(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024089428
(43)【公開日】2024-07-03
(54)【発明の名称】天板昇降器具
(51)【国際特許分類】
A47B 9/00 20060101AFI20240626BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20240626BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240626BHJP
【FI】
A47B9/00 Z
A47B13/02
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204782
(22)【出願日】2022-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】599041411
【氏名又は名称】株式会社アスカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 康裕
(72)【発明者】
【氏名】柘植 毅
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NB00
3B053NC00
3B053NP02
3B053NP05
3B053NQ10
3B053NR01
(57)【要約】
【課題】従来技術と比較して天板昇降器具の脚部の上部に最小限の補強部材を追加するだけで、横揺れを抑制できるようにする。
【解決手段】補強プレートは、左脚部及び右脚部それぞれに設けられ、左脚部及び前記右脚部の正面側又は背面側の上端部正・背面側側面を覆う補強プレート覆部と、左右方向中心側にせり出された補強プレートせり出し部を有し、左脚部及び右脚部の上端部正・背面側側面に固定される。タイプレートは、補強プレート覆部に共締めされると共に、補強プレートせり出し部に締結されることにより、左脚部及び右脚部を連結して、天板の下面に取り付けられる。
【選択図】
図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の下側の左右それぞれに配置され、昇降機構部によって固定脚に対して可動脚が上下動するように構成された左脚部及び右脚部と、
前記左脚部及び前記右脚部それぞれに設けられ、前記左脚部及び前記右脚部の正面側又は背面側の上端部正・背面側側面を覆う補強プレート覆部と、左右方向中心側にせり出された補強プレートせり出し部を有し、前記左脚部及び前記右脚部の前記上端部正・背面側側面に固定された補強プレートと、
前記補強プレート覆部に共締めされると共に、前記補強プレートせり出し部に締結されることにより、前記左脚部及び前記右脚部を連結して、前記天板の下面に取り付けられたタイプレートと、
を備えた天板昇降器具。
【請求項2】
前記昇降機構部は、
前記左脚部の上端部内側側面と、前記右脚部の上端部内側側面との間に架け渡された昇降同調用シャフト部材を含む、
請求項1に記載の天板昇降器具。
【請求項3】
天板昇降器具の正面又は背面からみて、前記昇降用シャフト部材は、その一部又は全てが前記タイプレート及び前記補強プレートによって遮蔽される位置に配置されている、
請求項2に記載の天板昇降器具。
【請求項4】
前記昇降機構部は、
前記左脚部の上端部内側側面又は前記右脚部の上端部内側側面に配置された昇降駆動用モータを含む、
請求項1に記載の天板昇降器具。
【請求項5】
天板昇降器具の正面又は背面からみて、前記昇降駆動用モータは、その一部又は全てが前記タイプレート及び前記補強プレートによって遮蔽される位置に配置されている、
請求項4に記載の天板昇降器具。
【請求項6】
前記左脚部及び前記右脚部それぞれに設けられ、前記左脚部及び前記右脚部の上端部外側側面を支持すると共に、前記天板に取り付けられたブラケット、
を備えた請求項1から5に記載の天板昇降器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降デスク、昇降テーブルなどの天板昇降器具に関する。
【背景技術】
【0002】
天板昇降式デスクは、天板の高さを高くすると、重心位置が高くなり、一般的に横方向の揺れが大きくなる傾向がある。すなわち
図7(A)に示すように天板110が高くなると、脚部130L、130Rが長くなる。このため天板110に外力が加わると天板110が左右方向に倒れる方向に応力が発生する。ここで
図7(B)に示すように脚部130L、130Rと天板110の連結部分の剛性が低いと、天板110が左右方向に倒れる方向に作用する応力によって天板110が脚部130L、130Rと共に左右方向に揺動する。このため脚部130L、130Rと天板110がなす角度は直角を保持出来ずに、左右脚部130L、130Rと天板110は平行四辺形状に変形してしまい、使用者が安定して天板110上で作業をすることが困難となる。
【0003】
こうした横揺れを防止するために、従来より、天板昇降式デスクを、強固なフレーム構造としたり、天板昇降式デスクにリンク部材やガイド部材を設ける構造とする対策が施されている。
【0004】
特許文献1には、天板昇降机の横揺れを防止することを目的に、天板の脚部の下部にリンク部材やガイド部材を設けるという発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の横揺れ防止対策は、天板昇降式デスクに、重厚長大な補強部材を追加したり、重厚長大となる構造の改変を行うというものである。これにより天板昇降式デスクの高コスト化を招くと共に、脚部の投影面積が大きくなるなど天板昇降式デスクの肥大化、重量増加を招く結果をもたらすことになっていた。
【0007】
一方で、近年において天板昇降式のデスクには、シンプルかつ軽量化が求められている。こうした市場の要請に、従来の重厚長大な補強部材の追加や重厚長大となる構造改変を行うという横揺れ防止対策は、応えることができない。また天板昇降式のデスクは、脚部の中央、下方にあってその内部に昇降機構が設けられた構造となっている。このため脚部の中央、下方の内部にネジ等を突出させるなどの横揺れ対策を施すことができないという制約がある。また使用者の足との干渉を回避したり、デザイン上の観点から、左脚部と右脚部を中央、下方の位置で連結する連結部材を設けるといった横揺れ対策を施すことができないという制約がある。
【0008】
そこで、本発明は、従来技術と比較して、昇降デスクの脚部上部に最小限の補強部材を追加するだけで、横揺れを抑制できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明は、天板の下側の左右それぞれに配置され、昇降機構部によって固定脚に対して可動脚が上下動するように構成された左脚部及び右脚部と、前記左脚部及び前記右脚部それぞれに設けられ、前記左脚部及び前記右脚部の正面側又は背面側の上端部正・背面側側面を覆う補強プレート覆部と、左右方向中心側にせり出された補強プレートせり出し部を有し、前記左脚部及び前記右脚部の前記上端部正・背面側側面に固定された補強プレートと、前記補強プレート覆部に共締めされると共に、前記補強プレートせり出し部に締結されることにより、前記左脚部及び前記右脚部を連結して、前記天板の下面に取り付けられたタイプレートと、を備えた天板昇降器具である。
【0010】
第2発明は、第1発明において、前記昇降機構部は、前記左脚部の上端部内側側面と、前記右脚部の上端部内側側面との間に架け渡された昇降同調用シャフト部材を含む、天板昇降器具である。
【0011】
第3発明は、第2発明において、天板昇降器具の正面又は背面からみて、前記昇降用シャフト部材は、その一部又は全てが前記タイプレート及び前記補強プレートによって遮蔽される位置に配置されている、天板昇降器具である。
【0012】
第4発明は、第1発明において、前記昇降機構部は、前記左脚部の上端部内側側面又は前記右脚部の上端部内側側面に配置された昇降駆動用モータを含む、天板昇降器具である。
【0013】
第5発明は、第4発明において、天板昇降器具の正面又は背面からみて、前記昇降駆動用モータは、その一部又は全てが前記タイプレート及び前記補強プレートによって遮蔽される位置に配置されている、天板昇降器具である。
【0014】
第6発明は、第1から第5発明において、前記左脚部及び前記右脚部それぞれに設けられ、前記左脚部及び前記右脚部の上端部外側側面を支持すると共に、前記天板に取り付けられたブラケット、を備えた天板昇降器具である。
【発明の効果】
【0015】
第1の態様によれば、天板昇降器具の左右脚部の上部に最小限の補強部材を追加するだけで、横揺れを抑制できる。第2の態様によれば、昇降用シャフト部材と干渉することなく、補強部材を配置できる。第3の態様によれば、使用者が不用意に昇降用シャフト部材に触れてしまうことを防止できる。第4の態様によれば、昇降駆動用モータと干渉することなく、補強部材を配置できる。第5の態様によれば、使用者が不用意に昇降駆動用モータに触れてしまうことを防止できる。第6の態様によれば、第1の態様よりも一層横揺れを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態の昇降デスクを正面からみた正面図である。
【
図2】
図2は、実施形態の昇降デスクを背面からみた背面図である。
【
図3】
図3は、実施形態の昇降デスクを右側方からみた右側面図である。
【
図4A】
図4Aは、昇降デスクの右下部を前方右斜め方向からみた斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、昇降デスクの右下部を前方左斜め方向からみた斜視図である。
【
図4C】
図4Cは、昇降デスクの右下部を後方左斜め方向からみた斜視図である。
【
図4D】
図4Dは、昇降機構部を外した状態を示す図で、昇降デスクの右下部を後方左斜め方向からみた斜視図である。
【
図5】
図5は、右脚部と補強プレートとタイプレートの固定方法を説明する斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、補強プレートの変形例を例示した図である。
【
図6B】
図6Bは、補強プレートの変形例を例示した図である。
【
図7】
図7(A)、(B)は、横揺れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る天板昇降器具の実施形態について説明する。
【0018】
天板昇降器具は、昇降デスク、昇降テーブルなど、天板が昇降可能なあらゆる器具を含むものとする。
【0019】
以下、天板昇降器具が昇降デスクである実施形態について説明する。
【0020】
図1は、実施形態の昇降デスク100を正面からみた正面図を示す。
図2は、実施形態の昇降デスク100を背面からみた背面図を示す。正面側が前方の使用者側となる。背面側が前方の使用者からみた奥側となる。
図3は、実施形態の昇降デスク100を右側方からみた右側面図を示す。なお、昇降デスク100の左側面は、右側面と対称となっている。
【0021】
図4Aは、昇降デスク100の右下部を前方右斜め方向からみた斜視図である。
図4Bは、昇降デスク100の右下部を前方左斜め方向からみた斜視図である。
図4Cは、昇降デスク100の右下部を後方左斜め方向からみた斜視図である。
図4Dは、昇降機構部120を外した状態を示す図で、昇降デスク100の右下部を後方左斜め方向からみた斜視図である。
図5は、右脚部と補強プレートとタイプレートの固定方法を説明する斜視図である。
【0022】
昇降デスク100は、天板110と、昇降機構部120と、左脚部130L及び右脚部130Rと、補強プレート140と、タイプレート150と、ブラケット160を含んで構成されている。
【0023】
天板110は、所定の厚さを有し、上面からみて長方形状に形成されている。
【0024】
天板110の下部には、昇降機構部120が配置されている。昇降機構部120は、昇降同調用シャフト部材121と、昇降駆動用モータ122と、脚部内機構123を含む。
【0025】
左脚部130L及び右脚部130Rはそれぞれ、天板110の左下側、右下側に配置されている。左脚部130L及び右脚部130Rはそれぞれ、床面に配置された脚部下方側の固定脚131と、昇降機構部120によって固定脚131に対して上下方向に移動自在に嵌装された脚部上方側の可動脚132を含んで構成されている。
【0026】
昇降同調用シャフト部材121は、左脚部130Lの可動脚132の上下方向の動作と、右脚部130Rの可動脚132の上下方向の動作を同調させて左脚部130L及び右脚部130Rを同じ昇降高さに昇降させるための部材である。昇降同調用シャフト部材121は、例えば断面六角形の六角シャフトで構成されている。
【0027】
昇降同調用シャフト部材121は、その長手方向が左右方向となるように、左脚部130Lの上端部内側側面130Nと、右脚部130Rの上端部内側側面130Nとの間に架け渡されている。
【0028】
昇降同調用シャフト部材121の左端121Lは、左脚部130Lの上端部内側側面130Nに形成された挿通孔133Lに挿通されている。昇降同調用シャフト部材121の左端121Lは、左脚部130L内の脚部内機構123に回転自在に連結されている。
【0029】
同様に昇降同調用シャフト部材121の右端121Rは、右脚部130Rの上端部内側側面130Nに形成された挿通孔133Rに挿通されている。昇降同調用シャフト部材121の右端121Rは、右脚部130R内の脚部内機構123に回転自在に連結されている。
【0030】
昇降駆動用モータ122は、右脚部130Rの上端部内側側面130Nに配置されている。すなわち、昇降駆動用モータ122には、昇降同調用シャフト部材121に駆動力を伝達するための駆動力伝達部122Aが設けられている。駆動力伝達部122Aには、昇降同調用シャフト部材121の断面形状(六角形)に応じた嵌装孔122Hが形成されている。昇降同調用シャフト部材121は、駆動力伝達部122Aの嵌装孔122Hに回動自在に嵌装されている。
【0031】
昇降駆動用モータ122のマウント部122Mは、右脚部130Rの上端部内側側面130Nに形成された挿通孔133Rを覆うように、右脚部130Rの上端部内側側面130Nに締結されて右脚部130Rに固定されている。
【0032】
左脚部130L及び右脚部130Rにはそれぞれ、補強プレート140が設けられている。補強プレート140は、所定厚を有した平板プレートであり、所定の強度及び剛性の材料で構成され、例えば正三角形状に形成されている。
【0033】
補強プレート140は、左脚部130L及び右脚部130Rの正面側の上端部正面側側面130Fを覆う補強プレート覆部140Aと、左右方向中心側にせり出された補強プレートせり出し部140Bを有している。以下では、
図5に示すように右脚部130Rを図示して右脚部130Rと補強プレート140とタイプレート150を一体的に固定する方法について説明する。左脚部130Lについても同様に固定される。
【0034】
補強プレート覆部140Aには、タイプレート150と共締めするための挿通孔140C1、140C2が形成されている。補強プレートせり出し部140Bには、タイプレート150に締結するためのネジ孔140Dが形成されている。
【0035】
補強プレート140は、その対辺部140T1が左脚部130L及び右脚部130Rの上端130Uに一致し、その隣辺部140T2が、左脚部130L及び右脚部130Rの側端130S1に一致するように、左脚部130L及び右脚部130Rの上端部正面側側面130Fに溶接によって固定されている。たとえば補強プレート140は、左脚部130L及び右脚部130Rの上端部内側側面130Nの側端130S2に沿った溶接線W2及び
【0036】
左脚部130L及び右脚部130Rの上端部外側側面130Tの側端130S1に沿った溶接線W3に倣って溶接される。
【0037】
なお、補強プレート140の固定方法としては、溶接に限定されるわけでなく、リベット、接着等任意の固定手段を用いることができる。
【0038】
左脚部130L及び右脚部130Rの上端部正面側側面130Fのうち、補強プレート140のネジ孔140C1、140C2に対応する箇所には、同一径のネジ孔130C1、130C2が形成されている。
【0039】
タイプレート150は、その長手方向が左右方向となるように天板110の下面に取り付けられている。タイプレート150は、断面L字状に形成された長尺部材であり、天板側取り付け部151と、脚部側取り付け部152を含んでいる。
【0040】
タイプレート150の天板側取り付け部151には、天板110に締結固定するための挿通孔151Cが形成されている。
【0041】
タイプレート150の脚部側取り付け部152のうち、補強プレート140の挿通孔140C1、140C2に対応する箇所には、同一径の挿通孔150C1、150C2が形成されている。タイプレート150の脚部側取り付け部152のうち、補強プレート140のネジ孔140Dに対応する箇所には、同一径の挿通孔150Dが形成されている。
【0042】
タイプレート150は、補強プレート覆部140Aに共締めされると共に、補強プレートせり出し部140Bに締結されることにより、左脚部130L及び右脚部130Rを連結する。すなわち締結用ボルト171、172がそれぞれ、タイプレート150の挿通孔150C1、150C2及び補強プレート140の挿通孔140C1、140C2に挿通されて、左脚部130L及び右脚部130Rのネジ孔130C1、130C2に螺合される。
【0043】
締結用ボルト173が、タイプレート150の挿通孔150Dに挿通され、補強プレート140のネジ孔140Dに螺合される。補強プレート140が左脚部130L及び右脚部130Rとタイプレート150に挟持される態様でこれら各部材が一体的に固定される。
【0044】
締結用ボルト174が、タイプレート150の天板側取り付け部151の挿通孔151Cに挿通されて、天板110の対応する箇所のネジ孔に螺合される。これによりタイプレート150が天板110の下部に固定される。
【0045】
ブラケット160は、左脚部130L及び右脚部130Rそれぞれに設けられている。ブラケット160は、断面L型形状に形成されており、脚部側支持部161と天板側取り付け部162を含んで構成されている。
【0046】
ブラケット160の脚部側支持部161は、左脚部130L及び右脚部130Rの上端部外側側面130Tに締結される。ブラケット160の天板側取り付け部162は、天板110の下部に締結される。これによりブラケット160により左脚部130L及び右脚部130Rの上端部外側側面130Tが支持されると共に、ブラケット160を介して、左脚部130L及び右脚部130Rが天板110に取り付け固定される。
【0047】
昇降デスク100を正面側の右下部には、昇降機構部120による左脚部130L及び右脚部130Rの昇降動作を操作するための操作パネル180が取り付けられている。
【0048】
昇降用シャフト部材121は、その全てが昇降デスク100の正面からみて、タイプレート150及び補強プレート140によって遮蔽される位置に配置されている。なお昇降用シャフト部材121は、その一部が昇降デスク100の正面からみて、タイプレート150及び補強プレート140によって遮蔽される位置に配置されるように構成してもよい。
【0049】
昇降駆動用モータ122は、その一部が昇降デスク100の正面からみて、タイプレート150及び補強プレート140によって遮蔽される位置に配置されている。なお昇降駆動用モータ122は、その全てが昇降デスク100の正面からみて、タイプレート150及び補強プレート140によって遮蔽される位置に配置されるように構成してもよい。
【0050】
補強プレート140の形状、大きさは、任意に選択可能であり、
図6Aに例示するように、昇降駆動用モータ122の全てを遮蔽する大きさに形成してもよい。また
図6Bに例示するように、補強プレート140を略四角形状に形成してもよい。
【0051】
実施形態によれば、昇降デスク100の左右脚部130L、130Rの上部に補強プレート140という最小限の補強部材を追加するだけで、昇降デスク100の横揺れを抑制できる。
【0052】
また実施形態によれば、タイプレート150は補強部材140を介して左脚部130L及び右脚部130Rに締結部材によって締結されているだけであり、締結部材を緩めることでタイプレート150を左脚部130L及び右脚部130Rから容易に分離することができる。このため実施形態の昇降デスク100は梱包性、可搬性に優れている。
【0053】
また実施形態によれば、天板110の下に配置された昇降機構部120(昇降用シャフト部材121、昇降駆動用モータ122)と干渉することなく、補強プレート140という補強部材を配置することができる。このため昇降機構部120のレイアウトを変更することなく横揺れ防止の対策を施すことができる。
【0054】
また実施形態によれば、昇降用シャフト部材121の全て又は一部は、昇降デスク100の正面からみて、タイプレート150及び補強プレート140によって遮蔽される。また昇降駆動用モータ122の全て又は一部は、昇降デスク100の正面からみて、タイプレート150及び補強プレート140によって遮蔽される。このため使用者が不用意に昇降用シャフト部材121や昇降駆動用モータ122に触れてしまうことを防止できる。このため昇降用シャフト部材121や昇降駆動用モータ122の回転箇所への巻き込みが防止されると共に、昇降用シャフト部材121や昇降駆動用モータ122の汚れが使用者に付着することを防止できる。
【0055】
実施形態では、補強プレート140が、左脚部130L及び右脚部130Rの上端部正面側側面130Fに固定されている場合について説明した。しかし、実施形態と同様にして、補強プレート140を、左脚部130L及び右脚部130Rの上端部背面側側面130Gに固定してもよい。
【0056】
実施形態では、補強プレート140を、上端部正面側側面130Fのみに固定する場合について説明したが、補強プレート140を、上端部背面側側面130Gのみに固定する実施も可能であり、補強プレート140を、上端部正面側側面130F及び上端部背面側側面130Gの両方に固定する実施も可能である。
【0057】
また実施形態の昇降デスク100は、ブラケット160を備えているため、補強プレート140による横揺れ抑制効果に加えて、さらに横揺れを抑制することができる。しかし、実施形態の昇降デスク100からブラケット160を省略する実施も可能である。
【0058】
また実施形態では、昇降デスク100について説明したが、実施形態と同様にして昇降テーブルなど、任意の用途の天板昇降器具に本発明を適用することができる。
【0059】
さらに実施形態の天板昇降器具は、特許請求の範囲に記載された範囲内で、構成要素の省略、追加、変更、置換等の変形が可能である。
【符号の説明】
【0060】
100 昇降デスク
110 天板
120 昇降機構部
130L 左脚部
130R 右脚部
140 補強プレート
150 タイプレート
160 ブラケット