IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 辻 正則の特許一覧 ▶ 辻 達夫の特許一覧

<>
  • 特開-塗装用ハケ 図1
  • 特開-塗装用ハケ 図2
  • 特開-塗装用ハケ 図3
  • 特開-塗装用ハケ 図4
  • 特開-塗装用ハケ 図5
  • 特開-塗装用ハケ 図6
  • 特開-塗装用ハケ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089410
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】塗装用ハケ
(51)【国際特許分類】
   B05C 17/00 20060101AFI20240626BHJP
【FI】
B05C17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204756
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】521269573
【氏名又は名称】辻 正則
(71)【出願人】
【識別番号】521269584
【氏名又は名称】辻 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】辻 正則
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AB00
4F042BA10
4F042FA22
4F042FA24
4F042FA29
(57)【要約】
【課題】ハケ頭部の角度を変更する際に、手に塗料が付着することを抑制し得る塗装用ハケを提案する。
【解決手段】毛束部31を有するハケ頭部3と、長手方向へ相対移動可能に対設された一対の長尺板状部材11,11を有する把手部2と、一対の長尺板状部材11,11を可動状態と固定状態とに変換する雄螺子16およびナット17とを備え、可動状態で一対の長尺板状部材11,11を長手方向へ相対移動させることによって、ハケ頭部3を左右へ傾動させるものである。かかる構成によれば、ハケ頭部3に手を触れること無く、ハケ頭部3の傾斜角度を変更できる。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺板状の把手部と、塗料を塗る毛束部が設けられたハケ頭部とを備え、該把手部の先端部に該ハケ頭部が傾動可能に設けられた塗装用ハケであって、
前記把手部は、
長手方向へ相対移動可能に対設され、各先端部が所定間隔をおいて並列された一対の支軸を介して前記ハケ頭部に夫々枢結された一対の長尺板状部材と、
前記一対の長尺板状部材を連結し、相対移動可能な可動状態と相対移動不能な固定状態とに変換する連結変換手段と
を備え、
前記連結変換手段により前記一対の長尺板状部材を可動状態として、該一対の長尺板状部材を長手方向へ相対移動させることによってハケ頭部を傾動させる一方、該連結変換手段により前記一対の長尺板状部材を固定状態とすることによって、ハケ頭部を把手部に対して所望の傾動位置で固定させるものであることを特徴とする塗装用ハケ。
【請求項2】
連結変換手段は、
一対の長尺板状部材に対向状に夫々開口形成された貫通孔に挿通された雄螺子と、該雄螺子に螺合されるナットとを備え、雄螺子とナットとを緊締することにより固定状態とする一方、該緊締の解除により可動状態とするものであり、
少なくとも一方の長尺板状部材の貫通孔が、把手部の長手方向へ延成された長孔であることを特徴とする請求項1に記載の塗装用ハケ。
【請求項3】
連結変換手段は、
一対の長尺板状部材の間に介装され、雄螺子を挿通させる挿通孔を夫々有する一対の介装部材を備え、
一方の介装部材が、一方の長尺板状部材の板面に対向する平坦面と凸状湾曲面とを有し、且つ他方の介装部材が、該凸状湾曲面に摺動可能に当接される凹状湾曲面と他方の長尺板状部材の板面に対向する平坦面とを有するものであることを特徴とする請求項2に記載の塗装用ハケ。
【請求項4】
ハケ頭部は、
各長尺板状部材に夫々枢結された嵌合側部を有し、両嵌合側部間に毛束部を着脱可能に嵌合させる取付枠部を備えると共に、
前記毛束部が、前記取付枠部の両嵌合側部間に嵌合される被嵌合部を備えたものであり、
前記取付枠部には、
前記嵌合側部の一端寄り部位に、両嵌合側部間に差し渡された連結杆部と、
少なくとも一方の嵌合側部の他端寄り部位に設けられた、凹状または凸状の係合部と
を備え、
前記毛束部の被嵌合部には、
一端側に開口された、前記連結杆部を入出可能な連結溝部と、
他端寄りに設けられ、前記係合部に係合される被係合部と
を備えており、
前記毛束部の連結溝部が前記取付枠部の連結杆部に外嵌され、かつ当該毛束部の被係合部が当該取付枠部の係合部に係止されることによって、当該毛束部が当該取付枠部に嵌合されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の塗装用ハケ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把手部とハケ頭部とを有し、該ハケ頭部の毛束部に塗料を付けて塗装する塗装用ハケに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ハケ頭部が把手部に傾動可能に枢結されて、該ハケ頭部の角度を変更できるようにした構成が提案されている。かかる構成は、螺子でハケ頭部の角度を固定できることから、該螺子を緩めて該ハケ頭部の角度を変更し、所望の角度で該螺子を締めることによって、ハケ頭部の角度を固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-35672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来構成にあっては、ハケ頭部の角度を変更する際に、該ハケ頭部に触らなければならないことから、触った手に塗料が付いてしまうことがあった。
【0005】
本発明は、ハケ頭部に触ること無く、該ハケ頭部の角度を変更し得る塗装用ハケを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、長尺板状の把手部と、塗料を塗る毛束部が設けられたハケ頭部とを備え、該把手部の先端部に該ハケ頭部が傾動可能に設けられた塗装用ハケであって、前記把手部は、長手方向へ相対移動可能に対設され、各先端部が所定間隔をおいて並列された一対の支軸を介して前記ハケ頭部に夫々枢結された一対の長尺板状部材と、前記一対の長尺板状部材を連結し、相対移動可能な可動状態と相対移動不能な固定状態とに変換する連結変換手段とを備え、前記連結変換手段により前記一対の長尺板状部材を可動状態として、該一対の長尺板状部材を長手方向へ相対移動させることによってハケ頭部を傾動させる一方、該連結変換手段により前記一対の長尺板状部材を固定状態とすることによって、ハケ頭部を把手部に対して所望の傾動位置で固定させるものであることを特徴とする塗装用ハケである。
【0007】
かかる構成にあっては、可動状態で、一対の長尺板状部材を長手方向へ相対移動させることによって、ハケ頭部を傾動できる。これにより、ハケ頭部に手を触れること無く、該ハケ頭部を傾動させることができるため、該ハケ頭部を傾動させる際に塗料が手に付着することを抑制できる。したがって、本発明によれば、ハケ頭部に手を触れること無く、把手部に対する該ハケ頭部の傾斜角度を変更できる。
【0008】
前述した本発明の塗装用ハケにあって、連結変換手段は、一対の長尺板状部材に対向状に夫々開口形成された貫通孔に挿通された雄螺子と、該雄螺子に螺合されるナットとを備え、雄螺子とナットとを緊締することにより固定状態とする一方、該緊締の解除により可動状態とするものであり、少なくとも一方の長尺板状部材の貫通孔が、把手部の長手方向へ延成された長孔である構成が提案される。
【0009】
かかる構成にあっては、雄螺子とナットとの緊締操作と緊締の解除操作とによって、ハケ頭部に触れること無く、可動状態と固定状態とに変換できる。これにより、ハケ頭部の傾斜角度を変更する際に、塗料が手に付着することを抑制するという作用効果が一層向上する。また、本構成は、比較的簡素な構造で、連結変換手段を実現できる。
【0010】
前述した本発明の塗装用ハケにあって、連結変換手段は、一対の長尺板状部材の間に介装され、雄螺子を挿通させる挿通孔を夫々有する一対の介装部材を備え、一方の介装部材が、一方の長尺板状部材の板面に対向する平坦面と凸状湾曲面とを有し、且つ他方の介装部材が、該凸状湾曲面に摺動可能に当接される凹状湾曲面と他方の長尺板状部材の板面に対向する平坦面とを有するものである構成が提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、ハケ頭部の傾動に伴って一対の長尺板状部材の相対角度が変更された場合にあっても、一対の介装部材によって両長尺板状部材を安定して支持できる。これにより、一対の長尺板状部材を、相対角度の変更に関わらず、雄螺子とナットとの緊締によって固定状態で確実かつ安定して保持できる。
【0012】
前述した本発明の塗装用ハケにあって、ハケ頭部は、各長尺板状部材に夫々枢結された嵌合側部を有し、両嵌合側部間に毛束部を着脱可能に嵌合させる取付枠部を備えると共に、前記毛束部が、前記取付枠部の両嵌合側部間に嵌合される被嵌合部を備えたものであり、前記取付枠部には、前記嵌合側部の一端寄り部位に、両嵌合側部間に差し渡された連結杆部と、少なくとも一方の嵌合側部の他端寄り部位に設けられた、凹状または凸状の係合部とを備え、前記毛束部の被嵌合部には、一端側に開口された、前記連結杆部を入出可能な連結溝部と、他端寄りに設けられ、前記係合部に係合される被係合部とを備えており、前記毛束部の連結溝部が前記取付枠部の連結杆部に外嵌され、かつ当該毛束部の被係合部が当該取付枠部の係合部に係止されることによって、当該毛束部が当該取付枠部に嵌合されるものである構成が提案される。
【0013】
かかる構成にあっては、梃子作用により毛束部を取付枠部に比較的容易に着脱できる。これにより、毛束部の交換を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の塗装用ハケによれば、ハケ頭部に触れること無く、該ハケ頭部の傾斜角度を変更できるため、該変更の際に塗料が手に付着することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施例の塗装用ハケ1の側面図である。
図2】塗装用ハケ1を構成するハケ本体5を示す、(A)側面図と、(B)正面図である。
図3】毛束部31を示す、(A)側面図と、(B)正面図である。
図4】塗装用ハケ1の正面図である。
図5】ハケ頭部3を一側へ傾斜させた傾動位置における固定状態を示す正面図である。
図6】ハケ頭部3を他側へ傾斜させた傾動位置における固定状態を示す正面図である。
図7】毛束部31をハケ本体5の取付枠部21に取り付ける態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明にかかる塗装用ハケを具体化した実施例を、以下に説明する。
図1に示すように、塗装用ハケ1は、長尺状の把手部2と該把手部2の先端部に傾動可能に設けられたハケ頭部3とを備え、ハケ頭部3が、該把手部2に連結された取付枠部21と該取付枠部21に着脱可能な毛束部31とを備える。そして、本実施例の構成は、図2に示すように、把手部2とハケ頭部3の取付枠部21とが一体的に連結されており、該把手部2と該取付枠部21とによってハケ本体5が構成されている。尚、以下の説明では、前後左右と上下とを定めて説明しているが、これらの方向によって本発明は限定されない。
【0017】
把手部2は、左右一対の長尺板状部材11,11が対向状に配設されたものであり、各長尺板状部材11に夫々開口された貫通孔13,14に挿通された雄螺子16と該雄螺子16に螺合されるナット17とによって、両長尺板状部材11,11が連結されている。長尺板状部材11,11は、上下方向の長尺板部12aと該長尺板部12aの一側縁から直交状に突出する側縁部12bとからなる断面L形状を成し、長尺板部12a,12a同士が左右方向に間隔をおいて対向し且つ側縁部12b,12b同士が前後方向に間隔をおいて対向するように配置される。そして、本実施例にあっては、左方の長尺板部12aに円形の前記貫通孔13が開口され、右方の長尺板部12aに長手方向(上下方向)へ長い長孔状の貫通孔14が開口されている(図4~6参照)。また、左方の長尺板状部材11の長尺板部12aには、その下端寄り部位に所定厚さの緩衝部材10が取り付けられており、該緩衝部材10によって左右の長尺板部12a,12aが直に接触することを防止している。
【0018】
左右の長尺板状部材11,11間には、図2および図4~6に示すように、一対の介装部材41,42が介装されている。左方の介装部材41は、略円柱状を成し、左側に長尺板状部材11の長尺板部12aと対向させる平坦面41aと、右側に湾曲状に突出する凸状湾曲面41bとを備え、さらに平坦面41aから凸状湾曲面41bに貫通する挿通孔41cが設けられている。右方の介装部材42は、略円柱状を成し、左側に前記凸状湾曲面41bに倣うように湾曲状に凹む凹状湾曲面42bと、右側に長尺板状部材11の長尺板部12aと対向させる平坦面42aとを備え、さらに平坦面42aから凹状湾曲面42bに貫通する挿通孔42cが設けられている。
【0019】
これら介装部材41,42は、介装部材41の凸状湾曲面41bと介装部材42の凹状湾曲面42bとが当接されると共に夫々の平坦面41a,42aが長尺板部12a,12aに面接触されて、左右の長尺板状部材11,11間に介装される。そして、雄螺子16が、左方の長尺板状部材11の貫通孔13と、介装部材41,42の各挿通孔41c、42cと、右方の長尺板状部材11の貫通孔14とに挿通され、ナット17が螺合される。この介装部材41,42は、長尺板状部材11,11の相対角度が変更されると、凸状湾曲面41bと凹状湾曲面42bとの摺動によって追従して傾くことにより、各平坦面41a,42aと各長尺板部12a,12aとの夫々の面接触を保つことができる。
【0020】
このように介装部材41,42を介して連結された左右の長尺板状部材11,11は、前述したように右方の貫通孔14が長孔状であることから、長手方向(上下方向)へ相対移動させることができる。すなわち、左右の長尺板状部材11,11は、雄螺子16とナット17とを緊締させていない状態で、長手方向へ相対移動可能であると共に相対角度を変更可能である。そして、雄螺子16とナット17とを緊締させることによって、左右の長尺板状部材11,11を固定させることができる。これにより、左右の長尺板状部材11,11を、前記相対移動と相対角度とを変更した所望の位置で固定できる。尚、雄螺子16とナット17とを緊締させた状態が、本発明にかかる固定状態であり、緊締させない状態(緊締解除した状態)が、本発明にかかる可動状態である。
【0021】
また、前述した左右の長尺板状部材11,11には、夫々の上端部(先端部)に蝶番18,18を介して前記した取付枠部21が連結されている。取付枠部21は、金属製の板材を略U形に折り曲げられたものであり、左右方向で互いに対向する嵌合側部22,22と、各嵌合側部22,22の後側縁を連成する湾曲部23とが一体的に設けられてなる。そして、左方の嵌合側部22の下端部が前記蝶番18を介して左方の長尺板状部材11の上端部に枢結され、右方の嵌合側部22の下端部が前記蝶番18を介して右方の長尺板状部材11の上端部に枢結されている。ここで、各蝶番18,18は、その支軸19,19が各長尺板状部材11,11の長尺板部12aに沿って前後方向に設けられていることから、取付枠部21は、該支軸19,19を中心として左右両側へ傾動できる。すなわち、長尺板状部材11,11の左方を右方に対して取付枠部21側(上方)へ移動させることによって、該取付枠部21が右側へ傾動する(図6参照)一方、長尺板状部材11,11の右方を左方に対して取付枠部21側(上方)へ移動させることによって、該取付枠部21が左側へ傾動する(図5参照)。このように一対の長尺板状部材11,11を長手方向へ相対移動させることにより、取付枠部21を左右へ傾動できる。
【0022】
取付枠部21は、把手部2(左右の長尺板状部材11,11)に連結された状態で、少なくとも上方と前方とに開口されている。そして、左右の嵌合側部22,22の前端寄り部位に連結杆部25が差し渡されていると共に、後端寄り部位に内方へ突出された係合凸部26,26が設けられている。このようにハケ頭部3の取付枠部21は、把手部2に一体的に連結されている。
【0023】
また、毛束部31は、図3に示すように、前記取付枠部21の嵌合側部22,22間に嵌合される被嵌合部32と、被嵌合部32から引き出された毛束33とを備え、該毛束33の基部を被嵌合部32によって束ねている。具体的には、被嵌合部32は、毛束33の毛基端が接着される木製またはプラスチック製のベース体(図示せず)と、該ベース体および該毛束33の基部を囲繞する偏平円筒状の周枠体35とから構成されている。そして、被嵌合部32は、前記取付枠部21の嵌合側部22,22間に嵌入可能な寸法形状に形成されている。
【0024】
毛束部31の被嵌合部32には、前端部に前記取付枠部21の連結杆部25を入出可能な連結溝部37が設けられている。この連結溝部37は、被嵌合部32の左右両側面間に亘って設けられており、前方へ開口されている。さらに、被嵌合部32の後端寄りの左右両側面部には、前記取付枠部21の係合凸部26,26に夫々係合される凹状の被係合凹部38,38が設けられている。尚、本実施例にあって、係合凸部が、本発明にかかる係合部に相当し、係合凹部が、本発明にかかる被係合部に相当する。
【0025】
毛束部31は、前述したように、ハケ本体5の取付枠部21に着脱可能である。具体的には、図7に示すように、毛束部31を、その被嵌合部32の前部から取付枠部21の嵌合側部22,22間に嵌入して、該取付枠部21の連結杆部25に該被嵌合部32の連結溝部37を遊嵌させた後に、回転させることにより、被嵌合部32全体を嵌合側部22,22間に嵌入させて、該被嵌合部32の被係合凹部38,38を嵌合側部22,22の係合凸部26,26に夫々係合させる。これにより、図1に示すように、毛束部31を取付枠部21に取り付けることができ、この取り付けた状態で保持できる。一方、毛束部31を取り外す場合には、毛束部31の後部を前方へ引っ張ることによって、被係合凹部38,38と係合凸部26,26との係合を解除し、連結杆部25から連結溝部37を外す。これにより毛束部31を取付枠部21から取り外して分離できる。
【0026】
本実施例の塗装用ハケ1は、前述したように、左右の長尺板状部材11,11を相対移動可能な可動状態(雄螺子16とナット17とを緩めた状態)で、該長尺板状部材11,11を長手方向へ相対移動させることによって、ハケ頭部3を左右へ傾動できると共に、雄螺子16とナット17とを緊締させて、長尺板状部材11,11を相対移動不能な固定状態とすることにより、ハケ頭部3を所望の角度で保持できる。
【0027】
すなわち、ハケ頭部3を把手部2と略一直線状に配した状態(図4)から、左方へ傾ける場合には、雄螺子16とナット17との緊締を解除し、図5に示すように左の長尺板状部材11が右の長尺板状部材11に対して上方へ移動させることによって、ハケ頭部3が左に傾く。そして、ハケ頭部3を左方へ傾けた傾動位置で、雄螺子16とナット17とを緊締することによって、当該傾動位置でハケ頭部3を保持できる。一方、右方へ傾ける場合には、雄螺子16とナット17との緊締を解除し、図6に示すように右の長尺板状部材11が左の長尺板状部材11に対して上方へ移動させることによって、ハケ頭部3が右に傾く。そして、ハケ頭部3を右方へ傾けた傾動位置で、雄螺子16とナット17とを緊締することによって、当該傾動位置でハケ頭部3を保持できる。
【0028】
このように本実施例の構成は、雄螺子16とナット17との操作および左右の長尺板状部材11,11の相対移動によって、ハケ頭部3に手を触れること無く、ハケ頭部3の傾斜角度を変更することができる。さらに、本構成は、左右の長尺板状部材11,11の間に一対の介装部材41,42が介装されていることから、長手方向への相対移動によって左右の長尺板状部材11,11の相対的な傾斜角度が変更されても、雄螺子16とナット17との緊締によって両長尺板状部材11,11の固定状態を安定して保持できる。
【0029】
また、図7に示すように、毛束部31を取付枠部21に梃子作用によって容易に着脱できることから、該毛束部31の交換を容易に行うことができる。
【0030】
本発明は、前述した実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に変更可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 塗装用ハケ
2 把手部
3 ハケ頭部
5 ハケ本体
11 長尺板状部材
13,14 貫通孔
16 雄螺子
17 ナット
19 支軸
21 取付枠部
22 嵌合側部
25 連結杆部
26 係合凸部
31 毛束部
32 被嵌合部
37 連結溝部
38 被係合凹部
41 介装部材
41a 平坦面
41b 凸状湾曲面
41c 挿通孔
42 介装部材
42a 平坦面
42b 凹状湾曲面
42c 挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7