(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008942
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】駆動装置及び光フィルタ
(51)【国際特許分類】
G02B 26/00 20060101AFI20240112BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20240112BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G02B26/00
G02B7/00 B
B81B3/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180026
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2022000086の分割
【原出願日】2016-01-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北澤 正吾
(57)【要約】
【課題】可動部を精度よく動作させることが可能な駆動装置を提供し、並びに反射膜間の間隔を精度よく調節することが可能な光フィルタを提供する。
【解決手段】間隙をおいて対向する第1及び第2の主表面をそれぞれ有する第1及び第2の基板11A、11Bと、底面が第1の主表面を構成し、第1の主表面に垂直な方向に移動する可動部12と、第1の基板に対して可動部を移動可能に支持する支持部13と、可動部及び第2の主表面上にそれぞれ形成され、電圧の印加により可動部に対して可動部の移動方向の第1の成分と移動方向に垂直な方向の第2の成分とを有する静電気力を与える第1及び第2の駆動電極14A、14Bと、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隙をおいて対向する第1及び第2の主表面をそれぞれ有する第1及び第2の基板と、
底面が前記第1の主表面を構成し、前記第1の主表面に垂直な方向に移動する可動部と、
前記第1の基板に対して前記可動部を移動可能に支持する支持部と、
前記可動部及び第2の主表面上にそれぞれ形成され、電圧の印加により前記可動部に対して前記可動部の移動方向の第1の成分と前記移動方向に垂直な方向の第2の成分とを有する静電気力を与える第1及び第2の駆動電極と、を有することを特徴とする駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置及び当該駆動装置を含む波長可変型の光フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
光フィルタは、例えば、入射された光の中から所定の波長(波長帯域)の光のみを選択的に出射するように構成された光学素子である。例えば、光フィルタのような波長選択素子は、互いに対向する一対の反射膜を配置した構成を有している。当該一対の反射膜は、例えば、間隙をおいて平行に配置される。また、反射膜間の間隔は、取出されるべき光の波長に応じて設定される。
【0003】
例えば、特許文献1には、固定基板に設けられた固定反射膜と、可動基板に設けられた可動反射膜と、固定基板に設けられた第一電極と、可動基板に設けられかつ電極間ギャップを介して第一電極に対向して配置された第二電極とを具備する波長可変干渉フィルタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、光フィルタは、反射膜間の間隔(光学ギャップ)が固定された波長固定型と、光学ギャップを調節することが可能な波長可変型とに区別される。波長可変型の光フィルタは、例えば、固定された一方の反射膜と、当該一方の反射膜に間隙をおいて対向し、膜厚方向に移動可能な他方の反射膜とを備えている。この波長可変型の光フィルタにおいては、反射膜間の間隔を精度よく調節できることが好ましい。
【0006】
また、光フィルタにおける反射膜を変位させる場合のみならず、例えば可動部を有する駆動装置においても、当該可動部を精度よく動作させることができることが好ましい。
【0007】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、可動部を精度よく動作させることが可能な駆動装置を提供することを課題の1つとしている。また、本発明は、反射膜間の間隔を精度よく調節することが可能な光フィルタを提供することを課題の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明による駆動装置は、間隙をおいて対向する第1及び第2の主表面をそれぞれ有する第1及び第2の基板と、第1の主表面に形成されて第1の主表面に垂直な方向に移動する可動部と、第1の基板に対して可動部を移動可能に支持する支持部と、第1及び第2の主表面上にそれぞれ形成され、電圧の印加により可動部に対して可動部の移動方向の第1の成分と移動方向に垂直な方向の第2の成分とを有する静電気力を与える第1及び第2の駆動電極と、を有することを特徴としている。
【0009】
また、請求項10に記載の発明による光フィルタは、当該駆動装置と、可動部上及び第2の主表面上において互いに対向して配された第1及び第2の反射膜と、を有することを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)は実施例1に係る駆動装置の模式的な上面図であり、(b)は実施例1に係る駆動装置の断面図である。
【
図2】(a)は実施例1に係る駆動装置の電極部の構造を示す断面図であり、(b)は実施例1に係る駆動装置の動作時における状態を示す断面図である。
【
図3】(a)は実施例1及び比較例に係る駆動装置の駆動電圧に対する可動部の移動量の関係を示す図である。
【
図4】(a)及び(b)は、それぞれ実施例1の変形例1及び変形例2に係る駆動装置の断面図である。
【
図5】(a)及び(b)は、それぞれ実施例2及びその変形例に係る駆動装置の断面図である。
【
図6】(a)は実施例3に係る駆動装置の模式的な上面図であり、(b)は実施例3に係る駆動装置の断面図である。
【
図7】(a)は実施例4に係る光フィルタの模式的な上面図であり、(b)は実施例4に係る光フィルタの断面図である。
【
図8】実施例4に係る光フィルタの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例0012】
図1(a)は、実施例1に係る駆動装置10の上面を模式的に示す図である。
図1(b)は、
図1(a)のV-V線に沿った断面図である。駆動装置10は、間隙GPをおいて対向する第1及び第2の主表面PL1及びPL2をそれぞれ有する第1及び第2の基板11A及び11Bを有する。以下においては、第1及び第2の基板11A及び11Bを基板対11と称する場合がある。また、第1及び第2の主表面PL1及びPL2を主表面対PPと称する場合がある。
【0013】
本実施例においては、
図1(a)に示すように、第1及び第2の基板11A及び11Bは矩形の外形を有する。また、第1及び第2の基板11A及び11Bは、平板形状を有する。また、第1の主表面PL1は、第1の基板11Aの主面の一方の中央部分からなる。また、本実施例においては、第2の基板11Bの主面の一方には円柱形状の凹部が設けられており、当該凹部の底面が第2の主表面PL2である。本実施例においては、第1及び第2の主表面PL1及びPL2は、互いに平行に配置されている。
【0014】
駆動装置10は、底面が第1の主表面PL1を構成し、第1の主表面PL1に垂直な方向Dに移動する可動部12を有する。本実施例においては、
図1(a)に示すように、可動部12は、可動部12の移動方向Dに対して回転対称形状を有する。より具体的には、例えば、本実施例においては、可動部12は、可動部12の移動方向Dに沿った回転対称軸Cを中心軸とする円柱形状を有する。
【0015】
駆動装置10は、第1の基板11Aに対して可動部12を移動可能に支持する支持部13を有する。具体的には、例えば、支持部13は、第1の基板11Aに形成されて可動部12を取り囲む環状形状を有する。本実施例においては、支持部13は、
図1(b)に示すように、可動部12の周りに設けられた第1の基板11Aの薄膜部からなる。
【0016】
より具体的には、第1の基板11Aにおける第1の主表面PL1の反対側の主面には環状の溝が設けられており、支持部13は当該溝によって設けられた第1の基板11Aの比較的薄い部分である。そして、第1の基板11Aにおける支持部13の内側部分は可動部12として機能する。従って、可動部12及び支持部13の底面は第1の主表面PL1を構成する。なお、本実施例においては、支持部13は、可動部12の回転対称軸Cと同軸の環状形状を有する。
【0017】
駆動装置10は、第1及び第2の主表面PL1及びPL2上にそれぞれ形成され、可動部12を移動させる静電気力を生成する第1及び第2の駆動電極14A及び14Bからなる駆動部14を有する。本実施例においては、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、可動部12の移動方向D(第1の主表面PL1に垂直な方向)から透視した場合に、可動部12の外周部に沿って配されている。
【0018】
また、本実施例においては、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、可動部12の移動方向Dから透視したときに、可動部12の外縁(すなわち支持部13との接続部)の内側に円環状に設けられている。具体的には、第1の駆動電極14Aは、第1の主表面PL1における可動部12の外周部に沿って膜状に設けられている。また、第2の駆動電極14Bは、第2の主表面PL2において、第1の駆動電極14Aに対向するように膜状に設けられている。
【0019】
また、
図1(b)に示すように、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、可動部12の移動方向Dに垂直な方向において互いにオフセットして配されている。本実施例においては、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、可動部12の回転対称軸Cと同軸の環状形状を有する。また、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは回転対称軸Cを中心とした相似形状を有している。また、本実施例においては第1及び第2の駆動電極14A及び14Bの相似比は1:1ではない。
【0020】
換言すれば、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、上面視において同軸に配されているが、互いにずれた位置及びサイズで形成されている。また、本実施例においては、第1の駆動電極14Aは、上面視において第2の駆動電極14Bのわずかに外側に形成されている。すなわち、第1の主表面PL1の面内方向において、可動部12の回転対称軸Cから第1の駆動電極14Aまでの距離は、可動部12の回転対称軸Cから第2の駆動電極14Bまでの距離よりも大きい。
【0021】
駆動部14は、電源(図示せず)から第1及び第2の駆動電極14A及び14Bに電圧を印加することにより、静電気力を生成する。可動部12は、この静電気力によって第1の主表面PL1に垂直な方向D、すなわち間隙GPの高さ方向に移動する。駆動装置10は、駆動部14によって可動部12を移動させ、可動部12の移動に従って対象物を駆動する装置である。
【0022】
また、
図1(a)及び(b)に示すように、駆動装置10は、第1及び第2の基板11A及び11Bが接合部15によって互いに接合された構造を有する。本実施例においては、接合部15は、第1及び第2の基板11A及び11Bの周辺領域(可動部12及び支持部13の外側領域)に設けられている。
【0023】
図2(a)は、可動部12、支持部13及び駆動部14の部分を拡大して示す部分拡大断面図である。
図2(a)は、
図1(b)の破線で囲まれた部分を拡大して示す図である。また、
図2(a)は、駆動部14に電圧が印加されていない状態を示す図である。駆動装置10は、駆動部14に電圧が印加されていない状態では静電気力が生成されておらず、可動部12は移動しない。この状態の可動部12の位置を基準位置とする。また、基準位置における第1及び第2の主表面PL1及びPL2間の間隙GPの高さを高さGP0とする。
【0024】
図2(a)に示すように、駆動部14は、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bが互いにオフセットされた位置に形成された構成を有する。本実施例においては、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、可動部12の移動方向Dから透視した場合に互いに重なる領域14A1及び14B1を有する。具体的には、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、それぞれ、互いに対向する対向領域14A1及び14B1と、互いに対向していない非対向領域14A2及び14B2と、を有する。
【0025】
また、本実施例においては、
図2(a)に示すように、第1の駆動電極14Aの対向領域(第1の対向領域)14A1は第1の駆動電極14Aの内側部分からなり、非対向領域(第1の非対向領域)14A2は第1の駆動電極14Aの外側部分からなる。また、第2の駆動電極14Bの対向領域(第2の対向領域)14B1は第2の駆動電極14Bの外側部分からなり、非対向領域(第2の非対向領域)14B2は第2の駆動電極14Bの内側部分からなる。
【0026】
図2(b)は、駆動部14に電圧を印加した場合の可動部12、支持部13及び駆動部14の部分を拡大して示す部分拡大断面図である。まず、可動部12の移動動作の概要について説明する。第1及び第2の駆動電極14A及び14Bに電圧を印加すると、例えば、第1及び第2の駆動電極14A及び14B間に静電引力Fが生ずる。支持部13は、この静電引力Fによって弾性変形を起こし、第2の基板11Bに向かって屈曲(傾斜)する。また、支持部13(薄膜部)は、可動部12の周囲に設けられている。従って、可動部12の全体が第2の基板11Bに向かって移動する。これによって、例えば、間隙GPは、高さGP0から高さGP1に減少する。なお、印加する電圧値によっては、第1及び第2の駆動電極14A及び14B間に静電斥力を生じさせ、間隙GPが増加する方向に可動部12を移動させることもできる。
【0027】
ここで、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bについて詳細に説明する。上記したように、第1及び第2の駆動電極14Aは及び14Bは、オフセットされた位置に形成され、完全には対向していない。第1及び第2の駆動電極14A及び14Bがこのような配置関係を有することで、両者の間に生成される静電気力Fは、可動部12の移動方向Dの成分Faと、可動部12の移動方向Dに垂直な方向の成分Fbとを有することとなる。
【0028】
換言すれば、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bは、第1及び第2の主表面PL1及びPL2上に形成され、電圧の印加により可動部12に対して可動部12の移動方向Dの成分(第1の成分)Faと可動部12の移動方向Dに垂直な方向の成分(第2の成分)Fbとを有する静電気力Fを与えるように構成されている。
【0029】
駆動部14によって生成される静電気力Fのうち、第1の主表面PL1に垂直な成分Faは可動部12を移動させることに寄与する。一方、第1の主表面PL1に平行な成分Fbは、可動部12を移動させることには寄与しない。従って、駆動部14に印加される電圧の変化に対し、可動部12は大きく移動しない。
【0030】
図3(a)は、駆動部14に印加する電圧と可動部12の移動量との関係を示す図である。なお、駆動装置10との比較のため、比較例に係る駆動装置100として、
図3(b)に示すように、互いに完全に対向する駆動電極E1及びE2を有することを除いては駆動装置10と同様の構成を有する駆動装置を準備した。
図3(a)は、両者における印加電圧と可動部の移動量の関係の比較結果を示すグラフである。
図3(a)の横軸は駆動電極に印加する電圧値であり、縦軸は可動部の移動量である。
【0031】
図3(a)に示すように、駆動装置100では、駆動電極E1及びE2間に印加される電圧を増加させると、徐々に可動部12の移動量の変化が大きくなっていることがわかる。一方、駆動装置10においては、駆動電極14A及び14Bへの印加電圧の変化に対する可動部12の移動量の変化は緩やかなものとなっていることがわかる。これは、駆動電極14A及び14Bをオフセットして配置したことによると解される。
【0032】
また、膜状(板状)の電極によって静電気力を生成させる場合、静電気力の大きさは電極間の距離の2乗に反比例する。すなわち、例えば、電極間の距離が半分になった場合、生成される静電気力は4倍になる。すなわち、電極間の距離を比較的小さくして配置する場合は、印加電圧を変化させると急激に電極間距離が変化する。
【0033】
これに対し、本実施例においては、第1及び第2の駆動電極14A及び14Bがオフセットされて配置されている。従って、上記したように、静電気力Fの一部(成分Fb)が可動部12の移動に寄与しないため、印加電圧の変化に対する可動部12の移動力(成分Fa)の変化が緩やかなものとなる。従って、可動部12の急激な移動を抑制することができる。
【0034】
さらに、本実施例においては、生成される静電気力Fにおける可動部12の移動方向Dに垂直な方向の成分Fbは、可動部12の移動時における変形(歪み)を抑制することに寄与する。具体的には、本実施例のように支持部13の弾性変形によって可動部12を移動させる場合、可動部12の中央部分が屈曲するように変形することがある。これは、駆動電圧の印加時において、可動部12の外周部分(すなわち支持部13の近傍)に作用する応力と、可動部12の中央部分に作用する応力との差異によるものである。従って、可動部12の全体が正確に移動しない場合がある。
【0035】
例えば、可動部12を第2の主表面PL2に向かう方向に移動させた場合、可動部12の中央部分が第2の主表面PL2側に屈曲する場合がある。これに対し、本実施例においては、静電気力Fのうち、方向Dに垂直な方向の成分Fbは、可動部12を第1の主表面PL1の面内方向に伸縮させるような力として可動部12に作用する。従って、可動部12の移動時における歪みが抑制され、可動部12の全体を安定して精密に移動させることができる。
【0036】
図4(a)は、実施例1の変形例1に係る駆動装置10Aの断面図である。駆動装置10Aは、駆動部16の構成を除いては駆動装置10と同様の構成を有している。本変形例においては、駆動部16は、第1及び第2の主表面PL1及びPL2上にそれぞれ形成された第1及び第2の駆動電極16A及び16Bを有する。本変形例においては、可動部12の移動方向Dから透視したとき、第1の駆動電極16Aは第2の駆動電極16Bよりも内側に配されている。
【0037】
本変形例のように、第1の駆動電極16Aが第2の駆動電極16Bよりも可動部12(駆動電極16A及び16B)の回転対称軸C寄りにずれていてもよい。この場合、可動部12に対し、可動部12を第1の主表面PL1に垂直な方向Dに移動させる力と、可動部12を第1の主表面PL1に平行な方向に引っ張る力とを有する静電気力が生成される。
【0038】
図4(b)は、実施例1の変形例2に係る駆動装置10Bの断面図である。駆動装置10Bは、駆動部17の構成を除いては駆動装置10と同様の構成を有している。本変形例においては、駆動部17は、第1及び第2の主表面PL1及びPL2上にそれぞれ形成された第1及び第2の駆動電極17A及び17Bを有する。本変形例においては、第1及び第2の駆動電極17A及び17Bは、互いに対向する領域(例えば対向領域14A1及び14B1)を有していない。
【0039】
すなわち、第1及び第2の駆動電極17A及び17Bは、上面視において互いに重ならないように配置されている。本変形例においては、生成される静電気力のうち、可動部12を移動させる力が比較的小さい。従って、より厳密に可動部12の移動量を制御したい場合に有用な構成となる。
【0040】
上記したように、駆動装置10(10A又は10B)は、可動部12の移動方向Dの成分Faと当該移動方向Dに垂直な方向の成分Fbとを有する静電気力Fを生成する第1及び第2の駆動電極14A(16A又は17A)及び14B(16B又は17B)を含む。従って、可動部12を精度よく動作させ、安定した駆動を行うことが可能な駆動装置を提供することができる。
駆動装置20及び20Aのように、例えば生成する静電気力の各方向の成分の調節を考慮して、互いに異なる配線幅を有する駆動電極21A(22A)及び21B(22B)を有していてもよい。なお、駆動装置20及び20Aにおいても、第1及び第2の駆動電極21A(22A)及び21B(22B)は、全体として互いにオフセットされるような位置に形成されている。