特開 2024-89382 ユーザ管理プログラム、ユーザ管理システム、及びユーザ管理方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024089382

(43)【公開日】2024-07-03

(54)【発明の名称】ユーザ管理プログラム、ユーザ管理システム、及びユーザ管理方法

(51)【国際特許分類】

   G06Q 20/08 20120101AFI20240626BHJP

【ＦＩ】

G06Q20/08

【審査請求】有

【請求項の数】9

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022204718

(22)【出願日】2022-12-21

(71)【出願人】

【識別番号】593022629

【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー

(74)【代理人】

【識別番号】100126480

【弁理士】

【氏名又は名称】佐藤 睦

(74)【代理人】

【識別番号】100140431

【弁理士】

【氏名又は名称】大石 幸雄

(72)【発明者】

【氏名】間下 公照

(72)【発明者】

【氏名】堀口 智也

(72)【発明者】

【氏名】南井 享

(72)【発明者】

【氏名】三宮 維光

【テーマコード（参考）】

5L020

5L055

【Ｆターム（参考）】

5L020AA21

5L055AA21

(57)【要約】

【課題】さまざまな状況での決済処理に対応可能となる。
【解決手段】ユーザ管理プログラムは、コンピュータに、ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、ユーザと事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付ける決済手段登録部と、取引の決済に関する処理を行う決済システムから、決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付ける決済トークン登録部と、ユーザを識別するユーザ識別情報を登録する識別情報登録部と、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成するユーザ管理部と、を実現させる。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

コンピュータに、
ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、前記ユーザと前記事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付ける決済手段登録部と、
取引の決済に関する処理を行う決済システムから、前記決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付ける決済トークン登録部と、
前記ユーザを識別するユーザ識別情報を登録する識別情報登録部と、
前記決済手段情報、前記決済用トークン情報、及び前記ユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成するユーザ管理部と、
を実現させるユーザ管理プログラム。

【請求項2】

前記コンピュータに、
前記ユーザと前記事業者との第２取引に応じて、前記事業者システムから、前記決済手段情報、前記決済用トークン情報、及び前記ユーザ識別情報の少なくともいずれかを含む決済要求情報を取得する決済要求情報取得部と、
前記ユーザ管理情報及び前記決済要求情報に基づいて、前記決済システムに、前記第２取引の決済に関する処理をするための決済処理情報を出力する決済処理情報出力部と、
をさらに実現させる請求項１に記載のユーザ管理プログラム。

【請求項3】

前記コンピュータに、
前記取得される決済要求情報に前記決済用トークン情報が含まれない場合に、前記ユーザ管理情報に基づいて、前記取得される決済要求情報に対応する前記決済用トークン情報を抽出する登録情報抽出部をさらに実現させ、
前記決済処理情報出力部は、前記抽出される決済用トークン情報にさらに基づいて、前記決済システムに、前記抽出される決済用トークン情報が示す決済用トークンを用いた前記第２取引の決済に関する処理をするための前記決済処理情報を出力する、
請求項２に記載のユーザ管理プログラム。

【請求項4】

前記コンピュータに、
前記取得される決済要求情報に前記ユーザ識別情報が含まれない場合に、前記ユーザ管理情報に基づいて、前記取得される決済要求情報に対応する前記ユーザ識別情報を抽出する登録情報抽出部と、
前記事業者システムに、前記抽出されるユーザ識別情報を出力する識別情報出力部と、
をさらに実現させる請求項２又は３に記載のユーザ管理プログラム。

【請求項5】

前記ユーザ管理部は、取引に応じた前記ユーザに対する優待を管理するための優待管理情報をさらに対応付けた前記ユーザ管理情報を生成し、
前記決済処理情報出力部は、前記取得される決済要求情報に対応する前記優待管理情報にさらに基づいて、前記決済処理情報を出力する、請求項２又は３に記載のユーザ管理プログラム。

【請求項6】

前記コンピュータに、
前記事業者システムから、前記出力されるユーザ識別情報に対応する、取引に応じた前記ユーザに対する優待を管理するための優待管理情報を取得する優待管理情報取得部をさらに実現させ、
前記決済処理情報出力部は、前記取得される優待管理情報にさらに基づいて、前記決済処理情報を出力する、
請求項４に記載のユーザ管理プログラム。

【請求項7】

前記識別情報登録部は、前記第１取引の決済に際して前記事業者システムから取得される、前記事業者システムにおいて前記ユーザを識別するための、前記ユーザ識別情報を登録する、請求項１～３のいずれか一項に記載のユーザ管理プログラム。

【請求項8】

ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、前記ユーザと前記事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付ける決済手段登録部と、
取引の決済に関する処理を行う決済システムから、前記決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付ける決済トークン登録部と、
前記ユーザを識別するユーザ識別情報を登録する識別情報登録部と、
前記決済手段情報、前記決済用トークン情報、及び前記ユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成するユーザ管理部と、
を備えるユーザ管理システム。

【請求項9】

コンピュータが、
ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、前記ユーザと前記事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付け、
取引の決済に関する処理を行う決済システムから、前記決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付け、
前記ユーザを識別するユーザ識別情報を登録し、
前記決済手段情報、前記決済用トークン情報、及び前記ユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成する、
ユーザ管理方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、ユーザ管理プログラム、ユーザ管理システム、及びユーザ管理方法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、ユーザと事業者との取引に際して、事前に登録されている情報に基づいて、取引の決済処理を行うシステムが知られていた。

【0003】

例えば、特許文献１には、１以上のポイント管理システムからなるポイントシステムが記載されている。ポイント管理システムの各々は、自己のポイント管理システムに紐付けられている決済手段を提供する会社を識別する会社ＩＤを格納した紐付けテーブルを記憶するポイント管理サーバと、決済手段を用いて決済を行う決済端末を有する。ポイント管理サーバは、決済端末における決済手段を用いる決済時に、紐付けテーブルに基づいて、決済手段が自己のポイント管理システムに紐付けられている場合、決済手段を用いる顧客を識別する顧客ＩＤに対して決済金額に応じたポイントを付与する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０１５－５６１０７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１に記載されているポイントシステムでは、事前に、ユーザの決済手段がポイント管理システムに紐付けられていることが前提とされている。そのため、ポイント管理システムに紐付けられていない決済手段を用いた決済については考慮されていない。

【0006】

そこで、本発明は、さまざまな状況での決済処理に対応可能なユーザ管理プログラム、ユーザ管理システム、及びユーザ管理方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明の一態様に係るユーザ管理プログラムは、コンピュータに、ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、ユーザと事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付ける決済手段登録部と、取引の決済に関する処理を行う決済システムから、決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付ける決済トークン登録部と、ユーザを識別するユーザ識別情報を登録する識別情報登録部と、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成するユーザ管理部と、を実現させる。

【0008】

本発明の一態様に係るユーザ管理システムは、ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、ユーザと事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付ける決済手段登録部と、取引の決済に関する処理を行う決済システムから、決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付ける決済トークン登録部と、ユーザを識別するユーザ識別情報を登録する識別情報登録部と、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成するユーザ管理部と、を備える。

【0009】

本発明の一態様に係るユーザ管理方法は、コンピュータが、ユーザと取引を行う事業者の事業者システムから、ユーザと前記事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付け、取引の決済に関する処理を行う決済システムから、決済手段情報に対応する決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付け、ユーザを識別するユーザ識別情報を登録し、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成する。

【0010】

なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、１つの「部」又は装置が有する機能が２つ以上の物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されても、２つ以上の「部」又は装置の機能が１つの物理的手段、装置、又はソフトウェアモジュールにより実現されてもよい。

【発明の効果】

【0011】

本発明によれば、さまざまな状況での決済処理に対応可能なユーザ管理プログラム、ユーザ管理システム、及びユーザ管理方法を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の一実施形態であるユーザ管理システム１００における処理の概要を示す図である。

【図2】本発明の一実施形態であるユーザ管理システム１００の構成を示す図である。

【図3】記憶部１０５に記憶される決済手段登録情報の例を示す図である。

【図4】記憶部１０５に記憶される決済用トークン登録情報の例を示す図である。

【図5】記憶部１０５に記憶されるユーザ識別登録情報の例を示す図である。

【図6】記憶部１０５に記憶されるユーザ管理情報の例を示す図である。

【図7】記憶部１０５に記憶される決済処理情報の例を示す図である。

【図8】ユーザ管理システム１００における処理の例を示すフローチャートである。

【図9】ユーザ管理システム１００における処理の例を示すフローチャートである。

【図10】ユーザ管理システム１００における処理の例を示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0013】

添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態であるユーザ管理システム１００における処理の概要を示す図である。

【0014】

ユーザ管理システム１００は、ユーザ管理プログラムによって実現される情報処理システムであり、ユーザと事業者（第１事業者）との第１取引に応じて、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の登録を受け付け、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成する情報処理システムである。

【0015】

そして、ユーザ管理システム１００は、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の少なくともいずれかを含む決済要求情報並びにユーザ管理情報に基づいて、ユーザと事業者との第２取引の決済に関する処理をするための決済処理情報を出力する。

【0016】

まず、事業者は、ユーザとの取引（第１取引）の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報をユーザから取得する（Ｓ１１１）。ユーザ管理システム１００は、事業者から、決済手段情報の登録を受け付ける（Ｓ１１２）。

【0017】

ユーザ管理システム１００は、決済システムに対し、例えば決済手段情報を提供して、決済手段情報に対応する決済用トークンの発行を要求し、決済システムから、決済用トークンに関する決済用トークン情報の登録を受け付ける（Ｓ１１３）。また、ユーザ管理システム１００は、例えば事業者から、ユーザを識別するユーザ識別情報の登録を受け付ける（Ｓ１１４）。そして、ユーザ管理システム１００は、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成する（Ｓ１１５）。

【0018】

また、ユーザと事業者との第２取引において、事業者は、ユーザから、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を含む決済要求情報を取得し（Ｓ１２１ａ、Ｓ１２１ｂ）、ユーザ管理システム１００は、事業者から、決済要求情報を取得する（Ｓ１２２ａ、Ｓ１２２ｂ）。このとき、ユーザは、第１取引と同じ事業者（第１事業者）と第２取引を行ってもよく（Ｓ１２１ａ、Ｓ１２２ａ）、また、第１取引と異なる事業者（第２事業者）と第２取引を行ってもよい（Ｓ１２１ｂ、Ｓ１２２ｂ）。ユーザ管理システム１００は、決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、第２取引の決済に関する処理をするための決済処理情報を決済システムに出力する（Ｓ１２３）。そして、決済システムにおいて、第２取引の決済に関する処理が行われる。

【0019】

図２は、本発明の一実施形態であるユーザ管理システム１００の構成を示す図である。ユーザ管理システム１００は、事業者システム２００及び決済システム３００とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続される。ユーザ管理システム１００の詳細については、後述する。

【0020】

事業者システム２００は、例えば、ユーザと取引を行う事業者の情報処理システムである。

【0021】

事業者は、例えば、ユーザが決済に利用する決済手段の加盟店（例えば、クレジットカードの加盟店）であってもよい。また、事業者システム２００は、ユーザが商品等を購入する店舗の情報処理システム（例えば、レジ端末）であってもよく、また、店舗の情報処理システムとインターネット等のネットワークを介して接続可能な情報処理システム（例えば、事業者が管理するサーバ）であってもよい。

【0022】

決済システム３００は、例えば、ユーザと事業者との取引の決済に関する決済処理を行う決済事業者の情報処理システムである。

【0023】

決済システム３００は、ユーザが決済に利用する決済手段に対応する決済事業者の情報処理システムであってもよい。すなわち、ユーザが決済に利用する決済手段がクレジットカードである場合、決済システム３００は、当該クレジットカードを発行又は管理する事業者の情報処理システムであってもよく、また、ユーザが決済に利用する決済手段が電子マネーである場合、当該電子マネーを管理する資金移動業者の情報処理システムであってもよい。

【0024】

なお、決済システム３００は、ユーザ管理システム１００に組み込まれる情報処理システムであってもよい。

【0025】

また、図２において、事業者システム２００及び決済システム３００は、それぞれ１つずつ示されているが、それぞれ複数の事業者システム２００及び決済システム３００であってもよい。

【0026】

続いて、ユーザ管理システム１００の詳細について説明する。ユーザ管理システム１００は、記憶部１０５、決済手段登録部１１０、トークン発行要求部１１５、決済用トークン登録部１２０、識別情報登録部１２５、ユーザ管理部１３０、決済要求情報取得部１３５、登録情報抽出部１４０、決済処理情報生成部１４５、決済処理情報出力部１５０、識別情報出力部１５５、優待管理情報取得部１６０、優待管理情報出力部１６５を備える。図２に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。

【0027】

記憶部１０５は、ユーザ管理システム１００において処理される情報を記憶する。記憶部１０５は、例えば、後述する、決済手段登録情報、決済用トークン登録情報、ユーザ識別登録情報、ユーザ管理情報、決済処理情報を記憶することができる。

【0028】

決済手段登録部１１０は、事業者システム２００から、ユーザと事業者との第１取引の決済においてユーザが利用する決済手段に関する決済手段情報の登録を受け付け、決済手段登録情報を記憶部１０５に格納する。

【0029】

ここで、決済手段は、例えば、クレジットカード、電子マネー、口座引き落とし、トークン（例えば、決済ブランドが提供するＥＭＶ（Europay International, MasterCard, Visa）規格のトークン）等であってもよい。また、決済手段情報は、例えば、クレジットカードのカード番号、電子マネーのＩＤ情報、引き落とし口座の口座番号、トークンのトークン情報等であってもよい。

【0030】

まず、ユーザは、第１取引に際して、事業者に対し、決済手段情報を提供する。このとき、例えば、ユーザは、クレジットカードを事業者に提供して、事業者システム２００が当該クレジットカードに対応する決済手段情報（例えば、クレジットカード番号）を取得してもよく、また、ユーザは、ユーザ端末に表示される表示情報（例えば、一次元又は二次元バーコード）を事業者に提供して、事業者システム２００が、例えば所定の機器を用いて表示情報を読み取り、表示情報に対応する決済手段情報（例えば、電子マネーのＩＤ情報）を取得してもよい。

【0031】

そして、事業者システム２００が、取得した決済手段情報を、ユーザ管理システム１００に提供し、決済手段登録部１１０が、決済手段情報の登録を受け付ける。

【0032】

このとき、決済手段登録部１１０は、事業者システム２００が、第１取引の決済のためにユーザから取得した決済手段情報の登録を受け付けることができる。すなわち、事業者システム２００は、第１取引の決済処理及び当該決済手段情報の登録を目的として、ユーザから取得した決済手段情報をユーザ管理システム１００に提供する。これにより、ユーザは、別途、決済手段情報を事業者システム２００又はユーザ管理システム１００に提供して決済手段情報の登録をすることなく、第１取引の決済処理とあわせて決済手段情報の登録をすることができ、ユーザの手間が軽減される。

【0033】

なお、事業者システム２００がユーザから決済手段情報を取得する際、あわせて、ユーザ管理システム１００への決済手段情報の登録についての同意を取得してもよい。これにより、ユーザの同意の下、決済手段情報を登録することができる。

【0034】

図３は、記憶部１０５に記憶される決済手段登録情報の例を示す図である。記憶部１０５に記憶される決済手段登録情報は、例えば、決済手段登録ＩＤ、決済手段情報を含む。決済手段登録ＩＤは、記憶部１０５に記憶される決済手段登録情報を識別する情報である。

【0035】

トークン発行要求部１１５は、決済システム３００に対し、決済手段登録情報に基づいて、決済手段情報に対応する決済用トークンの発行を要求する。

【0036】

決済用トークンは、ユーザが決済に用いる情報である。ユーザは、決済用トークンを用いることで、取引相手（例えば、加盟店等の事業者）に決済手段情報（例えば、クレジットカード番号）を知られずに決済することができ、よりセキュリティの高い決済をすることができる。

【0037】

なお、トークン発行要求部１１５は、登録を受け付けた決済手段情報が、正当なユーザによって事業者システム２００に提供された決済手段情報であることを認証した認証結果情報にさらに基づいて、決済用トークンの発行を要求してもよい。これにより、ユーザ管理システム１００は、正当なユーザによって提供された決済手段情報に対応する決済用トークンの発行を要求することができ、決済用トークンの不正利用を回避することができる。

【0038】

なお、ここで、認証の方法は、特に限定されないが、例えば、氏名や住所、身分証等の情報に基づく認証方法、所定の公的個人認証サービスを利用した認証方法、又は所定のｅＫＹＣ（electronic Know Your Customer：電子的な本人確認）を利用した認証方法であってもよい。

【0039】

また、認証結果情報の生成は、ユーザ管理システム１００においてなされてもよく、また、事業者システム２００においてなされてもよい。認証結果情報の生成がユーザ管理システム１００においてなされる場合、ユーザ管理システム１００は、例えば事業者システム２００から、認証に必要な情報を取得し、当該取得した情報に基づいて、認証が行われてもよい。認証結果情報の生成が事業者システム２００においてなされる場合、事業者システム２００は、ユーザから認証に必要な情報を取得し、当該取得した情報に基づいて、認証を行ってもよい。そして、ユーザ管理システム１００は、事業者システム２００から、認証結果情報を取得する。

【0040】

決済システム３００は、トークン発行要求部１１５によるトークン発行要求に応じて、決済手段情報に対応する決済用トークンを発行し、決済用トークンに関する決済用トークン情報をユーザ管理システム１００に提供する。

【0041】

なお、決済手段がＥＭＶ規格等のトークンである場合、決済システム３００が発行する決済用トークンは、決済手段のトークン（ＥＭＶ規格等のトークン）とは異なるものである。

【0042】

また、決済システム３００は、認証結果情報にさらに基づいて、正当なユーザが事業者システム２００に提供した決済手段情報であることが認証されている場合に、トークン発行要求に応じて、決済手段情報に対応する決済用トークンを発行してもよい。

【0043】

また、決済システム３００がユーザ管理システム１００に組み込まれる情報処理システムである場合、ユーザ管理システム１００（特に、トークン発行要求部１１５、及びユーザ管理システム１００に組み込まれる決済システム３００）において、決済用トークン発行要求処理及び決済用トークン発行処理が行われてもよい。すなわち、この場合、決済用トークンは、ユーザ管理システム１００で管理される決済用トークンであってもよい。

【0044】

決済用トークン登録部１２０は、決済システム３００から、決済用トークン情報の登録を受け付け、決済用トークン登録情報を記憶部１０５に格納する。

【0045】

図４は、記憶部１０５に記憶される決済用トークン登録情報の例を示す図である。記憶部１０５に記憶される決済用トークン登録情報は、例えば、決済用トークン登録ＩＤ、決済用トークン情報を含む。決済用トークン登録ＩＤは、記憶部１０５に記憶される決済用トークン登録情報を識別する情報である。

【0046】

識別情報登録部１２５は、ユーザを識別するユーザ識別情報を登録し、ユーザ識別登録情報を記憶部１０５に格納する。

【0047】

ここで、ユーザ識別情報は、ユーザを識別可能な情報であればよく、例えば、ユーザの生体に関する生体情報、ユーザが所持する所持物に関する所持物情報、電話番号、メールアドレス等のアカウント名、パスワード、ユーザが入力若しくは選択するサイン若しくは図形等であってもよい。生体情報は、例えば、ユーザの容貌、指紋、掌紋、声紋、虹彩等に関する情報であってもよい。所持物情報は、例えば、ユーザが所持する所持物であるユーザ端末（例えば、スマートフォン等の情報端末）を識別する端末識別情報であってもよい。

【0048】

また、識別情報登録部１２５は、第１取引の決済に際して事業者システム２００から取得される、事業者システム２００においてユーザを識別するためのユーザ識別情報を登録することができる。

【0049】

この場合、事業者システム２００においてユーザを識別するためのユーザ識別情報は、例えば、事業者システム２００において管理されるポイントカード番号又は会員証番号であってもよい。すなわち、ユーザは、第１取引の決済に際して、決済手段情報（例えば、クレジットカード番号）及びユーザ識別情報（例えば、ポイントカード番号又は会員証番号）を事業者システム２００に提供する。事業者システム２００は、取得される決済手段情報及びユーザ識別情報を、ユーザ管理システム１００に登録する。

【0050】

また、識別情報登録部１２５は、ユーザ管理システム１００において生成されるユーザ識別情報を登録してもよい。この場合、ユーザ識別情報は、例えば、ユーザ管理システム１００においてユーザを識別可能な情報（例えば、ユーザＩＤ）であってもよい。

【0051】

図５は、記憶部１０５に記憶されるユーザ識別登録情報の例を示す図である。記憶部１０５に記憶されるユーザ識別登録情報は、例えば、ユーザ識別登録ＩＤ、ユーザ識別情報を含む。ユーザ識別登録ＩＤは、記憶部１０５に記憶されるユーザ識別情報を識別する情報である。

【0052】

なお、以下の説明において、決済手段登録部１１０によって登録された決済手段情報、決済用トークン登録部１２０によって登録された決済用トークン情報、及び識別情報登録部１２５によって登録されたユーザ識別情報を総称して登録情報という。すなわち、特に明示しない限り、登録情報は、登録された決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の少なくともいずれかを含む。

【0053】

ユーザ管理部１３０は、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成し、記憶部１０５に格納する。

【0054】

ユーザ管理情報は、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報が相互に対応付けられた情報である。すなわち、例えば、ユーザ管理情報及び決済手段情報に基づいて、当該決済手段情報に対応する、決済用トークン情報及びユーザ識別情報を抽出することができる。また、ユーザ管理情報及び決済用トークン情報に基づいて、当該決済用トークン情報に対応する、決済手段情報及びユーザ識別情報を抽出することができ、ユーザ管理情報及びユーザ識別情報に基づいて、当該ユーザ識別情報に対応する、決済手段情報及び決済用トークン情報を抽出することができる。

【0055】

このように、ユーザ管理情報を参照することにより、登録情報のうちいずれかの情報に基づいて、その他の登録情報を抽出することができる。これにより、ユーザは、取引（例えば、第１取引の後に行われる第２取引）において、事業者システム２００に登録情報のいずれかの情報を提供することにより、取引の決済を行うことができ、ユーザの利便性が向上する。すなわち、ユーザは、例えば、決済手段（例えば、クレジットカード）及び会員証の両方を事業者に提示することなく、いずれか一方のみを提示することで、会員証に基づく優待を享受しつつ、当該決済手段を用いた決済を行うことができる。

【0056】

この点、ユーザ管理情報の生成処理は、事業者システム２００においてなされることも考えられるが、例えば、事業者が中小規模の事業者である場合、当該事業者が、ユーザ管理情報の生成処理を行う情報処理システムを管理及び運営することが難しい場合がある。そこで、ユーザ管理システム１００は、いわば、ユーザ管理情報の生成処理を含むユーザ管理を代行することにより、ユーザにとって利便性の高い決済を提供する。

【0057】

また、ユーザ管理システム１００は、ユーザと事業者とが対面で取引をする対面取引においても、ユーザ管理情報を生成することにより、ユーザにとって利便性の高い決済を提供することができる。

【0058】

ユーザ管理部１３０は、取引に応じたユーザに対する優待を管理するための優待管理情報をさらに対応付けたユーザ管理情報を生成し、記憶部１０５に格納することができる。なお、優待管理情報については後述する。

【0059】

図６は、記憶部１０５に記憶されるユーザ管理情報の例を示す図である。記憶部１０５に記憶されるユーザ管理情報は、例えば、管理情報ＩＤ、決済手段登録ＩＤ、決済用トークン登録ＩＤ、ユーザ識別登録ＩＤを含む。管理情報ＩＤは、記憶部１０５に記憶されるユーザ管理情報を識別する情報である。

【0060】

なお、記憶部１０５に記憶されるユーザ管理情報は、決済手段登録ＩＤ、決済用トークン登録ＩＤ、及びユーザ識別登録ＩＤの代わりに、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を含んでもよい。また、記憶部１０５に記憶されるユーザ管理情報は、さらに優待管理情報を含んでもよい。

【0061】

決済要求情報取得部１３５は、ユーザと事業者との第２取引に応じて、事業者システム２００から、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の少なくともいずれかを含む決済要求情報を取得する。

【0062】

ここで、第２取引は、第１取引に応じてユーザ管理情報が生成された後になされる取引である。すなわち、第２取引は、第１取引の後になされる取引である。なお、第２取引は、第１取引と同じ事業者（第１事業者）との取引であってもよく、第１取引とは異なる事業者（第２事業者）との取引であってもよい。

【0063】

ユーザは、第２取引に際して、事業者に対し、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の少なくともいずれかを含む決済要求情報を提供する。決済要求情報は、第２取引の決済を要求するための情報である。

【0064】

ユーザは、決済要求情報として、例えば、決済手段情報（例えば、クレジットカード番号）のみを提供してもよく、決済用トークン情報のみを提供してもよく、また、ユーザ識別情報（例えば、事業者において管理されているポイントカード番号）のみを提供してもよい。そして、事業者システム２００が、ユーザから取得した決済要求情報をユーザ管理システム１００に提供し、決済要求情報取得部１３５が、当該決済要求情報を取得する。

【0065】

なお、決済要求情報は、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の少なくともいずれかに加え、第２取引に関する取引情報（例えば、取引の金額、取引対象の商品に関する情報）を含んでもよい。

【0066】

登録情報抽出部１４０は、ユーザ管理情報及び決済要求情報取得部１３５により取得される決済要求情報に基づいて、決済要求情報に対応する登録情報を抽出する。

【0067】

具体的には、登録情報抽出部１４０は、決済要求情報に決済用トークン情報が含まれない場合に、当該決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、当該決済要求情報に対応する決済用トークン情報（すなわち、当該決済要求情報に含まれる決済手段情報及びユーザ識別情報の少なくともいずれかに対応する決済用トークン情報）を抽出することができる。なお、決済要求情報に決済用トークン情報が含まれない場合は、例えば、決済要求情報が、決済手段情報及びユーザ識別情報の少なくともいずれかのみを含む場合である。

【0068】

また、登録情報抽出部１４０は、決済要求情報にユーザ識別情報が含まれない場合に、当該決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、当該決済要求情報に対応するユーザ識別情報（すなわち、当該決済要求情報に含まれる決済手段情報及び決済用トークン情報の少なくともいずれかに対応するユーザ識別情報）を抽出することができる。なお、決済要求情報にユーザ識別情報が含まれない場合は、例えば、決済要求情報が、決済手段情報及び決済用トークン情報の少なくともいずれかのみを含む場合である。

【0069】

また、登録情報抽出部１４０は、決済要求情報に決済手段情報が含まれない場合に、当該決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、当該決済要求情報に対応する決済手段情報（すなわち、当該決済要求情報に含まれる決済用トークン情報及びユーザ識別情報の少なくともいずれかに対応するユーザ識別情報）を抽出することができる。なお、決済要求情報に決済手段情報が含まれない場合は、例えば、決済要求情報が、決済トークン情報及びユーザ識別情報の少なくともいずれかのみを含む場合である。

【0070】

決済処理情報生成部１４５は、ユーザ管理情報及び決済要求情報に基づいて、決済システム３００に、第２取引の決済に関する処理をするための決済処理情報を生成し、記憶部１０５に格納する。

【0071】

ここで、決済処理情報は、例えば、決済システム３００において、第２取引の決済に関する処理をするための情報であり、例えば、決済用トークン情報を含む。

【0072】

また、決済処理情報は、取引に関する取引情報（例えば、取引の金額に関する金額情報、取引対象の商品に関する商品情報）を含んでもよい。

【0073】

決済システム３００は、ユーザ管理システム１００から取得する決済処理情報に基づいて、第２取引の決済に関する処理を行う。決済システム３００は、第２取引の決済に関する処理が完了した場合、決済処理が完了した旨の情報をユーザ管理システム１００に提供してもよい。そして、ユーザ管理システム１００は、当該決済処理が完了した旨の情報を事業者システム２００に提供してもよい。

【0074】

また、決済処理情報生成部１４５は、ユーザ管理情報に基づいて、決済処理情報を生成すべきであるか否かを判定し、決済処理情報を生成すべきでない場合、決済処理情報を生成しなくてもよい。具体的には、決済処理情報生成部１４５は、例えば、決済用トークン情報の利用状況に応じて、第２取引における決済用トークン情報の利用が不適切である場合（例えば、異常な決済である場合や、決済の限度額を超えている場合）、決済処理情報を生成すべきでないと判定し、決済処理情報を生成しなくてもよい。

【0075】

なお、第２取引における決済用トークン情報の利用が不適切である場合（例えば、異常な決済である場合）、ユーザ管理システム１００は、その旨を事業者システム２００に通知してもよい。そして、事業者システム２００（又は事業者（例えば、店舗）の担当者）は、ユーザに対し、当該第２取引の決済の実行に関する同意情報を取得し、当該同意情報をユーザ管理システム１００に提供してもよい。そして、決済処理情報生成部１４５は、当該同意情報にさらに基づいて、決済処理情報を生成してもよい。これにより、ユーザ管理システム１００は、ユーザへの確認及びユーザからの同意取得により、より適切に決済処理情報を生成することができる。

【0076】

図７は、記憶部１０５に記憶される決済処理情報の例を示す図である。記憶部１０５に記憶される決済処理情報は、例えば、決済処理ＩＤ、決済用トークン情報、取引情報を含む。決済処理ＩＤは、記憶部１０５に記憶される決済処理情報を識別する情報である。

【0077】

決済処理情報出力部１５０は、決済システム３００に、決済処理情報生成部１４５によって生成された決済処理情報を出力する。すなわち、決済処理情報出力部１５０は、ユーザ管理情報及び決済要求情報に基づいて、決済システム３００に、決済処理情報を出力する。

【0078】

決済要求情報に決済用トークン情報が含まれない場合、決済処理情報出力部１５０は、登録情報抽出部１４０によって抽出される決済用トークン情報にさらに基づいて、決済処理情報を出力することができる。具体的には、まず、登録情報抽出部１４０が、決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、決済用トークン情報を抽出する。そして、決済処理情報生成部１４５が、当該抽出された決済用トークン情報にさらに基づいて、決済処理情報を生成し、決済処理情報出力部１５０が、当該生成された決済処理情報を出力する。

【0079】

また、決済処理情報出力部１５０は、後述する優待管理情報取得部１６０によって取得される優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を出力することができる。具体的には、決済処理情報生成部１４５が、優待管理情報取得部１６０によって取得される優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を生成し、決済処理情報出力部１５０が、当該生成された決済処理情報を出力する。

【0080】

また、ユーザ管理情報が、決済手段情報、決済用トークン情報、ユーザ識別情報、及び優待管理情報を対応付けた情報である場合、決済処理情報出力部１５０は、決済要求情報に対応する優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を出力する。具体的には、登録情報抽出部１４０が、決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、決済要求情報に対応する優待管理情報を抽出する。そして、決済処理情報生成部１４５が、優待管理情報にさらに基づいて決済処理情報を生成し、決済処理情報出力部１５０が、決済処理情報を出力する。

【0081】

識別情報出力部１５５は、事業者システム２００に、登録情報抽出部１４０によって抽出されるユーザ識別情報を出力する。

【0082】

ユーザは、事業者との第２取引に際して、ユーザ識別情報（例えば、事業者で管理されているポイントカード番号）を提示せずに決済要求を行う場合がある。この場合は、例えば、ユーザが、ポイントカードを持参せずに決済しようとする場合に起こり得る。

【0083】

この場合、登録情報抽出部１４０が、ユーザ識別情報を含まない決済要求情報及びユーザ管理情報に基づいて、ユーザ識別情報を抽出し、識別情報出力部１５５が、抽出されたユーザ識別情報を事業者システム２００に出力する。

【0084】

これにより、事業者は、ユーザ識別情報を提示しないユーザとの取引においても、ユーザ管理システム１００から提供されるユーザ識別情報に基づいて、当該ユーザのユーザ識別情報を取得し、例えば、取引に応じてポイントの付与又はユーザ識別情報に対応する優待管理情報を活用した決済処理を行うことができる。

【0085】

優待管理情報取得部１６０は、事業者システム２００から、出力されるユーザ識別情報に対応する、取引に応じた優待を管理するための優待管理情報を取得する。

【0086】

ここで、優待管理情報は、ポイント、電子マネー、クーポン、景品、キャッシュバック、又は特典を得ることができるくじへの応募の権利等の優待の内容（例えば、優待の有無又は種類）を示す情報であってもよく、また、優待管理情報は、ユーザの会員ランク又は会員グレードを示す情報であってもよい。なお、優待の内容は、会員ランク又は会員グレード等に応じて変動するものでもあってもよい。また、会員ランク又は会員グレード等は、例えば、保有ポイント数又は取引金額等の取引実績に応じて定められるものであってもよい。

【0087】

優待管理情報は、例えば、取引に応じて事業者システム２００又は決済システム３００において生成及び管理され、事業者システム２００又は決済システム３００によってユーザ管理システム１００に提供される情報であってもよい。また、優待管理情報は、例えば、取引に応じてユーザ管理システム１００において生成される情報であってもよい。

【0088】

優待管理情報が、取引に応じて事業者システム２００において生成及び管理される情報である場合、まず、識別情報出力部１５５が、事業者システム２００に、ユーザ識別情報を出力する。続いて、事業者システム２００が、当該ユーザ識別情報に基づいて、当該ユーザ識別情報に対応する優待管理情報を、ユーザ管理システム１００に提供し、優待管理情報取得部１６０が、当該優待管理情報を取得する。そして、決済処理情報生成部１４５が、優待管理情報取得部１６０によって取得される優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を生成し、決済処理情報出力部１５０が、当該生成された決済処理情報を出力する。

【0089】

このとき、優待管理情報が優待の内容を示す情報である場合、決済処理情報生成部１４５は、例えば、当該優待の内容を反映した決済処理情報を生成してもよい。また、優待管理情報が会員ランク又は会員グレードを示す情報である場合、決済処理情報生成部１４５は、例えば、事前に記憶される会員ランク又は会員グレードと優待の内容とを対応付けた情報に基づいて、当該会員ランク又は会員グレードに対応する優待を反映した決済処理情報を生成してもよい。

【0090】

優待管理情報が、取引に応じてユーザ管理システム１００において生成される情報である場合、ユーザ管理部１３０が、優待管理情報をさらに対応付けたユーザ管理情報を生成する。そして、決済処理情報生成部１４５が、ユーザ管理情報に対応する優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を生成し、決済処理情報出力部１５０が、当該生成された決済処理情報を出力する。

【0091】

優待管理情報出力部１６５は、事業者システム２００に、優待管理情報を出力する。特に、優待管理情報が取引に応じてユーザ管理システム１００において生成される情報である場合、優待管理情報出力部１６５は、事業者システム２００に、取引に応じてユーザ管理システム１００において生成又は管理される優待管理情報を出力する。

【0092】

これにより、事業者システム２００は、優待管理情報出力部１６５から取得した優待管理情報に基づいて、例えば、ユーザに対し、所定のサービスを提供することができる。具体的には、例えば、優待管理情報がユーザの会員ランク又は会員グレードを示す情報である場合、事業者システム２００を利用する事業者は、当該会員ランク又は会員グレードに応じたサービス（例えば、ポイント付与率の上乗せ、値引き、粗品の提供、又は他のユーザよりも優先される対応等）を提供することができる。

【0093】

なお、優待管理情報出力部１６５による優待管理情報の出力処理は、識別情報出力部１５５による識別情報の出力処理と同じタイミングで行われてもよく、また、異なるタイミングで行われてもよい。

【0094】

図８は、ユーザ管理システム１００における処理の例を示すフローチャートである。図８に示すフローチャートは、ユーザ管理情報の生成の処理の例を示すフローチャートである。

【0095】

まず、ユーザは、例えば決済手段情報を事業者システム２００に提供して、ユーザと事業者との第１取引の決済要求を行う（不図示）。決済手段登録部１１０が、事業者システム２００から、決済手段情報の登録を受け付ける（Ｓ８０１）。

【0096】

トークン発行要求部１１５が、決済システム３００に対し、決済手段情報に対応する決済用トークンの発行を要求する（Ｓ８０２）。決済システム３００が、トークン発行要求に応じて決済用トークンを発行し、決済用トークン登録部１２０が、決済用トークン情報の登録を受け付ける（Ｓ８０３）。

【0097】

識別情報登録部１２５が、例えば事業者システム２００から、ユーザ識別情報の登録を受け付ける（Ｓ８０４）。

【0098】

そして、ユーザ管理部１３０が、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成する（Ｓ８０５）。

【0099】

なお、識別情報登録部１２５によるユーザ識別情報の登録処理は、決済手段登録部１１０による決済手段情報の登録処理の前若しくは同じタイミングで行われてもよく、また、トークン発行要求部１１５によるトークン発行要求処理の前若しくは決済用トークン登録部１２０による決済用トークンの登録処理の前に行われてもよい。

【0100】

図９は、ユーザ管理システム１００における処理の例を示すフローチャートである。図９に示すフローチャートは、決済要求情報に決済用トークン情報が含まれない場合（例えば、決済要求情報としてユーザ識別情報のみを取得する場合）の処理の例を示すフローチャートである。

【0101】

まず、ユーザは、ユーザ識別情報を事業者システム２００に提供して、ユーザと事業者との第２取引の決済要求を行う（不図示）。決済要求情報取得部１３５が、事業者システム２００から、決済要求情報（この場合は、ユーザ識別情報）を取得する（Ｓ９０１）。登録情報抽出部１４０が、ユーザ管理情報及び決済要求情報（この場合は、ユーザ識別情報）に基づいて、決済要求情報（この場合は、ユーザ識別情報）に対応する決済用トークン情報を抽出する（Ｓ９０２）。

【0102】

決済処理情報生成部１４５が、決済要求情報及び抽出される決済用トークン情報に基づいて、決済処理情報を生成する（Ｓ９０３）。決済処理情報出力部１５０が、決済処理情報を決済システム３００に出力する（Ｓ９０４）。

【0103】

このように、ユーザは、ユーザ識別情報（例えば、ポイントカード又は会員証）のみを提供する（すなわち、決済用トークン情報を提供しない）場合であっても、決済用トークン情報を用いた決済を行うことができる。また、ユーザが、第１取引の事業者（第１事業者）とは異なる第２事業者と第２取引を行う場合、ユーザ管理システム１００は、再度、第２事業者との取引においてユーザ管理情報生成処理を行うことなく、第２事業者との第２取引の決済処理を行うことができ、ユーザは、第１事業者とは異なる第２事業者と、簡便に第２取引を行うことができる。

【0104】

図１０は、ユーザ管理システム１００における処理の例を示すフローチャートである。図１０に示すフローチャートは、決済要求情報にユーザ識別情報が含まれない場合（例えば、決済要求情報として決済用トークン情報のみを取得する場合）の処理の例を示すフローチャートである。

【0105】

まず、ユーザは、決済用トークン情報を事業者システム２００に提供して、ユーザと事業者との第２取引の決済要求を行う（不図示）。決済要求情報取得部１３５が、事業者システム２００から、決済要求情報（この場合は、決済用トークン情報）を取得する（Ｓ１００１）。登録情報抽出部１４０が、ユーザ管理情報及び決済要求情報（この場合は、決済用トークン情報）に基づいて、決済要求情報（この場合は、決済用トークン情報）に対応するユーザ識別情報を抽出する（Ｓ１００２）。

【0106】

識別情報出力部１５５が、ユーザ識別情報を事業者システム２００に出力する（Ｓ１００３）。優待管理情報取得部１６０が、事業者システム２００から優待管理情報を取得する（Ｓ１００４）。

【0107】

決済処理情報生成部１４５が、決済要求情報及び優待管理情報に基づいて、決済処理情報を生成する（Ｓ１００５）。決済処理情報出力部１５０が、決済処理情報を決済システム３００に出力する（Ｓ１００６）。

【0108】

なお、ユーザは、決済用トークン情報の代わりに、決済手段情報を事業者システム２００に提供してもよい。この場合、図１０が示すフローチャートにおける決済用トークン情報は、適宜、決済手段情報と読み替えればよい。

【0109】

このように、ユーザは、決済用トークン情報又は決済手段情報のみを提供する（すなわち、ユーザ識別情報を提供しない）場合であっても、ユーザ識別情報に対応する優待管理情報に基づいた決済処理を行うことができる。また、ユーザが、第１取引の事業者（第１事業者）とは異なる第２事業者と第２取引を行う場合、ユーザ管理システム１００は、再度、第２事業者との取引においてユーザ管理情報生成処理を行うことなく、第２事業者との第２取引の決済処理を行うことができ、ユーザは、第１事業者とは異なる第２事業者と、簡便に、優待管理情報に基づいた第２取引を行うことができる。

【0110】

以上、本発明の一実施形態について説明した。ユーザ管理システム１００は、ユーザと事業者との第１取引に応じて、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報の登録を受け付け、決済手段情報、決済用トークン情報、及びユーザ識別情報を対応付けたユーザ管理情報を生成する。これにより、ユーザ管理システム１００は、さまざまな状況での決済処理に対応することができる。

【0111】

また、ユーザ管理システム１００は、ユーザと事業者との第２取引に応じて、事業者システム２００から決済要求情報を取得し、ユーザ管理情報及び決済要求情報に基づいて、決済システム３００に、第２取引の決済に関する処理をするための決済処理情報を出力することができる。これにより、ユーザ管理システム１００は、事業者システム２００及び決済システム３００と連携して、第２取引の決済処理を行うことができる。

【0112】

また、ユーザ管理システム１００は、決済要求情報に決済用トークン情報が含まれない場合に、ユーザ管理情報に基づいて、決済要求情報に対応する決済用トークン情報を抽出し、抽出される決済用トークン情報にさらに基づいて、決済用トークン情報が示す決済用トークンを用いた第２取引の決済に関する処理をするための決済処理情報を出力することができる。これにより、ユーザは、第２取引の決済に際して、決済用トークン情報を事業者システム２００に提供しない場合であっても、当該決済用トークン情報が示す決済用トークンを用いた決済を行うことができる。

【0113】

また、ユーザ管理システム１００は、決済要求情報にユーザ識別情報が含まれない場合に、ユーザ管理情報に基づいて、決済要求情報に対応するユーザ識別情報を抽出し、抽出されるユーザ識別情報を事業者システム２００に出力することができる。これにより、事業者は、第２取引の決済に際して、ユーザからユーザ識別情報を取得しない場合であっても、ユーザ管理システム１００からユーザ識別情報を取得することができる。また、これにより、ユーザは、ユーザ識別情報を事業者システム２００に提供しない場合であっても、例えば、ユーザ識別情報に基づいた優待（例えば、ポイントの付与又は利用）を享受することができる。

【0114】

また、ユーザ管理システム１００は、優待管理情報をさらに対応付けたユーザ管理情報を生成し、決済要求情報に対応する優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を出力することができる。これにより、ユーザは、第２取引の決済に際して、優待管理情報に基づいた決済処理を受けることができる。

【0115】

また、ユーザ管理システム１００は、事業者システム２００から優待管理情報を取得し、取得される優待管理情報にさらに基づいて、決済処理情報を出力することができる。これにより、事業者システム２００において優待管理情報が管理される場合であっても、ユーザは、第２取引の決済に際して、優待管理情報に基づいた決済処理を受けることができる。

【0116】

また、ユーザ管理システム１００は、事業者システム２００から取得される、事業者システム２００においてユーザを識別するためのユーザ識別情報の登録を受け付けることができる。これにより、ユーザ管理システム１００は、事業者システム２００においてユーザを識別するためのユーザ識別情報と、決済手段情報及び決済用トークン情報を対応付けたユーザ管理情報を生成することができる。

【0117】

なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更／改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。

【符号の説明】

【0118】

１００ ユーザ管理システム、１０５ 記憶部、１１０ 決済手段登録部、１１５ トークン発行要求部、１２０ 決済用トークン登録部、１２５ 識別情報登録部、１３０ ユーザ管理部、１３５ 決済要求情報取得部、１４０ 登録情報抽出部、１４５ 決済処理情報生成部、１５０ 決済処理情報出力部、１５５ 識別情報出力部、１６０ 優待管理情報取得部、１６５ 優待管理情報出力部、２００ 事業者システム、３００ 決済システム

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】