(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089389
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
F01P 5/02 20060101AFI20240626BHJP
F01P 5/04 20060101ALI20240626BHJP
F01P 5/06 20060101ALI20240626BHJP
F02B 77/13 20060101ALI20240626BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20240626BHJP
B60K 11/06 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
F01P5/02 H
F01P5/04 G
F01P5/06 510A
F01P5/06 510B
F02B77/13 N
F02B77/13 L
E02F9/00 M
B60K11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204729
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 秀樹
【テーマコード(参考)】
2D015
3D038
【Fターム(参考)】
2D015CA02
3D038AA01
3D038AA09
3D038AB09
3D038AC10
(57)【要約】
【課題】械室内の冷却風の排出を効率的に行うことで冷却風排出用の開口を不要とし、機械室からの騒音を防止する。
【解決手段】エンジン20を収容する機械室10と、機械室に隣接し、尿素タンク30を収容する尿素タンク室9と、機械室を通ってエンジンの周囲を冷却する第1空気流路W1と、尿素タンク室を通って尿素タンクの周囲を冷却する第2空気流路W2と、第1空気流路におけるエンジンよりも上流に配置された第1冷却ファン21と、第2空気流路における尿素タンクよりも下流、かつ、第1空気流路及び第2空気流路が合流する合流位置又は該合流位置よりも下流に配置された第2冷却ファン22と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを収容する機械室と、
前記機械室に隣接し、尿素タンクを収容する尿素タンク室と、
前記機械室を通って前記エンジンの周囲を冷却する第1空気流路と、
前記尿素タンク室を通って前記尿素タンクの周囲を冷却する第2空気流路と、
前記第1空気流路における前記エンジンよりも上流に配置された第1冷却ファンと、
前記第2空気流路における前記尿素タンクよりも下流、かつ、前記第1空気流路及び前記第2空気流路が合流する合流位置又は該合流位置よりも下流に配置された第2冷却ファンと、
を備えることを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記第2冷却ファンは、前記第1空気流路における前記エンジンよりも下流に配置され、
前記第1冷却ファン及び前記第2冷却ファンが、前記第1空気流路において直列的に配置されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記第2冷却ファンは、前記機械室の上部を覆うボンネットの、前記第1空気流路の下流側側面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項4】
前記第2空気流路を構成するダクトを備え、該ダクトの下流側排気口は前記第2冷却ファンの上流側に隣接し、該ダクトの上流側吸気口は前記尿素タンク室に接続されることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項5】
前記第2冷却ファンは、前記機械室内の空気を排気用開口から外部へ排出する正回転と、外気を前記排気用開口から前記機械室内へ取り込む逆回転と、を切り換え可能に構成された電動駆動のファンであることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の建設機械には、上部旋回体の旋回フレーム上に、エンジン、油圧ポンプ等が収容される機械室が設けられている。機械室には、各種の冷媒を冷却する熱交換装置が備えられる。熱交換装置は、冷却風を発生させるための冷却ファンを有する。機械室内の冷却風による圧力上昇によって冷却風量が低下するのを防ぐため、従来の建設機械は、機械室外周の各部位(例えばボンネット)に、多数の排気開口を設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-291711号公報
【特許文献2】特開2007-211613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排気開口を設けるとエンジンの直達音が放出されるため、排気開口に二重ダクトを設けるなどして、騒音を低減する対策が必要であり、コストアップやボンネット等の大型化を招くことが問題である。このように、機械室内の排風の効率化は、従来からの課題である。
【0005】
機械室に複数の冷却ファンを備えた建設機械は知られている。例えば特許文献1には、2つの冷却ファンを備え、ファンの騒音の影響を低減させる建設機械が開示されている。特許文献1の建設機械は、インタークーラ側の冷却風とオイルクーラ側の冷却風が1箇所の開口から排風されるように構成されている。しかしながら、この2つの冷却風の流路は直交するため、圧力損失が生じるおそれがあり、その圧力損失によりインタークーラやオイルクーラが効率的に冷却できない懸念がある。
【0006】
特許文献2には、エンジン室とポンプ室に、それぞれファンを備えた建設機械が開示されている。しかしながら、特許文献2では、エンジン室とポンプ室は隔壁により仕切られるため、ファンはエンジン室とポンプ室それぞれに対して冷却風を送るものであり、エンジン室からの冷却風の排出を効率化するものではない。また、隔壁を設けたことで、エンジン室の排風のための開口をエンジンの直上に設ける必要があり、開口からエンジンの直達音が放出され、騒音が増大する懸念がある。
【0007】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、機械室内の冷却風の排出を効率的に行うことで冷却風排出用の開口を不要とし、機械室からの騒音を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係る建設機械では、第1冷却ファンによる冷却風の排出を促進させることが可能な位置に第2冷却ファンを備えた。
【0009】
具体的に、第1の発明は、エンジンを収容する機械室と、前記機械室に隣接し、尿素タンクを収容する尿素タンク室と、前記機械室を通って前記エンジンの周囲を冷却する第1空気流路と、前記尿素タンク室を通って前記尿素タンクの周囲を冷却する第2空気流路と、前記第1空気流路における前記エンジンよりも上流に配置された第1冷却ファンと、前記第2空気流路における前記尿素タンクよりも下流、かつ、前記第1空気流路及び前記第2空気流路が合流する合流位置又は該合流位置よりも下流に配置された第2冷却ファンと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、第2冷却ファンを第1空気流路及び第2空気流路が合流する合流位置又は該合流位置よりも下流に配置することで、第2冷却ファンが第1空気流路を通る冷却風の排出を促進させ、機械室内を効率的に冷却できる。これにより、第1空気流路の排風を促すための開口を機械室のボンネット等に別途設ける必要がなく、機械室からの騒音を低減できる。また、第2冷却ファンは、尿素タンク室の冷却機能も兼ねるため、尿素水のオーバーヒートを防ぐことも可能となる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2冷却ファンは、前記第1空気流路における前記エンジンよりも下流に配置され、前記第1冷却ファン及び前記第2冷却ファンが、前記第1空気流路において直列的に配置されることを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、第2冷却ファンが第1空気流路の圧力損失を招くおそれがなく、第1空気流路を通る冷却風を、機械室内から効率的に排出できる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、前記第2冷却ファンは、前記機械室の上部を覆うボンネットの、前記第1空気流路の下流側側面に配置されることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、第2冷却ファンをボンネットに配置することにより、ボンネットの下部に位置するメンテナンススペースを確保し、メンテナンス時の作業を阻害しないようにすることができる。
【0015】
第4の発明は、第1の発明において、前記第2空気流路を構成するダクトを備え、該ダクトの下流側排気口は前記第2冷却ファンの上流側に隣接し、該ダクトの上流側吸気口は前記尿素タンク室に接続されることを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、ダクトを備えることで、第2冷却ファンが尿素タンク室内の高温の空気をより効果的に吸い出すことが可能となる。
【0017】
第5の発明は、第1の発明において、前記第2冷却ファンは、前記機械室内の空気を排気用開口から外部へ排出する正回転と、外気を前記排気用開口から前記機械室内へ取り込む逆回転とを、切り換え可能に構成された電動駆動のファンであることを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、第2冷却ファンは電動駆動であるため、エンジン停止後も駆動可能であり、さらに逆回転によって外気を機械室内及び尿素タンク室内へ取り込むことにより、エンジン停止後に機械室内及び尿素タンク室内を効果的に冷却することが可能となり、電装品類の破損を防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、機械室内の冷却風の排出を効率的に行うことで冷却風排出用の開口を不要とし、機械室からの騒音を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】本実施形態に係る建設機械の上部旋回体の斜視図である。
【
図3】ボンネット及び側壁の一部を取り外した上部旋回体の斜視図である。
【
図4】機械室の内部を示す上部旋回体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態に係る建設機械について、図面を参照しながら説明する。なお、いくつかの図面には上下や前後左右の方向を矢印で示しており、特に言及しない限り、上下等の方向についてはこれらの矢印で示す方向に従って説明する。以下の説明では、上部旋回体の前後方向を「前後方向」とし、上部旋回体の後方から前方を見たときの左右方向を「左右方向」とする。
【0022】
図1は、実施形態に係る建設機械の一例を示す側面図である。
図1に示すように、建設機械1は、クローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回自在に搭載された上部旋回体3とで構成される。上部旋回体3は、旋回フレーム4を備える。
【0023】
旋回フレーム4は、製缶の構造物であり、下部走行体2の上部に旋回可能に設けられ、旋回フレーム4の上面には、キャブ5、アタッチメント6、カウンタウエイト7、機械室10等が設けられる。
【0024】
アタッチメント6は、上部旋回体3の前部に設置され、ブーム6a、アーム6b及びバケット6cを有する。ブーム6a等はそれぞれ油圧制御された油圧シリンダ6dの伸縮に連動して動作し、掘削等の作業を行う。ブーム6a等の操作は、キャブ5において行われる。キャブ5は、例えば矩形箱形の運転室であり、アタッチメント6に隣接して上部旋回体3の前部に設置される。
【0025】
図2は、本実施形態に係る建設機械の上部旋回体を示す斜視図であり、
図3は、ボンネット及び側壁の一部を取り外した上部旋回体の斜視図である。機械室10は、上部旋回体3の後部に配置された左右方向に長い空間であり、エンジン20を収容する。
図2及び
図3に示すように、機械室10の前方には、キャブ5及び燃料タンク8が配置され、燃料タンク8の上部に尿素タンク室9が配置される。機械室10は、下部を旋回フレーム4によって区画され、後部をカウンタウエイト7によって区画される。カウンタウエイト7は、建設機械1の重量バランスをとるためのものである。
【0026】
機械室10の後部は、カウンタウエイト7を挟んだ左右の両側面が側壁によって覆われる。左右の側壁には、それぞれメンテナンス開口11が設けられ、各メンテナンス開口11には開閉可能なドアカバー12が取り付けられる。ドアカバー12を開放した状態で、機械室10内のメンテナンスが行われる。ドアカバー12は、メンテナンス時以外閉じられており、機械室10の後部及び側部を覆う側壁の一部を構成する。
【0027】
機械室10は、上部をボンネット14によって覆われる。ボンネット14は開閉可能であり、ボンネット14を開放して機械室10内のメンテナンスを上方から行うことができる。メンテナンス時以外ボンネット14は閉じられる。
【0028】
図4は、機械室10の側壁、カウンタウエイト7及びボンネット14を取り外して、機械室の内部を示す上部旋回体の斜視図である。
図5から
図7は、上方、後方及び側方から見た機械室内部を示す概略図である。機械室10は、左側に位置する吸気室10aと、吸気室10aの右側に位置するエンジンルーム10bと、エンジンルーム10bの右側に位置するポンプ室10cを含む。
【0029】
吸気室10aは、左側のドアカバー12に隣接する。左側のドアカバー12には吸気口13が設けられ、吸気口13から吸気室10aへ外気が取り込まれる。
【0030】
エンジンルーム10bには、エンジン20、第1冷却ファン21及び熱交換器23が収容される。ポンプ室10cには、油圧ポンプ24、マフラー25、第2冷却ファン22が収容される。エンジンルーム10bとポンプ室10cはひと続きの空間であるが、少なくとも下部に作動油の飛散防止のための仕切り26が設けられる。
【0031】
エンジン20は、駆動軸20aを左右方向に向けて機械室10内に横向きに配置される。エンジン20の右側上部には、マフラー25が設けられる。マフラー25は、エンジン20から排出される排気ガスを通過させ、エンジン20の排気音を低減する。マフラー25を通過した排気ガスは、マフラー25の端部に設けられた排出管25aから外部に排出される。排出管25aは、ボンネット14の右側上部から上方へ突出する。
【0032】
マフラー25の下方に、油圧ポンプ24が配置される。油圧ポンプ24は、エンジン20の右端部に連結される。油圧ポンプ24は、エンジン20を駆動源として駆動し、各種油圧アクチュエータへ作動油を供給する。
【0033】
第1冷却ファン21は、エンジン20の左端部から突出する駆動軸20aに連結される。第1冷却ファン21は、エンジン20を駆動源として駆動し、吸気口13から外気を機械室10内へ取り込み、機械室10を通ってエンジン20の周囲を冷却する第1空気流路W1を形成する。本実施形態では、第1空気流路W1は、第1冷却ファン21の駆動時、機械室10左側を上流とし、機械室10右側の下流へ向かって流れる。第1冷却ファン21は、第1空気流路W1におけるエンジン20よりも上流に配置される。
【0034】
熱交換器23は、エンジン20の冷却水を冷却する。熱交換器23は、第1冷却ファン21と対向するように、第1冷却ファン21の上流に隣接して配置される。第1冷却ファン21と熱交換器23との間は、ファンシュラウド27によって囲まれる。熱交換器23は、矩形厚板状の機械であり、吸気室10aから取り込まれた空気を通過させるコア面を有する。熱交換器23は、コア面を左右方向へ向けて吸気室10aとエンジンルーム10bとの間に配置される。吸気室10aとエンジンルーム10bは、熱交換器23とその外周に設けられた隔壁28により区画される。
【0035】
第1冷却ファン21及び第2冷却ファン22は、第1空気流路W1において直列的に配置される。第2冷却ファン22は、第1空気流路W1におけるエンジン20よりも下流に配置される。第2冷却ファン22は、機械室10の上部を覆うボンネット14の、第1空気流路W1の下流側側面に形成された排気用開口22aに設置され、メンテナンス開口11及びドアカバー12よりも上方に位置する。本実施形態では、第2冷却ファン22は、ボンネット14の右側面内側に配置される。第2冷却ファン22をこのような配置とすることで、メンテナンス開口11からのメンテナンス作業を阻害せず、メンテナンススペースを確保することができる。
【0036】
第2冷却ファン22は、図示しないバッテリから電力を供給可能な電動駆動のファンであり、エンジン20停止後も駆動可能である。第2冷却ファン22は、送風方向を反転可能であり、機械室10内の空気を、排気用開口22aから外部へ排出する正回転と、外気を排気用開口22aから機械室10内へ取り込む逆回転とを、切り換え可能に構成される。
【0037】
第2冷却ファン22の前方には、ポンプ室10cの上部前側に隣接して尿素タンク室9が配置される。尿素タンク室9には、排ガス浄化用の尿素水を貯留する尿素タンク30が収容される。尿素タンク室9は、前部に外気を取り込むための吸気用開口31を有し、後部にポンプ室10cへ連通するダクト32を有する。ダクト32の下流側排気口32aは第2冷却ファン22の上流側に隣接し、ダクト32の上流側吸気口32bは尿素タンク室9に接続される。
【0038】
第2冷却ファン22が正回転駆動すると、吸気用開口31から外気が取り込まれ、尿素タンク室9を通って尿素タンク30の周囲を冷却する第2空気流路W2が形成される。第2空気流路W2は、尿素タンク室9からダクト32を介して機械室10へ流れる。ダクト32は、第2空気流路W2の一部を構成し、第2冷却ファン22が尿素タンク室9内の空気をより効果的に吸い出すことを可能にする。本実施形態において、第2空気流路W2は、第2冷却ファン22の正回転駆動時、尿素タンク室9の前方を上流、後方を下流とし、吸気用開口31から第2冷却ファン22へ流れる。
【0039】
第2冷却ファン22は、第2空気流路W2における尿素タンク30よりも下流、かつ、第1空気流路W1及び第2空気流路W2が合流する合流位置又は該合流位置よりも下流に配置されることで、第1冷却ファン21及び第2冷却ファン22の駆動時、第1空気流路W1及び第2空気流路W2の排風が可能である。
【0040】
以上のように構成した建設機械1は、第2冷却ファン22を第1空気流路W1及び第2空気流路W2が合流する合流位置又は該合流位置よりも下流に配置することで、第2冷却ファン22が第1空気流路W1を通る冷却風の排出を促進させ、機械室10内を効率的に冷却できる。これにより、第1空気流路W1の排風を促すための開口を機械室10のボンネット14等に別途設ける必要がなく、機械室10からの騒音を低減できる。また、第2冷却ファン22は、尿素タンク室9の冷却機能も兼ねるため、尿素タンク30内の尿素水のオーバーヒートを防ぐことも可能となる。
【0041】
第2冷却ファン22は、第1空気流路W1におけるエンジン20よりも下流に配置され、第1冷却ファン21及び第2冷却ファン22が、第1空気流路W1において直列的に配置されるため、第2冷却ファン22が第1空気流路W1の圧力損失を招くおそれがなく、第1空気流路W1を通る冷却風を、機械室10内から効率的に排出できる。
【0042】
図8は、機械室の内部を上方から見た概略図であり、エンジン20停止後に第2冷却ファン22を逆回転駆動した際の空気の流れを示す図である。エンジン20停止後に第2冷却ファン22を逆回転駆動すると、外気が排気用開口22aから機械室10内及び尿素タンク室9内へ取り込まれ、機械室10内及び尿素タンク室9内が冷却可能となる。このとき、第1空気流路W1及び第2空気流路W2は、上流と下流が逆向きとなる。第1空気流路W1では、第2冷却ファン22から取り込まれた外気が、油圧ポンプ24及びエンジン20の外周を通り、吸気室10aを介して吸気口13から排出される。第2空気流路W2では、第2冷却ファン22から取り込まれた外気が、ダクト32を介して、尿素タンク室9へ入り、尿素タンク30の外周を通り、吸気用開口31から排出される。
【0043】
このように、第2冷却ファン22を、風向きが切り換え可能な電動駆動のファンとすることで、エンジン20停止後に逆回転駆動させ、機械室10内及び尿素タンク室9内を効果的に冷却することが可能となり、機械室10内及び尿素タンク室9内の電装品類の破損を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 建設機械
2 下部走行体
3 上部旋回体
8 燃料タンク
9 尿素タンク室
10 機械室
11 メンテナンス開口
12 ドアカバー
13 吸気口
14 ボンネット
20 エンジン
21 第1冷却ファン
22 第2冷却ファン
25 マフラー
30 尿素タンク
31 吸気用開口
32 ダクト
W1 第1空気流路
W2 第2空気流路