙げられる。
【0030】
黒色顔料は、例えば、C.I.ピグメントブラック1,6,7,12,20,31等が挙げられる。
【0031】
また、シリカ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等の無機顔料が挙げられる。
【0032】
顔料は、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は、特に限定されるものではなく、例えば、湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用できる。これらの中でも、湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理が好ましい。微細化顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は、5~90nmが好ましい。なお、分散性、コントラスト比の観点から、平均一次粒子径は10~70nmがより好ましい。
【0033】
ソルトミリング処理には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。樹脂を添加することにより、顔料が樹脂で被覆され、安定性、耐光性等が向上する。前記樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。これらの中でも、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。樹脂の添加量は、顔料100質量部に対して、2~200質量部が好ましい。
【0034】
(染料)
染料は、例えば、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が挙げられる。また、染料は、これらの誘導体、または染料をレーキ化したレーキ顔料も使用できる。
【0035】
酸性染料は、スルホン酸やカルボン酸等の酸性基を有することが好ましい。直接染料は、酸性染料の無機塩、または酸性染料と、四級アンモニウム塩化合物、三級アミン化合物、二級アミン化合物、または一級アミン化合物等の含窒素化合物との造塩化合物を形成することが好ましい。また、これらの官能基を有する樹脂成分と酸性染料との塩である造塩化合物も好ましい。また、造塩化合物は、スルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物に変性することで耐性(耐光性、耐溶剤性)に優れた感光性着色組成物を得やすい。
また、酸性染料とオニウム塩基を有する化合物との造塩化合物も、耐性(耐光性、溶剤耐性)に優れるため好ましい。なお、オニウム塩基を有する化合物は、カチオン性基を有する樹脂が好ましい。
【0036】
塩基性染料は、そのままでも使用できるが、有機酸や過塩素酸またはその金属塩と造塩化する造塩化合物が好ましい。塩基性染料の造塩化合物は、耐性(耐光性、耐溶剤性)や、顔料との親和性が優れているため好ましい。また、塩基性染料の造塩化合物で、カウンタイオンとしてはたらくアニオン成分は、有機スルホン酸、有機硫酸、フッ素基含有リンアニオン化合物、フッ素基含有ホウ素アニオン化合物、シアノ基含有窒素アニオン化合物、ハロゲン化炭化水素基を有する有機酸の共役塩基を有するアニオン化合物、酸性染料とを造塩した造塩化合物が好ましい。なお、造塩化合物は、分子中に重合性不飽和基を含有すると耐性がより向上する。
【0037】
染料の化学構造は、例えば、アゾ系染料、ジスアゾ系染料、アゾメチン系染料(インドアニリン系染料、インドフェノール系染料など)、ジピロメテン系染料、キノン系染料(ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、アントラピリドン系染料など)、カルボニウム系染料(ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、アクリジン系染料など)、キノンイミン系染料(オキサジン系染料、チアジン系染料など)、アジン系染料、ポリメチン系染料(オキソノール系染料、メロシアニン系染料、アリーリデン系染料、スチリル系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料など)、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料、ペリノン系染料、インジゴ系染料、チオインジゴ系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ローダミン系染料、及びそれらの金属錯体系染料等から選ばれる染料に由来する色素構造が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
【0038】
これらの色素構造の中でも、色相、色分離性、色むらなどの色特性の観点から、アゾ系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、スクアリリウム系染料、キノフタロン系染料、フタロシアニン系染料、サブフタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造が好ましく、キサンテン系染料、シアニン系染料、トリフェニルメタン系染料、アントラキノン系染料、ジピロメテン系染料、フタロシアニン系染料から選ばれる色素に由来する色素構造がより好ましい。
【0039】
着色剤(A)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0040】
着色剤(A)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、5質量%以上70質量%以下が好ましく、10質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0041】
[バインダ樹脂(B)]
本発明の感光性着色組成物は、バインダ樹脂(B)を含む。
【0042】
バインダ樹脂(B)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、環状オレフィン樹脂等が挙げられる。
【0043】
バインダ樹脂(B)の重量平均分子量は、3,000~50,000が好ましい。
【0044】
バインダ樹脂(B)の酸価は、30~200mgKOH/gが好ましく、40~180mgKOH/gがより好ましい。
【0045】
バインダ樹脂(B)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0046】
バインダ樹脂(B)は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、1質量%以上80質量%以下が好ましく、3質量%以上70質量%以下がより好ましい。
【0047】
(重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1))
本発明の感光性着色組成物は、乗り上げ性の観点から、バインダ樹脂(B)として重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1)(以下、バインダ樹脂(B1)ともいう)を含むことが好ましい。重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1)を含むことで、乾燥過程で高不揮発分となっても急激な粘度上昇を抑制し、流動性を有することができる。そのため、膜が拡がりやすく、乗り上げ性が良好になると推測する。
【0048】
バインダ樹脂(B1)の重量平均分子量は、3,000~7,000がより好ましい。
【0049】
バインダ樹脂(B1)の含有量は、バインダ樹脂(B)100質量%中、50質量%以上100質量%以下が好ましく、60質量%以上100質量%以下がより好ましい。
【0050】
バインダ樹脂(B1)は、密着性、パターン形状の観点から、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)、及び重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を含む樹脂が好ましい。疎水性が高く、剛直性な脂環式炭化水素構造は、強靭な膜を形成でき、更に、重合性不飽和基を有することで、露光により樹脂同士が架橋することで、密着性、パターン形状が良好な膜が得られると推測する。
【0051】
バインダ樹脂(B1)は、例えば、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)を形成する単量体と、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を形成する単量体との共重合体や、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)を形成する単量体と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体に、重合性不飽和基を有する化合物を反応させて重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を導入した共重合体や、特開2008-165059号公報に記載の方法で得られた共重合体等が挙げられる。
【0052】
〔脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)〕
脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)を形成する単量体は、例えば、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0053】
脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)の含有量は、密着性、パターン形状の観点から、バインダ樹脂(B1)の全構成単位中、1~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましい。
【0054】
〔重合性不飽和基含有単量体単位(b2)〕
バインダ樹脂(B1)において、重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を形成する方法は、例えば、以下に示す(i)~(iii)の方法がある。
【0055】
<方法(i)>
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体(変性化合物)を付加する。
【0056】
エポキシ基含有単量体は、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0057】
カルボキシル基含有単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0058】
現像性の観点から、エポキシ基含有単量体単位のエポキシ基に、カルボキシル基含有単量体のカルボキシル基を付加させた部位に、酸無水物を反応させた部位も重合性不飽和基含有単量体単位(b2)として好ましい。
【0059】
酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0060】
<方法(ii)>
方法(ii)は、例えば、まず、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体のカルボキシル基にエポキシ基含有単量体(変性化合物)を付加する。
【0061】
<方法(iii)>
方法(iii)は、例えば、まず、水酸基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、及びその他単量体の重合体(前駆体)を重合する。次いで、前記前駆体の水酸基に、イソシアネート基含有単量体(変性化合物)のイソシアネート基を反応させる。
【0062】
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0063】
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0064】
重合性不飽和基含有単量体単位(b2)の含有量は、密着性、パターン形状の観点から、バインダ樹脂(B1)の全構成単位中、5~80モル%が好ましく、10~60モル%がより好ましい。
【0065】
バインダ樹脂(B1)は、脂環式炭化水素含有単量体単位(b1)及び重合性不飽和基含有単量体単位(b2)以外の単量体単位を含有できる。例えば、水酸基含有単量体単位(b3)、酸性基含有単量体単位(b4)、エポキシ基含有単量体単位(b5)、芳香環含有単量体単位(b6)、ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)、及びその他単量体単位(b8)が挙げられる。これらの単量体単位は、単独又は2種類以上を含有できる。
【0066】
〔水酸基含有単量体単位(b3)〕
水酸基含有単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
【0067】
〔酸性基含有単量体単位(b4)〕
酸性基含有単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、プロピオール酸、けい皮酸、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル、無水マレイン酸、フマル酸、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-アクリロイロキシエチルフタル酸、2-アクリロイロキシエチルヘキシルヒドロフタル酸、p-スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、tert-ブチルアクリルアミドスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
【0068】
〔エポキシ基含有単量体単位(b5)〕
エポキシ基含有単量体は、例えば、オキシラニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-オキシラニルエチル(メタ)アクリレート、2-グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3-(3,4-エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
【0069】
〔芳香環含有単量体単位(b6)〕
芳香環含有単量体は、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド(以下、EOともいう)又はプロピレンオキサイド(以下、POともいう)変性(メタ)アクリレート、フェノールEO又はPO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO又はPO変性(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
【0070】
〔ブロックイソシアネート基含有単量体単位(b7)〕
ブロックイソシアネート基含有単量体は、イソシアネート基含有単量体のイソシアネート基を、熱で脱離する化合物(以下、ブロック剤ともいう)で保護した単量体である。ブロック剤の脱離温度は、60~160℃が好ましい。
【0071】
イソシアネート基含有単量体は、例えば、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3-イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2-イソシアナト-1-メチルエチル(メタ)アクリレート、2-イソシアナト-1,1-ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4-イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネート等が挙げられる。また、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物との等モル反応生成物も使用できる。
【0072】
ブロック剤は、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、イミド化合物、尿素化合物、イミン化合物、及び重亜硫酸塩化合物等が挙げられる。
【0073】
オキシム化合物としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が挙げられる。これらの中でも、メチルエチルケトオキシムが好ましい。
ラクタム化合物としては、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。
フェノール化合物としては、フェノール、クレゾール、2,6-キシレノール、3,5-キシレノール、エチルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、ノニルフェノール、2-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ナフトール、p-ニトロフェノール等が挙げられる。これらの中でも、3,5-キシレノール、2-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチルが好ましい。
アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコールが挙げられる。
アミン化合物としては、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、アニリン、カルバゾール等が挙げられる。
活性メチレン化合物としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等が挙げられ、マロン酸ジエチルが好ましい。
ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール等が挙げられ、3,5-ジメチルピラゾールが好ましい。
メルカプタン化合物としては、ブチルメルカプタン、チオフェノール、tert-ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
イミド化合物としては、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、マレイミド、フタルイミド等が挙げられる。
尿素化合物としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
イミン化合物としては、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
重亜硫酸塩化合物としては、重亜硫酸ソーダ、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0074】
ブロック剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0075】
ブロック剤は、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール化合物、及びイミド化合物からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、保護反応、脱保護反応の観点から、オキシム化合物、フェノール化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0076】
ブロックイソシアネート基含有単量体は、例えば、以下の化合物が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0077】
【0078】
ブロックイソシアネート基含有単量体の市販品としては、昭和電工社製のカレンズMOI-DEM(ブロック剤の脱離温度:85~95℃),MOI-BP(ブロック剤の脱離温度:105~115℃),MOI-BM(ブロック剤の脱離温度:125~135℃)等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
【0079】
〔その他単量体単位(b8)〕
その他単量体は、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;
エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン等のN-置換マレイミド類;
ジメチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジエチル-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(n-プロピル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(イソプロピル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート、ジ(2-エチルヘキシル)-2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス-2-プロペノエート等が挙げられる。これらの単量体は、単独又は2種以上併用して使用できる。
【0080】
(バインダ樹脂(B2))
本発明の感光性着色組成物は、バインダ樹脂(B)としてバインダ樹脂(B1)以外のバインダ樹脂(B2)(以下、単にバインダ樹脂(B2)ともいう)を含有することができる。
【0081】
[重合性化合物(C)]
本発明の感光性着色組成物は、重合性化合物(C)を含む。
【0082】
重合性化合物(C)は、重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマーが挙げられる。重合性不飽和基は、例えば、ビニル基、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等が挙げられる。
【0083】
重合性化合物(C)は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
【0084】
市販品としては、日本化薬社製のKAYARAD R-128H,NPGDA,PEG400DA,FM-400,R-167,HX-220,HX-620,R-551,R712,R-604,R-684,GPO-303,PET-30,T-1420(T),RP-1040,DPHA,DPEA-12,D-310,D-330、DCPA-20,DCPA-30,DCPA-60,DCPA-120,FM-700,PM-2,PM-21、東亞合成社製のアロニックスM-101A,M-111,M-120,M-140,M-208,M-211B,M-215,M-22-,M-225,M-240,M-303,M-305,M-306,M-309,M-310,M-321,M-325,M-350,M-360,M-313,M-315,M-400,M-402,M-403,M-404,M-405,M-406,M-408,M-450,M-452,M-460,M-471,M-510,M-520,M-521,M-5300,M-5400,M-5700,M-920,MT-3041,3042、大阪有機社製のビスコート#150,#155,#160,#192,#190,2-MTA,MTG,MEDOL-10,OXE-10,OXE-30,#200,#196,#195,#230,#260,#310HP,#540,#802,#295,#300,#1000LT、共栄社化学社製のライトエステルHOP(N)、HOA(N),HOP-A(N),HOB(N),G-201P,HO-MS(N),P-1M、エポキシエステルM-600A,40EM,70PA,200PA,80MFA,3002M(N),3002A(N),3000A、ライトアクリレートHOA-HH(N),HOA-MS(N),HOA-MPL(N),P-1A(N)、AH-600、AT-600、UA-306H、UA-306T、UA-306I、UA-510H、UF-8001G、新中村化学社製のNKエステルAM-90G,AM-130G,AMP-20GY,A-LEN-10,A-SA,A-HD-N,A-NOD-N,A-DOD-N,A-NPG,701A,A-200,A-400,APG-200,APG-400,A-DCP,ABE-300,A-BPE-4,A-BPE-10,A-TMPT,A-TMPT-9EO,A-GLY-3E,A-GLY-9E,A-GLY-20E,A-9300,A-9200YN,A-TMMT,ATM-35E,AD-TMP,A-DPH,A-9550,A-DPH-12E,UA-1100H,U-6LPA,UA-33H,U-10HA,U-15HA、Miwon Specialty Chemical Co.,Ltd社製のMiramer HR6060,6100,6200,SP-1106,SP-1108、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL40,130,140,145、大阪ガスケミカル社製のOGSOL EA-0200,0300,GA-5060P,GA-2800、日油製のブレンマーGLM,GLM-R,GMR-M,GMR-R,GAM,GAM-R,G-FA80等が挙げられる。
【0085】
重合性化合物(C)は、単独又は2種以上を併用して使用できる。
【0086】
重合性化合物(C)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、5質量%以上70質量%以下が好ましく、10質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0087】
(25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1))
本発明の感光性着色組成物は、乗り上げ性の観点から、重合性化合物(C)として25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1)(以下、単に重合性化合物(C1)ともいう)を含むことが好ましい。25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1)を含むことにより、乾燥工程中、有機溶剤の揮発による膜内部の不揮発分が高まる過程において膜の急激な粘度上昇を抑制し、流動性が保持できる。そのため、膜が拡がりやすく、乗り上げ性が良好になると推測する。
【0088】
重合性化合物(C1)は、例えば、カプロラクトンアクリレート(67~82)、イソボニルアクリレート(15)、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(10~20)、フェノキシベンジルアクリレート(12~20)、ベンジルアクリレート(1~10)、ベンジルメタクリレート(1~10)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(2~10)、2-ヒドロキシプロピルアクリレート(3~8)、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(5~15)、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート(1~10)、1,6-ヘキサンジオールEO変性ジアクリレート(10~30)、1,9-ノナンジオールジアクリレート(5~15)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(5~10)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(3~15)、2-ヒドロキシ-3-メタクリルプロピルアクリレート(35~55)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(125~145)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(100~130)、トリプロピレングリコールジアクリレート(15~20)、ジプロピレングリコールジアクリレート(5~30)、トリエチレングリコールジアクリレート(10~20)、トリメチロールプロパントリアクリレート(80~120)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(35~55)、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(50~90)、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート(60~150)、グリセリンPO変性トリアクリレート(80~120)、ペンタエリスリトールEO変性テトラアクリレート(300~400)等が挙げられる。なお、カッコ内の数字は、25℃での粘度(mPa・S)である。これらの中でも、密着性、パターン形状の観点から、2~4官能の(メタ)アクリレートが好ましく、3又は4官能の(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0089】
重合性化合物(C1)の25℃での粘度は、乗り上げ性の観点から、1mPa・S以上200mPa・S以下がより好ましい。
【0090】
重合性化合物(C1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0091】
重合性化合物(C1)の含有量は、重合性化合物(C)100質量%中、5質量%以上70質量%以下が好ましく、15質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0092】
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C2))
本発明の感光性着色組成物は、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、重合性化合物(C)としてウレタン結合を有する重合性化合物(C2)(以下、単に重合性化合物(C2)ともいう)を含むことが好ましい。重合性化合物(C2)は、膜中で重合性不飽和基の反応による化学架橋構造とともにウレタン結合部の分子間水素結合による物理的架橋構造を形成する。このウレタン結合部の分子間水素結合のもつ分子凝集エネルギーは、エーテル結合など他の有機構造がもつ凝集エネルギーに比べて大きい。そのため、重合性化合物(C2)を含む感光性着色組成物が硬化した膜は、ウレタン結合間の相互作用により強固になると推測される。また、ウレタン結合間の相互作用は、化学結合よりは結合力が弱く、適度な柔軟性を有する。そのため、膜へのダメージを抑制できると推測する。また、ウレタン結合間の相互作用が、膜中での着色剤の動きを阻害することで、凝集を抑制し表面状態が良好となると推測する。
【0093】
重合性化合物(C2)は、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートに多官能イソシアネートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、多価アルコールに多官能イソシアネートを反応させ、さらに水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0094】
上記水酸基を有する(メタ)アクリレートは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド(PO)変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイルプロピルメタクリレート、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
【0095】
上記多官能イソシアネートは、例えば、脂肪族ジイソシアネートであるトリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネートであるイソホロンジイソシアネート、芳香族ジイソシアネートであるトリレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートや、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
【0096】
重合性化合物(C2)の重合性不飽和基数は、密着性、パターン形状の観点から、5~12個が好ましい。
【0097】
重合性化合物(C2)の分子量(重量平均分子量または式量)は、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、500~5,000が好ましく、500~3,000がより好ましく、500~2,000が特に好ましい。
【0098】
重合性化合物(C2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0099】
重合性化合物(C2)の含有量は、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、重合性化合物(C)100質量%中、30質量%以上80質量%以下が好ましく、20質量%以上70質量%以下がより好ましい。
【0100】
重合性化合物(C2)は、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、脂環式ウレタン(メタ)アクリレート、及び芳香族ウレタン(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。剛直な脂環式構造、又は芳香環構造を有することで、より強靭な塗膜を得ることができる。
【0101】
〔脂環式ウレタン(メタ)アクリレート〕
脂環式ウレタン(メタ)アクリレートは、特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。脂環式ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、上述の重合性化合物(C2)の原料の多官能イソシアネートに、脂環式構造を有する多官能イソシアネートを用いることで合成できる。
【0102】
上記脂環式構造を有する多官能イソシアネートは、例えば、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキシルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。また、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
【0103】
〔芳香族ウレタン(メタ)アクリレート〕
芳香族ウレタン(メタ)アクリレートは、特に限定されず、公知の化合物を用いることができる。芳香族ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、合成の際、上述の脂環式ウレタン(メタ)アクリレートの脂環式構造を有する多官能イソシアネートを、芳香環構造を有する多官能イソシアネートに変えることで得られる。
【0104】
上記芳香環構造を有する多官能イソシアネートは、例えば、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビスクロロメチルジフェニルメタンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネート-ベンジルクロライド、ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン等が挙げられる。また、これらのビュレット体、イソシアネートヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
【0105】
本発明の感光性着色組成物は、現像性の観点から、更に、酸性基を有する重合性化合物(C2)が好ましい。
【0106】
酸性基を有する重合性化合物(C2)は、例えば、上記水酸基を有する(メタ)アクリレートと上記多官能イソシアネートとを反応させ、次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させた化合物;上記多価アルコールに上記多官能イソシアネートを反応後、上記水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させ、次いで、生成物にカルボキシル基を有するメルカプト化合物を付加させた化合物;カルボキシル基を有する多価アルコールに上記多官能イソシアネートを反応させ、次いで、上記水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた化合物等が挙げられる。
【0107】
上記カルボキシル基を有するメルカプト化合物は、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、o-メルカプト安息香酸、2-メルカプトニコチン酸、メルカプトコハク酸等が挙げられる。
【0108】
上記カルボキシル基を有する多価アルコールは、例えば、上記多価アルコールと多塩基酸又はその無水物(例えば、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、無水フマル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等)とジメチロールプロピオン酸を反応させ得られる化合物等が挙げられる。
【0109】
本発明の感光性着色組成物は、乗り上げ性、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、重合性化合物(C1)と重合性化合物(C2)の質量比C1:C2が80:20~20:80が好ましく、70:30~30:70がより好ましい。
【0110】
[重合開始剤(D)]
本発明の感光性着色組成物は、重合開始剤(D)を含む。
【0111】
重合開始剤(D)は、特に制限がなく、公知の化合物を用いることができる。例えば、光又は熱の作用によってラジカルを発生させて、ラジカル重合反応を開始又は促進させる化合物が挙げられる。
光によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に光重合開始剤ともいう)は、紫外線から可視領域の光線に対してラジカルを発生させる化合物が好ましい。
熱によってラジカルを発生させる重合開始剤(以下、単に熱重合開始剤ともいう)は、熱及び光の作用によってラジカルを発生させる化合物であってもよい。
【0112】
光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルホリノ)フェニル]-2-(フェニルメチル)-1-ブタノン、又は2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン等のアセトフェノン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノーン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシム系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又はジフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物等が挙げられる。
【0113】
市販品では、アセトフェノン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad907,369E,379EG,127,184,1173,2959、アシルホスフィン系化合物として、IGM Resins社製のOmnirad819,TPO、オキシム系化合物として、BASFジャパン社製のIRGACURE OXE-01,02,03,04、ADEKA社製のアデカアークルズN-1919T,NCI-730,NCI-831E,NCI-930、常州強力新材料社製のTRONLY TR-PBG-301,304,305,309,314,345,358,380,365,610,3054,3057、IGM Resins社製のOmnirad1312,1314,1316,サムヤンコーポレーション社製のSPI-02,03,04,05,06,07、ダイトーケミックス社製のDFI-020,306,EOX-01等が挙げられる。また、特開2007-210991号公報、特開2009-179619号公報、特開2010-037223号公報、特開2010-215575号公報、特開2011-020998号公報、国際公開第2015/036910号、特表2019-507108号公報、特表2019-528331号公報、国際公開第2021/175855号等に記載の化合物も挙げられる。これらの中でも、密着性、パターン形状の観点から、オキシム系化合物が好ましい。
【0114】
以下、オキシム系化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
重合開始剤(D)は、密着性、パターン形状の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中での波長365nmの光の吸光係数が5.0×103L/mol・cm以上の化合物が好ましい。具体的には、上記化合物(D-1)、(D-2)、(D-3)、(D-4)、(D-5)、(D-6)、(D-8)、(D-9)、(D-10)、(D-12)、(D-15)、(D-16)等が挙げられる。
【0119】
熱重合開始剤は、例えば、ベンゾピナコール、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メチルフェニル)エタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メトキシフェニル)エタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリエチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(tert-ブチルジメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-tert-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン等のピナコール系化合物;
2,2’-アゾビス(4-メトキシ2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)2-メチルプロピオンアミド]、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等のアゾ系化合物;
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ブタン、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。これらの中でも、ピナコール系化合物が好ましい。
【0120】
重合開始剤(D)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0121】
重合開始剤(D)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
【0122】
[有機溶剤(E)]
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(E)を含む。
【0123】
(沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1))
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(E)として沸点が180℃以上220℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa未満の有機溶剤(E1)を、有機溶剤(E)100質量%中、0.1%質量以上10質量%未満含む。
【0124】
有機溶剤(E1)は、具体的に、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点188℃、蒸気圧90Pa)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃、蒸気圧55Pa)、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート(沸点188℃、蒸気圧53Pa)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃、蒸気圧30Pa)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点192℃、蒸気圧31Pa)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃、蒸気圧27Pa)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃、蒸気圧14Pa)、プロピレングリコール(沸点188℃、蒸気圧11Pa)、エチレングリコール(沸点198℃、蒸気圧7Pa)、オクタン酸エチル(沸点208℃、蒸気圧3Pa)等が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0125】
有機溶剤(E1)は、乗り上げ性、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、沸点180℃以上210℃以下、かつ、20℃での蒸気圧が10Pa以上80Pa未満であることがより好ましい。
【0126】
有機溶剤(E1)は、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、プロピレングリコールジアセテートを含むことがより好ましい。
【0127】
有機溶剤(E1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0128】
有機溶剤(E1)の含有量は、有機溶剤(E)100質量%中、0.5質量%以上8質量%未満であることがより好ましい。
【0129】
(沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2))
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(E)として沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上400Pa未満の有機溶剤(E2)を、有機溶剤(E)100質量%中、10質量%以上40質量%以下含む。
【0130】
有機溶剤(E2)は、具体的に、3-メトキシブチルアセテート(沸点171℃、蒸気圧369Pa)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃、蒸気圧330Pa)、ジイソブチルケトン(沸点168℃、蒸気圧230Pa)、ジアセトンアルコール(沸点167℃、蒸気圧224Pa)、3-エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃、蒸気圧200Pa)、3-メトキシ-1-ブタノール(沸点161℃、蒸気圧160Pa)等が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0131】
有機溶剤(E2)は、乗り上げ性、表面の欠陥抑制、密着性、及びパターン形状の観点から、沸点が160℃以上180℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が100Pa以上300Pa以下であることがより好ましい。
【0132】
有機溶剤(E2)は、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシ-1-ブタノールら選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0133】
有機溶剤(E2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0134】
有機溶剤(E2)の含有量は、有機溶剤(E)100質量%中、15質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。
【0135】
(沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3))
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(E)として沸点が120℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上の有機溶剤(E3)を、有機溶剤(E)100質量%中、55質量%以上85質量%以下含む。
【0136】
有機溶剤(E3)は、具体的に、シクロペンタノン(沸点130℃、蒸気圧1,380Pa)、酢酸ブチル(沸点126℃、蒸気圧1,200Pa)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点121℃、蒸気圧1,150Pa)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132℃、蒸気圧900Pa)、エチレングリコールモノメチルエーテル(沸点125℃、蒸気圧830Pa)、酢酸アミル(沸点142℃、蒸気圧747Pa)、3-メトキシプロピオン酸メチル(沸点142℃、蒸気圧707Pa)、1-メトキシ-2-プロパノール(沸点120℃、蒸気圧670Pa)、エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃、蒸気圧500Pa)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点145℃、蒸気圧500Pa)、シクロヘキサノン(沸点156℃、蒸気圧500Pa)等が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
【0137】
有機溶剤(E3)は、沸点130℃以上160℃未満、かつ、20℃での蒸気圧が400Pa以上800Pa以下であることがより好ましい。
【0138】
有機溶剤(E3)は、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピオン酸メチル、エチレングリコールモノエチルエーテルから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0139】
有機溶剤(E3)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0140】
有機溶剤(E3)の含有量は、有機溶剤(E)100質量%中、60質量%以上85質量%以下であることがより好ましい。
【0141】
本発明の感光性着色組成物は、有機溶剤(E1)、有機溶剤(E2)、有機溶剤(E3)の質量比E1:E2:E3が0.5~8:15~30:60~85が好ましい。
【0142】
(有機溶剤(E4))
本発明の感光性着色組成物は、課題を解決できる範囲で、有機溶剤(E)として有機溶剤(E1)、有機溶剤(E2)、及び有機溶剤(E3)以外の有機溶剤(E4)を含むことができる。
【0143】
有機溶剤(E4)は、例えば、酢酸n-プロピル、トルエン、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチル-n-ブチルエーテル、1,4-ブタンジオールジアセテート、1,6-ヘキサンジオールジアセテート等が挙げられる。
【0144】
有機溶剤(E4)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0145】
有機溶剤(E)の含有量は、感光性着色組成物100質量%中、60質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
また、有機溶剤(E1)、有機溶剤(E2)、及び有機溶剤(E3)の合計量は、有機溶剤(E)100質量%中、90質量%以上が好ましい。
【0146】
[分散樹脂(F)]
本発明の感光性着色組成物は、乗り上げ性、表面の欠陥抑制の観点から、分散樹脂(F)を含むことが好ましい。これにより、有機溶剤(E)が蒸発して、高不揮発分となっても急激な粘度上昇が抑制され、流動性が維持される。そのため、膜が拡がり易く、乗り上げ性が良好になると推測する。また、分散樹脂(F)は、着色剤(A)の凝集等による表面の欠陥を抑制する。なお、本明細書では分散樹脂(F)は、バインダ樹脂(B)に含まれない。
【0147】
分散樹脂(F)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。分散樹脂(F)は、例えば、ウレタン樹脂、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル、及びこれらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
【0148】
分散樹脂(F)の分子構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、分散安定性の観点から、ブロック構造、又はくし型構造が好ましい。
【0149】
分散樹脂(F)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0150】
分散樹脂(F)の含有量は、乗り上げ性、表面の欠陥抑制の観点から、着色剤(A)100質量部に対して、3質量部以上200質量部以下が好ましく、5質量部以上100質量部以下がより好ましい。
【0151】
(酸性基を有する分散樹脂(F1))
本発明の感光性着色組成物は、乗り上げ性、現像性の観点から、分散樹脂(F)として酸性基を有する分散樹脂(F1)を含むことがより好ましい。なお、本明細書では、酸性基を有する分散樹脂(F1)とは、酸性基の量が塩基性基の量よりも多い分散樹脂を表す。
【0152】
酸性基は、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
【0153】
酸性基を有する分散樹脂(F1)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、ポリカルボン酸、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸エスエル共重合体、リン酸エステル等が挙げられる。また、特開2007-23195号公報、国際公開第2008/007776号、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報、特開2009-251481号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等に記載の樹脂が挙げられる。
【0154】
酸性基を有する分散樹脂(F1)の市販品は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101,102,103,106,110,111,118,170,171,174,2096、BYK-P104、BYK-P105、BYK-220S、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000,21000,26000,36600,41000,41090,43000,45000,53095等が挙げられる。
【0155】
酸性基を有する分散樹脂(F1)は、乗り上げ性の観点から、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物、及び水酸基を2個以上有する化合物の反応生成部位であるエステル結合を有する芳香族カルボン酸エステル部位に基づく主鎖、並びにビニル重合体部位に基づく側鎖を有する樹脂を含むことが好ましい。
【0156】
主鎖の芳香族カルボン酸エステル部位は、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物と、水酸基を2つ以上有する化合物との開環反応により得られ、エステル結合が生成すると同時に芳香族カルボン酸が生成する。芳香族カルボン酸は、着色剤(A)への吸着部位として作用する。なお、芳香族カルボン酸とは、カルボキシル基と芳香環が直接結合する構造である。
【0157】
側鎖のビニル重合体部位は、立体反発部位として作用し、着色剤(A)の会合・凝集を抑制する。側鎖のビニル重合体部位は、例えば、下記の2つの方法で得ることができる。
1つ目の方法は、水酸基を2つ以上有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を共重合する方法である。水酸基を2つ以上有する化合物は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物が好ましい。
2つ目の方法は、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物と、水酸基を2つ以上有する化合物の水酸基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を共重合する方法である。
上記2つの方法は、エチレン性不飽和単量体を共重合したビニル重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
【0158】
以下、主鎖、及び側鎖について詳細に説明する。
【0159】
〔主鎖〕
芳香族カルボン酸エステル部位は、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物の無水物基と、水酸基を2つ以上有する化合物との開環反応によって得られる。
【0160】
酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物は、例えば、下記一般式(3)、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
【0161】
【0162】
一般式(3)中、nは1又は2を表す。
一般式(4)中、Qは直接結合、-O-、-CO-、-COOCH2CH2OCO-、-SO2-、-C(CF3)2-、下記一般式(5)で表される基、又は下記一般式(6)で表される基を表す。
【0163】
【0164】
酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物は、具体的には、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルメタン二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、又は3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-6-メチル-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。これらの中でも、芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、ピロメリット酸二無水物がより好ましい。
【0165】
水酸基を2個以上有する化合物は、上記の通り、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物が好ましい。
【0166】
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物は、例えば、1-メルカプト-1,1-メタンジオール、1-メルカプト-1,1-エタンジオール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(チオグリセリン)、2-メルカプト-1,2-プロパンジオール、2-メルカプト-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メルカプト-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1-メルカプト-2,2-プロパンジオール、2-メルカプトエチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、又は2-メルカプトエチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等が挙げられる。
【0167】
芳香族カルボン酸エステル部位は、水酸基を2個以上有する化合物1モルに対して、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物0.9~1.5モルの反応生成部位であることが好ましい。理論上、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物が1モルを超える場合、末端は酸無水物基となる。
【0168】
また、芳香族カルボン酸エステル部位の末端に存在する酸無水物基は、現像性の観点から、モノアルコールと反応させてもよい。すなわち、酸無水物基がモノアルコールで開環し、アルコールエステル及びカルボキシル基が生成する。これにより、現像液への溶解性が向上し、現像性が向上する。
【0169】
前記モノアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、1-ペンタノール、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、シクロペンタノール、1-ヘキサノール、シクロヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、イソノニルアルコール、1-ノニルアルコール、アミルアルコール、ラウリルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のモノアルコール;
3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシブタノール、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基を有するモノアルコール;
乳酸メチル、乳酸エチル、ダイアセトンアルコール等のカルボニル基を有するモノアルコール等が挙げられる。
これらの中でも、現像性の観点から、エーテル基又はカルボニル基を有する化合物であることが好ましく、3-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコールがより好ましい。
モノアルコールは、単独又は2種類以上を使用できる。
【0170】
酸無水物基に対するモノアルコールの使用量は、主鎖の酸無水物基1当量に対して1~30当量が好ましく、1.5~20当量がより好ましい。
【0171】
〔側鎖〕
ビニル重合体部位は、上述したように、水酸基を2つ以上有する化合物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(以下、単に単量体ともいう)を共重合する方法、酸無水物基を2つ以上有する芳香族化合物と、水酸基を2つ以上有する化合物の水酸基との反応生成物の存在下に、単量体を共重合する方法で得られる。
【0172】
前記単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、又はイソステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、又はメトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、又はイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、又はテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、又は3-メチル-3-オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、又はω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート;
スチレン、α-メチルスチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸ビニル、又は(メタ)アクリル酸アリル等のビニル;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はN,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル;
スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等の酸性基含有単量体が挙げられる。
【0173】
ビニル重合体部位は、熱硬化性基及び/又は重合性不飽和基を有することも好ましい。熱硬化性基は、例えば、水酸基、エポキシ基、オキセタニル基、tert-ブチル基、及びブロックイソシアネート基等が挙げられる。
熱硬化性基を導入するには、水酸基、エポキシ基、オキセタニル基、tert-ブチル基、及びブロックイソシアネート基等を有する単量体を使用することで導入できる。
重合性不飽和基を導入するには、例えば、ビニル重合体部位に存在する水酸基に、イソシアネート基を有する単量体のイソシアネート基を反応させることで導入できる。
【0174】
合成方法は、例えば、水酸基を2個以上有する化合物である片末端に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の存在下、単量体をラジカル重合し、片末端に2つの水酸基を有するビニル重合体を生成させ、酸無水物基を2個以上有する芳香族化合物であるテトラカルボン酸二無水物(b)と反応させることで得られる。更に、反応物の末端が酸無水物基の場合、モノアルコールと反応させれば、モノアルコールに由来する封止部位を導入できる。
【0175】
【0176】
(c)中、Xは、テトラカルボン酸二無水物(b)が水酸基と反応した後の反応残基、Zは、2つの水酸基を持つ化合物が酸無水物基と反応した後の反応残基、Rは、モノアルコールの残基である。
【0177】
ビニル重合体部位の重合温度は、40~150℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。40℃以上であれば重合が進行し易く、150℃以下であれば分子量の制御が容易になる。
【0178】
ビニル重合体部位の重合の際、単量体の全単量体質量を基準として、0.001~5質量%の重合開始剤を使用できる。重合開始剤は、アゾ系化合物及び有機過酸化物が挙げられる。
【0179】
アゾ系化合物は、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、又は2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等が挙げられる。
有機過酸化物は、例えば、過酸化ベンゾイル、tert-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、又はジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これら重合開始剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0180】
ビニル重合体部位の合成は、塊状重合又は溶液重合を行うことが好ましい。溶液重合の重合溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、又はジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。これらの重合溶媒は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0181】
芳香族カルボン酸エステル部位の合成には、反応触媒を使用できる。反応触媒は、3級アミン系化合物が好ましい。3級アミン系化合物は、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、又は1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン等が挙げられる。
【0182】
芳香族カルボン酸エステル部位の合成には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセトニトリル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶媒を使用できる。
【0183】
芳香族カルボン酸エステル部位の合成温度は、50~180℃が好ましく、80~140℃がより好ましい。
【0184】
酸性基を有する分散樹脂(F1)の重量平均分子量は、2,000~40,000が好ましく、4,000~30,000がより好ましい。
【0185】
酸性基を有する分散樹脂(F1)の酸価は、20~250mgKOH/gが好ましく、30~200mgKOH/gがより好ましい。
【0186】
酸性基を有する分散樹脂(F1)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0187】
(塩基性基を有する分散樹脂(F2))
本発明の感光性着色組成物は、分散樹脂(F)として塩基性基を有する分散樹脂(F2)を含むことができる。本明細書では、塩基性基を有する分散樹脂(F2)とは、塩基性基の量が酸性基の量よりも多い分散樹脂を表す。
【0188】
塩基性基は、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、及び含窒素複素環など窒素原子を含有する基等が挙げられる。
【0189】
塩基性基を有する分散樹脂(F2)は、特に制限がなく、公知の樹脂を用いることができる。例えば、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルとの塩、ポリエステルポリアミン、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の共重合体のアミン塩、ポリエチレンイミン化合物等が挙げられる。また、特開2013-119568号公報、特開2018-203795号公報、特開2019-089953号公報、特開2019-089954号公報、国際公開第2020/031634号等に記載の樹脂が挙げられる。
【0190】
塩基性基を有する分散樹脂(F2)の市販品としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-108、109,161,162,164,167,168,182,184,185,2000,2008,2013,2022,2050,2055、2150,2155,2163、BYK-LPN6919,21116、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-9000,13240,13650,13940,17000,18000,24000SC,24000GR,28000,31845,32000,32500,34750,35100,35200,36600,38500、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111,PB711,PB821,PB822,PB824等が挙げられる。
【0191】
塩基性基を有する分散樹脂(F2)の構造は、例えば、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造、くし型構造、及び星型構造等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性の観点から、ブロック構造が好ましい。
【0192】
塩基性基を有する分散樹脂(F2)のアミン価は、20~250mgKOH/gであることが好ましく、30~150mgKOH/gであることがより好ましい。
【0193】
塩基性基を有する分散樹脂(F2)の重量平均分子量は、2,000~60,000が好ましく、4,000~50,000がより好ましい。
【0194】
塩基性基を有する分散樹脂(F2)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0195】
[色素誘導体(G)]
本発明の感光性着色組成物は、色素誘導体(G)を含有できる。
【0196】
色素誘導体(G)は、特に制限はなく、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する色素誘導体が挙げられる。色素誘導体(G)は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物、及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料等が挙げられる。
【0197】
重合性化合物(C)、有機溶剤(E)等への溶解性が低い場合、色素誘導体(G)は、上述した着色剤(A)の微細化時に添加するか、後述する着色剤(A)の分散処理時に添加することが好ましい。色素誘導体(G)の平均一次粒子径は、5~200nmが好ましい。
【0198】
色素誘導体(G)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0199】
色素誘導体(G)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、2質量部以上20質量部以下がより好ましい。
【0200】
[増感剤(H)]
本発明の感光性着色組成物は、増感剤(H)を含有できる。
【0201】
増感剤(H)は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノール誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリ-ルメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0202】
増感剤(H)の中で、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましい。具体的な化合物は、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等が好ましい。
【0203】
増感剤(H)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0204】
増感剤(H)の含有量は、重合開始剤(D)100質量部に対して、3質量部以上60質量部以下が好ましく、5質量部以上50質量部以下がより好ましい。
【0205】
[熱硬化性化合物(I)]
本発明の感光性着色組成物は、熱硬化性化合物(I)を含有できる。
【0206】
熱硬化性化合物(I)は、低分子化合物や、樹脂のような高分子量化合物でもよい。熱硬化性化合物(I)は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、及びフェノール化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好ましい。
【0207】
(エポキシ化合物)
エポキシ化合物は、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノールボルナジエン、ビニルノールボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’-ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’-ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’-ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、アルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0208】
エポキシ化合物は、具体的には、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-1-メチルシクロヘキシル-3,4-エポキシ-1-メチルヘキサンカルボキシレート、6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-6-メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-3-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-メタジオキサン、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ-2-エチルヘキシル、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、1,2-エポキシ-2-エポキシエチルシクロヘキサン、ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)修飾ε-カプロラクトン、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。
【0209】
エポキシ化合物の市販品は、例えば、油化シェルエポキシ社製のエピコート807,815,825,827,828,190P,191P、三井化学社製のTECHMORE VG3101L、日本化薬社製のEPPN-201,501H,502H、EOCN-102S,103S,104S,1020ジャパンエポキシレジン社製のエピコート1004,1256、JER1032H60,157S65,157S70,152,154、ダイセル化学工業社製のセロキサイド2021、EHPE-3150、ナガセケムテックス社製のデナコールEX-211,212,252,313,314,321,411,421,512,521,611,612,614,614B,622,711,721、日産化学工業社製のTEPIC-L,H,S、DIC社製のEPICLON 830,840,850,860,1050,3050,4050,N-660、N-670,N-740,N-770,N865,HP-7200,HP-4700,HP-4770,HP-5000,HP-6000,HP-9500等が挙げられる。
【0210】
エポキシ化合物は、膜耐性の観点から、分子内に2~50個のエポキシ基を有する化合物が好ましく、10~30個のエポキシ基を有する化合物がより好ましい。
【0211】
エポキシ化合物のエポキシ当量は、50~400g/eqが好ましく、100~200g/eqがより好ましい。なお、エポキシ当量とは、1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量で定義される。
【0212】
エポキシ化合物は、下記一般式(7)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0213】
【0214】
一般式(7)中、Rは、m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基を表し、mは1~6、nは1~30の整数を表す。
【0215】
Rは、m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基を表す。
m価のアルコールからm個の水酸基を除いた基は、炭素原子数2~20のアルキル基が好ましく、直鎖状でも、分岐状でも、環状でも、それらが結合したものであってもよい。炭素原子数2~20のアルキル基は、例えば、エチル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、3,3-ジメチルブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素原子数3~12の分岐のアルキル基がより好ましい。
【0216】
mは1~6、nは1~30の整数を表す。
mが2以上の場合、一般式(7)中のそれぞれのカッコ内の基におけるnは同一でもよく、異なっていてもよい。
【0217】
一般式(7)で表される化合物は、具体的には、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物が挙げられる。市販品としては、ダイセル社製のEHPE-3150、EHPE-3150CE等が挙げられる。
【0218】
エポキシ化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0219】
エポキシ化合物の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0220】
(オキセタン化合物)
オキセタン化合物は、オキセタン基を有する公知の化合物である。オキセタン化合物は、1官能オキセタン化合物、2官能オキセタン化合物、3官能以上のオキセタン化合物が挙げられる。
【0221】
1官能オキセタン化合物は、例えば、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルアクリレート、(3-エチルオキセタン-3-イル)メチルメタクリレート、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(フェノキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-メタクリロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-{[3-(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
【0222】
2官能オキセタン化合物は、例えば、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、1,4-ビス{[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル-3-(2-フェノキシメチル)オキセタン、3,7-ビス(3-オキセタニル)-5-オキサ-ノナン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコ-スビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド(EO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド(PO)変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
【0223】
3官能以上のオキセタン化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロ-ルプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、オキセタン基を含有する樹脂(例えば、特許第3783462号記載のオキセタン変性フェノールノボラック樹脂等)等が挙げられる。
【0224】
オキセタン化合物の市販品は、例えば、宇部興産社製のOXBP,OXTP、大阪有機化学工業社製のOXE-10,30、東亞合成社製のOXT-101,212等が挙げられる。
【0225】
オキセタン化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0226】
オキセタン化合物の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上40質量%以下がより好ましい。
【0227】
メラミン化合物は、メラミン環構造を有する化合物である。メラミン化合物は、メチロール型やエーテル型の化合物が好ましく、メラミン環1個当たりのメチロール基および/またはエーテル基数が平均5.0以上のメラミン化合物がより好ましい。適度にメチロール基やエーテル基数を有すると過不足ない耐熱性が得やすい。
【0228】
メラミン化合物の市販品は、例えば、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MS-001,MX-002,MX-730,MX-750,MX-708,MX-706,MX-042,MX-45,MX-500,MX-520,MX-43,MX-417,MX-410、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,285,300,301,303,350,370等が挙げられる。
【0229】
これらの中でもメラミン環1個当たりのメチロール基、及び/又は、エーテル基数が平均5.0以上である、三和ケミカル社製の二カラックMW-30HM,MW-390,MW-100LM,MX-750LM,MW-30M,MW-30,MW-22,MS-21,MS-11,MW-24X,MX-45、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル232,235,236,238,300,301,303,350等は、架橋密度を高められる面で好ましい。
【0230】
メラミン化合物は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0231】
メラミン化合物の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
【0232】
熱硬化性化合物(I)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0233】
[硬化剤(硬化促進剤)]
本発明の感光性着色組成物は、熱硬化性化合物(I)の硬化を補助するため、硬化剤(硬化促進剤)を含有できる。
【0234】
硬化剤は、例えば、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。硬化剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)等が挙げられる。
【0235】
硬化剤は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0236】
硬化剤の含有量は、熱硬化性化合物(I)100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下が好ましい。
【0237】
[チオール系連鎖移動剤(J)]
本発明の感光性着色組成物は、チオール系連鎖移動剤(J)を含有できる。
【0238】
チオール系連鎖移動剤(J)は、重合開始剤(D)と併用すると光照射後のラジカル重合の際、酸素による重合阻害を受けにくいチイルラジカルが発生し、光硬化を促進する。
【0239】
チオール系連鎖移動剤(J)は、例えば、チオフェノール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプト-5-メトキシベンゾチアゾール、2-メルカプト-5-ベンゾイミダゾール、ブタンチオール、オクタンチオール、1-ドデカンチオール、3-メルカプトプロピオン酸メチル、3-メルカプトプロピオン酸エチル、3-メルカプトプロピオン酸オクチル、3-メルカプトプロピオン酸2-エチルヘキシル等の単官能チオール化合物;
2-メルカプトエタノール、1-チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプト安息香酸、3-メルカプト安息香酸、4-メルカプトニコチン酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、4-メルカプトブタン酸、チオグリコール酸オクチル、メルカプトコハク酸、11-メルカプトウンデカン酸、2-メルカプトエタンスルホン酸等の水酸基又は酸性基を有する単官能チオール化合物;
ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等の多官能チオール化合物が挙げられる。
【0240】
チオール系連鎖移動剤(J)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0241】
チオール系連鎖移動剤(J)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上8質量%以下がより好ましい。
【0242】
[重合禁止剤(K)]
本発明の感光性着色組成物は、重合禁止剤(K)を含有できる。
【0243】
重合禁止剤(K)は、例えば、カテコール、レゾールシノール、1,4-ヒドロキノン、2-メチルカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、2-エチルカテコール、3-エチルカテコール、4-エチルカテコール、2-プロピルカテコール、3-プロピルカテコール、4-プロピルカテコール、2-n-ブチルカテコール、3-n-ブチルカテコール、4-n-ブチルカテコール、2-t-ブチルカテコール、3-t-ブチルカテコール、4-t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチルカテコール等のアルキルカテコール系化合物、2-メチルレゾールシノール、4-メチルレゾールシノール、2-エチルレゾールシノール、4-エチルレゾールシノール、2-プロピルレゾールシノール、4-プロピルレゾールシノール、2-n-ブチルレゾールシノール、4-n-ブチルレゾールシノール、2-t-ブチルレゾールシノール、4-t-ブチルレゾールシノール等のアルキルレゾールシノール系化合物、メチルヒドロキノン、エチルヒドロキノン、プロピルヒドロキノン、t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン等のアルキルヒドロキノーン系化合物、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン等のホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト等のホスファイト化合物、ピロガロール、フロログルシン等が挙げられる。
【0244】
重合禁止剤(K)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0245】
重合禁止剤(K)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.01質量%以上0.4質量%以下が好ましい。
【0246】
[紫外線吸収剤(L)]
本発明の感光性着色組成物は、紫外線吸収剤(L)を含有できる。
【0247】
紫外線吸収剤(L)は、紫外線吸収機能を有する有機化合物であり、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、サリチル酸エステル系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、及びサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
【0248】
ベンゾトリアゾール系化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖及び直鎖アルキルエステルの混合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、メチル3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、2-(2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-p-クレゾール、2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)-6-t-ブチル-4-メチルフェノール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール2-イル)フェニル]プロピオネートが挙げられる。
【0249】
市販品は、例えば、BASFジャパン社製のTINUVIN P,PS,234,326,329,384-2,900,928,99-2,1130、ADEKA社製のアデカスタブLA-29,LA-31RG,LA-32,LA-36、ケミプロ化成社製のKEMISORB71,73,74,79,279、大塚化学社製のRUVA-93等が挙げられる。
【0250】
トリアジン系化合物は、例えば、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル)-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(ヘキシルオキシ)フェノール、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[2-(2-エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシ-3-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0251】
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB102、BASFジャパン社製のTINUVIN400,405,460,477,479,1577ED、ADEKA社のアデカスタブLA-46,LA-F70、サンケミカル社製のCYASORB UV-1164等が挙げられる。
【0252】
ベンゾフェノン系化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン5-スルホン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2’-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。
【0253】
市販品は、例えば、ケミプロ化成社製のKEMISORB10,11,11S,12,111、シプロ化成社製のSEESORB101,107、ADEKA社製のアデカスタブ1413、サンケミカル社製のUV-12等が挙げられる。
【0254】
サリチル酸エステル系化合物は、例えば、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。
【0255】
紫外線吸収剤(L)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0256】
紫外線吸収剤(L)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
【0257】
[酸化防止剤(M)]
本発明の感光性着色組成物は、酸化防止剤(M)を含有できる。
【0258】
酸化防止剤(M)は、例えば、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、およびヒドロキシルアミン系の化合物が挙げられる。なお、本発明で酸化防止剤は、ハロゲン原子を含有しない化合物が好ましい。
【0259】
これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましい。
【0260】
ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、例えば、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルメチル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス(3-ヒドロキシ-4-t-ブチル-2,6-ジメチルベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,2’-メチレンビス(6-t-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、i-オクチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエチルエステルのカルシウム塩、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、ビス[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)プロピオン酸]エチレンビスオキシビスエチレン、1,6-ヘキサンジオ-ルビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール等が挙げられる。
【0261】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-20,AO-30,AO-40,AO-50,AO-60,AO-80,AO-330、ケミプロ社製のKEMINOX101,179,76,9425、BASFジャパン社製のIRGANOX1010,1035,1076,1098,1135,1330,1726,1425WL,1520L,245,259,3114,5057,565、サンケミカル社製のサイアノックスCY-1790,CY-2777等が挙げられる。
【0262】
ヒンダードアミン系酸化防止剤は、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-ウンデカノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルメタクリレート、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールと3,5,5-トリメチルヘキサン酸のエステル、N,N’-4,7-テトラキス〔4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル〕-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1-(オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル,1,1-ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジル)[[3,5-ビス(1,1ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピリペリジルセバケート、ポリ[[6-モルホリノ-s-トリアジン-2,4-ジイル]-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]-ヘキサメチレン-[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-C12-21およびC18不飽和脂肪酸エステル、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0263】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブLA-52,LA-57,LA-63P,LA-68,LA-72,LA-77Y,LA-77G,LA-81,LA-82,LA-87,LA-402F,LA-502XP、ケミプロ化成社製のKAMISTAB29,62,77,94、BASFジャパン社製のTinuvin111FDL,123,144,249,292,5100、サンケミカル社製のサイアソーブUV-3346,UV-3529,UV-3853等が挙げられる。
【0264】
リン系酸化防止剤は、例えば、ジ(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)2-エチルヘキシルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、テトラ(C12~C15アルキル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4-ビフェニルジフォスホニト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、4,4’-イソプロピリデンジフェノールアルキルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリスジノニルフェニルホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)ホスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-ホスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジt-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。
【0265】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブPEP-36,PEP-8,HP-10,2112,1178,1500,C,135A,3010,TPP、BASFジャパン社製のIRGAFOS168、クラリアントケミカルズ社製のHostanoxP-EPQ等が挙げられる。
【0266】
イオウ系酸化防止剤は、例えば、2,2-ビス{〔3-(ドデシルチオ)-1-オキソプロポキシ〕メチル}プロパン-1,3-ジイルビス〔3-(ドデシルチオ)プロピオネート〕、3,3’-チオビスプロピオン酸ジトリデシル、2,2-チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4-ビス〔(オクチルチオ)メチル〕-o-クレゾール、2,4-ビス〔(ラウリルチオ)メチル〕-o-クレゾール等が挙げられる。
【0267】
市販品は、例えば、ADEKA社製のアデカスタブAO-412S,AO-503、ケミプロ化成社製のKEMINOXPLS等が挙げられる。
【0268】
酸化防止剤(M)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0269】
酸化防止剤(M)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。
【0270】
[レベリング剤(N)]
本発明の感光性着色組成物は、レベリング剤(N)を含有できる。
【0271】
レベリング剤(N)は、例えば、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0272】
シリコン系界面活性剤は、例えば、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーや、側鎖や末端に有機基を導入した変性シロキサンポリマーが挙げられる。
【0273】
市販品は、例えば、ビックケミー社製のBYK-300,306,310,313,315N,320,322,323,330,331,333,342,345,346,347,348,349,370,377,378,3455,UV3510,3570、東レ・ダウコーニング社製のFZ-7002,2110,2122,2123,2191,5609、信越化学工業社製のX-22-4952、X-22-4272、X-22-6266、KF-351A、KF-354L、KF-355A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、X-22-4515、KF-6004、KP-341等が挙げられる。
【0274】
フッ素系界面活性剤は、例えば、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。
【0275】
市販品は、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンS-242,243,420,611,651,386、DIC社製のメガファックF-253,477,551,552,555,558,560,570,575,576、R-40-LM、R-41、RS-72-K、DS-21、住友スリーエム社製のFC-4430,4432、三菱マテリアル電子化成社製のEF-PP31N09、EF-PP33G1、EF-PP32C1、ネオス社製フタージェントの602A等が挙げられる。
【0276】
ノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシフェニレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
【0277】
市販品は、例えば、花王社製のエマルゲン103,104P,106,108,109P,120,123P,130K,147,150,210P,220,306P,320P,350,404,408,409PV,420,430,705,707,709,1108,1118S-70,1135S-70,1150S-60,2020G-HA,2025G,LS-106,LS-110,LS-114,MS-110,A-60,A-90,B-66,PP-290、ラテムルPD-420,PD-430,PD-430S,PD-450、レオドールSP-L10,SP-P10,SP-S10V,SP-S20,SP-S30V,SP-O10V,SP-O30V、スーパーSP-L10,AS-10V,AO-10V,AO-15V,TW-L120,TW-L106,TW-P120,TW-S120V,TW-S320V,TW-O120V,TW-O106V,TW-IS399C、スーパーTW-L120,430V,440V,460V,MS-50,MS-60,MO-60,MS-165V、エマノーン1112,3199V,3299V,3299RV,4110,CH-25,CH-40,CH-60(K),アミ-ト102,105,105A,302,320、アミノーンPK-02S、L-02、ホモゲノールL-95、ADEKA社製のアデカプルロニック(登録商標)L-23,31,44,61,62,64,71,72,101,121、TR-701,702,704,913R、共栄社化学社製の(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフロ-No.75,No.90,No.95等が挙げられる。
【0278】
カチオン性界面活性剤は、例えばアルキルアミン塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0279】
市販品は、例えば、花王社製のアセタミン24、コータミン24P、60W、86Pコンク等が挙げられる。
【0280】
アニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
【0281】
市販品は、例えば、ネオス社製のフタージェント100,150、ADEKA社製のアデカホープYES-25、アデカコールTS-230E,PS-440E,EC-8600等が挙げられる。
【0282】
両性界面活性剤は、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0283】
市販品は、花王社製のアンヒトール20AB,20BS,24B,55AB,86B,20Y-B,20N等が挙げられる。
【0284】
レベリング剤(N)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0285】
レベリング剤(N)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.001質量%以上2質量%以下が好ましく、0.005質量%以上1質量%以下がより好ましい。
【0286】
[貯蔵安定剤(O)]
本発明の感光性着色組成物は、貯蔵安定剤(O)を含有できる。
【0287】
貯蔵安定剤(O)は、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。
【0288】
貯蔵安定剤(O)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0289】
貯蔵安定剤(O)の含有量は、感光性組成物の不揮発分100質量%中、0.05質量%以上5質量%以下が好ましい。
【0290】
[密着向上剤(P)]
本発明の感光性着色組成物は、密着向上剤(P)を含有できる。
【0291】
密着向上剤(P)は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類、p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類等が挙げられる。
【0292】
密着向上剤(P)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。
【0293】
密着向上剤(P)の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
【0294】
[近赤外線吸収化合物(Q)]
本発明の感光性着色組成物は、近赤外線吸収化合物(Q)を含有できる。これにより、近赤外線領域の光の透過率を制御できる。
【0295】
近赤外線吸収化合物(Q)は、波長700~2,000nmに極大吸収を有する化合物であり、顔料(近赤外線吸収顔料ともいう)であってもよく、染料(近赤外線吸収染料ともいう)であってもよい。また、近赤外線吸収顔料と近赤外線吸収染料を併用してもよい。耐熱性、耐光性の観点から、近赤外線吸収顔料が好ましい。
本明細書で近赤外線吸収顔料は、25℃のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100gに対する溶解度が、2g未満が好ましく、1g未満がより好ましく、0.5g以下が特に好ましい。
【0296】
近赤外線吸収化合物(Q)は、例えば、シアニン化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、インジゴ化合物、インモニウム化合物、アントラキノン化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物、クロコニウム化合物、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、酸化亜鉛、Alドープ酸化亜鉛、フッ素ドープ二酸化スズ、ニオブドープ二酸化チタン、セシウム酸化タングステン、銅、ニッケル、銀、金等の金属酸化物粒子又は金属粒子等が挙げられる。
【0297】
シアニン化合物は、国際公開第2006/006573号、国際公開第2010/073857号、特開2013-241598号公報、特開2016-113501号公報、特開2016-113504号公報等;フタロシアニン化合物は、特開平4-23868号公報、特開平06-192584号公報、特開2000-63691号公報、国際公開第2014/208514号等;ナフタロシアニン化合物は、特開平11-152414号公報、特開2000-86919号公報、特開2009-29955号公報、国際公開第2018/186490号、特開2022-91099号公報、特開2022-072558号公報等;インジゴ化合物は、特開2012-224593号公報、特開2013-87233号公報、特開2013-230412号公報等;インモニウム化合物は、特開2005-336150号公報、特開2007-197492号公報、特開2008-88426号公報等;アントラキノン化合物は、特開昭62-903号公報、特開平1-172458号公報等;ピロロピロール化合物は、特開2009-263614号公報、特開2010-90313号公報、特開2011-068731号公報、特開2014-130348号公報、国際公開第2015/166873号等;スクアリリウム化合物は、特開2011-132361号公報、特開2016-142891号公報、国際公開第2017/135359号、国際公開第2018/225837号、特開2019-001987号公報、国際公開第2020/054718号、国際公開2021/029195号等;クロコニウム化合物は、国際公開第2019/021767号等に記載の化合物が挙げられる。
これらの中でも、耐光性の観点から、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、インジゴ化合物、ピロロピロール化合物、スクアリリウム化合物からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【0298】
近赤外線吸収化合物(Q)は、単独又は2種類以上を併用して使用できる。2種類以上併用して用いる場合、極大吸収波長の異なる少なくとも2種の化合物を用いることが好ましい。これにより、1種類の近赤外線吸収化合物(Q)を使用した場合に比べて、吸収スペクトルの波形が広がり、幅広い波長範囲の近赤外線を吸収できる。
【0299】
近赤外線吸収化合物(Q)の含有量は、近赤外線吸収性の観点から、感光性着色組成物の不揮発分100質量%中、0.1質量%以上70質量%以下が好ましく、0.5質量%以上50質量%以下がより好ましい。
【0300】
[水の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、保存安定性の観点から、感光性着色組成物に含まれる水の含有量が2.0質量%以下であることが好ましい。
【0301】
感光性着色組成物に含まれる水の含有量は、1.5質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下が特に好ましい。また、水の含有量の下限は、特に制限はない。
【0302】
水の含有量を制御する方法は、特に制限がなく、公知の方法を用いることができる。例えば、上述した各成分について十分に乾燥等を行い、成分に含まれる水分量を減らしたもの使用する。また、乾燥した空気や不活性ガス、それらの混合ガスを吹き込みながら、感光性着色組成物を製造する方法や、製造後、モレキュラーシーブを投入し脱水する方法等が挙げられる。
【0303】
水の含有量は、カールフィッシャー法などの公知の方法により測定することができる。
【0304】
[特定金属元素の含有量]
本発明の感光性着色組成物は、保存安定性の観点から、感光性着色組成物に含まれるLi、Na、K、Mg、Ca、Fe、及びCr(以下、特定金属元素ともいう)の合計含有量が、500質量ppm以下であることが好ましい。
【0305】
特定金属元素の合計量が、上記範囲内の感光性着色組成物であると、経時保存後でも分散安定性・感度に優れる。特定金属元素の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)によって、測定できる。
【0306】
[感光性着色組成物の製造方法]
本発明の感光性着色組成物は、上述の各成分を攪拌・混合して調整できる。調整に際しては、各成分を一括配合してもよいし、各成分を有機溶剤に溶解や分散した後に逐次配合してもよい。着色剤(A)として溶解性の低い顔料を用いる場合は、分散処理することが好ましい。例えば、着色剤(A)、分散樹脂(F)、及び有機溶剤(E)等を加えて分散処理を行う。その後、バインダ樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、有機溶剤(E)を配合・混合することで製造できる。なお、各材料を配合するタイミングは、任意である。また、分散工程を複数回行うこともできる。
【0307】
分散処理を行う分散機は、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等が挙げられる。
【0308】
感光性着色組成物中の着色剤(A)の平均分散粒子径(二次粒子径)は、30~200nmが好ましく、40~200nmがより好ましい。適度な粒子径を有すると分散安定性が高い感光性着色組成物が得やすい。
【0309】
平均分散粒子径(二次粒子径)の測定方法は、例えば、動的光散乱法(FFTパワ-スペクトール法)を採用した日機装社のマイクロトラックUPA-EX150を用い、粒子透過性を吸収モ-ド、粒子形状を非球形とし、D50粒子径を平均径とする。測定用の希釈溶剤は分散に使用した有機溶剤をそれぞれ用い、超音波で処理したサンプルについてサンプル調整直後に測定するとバラツキが少ない結果が得られやすく好ましい。
【0310】
感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子、及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。本発明の感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下の粒子を含まないことがより好ましい。
【0311】
本発明の感光性着色組成物は、着色画素、及び積層フォトスペーサーを同時に形成するために用いることが好ましいが、着色画素、積層フォトスペーサーを別々に形成するために用いることもできる。
【0312】
<膜>
本発明の膜は、上述した感光性着色組成物を用いて形成される。膜はパターンを形成した膜が好ましいが、パターン形成をしない平坦膜として用いることもできる。
【0313】
[膜の製造方法]
膜の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、本発明の感光性着色組成物を基材上に塗工する工程を経て製造できる。
【0314】
基材は、例えば、ガラス、樹脂、シリコン等の材質で構成された基板が挙げられる。ガラスは、無色透明であってもよく、用途によってはブルーガラスのような着色ガラスを用いてもよい。これらの基材上には有機発光層が形成されてもよい。また、基材には、CCD、CMOS等の撮像素子が形成されていてもよい。また、基材上には、必要に応じて、上部との層との密着改良、物質の拡散防止、表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。基材の厚さは、50μm~1mmが好ましい。
【0315】
塗工方法は、公知の方法を使用できる。例えば、滴下法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、インクジェット法、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷等が挙げられる。
【0316】
膜の厚さは、目的に応じて適宜調節できる。膜の厚さは、0.05~20.0μmが好ましく、0.3~10.0μmがより好ましい。
【0317】
次に、パターンを形成する。パターンを形成する方法は、フォトリソグラフィー法やドライエッチング法が挙げられ、フォトリソグラフィー法が好ましい。なお、平坦膜として使用する場合は、パターンを形成する工程を行わなくてよく、塗工後、必要に応じて乾燥や全面を露光する。
【0318】
以下、パターンを形成する方法について詳細に説明する。
【0319】
フォトリソグラフィー法でパターンを形成する場合、基板上に本発明の感光性着色組成物を塗工して形成した層を、乾燥(プレベーク)した後、マスクを介してパターン状に露光(露光工程)し、未露光部分をアルカリ現像により除去(現像工程)後、パターンを加熱処理(ポストベーク工程)する。
【0320】
〔露光工程〕
露光工程は、塗工で形成した層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、マスクを介して特定のパターンを露光する。これにより、露光部分を硬化することができる。露光に用いる活性エネルギー線は、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、i線(波長365nm)等の紫外線が挙げられる。また、波長300nm以下の光を用いることもできる。波長300nm以下の光としては、KrF線(波長248nm)、ArF線(波長193nm)などが挙げられる。
また、露光に際しては、光を連続的に照射して露光してもよく、短時間(例えば、ミリ秒レベル以下)のサイクルで光の照射と休止を繰り返して露光(パルス露光)してもよい。
【0321】
〔現像工程〕
次に、アルカリ現像処理を行うことで、未露光部分の層がアルカリ水溶液に溶出し、硬化部分のみが残りパターン状の膜が得られる。
アルカリ現像液は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ-〔5.4.0〕-7-ウンデセン等のアルカリ性化合物が挙げられる。
アルカリ現像液の濃度は、0.001~10質量%が好ましく、0.01~1質量%がより好ましい。アルカリ現像液のpHは、11~13が好ましく、11.5~12.5がより好ましい。適度なpHで使用するとパターンの荒れや剥離を抑制し、現像後の残膜率が向上する。
現像方法は、例えば、ディップ法、スプレー法、パドル法等が挙げられる。現像温度は15~40℃が好ましい。なお、アルカリ現像後は、純水で洗浄することが好ましい。
【0322】
〔ポストベーク工程〕
現像後、加熱処理(ポストベーク)を行う。ポストベークにより、膜の耐性が向上する。
温度は、80~300℃が好ましい。また、時間は、2分間~1時間程度が好ましい。基材に耐熱性の低い素材を用いた場合や、発光層として有機エレクトロルミネッセンス素子を有する基材を用いた場合、温度は150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
【0323】
<カラーフィルタ>
本発明のカラーフィルタは、上述した感光性着色組成物を用いて形成された着色画素、及び積層フォトスペーサーを有する。
【0324】
図1は、本発明のカラーフィルタの構成例を示す概略断面図である。
【0325】
図1に示すカラーフィルタ(100)は、ガラス基板(110)上に、ブラックマトリックス(120)、本発明の感光性着色組成物で形成された着色画素(131、132、133)を有し、ブラックマトリックス(120)上に着色画素を構成する感光性着色組成物を1色以上積層して形成された積層フォトスペーサー(140)を有している。
【0326】
ブラックマトリックスは、画素表示装置のコントラストアップのために各着色画素間に形成する黒色層である。
【0327】
着色画素は、本発明の感光性着色組成物を用いて形成される。着色剤(A)を適宜選択することで、赤色画素、緑色画素、青色画素、マゼンタ色画素、シアン色画素、イエロー画素、グレー画素等を得ることができる。着色画素層の形成は、上述の膜と同様の方法で形成できる。
【0328】
積層フォトスペーサーは、本発明の感光性着色組成物を用いて、着色画素と同時に形成される。積層フォトスペーサーは、ブラックマトリックス上に1以上積層する。積層数は、画像表示装置として必要なセルギャップを得ることが出来れば特に制限はないが、2層又は3層が好ましい。
【0329】
本発明のカラーフィルタは、着色画素、及び積層フォトスペーサーの上に透明保護膜層を形成してもよい。
【0330】
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、上記カラーフィルタを有する。
【0331】
画像表示装置に用いる形態は、画像表示装置として機能すればよく、特に制限されない。例えば、「次世代液晶ディスプレイ技術(内田龍男著、(株)工業調査会、1994年発行)に記載されている構成等が挙げられる。
画像表示装置の定義や各画像表示装置の詳細については、例えば、「電子ディスプレイデバイス(佐々木昭夫著、(株)工業調査会、1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹順章著、産業図書(株)、平成元年発行)」等に記載されている。
【実施例0332】
以下、実施例で本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。また、本発明で不揮発分もしくは不揮発分濃度は、230℃で30分間オーブン静置後の質量残分をいう。
【0333】
実施例に先立ち、各測定方法について説明する。
【0334】
(樹脂の平均分子量)
樹脂の数平均分子量、重量平均分子量は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットール注入した。分子量は、ポリスチレン換算値である。
【0335】
(樹脂の酸価)
樹脂溶液0.5~1gに、アセトン80ml及び水10mlを加えて攪拌して均一に溶解させ、0.1mol/LのKOH水溶液を滴定液として、自動滴定装置(「COM-555」平沼産業社製)を用いて滴定し、酸価(mgKOH/g)を測定した。そして、樹脂溶液の酸価と樹脂溶液の不揮発分濃度から、樹脂の不揮発分あたりの酸価を算出した。
【0336】
(樹脂のアミン価)
樹脂のアミン価は、ASTM D 2074の方法に準拠し、測定した全アミン価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
【0337】
<着色剤(A)の製造>
(着色剤(A-7))
特開2014-12838号公報の記載に従って、Ni及びZnの金属イオンのモル比が65:35で、一般式(1)で表されるアゾ化合物及びそれの互変異性構造のアゾ化合物のアニオンと、一般式(2)で表される化合物を含む着色剤(A-7)を得た。
【0338】
<バインダ樹脂(B)の製造>
(重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1-1))
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)262.0部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン(以下、St)16.7部(0.16モル)、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)76.8部(0.54モル)、ジシクロペンタニルメタクリレート(以下、DCPMA)66.1部(0.3モル)と、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート19.0部、PGMAcの混合物を2.5時間かけて滴下した。
滴下終了後、120℃で更に2時間撹拌し前駆体を得た。その後、フラスコ内を空気に置換し、変性化合物としてアクリル酸(以下、AA)38.9部(0.54モル)と、触媒であるトリフェニルホスフィン0.6部及びメチルハイドロキノン0.2部を投入し、110℃で10時間反応させた。これにより、これにより、GMAのエポキシ基とAAのカルボキシル基を反応させ、GMAのエポキシ基の開裂により水酸基を生じさせると同時に重合性不飽和基を導入した(以下、GMA+AA)。
次いで、変性化合物として無水コハク酸(以下、SHA)40部(0.4モル)を加え、110℃で4時間反応させた。これにより、GMA+AAの水酸基の一部と無水コハク酸を反応させた(以下、GMA+AA+SHA)。その後、不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。酸価95mgKOH/g、重量平均分子量5,000であった。なお、表1で配合量はモル%で表記する。
【0339】
(重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1-2)~(B1-5))
表1に記載の構成、重量平均分子量となるように単量体の種と量、重合開始剤の量を変え、重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1-2)~(B1-5)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を40質量%とした。
【0340】
【0341】
表1に記載のGMA+AA+THPAは、GMA+AAの水酸基の一部とテトラヒドロ無水フタル酸(以下、THPA)を反応させた重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を表す。
【0342】
(バインダ樹脂(B2-1))
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管、及び撹拌装置を取り付けた反応容器にPGMAc196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート(以下、BzMA)25.1部、n-ブチルメタクリレート(以下、n-BMA)23.0部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMA)14.3部、メタクリル酸(以下、MAA)13.4部、パラクミルフェノールEO変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)24.1部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。
滴下終了後、更に3時間反応させた。室温まで冷却した後、不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。酸価87mgKOH/g、重量平均分子量25,000であった。なお、表2で配合量はモル%で表記する。
【0343】
(バインダ樹脂(B2-2)~(B2-4))
表2に記載の構成、重量平均分子量となるように単量体の種と量、重合開始剤の量を変え、バインダ樹脂(B2-2)~(B2-4)を合成し、PGMAcを添加し不揮発分を40質量%とした。
【0344】
【0345】
表2に記載のMAA+GMAは、前駆体中のメタクリル酸(以下、MAA)のカルボキシル基に、GMAのエポキシ基を付加させた重合性不飽和基含有単量体単位(b2)を表す。
【0346】
<重合性化合物(C)の製造>
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C2-1))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、PGMAc100部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からトルエンジイソシアネート66部とPGMAc66部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2,180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。ついで、メルカプト酢酸35部、4-メトキシフェノール0.6部を仕込み、50~60℃の温度で6時間反応させた。不揮発分が50質量%となるようにPGMAcを添加し、平均重合性不飽和基数9の酸性基を有する芳香族ウレタンアクリレートを得た。
【0347】
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C2-2))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、PGMAc100部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からイソホロンジイソシアネート部84とPGMAc84部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。不揮発分が50質量%となるようにPGMAcを添加し、平均重合性不飽和基数10の脂環式ウレタンアクリレートを得た。
【0348】
(ウレタン結合を有する重合性化合物(C2-3))
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた5口フラスコに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート400部、PGMAc100部、N,N-ジメチルベンジルアミン0.5部を仕込み、70℃に昇温し、滴下管からヘキサメチレンジイソシアネート64部とPGMAc64部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下後、50~70℃の温度で8時間反応させ、IRにより2,180cm-1のイソシアネートの吸収の消失を確認した。不揮発分が50質量%となるようにPGMAcを添加し、平均重合性不飽和基数10の脂肪族ウレタンアクリレートを得た。
【0349】
<分散樹脂(F)の製造>
(酸性基を有する分散樹脂(F1-1))
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i-ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、PGMAc50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をPGMAc90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、PGMAc50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、不揮発分30%となるようPGMAcを加えて酸性基を有する分散樹脂(F1-1)を得た。なお、樹脂は、酸価70mgKOH/g、重量平均分子量8,500であった。
【0350】
(塩基性基を有する分散樹脂(F2-1))
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート40部、nーブチルメタクリレート10部、触媒としてテトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、開始剤としてブロモイソ酪酸エチル9.3部、触媒として塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロック(Bブロック)の重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、PGMAc50部、第二ブロック(Aブロック)モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート40部、メタクリロイルオキシエチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド10部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロック(Aブロック)の重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。室温まで冷却した後、約2gをサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が30質量%になるようにPGMAcを添加して塩基性基を有する分散樹脂(F2-1)を得た。なお樹脂は、アミン価が169.8mgKOH/gであった。
【0351】
<分散体の製造>
(分散体1)
下記の原料を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビ-ズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、孔径1.0μmのフィルタで濾過し、分散体1を作製した。
着色剤(A-1) :15.0部
分散樹脂(F-1) : 5.0部
分散樹脂(F-2) :10.0部
有機溶剤(E3-1) :70.0部
【0352】
(分散体2~13)
表3に記載した成分、量を変えた以外は、分散体1と同様にして分散体2~13を作製した。
【0353】
【0354】
【0355】
表3-1、表3-2に記載したそれぞれの成分は、以下の通りである。
【0356】
[着色剤(A)]
A-1:C.I.ピグメントグリーン58
A-2:C.I.ピグメントグリーン59
A-3:C.I.ピグメントグリーン63
A-4:C.I.ピグメントイエロー138
A-5:C.I.ピグメントイエロー139
A-6:C.I.ピグメントイエロー150
A-7:合成した着色剤(A-7)
A-8:C.I.ピグメントレッド254
A-9:C.I.ピグメントレッド177
A-10:C.I.ピグメントブルー15:6
A-11:C.I.ピグメントバイオレット23
【0357】
【0358】
[有機溶剤(E)]
E3-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点145℃、蒸気圧500Pa)
【0359】
<感光性着色組成物の製造>
[実施例1]
(感光性着色組成物1)
以下の原料を混合、攪拌し、孔径1.0μmのフィルタで濾過して感光性着色組成物1を得た。
分散体1 :28.0部
分散体4 :7.0部
重量平均分子量3,000~8,000のバインダ樹脂(B1-1):3.25部
25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1-1) :1.5部
ウレタン結合を有する重合性化合物(C2-1) :2.0部
ウレタン結合を有する重合性化合物(C2-3) :2.0部
その他重合性化合物(C3-1) :1.0部
重合開始剤(D-1) :0.5部
有機溶剤(E1-1) :2.0部
有機溶剤(E2-1) :22.0部
有機溶剤(E3-1) :28.95部
熱硬化性化合物(I) :0.8部
レベリング剤(N) :1.0部
【0360】
[実施例2~56、及び比較例1~4]
(感光性着色組成物2~60)
表4-1~表4-6に記載した原料、量になるように実施例1と同様にして感光性着色組成物2~60を作製した。
【0361】
【0362】
【0363】
【0364】
【0365】
【0366】
【0367】
表4-1~表4-6に記載したそれぞれの原料については、以下の通りである。なお、表4-1~表4-6では、各成分に含まれる有機溶剤は、有機溶剤(E)に加えて記載している。
【0368】
[重合性化合物(C)]
(25℃での粘度が500mPa・S以下の重合性化合物(C1))
C1-1:トリメチロールプロパントリアクリレート(80~120mPa・S)
C1-2:トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(50~90mPa・S)
C1-3:ペンタエリスリトールEO変性テトラアクリレート(300~400mPa・S)
C1-4:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(125~145mPa・S)
【0369】
(重合性化合物(C1)及び(C2)以外の重合性化合物(C3))
C3-1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(7,500mPa・S以上)
C3-2:アロニックスM-521(東亜合成社製:酸性基を有する多官能アクリレート、40,000mPa・S以上)
C3-3:KAYARAD DPCA-20(日本化薬社製:ラクトン変性された多官能アクリレート、1,500mPa・S以上)
【0370】
[重合開始剤(D)]
D-1:上述した(D-1)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が7,051L/mol・cm)
D-2:上述した(D-2)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が13,410L/mol・cm)
D-3:上述した(D-3)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が27,257L/mol・cm)
D-4:上述した(D-4)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が14,214L/mol・cm)
D-5:上述した(D-5)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が14,127L/mol・cm)
D-6:上述した(D-6)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が18,334L/mol・cm)
D-7:上述した(D-7)の化合物(波長365nmの光の吸光係数が3,884L/mol・cm)
D-8:下記化合物(波長365nmの光の吸光係数が5,000L/mol・cm未満)
【0371】
【0372】
[有機溶剤(E)]
(有機溶剤(E1))
E1-1:プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃、蒸気圧30Pa)
E1-2:ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点188℃、蒸気圧90Pa)
E1-3:エチレングリコール(沸点198℃、蒸気圧7Pa)
E1-4:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点188℃、蒸気圧55Pa)
E1-5:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点192℃、蒸気圧31Pa)
E1-6:ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃、蒸気圧14Pa)
【0373】
(有機溶剤(E2))
E2-1:3-エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃、蒸気圧200Pa)
E2-2:ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃、蒸気圧330Pa)
E2-3:3-メトキシブチルアセテート(沸点171℃、蒸気圧369Pa)
E2-4:3-メトキシ-1-ブタノール(沸点161℃、蒸気圧160Pa)
【0374】
(有機溶剤(E3))
E3-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点145℃、蒸気圧500Pa)
E3-2:エチレングリコールモノエチルエーテル(沸点135℃、蒸気圧500Pa)
E3-3:3-メトキシプロピオン酸メチル(沸点142℃、蒸気圧707Pa)
E3-4:シクロヘキサノン(沸点156℃、蒸気圧500Pa)
E3-5:プロピレングリコールモノエチルエーテル(沸点132℃、蒸気圧900Pa)
【0375】
(有機溶剤(E4))
E4-1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃、蒸気圧1.4Pa)
E4-2:酢酸n-プロピル(沸点101℃、蒸気圧3,300Pa)
【0376】
[熱硬化性化合物(I)]
EHPE-3150(ダイセル社製、一般式(7)で表される化合物、エポキシ基数が約15個、エポキシ当量が170~190g/eq)
【0377】
[レベリング剤(N)]
BYK-330(ビックケミー社製)1部をPGMAc99部に溶解させた溶液をレベリング剤(N)とした。
【0378】
表5に感光性着色組成物1~60の有機溶剤(E)100質量%中の有機溶剤(E1)~(E4)の質量%、及び感光性着色組成物100質量%中の有機溶剤(E)の質量%を示す。
【0379】
【0380】
【0381】
<感光性着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物1~60について、以下の評価を行った。評価結果を表6に示す。
【0382】
[現像性評価]
得られた感光性着色組成物を、縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で真空度が65Paとなるまで乾燥した。次いで、超高圧水銀灯を用い、100μm幅のストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブンで230℃30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行った。走査型電子顕微鏡を用いて、倍率2万倍で未露光部に残る残渣の量を測定した。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能とする。
5:未露光部に、残渣がなかった。
4:未露光部に1.0μm四方に残渣が、1~5個観察された。
3:未露光部に1.0μm四方に残渣が、6~10個観察された。
2:未露光部に1.0μm四方に残渣が、11~20個観察された。
1:未露光部に1.0μm四方に残渣が、21個以上観察された。
【0383】
[密着性評価]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で真空度が65Paとなるまで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、5μm幅刻みのストライプパターンストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱し評価用基板を得た。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での被膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。
評価用基板のパターンのうち幅5~25μmの細線パターンについて、光学顕微鏡で観察し、残存した細線パターンを確認した。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能とする。
5:10μm以下の細線が残存している。
4:15μm以上の細線が残存している。
3:20μm以上の細線が残存している。
2:25μmの細線が残存している。
1:細線が残存していない。
【0384】
[パターン形状評価]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で真空度が65Paとなるまで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、照度30mW/cm2、露光量25mJ/cm2及び50mJ/cm2の2水準で、100μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いて、スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。得られた基板をクリーンオーブンで、230℃30分間ポストベークし評価用基板を得た。
得られた評価用基板を、Nikon社製ECLIPSE LV100POL Model光学顕微鏡を用いて、露光量25mJ/cm2の線幅(CD25)及び50mJ/cm2の線幅(CD50)を測定し、下記式(1)より露光量の違いによる線幅の差(ΔCD)を求めた。評価基準は、以下の通りであり、3以上が実用可能とする。
式(1):ΔCD=CD50-CD25
5:ΔCDが、2μm未満
4:ΔCDが、2μm以上、3μm未満
3:ΔCDが、3μm以上、5μm未満
2:ΔCDが、5μm以上、6μm未満
1:ΔCDが、6μm以上
【0385】
[表面欠陥評価]
得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により縦100mm×横100mm、0.7mm厚のガラス基板(コーニング社製イーグル2000)に、乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で真空度が65Paになるまで乾燥した。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀灯を用い、25μm幅ストライプパターンのフォトマスクを介して照度30mW/cm2、50mJ/cm2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いて、スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し評価用基板を得た。
得られた評価用基板を、異物検査装置(KLA-Tencor社製)を用いて、欠陥密度を測定した。なお、欠陥とは、サイズが1μm以上となる検出点をいう。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
5:10個/cm2以下
4:10個/cm2を超え、30個/cm2以下
3:30個/cm2を超え、50個/cm2以下
3:50個/cm2を超え、70個/cm2以下
1:70個/cm2超える
【0386】
[乗り上げ性評価(1)]
厚み2.0μmのブラックマトリックス220が形成されたガラス基板210上に、得られた感光性着色組成物を、スピンコート法により着色画素230の乾燥後の膜厚(イ)が2.5μmとなるように塗工し、減圧乾燥機で真空度が65Paとなるまで乾燥した。次いで、超高圧水銀灯を用い、フォトマスクを介して照度30mW/cm
2、50mJ/cm
2で露光した。その後、この基板を23℃の非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水系現像液を用いて、スプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾した。得られた基板をクリーンオーブンで、230℃30分間ポストベークし、
図2で示す乗り上げ性評価用基板200を作製した。
得られた乗り上げ性評価用基板200の着色画素230部分の厚み(イ)、積層フォトスペーサー240部分の厚み(ロ)を測定し、下記式(2)より乗り上げ性を評価した。評価基準は、以下の通りであり、3以上を実用可能とする。
なお、膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて測定した。
式(2):乗り上げ性(%)=(ロ)÷(イ)×100
5:75%以上、80%未満
4:80%以上、82.5%未満
3:82.5%以上、85%未満
2:85%以上、90%未満
1:90%以上
【0387】
[乗り上げ性評価(2)]
減圧乾燥機で真空度が65Paとなるまで乾燥後、更にホットプレートで70℃100秒乾燥した以外は、上記乗り上げ性評価(1)と同様方法で評価基板を作製した。そして、上記乗り上げ性評価(1)と同様の方法、基準で乗り上げ性を評価した。
【0388】
【0389】
表6の結果から実施例1~56は、本願の課題を解決できることがわかる。また、乗り上げ性評価(2)の結果が優れている実施例は、乾燥工程が真空乾燥に加え加熱乾燥を行う場合にも良好な乗り上げ性が得られる。