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特開2024-89424排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO2回収システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089424
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO2回収システム
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20240626BHJP
   B01D 53/92 20060101ALI20240626BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
F01N3/08 A ZAB
B01D53/92 240
B01D53/92 300
B01D53/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204777
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上出 英行
(72)【発明者】
【氏名】中野 泰彦
(72)【発明者】
【氏名】奥原 誠
(72)【発明者】
【氏名】本城 匠
【テーマコード(参考)】
3G091
4D002
4D006
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AA14
3G091AB08
3G091BA07
3G091BA13
3G091EA01
3G091EA07
3G091EA21
3G091EA39
3G091EA40
3G091HB03
4D002AA09
4D002AC10
4D002BA20
4D002CA07
4D002FA01
4D002GA02
4D002GA03
4D002GB01
4D002GB04
4D002GB20
4D006GA41
4D006HA21
4D006KE01P
4D006KE08Q
4D006KE30Q
4D006MB04
4D006PB19
4D006PB64
(57)【要約】
【課題】良好な排ガスの流れを確保する(詰まりを抑制する)
【解決手段】入力空間(32)、出力空間(33)、及び、入力空間と出力空間との間に設けられ且つ熱機関(11)から入力空間へ供給される排ガス中のCOを出力空間に通過させるCO分離膜(31)を有するCO分離装置(30)が対象機器(1)に設けられる。排ガス処理用の制御装置(100)は処理部を備え、処理部は、熱機関から入力空間へ供給される排ガスの流量に基づき、出力空間の圧力を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力空間、出力空間、及び、前記入力空間と前記出力空間との間に設けられ且つ熱機関から前記入力空間へ供給される排ガス中のCOを前記出力空間に通過させるCO分離膜を有するCO分離装置、が設けられた対象機器にて使用される排ガス処理用の制御装置であって、処理部を備え、
前記処理部は、前記熱機関から前記入力空間へ供給される前記排ガスの流量に基づき、前記出力空間の圧力を制御する
、排ガス処理用の制御装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記排ガスの流量が閾流量を超えるとき、前記排ガスの流量が前記閾流量以下であるときよりも、前記出力空間の圧力を低く制御する
、請求項1に記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記排ガスの流量が前記閾流量を超えるとき、前記排ガスの流量の増大につれて前記出力空間の圧力を低下させる
、請求項2に記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記排ガスの流量が前記閾流量以下であるときにおいても、前記排ガスの流量の増大につれて前記出力空間の圧力を低下させる
、請求項3に記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項5】
前記熱機関から前記入力空間へ供給される前記排ガスの内、一部のガスは前記CO分離膜を通過し、残部のガスは排出口を通じて前記対象機器の外部に放出され、
前記処理部は、前記排ガスの流量に応じて前記排出口の開口面積を制御する
、請求項1に記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項6】
前記熱機関から前記入力空間へ供給される前記排ガスの内、一部のガスは前記出力空間を通過し、残部のガスは排出口を通じて前記対象機器の外部に放出され、
前記処理部は、前記排ガスの流量に応じて前記排出口の開口面積を制御し、前記排ガスの流量が前記閾流量よりも大きな第2閾流量を超えるとき、前記排ガスの流量が前記第2閾流量以下であるときよりも、前記開口面積を増大させる
、請求項2に記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項7】
前記出力空間内のガスを吸い出すことで前記出力空間の圧力を低下させるポンプが前記対象機器に設けられ、
前記処理部は、前記排ガスの流量に基づき前記ポンプの作動条件を制御することを通じて前記出力空間の圧力を制御する
、請求項1~6の何れかに記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項8】
前記ポンプにより前記出力空間から吸い出されたガス中のCOを捕捉して貯留するCO貯留装置が前記対象機器に設けられる
、請求項7に記載の排ガス処理用の制御装置。
【請求項9】
請求項1~6の何れかに記載の排ガス処理用の制御装置と、
前記CO分離装置と、
前記出力空間内のガスを吸い出すことで前記出力空間の圧力を低下させるポンプと、
前記ポンプにより前記出力空間から吸い出されたガス中のCOを捕捉して貯留するCO貯留装置と、を備えた
、CO回収システム。
【請求項10】
入力空間、出力空間、及び、前記入力空間と前記出力空間との間に設けられ且つ熱機関から前記入力空間へ供給される排ガス中のCOを前記出力空間に通過させるCO分離膜を有するCO分離装置、が設けられた対象機器にて使用される排ガス処理用の制御方法であって、
前記熱機関から前記入力空間へ供給される前記排ガスの流量に基づき、前記出力空間の圧力を制御する
、排ガス処理用の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関等の熱機関にて生じた排ガスからCOを分離して回収する技術がある。CO分離膜を用いて排ガスからCOを分離することができる。
【0003】
尚、下記特許文献1には、膜モジュールを用いて車両の排気ガスストリームからCOを分離及び回収するにあたり、ターボチャージャー及び真空ポンプを用いて圧力差を生み出す技術が開示されている。また一定濃度のCOが含まれるガスをCO分離膜に供給する場合、供給ガス流量の増大に伴い、基本的にCO分離膜を通過するガスの流量(通過ガス流量)も増大する。しかしながら、CO分離膜の特性上、通過ガス流量が或る一定量にまで高まると供給ガス流量の増大に対して通過ガス流量が殆ど増大しなくなる(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014-508240号公報
【非特許文献1】“平成29年度CO2分離回収技術の研究開発事業(二酸化炭素分離膜モジュール実用化研究開発事業)”、[online]、平成31年2月、次世代型膜モジュール技術研究組合 、[令和4年11月26日検索]、インターネット<URL:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H29FY/010496.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
CO分離装置が設けられる対象機器において、条件次第では、熱機関とCO分離装置との間における良好な排ガスの流れが阻害され、いわゆるガスの詰まりが生じる可能性がある。このような詰まりは熱機関の燃費効率の低下要因となる。
【0006】
本発明は、良好な排ガスの流れの確保に寄与する排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO回収システムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る排ガス処理用の制御装置は、入力空間、出力空間、及び、前記入力空間と前記出力空間との間に設けられ且つ熱機関から前記入力空間へ供給される排ガス中のCOを前記出力空間に通過させるCO分離膜を有するCO分離装置、が設けられた対象機器にて使用される排ガス処理用の制御装置であって、処理部を備え、前記処理部は、前記熱機関から前記入力空間へ供給される前記排ガスの流量に基づき、前記出力空間の圧力を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、良好な排ガスの流れの確保に寄与する排ガス処理用の制御装置及び方法並びにCO回収システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る車両及び車両内部の概略的な平面図である。
図2】本発明の実施形態に係り、制御装置の内部構成図である。
図3】本発明の実施形態に係るセンサブロックの内部ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係り、制御装置の機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係り、CO分離膜における供給ガス流量と通過ガス流量との関係図である。
図6】本発明の実施形態に係り、CO分離装置に関わるガスの流れの説明図である。
図7】本発明の実施形態に係り、CO分離膜における供給ガス流量と通過ガス流量との関係図である。
図8】本発明の実施形態に係り、供給ガス流量が増加したときの残ガスの流量変化を示す図である。
図9】本発明の実施形態に属する第1実施例に係り、CO回収システムの動作フローチャートである。
図10】本発明の実施形態に属する第2実施例に係り、CO回収システムの動作フローチャートである。
図11】本発明の実施形態に属する第3実施例に係り、CO回収システムの動作フローチャートである。
図12】本発明の実施形態に属する第3実施例に係り、排ガスの流量に応じたロータ回転数及び排出口の開口面積の調整方法の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、機能部、回路、素子又は部品等の名称を省略又は略記することがある。
【0011】
図1は本実施形態に係る車両1の概略的な平面図である。車両1にはCO回収システムが搭載される。COは二酸化炭素を指す。尚、本明細書においてCOとCO2は同じものを指す。車両1は例えば路面上を走行可能な自動車であるが、車両1の種類は任意である。
【0012】
車両1には、内燃機関11、排気マニホールド12、排気管13、浄化装置14及びマフラ15が設けられる。車両1には更に、CO分離装置30、CO貯留装置40、ポンプ50、制御装置100及びセンサブロック200が設けられる。CO回収システムは、内燃機関11からの排ガス中のCOをCO貯留装置40にて貯留(換言すれば回収)する。以下、各部の構成及び機能を説明する。
【0013】
内燃機関11は、熱機関の例であり、燃料を内部で燃焼させることによって車両1を駆動するための駆動力を発生させる。内燃機関11に加えて電動機(不図示)が車両1に設けられていて良い。この場合、内燃機関11と電動機を併用して車両1を駆動するための駆動力を発生させる。
【0014】
内燃機関11内での燃料の燃焼によって生じた排ガス(排気ガス)は排気マニホールド12を通じて排気管13に流入する。排気管13に対して浄化装置14及びマフラ15が設けられる。換言すれば、排気管13にて形成される排ガスの流路に浄化装置14及びマフラ15が挿入される。排ガスの流路において浄化装置14の下流側にマフラ15が設けられ、マフラ15の更に下流側にCO分離装置30が設けられる。
【0015】
排気管13は、連結路13a、13b及び13cを有する。連結路13aは排気マニホールド12と浄化装置14との間に設けられ、排気マニホールド12と浄化装置14とを連結する。連結路13bは浄化装置14とマフラ15との間に設けられ、浄化装置14とマフラ15とを連結する。連結路13cはマフラ15とCO分離装置30との間に設けられ、マフラ15とCO分離装置30とを連結する。
【0016】
内燃機関11から送出された排ガスは連結路13aを通って浄化装置14に流れ込む。浄化装置14は自身に流入した排ガスを浄化する。当該浄化において、浄化装置14は自身に流入した排ガス中の浄化対象物質を除去する(換言すれば低減する)。浄化対象物質はNO、SO、HC(炭化水素)及びCO(一酸化炭素)を含む。NOは窒化酸化物を指し、例えばNO、NO、N、N又はNOである。SOは硫黄酸化物を指し、例えばSO又はSOである。浄化装置14は浄化対象物質の除去に適した触媒を含む。浄化装置14は、三元触媒又は酸化触媒による浄化装置、排ガス中の粒子状物質(主にスス)を除去するフィルタ装置、及び、尿素を還元剤として使用した選択還元型触媒装置(いわゆる尿素SCR)を含んでいて良い。尚、除去対象物質が完全に浄化装置14にて除去されるとは限らず、排ガス中の除去対象物質の濃度等に依存して、排ガス中の除去対象物質の幾らかは浄化装置14を通過し得る。
【0017】
浄化装置14による浄化後の排ガスは連結路13bを通ってマフラ15に流れ込む。以下、内燃機関11から浄化装置14に流入する排ガスは、適宜、記号“Ga”にて参照される。浄化装置14による浄化後の排ガスであって、マフラ15に送られる前の排ガスは、適宜、記号“Gb”にて参照される。従って、連結路13a内の排ガスは排ガスGaであり、連結路13b内の排ガスは排ガスGbである。
【0018】
マフラ15は自身に流れ込む排ガス(ここでは排ガスGb)における温度及び圧力を低下させて排気騒音を低減させる機能を持つ。マフラ15を通過した後の排ガスは、適宜、記号“Gc”にて参照される。排ガスGcは連結路13cを通ってCO分離装置30に送られる。
【0019】
CO分離装置30は、CO分離膜31、入力空間32及び出力空間33を備える。入力空間32と出力空間33との間にCO分離膜31が設けられる。即ち、CO分離装置30内の空間はCO分離膜31を境界に入力空間32と出力空間33に分離される。連結路13cを通ってCO分離装置30に送られる排ガスGcは入力空間32に流れ込む。
【0020】
CO分離膜31は、入力空間32内の排ガスの内、気体の二酸化炭素のみを選択的に通過させる膜である。CO分離膜31を通過したガス(即ち気体の二酸化炭素)は出力空間33に入る。出力空間33内のガスはCO貯留装置40に送られる。CO分離膜31を通過しなかったガスは、CO分離装置30に設けられた残ガス排出口34を通じ車外に排出される。車外とは車両1の外部を指す。残ガス排出口34は、入力空間32とCO分離装置30の外部空間との間に配置される。
【0021】
入力空間32へ供給される排ガスは、適宜、記号“Gin”にて参照される。ここでは、排ガスGcそのものが排ガスGinである。また、排ガスGinの内、CO分離膜31を通過したガスを通過ガスと称し、CO分離膜31を通過しなかったガスを残ガスと称する。通過ガスは、適宜、記号“G1”にて参照される。残ガスは、適宜、記号“G2”にて参照される。理想的にはCO以外のガスのみにて残ガスG2が構成されるが、残ガスG2にCOが含まれることがある。
【0022】
ポンプ50は出力空間33とCO貯留装置40との間に設けられる。ポンプ50は出力空間33内のガス(従って通過ガスG1)を吸い出し、吸い出したガスをCO貯留装置40に送るポンプ動作を行う。本実施形態においてポンプ50の作動とポンプ動作の実行は互いに同義である。ポンプ50は制御装置100と通信可能に接続され、ポンプ50の作動条件(換言すれば作動状態)は制御装置100により制御される。
【0023】
ポンプ50は吸気口及び排気口を有し、吸気口から排気口に向かってガスを輸送する気体輸送式真空ポンプである。吸気口が出力空間33に設けられ、排気口からのガスがCO貯留装置40に送られる。ポンプ50が作動することで、出力空間33内のガスの量が減少するため出力空間33内の圧力が低下する。出力空間33内の圧力の低下は、出力空間33におけるCOの分圧の低下に相当する。ポンプ50の継続的な作動により、出力空間33内のCOの分圧が入力空間32内のCOの分圧よりも低く維持される。入力空間32と出力空間33との間におけるCOの分圧差に基づき、入力空間32から出力空間33に向けてCOがCO分離膜31を通過する。
【0024】
CO貯留装置40は自身に送られたガスG1’中のCOを捕捉して貯留する。ガスG1’は、出力空間33内のガスの内(従って通過ガスG1の内)、ポンプ50により吸い出されてCO貯留装置40に送られたガスである。従って、CO貯留装置40は出力空間33におけるCOを捕捉して貯留するものであると言える。
【0025】
CO貯留装置40におけるCOの捕捉及び貯留の方法として、公知の方法を含む任意の方法を利用することができる。例えば、COの捕捉及び貯留の方法として、物理吸着法、物理吸収法、化学吸収法又は深冷分離法を利用できる。一例として、物理吸着法を採用される場合のCO貯留装置40の構造及び機能を説明する。この場合、CO貯留装置40は、活性炭又はゼオライト等から成り且つCOの吸着に適したCO吸着剤と、CO吸着剤を収容する容器と、を備える。CO吸着剤に対しCOを含んだガス(上述のガスG1’)を接触させることによりCOをCO吸着剤に吸着させることができる。
【0026】
図2に制御装置100の内部構成図を示す。制御装置100は、ハードウェア資源として演算処理部110、メモリ120及びインターフェース130を備える。演算処理部110は、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含む。制御装置100にて実行される任意の制御、動作及び処理は、演算処理部110にて実行される制御、動作及び処理であると解されて良い。演算処理部110においてMPUとGPUが一体に形成されていても良い(例えばMPUにGPUが内蔵されていても良い)。
【0027】
メモリ120は、ROM(Read only memory)又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、及び、RAM(Random access memory)等の揮発性メモリを含む。メモリ120に格納されたプログラムを演算処理部110にて実行することで、制御装置100の各機能が実現されて良い。ここにおけるプログラムは複数のプログラムを含んでいて良い。演算処理部110に複数のMPUを設けておき、当該複数のMPUにて複数のプログラムが実行されることで、制御装置100の各機能が実現されても良い。制御装置100は1以上のECU(Electronic Control Unit)にて構成されていて良い。2以上のECUにおける2以上のMPUにより演算処理部110が構成されていても良い。
【0028】
インターフェース130は相手側装置と通信を行う。通信は双方向通信又は一方向通信である。車両1においてCAN(Controller Area Network)を含む通信網が形成される。相手側装置は車両1に設置され且つ上記通信網に接続された任意の装置を含む。制御装置100及び相手側装置は上記通信網を介して任意の情報及び信号の送受信が可能である。本実施形態において、相手側装置はセンサブロック200及びポンプ50を含む。インターフェース130にとっての相手側装置は、車両1の外部に設けられた外部装置(サーバ装置等)を含み得る。制御装置100及び相手側装置間の通信は、インターフェース130を用いて実現されるが、以下では、インターフェース130の記述が省略されることがある。
【0029】
センサブロック200は車両1に設置された1以上のセンサから成る。図3にセンサブロック200の内部ブロック図を示す。図3には、センサブロック200に含まれるセンサとして、流量センサ210、回転数センサ211、車速センサ212、ギアセンサ213、アクセルセンサ214、ブレーキセンサ215及び舵角センサ216が示される。但し、図3に示されないセンサもセンサブロック200に含まれ得る。制御装置100及びセンサブロック200内の各センサは上記通信網に接続され、上記通信網を介して任意の情報及び信号の送受信が可能である。
【0030】
流量センサ210は、内燃機関11から送出される排ガスの流量を検出し、検出した流量を表す流量検出情報を生成及び出力する。流量の検出対象となる排ガスは、連結路13a内の排ガスGaであっても良いし、連結路13b内の排ガスGbであっても良いし、連結路13c内の排ガスGcであっても良い。尚、本実施形態において任意の流量は単位時間当たりにおける気体の移動量を指す。本実施形態において任意の気体の流量は標準状態における気体の流量換算値を表す。標準状態は一気圧且つ所定温度(例えば0℃)の状態である。
【0031】
回数数センサ211は内燃機関11であるエンジンの回転数(クランクシャフトの回転数)を検出し、検出した回転数を表す回転数情報を生成及び出力する。車速センサ212は車両1の速度を検出し、検出した速度を表す車速情報(車速パルス)を出力する。ギアセンサ213は車両1に設けられた変速機のギアの状態又はギア比を検出し、検出したギアの状態又はギア比を表すギア情報を出力する。アクセルセンサ214は車両1に設けられたアクセルペダルへの操作量(運転手による操作量)を検出し、検出した操作量を表すアクセル情報を出力する。ブレーキセンサ215は車両1に設けられたブレーキペダルへの操作量(運転手による操作量)を検出し、検出した操作量を表すブレーキ情報を出力する。舵角センサ216は車両1の舵角(操舵角)を検出し、検出した舵角を表す舵角情報を出力する。
【0032】
走行状態情報は、上述の回転数情報、車速情報、ギア情報、アクセル情報、ブレーキ情報及び舵角情報を含む。走行状態情報により車両1の走行状態が表される。センサ211~216は車両1の走行状態を検出するためのセンサであると言える。
【0033】
図4に制御装置100の機能ブロック図を示す。制御装置100には機能ブロックF1~F4が設けられる。演算処理部110において、単一のプログラム又は複数のプログラムが実行されることで機能ブロックF1~F4が実現されて良い。演算処理部110に複数のMPUを設けておき、当該複数のMPUにて複数のプログラムが個別に実行されることで任意の複数の機能ブロックが実現されて良い。機能ブロックF1、F2、F3、F4は、夫々、流量情報取得部、流量判断部、圧力制御部、排出口制御部である。
【0034】
流量情報取得部F1は、内燃機関11から送出される排ガスの流量を表す流量情報を取得する。以下、流量情報によって表される流量を流量FRと称する。本実施形態において流量FRは排ガスGinの流量に相当する。流量情報取得部F1は、流量センサ210にて生成される流量検出情報を流量情報として取得して良い。この場合、流量FRは流量センサ210により検出された流量であり、流量情報取得部F1は流量センサ210から流量検出情報を受信するインターフェース130により実現されると解して良い。
【0035】
或いは、流量情報取得部F1は、内燃機関11から送出される排ガスの流量を推定することで流量情報を取得しても良い。この場合、流量センサ210は不要であり、推定された流量が流量FRとなる。内燃機関11から送出される排ガスの流量は車両1の走行状態に依存する。このため、流量情報取得部F1は、走行状態情報(図3参照)に基づき、内燃機関11から送出される排ガスの流量を推定し、これによって流量情報を取得しても良い。例えば、内燃機関11であるエンジンの回転数及び車両1に設けられた変速機のギア比と、内燃機関11から送出される排ガスの流量と、の関係を表す流量導出用情報を予め作成してメモリ120に保持させておく。この場合、流量情報取得部F1は、流量導出用情報と回転数情報及びギア情報とに基づき内燃機関11から送出される排ガスの流量を推定できる。走行状態情報の内、回転数情報及びギア情報以外の情報が用いられる場合も同様である。また、他の情報を更に参照して上記推定を行っても良い。他の情報は例えば内燃機関11の空燃比を含む。内燃機関11の空燃比も走行状態情報に含まれると解しても良い。センサブロック200に設けておくことのできる空燃比センサ(不図示)により内燃機関11の空燃比が検出される。
【0036】
機械学習を経て作成された学習済みモデルにより上記推定を行うようにしても良い。即ち例えば、走行状態情報と内燃機関11から送出される排ガスの流量との対応関係を示す学習用データセットを用意し、学習用データセットを用いて機械学習装置に機械学習を実施させる。そして、機械学習を用いて得られた学習済みモデルを流量情報取得部F1に組み込む。当該学習済みモデルは、走行状態情報を入力情報として受け、入力情報に基づき流量情報を出力する。
【0037】
流量判断部F2は流量情報に基づく各種の判断処理を行う。流量判断部F2の処理内容は後述される。
【0038】
圧力制御部F3は流量情報に基づき出力空間33の圧力を制御する。圧力制御部F3は流量情報に基づきポンプ50の作動条件を制御することを通じて出力空間33の圧力を制御するため、圧力制御部をポンプ制御部と称することもできる。尚、排出口制御部F4の機能については後述される。
【0039】
上述のポンプ50の機能を実現できる限り、ポンプ50の種類は任意であるが、ここではポンプ50は油回転ポンプであるとする。ポンプ50は吸気口、排気口及びロータを有し、ロータの回転により出力空間33内のガスが吸気口から吸気された後、排気口から排出される。ポンプ50の排気口から排出されたガスがCO貯留装置40に送られる。
【0040】
圧力制御部F3はポンプ50のロータの回転数を指定及び制御することができる。ポンプ50のロータの回転数を、以下、ロータ回転数と称し、記号“RR”にて参照する。一定濃度のCOを含み且つ一定流量の排ガスGinが入力空間32に供給され続ける状況を想定する。当該状況において、ロータ回転数RRが増大するにつれてポンプ50の吸気量及び排気量が増大し、ポンプ50の吸気量及び排気量が増大するにつれて出力空間33の圧力が低下する。故に、出力空間33の圧力の制御はポンプ50の吸気量及び排気量の制御であるとも言える。
【0041】
ロータ回転数RRには上限があり、上限の回転数を最大回転数RRMAXと称する。ロータ回転数RRを常に最大回転数RRMAXに維持したならば、出力空間33の圧力が常に最小化される。即ち、入力空間32と出力空間33との間におけるCOの分圧差が最大化され、結果、通過ガスG1の流量も最大化される。但し、ロータ回転数RRの増大はポンプ50の消費電力の増大を招く。
【0042】
ここで、図5を参照してCO分離膜31の特性を説明する。図5に、一定条件下において一定濃度のCOを含むガスをCO分離膜31に供給したときにおける、供給ガス流量と通過ガス流量との関係を概略的に示す。CO分離膜31において、供給ガス流量は排ガスGinの流量であり、通過ガス流量は通過ガスG1の流量である。通過ガス流量が十分に小さい領域では、供給ガス流量の増大につれて通過ガス流量も十分に大きな傾きをもって増大してゆく。しかしながら、CO分離膜31の特性上、通過ガス流量が或る一定量にまで高まると供給ガス流量の増大に対して通過ガス流量が殆ど増大しなくなる(非特許文献1参照)。上記一定量はCO分離膜31の表面積に依存し、当該表面積が大きいほど増大する。更に上記一定量は入力空間32と出力空間33との間におけるCOの分圧差にも依存し、当該分圧差が大きいほど増大する。
【0043】
故に、限られた大きさのCO分離膜31を用いて、通過ガスG1の流量を増大させるには、出力空間33の圧力の低減が有効である。但し、出力空間33の圧力が最小化されるようポンプ50を作動させ続けるのは(即ちロータ回転数RRを常に最大回転数RRMAXで維持するのは)、エネルギ効率面で最適とは言い難い。
【0044】
他方、内燃機関11から送出される排ガスの流量は様々に変化する。或る作動条件でポンプ50を作動させているときに排ガスの流量が一定流量を超えると、CO分離膜31を通過しなかったガスの量が残ガス排出口34にとって過大となり得る。このとき、内燃機関11とCO分離装置30との間でガスの詰まり(以下、単に、ガスの詰まり又は詰まりと表記されうる)が発生しうる。ガスの詰まりは内燃機関11の燃費効率に悪影響を与える。
【0045】
これらの事情を考慮した制御、動作、構成又は応用技術等を、以下、複数の実施例の中で説明する。本実施形態にて上述した事項は、特に記述無き限り且つ矛盾無き限り、以下の各実施例に適用される。各実施例において、上述の事項と矛盾する事項がある場合には、各実施例での記載が優先されて良い。また矛盾無き限り、以下に示す複数の実施例の内、任意の実施例に記載した事項を、他の任意の実施例に適用することもできる(即ち複数の実施例の内の任意の2以上の実施例を組み合わせることも可能である)。
【0046】
尚、以下では、特に記述無き限り、内燃機関11から送出される排ガス中のCOの濃度は一定である又は一定とみなすことができるものとする。従って、図1の構成では、排ガスGc中のCOの濃度は一定である又は一定とみなすことができるものとする。
【0047】
<<第1実施例>>
第1実施例を説明する。第1実施例では、上記の詰まりの解消に有益な技術を説明する。図6を参照する。今、供給ガス流量(入力空間32に供給されるガスの流量)が流量Aであって且つ通過ガス流量(CO分離膜31を通過するガスの流量)が流量Bであるとする。そうすると、残ガス排出口34から車外に放出されるガスの流量は(A-B)で表される。
【0048】
図7において、実線波形610はポンプ50を所定の基準作動条件で作動させたときの流量A及びB間の関係を示す。図7において、破線波形620はポンプ50を所定の最大作動条件で作動させたときの流量A及びB間の関係を示す。最大作動条件においてロータ回転数RRは上述の最大回転数RRMAXと一致する。基準作動条件においてロータ回転数RRは所定の基準回転数RRREFと一致する。基準回転数RRREFは最大回転数RRMAXより小さい。故に、一定濃度のCOを含み且つ一定流量の排ガスGinが入力空間32に供給され続ける状況において、基準作動条件におけるポンプ50の吸気量及び排気量は、最大作動条件におけるポンプ50の吸気量及び排気量よりも小さい。
【0049】
ポンプ50の任意の作動条件において、供給ガス流量Aが所定の処理限界流量以下であるときには、供給ガス流量Aの増大につれて通過ガス流量Bも十分に大きな傾きをもって増大してゆく。但し、供給ガス流量Aが処理限界流量を超えると、供給ガス流量Aの増大に対して通過ガス流量Bが殆ど増加しなくなる。ここでは、説明の簡単化のため、供給ガス流量Aが処理限界流量を超えると、供給ガス流量Aの変化に対して通過ガス流量Bが不変であるとする。処理限界流量はポンプ50の作動条件の依存し、ロータ回転数RRが増大するにつれて(従って、ポンプ50の吸気量及び排気量の増大につれて)処理限界流量も増大する。
【0050】
図7において、流量AMAX_Mはポンプ50が基準作動条件で作動しているときの処理限界流量であり、流量AMAX_Lはポンプ50が最大作動条件で作動しているときの処理限界流量である。供給ガス流量Aが処理限界流量AMAX_Mと一致しているときにおいてポンプ50を基準作動条件で作動させたときの通過ガス流量Bは流量BMAX_Mである。供給ガス流量Aが処理限界流量AMAX_Lと一致しているときにおいてポンプ50を最大作動条件で作動させたときの通過ガス流量Bは流量BMAX_Lである。
【0051】
図8を参照し、今、基準作動条件において“A=AMAX_M”である場合を想定する。この場合、“B=BMAX_M”であるので、残ガス排出口34から車外に放出されるガスの流量は(AMAX_M-BMAX_M)で表される。次に基準作動条件において供給ガス流量Aが処理限界流量AMAX_MからΔAだけ増加した場合を考える。この場合も“B=BMAX_M”であるので、残ガス排出口34から車外に放出されるガスの流量は(AMAX_M-BMAX_M+ΔA)で表される。基準作動条件においてΔAの大きさによっては、残ガス排出口34を通じて排出されるべきガスの流量(AMAX_M-BMAX_M+ΔA)が残ガス排出口34にとって過大となり、上述の詰まりが生じ得る。
【0052】
これを考慮し、第1実施例では、流量情報に基づきポンプ50の作動条件を制御することを通じて出力空間33の圧力を適正に制御及び調整する。これによって、内燃機関11及びCO分離装置30間のガスの詰まりを抑制することができる。
【0053】
図9は第1実施例に係るCO回収システムの動作フローチャートである。図9を参照して、CO回収システムの動作の流れを説明する。
【0054】
まずステップS11にて内燃機関11が作動開始する。内燃機関11の作動開始に伴って、内燃機関11からの排ガスの送出も開始される。ステップS11の後、内燃機関11が停止すると図9の動作は終了するが、内燃機関11の停止に関わるステップは図9では示されていない。以下、特に記述なき限り、内燃機関11は作動し続けるものとする。ステップS11の後、ステップS12に進む。
【0055】
ステップS12において、圧力制御部F3はポンプ50を所定の初期作動条件で作動開始させる。初期作動条件は基準作動条件又は最大作動条件であっても良いし、それ以外の作動条件であっても良い。ステップS12の後、ステップS13に進む。
【0056】
ステップS13において、流量情報取得部F1は流量FRを表す流量情報を取得する。流量情報取得部F1は所定周期で流量情報を順次取得する。ステップS13では最新の流量情報が取得され、最新の流量情報に基づき後段のステップの処理が実行される。ステップS13の後、ステップS14に進む。
【0057】
ステップS14において、流量判断部F2は流量FRを所定の閾流量FRTH1と比較し、流量FRが閾流量FRTH1以下であるかを判断する。閾流量FRTH1は基準作動条件における処理限界流量AMAX_Mを元に予め定められる。閾流量FRTH1は処理限界流量AMAX_Mと一致する。但し、閾流量FRTH1は処理限界流量AMAX_Mよりも若干大きくても良い又は若干小さくても良い。“FR≦FRTH1”の成立時には(ステップS14のY)ステップS15に進み、“FR>FRTH1”の成立時には(ステップS14のN)ステップS16に進む。
【0058】
ステップS15において、圧力制御部F3はポンプ50の作動条件を基準作動条件に設定する。即ち、圧力制御部F3はロータ回転数RRを基準回転数RRREFに設定する。
【0059】
ステップS16において、圧力制御部F3はポンプ50の作動条件を最大作動条件に設定する又は基準作動条件よりも最大作動条件に近づける。具体的には例えば、ステップS16において、圧力制御部F3は流量FRに応じてロータ回転数RRを基準回転数RRREFより高く設定する。この際、流量FRの増大につれてロータ回転数RRを高める。流量FRの増大につれてロータ回転数RRを段階的に又は連続的に増大させて良い。但し、ロータ回転数RRの上限は最大回転数RRMAXである。
【0060】
ロータ回転数RRを基準回転数RRREFより高めることで、基準作動条件よりもポンプ50の吸気量及び排気量が増大するので出力空間33の圧力が基準作動条件よりも低くなる。実際には例えば、流量FRとロータ回転数RRとの関係を規定する情報(ルックアップテーブル又は関係式)を予め圧力制御部F3に持たせておき、当該情報を用いてロータ回転数RRを決定すれば良い。
【0061】
ステップS15の後、及び、ステップS16の後、ステップS13に戻り、ステップS13から始まる一連の処理が再び実行される。ステップS13から始まる一連の処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0062】
上述したように、圧力制御部F3は、“FR>FRTH1”であるとき(ステップS14のN)、“FR≦FRTH1”であるときよりも(ステップS14のY)、ロータ回転数RRを上昇させる。これによって、圧力制御部F3は、“FR>FRTH1”であるとき、“FR≦FRTH1”であるときよりも出力空間33の圧力を低減させる。
【0063】
“FR>FRTH1”であるときには“FR≦FRTH1”であるときよりも、内燃機関11及びCO分離装置30間のガスの詰まりが発生しやすい。しかし、このとき、出力空間33の圧力低減により、入力空間32と出力空間33との間におけるCOの分圧差が増大して通過ガス流量Bが増大する。その分だけ残ガス排出口34に向かうガスの流量が低下し、上記詰まりの発生が抑制される。
【0064】
圧力制御部F3は、“FR>FRTH1”であるとき、流量FRの増大につれてロータ回転数RRを上昇させると良い。これにより、“FR>FRTH1”であるときには流量FRの増大につれてポンプ50の吸気量及び排気量が増大する。結果、“FR>FRTH1”であるときには流量FRの増大につれて出力空間33の圧力が低下する。
【0065】
詰まりの防止にとっては、ポンプ50を常に最大作動条件で作動させ続けることが最も有効であるが、ポンプ50を常に最大作動条件で作動させ続けることはエネルギ効率面において得策とは言い難い。流量FRに応じて動的にポンプ50の作動条件を調整することで、詰まりの発生を抑制しつつ、ポンプ50の動作に関わるエネルギロスをなるだけ低減することができる。
【0066】
但し、ステップS16において、ポンプ50の作動条件を常に最大作動条件に設定することも可能である。
【0067】
<<第2実施例>>
第2実施例を説明する。第1実施例では“FR≦FRTH1”であるとき、ポンプ50の作動条件が常に基準作動条件に設定されるが、“FR≦FRTH1”であるとき、基準作動条件から見てポンプ50の吸気量及び排気量が低下する向きにポンプ50の作動条件を動的に調整しても良い。具体的には、図9の動作フローチャートを図10の動作フローチャートに変形しても良い。図10は第2実施例に係るCO回収システムの動作フローチャートである。
【0068】
第2実施例では、ステップS15の処理がステップS15aの処理に置換される。他の点において、第2実施例は第1実施例と同様であるので、ステップS15aの処理に関してのみ説明を設ける。
【0069】
第2実施例では、ステップS14にて“FR≦FRTH1”が成立したとき、ステップS15aに進む。ステップS15aにおいて、圧力制御部F3は、流量FRに応じてロータ回転数RRを基準回転数RRREF以下に設定する。つまり、ステップS15aに係る圧力制御部F3は、流量FRに応じ、ポンプ50の作動条件を基準作動条件に設定する、又は、ポンプ50の吸気量及び排気量が基準作動条件よりも小さくなるようポンプ50の作動条件を設定する。
【0070】
ステップS15aにおいて、圧力制御部F3は流量FRの増大につれてロータ回転数RRを高める。この際、流量FRの増大につれてロータ回転数RRを段階的に又は連続的に増大させて良い。但し、ステップS15aで設定されるロータ回転数RRの上限は基準回転数RRREFとされる。例えばステップS15aにおいて、“FR=FRTH1”であるときにはロータ回転数RRを基準回転数RRREFに設定すると良い。少なくとも、流量FRが閾流量FRTH1より十分に低いときには、ロータ回転数RRは基準回転数RRREFより低く設定される。
【0071】
ロータ回転数RRを基準回転数RRREFより低く設定することで、基準作動条件よりもポンプ50の吸気量及び排気量が低下するので出力空間33の圧力が基準作動条件よりも高くなる。実際には例えば、流量FRとロータ回転数RRとの関係を規定する情報(ルックアップテーブル又は関係式)を予め圧力制御部F3に持たせておき、当該情報を用いてロータ回転数RRを決定すれば良い。
【0072】
ステップS15aの後は、ステップS13に戻り、ステップS13から始まる一連の処理が再び実行される。ステップS13から始まる一連の処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0073】
“FR≦FRTH1”であるとき、流量FRの増大につれて、圧力制御部F3によりポンプ50の吸気量及び排気量が増大する。結果、“FR≦FRTH1”であるとき、流量FRの増大につれて出力空間33の圧力が低下する。
【0074】
逆に言えば、“FR≦FRTH1”であるとき、流量FRが低下すればするほど、ポンプ50の吸気量及び排気量が減少する。ポンプ50の吸気量及び排気量の減少は基本的に詰まりの抑制にとって不利であるが、流量FRが大きくないのであれば、詰まりが発生する懸念が無いので問題は生じない。詰まりが生じない範囲でポンプ50の吸気量及び排気量を減少させることで、ポンプ50の動作に関わるエネルギロスをなるだけ低減することができる。
【0075】
<<第3実施例>>
第3実施例を説明する。第1及び第2実施例に示した方法によりガスの詰まりが抑制されるよう、ポンプ50の作動条件が調整される。但し、流量FRによってはポンプ50を最大作動条件で作動させても、ガスの詰まりが懸念されるケースも想定され得る。これを考慮し、流量FRに応じて残ガス排出口34の開口面積を調整できる構成を採用しても良い。
【0076】
尚、第1及び第2実施例では、残ガス排出口34が、固定された開口面積を有する排出口であることが想定されている。第3実施例では流量FRに応じて残ガス排出口34の開口面積を調整できる構成が採用される。以下、残ガス排出口34の開口面積を記号“S”にて参照する。残ガスG2は、開口面積S分の大きさを持つ残ガス排出口34を通って車外に放出される。
【0077】
残ガス排出口34と制御装置100とが互いに通信可能に接続され、制御装置100における排出口制御部F4(図4参照)の制御の下で、開口面積Sが調整される。
【0078】
図11は第3実施例に係るCO回収システムの動作フローチャートである。図12は、流量FRに応じたロータ回転数RR及び開口面積Sの調整方法の概念図である。端的に言えば、“FR≦FRTH1”のときから見て、“FRTH1<FR≦FRTH2”のときにはポンプ50の処理能力増大のみで対応し、“FRTH2<FR”のときにはポンプ50の処理能力増大と開口面積Sの増大で対応する。図11を参照して、CO回収システムの動作の流れを説明する。
【0079】
まずステップS31にて内燃機関11が作動開始する。内燃機関11の作動開始に伴って、内燃機関11からの排ガスの送出も開始される。ステップS31の後、内燃機関11が停止すると図11の動作は終了するが、内燃機関11の停止に関わるステップは図11では示されていない。以下、特に記述なき限り、内燃機関11は作動し続けるものとする。ステップS31の後、ステップS32に進む。
【0080】
ステップS32において、圧力制御部F3はポンプ50を所定の初期作動条件で作動開始させる。初期作動条件は基準作動条件又は最大作動条件であっても良いし、それ以外の作動条件であっても良い。またステップS32において、排出口制御部F4は開口面積Sを所定の基準面積SREFに設定する(“S=SREF”となるように残ガス排出口34を制御する)。ステップS32の後、ステップS33に進む。
【0081】
ステップS33において、流量情報取得部F1は流量FRを表す流量情報を取得する。流量情報取得部F1は所定周期で流量情報を順次取得する。ステップS33では最新の流量情報が取得され、最新の流量情報に基づき後段のステップの処理が実行される。ステップS33の後、ステップS34に進む。
【0082】
ステップS34において、流量判断部F2は流量FRを所定の閾流量FRTH1と比較し、流量FRが閾流量FRTH1以下であるかを判断する。ここにおける閾流量FRTH1は第1実施例に示したそれと同じものである。“FR≦FRTH1”の成立時には(ステップS34のY)ステップS35に進み、 “FR>FRTH1”の成立時には(ステップS34のN)ステップS37に進む。
【0083】
ステップS35に進んだ場合、ステップS35及びS36の処理が実行される。図11では、ステップS35の後にステップS36に進む流れが示されているが、ステップS35及びS36の処理の実行順序は任意であり、ステップS35及びS36の処理が同時に実行されても良い。
【0084】
ステップS35の処理は第2実施例に係るステップS15a(図10参照)の処理と同じである。即ち、ステップS35において、圧力制御部F3は、流量FRに応じてロータ回転数RRを基準回転数RRREF以下に設定する。但し、ステップS35において第1実施例に係るステップS15(図9参照)の処理を行っても良く、この場合、ステップS35にて圧力制御部F3はポンプ50の作動条件を基準作動条件に設定する。
【0085】
ステップS36において、排出口制御部F4は開口面積Sを所定の基準面積SREFに設定する(即ち“S=SREF”となるように残ガス排出口34を制御する)。ステップS35及びS36の処理の後、ステップS33に戻る。
【0086】
ステップS37において、流量判断部F2は流量FRを所定の閾流量FRTH2と比較し、流量FRが閾流量FRTH2以下であるかを判断する。閾流量FRTH2が閾流量FRTH1よりも大きい(図12参照)。流量FRが閾流量FRTH2以下であれば“S=SREF”であっても、ロータ回転数RRの調整を通じ、詰まりが生じない。換言すれば、流量FRが閾流量FRTH2以下であれば“S=SREF”であっても、ロータ回転数RRの調整を通じ詰まりが生じることがないよう、閾流量FRTH2が予め決定される。“FR≦FRTH2”の成立時には(ステップS37のY)ステップS38に進み、 “FR>FRTH2”の成立時には(ステップS37のN)ステップS40に進む。
【0087】
ステップS38に進んだ場合、ステップS38及びS39の処理が実行される。図11では、ステップS38の後にステップS39に進む流れが示されているが、ステップS38及びS39の処理の実行順序は任意であり、ステップS38及びS39の処理が同時に実行されても良い。
【0088】
ステップS38の処理は第1又は第2実施例に係るステップS16(図9又は図10参照)の処理と同じである。即ち、ステップS38において、圧力制御部F3は流量FRに応じてロータ回転数RRを基準回転数RRREFより高く設定する。この際、流量FRの増大につれてロータ回転数RRを高める。
【0089】
ステップS39において、排出口制御部F4は開口面積Sを所定の基準面積SREFに設定する(即ち“S=SREF”となるように残ガス排出口34を制御する)。流量FRが閾流量FRTH2以下であれば“S=SREF”であっても、ロータ回転数RRの調整を通じ、詰まりが生じないからである。ステップS38及びS39の処理の後、ステップS33に戻る。
【0090】
ステップS40に進んだ場合、ステップS40及びS41の処理が実行される。図11では、ステップS40の後にステップS41に進む流れが示されているが、ステップS40及びS41の処理の実行順序は任意であり、ステップS40及びS41の処理が同時に実行されても良い。
【0091】
ステップS40において、圧力制御部F3はポンプ50の作動条件を最大作動条件に設定する、即ちロータ回転数RRを最大回転数RRMAXに設定する。これにより、出力空間33の圧力はポンプ50にて達成可能な最小圧力に制御され、通過ガス流量Bは最大化される。但し、“FR>FRTH2”であるとき通過ガス流量Bが最大化されても、“S=SREF”であったならば詰まりの発生が懸念される。
【0092】
このため、ステップS41において、排出口制御部F4は開口面積Sを基準面積SREFよりも高く設定する。ステップS40及びS41の処理の後、ステップS33に戻る。
【0093】
残ガス排出口34は開口面積Sを2段階で変更できる構成を有していて良い。即ち、開口面積Sを基準面積SREF及び最大面積SMAXの何れか一方に設定できる構成を、残ガス排出口34が有していても良い。この場合、ステップS41において、排出口制御部F4は開口面積Sを最大面積SMAXに設定する。最大面積SMAXは基準面積SREFより大きな所定面積である。
【0094】
或いは、残ガス排出口34は、開口面積Sを3段階以上で変更できる構成を有していても良いし、開口面積Sを連続的に変更できる構成を有していても良い。この場合、ステップS41において、排出口制御部F4は流量FRの増大につれて開口面積Sを段階的に又は連続的に増大させて良い。但し、開口面積Sの上限は最大面積SMAXである。実際には例えば、流量FRと開口面積Sとの関係を規定する情報(ルックアップテーブル又は関係式)を予め排出口制御部F4に持たせておき、当該情報を用いて開口面積Sを決定すれば良い。
【0095】
ステップS35及びS36を経て、ステップS38及びS39を経て、又は、ステップS40及びS41を経てステップS33に戻ると、ステップS33から始まる一連の処理が再び実行される。ステップS33から始まる一連の処理は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0096】
上述したように、内燃機関11から入力空間32へ供給される排ガスGinの内、一部のガスは通過ガスG1としてCO分離膜31を通過し、残部のガス(残りのガス)は残ガスG2として残ガス排出口34を通じ車外に放出される。この際、排出口制御部F4は流量FRに応じて残ガス排出口34の開口面積Sを制御及び調整する。
【0097】
具体的には、流量FRが閾流量FRTH1よりも大きな閾流量FRTH2を超えるとき、流量FRが閾流量FRTH2以下であるときよりも、排出口制御部F4は開口面積Sを増大させる(ステップS37、S39及びS41参照)。
【0098】
これにより、内燃機関11及びCO分離装置30間のガスの詰まりを、より確実に抑制することが可能となる。詰まりの防止にとっては、常に“S=SMAX”とすることが最も有効である。しかしながら、流量FRが十分に低いときにまで“S=SMAX”としておくと、比較的多くのCOが残ガスG2に含まれた状態で残ガス排出口34から車外に放出され易くなる。流量FRに応じて動的に開口面積Sを調整することで、詰まりの発生を抑制しつつ、COの回収効率をなるだけ高めることができる。
【0099】
尚、ステップS36において、排出口制御部F4は流量FRに応じて開口面積Sを基準面積SREFより低く設定しても良い。
【0100】
<<第4実施例>>
第4実施例を説明する。連結路13b又は13cに排気弁(不図示)を設けておいても良い。そして演算処理部110にて実現される排気弁制御部(不図示)は、流量FRに応じて排気弁を閉状態又は開状態に制御するようにしても良い。排気弁が閉状態であるとき、内燃機関11から送出される排ガスが全てCO分離装置30の入力空間32に到達する。排気弁が開状態であるとき、内燃機関11から送出される排ガスの内、一部がCO分離装置30に到達することなく排気弁を通じて車外に放出され、残部がCO分離装置30の入力空間32に到達する。
【0101】
開口面積Sが固定される構成を残ガス排出口34が有する場合、排気弁制御部は、“FR≦FRTH2”の成立時には排気弁を閉状態に設定し、“FR>FRTH2”の成立時には排気弁を開状態に設定して良い。これにより詰まりの発生を抑制できる。
【0102】
開口面積Sを変更可能な構成を残ガス排出口34が有する場合、第3実施例に示した方法を前提に、排気弁制御部は、“FR≦FRTH3”の成立時には排気弁を閉状態に設定し、“FR>FRTH3”の成立時には排気弁を開状態に設定して良い。FRTH3は、閾流量FRTH2よりも更に大きな閾流量を表す。ロータ回転数RR及び開口面積Sの夫々を最大にしてもなお、詰まりの発生が懸念されるときに(即ち“FR>FRTH3”の成立時に)、排気弁を開状態にすることで詰まりの発生を抑制する。尚、排気弁が開状態であるとき、内燃機関11から送出される排ガスが、全て、CO分離装置30に到達することなく排気弁を通じて車外に放出されても良い。
【0103】
<<第5実施例>>
第5実施例を説明する。第5実施例では、上述した各事項に対する補足事項、応用技術又は変形技術等を説明する。
【0104】
内燃機関11から送出される排ガスの流路において、CO分離装置30の上流側にマフラ15が配置される構成例を挙げたが(図1参照)、CO分離装置30の下流側にマフラ15が配置されるようにしても良い。この場合、排ガスGbが排ガスGinであり、残ガスG2はマフラ15を通じて車外に排出される。内燃機関11から送出される排ガスの流路において、CO分離装置30の上流側と下流側の双方にマフラが設置されても良い。
【0105】
CO貯留装置40にて貯留されたCOは、例えば、ガソリンスタンド又は車庫等に設置された回収機器(不図示)に対してCO貯留装置40が接続されたときに、CO貯留装置40から回収機器に放出される。或いは、CO貯留装置40全体又はCO貯留装置40内のカートリッジを車両1から取り外すことで、CO貯留装置40に貯留されたCOが車外に取り出されても良い。
【0106】
排ガスに関わる装置として、上述の各図面に示されない装置(以下、追加装置と称する)が車両1に設けられていても良い。追加装置として排ガス冷却装置が車両1に設置されて良い。排ガス冷却装置は、排ガスの流路においてCO分離装置30の上流側に配置され、CO分離装置30に流入する排ガスの温度を低下させる。排ガス冷却装置の設置により、熱によるCO分離装置30の劣化(特にCO分離膜31の劣化)を抑制することができる。追加装置としてエネルギ変換装置が車両1に設置されて良い。エネルギ変換装置は、排ガスが有する熱エネルギを他のエネルギ(電気エネルギ等)に変換する。変換により得られた他のエネルギ(電気エネルギ等)を車両1にて利用することができる。排ガスをエネルギ変換装置に通すことで排ガスの温度が低下する。このため、エネルギ変換装置は排ガス冷却装置の一種であるともいえる。排ガスの流路においてエネルギ変換装置をCO分離装置30の上流側に配置し、CO分離装置30に流入する排ガスの温度をエネルギ変換装置にて低下させて良い。
【0107】
本実施形態に係るCO回収システムは、少なくとも制御装置100、CO分離装置30、CO貯留装置40及びポンプ50を備えて構成される。但し、車両1に搭載されるものとして上述した任意の部品は、CO回収システムの構成要素に含まれ得る。CO回収システムを排ガス処理装置と読み替えても良い。制御装置100は排ガス処理用の制御装置として機能する又は排ガス処理用の制御装置を内包する。
【0108】
車両1は内燃機関11を用いて発生した駆動力にて移動する移動体の例である。本発明において、移動体は車両に分類されないもの(例えばロボット、ドローン)であっても良い。
【0109】
車両1は、本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムが適用される対象機器の例である。本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムを、車載用途とは異なる任意の用途に適用することも可能である。即ち、対象機器は車両に限定されず、本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムを任意の対象機器に適用及び搭載できる。また、上述の車両1に設けられる熱機関は内燃機関(11)であるが、対象機器に設けられる熱機関は内燃機関及び外燃機関の何れであっても良いし、内燃機関及び外燃機関の組み合わせであっても良い。熱機関の作動により熱機関からCOを含む排ガスが送出される。
【0110】
具体的には、対象機器は化石燃料(石油又はガス等)を燃焼させる装置又は設備であっても良い。化石燃料を燃焼させる装置又は設備の例として、火力発電を行う装置又は設備、溶炉を備えた装置又は設備、コジェネレーションを行う装置又は設備、及び、暖房装置が挙げられる。閉鎖環境の換気システムに対して、本発明に係る排ガス処理用の制御装置及びCO回収システムを適用及び搭載しても良い。閉鎖環境として、宇宙空間に形成された居住施設(宇宙ステーション等)、及び、深海に形成された居住施設が挙げられる。
【0111】
本発明の実施形態にて述べた任意の方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び、そのプログラムを記録した記録媒体であって且つコンピュータ読み取り可能な不揮発性の記録媒体は、本発明の実施形態の範囲に含まれる。本発明の実施形態における任意の処理は、半導体集積回路等のハードウェア、上記プログラムに相当するソフトウェア、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現されて良い。ここにおけるソフトウェア及びハードウェアは夫々に複数あっても良い。
【0112】
本発明の一側面に係るプログラムは、入力空間、出力空間、及び、前記入力空間と前記出力空間との間に設けられ且つ熱機関から前記入力空間へ供給される排ガス中のCOを前記出力空間に通過させるCO分離膜を有するCO分離装置、が設けられた対象機器にて使用される排ガス処理用の制御方法を処理部(110)に実行させるプログラムであって、前記熱機関から前記入力空間へ供給される前記排ガスの流量に基づき、前記出力空間の圧力を制御する工程を前記処理部に実行させる。
【0113】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 車両
11 内燃機関
12 排気マニホールド
13 排気管
13a、13b、13c 連結路
14 浄化装置
15 マフラ
30 CO分離装置
31 CO分離膜
32 入力空間
33 出力空間
34 残ガス排出口
40 CO貯留装置
50 ポンプ
100 制御装置
110 演算処理部
120 メモリ
130 インターフェース
200 センサブロック
210 流量センサ
211 回転数センサ
212 車速センサ
213 ギアセンサ
214 アクセルセンサ
215 ブレーキセンサ
216 舵角センサ
Ga、Gb、Gc、Gin 排ガス
G1 通過ガス
G2 残ガス
F1 流量情報取得部
F2 流量判断部
F3 圧力制御部
F4 排出口制御部
図1
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図5
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図12